JP4506051B2 - SUBSTRATE WITH PHOTOSENSITIVE COATING, METHOD FOR PRODUCING THE SAME, AND METHOD FOR PRODUCING SUBSTRATE WITH COLORED FILM - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光性被膜付き基体とその製造方法および着色膜付き基体の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
着色膜を用いてガラスなどの基体を着色する方法は数多く知られている。これらの着色膜を用いて部分的に着色を行いたい場合は、予め着色させたくない部分にマスキングを施して塗布されることが多い。
さらに、着色度を変える（濃淡をつける）ためには、通常は膜厚の制御によって行われ、スプレー法などで制御しながら塗布する。
しかし、前記方法では、マスキングを貼り付けたり剥したりする煩雑な作業が必要であった。
【０００３】
ところで、陰極線管用フェイスパネル（以下、単にパネルともいう）は、近年平面化が進んできており、この平面型パネルは、視聴者側の表面は平面であるが、裏側（電子銃側）は凹面となっている。つまり、平面型パネルを断面から見ると、片側が凹んだ凹レンズのような形状をしている。
一方、パネルはコントラストを向上させることから着色したガラス素地からなることが多く、凹レンズ形状をした前述の平面型パネルではガラス厚さが中央部と周辺部で大きく異なる。したがって、平面型パネルの中央部では透過率が高く、周辺部では透過率が低くなり、面内でコントラストに大きなばらつきが発生する。
【０００４】
コントラストのばらつきを回避する方法として、平面型パネルの表面（視聴者側の表面）に膜厚分布をもった着色膜をスプレー法で形成する、すなわち、中央部の膜厚は厚く、周辺部の膜厚は薄く、なるようにスプレー法で形成する方法が提案されている。しかし、着色度を微妙に変える（微妙な濃淡をつける）うえでは、上記の膜厚制御方法では充分でなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、着色に微妙な濃淡が付いた着色膜付き基体を簡便に得ることができる感光性被膜付き基体とその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、また、簡便に、微妙な濃淡が付いた着色膜付き基体を得ることもでき、着色したガラス素地からなる平面型パネルのコントラスト改善に応用可能な着色膜付き基体の製造方法を提供する。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基体上に、３００ｎｍ以下の波長の紫外線を照射することによって着色し、３００ｎｍを超える波長の光では着色しない感光性被膜が形成された感光性被膜付き基体を提供する。
【０００７】
本発明は、また、基体上に感光性被膜が形成された感光性被膜付き基体であって、該感光性被膜が、酸化ケイ素をマトリックス成分とし、アミノ基を有する化合物によって錯体安定化された銀イオンを含むことを特徴とする感光性被膜付き基体を提供する。
【０００８】
アミノ基を有する化合物によって錯体安定化された銀イオンは、３００ｎｍ以下の短波長の紫外線によってはじめて分解されて銀コロイドを生成する。アミノ基によって安定化されているため、３００ｎｍを超える波長の光では着色が起こらない。
【０００９】
３００ｎｍ以下の波長の紫外線によってのみ着色が起こるということは、低圧水銀灯などの短波長紫外線を放射する光源によって着色でき、かつ使用中においては自然界に存在する紫外線では意図しない着色が起こらない。本発明において「３００ｎｍ以下の波長の紫外線によってのみ着色が起こる」とは、３００ｎｍ以下の波長の紫外線を照射することで（着色膜自身の）透過率が１０％以上低下することを意味し、「３００ｎｍを超える波長の光では着色しない」とは、３００ｎｍを超える波長の光を照射した際の（着色膜自身の）透過率低下が１%以下であることを意味する。
【００１０】
本発明における感光性被膜は、紫外線照射によって着色された後、経時的に退色しない感光性被膜であることが好ましい。これは、使用中に退色が起こらないことで恒久的な着色膜として利用できるからである。
本発明における感光性被膜は、再度の紫外線照射によって着色度が任意に調整でき、着色膜の濃度調整が容易である。
【００１１】
本発明における感光性被膜中に存在するアミノ基の銀イオンに対する割合は、モル比で１〜１０であることが好ましい。前記モル比が１未満では銀の析出が起こりやすく着色濃度の調整が難しくなり、また、前記モル比が１０超では着色させるのに非常に多くの紫外線量が必要となる。特に、前記モル比は２〜６であることが好ましい。感光性被膜中では、アミノ基の窒素が銀イオンに配位して存在している。
【００１２】
アミノ基を有する化合物は、分子構造中にケイ素を含むことが好ましく、具体的には、アミノ基を有するケイ素化合物であることが好ましい。これは、マトリックス成分である酸化ケイ素へ直接結合できるからである。
【００１３】
アミノ基を有するケイ素化合物としては、アミノシランカップリング剤が好ましい。具体例としては、３−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリメトキシシラン、３−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリエトキシシラン、３−（２−アミノエチル）アミノプロピルメチルジメトキシシラン、３−（２−アミノエチル）アミノプロピルメチルジエトキシシラン、３−アミノプロピルトリメトキシシラン、３−アミノプロピルトリエトキシシラン、およびこれらの化合物の部分加水分解物や重合物などが挙げられる。
【００１４】
