JP4505665B2 - 光による微粒子の操作方法及び操作装置 - Google Patents

光による微粒子の操作方法及び操作装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光による微粒子の操作方法及び操作装置に係り、特に光を微粒子に光を照射することにより、その微粒子を3次元的に捕捉したり移動させたりする光による微粒子の操作方法及び操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光による微粒子の操作は、一般に光ピンセットや光トラップと呼ばれ、光源に主としてレーザを用いることから、レーザトラッピングやレーザツイーザなどとも呼ばれている。
この手法は、光源からのレーザ光を集光光学系により円錐状に集光し、媒質中の微粒子の近傍に照射することにより、微粒子に発生する光の放射圧を利用して、微粒子を捕捉・保持したり移動させたりするものであり、生体細胞や微生物などを非接触かつ非破壊で捕捉し操作する方法として様々に利用されている。
【0003】
このような光ピンセットによる微粒子の操作を、図9及び図10を用いて説明する。ここで、図9は従来の光ピンセットの構成を示す概略図であり、図10は図9の一部拡大図であって、光ピンセットによる微粒子Sの操作を説明するための図である。
【0004】
図9に示されるように、光ピンセット用光源LS1から出射された光ピンセット用の平行光束L11は、ダイクロイックミラーDMにより波長選択的に反射されて、通常の球面収差が略ゼロの集光光学系O3に入射する。そして、この集光光学系O3を通過した球面収差のない円錐状の集光光束L13が、シャーレやスライドグラスなどのホールダHに保持された媒質B中の微粒子Sの近傍を照射する。
なお、ここで、光ピンセット用光源LS1としては、主にレーザが使用され、集光光学系O3としては、実用上、透過型光学顕微鏡用の対物レンズ(以下、単に「顕微鏡対物レンズ」という)が使用されることが多い。
【0005】
こうして、図10に示されるように、集光光学系O3によって円錐状に集光された集光点Pの近傍に微粒子Sが存在すると、この円錐状の集光光束L13は微粒子S表面で反射したり微粒子S内部で屈折したりして進行方向が変化し、結果として光束の運動量が変化する。このとき、微粒子Sには、集光光束L13の運動量変化に応じた放射圧が発生して、図中に太い実線の矢印で表されるような力Fが作用する。
【0006】
いま、微粒子Sが周囲の媒質Bの屈折率よりも高い屈折率をもち、吸収のない球形微粒子の場合には、集光光束の運動量変化の解析から、放射圧は光強度の高い方に作用し、集光点Pに引き寄せされるような力Fが作用することが知られている。従って、この力Fを利用して、微粒子Sを捕捉し操作することが可能になる。
【0007】
また、このようにして媒質B中の微粒子Sを捕捉し操作する際には、その様子を観察する必要があり、そのために観察光学系がもうけられている。
即ち、ホールダHの下方に設置されている観察用光源LS2から出射された照明用の光束L2は、照明光学系C1を通過して媒質B中の微粒子Sの近傍一帯を照明した後、集光光学系O3を通過し、ダイクロイックミラーDMを通り抜け、像面IMGに結像される。
そして、この像面IMGに結像された微粒子Sの拡大像を、CCDカメラ等の撮像手段Dや接眼レンズEPを介し肉眼Eによって見ることにより、媒質B中の微粒子Sを捕捉し操作する様子を観察することが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の光ピンセットにおいては、光ピンセット用の集光光束L13の進行方向に沿った軸方向、即ち光軸方向に微粒子Sを捕捉する力(以後、この微粒子Sを捕捉する力を「トラップ力」と表記する)が、光軸方向と垂直方向のトラップ力に比べて格段に小さいことが知られている。
【0009】
一般に、光ピンセットにおいて強いトラップ力を得るためには、光軸に対して大きな角度をもつ成分、即ち高NA(開口数)成分を含む光束を用いることが知られているが、光学的にNA=1.5以上の集光光束を実現することは実際上困難である。また、微粒子を照射する光強度を強くする方法もあるが、大出力の光源を用いると、微小な生体試料に損傷を与えたり破壊したりする恐れがある。
そのため、微粒子への光照射強度を強くすることなく、光軸方向のトラップ力を増強する方法が望まれ、実際にいくつかの提案もこれまでになされている。
【0010】
その一例として、「レーザトラッピング方法及び装置」(特許2947971号公報)や「レーザトラッピング装置とそれに使用するプリズム」(特開平8−262328号公報)が挙げられる。
これらの提案に係るレーザトラッピングはいずれも、集光光束のうち光軸に対して大きな角度をもつ高NA成分がトラップ力に大きく寄与し、小さな角度成分はトラップ力に余り寄与しないことを利用したものであり、特殊形状のプリズムを光路中に挿入することにより、光源からの平行光束を大きな角度成分のみからなる円錐筒状の集光光束にロスなく変換して、試料に照射するものである。
【0011】
しかし、これらの提案に係るいずれのレーザトラッピングも、光束を円錐筒状に変換するために光路中に特殊形状プリズムを挿入する必要がある。また、試料を安定して捕捉するためには光軸まわりにほぼ対称な光束を得る必要があることから、プリズムの高精度な位置調整が求められる。
その結果、上記提案に係るレーザトラッピング装置においては、高価なプリズム部品を用いるために装置が高価となり、更にそのプリズムを精度よく保持する機構を有する必要があるため、装置が大型化するという問題点がある。
【0012】
また、円錐筒状の集光光束を用いることから、光軸方向のトラップ力が強化されるものの、トラップ力が光軸方向に及ぶ範囲が短縮され、集光点に極めて近い試料しか捕捉することができないという問題もある。
従って、このように特殊なプリズム等の光学部品を必要とすることなく、簡単に光軸方向のトラップ力を強化し、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大することが可能な光ピンセットの実現が課題となっていた。
【0013】
また、一般に光ピンセットは光軸方向のトラップ力が弱い上に、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も限られるため、媒質中の深い位置にある微粒子を捕捉し操作する場合には、光ピンセットの先端、即ち光束の集光点を微粒子近傍に近づけるための調整、即ちピント調整を行う必要がある。
ところが実際には、ピント調整を行ってもなお、媒質中の微粒子の位置が深くなるにつれて光ピンセットで得られる最大トラップ力は弱くなり、微粒子を捕捉することが困難になるという問題がある。
これは、媒質中の微粒子の位置が深くなるにつれて、微粒子を取り巻く媒質中を光束が通過する距離が長くなり、集光光束にマイナスの球面収差が発生するためである。
【0014】
例えば、カバーガラスを介して水等の液体からなる媒質中の微粒子を捕捉する場合、従来の光ピンセットの集光光学系として実際によく使用される生体観察用対物レンズは、カバーガラス下面において球面収差がゼロとなるように調整されており、カバーガラス下方の媒質内の深い位置に光束を集光すると、媒質を通過する際にマイナスの球面収差が発生するため、媒質中の微粒子の位置が深くなるにつれて光ピンセットで得られる最大トラップ力は弱くなり、微粒子を捕捉することが困難になる。また、厚い生体試料の表面近くではなく内部の深い位置にある分子を捕捉する場合などにおいても、同様の事態が生じる。
