JP4505777B2 - 周波数分波回路、およびマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品 - Google Patents

周波数分波回路、およびマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数分波回路、およびそれらに好適なマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品に関し、特に2つ以上の異なる周波数の信号を1つのアンテナを共用して送受信するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯無線システムには、例えば主に欧州で盛んなEGSM900(Extended Global System for Mobile Communications 900)方式およびDCS(Digital Cellular System)方式、米国で盛んなPCS(Personal Communication Service)方式、日本で採用されているPDC(Personal Digital Cellular )方式などの様々なシステムがあるが、昨今の携帯電話の急激な普及に伴い、特に先進国の主要な大都市部においては各システムに割り当てられた周波数帯域ではシステム利用者を賄いきれず、接続が困難であったり、通話途中で接続が切断するなどの問題が生じている。そこで、利用者が複数のシステムを利用できるようにして、実質的に利用可能な周波数の増加を図り、さらにサービス区域の拡充や各システムの通信インフラを有効活用することが提唱されている。
【0003】
前記利用者が複数のシステムを利用したい場合には、各システムに対応した携帯通信機を必要な分だけ持つか、あるいは複数のシステムで通信できる小型軽量の携帯通信機を持つ必要がある。後者の場合、1台の携帯通信機で複数のシステムを利用可能とするには、システム毎の部品を用いて携帯通信機を構成すればよいが、信号の送信系においては、例えば希望の送信周波数の送信信号を通過させるフィルタ、送受信回路を切り換える高周波スイッチや送受信信号を入放射するアンテナ、また信号の受信系では、前記高周波スイッチを通過した受信信号の希望の周波数を通過させるフィルタ等の高周波回路部品が各システム毎に必要となる。このため、携帯通信機が高価になるとともに、体積および重量ともに増加してしまい携帯用としては不適であった。そこで複数のシステムに対応した小型軽量の高周波回路部品が必要になってきた。例えば、EGSMとDCSの2つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるデュアルバンド対応の高周波スイッチモジュール、あるいはEGSM、DCS、PCSの3つのシステムに対応した携帯通信機に用いられるトリプルバンド対応の高周波スイッチモジュールが特開平11−225088号公報、特開2000−165288号公報にそれぞれ開示されている。また高周波スイッチモジュールの小型化に関して特開平9−153840号公報には並列共振器と直列共振器及び移相器を基板内に内蔵することが開示されている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
次世代携帯無線システムとしてWCDMA(Wide-band Code Division Multiple Access)方式のサービスが2001年以降開始される予定であり、データ転送レートの高速化、通信チャネルの多重化などが期待できるため、急速に普及する事が予想される。このため現在携帯電話通信システムで大きなウェートを占めている、EGSM、DCS、PCSなどとあわせて、WCDMAにも対応した携帯無線機が必要となってきた。例えばEGSM方式(Tx:880〜915MHz Rx:925〜960MHz)とDCS方式(Tx:1710〜1785MHz Rx:1805〜1880MHz)、WCDMA方式(Tx:1920〜1980MHz Rx:2110〜2170MHz)、(Txは送信、Rxは受信を意味する)の3つのシステムに対応した高周波スイッチモジュールを構成するには、周波数分波回路(Diplexer)によりEGSMの周波数の信号とDCSあるいはWCDMAの周波数の信号を2分波した後に、図5の高周波スイッチ回路SW1によりEGSMの送受信信号を切り換え、SW2によりDCSの送受信信号とWCDMAの信号とを切り換える回路構成が従来の技術より容易に考案される。しかしながら従来の周波数分波回路では高周波側の通過帯域幅が300MHz程度であったため、DCS〜WCDMA帯域の帯域幅460MHz(1710〜2170MHz)のような周波数帯域をカバーすることは困難であった。例えば、上記特開平9−153840号公報ではこのような広帯域化による問題点全く意識しておらず、この回路のままではこの問題を解決することは出来なかった。
本発明では以上のような問題に鑑み、高周波側の通過帯域が広帯域で、かつ形状が小型の周波数分波回路、およびこれを用いたマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の構成を主旨とする。
