JP4506481B2 - 飛行時間型質量分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は飛行時間型質量分析装置に関し、更に詳しくは、分析対象であるイオンが略同一の軌道を周回又は往復運動するように飛行空間が形成された飛行時間型質量分析装置に関する。
飛行時間型質量分析装置(以下、TOFMSと略す)では、一般的に、電場により加速したイオンを電場及び磁場を有さない飛行空間内に導入し、検出器に到達するまでの飛行時間に応じて各種イオンを質量(厳密には質量電荷比m/z)毎に分離する。或る質量差を有する2種類のイオンに対する飛行時間の差は飛行距離が長いほど大きくなるから、質量分解能を高くするためにはできるだけ飛行距離を長く確保することが好ましい。しかしながら、装置の大きさなどの制限によって多くの場合、直線的な飛行距離を長くとることは困難であるため、飛行距離を実効的に長くするような各種の構成が従来より提案されている。
例えば特許文献1に記載のTOFMSでは、8の字状の閉じた周回軌道を形成し、この軌道に沿ってイオンを多数回繰り返し周回させることで飛行距離を実効的に長くしている。こうした周回軌道を利用した構成における問題点を、図4により説明する。図4は、8の字状の周回軌道に代えて、単純化した円形状の周回軌道を有するTOFMSの概略構成図である。
イオン源1を出発点として飛行を開始したイオンはゲート電極4を介して飛行空間2内に導入され、該飛行空間2内で略円形状の周回軌道Aに乗るように案内される。この図4ではイオンを周回軌道A上で周回させるための電場を生成する電極については記載を省略している。イオンは周回軌道Aを1乃至複数回周回した後、ゲート電極4を通過した直後に周回軌道Aを離れ、飛行空間2から出てその外側に設けられた検出器5に到達して検出される。周回軌道Aにおける周回数を多くすればするほどイオンの飛行距離は長くなるから、質量が近いイオン同士の飛行時間の差も拡大し、その両イオンを互いに分離し易くなる。ところが、質量の小さなイオンほど速い速度で周回軌道Aを回るため、周回軌道Aを回る間に、質量の小さなイオンが周回遅れである質量の大きなイオンに追いついてしまい、ほぼ同時に周回軌道Aから離れて検出器5に飛び込むということが起こり得る。
このようにこの種のTOFMSでは、質量が近いイオン同士の分離性は向上するものの、逆に周回する間に追い越しや追いつきが発生するような比較的質量が離れているイオン同士の分離は却って困難になる場合がある。そこで、こうした問題を回避するために、従来、ゲート電極4により周回軌道Aに乗せるイオンの質量範囲を制限し、上記のように周回遅れになるほど質量に差があるような複数種のイオンを同時に測定しないようにしている。そのため、低質量から高質量まで広い範囲に亘る分析を行いたい場合には、質量範囲を細かく区分して多数回の分析を行わなければならず、分析効率が悪いという問題が生じる。また、分析対象の試料が微量であって多数回の分析を行うことが困難である場合には、上記のような広い質量範囲に亘る分析が不可能となる。
なお、同一軌道を一方向に繰り返し飛行する周回軌道でなく例えば直線状や曲線状の軌道を往復飛行させる場合でも、往復回数を増すことにより飛行距離を長くとることができる反面、上記と同様にイオンの追いつき・追い越しが起こり得るから同じ問題が発生する。
特開平11−135060号公報
本出願人は既に特願2004-209576において、周回軌道を有するTOFMSにおける上述したような問題を解決するための新規な構成のTOFMSを提案している。即ち、周回軌道Aの出口(図4ではゲート電極4)から検出器までの出射飛行距離が実効的に異なるように、例えば2つの検出器をそれぞれ所定位置に設け、同一試料に対して、各検出器でイオンを検出する質量分析をそれぞれ1回ずつ行う。周回軌道上での飛行距離は同一でも出射飛行距離が相違するため、同一種のイオンに対する上記2回の質量分析時の飛行時間には差が生じ、その差は着目しているイオンの質量に依存する。したがって、その飛行時間差からそのイオンについての周回軌道Aの周回数(つまりは質量範囲)を判断し、質量範囲を絞った上で飛行時間に応じて正確な質量を算出することが可能となる。