マトリックス成分である酸化ケイ素は銀イオンを保持する。酸化ケイ素は厳密にＳｉＯ_２の組成である必要はなく、網目状Ｓｉ−Ｏ−Ｓｉ結合を有する非晶質成分として存在すればよい。また、マトリックス成分には、網目状構造を形成する元素であるＢ、Ａｌ、Ｐ、Ｚｒ、Ｔｉなどが含まれてもよく、修飾イオンであるアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンなどが含まれてもよい。なお、アミノ基を有する化合物としてアミノシランカップリング剤を用いた場合には、該アミノシランカップリング剤にマトリックスを形成する役割を同時に持たせてもよく、また、マトリックス（酸化ケイ素）形成成分を添加してもよい。
本発明における感光性被膜の膜厚としては、０．０５〜１０μｍであることが好ましい。０．０５未満では紫外線照射時に充分な着色が得られにくく、１０μｍ超では膜にクラックが入りやすくなる。
【００１５】
本発明は、また、銀化合物と、アミノ基を有する化合物と、ケイ素アルコキシドとを含む塗布液を基体上に塗布し、熱および／または光によって硬化させて感光性被膜を形成する感光性被膜付き基体の製造方法を提供する。
【００１６】
銀化合物としては、塗布液中に錯体化して溶解させられるものであれば特に限定されず、入手や取扱いのしやすさという点からは硝酸銀、亜硝酸銀などが好ましく用いられる。
【００１７】
アミノ基を有する化合物としては、硬化後も膜中に残る必要があるため、トリメチルアミンなどの低沸点化合物は適さないが、それ以外は特に限定はない。好ましくは、分子構造中にケイ素を有するシランカップリング剤であり、アミノ基を有する化合物として先に述べた化合物が好ましく用いられる。
【００１８】
ケイ素アルコキシドとしては、一般式Ｒ_ａＳｉＸ_４−ａ（ａは０、１、２であり、Ｒは有機基であって、ａ＝２のとき２つのＲは互いに同一でも異なっていてもよく、Ｘは加水分解性基であって、複数のＸは互いに同一でも異なっていてもよい。）で表される化合物であることが好ましい。なお、アミノ基を有する化合物がマトリックス形成成分をも兼ねる場合は、前記ケイ素アルコキシドを省略し得る。
【００１９】
一般式Ｒ_ａＳｉＸ_４−ａで表される化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラメトキシシランの縮合体（例えばメチルシリケート５１）、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、３−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、３−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、３−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリメトキシシラン、３−（２−アミノエチル）アミノプロピルメチルジメトキシシラン、３−アミノプロピルトリメトキシシラン３−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、３−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、３−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、およびこれらのシランのアルコキシ基がエトキシ基であるものなどが挙げられる。
【００２０】
これらのケイ素アルコキシドは、単独または２種以上混合して用い得る。またこれらケイ素アルコキシドは、塗布液中で加水分解／重縮合された形でも用い得る。
塗布液には、網目状構造を形成する元素であるＢ、Ａｌ、Ｐ、Ｚｒ、Ｔｉの化合物などが含まれてもよく、修飾イオンであるアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属の化合物などが含まれてもよい。
【００２１】
塗布液の塗布方法としては、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、印刷法、ダイコート法、メニスカスコート法などが挙げられる。後述するように基体として陰極線管用フェイスパネルを用いる場合はスピンコート法が好ましい。
【００２２】
塗布後は、被膜中の銀−アミノ錯体が分解されない温度まで加熱することによって膜を硬化させて感光性被膜を得る。具体的には、大気中で、室温〜２５０℃（好ましくは１００〜２００℃）の加熱によって硬化させる。
【００２３】
本発明における基体としては透明基体が好ましく、例えば、ガラス基体、プラスチック基体が挙げられる。特に、着色したガラス素地からなる平面型パネルのコントラストを改善できることから、基体として、陰極線管用フェイスパネル（特に、平面型パネル、さらには着色したガラス素地からなる平面型パネル）を用いた場合に顕著な効果が得られる。
【００２４】
パネルに感光性被膜を形成する場合、１）陰極線管の部品であるパネルガラスに感光性被膜を形成する、または、２）各部品を使用して陰極線管を構成した後に該陰極線管のパネル部分に感光性被膜を形成する、いずれの方法をも用い得る。
【００２５】
本発明において基体としてパネルを用いた場合、感光性被膜の上および／または下に、他の機能膜、すなわち、１）低反射性を発現させる被膜（例えば、高屈折率膜と低屈折率膜とが交互に積層された多層膜）や、２）導電性被膜（例えば、導電性酸化物膜、導電性窒化物膜、金属膜など）、が形成された態様も可能である。
【００２６】
本発明は、また、銀化合物と、アミノ基を有する化合物と、ケイ素アルコキシドとを含む塗布液を基体上に塗布し、熱および／または光によって硬化させて感光性被膜を形成させた後に、３００ｎｍ以下の波長の紫外線を照射することにより該感光性被膜を着色して着色膜付き基体を得る着色膜付き基体の製造方法を提供する。
【００２７】
