JP4505346B2 - 反射防止フィルム、偏光板、及びディスプレイ装置 - Google Patents

反射防止フィルム、偏光板、及びディスプレイ装置 Download PDF

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Description

本発明は、防汚性の硬化皮膜を得るための硬化性組成物及びこれを用いた光学用途に利用される光学フィルム、特に防汚性の硬化皮膜を施した反射防止フィルム、偏光板、およびそれらを用いたディスプレイ装置、更には防汚性のハードコートフィルム、および防汚性のハードコートフィルムを用いた光情報記録担体に関する。上記光学フイルムの具体例としては、例えば、液晶表示装置の光学補償フィルム、輝度向上フィルム、投射型表示装置の光学補償フィルム、有機ELディスプレイ等に適用される各種機能フィルム等があげられる。
一般に、反射防止フィルムは、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するように光学製品などの表面に設置され、特に良好な視認性を求められる陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、その表示面の最表面に配置される。
このような反射防止フィルムは、通常の多くの例では、高屈折率層の上に適切な膜厚の低屈折率層を形成することにより作製できる。低屈折率層素材としては反射防止性能の観点からできる限り屈折率の低い素材が望まれ、同時にディスプレイの最表面に用いられるため高い耐擦傷性、防汚性、及び防汚耐久性が要求される。また低い反射率性能を発現するために膜厚の均一性も重要であり、塗布型材料においては、塗布性、レベリング性も重要なファクターになる。
厚さ100nm前後の薄膜において高い耐擦傷性を実現するためには、皮膜自体の強度、および下層への密着性を高めることが重要である。材料の結節率を下げる手段としては、(1)フッ素原子の導入、(2)密度の低減(空隙の導入)などの手段があるが、いずれも皮膜強度及び密着性が損なわれ、耐摩擦性も損なわれる方向である。
一方、従来から金属やガラス、樹脂等の基材は、自動車部品、OA機器、家電製品等として汎用されているが、これらの基材表面は、車内、オフィス内、室内等に浮遊するゴミが付着したり、食品、機器用オイル等に混合されている拭き取りが困難な油状物質が付着したり、使用中に人の手により指紋が付着して汚れるため、汚れを付着しにくくし、更には、いったん付着した汚れは、膜表面を傷つけることなく容易に除去できるような耐傷性及び防汚性の工夫がなされている。
特に、反射防止フィルム、偏光板、光学フィルター、光学レンズ、液晶ディスプレー、CRTディスプレー、プロジェクションテレビ、プラズマディスプレー、ELディスプレー等の光学部材には、人が使用することによって、指紋、皮脂、汗、化粧品等の汚れが付着する場合が多い。そのような汚れは、一度付着すると除去することは容易ではなく、特に、反射防止フィルム付き光学部材では、付着した汚れが目立つために問題となる。
そこで、基材表面を汚れから保護し、耐擦傷性を向上させるために、シロキサン成分とフッ素原子含有の共重合体を含有する防汚性の保護層が種々提案されている。
例えば、特許文献1には分子中に少なくとも2個の水酸基を含有しパーフルオロアルキル基を両末端に結合したシロキサン化合物と硬化剤とを含有する硬化性組成物、特許文献2にはパーフルオロポリエーテル成分とビニルシラン化合物の共重合体のポリマー膜等が開示されている。
しかしながら、これらの防汚層の形成技術においても、防汚性が不十分であり、特に、指紋、皮脂、汗、化粧品等の汚れが拭き取りにくく、また、使用とともに防汚性能が大きく低下する。
中でも、光学部材の表面に外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止できる防汚性膜を設けることが従来より行われてきた。このような光学部材最表面に設置される防汚性層は、防汚性機能と共に反射防止機能を併せ有することが求められる。反射防止機能賦与のためには、光学特性を損なうことなく光学干渉の原理を用いて反射率を低減する低屈折率性層であることが求められる。 したがって、低屈折率の表面層であって、かつ、防汚性と耐擦傷性も優れた表面層であれば、反射防止目的にも、防汚目的にも用いることが出来て、上記の諸利用面に広く適用できて有用である。
低屈折率を維持しながら耐擦傷性を向上させる手段として表面への滑り性の付与が有効である。滑り性の付与に対しては、フッ素化合物の導入、シリコーン化合物の導入などの手法が有効であり、これらの手段は表面張力を低下させるので、レベリング性の付与にも効果が期待できる。低屈折率層に含フッ素ポリマーを用いる場合には、それ自体でも滑り性を有しているが、塗布溶剤可溶化のために炭化水素系共重合成分を50mol%程度導入した側鎖の短いフッ素系材料単独では十分な滑り性が得られず、シリコーン化合物と組み合わせることが従来より行なわれてきた。
低屈折率層素材に対して少量のシリコーン化合物を添加することにより、滑り性発現効果および耐擦傷性改良効果は顕著に現れる。また、滑り性に加えて撥水性、防汚性等の効果も発現する。しかし、一方で、低屈折率層素材との相溶性(皮膜の透明性)、経時あるいは高温条件下でのブリードアウト、接触媒体へのシリコーン成分の転写、これらに伴う性能の劣化、製造ラインの汚染等さまざまな問題があった。特に反射防止フィルムにおいては、相溶性不足によるヘイズ発生は光学性能を悪化させるため大きな問題である。また塗布後の膜を巻き取った際に、膜の裏面にシリコーンが付着することがその後の加工工程に支障をきたすため大きな問題になっている。すなわち、シリコーン部位のみを効果的に表面に偏析させて、シリコーンに結合した残りの部位は低屈折率層皮膜中に効果的にアンカリングさせる技術が求められている。
次に、光情報記録担体について説明する。
従来、レーザ光により1回限りの情報の記録が可能な追記型光情報記録担体として、CD−Rと称される記録担体が広く知られている。CD−Rは、市販のCDプレーヤを用いて再生できる利点を有しており、また最近ではパーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も増大している。また、CD−Rより大容量の記録が可能な情報記録担体として、デジタル・ハイビジョンの録画などに対応するための追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(DVD−R)も実用化されている。
これら追記型光情報記録担体としては、例えば、円盤状支持体上に、Auなどからなる光反射層と、有機化合物からなる記録層と、更に、該記録層を保護する透光層(記録層と接着させるための接着層を含む。カバー層ともいう。)とが順次積層された構造のものが知られており、レーザ光が透光層側から照射されることで、記録及び再生を行うことができる。追記型光情報記録担体への情報の記録は、記録層のレーザ光照射部分がその光を吸収して局所的に発熱変形(例えば、ピットなどの生成)することにより行われる。一方、情報の再生は、通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を追記型光情報記録担体に照射して、記録層が発熱変形した部位(記録部分)と変形していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も開始された。このような状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができる大容量の光情報記録担体が必要とされている。上記のDVD−Rは現状では大容量の記録担体としての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応できる記録担体の開発も必要である。このため、光情報記録担体としては、更に短波長の光で高密度の記録を行うことができ、しかもより大容量の記録担体の開発が進められている。特に、1回限りの情報の記録が可能な追記型光情報記録担体は、大容量の情報の長期保存又はバックアップ用としての使用頻度が高まりつつあるため、その開発に対する要求は強い。