従って、媒質中の微粒子が深い位置にある場合においても、粒子を捕捉するのに十分なトラップ力を得ることが可能になる光ピンセットの実現が課題となっていた。
【0015】
そこで本発明は、以上の課題を解決すべくなされたものであり、特殊なプリズム等の光学部品を必要とすることなく、簡単に光軸方向のトラップ力を強化し、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大することができると共に、媒質中の微粒子が浅い位置にある場合におけるトラップ力を保持しつつ、媒質中の微粒子が深い位置にある場合であっても、粒子を捕捉するのに十分なトラップ力を得ることができる光による微粒子の操作方法及び操作装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者は媒質中の微粒子に照射する光束の条件を種々に変化させ、それぞれの場合の光軸方向のトラップ力について計算したところ、媒質中の微粒子にを照射する円錐状の集光光束に意図的にプラスの球面収差を付与すると、光軸方向のトラップ力が強化されることを見出した。
そして、この知見に基づいて鋭意検討を重ねた結果、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を媒質中の微粒子に照射すると、光軸方向のトラップ力が強化されるばかりでなく、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大し、更に媒質中の微粒子が深い位置にある場合においても十分に強いトラップ力が得られることが確認された。
【0017】
従って、上記課題は、以下の本発明に係る光による微粒子の操作方法及び操作装置によって達成される。
即ち、請求項1に係る光による微粒子の操作方法は、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を媒質中の微粒子に照射して、この微粒子を捕捉し操作することを特徴とする。
【0018】
このように請求項1に係る光による微粒子の操作方法においては、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を用いて媒質中の微粒子を照射し、その微粒子を捕捉し操作することにより、無収差の円錐状の集光光束を用いてその集光光束を一点に集光させる場合と比較すると、特殊なプリズムを挿入したり高度な調整を行うことなく、光軸方向のトラップ力が強化され、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大する。
【0019】
また、微粒子がカバーガラス下の媒質中の深い位置にある場合、従来は集光光束が媒質を通過する際にマイナスの球面収差を発生していたが、意図的にプラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を用いることにより、媒質深さにより発生するマイナスの球面収差を打ち消してプラスの球面収差に転換させることが可能になるため、媒質中の微粒子が浅い位置にある場合のトラップ力を保持しつつ、媒質の深い位置においても十分に強いトラップ力が得られる。
【0020】
なお、ここで、媒質中の微粒子を照射する円錐状の集光光束にプラスの球面収差を付与する方法としては、光学系自体がプラスの球面収差をもつように設計し作製した集光光学系を使用する方法があるが、この方法以外にも、既存の顕微鏡対物レンズなどの球面収差が殆ど生じない集光光学系を使用する場合であっても簡易にプラスの球面収差を発生させることが可能な方法が様々にある。
例えば、球面収差が殆ど生じない集光光学系において、その光路中の光束が発散又は収束する位置に透明な薄い平行平板を配置してその光束を発散又は収束させたり、その光路中に球面収差を発生させる回折光学素子を配置したり、集光光学系を構成するレンズ群の一部を光軸方向に移動させて配置間隔(空気間隔)を変化させたり、カバーガラスを使用する際にはそのカバーガラスを高屈折率のものに交換したり、油浸対物レンズを使用する際にはそのオイルを高屈折率のものに交換したりする方法がある。
【0021】
また、請求項2に係る光による微粒子の操作方法は、上記請求項1に係る光による微粒子の操作方法において、媒質中の微粒子の条件に応じて、円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更することを特徴とする。
【0022】
このように請求項2に係る光による微粒子の操作方法においては、媒質中の微粒子の条件に応じて、微粒子を照射する円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更することにより、対象となる微粒子自体の条件、例えば微粒子の大きさや材質が異なる場合であっても、また微粒子の置かれている条件、例えば媒質の材質や媒質中の微粒子の位置する深さが異なる場合であっても、最適のプラスの球面収差を選択することが可能となるため、媒質中の微粒子の様々な条件の変化に対応して、上記請求項1に係る光による微粒子の操作方法による作用、即ち光軸方向のトラップ力が強化され、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大すると共に、媒質中の微粒子が浅い位置にある場合のトラップ力を保持しつつ、媒質の深い位置においても十分に強いトラップ力が得られるという作用を発揮することが可能になる。
【0023】
なお、ここで、媒質中の微粒子を照射する円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更する方法としては、上記請求項1に係る光による微粒子の操作方法において例示したプラスの球面収差を付与する方法に対応させていえば、例えば光束を発散又は収束させるための透明な薄い平行平板や、球面収差を発生させる回折光学素子などをそれぞれ複数種類用意しておき、その中から所望の特性のものを選択して、球面収差が殆ど生じない集光光学系の光路中の所定の位置に挿着したり脱着したりする方法や、集光光学系を構成するレンズ群の一部を更に光軸方向に移動させて配置間隔(空気間隔)を任意に変化させたり、カバーガラスを使用する際にはそのカバーガラスを更に屈折率の異なる他のカバーガラスに交換したり、油浸対物レンズを使用する際にはそのオイルを更に屈折率の異なる他のオイルに交換したりする方法がある。
【0024】
また、上記請求項1又は2に係る光による微粒子の操作方法において、微粒子の屈折率をn1、媒質の屈折率をn2とするとき、
n1>n2
であり、微粒子の半径をRとしたときの円錐状の集光光束の最大NA成分に対する球面収差SAが、
0.2R≦SA≦1.5R
であることが好適である。
【0025】
そして、更にいえば、特に微粒子が媒質中の比較的浅い位置に存在する場合に最も有効にトラップ力を得るためには、円錐状の集光光束の最大NA成分に対する球面収差SAが、
0.2R≦SA≦1.0R
であることがより望ましい。
【0026】
また、特に微粒子が媒質中の比較的深い位置に存在する場合に最も有効にトラップ力を得るためには、円錐状の集光光束の最大NA成分に対する球面収差SAが、
0.75R≦SA≦1.5R
であることがより望ましい。
【0027】
また、請求項4に係る光による微粒子の操作装置は、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を発生させる集光光学系を有し、この集光光学系からのプラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を媒質中の微粒子に照射して、その微粒子を捕捉し操作することを特徴とする。
