JP4505954B2 - 潤滑グリース組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑グリース組成物に関する。更に詳しくは、相手材に対する耐摩耗性、耐漏洩性、洗浄性などを改善した比較的廉価な潤滑グリース組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフッ素系グリースは、パーフルオロポリエーテルを基油として、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン共重合体を増稠剤として用い、その他防錆剤等の少量の添加剤で構成されている。かかるフッ素系グリースは、高温での耐久性、酸化安定性、耐薬品性などにすぐれているため、非常に苛酷な条件下での使用を可能としている。
【0003】
しかしながら、このグリースは基油および増稠剤が共にフッ素系であるため高価であるばかりではなく、潤滑材料である金属、樹脂、ゴム等とのなじみが悪く、高荷重のような条件下では、潤滑に必要な油膜が形成されず、摩耗や摺動による騒音の発生などを招くことがあった。また、これらのグリースは、炭化水素系の油と相溶性が低いためそれと混合することができず、封入条件によっては、軸受やギァボックスからグリースの漏れや潤滑不良を発生させることがあった。そのため、フッ素系グリースを使用する際には、軸受等に予め塗布されている防錆剤を溶剤などで入念に除去する必要があった。
【0004】
また、フッ素系グリースは、耐溶剤性にすぐれているために、フッ素系グリースを使用した軸受等の部品もしくは機械を洗浄するためには、例えばCFC-113、HCFC-141b、HCFC-225、PFC-5060等のフロン系溶剤を使用する必要がある。しかるに、これらのフロン系溶剤は、オゾン層の破壊や地球温暖化に影響があるといわれており、既に使用できないものや今後使用が制限されるものもある。
【0005】
こうした問題を避けるため、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロイソブチレン共重合体を増稠剤として用いたグリース(特開平4-246498号公報)や六方格子窒化ホウ素を増稠剤として用いたフッ素系グリース(同7-102274号公報)などが提案されている。しかしながら、これらのグリースは、価格、炭化水素油との相溶性、溶剤による洗浄性のどれ一つをとっても、従来の炭化水素系グリースには及ばない。
【0006】
さらに、分子末端官能基を有する含フッ素油を用いることが提案されており(同1-272696号公報)、これによって金属表面に高い耐腐食性を付与し、増稠剤選択の幅を大きく広げることを可能としているが、この場合にも価格、相手材に対する耐摩耗性、洗浄性などが十分とはいえない。また、炭化水素系グリースに含フッ素油を添加することにより、従来のフッ素系グリースよりも廉価で、しかも相手材に対する耐摩耗性の点でもすぐれたものが提案されているが(同7-268370号公報)、この場合には相溶性の点から含フッ素油の添加量が限られ、その結果として従来のフッ素系グリースよりも耐熱性の点で劣るのを避けられない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、相手材に対する耐摩耗性、耐漏洩性、洗浄性などにすぐれ、しかもコスト的にも満足し得るフッ素系グリースを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる本発明の目的は、パーフルオロポリエーテル基油に、増稠剤として脂肪族ジカルボン酸金属塩、モノアミドモノカルボン酸金属塩またはモノエステルカルボン酸金属塩の少くとも一種を添加した潤滑グリース組成物によって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
基油として用いられるパーフルオロポリエーテルとしては、一般式
RfO(CF2O)p(C2F4O)q(C3F6O)rRf
で表わされるものが用いられ、具体的には例えば下記一般式(1)〜(4)で表わされるようなものが用いられ、この他一般式(5)で表わされるようなものも用いられる。なお、Rfはパーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基等のパーフルオロ低級アルキル基である。
(1) RfO(CF2CF2O)m(CF2O)nRf
ここで、m+n=3〜200、m:n=10〜90:90〜10でランダムに結合しており、これはテトラフルオロエチレンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することによって得られる。
(2) RfO[CF(CF3)CF2O]m(CF2O)nRf
ここで、m+n=3〜200、m:n=10:90でランダムに結合しており、これはヘキサフルオロプロペンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することにより得られる。
(3) RfO[CF(CF3)CF2O]l(CF2CF2O)m(CF2O)nRf
ここで、l+m+n=3〜200、l:m=1〜199:199〜1、(l+m):n=10〜90:90〜10でランダムに結合しており、これはテトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロペンの光酸化重合で生成した先駆体を完全にフッ素化することにより得られる。