通常、光情報記録担体の高密度化は、記録及び再生用レーザの短波長化、ピックアップに使用する対物レンズの高NA(開口数(Numerical Aperture))化によりビームスポットを小さくすることで達成することができる。最近では、波長680nm、650nm及び635nmの赤色半導体レーザから、更に超高密度の記録が可能となる波長350nm〜500nmの青紫色半導体レーザ(以下、青紫色レーザと称する。)まで開発が急速に進んでおり、それに対応した光情報記録担体の開発も行われている。特に、青紫色レーザの発売以来、該青紫色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムの開発が検討されており、相変化する記録層を有する書換型光情報記録担体及び光記録システムは、既に、DVRシステムとして発表されている(例えば、非特許文献1参照)。これにより、書換型光情報記録担体における高密度化の課題に対しては、一定の成果が得られた。
上述のような青紫色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムに用いる光情報記録担体は、青紫色レーザ光を記録層に照射させる際、高NAの対物レンズの焦点を合わせるために、レーザ光が入射する情報記録担体表面から記録層までを、すなわち透光層を薄化することが好ましい。このため規格上、透光層の厚みは100μmに設定されている。このような光情報記録担体は、上述のように高NAピックアップを利用しているため、ピックアップと透光層との間隔が小さく、光情報記録担体の面ブレによってピックアップと透光層とが接触してしまい、透光層に傷が発生しやすいという問題を有していた。
この問題に対して、透光層上にスピンコート法や真空堆積法を用いて傷つき防止層やハードコート層を設け、透光層の傷つきを防止する方法が既に提案されている(例えば、特許文献3および4参照)。しかしながら、これらの傷つき防止層やハードコート層は、透光層上に枚葉式で設けられるため、生産性が低いという課題を有していた。また、スピンコート法でこれらの傷つき防止層やハードコート層を設ける場合、遠心力により外周部の層厚が厚くなりやすく、厚みの精度が十分ではないという課題を有していた。
一方、セルロースアシレートフィルムのような透明で薄いフィルムを用い、接着剤又は粘着剤を用いて記録層に接着することで透光層を構成する方法がある。透光層の厚さは、通常、接着剤又は粘着剤が硬化し形成された接着層又は粘着層を含め約100μmであるが、照射されるレーザの波長やNAにより最適化される。このような方法で構成された情報記録担体は生産性は優れているものの、市販されているセルロースアシレートフィルムには、15〜20質量%のリン酸エステル系およびフタル酸エステル系の少なくともいずれかの可塑剤が含まれており、高温高湿度の条件下において可塑剤の移行や揮発による減少などの原因から寸度に変化が生じ、ひいてはカールを生じ、接着力が劣化するなどの問題が生じ、結果的に情報記録ができなくなったり、記録された情報を読み取れなくなったりするという問題がある。
また、環状ポリオレフィンからなるフィルムを透光層に用いた光情報記録担体では、表面の耐擦傷性は十分とは言えなかった。
国際公開第95/33001号公報 特開平9−157582号公報 特許第3112467号明細書 特開2000−67468号公報 光メモリー国際シンポジウム(ISOM2000)予稿集,p.210−211
本発明の目的は、防汚性が良好で、かつ防汚耐久性と耐擦傷性も優れたコーティング組成物および防汚性光学フィルムを提供することである。このコーティング組成物を低屈折率層素材に使用することで、反射率が低く、防汚性と防汚耐久性、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムが得られる。
本発明の別の目的は、光学的手段によって情報信号を再生可能な情報記録担体において、透光層上に上記のコーティング組成物を含有するハードコート層を設けることで、防汚性と防汚耐久性、耐擦傷性に優れ、記録・再生を良好に行うことのできる情報記録担体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下に示す反射防止フィルム、偏光板、及びディスプレイ装置により達成される。
[1]
基材上に、反射防止層を有し、かつフッ素原子を含むテロマー型アクリレートを2質量%〜10質量%含有する放射線硬化樹脂を含む組成物から形成された低屈折率層を有し、該放射線硬化樹脂は、重合性基を2個〜10個含有する多官能性化合物としてのラジカル重合性化合物であり、該低屈折率層の反射率が1.20〜1.49であり、該低屈折率層の厚さが10〜400nmであることを特徴とする反射防止フィルム。
[2]
前記組成物における前記フッ素原子を含むテロマー型アクリレートの含有量が、3質量%〜8質量%であることを特徴とする[1]に記載の反射防止フィルム。
[3]
前記フッ素原子を含むテロマー型アクリレートが下記a−1〜a−10から選ばれる少なくともいずれか1種であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の反射防止フィルム。
Figure 0004505346

[4]
前記フッ素原子を含むテロマー型アクリレートが下記a−7〜a−10から選ばれる少なくともいずれか1種であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の反射防止フィルム。
Figure 0004505346

[5]
偏光層とこれを挟む2枚の保護フィルムからなる偏光板であって、[1]〜[4]のいずれかに記載の反射防止フィルムを、該2枚の保護フィルムの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
[6]
[1]〜[4]のいずれかに記載の反射防止フィルムを有し、該反射防止フィルムの低屈折率層が視認側になるように配置したことを特徴とするディスプレイ装置。
なお、本発明は上記[1]〜[6]に関するものであるが、参考のため例えば下記1〜8など、その他の事項についても記載した。
1.基材上に、フッ素原子を含むテロマー型アクリレートを2質量%〜10質量%含有する放射線硬化樹脂を含む組成物から形成された層を有することを特徴とする光学フィルム。
2.基材上に、反射防止層を有し、かつフッ素原子を含むテロマー型アクリレートを2質量%〜10質量%含有する放射線硬化樹脂を含む組成物から形成された層を有することを特徴とする反射防止フィルム。
3.偏光層とこれを挟む2枚の保護フィルムからなる偏光板であって、上記2に記載の反射防止フィルムを、該2枚の保護フィルムの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
4.上記2に記載の反射防止フィルムを有し、該反射防止フィルムの低屈折率層が視認側になるように配置したことを特徴とするディスプレイ装置。
5.基材上にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、該ハードコート層が上記1に記載の放射線硬化樹脂の硬化皮膜からなり、スチールウールによる摩擦前後のヘイズ値の差(ΔH)が5%〜0.01%であることを特徴とするハードコートフィルム。
6.硬化皮膜内部のF/Cと、硬化皮膜表面のF/Cの比が1/20〜1/1であることを特徴とする上記5に記載のハードコートフィルム。ここで、F/Cとは、ハードコートフィルムをエッチングESCAで測定した際のFのスペクトル強度とCのスペクトル強度の比である。
7.支持体上に記録層および透光層を具備する光情報記録担体において、該透光層に上記5ないし6に記載のハードコートフィルムを用いることを特徴とする光情報記録担体。
8.350nm〜500nmの波長を有する光により記録されることを特徴とする上記7に記載の光情報記録担体。
フッ素原子を含むテロマー型アクリレートを2質量%〜10質量%含有する放射線硬化樹脂を低屈折率層素材に使用することで、防汚性と防汚耐久性、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムが提供され、硬化皮膜内部のF/Cと、硬化皮膜表面のF/Cの比が1/20〜1/1の時に、特に高い防汚耐久性が得られる。
更に、本発明の反射防止フィルムを偏光板に張り合わせることでも、防汚性と防汚耐久性、耐擦傷性が優れた偏光板が得られる。
また、光情報記録担体において、透光層上に上記の放射線硬化樹脂を含有するハードコート層を設けることで、防汚性と防汚耐久性、耐擦傷性及び記録特性に優れた光情報記録担体が提供される。
以下、本発明の防汚性コーティングフィルム(反射防止フィルム)の形成に用いられる防汚性が良好で、かつ防汚耐久性と耐擦傷性も優れた防汚性コーティング組成物(防汚剤)について、詳細に説明する。