【0028】
このように請求項4に係る光による微粒子の操作装置においては、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を発生させる集光光学系を有していることにより、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を用いて媒質中の微粒子を照射し、その微粒子を捕捉し操作するという上記請求項1に係る光による微粒子の操作方法を容易に実施することが可能になるため、上記請求項1に係る光による微粒子の操作方法による作用、即ち光軸方向のトラップ力が強化され、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大すると共に、媒質中の微粒子が浅い位置にある場合のトラップ力を保持しつつ、媒質の深い位置においても十分に強いトラップ力が得られるという作用が発揮される。
【0029】
なお、ここで、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を発生させる集光光学系としては、最初からプラスの球面収差をもつように設計し作製した集光光学系であってもよいが、これ以外にも、既存の顕微鏡対物レンズなどの球面収差が殆ど生じない集光光学系を使用しても簡易にプラスの球面収差を発生させることが可能な集光光学系が様々にある。
例えば、球面収差が殆ど生じない集光光学系において、その光路中の光束が発散又は収束する位置に透明な薄い平行平板を配置したものや、その光路中に球面収差を発生させる回折光学素子を配置したものや、集光光学系を構成するレンズ群の一部を光軸方向に移動させて配置間隔(空気間隔)を変化させたもの等がある。
【0030】
また、請求項5に係る光による微粒子の操作装置は、上記請求項5に係る光による微粒子の操作装置において、媒質中の微粒子の条件に応じて、集光光学系の発生する円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更する球面収差変更手段が設けられていることを特徴とする。
【0031】
このように請求項5に係る光による微粒子の操作装置においては、集光光学系の発生する円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更する球面収差変更手段が設けられていることにより、媒質中の微粒子の条件に応じて、円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更するという上記請求項2に係る光による微粒子の操作方法を容易に実施することが可能になるため、上記請求項2に係る光による微粒子の操作方法による作用、即ち媒質中の微粒子の様々な条件の変化に対応して、光軸方向のトラップ力が強化され、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大すると共に、媒質中の微粒子が浅い位置にある場合のトラップ力を保持しつつ、媒質の深い位置においても十分に強いトラップ力が得られるという作用が発揮される。
【0032】
なお、ここで、媒質中の微粒子を照射する円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更する球面収差変更手段としては、上記請求項4に係る光による微粒子の操作装置において例示したプラスの球面収差を付与する手段に対応させていえば、例えば光束を発散又は収束させるための透明な薄い平行平板や、球面収差を発生させる回折光学素子などをそれぞれ複数種類用意しておき、その中から所望の特性のものを選択して、球面収差が殆ど生じない集光光学系の光路中の所定の位置に挿着したり脱着したりする挿脱機構や、集光光学系を構成するレンズ群の一部を光軸方向に移動させて、その配置間隔(空気間隔)を更に変化させするレンズ移動機構等を設けることが考えられる。
【0033】
また、請求項6に係る光による微粒子の操作装置は、上記請求項4又は5に係る光による微粒子の操作装置において、集光光学系の一部又は全部を含み、微粒子を観察する観察光学系を有し、この観察光学系に、集光光学系のプラスの球面収差又は観察光学系のピント位置を補正する補正手段が設けられていることを特徴とする。
【0034】
このように請求項6に係る光による微粒子の操作装置においては、プラスの球面収差を発生させる集光光学系の一部又は全部を含む観察光学系に、集光光学系のプラスの球面収差又は観察光学系のピント位置を補正する補正手段が設けられていることにより、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を発生させる集光光学系の一部又は全部を共有することに起因して観察光学系に球面収差やピントずれが生じても、これらの球面収差やピントずれを観察光学系に設けられた補正手段によって補正することが可能になるため、観察光学系を用いて微粒子を観察する際に、微粒子の観察像がぼけて見え、低いコントラストしか得られないという事態が起きることは防止される。
【0035】
また、請求項7に係る光による微粒子の操作装置は、上記請求項4又は5に係る光による微粒子の操作装置において、微粒子を観察する観察光学系が、集光光学系と独立に設けられていることを特徴とする。
【0036】
このように請求項7に係る光による微粒子の操作装置においては、観察光学系がプラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を発生させる集光光学系と独立に設けられていることにより、こうした集光光学系の一部又は全部を共有することに起因して球面収差やピントずれが観察光学系に生じることが回避されるため、観察光学系を用いて微粒子を観察する際に、微粒子の観察像がぼけて見え、低いコントラストしか得られないという事態が起きることは防止される。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る光による微粒子の操作装置を示す全体構成図であり、図2は図1に示す操作装置を用いた微粒子の捕捉・操作の様子を説明するための説明図であり、図3は微粒子に照射する円錐状の集光光束がプラスの球面収差をもつ場合のトラップ力を、球面収差をもたない場合のトラップ力と比較して示すグラフであり、図4は微粒子の位置する媒質中の深さをパラメータとして、微粒子に照射する円錐状の集光光束がプラスの球面収差をもつ場合のトラップ力を、球面収差をもたない場合のトラップ力と比較して示すグラフであり、図5は図1に示す操作装置の集光光学系における球面収差とNAとの関係を表すグラフである。
【0038】
図1に示されるように、本実施の形態に係る光による微粒子の操作装置においては、光ピンセット用光源LS1の光軸上に、この光ピンセット用光源LS1から出射される光ピンセット用の平行光束L11を円錐状に集光すると共に、その円錐状の集光光束L12に所定のプラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oが設置されている。このため、集光光学系Oを通過する最大NA成分光の集光点P2は、近軸光線の集光点P1から更に球面収差SAの距離だけ遠方に延びるようになっている。
【0039】
このようにプラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oとしては、例えば当初からプラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束が発生するように設計し作製した集光光学系の他、後の実施例において具体的に例示するように、既存の顕微鏡対物レンズなどの球面収差が殆ど生じない通常の集光光学系の光路中の光束が発散又は収束する位置に透明な薄い平行平板を配置したものや、その光路中に球面収差を発生させる回折光学素子を配置したものや、集光光学系を構成するレンズ群の一部を光軸方向に移動させて配置間隔(空気間隔)を変化させたもの等がある。
【0040】
また、ここでは図示を省略するが、この集光光学系Oには、円錐状の集光光束L12に付与する所定のプラスの球面収差SAを任意に変更する球面収差変更手段が設けられている。この球面収差変更手段についても、後の実施例において具体的に例示するが、例えば球面収差が殆ど生じない通常の集光光学系の光路中に配置した平行平板や回折光学素子を特性の異なる他の平行平板や回折光学素子と入れ替えるターレットや、レンズ群の一部を移動させて配置間隔(空気間隔)を変化させるレンズ移動装置等がある。
【0041】
次に、図1に示される光による微粒子の操作装置の動作を、図1及び図2を用いて説明する。
先ず、図1に示されるように、光ピンセット用光源LS1から出射された平行光束L11は、その光軸上に配置された集光光学系Oを通過する間に所定のプラスの球面収差SAを付与され、集光光学系Oから射出した近軸光線の集光点P1に対して最大NA成分光の集光点P2が更に遠方に延びるようなプラスの球面収差SAをもつ円錐状の集光光束L12となる。
【0042】
このため、例えば水などの媒質中に存在する微粒子Sが、プラスの球面収差SAをもつ円錐状の集光光束L12の近軸光線の集光点P1から最大NA成分光の集光点P2に至る範囲内に又はその近傍に位置する場合、この円錐状の集光光束L12によって完全に又は部分的に照射されることになる。
そして、図2に示されるように、この円錐状の集光光束L12が微粒子S表面で反射したり微粒子S内部で屈折したりして進行方向が変化すると、結果として集光光束L12の運動量が変化する。
【0043】
ここで、微粒子Sが媒質よりも高い屈折率をもつ完全球体で吸収のない誘電体であると仮定すると、円錐状の集光光束L12の運動量変化に応じた放射圧が微粒子Sに発生して、図中に太い実線の矢印で表すような近軸光線の集光点P1側に引き寄せられるトラップ力Fが作用する。
こうして微粒子Sは、プラスの球面収差SAをもつ円錐状の集光光束L12によって捕捉され、更にこの微粒子Sに対する必要な操作が実行される。
【0044】
いま、図2において、微粒子Sは屈折率n=1.5、半径Rの完全球体で吸収のない誘電体であると仮定し、媒質として屈折率n=1.3の水中に存在していると仮定する。また、この微粒子Sの径2Rは集光光束L12の波長λに比べて十分に長いものと仮定し、具体的には、R=40λとする。また、微粒子Sは水中の比較的浅い位置に存在し、集光光学系Oの近軸光線の集光点P1が水面に位置している、即ち水深wd=0とする。
また、集光光学系Oの最大NA=1.25とし、その球面収差SA=0.75Rとする。更に、集光光学系Oの光軸をz軸とし、近軸光線の集光点P1をz=0として、この集光点P1を通りz軸に垂直な方向にy軸をとる。
【0045】
そして、水中における微粒子Sが集光光学系Oの光軸上のzの値が異なる位置にある場合に、その各位置において微粒子Sに発生する光軸方向のトラップ力Fを計算すると、図3のグラフ中の太線に示されるような結果になる。
【0046】
ここで、図3のグラフの横軸は微粒子Sの集光点P1からのz軸方向の距離を微粒子Sの半径Rで規格化したものであり、縦軸は微粒子Sに対して光軸方向に作用するトラップ力Fを示す。また、比較のため、図3のグラフ中に、球面収差のない集光光学系を用いた場合、即ち球面収差SA=0(無収差)の場合のトラップ力Fを細線を用いて示している。
【0047】
この図3のグラフから明らかなように、プラスの球面収差SA=0.75Rをもつ円錐状の集光光束L12によって水中の微粒子Sを照射する場合の方が、球面収差SA=0(無収差)の円錐状の集光光束によって照射する場合に比べて光軸方向に作用する微粒子Sに対するトラップ力Fが大きくなることがわかる。
【0048】
このように本実施の形態に係る光による微粒子の操作装置によれば、媒質中の微粒子Sを照射する円錐状の集光光束L12にプラスの球面収差SAを付与することにより、球面収差SA=0(無収差)の場合よりも光軸方向に強く作用するトラップ力Fを得ることができる。
【0049】
ところで、ここでは、集光光学系Oによる円錐状の集光光束L12の球面収差SA=0.75Rとした場合について説明しているが、実用上は、0.2R≦SA≦1.5Rとすることが望ましく、特に微粒子Sが水中の比較的浅い位置に存在する場合に最も有効にトラップ力を得るには、0.2R≦SA≦1.0Rとすることがより望ましい。
【0050】
次に、集光光学系Oの近軸光線の集光点P1の水深wdを種々に変化させた場合の微粒子Sに作用するトラップ力Fについて説明する。
いま、図2において、集光光学系Oの近軸光線の集光点P1の水深wdを、wd=0、wd=1.0R、wd=2.0R、wd=3.0Rと変化させた際に微粒子Sに発生する光軸方向のトラップ力Fを計算すると、図4(a)のグラフに示されるような結果になる。
【0051】
ここで、図4(a)、(b)のグラフの横軸は微粒子Sの集光点P1からのz軸方向の距離を微粒子Sの半径Rで規格化したものであり、縦軸は微粒子Sに対して光軸方向に作用するトラップ力Fを示す。
なお、近軸光線の集光点P1の水深wd=0とは、集光光学系Oのピント位置を媒質としての水表面を覆うスライドグラス下面に合わせ、集光光束L12を水表面に集光した状態に相当し、近軸光線の集光点P1の水深wd=1.0R、wd=2.0R、wd=3.0Rはそれぞれ水中の深い位置にある微粒子Sを捕捉するために集光光学系Oのピント位置をスライドグラス下面から水面下に次第に深くずらしていった状態に相当する。
【0052】
また、比較のため、球面収差のない集光光学系を用いた場合、即ち球面収差SA=0(無収差)の場合において集光点の水深wdを、wd=0、1.0R、2.0R、3.0Rと変化させた際のトラップ力Fを図4(b)のグラフに示している。
【0053】
この図4(a)、(b)のグラフから明らかなように、近軸光線の集光点P1の水深wdがwd=1.0R〜3.0R、即ち微粒子Sが水中の比較的深い位置に存在するときには、プラスの球面収差SA=1.0Rをもつ円錐状の集光光束L12によって水中の微粒子Sを照射する場合の方が、球面収差SA=0(無収差)の円錐状の集光光束によって照射する場合に比べて、光軸方向に作用する微粒子Sに対するトラップ力Fが大きくなることがわかる。
【0054】
また、近軸光線の集光点P1の水深wdがwd=0、即ち微粒子Sが水中の表面近傍の浅い位置に存在するときも、プラスの球面収差SA=1.0Rをもつ円錐状の集光光束L12によって水中の微粒子Sを照射する場合、球面収差SA=0(無収差)の円錐状の集光光束によって照射する場合と同程度の大きさの光軸方向に作用するトラップ力Fを保持していることがわかる。
【0055】
このように本実施の形態に係る光による微粒子の操作装置によれば、媒質中の微粒子Sを照射する円錐状の集光光束L12にプラスの球面収差SAを付与することにより、微粒子Sが媒質中の比較的深い位置に存在する場合であっても、球面収差SA=0(無収差)の円錐状の集光光束によって照射する従来の場合よりも光軸方向に強く作用するトラップ力Fを得ることができる。