(1)周波数f1の信号と、前記周波数f1よりも相対的に高周波である周波数f2の信号を分波する周波数分波回路において、前記周波数分波回路は、共通端子と低周波側の端子との間に設けられた、周波数f1の信号を通過させる低周波側フィルタと、前記共通端子と高周波側の端子との間に設けられた、周波数f2の信号を通過させる高周波側フィルタより構成され、低周波側フィルタは前記共通端子に電気的に接続された第1の伝送線路と、前記第1の伝送線路と低周波側の端子との間に電気的に接続された第2の伝送線路と、前記第1および第2の伝送線路の接点とグランドの間に電気的に接続された、第3の伝送線路と第1の容量とからなる直列共振回路より構成され、前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路は周波数f2において高インピーダンスであり、前記第1の伝送線路と前記第3の伝送線路の合計長さを、前記共通端子から前記低周波側の端子をみたインピーダンスが周波数f2において高インピーダンスとなる電気長としたことを特徴とする周波数分波回路である。
本発明において高周波側フィルタは、前記共通端子に電気的に接続された、第2の容量と第4の伝送線路とからなる並列共振回路と、前記並列共振回路と前記高周波側の端子との間に電気的に接続された第3の容量と、前記並列共振回路と第3の容量の接点とグランドとの間に電気的に接続された第5の伝送線路より構成されるのが好ましい。
【0006】
(2)(1)記載の周波数分波回路を構成する伝送線路および容量の一部を積層基板に内蔵したことを特徴とする周波数分波回路である。
【0007】
(3)(1)または(2)記載の周波数分波回路と送受信信号を切り換える為のスイッチ回路とを複合し、アンテナで送受信する2つ以上の異なった周波数の信号を分波、切り換えするアンテナスイッチ積層モジュール複合部品であって、前記周波数分波回路および前記スイッチ回路を構成する伝送線路および容量の一部を積層基板に内蔵し、前記スイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子を積層基板上に搭載したことを特徴とするマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品である。
【0008】
2つの異なる周波数f1、f2(f1<f2の関係にある)の信号を分波する周波数分波回路において、以下本発明の周波数分波回路の作用について説明する。
【0009】
前記低周波側フィルタは、前記直列共振回路がf2の周波数で共振するため、f2の信号を通過させない。一方、f1の周波数ではマッチングが取れているため、f1の信号を低損失で通過させる。
【0010】
前記高周波側フィルタは、前記並列共振回路がf1の周波数で共振するため、f1の信号を通過させない。一方、f2の周波数ではマッチングが取れているため、f2の信号を低損失で通過させる。
【0011】
前記第1および前記第2の伝送線路は低周波数においては低インピーダンス、高周波数においては高インピーダンスとして働くため、f1の信号は共通端子から低周波側の端子へと通過しやすく、f2の信号は通過しにくい。
【0012】
前記第3の伝送線路と前記第1の容量は直列共振回路を形成し、f2の周波数で共振するようになっている。このためf2の信号は共通端子から低周波側の端子へ通過できない。またP1からP2の経路において、f2より高周波側の信号は前記第1の容量を介してグランドへ吸収される。このためP1からP2の経路において、f2より高周波側のノイズを低減できる。
【0013】
前記第2の容量と前記第4の伝送線路は並列共振回路を形成し、f1の周波数で共振するようになっている。このためf1の信号は共通端子から高周波側の端子へ通過できない。また、前記第2の容量は大きい値が望ましい。なぜなら、前記第2の容量が大きい方がf2の周波数においてより低インピーダンスとなるため、f2の信号が共通端子から高周波側の端子へ通過しやすくなるからである。
【0014】
前記第1の伝送線路と前記第3の伝送線路の合計の長さは、f2の周波数における電気長がλ/4に相当するよう調整されている。したがって、共通端子からみた低周波側の端子のインピーダンスが無限大になり、f2の信号が低周波側の端子へ通過できなくなる。この結果、f2の信号が共通端子から高周波側の端子へ通過しやすくなる。
【0015】
P1からP3の経路において、f1より低周波側の信号は前記第3の容量を通過することができず、前記第5の伝送線路を介してグランドへ吸収される。このためP1からP3の経路において、f1より低周波側のノイズを低減できる。
【0016】
以上の作用から、高周波側の通過帯域が広帯域である周波数分波回路が得られる。
【0017】
また本発明の周波数分波回路を構成する伝送線路および容量を積層基板に内蔵することにより小型で安価な周波数分波器が得られる。
【0018】