[放射線硬化樹脂]
本発明に用いられる放射線硬化樹脂とは、重合性基を2個〜10個含有する多官能性化合物としてのラジカル重合性化合物であり、具体的な例として、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられる。
本発明では、放射線硬化樹脂の中でも、フッ素原子を含むテロマー型アクリレートを防汚剤として区別しており、放射線硬化樹脂に対し、フッ素原子を含むテロマー型アクリレートを2質量%〜10質量%含有することで、防汚性と防汚耐久性、耐擦傷性に優れた放射線硬化皮膜が得られる。
[フッ素原子を含むテロマー型アクリレート]
フッ素原子を含むテロマー型アクリレートを含有することを特徴とする防汚性コーティング組成物(防汚剤)の成分としての放射線硬化樹脂は、例えば下記一般式(1)で示される重合度nがk以上である含フッ素(メタ)アクリル酸エステルの混合物(以下、「フッ素原子を含むテロマー型アクリレート」あるいは単に「テロマー」とも呼ぶ)である。この混合物は、重合度nがそれぞれk、k+1、k+2、...であるテロマーの混合物である。尤も、この混合物は、テロメリゼーションの条件および反応混合物の分離条件等によって、nがkより小さいテロマー等を不可避的に含むことがある。
このような硬化性樹脂を反射防止フィルムの低屈折率層、ハードコート層または防汚性層を形成するために硬化することで、硬化皮膜表面及び内部にフッ素を存在させることができる。
なお、組成物におけるフッ素原子を含むテロマー型アクリレートの含有量は、3質量%〜8質量%であることが好ましく、4質量%〜6質量%であることがさらに好ましい。
防汚剤としての上記硬化性樹脂の具体的な例としては、下記一般式(1)の基Rf(CF2CF2)nR2CH2CH2O−のnがそれぞれk、k+1、k+2、...である複数の含フッ素(メタ)アクリル酸エステルを含む混合物である。
一般式(1):
Rf(CF2CF2nCH2CH22OCOCR1=CH2
(式中、Rfは、炭素数が1〜10であるフルオロアルキル基のいずれかを示し、R1は水素原子またはメチル基を示し、R2は単結合またはアルキレン基を示し、nは重合度を示す整数であり、重合度nはk(kは3以上の整数のいずれかを示す)以上である。)
一般式(1)におけるフッ素原子を含むテロマー型アクリレートとしては(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類等が挙げられる。
本発明に用いられるフッ素原子を含むテロマー型アクリレートの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
Figure 0004505346
次に、本発明の反射防止フィルムに関して説明する。
[反射防止フィルムの層構成]
本発明の反射防止フィルムの代表的な層構成を、図1を参照しながら説明する。
図1は、好ましい反射防止フィルムの好ましい層構成を示す断面模式図である。図1の(a)に示す態様は、透明支持体4、ハードコート層3、高屈折率層2、そして低屈折率層1の順序の層構成を有する。(a)のように、高屈折率層2と低屈折率層1とを有する反射防止フィルムでは、特開昭59−50401号公報に記載されているように、高屈折率層が下記数式(i)、低屈折率層が下記数式(ii)をそれぞれ満足することが好ましい。
Figure 0004505346
数式(i)中、mは正の整数(一般に1、2または3)であり、n1は高屈折率層の屈折率であり、そして、d1は高屈折率層の層厚(nm)である。
Figure 0004505346
式(ii)中、nは正の奇数(一般に1)であり、n2は低屈折率層の屈折率であり、そして、d2は低屈折率層の層厚(nm)である。
高屈折率層の屈折率n1は、一般に透明フィルムより少なくとも0.05高く、そして、低屈折率層の屈折率n2は、一般に高屈折率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明フィルムより少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層の屈折率n1は、一般に1.57〜2.40の範囲にある。
図1の(b)に示す態様は、透明支持体4、ハードコート層3、中屈折率層5、高屈折率層2、そして低屈折率層1の順序の層構成を有する。(b)のように、中屈折率層5、高屈折率層2と低屈折率層1とを有する反射防止フィルムでは、特開昭59−50401号公報に記載されているように、中屈折率層が下記数式(iii)、高屈折率層が下記数式(iv)、低屈折率層が下記数式(v)をそれぞれ満足することが好ましい。
Figure 0004505346
数式(iii)中、hは正の整数(一般に1、2または3)であり、n3は中屈折率層の屈折率であり、そして、d3は中屈折率層の層厚(nm)である。
Figure 0004505346
数式(iv)中、jは正の整数(一般に1、2または3)であり、n4は高屈折率層の屈折率であり、そして、d4は高屈折率層の層厚(nm)である。
Figure 0004505346
式(v)中、kは正の奇数(一般に1)であり、n5は低屈折率層の屈折率であり、そして、d5は低屈折率層の層厚(nm)である。
中屈折率層の屈折率n3は、一般に1.5〜1.7の範囲にあり、高屈折率層の屈折率n4は、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
図1の(c)に示す態様は、透明支持体4、防眩性ハードコート層6、そして低屈折率層1の順序の層構成を有する。このような反射防止フィルムは、例えば、特開2001−281410号公報に記載されているように、低屈折率層が、下記数式(vi)を満足することが好ましい。
Figure 0004505346
数式(vi)中、mは正の奇数(一般に1)であり、n6は低屈折率層の屈折率であり、d6は低屈折率層の層厚(nm)である。
また、式(i)〜(vi)中のλは光線の波長であり、可視領域の反射防止層として用いる場合のλは380〜680nmの範囲の値であり、また、可視光線以外にも可視領域近傍の紫外線、赤外線に対しても有効である。ここで記載した高屈折率、中屈折率、低屈折率とは層相互の相対的な屈折率の高低をいう。例えば中屈折率層は高屈折率層に添加する高屈折率無機微粒子の含率を変えるなどの方法で作製される。
以上の層構成を有する本発明の反射防止フィルムにおいて、少なくとも、本発明に従って改良された低屈折率層を用いる。
[低屈折率層]
低屈折率層は図1の(a)、(b)及び(c)に示すごとく高屈折率層の上層に配置される。通常、低屈折率層の上側が反射防止フィルムの表面である。
低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.20〜1.49であり、1.20〜1.45であることがより好ましく、1.20〜1.43であることが特に好ましい。
低屈折率層の厚さは、10〜400nmであることが好ましく、30〜200nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度試験(JIS−K−5400)でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
本発明の目的が達成できる特に好ましい態様は、低屈折率層が前記のフッ素原子を含むテロマー型アクリレートを含有する組成物を含有して下記硬化剤によって硬化されたマトリックス層から成る態様である。なお、組成物におけるフッ素原子を含むテロマー型アクリレートの含有量は、3質量%〜8質量%であることが好ましく、4質量%〜6質量%であることがさらに好ましい。
本発明の低屈折率層形成用組成物には、硬化剤及び硬化促進剤の各々うちの少なくとも一種が併用される。これらは、低屈折率層形成用組成物中の架橋性反応性部位の硬化反応に応じて、従来公知のものを適宜選択して使用することができる。
例えば、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)高分子学会編「高分子データハンドブック 基礎編」培風舘(1986年)等に記載されている化合物を用いることができる。