しかも、このとき、微粒子Sが媒質中の比較的浅い位置に存在する場合のトラップ力Fは、球面収差SA=0(無収差)の円錐状の集光光束によって照射する従来の場合と同程度の大きさを保持することができる。
【0056】
ところで、ここでは、集光光学系Oによる円錐状の集光光束L12の球面収差SA=1.0Rとした場合について説明しているが、実用上は、0.2R≦SA≦1.5Rとすることが望ましく、特に微粒子Sが水中の比較的深い位置に存在する場合に最も有効にトラップ力を得るには、0.75R≦SA≦1.5Rとすることがより望ましい。
【0057】
なお、図3及び図4のグラフを求める際の計算は、集光光束L12が光線の集まりであると仮定し、微粒子Sにおいて発生する放射圧を各光線毎に計算してそれらを合計するという光線追跡近似法を用いて行った。
【0058】
また、図1に示す光による微粒子の操作装置に用いられる集光光学系Oにおいて、円錐状の集光光束L12の最大NA成分光がプラスの球面収差SAをもつ場合であっても、この球面収差SAは、図5(a)、(b)、(c)に示されるようにNA成分に対して種々の分布をとることが可能である。
【0059】
本実施の形態においては、図5(a)に示されるように、NA成分の増大に対して球面収差SAが単調にプラスに増加する場合が最も望ましい結果を得ることができた。そして、図5(b)に示されるように、NA成分の増大に対して球面収差SAがプラスに増加し、或る一定のNA成分においてピークを迎える場合が次に望ましく、図5(c)に示されるように、NA成分の増大に対して球面収差SAが一旦マイナス側に増加し、或る一定のNA成分においてプラス側に転じて増加する場合がこれに続いた。
【0060】
【実施例】
(第1の実施例)
図6(a)は本発明の第1の実施例に係る光による微粒子の操作装置を示す全体構成図、図6(b)は図6(a)に示される操作装置を構成するターレットのA方向矢視図である。なお、上記図1及び図2に示す光による微粒子の操作装置の構成要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
図6(a)に示されるように、第1の実施例に係る光による微粒子の操作装置においては、光ピンセット用の光束を出射する光ピンセット用光源LS1と、この光ピンセット用光源LS1からの平行光束L11を発散させる光学系O1と、この光学系O1によって発散された光束を下方に反射するダイクロイックミラーDMと、このダイクロイックミラーDMからの光束を集光する顕微鏡対物レンズからなる光学系O2とが配置されている。
【0062】
そして、光ピンセット用光源LS1からの平行光束L11を発散させる光学系O1とダイクロイックミラーDMからの光束を集光する顕微鏡対物レンズからなる光学系O2とを組み合わせることにより、上記図1及び図2に示したプラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oを実現している。
【0063】
この第1の実施例に係る光による微粒子の操作装置は、上記図9に示した従来例と比較すると、光ピンセット用光源LS1とダイクロイックミラーDMとの間に、光ピンセット用光源LS1からの平行光束L11を発散させる光学系O1が配置されている構造となっている。
【0064】
また、光ピンセット用光源LS1からの平行光束L11を発散させる光学系O1は、相対する2つのレンズの間の光束が発散する位置に、透明な薄い平行平板PT1を配置したものである。
【0065】
更に、図6(a)、(b)に示されるように、この平行平板PT1はターレットTに組み込まれており、このターレットTを回転軸Ztの回りに回転させることによりターレットTに組み込まれている他の平行平板PT2、PT3、即ち平行平板PT1とは厚さや屈折率などの特性がそれぞれ異なる他の平行平板PT2、PT3と任意に入れ替え可能になっている。
【0066】
このため、光ピンセット用光源LS1からの平行光束L11を発散させる光学系O1における平行平板PT1を他の特性の異なる平行平板PT2、PT3と任意に入れ替えることにより、光学系O1における発散の程度を任意に変更し、延いては集光光学系Oにおいて付与される球面収差SAの大きさを調整して、微粒子Sの屈折率やトラップする光軸方向の深さ等の条件に応じて、最適な球面収差SAを選択することが可能になる。
【0067】
このように図6(a)、(b)に示される光による微粒子の操作装置においては、光ピンセット用光源LS1からの平行光束L11を発散させる光学系O1、より厳密にいえば相対する2つのレンズの間に配置された透明な薄い平行平板PT1がプラスの球面収差SAを付与する球面収差発生手段として機能し、この平行平板PT1を特性の異なる他の平行平板PT2、PT3と任意に入れ替えることが可能なターレットTが球面収差変更手段として機能している。
【0068】
こうして、集光光学系Oを通過する間に所定のプラスの球面収差SAを付与された円錐状の集光光束L12が、シャーレやスライドグラスなどのホールダHに保持された媒質B中の微粒子Sを照射して、この微粒子Sに対する必要な操作を実行するために捕捉するようになっている。
【0069】
また、図6(a)に示されるように、第1の実施例に係る光による微粒子の操作装置においては、上記図9に示した従来例と同様な観察光学系が設けられている。
即ち、ホールダHの下方に設置されている観察用光源LS2から出射された観察用の照明光束L2は、照明光学系C1を通過して微粒子Sの近傍一帯を照明した後、プラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oを構成する顕微鏡対物レンズからなる光学系O2によって集光されるようになっている。
【0070】
また、観察用の照明光束L2は、光ピンセット用光源LS1が出射する光ピンセット用の光束とは波長の異なるものが選択されているため、光学系O2によって集光された後、ダイクロイックミラーDMを反射されることなく通り抜け、像面IMGに結像されるようになっている。
そして、この像面IMGに結像された微粒子Sの拡大像を、CCDカメラ等の撮像手段Dや接眼レンズEPを介し肉眼Eによって見ることにより、媒質B中の微粒子Sを捕捉し操作する様子を観察することが可能になる。
【0071】
ここで、観察用光源LS2から像面IMGに至る観察光学系は、プラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oの一部をなす顕微鏡対物レンズからなる光学系O2を共有しているものの、直接的にプラスの球面収差SAを付与する球面収差発生手段としての平行平板PT1を共有していないため、この観察光学系においては球面収差を補正する必要性はない。
【0072】
但し、プラスの球面収差SAを付与された円錐状の集光光束L12によって捕捉された微粒子Sをコントラストよく観察するためには、観察光学系のピント位置を補正する機構(図示せず)を設けることが望ましい。なぜなら、微粒子Sの大きさや材質や光軸方向の深さが異なったり、集光光学系Oによって付与されるプラスの球面収差SAを変化させたりすると、微粒子Sが保持される光軸方向の位置がずれるからである。
【0073】
(第2の実施例)
図7は本発明の第2の実施例に係る光による微粒子の操作装置を示す全体構成図である。なお、上記図6に示す光による微粒子の操作装置の構成要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