本発明においては、膜形成後の紫外線照射のみによって膜の着色度を制御でき、適切なフォトマスクを用いればパターニングも自由にできる。
３００ｎｍ以下の波長の紫外線を放射する光源としては、低圧水銀灯やＫｒＦレーザーなどが挙げられる。照射線量としては、たとえば２００Ｗ低圧水銀灯を用いた場合には１〜３０分程度の照射である。過剰の照射線量は膜の過熱を引き起こす可能性がある。なお、紫外線照射時には、低圧水銀灯の光などのように３００ｎｍを超える波長の光が混在していてもよい。
【００２８】
本発明の好ましい態様として、感光性被膜への紫外線照射の照射量を部分的に変えて、着色度が部分的に異なるように着色することが挙げられる。例えば、基体として、陰極線管用フェイスパネルを用い、本発明の感光性被膜付き基体として感光性被膜付き陰極線管用フェイスパネルを得て、その後、照射量に分布を持たせて感光性被膜に紫外線を照射することで着色し、パネル面内において透過率に分布を持った着色膜を形成する。
【００２９】
【実施例】
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。被膜の厚みは、焼成前に被膜を一部切り欠き、焼成後その段差を触針式の表面粗さ計（Ｓｌｏａｎ社製「ＤｅｋＴａｋ３０３０」）により測定した。被膜つきガラスの透過率は分光透過率計（日立製作所製「Ｕ−３５００」）により波長５５０ｎｍの光の透過率を測定した。
例１〜４および例７が実施例に相当し、例５〜６が比較例に相当する。
【００３０】
（例１）
硝酸銀１．０ｇをエタノール４０．８ｇに混合し、よく撹拌しながら３−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリメトキシシラン２．６２ｇを添加してさらに３０分室温で撹拌した。この溶液に、ジルコニウムテトラブトキシド４．５ｇ、テトラメトキシシラン１．２ｇを加え、更に３０分撹拌し、感光性被膜形成用塗布液を得た。この塗布液中のアミノ基／銀のモル比は４．０であった。
【００３１】
得られた塗布液を、よく洗浄し乾燥させたガラス基板にスピンコータ―を用いて塗布し、大気中で、６０℃で１０分間乾燥させた後、１３０℃で３０分硬化させて、酸化ケイ素をマトリックス成分とし、アミノ基を有する化合物（３−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリメトキシシラン）によって錯体安定化された銀イオンを含む感光性被膜を形成した。得られた感光性被膜の厚みは０．６μｍであり、感光性被膜付きガラスの透過率は８８％であった。
【００３２】
着色膜付きガラスを得るため、この感光性被膜付きガラスに、２００Ｗ低圧水銀灯を用い、照射時間を変化させて紫外線照射を行った。感光性被膜は徐々にこげ茶色に着色し、透過率は１分間照射で８０％、２分間照射で７２％、５分間照射で６１％というように、紫外線量によって着色度が変化した。また５分間照射後の着色膜付きガラスを実験室で２０日間保管したが、透過率は６１％のまま変化しなかった。
一方、同じ着色膜付きガラスに対して、フィルターにより３００ｎｍ以下の光を遮断した１ｋＷ高圧水銀灯で１５分間照射したが、着色は見られず、透過率も変化しなかった。
【００３３】
（例２〜４）
例１で用いた塗布液を、表１に示す組成の塗布液に変更し、表２に示す膜厚とした以外は、例１と同様にして感光性被膜付き基体および着色膜付き基体を形成し、評価を行った。結果を表２に示す。なお、表１中の、ＡＡＰＴＳは３−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリメトキシシラン、ＴＥＯＳはテトラエトキシシラン、ＭＴＭＳはメチルトリメトキシシラン、ＴＢＺはジルコニウムテトラブトキシドを意味する。また、表２中の、照射後透過率は２００Ｗ低圧水銀灯照射５分後の透過率、着色保持性は５分間照射着色後、実験室下で２０日間保管した後の透過率、＞３００ｎｍ光着色性は３００ｎｍ以下の光を遮断した１ｋＷ高圧水銀灯照射１５分後の透過率を意味する。
【００３４】
（例５（比較例））
例１で用いた塗布液の調製において３−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリメトキシシランを添加せず、膜厚を０．２μｍに変更した以外は例１と同様にして塗布液を調製し、感光性被膜付き基体および着色膜付き基体を形成し、評価を行った。結果を表２に示す。
【００３５】
（例６（比較例））
例４で用いた塗布液に、３−クロロプロピルトリメトキシシランを２．３４ｇ添加し、また焼成を４００℃で３０分とした以外は例１と同様して、感光性被膜付き基体および着色膜付き基体を形成し、評価を行った。結果を表２に示す。表中のＣＰＴＳは３−クロロプロピルトリメトキシシランを意味する。
なお、得られた感光性被膜付き基体の感光性被膜をＸ線回折法によって解析すると、被膜中には平均２０ｎｍ径の塩化銀の結晶が分散しており、また赤外吸収分析よりアミノ基−銀の結合は残存していないことが判明した。
【００３６】
（例７）
例１で用いた塗布液を、表１に示す組成の塗布液に変更し、例１と同様にして塗布液を調製した。塗布液中のアミノ基／銀のモル比は４．０であった。
【００３７】
得られた塗布液を、よく洗浄し乾燥させた１７インチ平面パネル（着色したガラス素地からなり、パネル自身の透過率は、中心部が７５％、周辺部（中心から１８ｃｍ）が６０％である平面パネル）にスピンコーターを用いて塗布し、大気中で、６０℃で１０分間乾燥させた後１３０℃で３０分硬化させて、感光性被膜付きパネルを得た。感光性被膜の膜厚は０．１５μｍであった。
【００３８】
この感光性被膜付きパネルに対して、中央部は透過率が高く、周辺部は透過率が低いメッシュ状マスクを介して、２００Ｗ低圧水銀灯で１０分間紫外線を照射し、着色膜付きパネルを得た。紫外線照射後の着色膜付きパネルの透過率は、中央部、周辺部ともに４８％であり、パネル面内において透過率はほぼ均一となった。