具体的には、有機シラン系化合物、ポリイソシアナート系化合物、ポリオール系化合物、ポリアミン系化合物、酸無水化合物類、ポリエポキシ基含有化合物及びエポキシ樹脂(例えば堀内弘編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)、等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)アクリレート系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編「オリゴマー」講談社(1976年)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)等に記載された化合物類が挙げられる。
本発明の低屈折率層形成用組成物には、硬化剤としてラジカル重合性化合物、そして硬化促進剤として光の照射及び加熱の少なくともいずれかの手段でラジカルを発生する化合物を用いることが好ましい。ラジカル重合性化合物は、重合性基を2個〜10個含有する多官能性化合物が好ましく、更に好ましくは2〜6個の多官能化合物が好ましい。
低屈折率層形成用組成物に含有されるラジカル重合性基と共重合性のよい重合性基を有する重合性化合物を硬化剤として適宜選択して組み合せることが好ましい。そのような化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基・アミノ基・メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル・アミド類と、単官能もしくは多官能イソシアネート類・エポキシ類との付加反応物や、ヒドロキシル基・アミノ基・メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル・アミド類と、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサンジオール、シクロヘキシルジオール、シクロヘキサンジメタノール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられ、それらと不飽和カルボン酸(クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸等)とのモノ置換、あるいはポリ置換の重合性化合物が挙げられる。
その他のエステル系硬化剤の例として、例えばビニルメタクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマー硬化剤の具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマー硬化剤の例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロヘキシレン構造を有するものを挙げることができる。
また、硬化剤として、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有する化合物に水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有する化合物が挙げられる。
さらに、硬化剤として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号の各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有するラジカル重合性化合物類を用いても良い。
その他の硬化剤の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号の各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
更には、硬化剤としてフッ素原子含有の単官能もしくは多官能の化合物も好ましく、例えば特開2000−275403号明細書中の段落番号[0059]〜[0066]記載の化合物等が挙げられる。
ラジカル重合及び架橋反応の開始剤としては、熱の作用によりラジカルを発生するもの、又は光の作用によりラジカルを発生するもののいずれの形態も可能である。
熱の作用による開始剤としては、有機又は無機過酸化物、有機アゾ、ジアゾ化合物、オニウム化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロペルオキシド、ブチルヒドロペルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等、オニウム化合物として前記加水分解性シリル基で記載したと同様の化合物等を挙げることができる。
光の作用によりラジカル重合を開始する化合物を使用する場合は、活性エネルギー線の照射によって皮膜の硬化が行なわれる。このような光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。これらの光ラジカル重合開始剤と併用して増感色素も好ましく用いることができる。
熱または光の作用によってラジカル重合乃至架橋反応を開始する化合物の添加量としては、炭素−炭素二重結合の重合乃至架橋が開始する量であれば良いが、一般的には皮膜形成用組成物中の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
これらの硬化剤を添加する場合も他の硬化剤と同様に、上記低屈折率層形成用組成物100質量部当り、0.5〜300質量部程度の添加量が好ましく、特に、低屈折率層形成用組成物100質量部当り、5.0〜100質量部程度の添加量が好ましい。
本発明の低屈折率層形成用組成物は、通常適当な溶剤に溶解して作製される。この際、本発明の低屈折率層形成用組成物の濃度は、用途に応じて適宜選択されるが一般的には0.01〜60質量%程度であり、好ましくは0.5〜50質量%、特に好ましくは1%〜20質量%程度である。
上記溶剤としては、本発明に係る低屈折率層形成用組成物が沈殿を生じることなく、均一に溶解または分散されるものであれば特に制限はなく2種類以上の溶剤を併用することもできる。好ましい例としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、水などを挙げることができる。
本発明の低屈折率層形成用組成物にはさらに膜強度または塗布性の改良のためにコロイダル無機粒子を添加しても良い。このようなコロイダル無機粒子としては、粒子径は5〜50nmのものが好ましく用いられるが、更に好ましくは、5〜30nmのものであり、特に好ましくは、粒子径8〜20nmのものである。無機粒子としては、シリカ、アルミナ、フッ化マグネシウム等が挙げられる。好ましくはコロイダルシリカである。このようなコロイダルシリカは、例えばI.M.Thomas著、Appl. Opt. 25, 1481(1986)等に記載の手法に順じて、テトラアルコキシシランを原料としてアンモニア水等の触媒を用いて加水分解・重縮合することにより調整することができる。また市販のものでは、日産化学工業(株)製スノーテックスIPA−ST、同MEK−ST、日本エアロジル(株)製AEROSIL300、同AEROSIL130、同AEROSIL50(いずれも商品名)等を利用することもできる。
コロイダル無機粒子の添加量は、一般に低屈折率層形成用組成物の塗膜硬化後の全固形分の5〜95質量%の範囲であり、好ましくは10〜70質量%、特に好ましくは、20〜60質量%の場合である。
その他、低屈折率層形成用組成物には各種シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を必要に応じて適宜添加しても良い。
[高・中屈折率層]
本発明の反射防止フィルムが、多層膜の態様をとる場合、一般に、低屈折率層は、低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層(即ち、高屈折率層及び中屈折率層の少なくともいずれかの層)と共に用いられる。