上記新規な構成のTOFMSでは様々な変形が考えられるが、多くの場合、周回軌道以外の出射飛行軌道や、イオン源から周回軌道Aの入口(図4ではゲート電極4)までの入射飛行軌道における実効的な飛行軌道を変化させるために、何らかのハードウエアを追加する必要が生じる。本発明はかかる点に鑑みて成されたものであり、その主な目的は、より簡便な構成で以て、広い質量範囲に亘る分析を効率的に行うことができるTOFMSを提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明に係る飛行時間型質量分析装置は、
a)イオンの飛行出発点となるイオン源と、
b)イオンに運動エネルギーを付与して前記イオン源から飛行を開始させるエネルギー付与手段と、
c)前記イオン源を発した各種イオンを複数回繰り返し飛行させるための同一の飛行軌道であって、イオンが持つ運動エネルギーについて時間収束性を有する飛行軌道を形成するイオン案内手段と、
d)前記飛行軌道を繰り返し飛行した後のイオンを検出する検出器と、
e)前記エネルギー付与手段によりイオンに付与する運動エネルギーを少なくとも2つの異なる状態に設定し、同一イオンについての前記イオン源から前記検出器までの飛行時間をそれぞれ測定する分析制御手段と、
f)同一イオンに由来する前記2つの異なる状態に対応した前記飛行時間の差に基づいて該イオン種の質量を算出又は推定する演算処理手段と、
を備えることを特徴としている。
ここで、上記飛行軌道は、狭い飛行空間内で長い飛行距離を確保することを目的として、ほぼ同一の軌道上をイオンが繰り返し飛行することを可能とするものであればその形状を問わず、例えば、円形状、長円形状、8の字形状等の周回軌道、或いは、直線又は曲線状等の往復軌道などとすることができる。また、ここで言うイオン源とは、必ずしも分子又は原子からイオンを生成する手段を意味するものではなく、イオンを飛行空間に導入するためのイオンの出発点となり得るものであればよい。
本発明に係る飛行時間型質量分析装置では、イオンがイオン源を発してから検出器に到達するまでの飛行軌道は大別して3つに分けることができる。即ち、イオン源から上記飛行軌道に乗るまでの入射軌道、イオン案内手段により形成される飛行軌道、及び、イオンが飛行軌道を離れてから検出器に到達するまでの出射軌道である。このうち、イオンが1乃至複数回繰り返し飛行する飛行軌道はイオンが持つ運動エネルギーについての時間収束性を有するため、運動エネルギーが相違していても同一質量のイオンであれば飛行時間はほぼ等しくなる。即ち、この飛行軌道上の飛行時間は運動エネルギーには依存しない。(なお、8字状等の飛行軌道を形成するために扇状電場などを用いることにより時間収束性を達成できることは、例えば特開平11−195398号公報や、石原盛男ほか2名、「パーフェクト・スペース・アンド・タイム・フォーカシング・イオン・オプティクス・フォー・マルチターン・タイム・オブ・フライト・マス・スペクトロメーターズ(Perfect space and time focusing ion optics for multiturn time of flight mass spectrometers)」、インターナショナル・ジャーナル・オブ・マス・スペクトロメトリー(International Journal of Mass Spectrometry)、197(2000)、p.179-189などの文献に開示されているように、従来知られていることである。)