【００３９】
【表１】

【００４０】
【表２】

【００４１】
【発明の効果】
本発明の感光性被膜付き基体は、紫外線照射という簡便な方法で着色でき、微妙な濃淡（微細なパターニングや微妙なグラデーションなど）が要求された着色膜付き基体の製造に利用できる。
【００４２】
また、本発明の着色膜付き基体の製造方法によれば、簡便に、微妙な濃淡（微細なパターニングや微妙なグラデーションなど）が付いた着色膜付き基体を得ることができる。特に、基体として着色したガラス素地からなる平面型パネルを用いれば、パネル面内のコントラストの不均一や明るさの不均一が改善された着色膜付きパネルを簡便な方法で得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a substrate with a photosensitive coating, a method for producing the same, and a method for producing a substrate with a colored film.
[0002]
[Prior art]
Many methods for coloring a substrate such as glass using a colored film are known. When it is desired to perform partial coloring using these colored films, masking is often applied to portions that are not desired to be colored in advance.
Furthermore, in order to change the coloring degree (to add light and shade), it is usually performed by controlling the film thickness, and is applied while being controlled by a spray method or the like.
However, the above method requires a cumbersome operation of attaching or removing the masking.
[0003]
By the way, the cathode ray tube face panel (hereinafter also referred to simply as a panel) has been flattened in recent years. This flat panel has a flat surface on the viewer side but a concave surface on the back side (electron gun side). It has become. That is, when the flat panel is viewed from the cross section, it is shaped like a concave lens with one side recessed.
On the other hand, the panel is often made of a colored glass substrate to improve contrast, and the glass thickness of the flat panel having a concave lens shape is greatly different between the central portion and the peripheral portion. Therefore, the transmittance is high in the central portion of the flat panel, and the transmittance is low in the peripheral portion, resulting in large variations in contrast in the plane.
[0004]
As a method of avoiding variations in contrast, a colored film having a film thickness distribution is formed on the surface of the flat panel (viewer-side surface) by a spray method. That is, the film thickness in the center is thick and the film in the periphery is thick. A method of forming by a spray method so that the film thickness is thin has been proposed. However, the above-described film thickness control method is not sufficient in changing the coloring degree subtly (adding subtle shading).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a substrate with a photosensitive film and a method for producing the same, which can easily obtain a substrate with a colored film having a subtle shade of coloring.