上記低屈折率層より高い屈折率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可塑性皮膜(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外のハロゲン基を有するポリマー);皮膜組成物(例、メラミン皮膜、フェノール皮膜、またはエポキシ皮膜などを硬化剤とする皮膜組成物);ウレタン形成性組成物(例、脂環式または芳香族イソシアネートおよびポリオールの組み合わせ);およびラジカル重合性組成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入することにより、ラジカル硬化を可能にした変性皮膜またはプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができる。これらの皮膜形成性組成物のいずれを用いてもよいが、高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。低屈折率層より高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系微粒子も使用することができる。この層に使用される有機材料としては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有するため有機材料単独で用いる場合よりも低屈折率のものも用いることができる。そのような材料として、上記した有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合体、ポリエステル、アルキド皮膜、繊維素系重合体、ウレタン皮膜およびこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げることができる。
さらに有機置換されたケイ素系化合物、あるいはその加水分解生成物も高・中屈折率層に含ませることができる。
[ハードコート層]
アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。また、顔料をハードコート層に添加してよい。ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。透明支持体の上には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
[透明支持体]
反射防止フィルムをCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止フィルムは透明支持体を有することが好ましい。
透明支持体としては、ガラス板よりもプラスチックフィルムの方が好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4、4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。透明支持体には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。
滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO2、Al23,TiO2、BaSO4、CaCO3、タルクおよびカオリンが含まれる。
透明支持体には表面処埋を施してもよい。
表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
[反射防止フィルムの形成]
反射防止フィルムが、単層又は前記のように多層の構成をとる場合は、各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)により、塗布により形成することができる。また、二層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。反射防止フィルムの反射率は低いほど好ましい。具体的には450〜650nmの波長領域での平均反射率が2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることが最も好ましい。反射防止フィルム(下記のアンチグレア機能がない場合)のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。反射防止フィルムの強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
反射防止フィルムは、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止フィルムの表面に凹凸を形成することにより得られる。反射防止フィルムがアンチグレア機能を有する場合、反射防止フィルムのヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
反射防止フィルム表面に凹凸を形成する方法は、これらの表面形状を充分に保持できる方法であればいずれの方法でも適用できる。例えば、低屈折率層中に微粒子を使用し、それにより膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号等)、低屈折率層の下層(高屈折率層、中屈折率層又はハードコート層)に比較的大きな粒子(粒径0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成し、その上にこれらの形状を維持して低屈折率層を設ける方法(例えば特開2000−281410号、同2000−95893号等)、低屈折率層表面に物理的に凹凸形状を転写(エンボス加工方法等)する方法(例えば特開平11−268800号)が挙げられる。
[偏光板・ディスプレイ装置]
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムで主に構成される。本発明の反射防止フィルムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に用いることが好ましい。本発明の反射防止フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の反射防止フィルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等が防止され、耐傷性、防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
偏光膜としては公知の偏光膜や、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は以下の方法により作成される。即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。偏光膜の延伸方法は特開2002−86554号公報に記載の方法に従う。
本発明の反射防止フィルムおよびこの反射防止フィルムを低屈折率層の最表面になるように配置して用いた本発明の偏光板は、ディスプレイ装置、例えば液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用することができる。本発明の反射防止フィルムは透明支持体を有しているので、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着して用いられる。本発明の偏光板の場合は、低屈折率層がディスプレイ装置の最表面になるようにディスプレイ装置の表示面に接着して用いられる。
本発明の反射防止フィルムは、偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いた場合、 ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)、電界制御複屈折(Electrically Controlled Birefringence(ECB))等のモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
ECBモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向しており、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ」東レリサーチセンター発行(2001)などに記載されている。
特にTNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001−100043号公報等に記載されているように、視野角拡大効果を有する光学補償フィルムを偏光膜の裏表2枚の保護フィルムの内の本発明の反射防止フィルムとは反対側の面に用いることにより、1枚の偏光板の厚みで反射防止効果と視野角拡大効果を有する偏光板を得ることができ、特に好ましい。
[ハードコートフィルム]
次に、ハードコートフィルムについて説明する。
本発明のハードコートフィルムは、その表面に本発明に特徴的なフッ素原子を含むテロマー型アクリレートを含有する放射線硬化樹脂を防汚層として設けてなることが特徴であるが、防汚層の組成は、反射防止フィルムの低屈折率層として前記した層の組成と、添加してもよい硬化剤などの添加剤も含めて同じである。また防汚対象の被処理基材に適用方法も塗布によっており、低屈折率層の塗布について述べた方法と同じである。