また、本発明の周波数分波回路と、送受信信号を切り換える為のスイッチ回路とを複合し、前記周波数分波回路および前記スイッチ回路を構成する伝送線路および容量の一部を積層基板に内蔵し、前記スイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子、容量および抵抗を積層基板上に搭載することにより、アンテナで送受信する2つ以上の異なった周波数の信号を分波、切り換えするマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る周波数分波回路の実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
(実施例1)
2つの異なる周波数f1、f2(f1<f2の関係にある)の信号を分波する周波数分波回路において、本発明に係る周波数分波回路の等価回路を図1に示す。ここでL1〜L5は伝送線路、C1〜C3は容量、P1は共通端子、P2は低周波側の端子、P3は高周波側の端子をそれぞれ示す。
【0021】
本発明において、P1とP2の間の回路が低周波側フィルタ(LPF:ローパスフィルタ)を構成し、P1とP3の間の回路が高周波側フィルタ(HPF:ハイパスフィルタ)を構成する。LPFはP1−P2間に電気的に直列に接続されたL1とL2、およびL1とL2の接点とグランドとの間に接続された、L3とC1とからなる直列共振回路から構成される。また、HPFはP1に接続されたC2とL4とからなる並列共振回路、前記並列共振回路とP3の間に接続されたC3、前記並列共振回路とC3の接点とグランドとの間に接続されたL5より構成される。
【0022】
L1およびL2は低周波数においては低インピーダンス、高周波数においては高インピーダンスとして働くため、f1の信号はP1からP2へと通過しやすく、f2の信号は通過しにくい。この結果、P1からP3の経路において、f2の信号の挿入損失が向上する。
【0023】
L3とC1は直列共振回路を形成し、f2の周波数で共振するように伝送線路の長さ、容量の大きさが調整されている。したがって、P1からP2の経路においてf2の信号が通過しにくく、P1からP3の経路におけるf2の信号の挿入損失が向上する。またP1からP2の経路において、f2より高周波側の信号はC1を介してグランドへ吸収される。このためP1からP2の経路において、f2より高周波側のノイズを低減できる。
【0024】
C2とL4は並列共振回路を形成し、f1の周波数で共振するように伝送線路の長さ、容量の大きさが調整されている。したがって、P1からP3の経路においてf1の信号が通過しにくく、P1からP2の経路におけるf1の信号の挿入損失が向上する。また、C2の容量値は大きい方が望ましい。なぜなら、C2の容量が大きい方がf2の周波数においてより低インピーダンスとなるため、f2の信号がP1からP3へ通過しやすくなるからである。
【0025】
L1とL3の合計の長さは、f2の周波数における電気長がλ/4に相当するよう調整されている。したがって、P1からみたP2側のインピーダンスが無限大になり、f2の信号がP1側へ通過できなくなる。この結果、f2の信号がP1からP3へ通過しやすくなる。
【0026】
P1からP3の経路において、f1より低周波側の信号はC3の容量を通過することができず、L5の伝送線路を介してグランドへ吸収される。このためP1からP3の経路において、f1より低周波側のノイズを低減できる。
【0027】
本実施例の回路構成で周波数分波回路を構成することにより、特に高周波側の通過帯域が広帯域で低損失な周波数分波回路が得られる。また、等価回路中の伝送線路はインダクタとして働くため、チップインダクタを用いることもできるが、伝送線路および容量を積層基板に内蔵することにより、小型で安価な周波数分波器が容易に実現できる。
【0028】
(実施例2)
本発明である図1の等価回路で示される周波数分波回路の特徴について説明する。実施例として、EGSM帯域とDCS帯域〜WCDMA帯域とを分波する周波数分波回路を考える。このとき低周波側の信号f1はEGSMの帯域(880〜960MHz)であり、高周波側の信号f2はDCS〜WCDMAの帯域(1710〜2170MHz)である。
【0029】
したがって、図1においてL3とC1で構成される直列共振回路の共振周波数をf2の周波数に、C2とL4で構成される並列共振回路の共振周波数をf1の周波数にそれぞれ調整する。この時、C2の容量、およびL3の伝送線路長は大きい方が望ましい。C2が大きい方がP1からP3へのインピーダンスを低減でき、f2の信号がP1からP3の経路に通過しやすくなるためである。また、L3が大きい方がP1からP2の経路におけるf2の減衰極の幅を大きくできるため、P1からP3の経路におけるf2の信号の通過帯域幅を広くすることができるためである。
【0030】
L1とL3の合計の長さは、f2の周波数における電気長がλ/4に相当するよう調整される。例えば、伝送線路のまわりの誘電体の誘電率が8の場合を考えると、DCS帯域〜WCDMAの帯域の中心周波数約2GHzをf2として、λ/4=13.2mmとなる。したがって、L1とL3の長さを約13mm程度に設定することでP1からみたP2側のインピーダンスが無限大となり、f2の信号がP1側へ通過できなくなる。この結果、f2の信号がP1からP3へ通過しやすくなる。