The present invention also provides a method for producing a substrate with a colored film, which can easily obtain a substrate with a colored film having a subtle contrast, and can be applied to improve the contrast of a flat panel made of a colored glass substrate. To do.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides a substrate with a photosensitive coating in which a photosensitive coating that is colored by irradiating ultraviolet rays having a wavelength of 300 nm or less on the substrate and is not colored by light having a wavelength exceeding 300 nm is provided.
[0007]
The present invention also relates to a substrate with a photosensitive coating in which a photosensitive coating is formed on a substrate, wherein the photosensitive coating has silicon oxide as a matrix component and is complex-stabilized by a compound having an amino group. Provided is a substrate with a photosensitive coating, characterized by containing ions.
[0008]
Silver ions complex-stabilized by a compound having an amino group are first decomposed by ultraviolet rays having a short wavelength of 300 nm or less to form a silver colloid. Since it is stabilized by an amino group, coloring does not occur with light having a wavelength exceeding 300 nm.
[0009]
The fact that coloring occurs only with ultraviolet light having a wavelength of 300 nm or less means that coloring can be performed by a light source that emits short wavelength ultraviolet light such as a low-pressure mercury lamp, and unintentional coloring does not occur with ultraviolet light existing in nature during use. In the present invention, “coloration occurs only by ultraviolet rays having a wavelength of 300 nm or less” means that the transmittance (of the colored film itself) is reduced by 10% or more when irradiated with ultraviolet rays having a wavelength of 300 nm or less. The phrase “not colored with light having a wavelength exceeding 300 nm” means that the decrease in transmittance (of the colored film itself) when irradiated with light having a wavelength exceeding 300 nm is 1% or less.
[0010]
The photosensitive coating in the present invention is preferably a photosensitive coating that does not fade over time after being colored by ultraviolet irradiation. This is because discoloration does not occur during use and can be used as a permanent colored film.
The photosensitive film according to the present invention can be arbitrarily adjusted in coloration degree by re-irradiating with ultraviolet rays, and the concentration of the colored film can be easily adjusted.
[0011]
The ratio of amino groups present in the photosensitive coating in the present invention to silver ions is preferably 1 to 10 in terms of molar ratio. If the molar ratio is less than 1, silver precipitation is likely to occur, and it is difficult to adjust the coloring concentration. If the molar ratio exceeds 10, a very large amount of ultraviolet light is required for coloring. In particular, the molar ratio is preferably 2-6. In the photosensitive film, amino group nitrogen is present in coordination with silver ions.
[0012]
The compound having an amino group preferably contains silicon in the molecular structure, and specifically, is preferably a silicon compound having an amino group. This is because it can be directly bonded to silicon oxide which is a matrix component.
[0013]
As the silicon compound having an amino group, an aminosilane coupling agent is preferable. Specific examples include 3- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane, 3- (2-aminoethyl) aminopropyltriethoxysilane, 3- (2-aminoethyl) aminopropylmethyldimethoxysilane, 3- ( 2-aminoethyl) aminopropylmethyldiethoxysilane, 3-aminopropyltrimethoxysilane, 3-aminopropyltriethoxysilane, and partial hydrolysates or polymers of these compounds.
[0014]
Silicon oxide as a matrix component retains silver ions. Silicon oxide does not have to be strictly composed of SiO ₂ and may exist as an amorphous component having a reticulated Si—O—Si bond. In addition, the matrix component may include B, Al, P, Zr, Ti, etc., which are elements forming a network structure, and include alkali metal ions, alkaline earth metal ions, etc., which are modifying ions. May be. In addition, when an aminosilane coupling agent is used as the compound having an amino group, the aminosilane coupling agent may have a role of forming a matrix at the same time, and a matrix (silicon oxide) forming component may be added. May be.
The film thickness of the photosensitive coating in the present invention is preferably 0.05 to 10 μm. If it is less than 0.05, it is difficult to obtain sufficient coloration when irradiated with ultraviolet rays, and if it exceeds 10 μm, cracks tend to occur in the film.
[0015]
The present invention also includes a photosensitive coating that forms a photosensitive coating by applying a coating solution containing a silver compound, a compound having an amino group, and a silicon alkoxide on a substrate and curing it by heat and / or light. A method for manufacturing a substrate is provided.
[0016]
The silver compound is not particularly limited as long as it can be complexed and dissolved in the coating solution, and silver nitrate, silver nitrite and the like are preferably used from the viewpoint of availability and handling.