更に、このハードコートフィルムをエッチングESCAで測定した時に、F/C(フッ素のスペクトル強度と炭素のスペクトル強度の比)が1/1≧(硬化皮膜内部のF/C)/(硬化皮膜表面のF/C)≧1/20を満足する場合に、高い防汚耐久性を得ることができる。F/Cの比は、1/18以上1/1以下であることが好ましく、1/15以上1/1以下であることがさらに好ましい。[F/Cは、ハードコートフィルムをエッチングESCAで測定した際のFのスペクトル強度とCのスペクトル強度の比である。]
なお、硬化皮膜表面のF/Cは、F及びCのエッチングESCAにおいて、電子線強度12kV/20mAで5秒間エッチングした時のスペクトル比、硬化皮膜内部のF/Cは、同条件で100〜500秒間エッチングした時の平均のスペクトル比を示す。
本発明の防汚性コーティング組成物が、防汚層の形成対象とする被処理基材には特に制限はなく、ガラス、樹脂、セラミックス、金属、木材、皮革、石材等が挙げられる。
特に、光学部材には、ガラス板、または無機化合物層を含有したガラス板等の無機基材や、透明プラスチック基材、または無機化合物層を含有した透明プラスチック基材等の有機基材が好ましく挙げられる。
このうち、無機基材としては、主にガラス板をあげることができる。無機化合物層を含有したガラス板を形成する当該無機化合物としては、金属酸化物〔酸化ケイ素(二酸化ケイ素、一酸化ケイ素等)、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化ナトリウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、ITO(Indium Tin Oxide)等〕、金属ハロゲン化物(フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化リチウム、フッ化トリウム等)を挙げることができる。
これら無機化合物からなる無機基材あるいは無機化合物層は、単層あるいは多層構成とすることができ、これらはウェットコーティング法(ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法等)、PVD(Physical Vapor Deposition)法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法)、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等の公知の方法により形成される。
又、被処理基材となる有機基材のうち、透明プラスチック基材としては、種々の有機高分子からなる基材をあげることができる。
特に、光学部材として使用される基材は、透明性、屈折率、分散性などの光学特性、さらには耐衝撃性、耐熱性、耐久性などの諸物性の点から、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4、4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。基材の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。基材のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
基材が透明基材の場合は、その屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。これらの有機基材を構成する有機高分子に、公知の添加剤(例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑り剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等)を含有させたものも使用することができる。これらの添加剤の添加量は、基材の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。
また、基材には、表面処埋を実施してもよい。表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましい。
被処理基材とする無機基材あるいは有機基材の形状は、特に限定されるものではないが、通常、光学部材として使用される透明プラスチック基材はフィルム状またはシート状をなしており、本発明のハードコートフィルムもこれらフィルム状又はシート状のものを被処理基材とすることができる。このフィルム状またはシート状の基材としては、単層あるいは複数の有機高分子を積層したものでもよい。又、その厚みは、特に限定されるものではないが、0.01〜5mmが好ましい。
又、上述のような有機基材上に無機化合物層を形成した被処理基材の当該無機化合物層としては、前述の無機基材を構成する無機化合物層と同様の無機化合物を用いて同様の手法により形成することができる。
前記した反射防止フィルムの場合と同様、ハードコートフィルムにおいても本発明が被処理基材とする透明プラスチック基材には、プライマー層、防湿層、帯電防止層、下塗り層を設けてもよい。これらの各層の機能、構成なども反射防止フィルムについて述べたことと同じである。
ハードコート層については、反射防止層の項でも触れたが、さらに詳しく述べると、透明性と適度な硬度と機械的強度があれば、特に限定されるものではなく、例えば、電離放射線や紫外線の照射による硬化樹脂や熱硬化性の樹脂が使用でき、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシリカ系化合物等を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してよい。アクリル系ポリマーは、多官能アクリレートモノマー(例、ポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート)の重合反応により合成することが好ましい。ウレタン系ポリマーの例には、メラミンポリウレタンが含まれる。シリコン系ポリマーとしては、シラン化合物(例、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン)と反応性基(例、エポキシ、メタクリル)を有するシランカップリング剤との共加水分解物が好ましく用いられる。二種類以上のポリマーを組み合わせて用いてもよい。シリカ系化合物としては、コロイダルシリカが好ましく用いられる。ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上である好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
これらの樹脂は透明プラスチック基材と屈折率が同等もしくは近似していることがより好ましい。
ハードコート層の膜厚は3μm以上あれば十分な強度となるが、透明性、塗工精度、取り扱い性の点から5〜50μmの範囲が好ましい。
又、ハードコート層に平均粒子径0.01〜3μmの無機あるいは有機物粒子を混合分散させることで膜の機械的強度を向上できるので好ましい。これらの微粒子は透明であれば特に限定されるものではないが、低屈折率材料が好ましく、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムが安定性、耐熱性等で好ましい。
このようなハードコート層の塗布方法は均一に塗布されるのであれば、いかなる方法でも構わない。
被処理基材に本発明のフッ素原子を含むテロマー型アクリレートを用いてハードコート層を形成する方法には特に制限はなく、ウェットコーティング法(ディップコーティング法、エアーナイフ法、スピンコーティング法、カーテンコート法、ワイヤバーコート法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法等)、また、ドライコーティング法〔真空蒸着法(抵抗加熱法、電子線ビーム法、高周波加熱法、イオンビーム法等)、スパッタリング法、CVD法(プラズマCVD法、光CVD法、熱CVD法等)等〕によってもよい。