図7に示されるように、第2の実施例に係る光による微粒子の操作装置においては、光ピンセット用の光束を出射する光ピンセット用光源LS1と、この光ピンセット用光源LS1からの平行光束L11を下方に反射するダイクロイックミラーDMと、このダイクロイックミラーDMからの光束を所定のプラスの球面収差SAを付与して集光する集光光学系O、即ち上記図1及び図2に示したプラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oとが配置されている。
【0075】
この第2の実施例に係る光による微粒子の操作装置は、上記図9に示した従来例と比較すると、通常の集光光学系Oが配置されている位置に、プラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oが設けられている構造となっている。
【0076】
また、このプラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oは、図示は省略するが、例えば球面収差を発生させる回折光学素子と、上記図6に示す顕微鏡対物レンズからなる光学系O2とを組み合わせることにより、構成されている。
【0077】
そして、上記図6において平行平板PT1がターレットTに組み込まれ、ターレットTを回転させることによりターレットTに組み込まれている他の平行平板PT2、PT3と任意に入れ替え可能になっている機構と同様に、この回折光学素子もターレットに組み込まれ、そのターレットを回転させることによりターレットに組み込まれている特性の異なる他の回折光学素子と任意に入れ替え可能になる機構が設けれている。
【0078】
このため、ターレットに組み込まれている回折光学素子を特性の異なる他の回折光学素子と任意に入れ替えることにより、集光光学系Oにおいて付与される球面収差SAの大きさを調整して、微粒子Sの屈折率やトラップする光軸方向の深さ等の条件に応じて、最適な球面収差SAを選択することが可能になる。
【0079】
このように図7に示される光による微粒子の操作装置においては、プラスの球面収差SAを付与する集光光学系O、より厳密にいえばこの集光光学系Oを構成する回折光学素子がプラスの球面収差SAを付与する球面収差発生手段として機能し、この回折光学素子を特性の異なる他の回折光学素子と任意に入れ替えることが可能なターレットが球面収差変更手段として機能している。
【0080】
こうして、集光光学系Oを通過する間に所定のプラスの球面収差SAを付与された円錐状の集光光束L12が、シャーレやスライドグラスなどのホールダHに保持された媒質B中の微粒子Sを照射して、この微粒子Sに対する必要な操作を実行するために捕捉するようになっている。
【0081】
また、図7に示されるように、第2の実施例に係る光による微粒子の操作装置においては、上記図9に示した従来例と同様な観察光学系が設けられている。
即ち、ホールダHの下方に設置されている観察用光源LS2から出射された観察用の照明光束L2は、照明光学系C1を通過して微粒子Sの近傍一帯を照明した後、プラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oによって集光されるようになっている。
【0082】
また、上記図6に示す第1の実施例の場合と同様に、観察用の照明光束L2は、光ピンセット用光源LS1が出射する光ピンセット用の光束とは波長の異なるものが選択されているため、集光光学系Oによって集光された後、ダイクロイックミラーDMを反射されることなく通り抜け、像面IMGに結像されるようになっている。
【0083】
但し、この観察光学系においては、プラスの球面収差SAを付与する集光光学系O全体を共有し、このため顕微鏡対物レンズからなる光学系のみならず、直接的にプラスの球面収差SAを付与する球面収差発生手段としての回折光学素子をも共有していることから、微粒子Sをコントラストよく観察するには、集光光学系Oにおいて付与された球面収差を補正する必要性がある。このため、ダイクロイックミラーDMと像面IMGとの間に、集光光学系Oによって発生した球面収差SAを補正する補正光学系OL−が設置されている。
【0084】
そして、補正光学系OL−によって補正されて像面IMGに結像した微粒子Sの拡大像を、CCDカメラ等の撮像手段Dや接眼レンズEPを介し肉眼Eによって見ることにより、媒質B中の微粒子Sを捕捉し操作する様子を観察することが可能になる。
【0085】
ここで、プラスの球面収差SAを付与された円錐状の集光光束L12によって捕捉された微粒子Sをコントラストよく観察するために、観察光学系のピント位置を補正する機構(図示せず)を設けることが望ましいのは、上記第1の実施例の場合と同様である。
【0086】
(第3の実施例)
図8は本発明の第3の実施例に係る光による微粒子の操作装置を示す全体構成図である。なお、上記図7に示す光による微粒子の操作装置の構成要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0087】
図8に示されるように、第3の実施例に係る光による微粒子の操作装置においては、光ピンセット用の光束を出射する光ピンセット用光源LS1と、この光ピンセット用光源LS1からの平行光束L11を所定のプラスの球面収差SAを付与して集光する集光光学系O、即ち上記図1及び図2に示したプラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oとが配置されている。
【0088】
この第3の実施例に係る光による微粒子の操作装置は、上記図9に示した従来例と比較すると、微粒子Sを照射するプラスの球面収差SAを付与された円錐状の集光光束を形成する集光光学系Oが、微粒子Sが存在する媒質Bを保持するホールダHの下方に設置されている。
【0089】
また、このプラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oは、図示は省略するが、例えば通常の複数の顕微鏡対物レンズからなる集光光学系においてそのレンズ群の配置間隔(空気間隔)を変更することにより球面収差を発生させるようにした光学系であり、いわば集光光学系自体にプラスの球面収差SAをもたせたものである。
【0090】
そして、この複数の顕微鏡対物レンズからなる集光光学系には、そのレンズ群の一部を光軸方向に移動させて、配置間隔(空気間隔)を任意に変更することが可能になるレンズ移動機構が設けれている。
【0091】
このため、レンズ群の配置間隔(空気間隔)を任意に変更することにより、集光光学系Oにおいて付与される球面収差SAの大きさを調整して、微粒子Sの屈折率やトラップする光軸方向 の深さ等の条件に応じて、最適な球面収差SAを選することが可能になる。
【0092】
このように図8に示される光による微粒子の操作装置においては、プラスの球面収差SAを付与する集光光学系O、即ちレンズ群の配置間隔(空気間隔)が変更されて集光光学系自体がプラスの球面収差SAを付与する球面収差発生手段として機能し、そのそのレンズ群の一部を光軸方向に移動させて配置間隔(空気間隔)を任意に変更することが可能なレンズ移動機構が球面収差変更手段として機能している。
【0093】
こうして、集光光学系Oを通過する間に所定のプラスの球面収差SAを付与された円錐状の集光光束L12が、シャーレやスライドグラスなどのホールダHに保持された媒質B中の微粒子Sを下方から照射して、この微粒子Sに対する必要な操作を実行するために捕捉するようになっている。