(4) RfO(CFXCF2O)3 〜 50CF2X
ここで、XはCF3基またはF原子であり、これはフッ化セシウム触媒の存在下にヘキサフルオロプロピレンオキサイドまたはテトラフルオロエチレンオキサイドをアニオン重合させ、得られた末端-CFXCOF基を有する酸フロライド化合物をフッ素ガスで処理することによって得られる。
(5) F(CF2CF2CF2O)2 〜 100CF2CF3
これは、フッ化セシウム触媒の存在下に2,2,3,3-テトラフルオロオキセタンをアニオン重合させ、得られた含フッ素ポリエーテル(CH2CF2CF2O)nを紫外線照射下に約160〜300℃でフッ素ガスで処理することによって得られる。
【0010】
これらのパーフルオロポリエーテル基油は、単独であるいは混合しても用いることができるが、潤滑油として用いる場合には、その粘度(40℃)が約5〜1500cSt、好ましくは約10〜1000cStであることが望ましい。約5cSt以下のものは蒸発量が多く、耐熱用グリースの規則であるJIS転がり軸受用グリース3種で規定されている蒸発量(1.5%以下)という条件をみたさなくなる。一方、約1500cSt以上のものは、流動点(JIS K-2283)が10℃以上となり、通常の方法では低温起動時にベアリングが回転せず、それを使用可能とするには加熱する必要があり、一般的なグリースとしては使用適格を欠くようになる。
【0011】
このようなパーフルオロポリエーテル基油には、増稠剤として脂肪族ジカルボン酸金属塩、モノアミドモノカルボン酸金属塩またはモノエステルカルボン酸金属塩の少くとも一種が、潤滑グリース組成物中約1〜50重量%、好ましくは約3〜35重量%の割合で添加される。これ以上もしくはこれ以下の添加割合では、本発明の所望の目的を達成することができない。
【0012】
脂肪族ジカルボン酸金属塩としては、炭素数が6〜20または下記の如き炭素数2〜5の飽和または不飽和のジカルボン酸の金属塩が用いられる。金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、銅、鉄、コバルト、亜鉛、アルミニウム等が単独であるいは2種以上混合して用いられる。
【0013】
かかる金属塩を形成する飽和ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナメチレンジカルボン酸、デカメチレンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸等が挙げられ、好ましくはアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナメチレンジカルボン酸、デカメチレンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、トリデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ペンタデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸等が用いられる。また、不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、2-メチレンコハク酸、2-エチレンコハク酸、2-メチレングルタル酸等のアルケニルコハク酸などが用いられる。これらの飽和または不飽和のジカルボン酸は、単独であるいは2種以上混合して用いられる。
【0014】
モノアミドモノカルボン酸金属塩は、上記ジカルボン酸のジカルボキシル基がそれぞれアミド化および金属塩化されたものであり、金属塩としては前述の如きものが用いられる。
【0015】
また、アミド化されるアミンとしては、例えばブチルアミン、アミルアミン、へキシルアミン、へプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等の脂肪族第1級アミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジラウリルアミン、モノメチルラウリルアミン、ジステアリルアミン、モノメチルステアリルアミン、ジミリスチルアミン、ジパルミチルアミン等の脂肪族第2級アミン、アリルアミン、ジアリルアミン、オレイルアミン、ジオレイルアミン等の脂肪族不飽和アミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン、アニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、α-ナフチルアミン等の芳香族アミンなどが挙げられ、好ましくはへキシルアミン、へプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、モノメチルラウリルアミン、モノメチルステアリルアミン、オレイルアミン等が用いられる。
【0016】
モノエステルカルボン酸金属塩は、前記ジカルボン酸のジカルボキシル基がそれぞれエステル化および金属塩化されたものであり、金属塩としては前述の如きものが用いられる。
【0017】