[0017]
As the compound having an amino group, a low-boiling point compound such as trimethylamine is not suitable because it needs to remain in the film after curing, but there is no particular limitation other than that. Preferably, it is a silane coupling agent having silicon in the molecular structure, and the compounds described above as the compound having an amino group are preferably used.
[0018]
As the silicon alkoxide, the general formula R _a SiX _4-a (a is 0, 1, 2 and R is an organic group, and when a = 2, two Rs may be the same or different from each other; X is a hydrolyzable group, and a plurality of X may be the same or different from each other. In addition, when the compound having an amino group also serves as a matrix forming component, the silicon alkoxide can be omitted.
[0019]
Specific examples of the compound represented by the general formula R _a SiX _4-a include tetramethoxysilane, a condensate of tetramethoxysilane (for example, methyl silicate 51), methyltrimethoxysilane, phenyltrimethoxysilane, and vinyltrimethoxysilane. 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane, 3-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, 3- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane, 3- (2-aminoethyl) aminopropylmethyldimethoxysilane, 3 -Aminopropyltrimethoxysilane 3-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 3-mercaptopropyltrimethoxysilane, 3-chloropropyltrimethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, diphenyldimethoxysilane, and their sila Alkoxy group can be cited such as an ethoxy group.
[0020]
These silicon alkoxides may be used alone or in combination of two or more. These silicon alkoxides can also be used in the form of hydrolysis / polycondensation in a coating solution.
The coating solution may contain compounds such as B, Al, P, Zr, and Ti, which are elements that form a network structure, and include alkali metal ions or alkaline earth metal compounds that are modifying ions. May be.
[0021]
Examples of the coating method for the coating liquid include a dip coating method, a spin coating method, a spray coating method, a printing method, a die coating method, and a meniscus coating method. As described later, when a cathode ray tube face panel is used as a substrate, a spin coating method is preferable.
[0022]
After coating, the film is cured by heating to a temperature at which the silver-amino complex in the film is not decomposed to obtain a photosensitive film. Specifically, it is cured in the air by heating at room temperature to 250 ° C. (preferably 100 to 200 ° C.).
[0023]
The substrate in the present invention is preferably a transparent substrate, and examples thereof include a glass substrate and a plastic substrate. In particular, since the contrast of a flat panel made of a colored glass substrate can be improved, it is remarkable when a face panel for a cathode ray tube (particularly, a flat panel made of a colored glass substrate) is used as a substrate. Effects can be obtained.
[0024]
When a photosensitive coating is formed on a panel, 1) a photosensitive coating is formed on panel glass which is a part of the cathode ray tube, or 2) a panel portion of the cathode ray tube after each component is used to construct the cathode ray tube. Any method of forming a photosensitive coating on the substrate can be used.
[0025]
When a panel is used as a substrate in the present invention, another functional film on the photosensitive film and / or below it, that is, 1) a film that exhibits low reflectivity (for example, a high refractive index film and a low refractive index film) And 2) conductive films (for example, conductive oxide films, conductive nitride films, metal films, etc.) are also possible.
[0026]
In the present invention, a coating liquid containing a silver compound, a compound having an amino group, and a silicon alkoxide is applied on a substrate and cured by heat and / or light to form a photosensitive film, and then 300 nm. Provided is a method for producing a substrate with a colored film, which is obtained by irradiating ultraviolet rays having the following wavelengths to color the photosensitive film to obtain a substrate with a colored film.
[0027]
In the present invention, the degree of coloration of the film can be controlled only by ultraviolet irradiation after the film is formed, and patterning can be freely performed by using an appropriate photomask.
Examples of the light source that emits ultraviolet light having a wavelength of 300 nm or less include a low-pressure mercury lamp and a KrF laser. As the irradiation dose, for example, when a 200 W low-pressure mercury lamp is used, the irradiation is performed for about 1 to 30 minutes. Excessive radiation dose can cause film overheating. At the time of ultraviolet irradiation, light having a wavelength exceeding 300 nm may be mixed, such as light from a low-pressure mercury lamp.
[0028]
As a preferred embodiment of the present invention, it is possible to partially color the photosensitive coating so that the degree of coloring is partially different by changing the irradiation amount of the ultraviolet irradiation to the photosensitive coating. For example, a face panel for a cathode ray tube is used as a substrate, and a face panel for a cathode ray tube with a photosensitive coating is obtained as a substrate with a photosensitive coating according to the present invention. By doing so, a colored film having a distribution in transmittance is formed within the panel surface.