【0094】
また、図8に示されるように、第3の実施例に係る光による微粒子の操作装置においては、観察光学系がホールダHに保持された媒質B中の微粒子Sの上方に設けられている。
即ち、ホールダHの上方に設置された観察用光源LS2から出射された観察用の照明光束L2は、照明光学系C2を通過し、ビームスプリッタBSによって下方に反射され、対物レンズOLを介して、微粒子Sの近傍一帯を照明するようになっている。
そして、微粒子Sによって反射・散乱された観察用の照明光束は、ビームスプリッタBSを反射されることなく通り抜け、対物レンズOLの像面IMGに結像されるようになっている。
【0095】
このとき、微粒子Sを捕捉する光ピンセット用の光束は一般に観察用の照明光束に比べて格段に明るいことが多いことから、微粒子Sをコントラストよく観察するために、微粒子Sと像面IMGとの間に例えば波長選択性のあるダイクロイックミラーDMを配置して、光ピンセット用の光束が像面IMGに向かうことをカットするようになっている。
【0096】
そして、この像面IMGに結像された微粒子Sの拡大像を、CCDカメラ等の撮像手段Dや接眼レンズEPを介し肉眼Eによって見ることにより、媒質B中の微粒子Sを捕捉し操作する様子を観察することが可能になる。
【0097】
ここで、観察用光源LS2から像面IMGに至る観察光学系は、プラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oと独立に設けられているため、この観察光学系において球面収差を補正する必要性はない。
【0098】
また、プラスの球面収差SAを付与された円錐状の集光光束L12によって捕捉された微粒子Sをコントラストよく観察するために、観察光学系のピント位置を補正する機構(図示せず)を設けることが望ましいのは、上記第2の実施例の場合と同様である。
【0099】
なお、上記第1〜第3の実施例の観察光学系において、コントラストの高い明瞭な観察像を得るためには、例えば顕微鏡観察法における従来技術である暗視野照明法や偏斜照明法等を用いて試料を照明すればよい。また、同じく従来技術である位相差観察法や微分干渉観察法を観察光学系に用いることにより、観察像のコントラストを高めることも可能である。更に、近年広く使用されるようになった共焦点顕微鏡や近接場顕微鏡(NSOM)等の手法を使って、観察光学系を構成することも可能である。
【0100】
また、上記第1〜第3の実施例においては、光ピンセット用の集光光学系と観察光学系の光路を分割する手段として、波長選択性のあるダイクロイックミラーDMを用いているが、これは本発明の要旨に沿う範囲内で別の手段を用いてもよい。例えば偏光板等を用いて光ピンセット用の集光光学系と観察光学系の光束をそれぞれ異なる偏光状態にし、ダイクロイックミラーDMの代わりに偏光ビームスプリッタを用いて偏光分割してもよい。
【0101】
また、上記第1〜第3の実施例においては、光ピンセット用の光束や観察用の照明光束を微粒子Sへ導く手段として、主にレンズや平行平板やダイクロイックミラーや回折光学素子などを用いている場合を説明したが、実際は必ずしもこれらに限られるものではない。例えば光ファイバを用いて光ピンセット用の光束や観察用の照明光束を導き、微粒子Sを照射したり照明したりしてもよい。この場合、光による微粒子の操作装置の小型化に寄与することが期待される。
また、光ファイバを用いて光ピンセット用の光束を導いて微粒子Sを照射する場合、光ファイバ自体として所定のプラスの球面収差SAを発生させる機能を有するものを使用すれば、別途にプラスの球面収差SAを付与する集光光学系Oを設ける必要もなくなるため、光による微粒子の操作装置の更なる小型化が期待される。
【0102】
また、上記第1〜第3の実施例においては、観察光学系として像面IMGに結像した微粒子Sの拡大像を上方から観察するよう図示したが、こうした方法の代わりに、例えば倒立顕微鏡のように下方から観察する方法を採用してもよい。
【0103】
また、上記第1及び第2の実施例においては、光ピンセット用の光束を上方からホールダHに保持された媒質B中の微粒子Sに照射し、上記第3の実施例においては、光ピンセット用の光束を下方からホールダHに保持された媒質B中の微粒子Sに照射しているように、この光ピンセット用の光束の微粒子Sが存在する媒質Bへの入射方向は上下方向いずれでもよい。そして、このことは、観察光学系についても同様である。これら光ピンセット用の光束及び観察用の照明光束の入射方向やその組合せは、本発明の要旨に沿う範囲内で3次元的に自由に配置することが可能である。
【0104】
更に、媒質B中の微粒子Sを照射する円錐状の集光光束に所定のプラスの球面収差SAを付与する方法としては、上記第1〜第3の実施例に例示するものの他に、例えば微粒子Sが存在する媒質B表面にカバーガラスを置く場合にはそのカバーガラスを高屈折率のものに交換したり、集光光学系として油浸対物レンズを使用する場合にはそのオイルを高屈折率のものに交換したりする方法もある。
【0105】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る光による微粒子の操作方法及び操作装置によれば、以下のような効果を奏することができる。
即ち、請求項1に係る光による微粒子の操作方法によれば、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を用いて媒質中の微粒子を照射し、その微粒子を捕捉し操作することにより、特殊なプリズムを挿入したり高度な調整を行うことなく、光軸方向のトラップ力を強化すると共に、そのトラップ力の光軸方向に及ぶ範囲も拡大することができる。また、媒質中の微粒子が浅い位置にある場合のトラップ力を保持しつつ、媒質の深い位置においても十分に強いトラップ力を得ることもできる。
【0106】
また、請求項2に係る光による微粒子の操作方法によれば、媒質中の微粒子の条件に応じて、微粒子を照射する円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更することにより、対象となる微粒子自体の条件やその置かれている条件が異なる場合であっても、最適のプラスの球面収差を選択することが可能となるため、媒質中の微粒子の様々な条件の変化に対応して、上記請求項1に係る光による微粒子の操作方法による効果、即ち光軸方向のトラップ力を強化し、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大することができると共に、媒質中の微粒子が浅い位置にある場合のトラップ力を保持しつつ、媒質の深い位置においても十分に強いトラップ力を得ることができるという効果を奏することができる。
【0107】
また、請求項3に係る光による微粒子の操作方法によれば、微粒子の屈折率をn1、媒質の屈折率をn2とするとき、
n1>n2
であり、微粒子の半径をRとしたときの円錐状の集光光束の最大NA成分に対する球面収差SAが、
0.2R≦SA≦1.5R
であることにより、上記請求項1又は2に係る光による微粒子の操作方法による効果を最も有効に奏することができる。
【0108】