これに対し、典型的には直線軌道(又は曲線軌道等であってもよい)である入射軌道及び出射軌道は、上記のようなイオンが持つ運動エネルギーについての時間収束性が無いため、同一質量のイオンであっても運動エネルギーが相違すると飛行時間が相違する。即ち、互いに異なる運動エネルギーを付与された同一イオンの飛行時間の差はそれぞれの状態におけるイオンの速度に依存し、そのイオンの速度はイオンが持つ運動エネルギーと質量とに依存する。エネルギー付与手段によりイオンに付与する運動エネルギーは既知であるから、同一種のイオンについて上記2つの状態における飛行時間をそれぞれ測定し、その飛行時間の差を求めれば、その値と既知である運動エネルギーとに基づいてそのイオンの質量を求めることができる。
本発明に係る飛行時間型質量分析装置によれば、同一試料についてたかだか2回の測定作業を実行することにより、幅広い質量範囲に亘るイオンの質量分析を達成することができる。したがって、分析作業が大幅に効率化できる。また、試料が微量であって多数回の分析が行えないような場合でも、何ら問題なく幅広い質量範囲に亘る質量分析が可能となる。
また、エネルギー付与手段は、一般に、イオンと同極性の電場による反発力を利用してイオン源からイオンを押し出す、又はイオンと逆極性の電場による引力を利用してイオン源からイオンを引き出すものであり、イオン源からイオンを飛行させるために必ず備わっている。そして、単にその電場を形成するための印加電圧を変更することにより、イオンに付与する運動エネルギーを変更することができる。したがって、本発明に係る飛行時間型質量装置を得るために、従来の周回軌道を有するTOFMSに対して特別なハードウエアを追加する必要はなく、簡便な構成で以て上記のように幅広い質量範囲に亘る質量分析を達成することができる。
以下、本発明に係るTOFMSについて、図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明に係るTOFMSの一実施例の概略構成図である。既述の図4と同一又は相当する構成要素には同一符号を付している。
本実施例のTOFMSでは、イオン源は3次元四重極型のイオントラップ1であって、1つの円環状のリング電極11と、リング電極11を挟んで互いに対向する一対のエンドキャップ電極12、13により構成されている。イオン源電圧発生部7からリング電極11及びエンドキャップ電極12、13にそれぞれ所定の電圧を印加して、これら電極11、12、13で囲まれる空間内にイオン閉じ込め用の四重極電場を形成し、そこにイオンを捕捉することができる。なお、イオンはこのイオントラップ1の内部で生成してもよいし、外部の図示しないイオン生成部で生成させたイオンをイオントラップ1内に導入するようにしてもよい。上述したようにイオントラップ1内に捕捉されたイオンは、イオン源電圧発生部7から各電極11、12、13に印加される電圧が変更されることで運動エネルギーを付与され、エンドキャップ電極13のイオン出射口14から放出される。
飛行空間2内には、イオンを略円形状の周回軌道Aに沿って飛行させるための複数の案内電極3と、飛行空間2に導入されたイオンを周回軌道Aに乗せるため及び逆に周回軌道A上を飛行しているイオンを周回軌道Aから離脱させるためのゲート電極4とが配置され、周回軌道用電圧発生部8からゲート電極4及び案内電極3にそれぞれ駆動電力が供給される。なお、ここでは周回軌道Aを円形状としているが、これに限るものではなく、イオンが持つ運動エネルギーについて時間収束性を持つものでありさえすれば、長円形状、8の字状の周回軌道など任意の形状とすることができる。また、完全に同一軌道上を周回するものでなくとも螺旋状の旋回軌道や往復軌道でもよい。