ハードコート層をCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合のように透明支持体を必要としないこともあるが、一方、ハードコート層が透明支持体を有することも好ましい態様である。透明支持体としては、ガラス板よりもプラスチックフィルムの方が好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4、4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。透明支持体には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO2、Al23,TiO2、BaSO4、CaCO3、タルクおよびカオリンが含まれる。
透明支持体には表面処埋を施してもよい。
ハードコート層の塗布による形成について述べる。ハードコート層が、単層又は前記のように多層の構成をとる場合は、各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)により、塗布により形成することができる。二層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。ハードコートフィルム(下記のアンチグレア機能がない場合)のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。ハードコートフィルムの強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上である。好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
このようにして得られるハードコート層としては、スチールウールによる摩耗前後のヘイズ値の差(△H)が、5%以下、特に1%以下であることが好ましい。なお、本発明におけるスチールウールによる摩耗前後のヘイズ値の差(△H)とは、表面保護層であるハードコート層の表面を、スチールウール♯0000を用いて、荷重300gで100往復擦って摩耗させ、摩耗前後のヘイズ値を、それぞれ日本電色工業社製のヘイズ測定器「NDH−1001DP」を使用して測定し、摩耗後のヘイズ値から摩耗前のヘイズ値を差し引いたものである。
[光情報記録担体]
次に、光情報記録担体について説明する。
本発明の情報記録担体は、光学的手段によって情報信号を再生可能な情報記録担体である。本発明の情報記録担体の基本的な構成は、支持体と、支持体上に形成され情報信号を記録可能な記録層と、記録層上に形成され光を透過する透光層とからなる。各々の構成要素は発明内容を阻害しない範囲で相互に入れ替えまたは組み合わせてもよい。各々は少なくとも1つずつ存在することが必要であるが、各々は複数層存在しても1つの層が組成や特性の異なる複数の層から構成されていてもよい。具体的には支持体/記録層/透光層/記録層/透光層のように支持体の片側に2層ずつの記録層と透光層を設けたり、透光層/記録層/支持体/記録層/透光層のように支持体の両面に記録層と透光層を配置したりすることもできる。上記構成以外にも、公知の静電気防止層、潤滑層、保護層、反射層などを設けてもよい。また、支持体の記録層とは反対側にレーベル印刷を施してもよい。
本発明の情報記録担体は、カートリッジ内部に装着されたものであってもよい。また、その大きさに制限はなく、ディスク状情報記録担体の場合には、例えば直径30〜300mmの各種サイズを取ることができ、直径32、51、65、80、88、120、130、200、300mmなどであってもよい。
本発明の情報記録担体において、支持体は、後述する記録層及び透光層などを機械的に保持する機能を持つベースである。
その構成材料は、合成樹脂、セラミック、金属などいずれでもよい。合成樹脂の代表例としては、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート・ポリスチレン共重合体、ポリビニルクロライド、脂環式ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどの各種熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂、各種放射線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂、可視光硬化樹脂の例を含む)を好適に用いることができる。なお、これらは金属粉またはセラミック粉などを配合した合成樹脂であってもよい。セラミックの代表例としてはソーダライムガラス、ソーダアルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラスなどを用いることができる。金属としてはアルミ、銅、鉄などを用いることができる。
この中で耐湿性、寸度安定性及び価格などの点からポリカーボネートやアモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが最も好ましい。
支持体の厚みは、他の層を機械的に保持する必要性から0.3〜3mmが好ましく、望ましくは0.6〜2mmであり、1.1mm±0.3mmの範囲のものが最も好適に用いられる。
支持体の表面には、通常、トラッキング用溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)が形成される。このプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形又は押出成形する際に、直接支持体上に形成されることが好ましい。
また、プレグルーブの形成を、プレグルーブ層を設けることにより、行ってもよい。プレグルーブ層の材料としては、ポリオールのアクリル酸モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル、ペンタエステルおよびヘキサエステルのうちの少なくとも1種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパ)上に上記のアクリル酸エステル及び重合開始剤からなる混合液を塗布し、更に、この塗布液層上に支持体を載せたのち、支持体又は母型を介して紫外線を照射することにより塗布層を硬化させて支持体と塗布層とを固着させる。次いで、支持体を母型から剥離することにより得ることができる。プレグルーブ層の層厚は一般に、0.01〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.05〜50μmの範囲である。
本発明において、支持体のプレグルーブのトラックピッチは、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、250〜350nmの範囲とすることがより好ましい。
また、プレグルーブの溝深さは10〜150nmの範囲とすることが好ましく、20〜100nmの範囲とすることがより好ましく、30〜80nmの範囲とすることが更に好ましい。また、その半値幅は、50〜250nmの範囲にあることが好ましく、100〜200nmの範囲であることがより好ましい。
本発明の情報記録担体に後述する光反射層を設ける場合には、光反射層が設けられる側の支持体表面に、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N―メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により支持体表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
光反射層は、情報の再生時における反射率の向上の目的で、任意に、支持体と記録層との間に設けることができる。光反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより支持体上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。なお、光反射性物質の反射率は70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属、半金属又はステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、二種以上の組合せで用いてもよいし、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Al又はこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Ag又はこれらの合金である。