また、エステル化されるアルコールとしては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、アミルアルコール、へキシルアルコール、へプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の脂肪族飽和アルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパルギルアルコール、オレイルアルコール等の脂肪族不飽和アルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等の脂環式アルコール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール等の芳香族アルコール、フルフリルアルコール等の複素環式アルコールなどが挙げられ、好ましくはへキシルアルコール、へプチルアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が用いられる。
【0018】
以上の各成分を必須成分とする組成物中には、さらに粉末状のシリカまたはフッ素樹脂を、潤滑グリース組成物中約50重量%以下、好ましくは約3〜35重量%を添加することができ、それによって相手材に対する耐摩耗性を一段と改善させることができる。
【0019】
シリカとしては、天然産出のけい石より生成させた湿潤シリカケークを乾燥、粉砕、分級することにより製造された天然シリカ、けい素またはその水素化物を酸素または水などの酸化物で酸化するか、水溶性化合物を加水分解したり、四塩化けい素を酸水素炎中で高温加水分解して得られる合成シリカ等、一般に使用されているシリカを用途に応じて用いることができる。これらのシリカは、その平均粒径が約50μm以下、好ましくは約0.001〜30μmのものが一般に用いられる。
【0020】
フッ素樹脂としては、従来潤滑剤として用いられているポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロペン共重合体、パーフルオロアルキレン樹脂等が用いられる。ポリテトラフルオロエチレンは、テトラフルオロエチレンの乳化重合、けん濁重合、溶液重合などの方法によって数平均分子量Mnを約1000〜1000000程度としたポリテトラフルオロエチレンを製造し、それを熱分解、電子線照射分解、物理的粉砕などの方法によって処理されたものが用いられる。また、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロペンとの共重合反応および低分子量化処理も、ポリテトラフルオロエチレンの場合と同様にして行われ、数平均分子量を約1000〜600000程度としたものが用いられる。なお、分子量の制御は、共重合反応時に連鎖移動剤を用いても行うことができる。得られた粉末状のフッ素樹脂は、一般に約500μm以下、好ましくは約0.1〜30μmの平均一次粒径を有する。
【0021】
組成物中にはさらに、他の増稠剤、酸化防止剤、防錆剤、腐食防止剤、極圧剤、油性剤、他の固体潤滑剤等の従来潤滑剤に添加されている添加剤を必要に応じて添加することができる。
【0022】
他の増稠剤としては、例えば粘土、グラファイト、酸化亜鉛、尿素化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、石けん、有機顔料等が挙げられる。
【0023】
酸化防止剤としては、例えば2,6-ジ第3ブチル-4-メチルフェノール、4,4′-メチレンビス(2,6-ジ第3ブチルフェノール)等のフェノール系の酸化防止剤、アルキルジフェニルアミン(アルキル基の炭素数が4〜20のもの)、トリフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、フェノチアジン、アルキル化フェニル-α-ナフチルアミン、フェニチアジン、アルキル化フェニチアジン等のアミン系の酸化防止剤などが挙げられる。
【0024】
防錆剤としては、例えば脂肪酸、脂肪酸石けん、脂肪酸アミン、アルキルスルホン酸塩、酸化パラフィン、ポリオキシアルキルエーテル等が挙げられ、また腐食防止剤としては、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、チアジアゾール等が挙げられる。
【0025】
極圧剤としては、例えばリン酸エステル、亜リン酸エステル、リン酸エステルアミン塩等のリン系化合物、スルフィド類、ジスルフィド類等のイオウ系化合物、塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル等の塩素系化合物、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン等のイオウ系化合物金属塩などが挙げられる。
【0026】
油性剤としては、例えば脂肪酸またはそのエステル、高級アルコール、多価アルコールまたはそのエステル、脂肪族アミン、脂肪酸モノグリセライド等が挙げられる。また、他の固体潤滑剤としては、例えば二硫化モリブデン、グラファイト、窒化ホウ素、窒化シラン等が挙げられる。
【0027】
組成物の調製は、(a)パーフルオロポリエーテル基油に予め合成された増稠剤および他の必要な添加剤を所定量添加し、3本ロールまたは高圧ホモジナイザで混練する方法あるいは(b)加熱攪拌が可能な反応釜に、パーフルオロポリエーテル基油と脂肪族ジカルボン酸とを加えて加熱溶解させ、そこに金属水酸化物(およびアミンまたはアルコール)を所定量添加して金属塩化反応(およびアミド化反応またはエステル化反応)させ、冷却した後、3本ロールまたは高圧ホモジナイザで混練する方法などによって行われる。