図1の構成の装置の基本的な動作は次の通りである。イオントラップ1内に保持されているイオンは、イオン源電圧発生部7により各電極11、12、13に印加される電圧により運動エネルギーを付与されてイオン出射口14を通して放出され、まず直線状に進んでゲート電極4に達する。そしてゲート電極4により飛行空間2内に導入されて周回軌道Aに乗せられる。このイオンは案内電極3から発生する電場によって形成される周回軌道Aに沿って1乃至複数回、周回運動した後に、ゲート電極4により周回軌道Aを離れて飛行空間2から出射する。そして、ゲート電極4を通過した後に直線状に進んで検出器5に到達し、検出器5は到達したイオンに応じて流れる電流信号を検出信号としてデータ処理部9に出力する。
次に本実施例のTOFMSにおける特徴的な質量算出の原理について説明する。いま、図1において次のように定めることとする。
Lin :イオン源1から周回軌道A入口(ゲート電極4)までの飛行距離(入射側飛行距離)
Lout :周回軌道A出口(ゲート電極4)から検出器5までの飛行距離(出射側飛行距離)
U:イオンの持つ運動エネルギー
C:周回軌道Aにおける1周回運動の飛行距離(周回長)
m:イオンの質
TOF(m,U):運動エネルギーU、質量mを持つイオンの飛行時間(イオン源1を発してから検出器5に到達するまでの所要時間)
V(m,U):運動エネルギーU、質量mを持つイオンの速度
N(m):質量mを持つイオンが周回軌道Aを周回した回数(周回数)
TOFMSの基本的な原理より、次の(1)式が成立する。
TOF(m,U)×V(m,U)=Lin+N(m)×C+Lout …(1)
ゲート電極4で周回軌道Aに案内されない場合、イオン源1から検出器5までは通常の直線状の飛行空間であるとみることができるから、その直線状の飛行距離Lは、
L=Lin+Lout
である。したがって、(1)式は、
TOF(m,U)={L+N(m)×C}/V(m,U) …(2)
と書き換えることができる。
周回軌道Aは同一質量mのイオンに対し運動エネルギーについての時間収束性を有しているので、少なくとも周回軌道A上での飛行時間は運動エネルギー依存性がない。そこで、同一質量mのイオンの運動エネルギーUをU’に変化させた場合の飛行時間の変化量ΔTOF(m)は、
ΔTOF(m)=TOF(m,U)−TOF(m,U’)=L{1/V(m,U)−1/V(m,U’)} …(3)
である。(3)式より、イオンの飛行時間のずれ(差)ΔTOF(m)はそのイオンの速度に依存することが分かる。そして、イオン速度Vと運動エネルギーU及び質量mとの関係は、
V(m,U)=(2U/m)(-1/2)
であるから、(3)式より、
m=2×ΔTOF(m)2 ×(U(-1/2)−U’(-1/2)-2/L2 …(4)
と求めることができる。したがって、同一種のイオンに付与する運動エネルギーを変化させて該イオンに由来する飛行時間の差ΔTOFを測定すれば、その値から質量mを計算できることが分かる。
次に上記測定原理を利用した本実施例のTOFMSの具体的な動作を説明する。まず、制御部6の制御の下にイオン源電圧発生部7はイオントラップ1に保持したイオンに運動エネルギーUを付与してイオントラップ1から放出させるように印加電圧を設定し、それによって上記のような質量分析動作を実行する。そして、データ処理部9により、図2(a)に示すような飛行時間TOF(m,U)とイオン強度との関係を表すグラフを取得する。次に今度は、イオン源電圧発生部7はイオントラップ1に保持したイオンに先の運動エネルギーUと相違する運動エネルギーU’を付与してイオントラップ1から放出させるように先とは異なる印加電圧を設定し、それによって同一試料に対し上記のような質量分析動作を実行する。そして、データ処理部9により、図2(b)に示すような飛行時間TOF(m,U’)とイオン強度との関係を表すグラフを取得する。
上記2回の質量分析は同一試料に対するものであるから、図2(a)のグラフと図2(b)のグラフとでは、同一種のイオンに対するイオン強度はほぼ等しくなる。したがって、両グラフのピークを比較することにより同一種のイオンに対するピークをそれぞれ見つけ、それらピークから飛行時間TOF1、TOF2をそれぞれ求める。運動エネルギーU、U’はそれぞれ計算により求めることができ、直線状の飛行距離Lも既知であるから、データ処理部9では、(4)式に基づいて飛行時間TOF1とTOF2の差ΔTOF(m)から、着目しているイオンの質量mを導出することができる。