また、請求項4に係る光による微粒子の操作装置によれば、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を発生させる集光光学系を有していることにより、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を用いて媒質中の微粒子を照射し、その微粒子を捕捉し操作するという上記請求項1に係る光による微粒子の操作方法を容易に実施することが可能になるため、上記請求項1に係る光による微粒子の操作方法による効果、即ち光軸方向のトラップ力を強化し、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大することができると共に、媒質中の微粒子が浅い位置にある場合のトラップ力を保持しつつ、媒質の深い位置においても十分に強いトラップ力を得ることができるという効果を奏することができる。
【0109】
また、請求項5に係る光による微粒子の操作装置によれば、集光光学系の発生する円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更する球面収差変更手段が設けられていることにより、媒質中の微粒子の条件に応じて、円錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更するという上記請求項2に係る光による微粒子の操作方法を容易に実施することが可能になるため、上記請求項2に係る光による微粒子の操作方法による効果、即ち媒質中の微粒子の様々な条件の変化に対応して、光軸方向のトラップ力を強化し、そのトラップ力が光軸方向に及ぶ範囲も拡大することができると共に、媒質中の微粒子が浅い位置にある場合のトラップ力を保持しつつ、媒質の深い位置においても十分に強いトラップ力を得ることができるという効果を奏することができる。
【0110】
また、請求項6に係る光による微粒子の操作装置によれば、集光光学系の一部又は全部を含む観察光学系に、集光光学系のプラスの球面収差又は観察光学系のピント位置を補正する補正手段が設けられていることにより、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を発生させる集光光学系の一部又は全部を共有することに起因して観察光学系に球面収差やピントずれが生じても、これらの球面収差やピントずれを補正手段によって補正することが可能になるため、観察光学系を用いて微粒子を観察する際に、微粒子の観察像がぼけて見え、低いコントラストしか得られないという事態の発生を防止することができる。
【0111】
また、請求項7に係る光による微粒子の操作装置によれば、観察光学系が集光光学系と独立に設けられていることにより、プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を発生させる集光光学系の一部又は全部を共有することに起因して球面収差やピントずれが観察光学系に生じることを回避することが可能になるため、観察光学系を用いて微粒子を観察する際に、微粒子の観察像がぼけて見え、低いコントラストしか得られないという事態の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光による微粒子の操作装置を示す全体構成図である。
【図2】図1に示す操作装置を用いた微粒子の捕捉・操作の様子を説明するための説明図である。
【図3】微粒子に照射する円錐状の集光光束がプラスの球面収差をもつ場合のトラップ力を、球面収差をもたない場合のトラップ力と比較して示すグラフである。
【図4】微粒子の位置する媒質中の深さをパラメータとして、微粒子に照射する円錐状の集光光束がプラスの球面収差をもつ場合のトラップ力を、球面収差をもたない場合のトラップ力と比較して示すグラフである。
【図5】図1に示す操作装置の集光光学系における球面収差とNAとの関係を表すグラフである。
【図6】(a)は本発明の第1の実施例に係る光による微粒子の操作装置を示す全体構成図、(b)は(a)に示される操作装置を構成するターレットのA方向矢視図である。
【図7】本発明の第2の実施例に係る光による微粒子の操作装置を示す全体構成図である。
【図8】本発明の第3の実施例に係る光による微粒子の操作装置を示す全体構成図である。
【図9】従来の光ピンセットの構成を示す概略図である。
【図10】図9の一部拡大図であって、光ピンセットによる微粒子Sの操作を説明するための図である。
【符号の説明】
LS1……光ピンセット用光源
O……プラスの球面収差を発生させる集光光学系
L11……光ピンセット用の平行光束
L12……プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束
SA……球面収差
P1……円錐状の集光光束L12の近軸光線の集光点
P2……円錐状の集光光束L12の最大NA成分光の集光点
S……微粒子
F……トラップ力
R……微粒子Sの半径
O1……平行光束を発散させる光学系
DM……ダイクロイックミラー
O2……光束を集光する顕微鏡対物レンズからなる光学系
PT1、PT2、PT3……平行平板
T……ターレット
Zt……ターレットの回転軸
H……ホールダ
B……微粒子の周囲の媒質
LS2……観察用光源
L2……観察用の照明光束
C1、C2……照明光学系
IMG……像面
D……撮像手段
EP……接眼レンズ
E……肉眼
OL−……補正光学系
BS……ビームスプリッタ
OL……対物レンズ
O3……球面収差が略ゼロの集光光学系
L13……球面収差のない円錐状の集光光束
P……円錐状の集光光束L13の集光点

Claims (7)

  1. プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を媒質中の微粒子に照射し て、前記微粒子を捕捉し操作することを特徴とする光による微粒子の操作方法。
  2. 前記媒質中の前記微粒子の条件に応じて、前記円錐状の集光光束のプラ
    スの球面収差を任意に変更することを特徴とする請求項1に記載の光による微粒子の操
    作方法。
  3. 前記微粒子の屈折率をn1、前記媒質の屈折率をn2とするとき、
    n1>n2
    であり、前記円錐状の集光光束を前記媒質の水深ゼロの位置に照射した場合の最大開口
    に対する球面収差SAが、
    0.2R≦SA≦1.5R
    但し、R:微粒子の半径
    であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光による微粒子の操作方法。
  4. プラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を発生させる集光光学系を有
    し、
    前記集光光学系からのプラスの球面収差をもつ円錐状の集光光束を媒質中の微粒子に照
    射して、前記微粒子を捕捉し操作することを特徴とする光による微粒子の操作装置。
  5. 前記媒質中の前記微粒子の条件に応じて、前記集光光学系の発生する円
    錐状の集光光束のプラスの球面収差を任意に変更する球面収差変更手段が設けられてい
    ることを特徴とする請求項4に記載の光による微粒子の操作装置。
  6. 前記集光光学系の一部又は全部を含み、前記微粒子を観察する観察光学
    系を有し、
    前記観察光学系に、前記集光光学系のプラスの球面収差又は前記観察光学系のピント位
    置を補正する補正手段が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の光に
    よる微粒子の操作装置。
  7. 前記微粒子を観察する観察光学系が、前記集光光学系と独立に設けられ
    ていることを特徴とする請求項4又は5に記載の光による微粒子の操作装置。
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