【0031】
P1、P2、P3端子の反射、各端子間のマッチングはL2、L5、C3の最適化により行う。この場合、f1の周波数においては、P1、P2端子の反射係数ができるだけゼロ、P3端子の反射係数ができるだけ1になるようにL2、L5、C3の値を調整する。またf2の周波数においては、P1、P3端子の反射係数ができるだけゼロ、P2端子の反射係数ができるだけ1になるようにL2、L5、C3の値を調整する。
【0032】
上記手順で実現された本発明に係る周波数分波回路の特性を図2に示す。比較のため、従来技術の周波数分波回路(図6に示される等価回路、特開平10−98348参照)の特性も図中に示した。なお、図6においてL6〜L8は伝送線路、C4〜C7は容量を示す。
【0033】
図2より明らかなように本発明の周波数分波回路は広帯域で低損失であり、DCS〜WCDMA帯域(1710〜2170MHz)における挿入損失も0.2dB以内であることが確認できる。表1にP1−P3経路におけるDCS帯域〜WCDMA帯域での挿入損失の比較を示す。表1の()内の値はリップル値と言い、システム帯域内での挿入損失の最大変化量を示す指標であり、小さい値が望まれる。表1より、本発明の周波数分波回路が挿入損失、リップルともに良好である事が確認できる。
【0034】
【表1】
Figure 0004505777
【0035】
図2より、P1からP3経路の挿入損失が0.2dB、0.3dB、0.4dB以内となる帯域幅を算出し、表2に示す。本発明の周波数分波回路において0.2dB以内の帯域幅は500MHzであり、従来の回路と比較して非常に広帯域であることが確認できる。
【0036】
【表2】
Figure 0004505777
【0037】
(実施例3)
本発明に係る一実施例の積層構造図を図4に、斜視図を図3に示す。この実施例はシート積層法を用いて構成したチップ状の積層型周波数分波器の実施例である。まず、セラミックグリーンシート1〜12を用意する。本実施例では、950℃以下の低温焼成が可能なセラミック誘電材料を用いた。伝送線路、容量を形成しやすいように、シートの40〜200μmの厚みのものを使用した。なお、誘電率は8である。このセラミックグリーンシート1〜12を積層して図1の等価回路で示される周波数分波器を構成する。
【0038】
図4において、最下層のシート1には、グランド電極33が形成され、そのグランド電極33は外部端子T4〜T8に接続されるように引き出し部を有する。伝送線路13、14、15は等価回路のL1、伝送線路16、17、18は等価回路のL3、伝送線路19、20、21は等価回路のL2、伝送線路22、23、24は等価回路のL4、伝送線路25、26、27は等価回路のL5をそれぞれ形成している。また、電極28とグランド電極33により等価回路のC1、電極29と電極30、32により等価回路のC2、電極30、32と電極31により等価回路のC3がそれぞれ形成されている。図中の黒丸で示したスルーホールにより、前記記伝送線路および前記容量は下層のパターンと電気的に接続される。
【0039】
伝送線路13、22および電極29は外部端子T1へ、伝送線路19は外部端子T2へ、電極31は外部端子T3へそれぞれ接続されるように引出し部を有する。このときT1は等価回路における共通端子P1、T2は低周波側の端子P2、T3は高周波側の端子P3にそれぞれ対応する。
【0040】
最上層には方向認識用マーク34が形成されたシート12が積層される。この積層体を約900℃で一体焼成し、側面に端子用電極を形成して、積層型分波器を構成した。なおパターン電極はAgペーストをスクリーン印刷して形成した。
以上、本実施例により、図1に示す等価回路図の周波数分波器が構成できる。また、積層法を用いることにより外形寸法は1.6mm×0.8mmで高さ0.8mmと非常に小型で、低背化が実現できる。
【0041】
(実施例4)
図5は、本発明の周波数分波回路とスイッチ回路、LPFおよびデュプレクサを複合させて、EGSM、DCS、WCDMAの3つの異なる周波数の信号を分波、切り換えするトリプルバンドアンテナスイッチ積層モジュールのブロック図である。
【0042】
図5において、ANTはEGSM、DCS、WCDMAの帯域の信号を入放射するためのアンテナ、SW1はGSMシステムの送受信の切り換えを行うスイッチ回路、SW2はDCSシステムの送受信およびWCDMAシステムの切り換えを行うスイッチ回路、LPF1、LPF2は送信時のパワーアンプから発生する高調波信号を取り除くためのローパスフィルタ、DupはWCDMAシステムの送受信信号を分波するデュプレクサをそれぞれ意味する。
【0043】
本実施例において、本発明の周波数分波回路を適用することにより、DCS帯域とWCDMA帯域の両方の帯域を低損失にできる。このため、本実施例のアンテナスイッチモジュールを用いた携帯通信機の受信感度の向上および送信効率の向上が期待できる。
【0044】
SW1およびSW2のスイッチ回路は、公知のPINダイオードとλ/4共振器、容量、抵抗などから構成されるスイッチ回路、またはGaAs半導体を用いたGaAsスイッチなどが使える。