上述したように、原理的には飛行時間の差ΔTOF(m)に基づいて、着目しているイオンの質量mを計算することができるが、その算出精度は直線状の飛行距離Lに依存する。ところが、こうした装置ではそもそもこの飛行距離Lを大きくすることが困難であることが多く、そのため質量mの算出精度を上げることが難しい場合がある。そうした場合でも、本実施例のTOFMSは、飛行時間の差ΔTOF(m)からそのイオン種の正確な質量mを算出するのではなく、飛行時間の差ΔTOFからおおよその質量mを推定し、それを参考にして質量範囲を絞る目的で利用することができる。
即ち、上記構成のようなTOFMSでは、イオンの質量mと周回数N(m)との関係は図3に示すようにステップ状になる。図3において各ステップで示される同一周回数Nに含まれる質量は、或る運動エネルギーがイオンに付与された条件の下での飛行時間とイオン強度との関係から高い精度で以て算出することができる。それに対し、到来してきたイオンが同一周回数だけ飛行したものであるのか、それともそれぞれ異なる周回数飛行したものであるのか(つまり図3中でいずれのステップに含まれるものであるのか)、を識別することは困難である。したがって、本実施例のTOFMSにおいて、飛行時間の差ΔTOF(m)からこうした大きな質量範囲の識別情報さえ得られれば、その識別情報を利用して各イオンを質量範囲毎に分離した上で、さらに正確に質量を算出することができる。このようにして、データ処理部9では、同一試料に対する2回の質量分析の結果を利用して、幅広い質量範囲に亘るイオンの質量の同定を行うことができる。
なお、上記実施例は本発明の一実施例であるから、本発明の趣旨の範囲で適宜に修正、変更、追加などを行えることは明らかである。例えば、上記実施例ではイオン源をイオントラップとしたが、イオン源はこれに限るものではない。例えば電子衝撃イオン化法によるイオン源を使用する場合、イオン化室内に配設されたリペラー電極又はイオン化室外に配設された引き出し電極とそれら電極に電圧を印加する電圧発生部とがエネルギー付与手段に相当する。
本発明の一実施例によるTOFMSの概略構成図。 本実施例のTOFMSによる測定原理を説明するためのグラフ。 本実施例のTOFMSによる測定原理を説明するためのグラフ。 従来の周回軌道型TOFMSの概略構成図。
符号の説明
1…イオントラップ(イオン源)
11…リング電極
12、13…エンドキャップ電極
14…イオン出射口
2…飛行空間
3…案内電極
4…ゲート電極
5…検出器
6…制御部
7…イオン源電圧発生部
8…周回軌道用電圧発生部
9…データ処理部
A…周回軌道

Claims (1)

  1. a)イオンの飛行出発点となるイオン源と、
    b)イオンに運動エネルギーを付与して前記イオン源から飛行を開始させるエネルギー付与手段と、
    c)前記イオン源を発した各種イオンを複数回繰り返し飛行させるための同一の飛行軌道であって、イオンが持つ運動エネルギーについて時間収束性を有する飛行軌道を形成するイオン案内手段と、
    d)前記飛行軌道を繰り返し飛行した後のイオンを検出する検出器と、
    e)前記エネルギー付与手段によりイオンに付与する運動エネルギーを少なくとも2つの異なる状態に設定し、同一イオンについての前記イオン源から前記検出器までの飛行時間をそれぞれ測定する分析制御手段と、
    f)同一イオンに由来する前記2つの異なる状態に対応した前記飛行時間の差に基づいて該イオン種の質量を算出又は推定する演算処理手段と、
    を備えることを特徴とする飛行時間型質量分析装置。
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