【0028】
【発明の効果】
グリース用増稠剤としては、金属石けん、尿素化合物、シリカ、粘土、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロペン共重合体等が従来から知られているが、これらの内フッ素系グリースに実用上使用し得る増稠剤は、ポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロペン共重合体に限られると考えられていた。
【0029】
しかるに、本発明者らは、脂肪族ジカルボン酸金属塩、モノアミドモノカルボン酸金属塩またはモノエステルモノカルボン酸金属塩が、分子末端官能基を有する含フッ素油やフッ素系界面活性剤を用いることなく、パーフルオロポリエーテル基油と任意の割合で混合されることをここに見出した。
【0030】
かかる新たな知見により、脂肪族ジカルボン酸金属塩、モノアミドモノカルボン酸金属塩またはモノエステルモノカルボン酸金属塩をパーフルオロポリエーテル基油の増稠剤として用いることを可能とし、これらの各成分を必須成分とする潤滑グリース組成物は、従来のフッ素系グリースの有する耐熱性を実質的に損うことなく、相手材に対する耐摩耗性、耐漏れ性、洗浄性などを改善することができ、またコスト的にもそこに有利性を与えている。
【0031】
かかる特徴を有する本発明の潤滑グリース組成物は、高温、高速、高荷重のような苛酷な条件下で使用される転がり軸受、滑り軸受、ギヤ、バルブ、コック、オイルシール、電気接点等の摺動部に有効に適用することができる。
【0032】
【実施例】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0033】
実施例1〜18、比較例1〜6
[基油]
A:RfO[CF(CF3)CF2O]nRf、粘度(40℃)100cSt
B:RfO[CF(CF3)CF2O]nRf、粘度(40℃)400cSt
C:RfO[CF(CF3)CF2]m(CF2O)nRf、粘度(40℃)85cSt
D:RfO(CF2CF2O)m(CF2O)nRf、粘度(40℃)160cSt
E:RfO(CF2CF2O)mRf、粘度(40℃)65cSt
[増稠剤]
A:アゼライン酸ジリチウム
B:セバシン酸ジナトリウム
C:オクタデカンジカルボン酸ジカリウム
D:ドデカンジカルボン酸ジカルシウム
E:アジピン酸カルシウム
F:アゼライン酸モノステアリルアミドナトリウム塩
G:セバシン酸モノオクチルアミドカリウム塩
H:ノナメチレンジカルボン酸モノヘキシルエステルリチウム塩
[添加剤]
A:乳化重合法ポリテトラフルオロエチレン(分子量約10〜20万、平均一次粒径 0.2μm)
B:溶液重合法テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロペン共重合体(分子量約5〜15万、平均一次粒径0.2μm)
C:天然シリカ(平均粒子径約12μm)
【0034】
上記基油、増稠剤および添加剤を組合せ、前記(a)の方法によって潤滑グリース組成物を調製し、この組成物の性能を以下の各種試験方法によって評価した。
[相手材に対する耐摩耗性評価試験]
シェル四球試験機を用い、試験片:SUJ2(1/2インチ)、20等級、回転数:20回/秒、荷重:392.3N(40Kgf)、温度:室温、時間:60分間の条件下で摩耗試験を行ない、試験後の摩耗痕径を測定
[軸受グリース漏洩試験]
合成炭化水素系防錆油を塗布した軸受6204ZZ(金属製シール付き)にグリースを3.0g封入し、室温下において
条件1:回転数 0.17s-1-ラジアル荷重2750Kg
条件2:回転数 2.87s-1-ラジアル荷重2750Kg
条件3:回転数 50s-1-ラジアル荷重490Kg
条件4:回転数 166.67s-1-ラジアル荷重490Kg
の各条件下で軸受を2時間連続回転させ、試験終了後漏洩したグリース量を測定し、グリース漏洩率が1.0%未満を〇、1.0〜5.0%を△、5.0%をこえた場合を×として評価
[洗浄性試験(油脂分溶解性試験)]
軸受6204ZZ(金属製シールなし)にグリース3.0gを封入し、グリースを封入した軸受を石油エーテル中に浸せきし、10分間超音波洗浄した後、軸受から脱脂したグリース重量を測定して、完全にグリースが脱脂されたものを〇、一部グリースが残存しているものを△、変化なしを×として評価
【0035】
以上の各試験結果は、用いられた基油、増稠剤および添加剤の組合せと共に、次の表1および2に示される。
Claims (3)
- パーフルオロポリエーテル基油に、増稠剤として脂肪族ジカルボン酸金属塩、モノアミドモノカルボン酸金属塩またはモノエステルカルボン酸金属塩の少くとも一種を添加してなる潤滑グリース組成物。
- 5〜1500cStの粘度(40℃)を有するパーフルオロポリエーテルが用いられた請求項1記載の潤滑グリース組成物。
- さらに、粉末状のシリカまたはフッ素樹脂が添加された請求項1記載の潤滑グリース組成物。
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- 2000-06-12 JP JP2000174737A patent/JP4505954B2/ja not_active Expired - Fee Related
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