[0029]
【Example】
Examples are described below, but the present invention is not limited to the following examples. The thickness of the coating was measured by cutting out a portion of the coating before firing and measuring the level difference after firing with a stylus type surface roughness meter (“DekTak3030” manufactured by Sloan). The transmittance of the glass with a film was measured by measuring the transmittance of light having a wavelength of 550 nm with a spectral transmittance meter (“U-3500” manufactured by Hitachi, Ltd.).
Examples 1 to 4 and Example 7 correspond to examples, and Examples 5 to 6 correspond to comparative examples.
[0030]
(Example 1)
1.02 g of silver nitrate was mixed with 40.8 g of ethanol, 2.62 g of 3- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane was added with good stirring, and the mixture was further stirred at room temperature for 30 minutes. To this solution, 4.5 g of zirconium tetrabutoxide and 1.2 g of tetramethoxysilane were added, and the mixture was further stirred for 30 minutes to obtain a coating solution for forming a photosensitive film. The amino group / silver molar ratio in the coating solution was 4.0.
[0031]
The obtained coating solution was applied to a well-cleaned and dried glass substrate using a spin coater, dried in air at 60 ° C. for 10 minutes, and then cured at 130 ° C. for 30 minutes to obtain silicon oxide. As a matrix component, a photosensitive film containing silver ions complex-stabilized by a compound having an amino group (3- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane) was formed. The thickness of the obtained photosensitive film was 0.6 μm, and the transmittance of the glass with the photosensitive film was 88%.
[0032]
In order to obtain a glass with a colored film, the glass with a photosensitive film was irradiated with ultraviolet rays using a 200 W low-pressure mercury lamp while changing the irradiation time. The color of the photosensitive coating gradually changed to dark brown, and the transmittance varied with the amount of ultraviolet light, such as 80% when irradiated for 1 minute, 72% when irradiated for 2 minutes, 61% when irradiated for 5 minutes. The colored film-coated glass after irradiation for 5 minutes was stored in the laboratory for 20 days, but the transmittance remained unchanged at 61%.
On the other hand, the same colored film-coated glass was irradiated with a 1 kW high-pressure mercury lamp with a filter blocking light of 300 nm or less for 15 minutes, but no coloration was observed and the transmittance was not changed.
[0033]
(Examples 2 to 4)
A substrate with a photosensitive coating and a substrate with a colored film were formed in the same manner as in Example 1 except that the coating solution used in Example 1 was changed to the coating solution having the composition shown in Table 1 and the film thickness was changed to that shown in Table 2. And evaluated. The results are shown in Table 2. In Table 1, AAPTS means 3- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane, TEOS means tetraethoxysilane, MTMS means methyltrimethoxysilane, and TBZ means zirconium tetrabutoxide. In Table 2, the transmittance after irradiation is the transmittance after 5 minutes of irradiation with the 200 W low-pressure mercury lamp, and the color retention is the transmittance after storage for 5 minutes after irradiation and coloring for 20 days in the laboratory. The property means the transmittance 15 minutes after irradiation with a 1 kW high-pressure mercury lamp that blocks light of 300 nm or less.
[0034]
(Example 5 (comparative example))
A coating solution was prepared in the same manner as in Example 1 except that 3- (2-aminoethyl) aminopropyltrimethoxysilane was not added and the film thickness was changed to 0.2 μm in the preparation of the coating solution used in Example 1. Then, a substrate with a photosensitive film and a substrate with a colored film were formed and evaluated. The results are shown in Table 2.
[0035]
(Example 6 (comparative example))
Substrate with photosensitive film and colored film, as in Example 1, except that 2.34 g of 3-chloropropyltrimethoxysilane was added to the coating solution used in Example 4 and baking was performed at 400 ° C. for 30 minutes. An attached substrate was formed and evaluated. The results are shown in Table 2. CPTS in the table means 3-chloropropyltrimethoxysilane.
When the photosensitive film of the obtained substrate with the photosensitive film was analyzed by X-ray diffraction, silver chloride crystals having an average diameter of 20 nm were dispersed in the film, and amino group- It was found that no silver bonds remained.
[0036]
(Example 7)
The coating solution used in Example 1 was changed to a coating solution having the composition shown in Table 1, and a coating solution was prepared in the same manner as in Example 1. The amino group / silver molar ratio in the coating solution was 4.0.
[0037]
A 17-inch flat panel (consisting of a colored glass substrate) in which the obtained coating solution was thoroughly washed and dried, and the transmittance of the panel itself is 75% at the center and 60% at the periphery (18 cm from the center). Flat panel) using a spin coater, dried in air at 60 ° C. for 10 minutes, and then cured at 130 ° C. for 30 minutes to obtain a panel with a photosensitive coating. The film thickness of the photosensitive coating was 0.15 μm.