【0045】
また、本実施例の周波数分波回路、LPF1、LPF2、およびスイッチ回路を構成する、伝送線路と容量を積層基板に内蔵し、スイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子や容量および抵抗を積層基板上に搭載することにより、小型で安価なトリプルバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品が実現可能となる。
【0046】
(その他の実施例)
以上の実施例では主にEGSMとDCS、WCDMAを分波する周波数分波回路およびEGSM、DCS、WCDMAの3つの異なった周波数の信号を分波、切り換えするアンテナスイッチモジュールを例に挙げたが、これ以外にもDAMPS帯域(824〜894MHz)、PDC800帯域(810〜960MHz)、GPS帯域(1575.42MHz)、PCS帯域(1850〜1910MHz)、PHS帯域(1895〜1920MHz)、Bluetooth帯域(2400〜2484)などを対象にした場合も同様の効果が期待でき、デュアルバンド、トリプルバンド、クアッドバンド等のマルチバンドのアンテナスイッチモジュールも実現可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明によると、2つの異なった周波数を分波する周波数分波回路において、特に高周波側の通過帯域が広帯域で、低損失の周波数分波回路が提供される。また、本発明の周波数分波回路と送受信を切り換える為のスイッチ回路とを複合することで、アンテナで送受信する2つ以上の異なった周波数の信号を分波、切り換えするマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る周波数分波回路の等価回路図である。
【図2】 本発明に係る周波数分波回路と従来技術による周波数分波回路との特性を比較する図である。
【図3】 本発明に係る一実施例の斜視図である。
【図4】 本発明に係る一実施例の積層構造図である。
【図5】 本発明に係るマルチバンドアンテナスイッチモジュールの一例を示すブロック図である。
【図6】 従来技術による周波数分波回路を示す等価回路図である。
【符号の説明】
ANT:アンテナ
LPF、LPF1、LPF2:ローパスフィルタ
HPF:ハイパスフィルタ
SW1、SW2:スイッチ回路
Dup:デュプレクサ
P1:共通端子
P2:低周波側の端子
P3:高周波側の端子
L1〜L8:伝送線路
C1〜C7:容量
T1〜T8:外部端子
1〜12:セラミックグリーンシート
13〜27:伝送線路形成用パターン電極
28〜32:容量形成用パターン電極
33:グランド電極
34:方向認識用マーク

Claims (4)

  1. 周波数f1の信号と、前記周波数f1よりも相対的に高周波である周波数f2の信号を分波する周波数分波回路において、
    前記周波数分波回路は、共通端子と低周波側の端子との間に設けられた、周波数f1の信号を通過させる低周波側フィルタと、前記共通端子と高周波側の端子との間に設けられた、周波数f2の信号を通過させる高周波側フィルタより構成され、
    低周波側フィルタは前記共通端子に電気的に接続された第1の伝送線路と、前記第1の伝送線路と低周波側の端子との間に電気的に接続された第2の伝送線路と、前記第1および第2の伝送線路の接点とグランドの間に電気的に接続された、第3の伝送線路と第1の容量とからなる直列共振回路より構成され、
    前記第1の伝送線路と前記第2の伝送線路は周波数f2において高インピーダンスであり、前記第1の伝送線路と前記第3の伝送線路の合計長さを、前記共通端子から前記低周波側の端子をみたインピーダンスが周波数f2において高インピーダンスとなる電気長としたことを特徴とする周波数分波回路。
  2. 高周波側フィルタは前記共通端子に電気的に接続された、第2の容量と第4の伝送線路とからなる並列共振回路と、前記並列共振回路と前記高周波側の端子との間に電気的に接続された第3の容量と、前記並列共振回路と第3の容量の接点とグランドとの間に電気的に接続された第5の伝送線路より構成されたことを特徴とする請求項1に記載の周波数分波回路。
  3. 前記周波数分波回路を構成する伝送線路および容量の一部を積層基板に内蔵したことを特徴とする請求項1又は2記載の周波数分波回路
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の周波数分波回路と送受信信号を切り換える為のスイッチ回路とを複合し、アンテナで送受信する2つの以上の異なった周波数の信号を分波、切り換えするアンテナスイッチ複合部品であって、前記周波数分波回路および前記スイッチ回路を構成する伝送線路および容量の一部を積層基板に内蔵し、前記スイッチ回路の一部を構成するスイッチ素子を積層基板上に搭載したことを特徴とするマルチバンドアンテナスイッチ積層モジュール複合部品。
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