[0038]
The panel with the photosensitive film was irradiated with ultraviolet rays for 10 minutes with a 200 W low-pressure mercury lamp through a mesh mask having a high transmittance at the center and a low transmittance at the periphery to obtain a panel with a colored film. . The transmittance of the panel with the colored film after the ultraviolet irradiation was 48% in both the central portion and the peripheral portion, and the transmittance was almost uniform in the panel surface.
[0039]
[Table 1]

[0040]
[Table 2]

[0041]
【The invention's effect】
The substrate with a photosensitive coating of the present invention can be colored by a simple method such as ultraviolet irradiation, and can be used for the production of a substrate with a colored film that requires delicate shading (such as fine patterning or fine gradation).
[0042]
In addition, according to the method for producing a substrate with a colored film of the present invention, a substrate with a colored film having a subtle contrast (fine patterning, subtle gradation, etc.) can be easily obtained. In particular, if a flat panel made of a colored glass substrate is used as the substrate, a panel with a colored film with improved non-uniform contrast and non-uniform brightness within the panel surface can be obtained by a simple method.

Claims (9)

銀化合物と、アミノ基を有する化合物と、ケイ素アルコキシド（３−クロロプロピルトリメトキシシランを除く）とを含む塗布液を基体上に塗布し、室温〜２５０℃の加熱によって硬化させて感光性被膜を形成する感光性被膜付き基体の製造方法。A coating solution containing a silver compound, a compound having an amino group, and silicon alkoxide (excluding 3-chloropropyltrimethoxysilane) is applied onto a substrate and cured by heating at room temperature to 250 ° C. to form a photosensitive film. A method for producing a substrate with a photosensitive film to be formed. 加熱温度が、１００〜２００℃である請求項１に記載の感光性被膜付き基体の製造方法。The method for producing a substrate with a photosensitive coating according to claim 1, wherein the heating temperature is 100 to 200 ° C. アミノ基を有する化合物が、分子構造中にケイ素を含む請求項１または２に記載の感光性被膜付き基体の製造方法。The method for producing a substrate with a photosensitive coating according to claim 1 or 2, wherein the compound having an amino group contains silicon in the molecular structure. 感光性被膜は、３００ｎｍ以下の波長の紫外線を照射することによって着色し、３００ｎｍを超える波長の光では着色しない感光性被膜である請求項１〜３いずれか１項に記載の感光性被膜付き基体の製造方法。The substrate with a photosensitive coating according to any one of claims 1 to 3, wherein the photosensitive coating is a photosensitive coating that is colored by irradiation with ultraviolet rays having a wavelength of 300 nm or less and is not colored with light having a wavelength exceeding 300 nm. Manufacturing method. 感光性被膜は、紫外線照射によって着色された後、経時的に退色しない感光性被膜である請求項１〜４いずれか１項に記載の感光性被膜付き基体の製造方法。The method for producing a substrate with a photosensitive coating according to any one of claims 1 to 4, wherein the photosensitive coating is a photosensitive coating that does not fade over time after being colored by ultraviolet irradiation. 基体として、陰極線管用フェイスパネルを用いる請求項５に記載の感光性被膜付き基体の製造方法。The method for producing a substrate with a photosensitive coating according to claim 5 , wherein a cathode ray tube face panel is used as the substrate. 銀化合物と、アミノ基を有する化合物と、ケイ素アルコキシド（３−クロロプロピルトリメトキシシランを除く）とを含む塗布液を基体上に塗布し、室温〜２５０℃の加熱によって硬化させて感光性被膜を形成させた後に、３００ｎｍ以下の波長の紫外線を照射することにより該感光性被膜を着色して着色膜付き基体を得る着色膜付き基体の製造方法。A coating solution containing a silver compound, a compound having an amino group, and silicon alkoxide (excluding 3-chloropropyltrimethoxysilane) is applied onto a substrate and cured by heating at room temperature to 250 ° C. to form a photosensitive film. A method for producing a substrate with a colored film, which is obtained by irradiating ultraviolet rays having a wavelength of 300 nm or less to color the photosensitive film to obtain a substrate with a colored film. 感光性被膜への紫外線照射の照射量を部分的に変えて、着色度が部分的に異なるように着色する請求項７に記載の着色膜付き基体の製造方法。The manufacturing method of the base | substrate with a colored film of Claim 7 which changes the irradiation amount of the ultraviolet irradiation to a photosensitive film partially, and colors so that a coloring degree may differ partially. 基体として、陰極線管用フェイスパネルを用いる請求項８に記載の着色膜付き基体の製造方法。9. The method for producing a substrate with a colored film according to claim 8 , wherein a cathode ray tube face panel is used as the substrate.