本発明の情報記録担体において、記録層とは、光学的または磁気的な記録手段により情報信号を該層へ記録することにより情報の記録又は書き換えができる機能を有した層であり、また光学的な再生手段(レーザ光など)により該層から情報信号の再生を行うことができる。記録層は、情報記録担体が再生専用型情報記録担体である場合には高反射率材料を用い、記録・再生型情報記録担体の場合には、記録または再生原理に従って、色素記録用材料、相変化記録用材料、光磁気記録用材料から選択して用いる。記録層の厚みは2〜300nmが好ましく、特に5〜200nmが好適に用いられる。
記録層に用いる光反射率材料としては、金、銀などが用いられる。
色素記録用の記録材料の具体的な例としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素、ナフトキノン色素、フルギド色素、ポリメチン色素、アクリジン色素などを用いることができる。
相変化記録用の記録材料としては、インジウム、アンチモン、テルル、セレン、ゲルマニウム、ビスマス、バナジウム、ガリウム、白金、金、銀、銅、錫、砒素などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物などを含む)を用いることができ、特にGeSbTe、AgInSbTe、CuAlTeSbなどを用いるのが好適である。インジウム合金とテルル合金の積層膜を用いて記録層としてもよい。
光磁気記録用の記録材料としては、テルビウム、コバルト、鉄、ガドリニウム、クロム、ネオジム、ジスプロシウム、ビスマス、パラジウム、サマリウム、ホルミウム、プロセオジム、マンガン、チタン、パラジウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム、錫などの合金(合金とは酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、フッ化物の例を含む)を用いることができ、特にTbFeCo、GdFeCo、DyFeCoなどに代表されるように遷移金属と希土類の合金で構成するのが好適である。更に、コバルトと白金の交互積層膜を用いて記録層としてもよい。
なお、これら記録層には、再生出力向上や書き換え回数向上、保存安定性向上等の目的で、補助膜、例えばシリコン、タンタル、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、クロム、ジルコニウムなどの合金(酸化物、窒化物、炭化物を含む)や高反射膜(アルミニウム、金、銀など)を併用して積層してもよい。
色素記録用の記録材料を用いる記録層には、再生に用いるレーザ光の波長領域に極大吸収を有する色素を含有していることが好ましく、特に、500nm以下の波長のレーザで記録及び再生が可能なように、その波長領域に極大吸収を有する色素を含有していることがより好ましい。用いられる色素としては、例えば、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。具体的には、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、特開平11−53758号公報、特開平11−334204号公報、特開平11−334205号公報、特開平11−334206号公報、特開平11−334207号公報、特開2000−43423号公報、特開2000−108513号公報、特開2000−158818号公報の各公報に記載されている色素、又は、トリアゾール、トリアジン、シアニン、メロシアニン、アミノブタジエン、フタロシアニン、桂皮酸、ビオロゲン、アゾ、オキソノールベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール等の色素が挙げられ、シアニン、アミノブタジエン、ベンゾトリアゾール、フタロシアニン等の色素が好ましい。
記録層は、色素記録用の記録材料を用いる場合、前述した色素と、所望により結合剤とを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を前述の支持体のプレグルーブ表面、又は光反射層表面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。更に、塗布液中には、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加されてもよい。
また、色素や結合剤を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー処理、ディスパー処理、サンドミル処理、スターラー攪拌処理等の方法を適用することができる。
塗布液の溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素及び結合剤の溶解性を考慮して単独で用いてもよいし、二種以上を適宜併用することもできる。
結合剤の例としては、例えば、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素に対して0.01〜50倍量(質量比)の範囲であることが好ましく、0.1〜5倍量の範囲であることがより好ましい。結合剤を記録層に含有させることにより記録層の保存安定性を改良することも可能である。
このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。
塗布温度としては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは24〜40℃、更に好ましくは25〜37℃である。
記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は、一般に、20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の含有量は、記録層の全固形分中、通常、0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
記録層の表面には、透光層との密着性と、色素の保存性を高めるために、中間層(バリア層)が形成されていてもよい。バリア層は、Zn、Si、Ti、Te、Sm、Mo、Ge等のいずれか1原子以上からなる酸化物、窒化物、炭化物、硫化物等の材料からなる層であり。また、バリア層は、ZnS−SiO2のようにハイブリット化されたものでもよい。バリア層は、スパッタリング、蒸着イオンプレーティング等により形成すること可能で、その厚さは、1〜100nmとすることが好ましい。
本発明の情報記録担体において、透光層は、収束した再生光を物理的には記録層に導く機能を持ち、同時に記録層を化学的、機械的に保護する機能を持つ。本発明の透光層は支持体の厚みよりも薄く構成されたフィルムからなることが好ましい。
なお、本発明において「透光」とは、記録再生に用いる光学的手段の光の波長(例えば、600〜800nmや350〜450nmの光)に対して事実上透明(透過率70%以上、望ましくは80%以上)であることを意味する。
本発明の透光層は、吸湿膨張率8ppm/%RH以上62ppm/%RH以下の透光性フィルムを有する。吸湿膨張率が上記範囲以外になると、環境変化によって記録担体が変形することがある。これは、特に透光性フィルムと基板との吸湿膨張率の差が大きくなるためと推定される。情報記録担体が変形すると記録層が影響を受け、記録再生適性が劣化し、記録再生の安定性が悪化してしまう。より好ましい吸湿膨張率は8ppm/%RH以上50ppm/%以下であり、さらに好ましくは8ppm/%RH以上40ppm/%RHである。
本発明において、吸湿膨張率とは、環境を25℃20%RHから25℃80%RHまで変化させたときのフィルムの寸度変化率を意味する。すなわち、25℃20%RHでのフィルムの大きさをL20、25℃80%RHでの大きさをL80としたときに、[[(L80−L20)/L20]/(80−20)]×100が吸湿膨張率(単位はppm/%RH)である。例えば、フィルムを巾5cm長さ28cmのような長方形に裁断し、25℃20%RHと25℃80%RHとでのフィルム長さを測定することで求めることができる。
透光性フィルムの吸湿膨張率は、フィルム材料やフィルムへの添加剤の種類・量などを適宜選択することにより調整することができる。具体的には、特定の劣化防止剤を含有させたセルロースアシレートフィルム、塩素系有機溶剤含有量を押えたセルロースアシレートフィルム、特定の多価アルコールエステルを含有するセルロースアシレートフィルム、さらには環状ポリオレフィンフィルムもしくはポリカーボネートを透光性フィルムとして用いことが好ましい。
本発明に透光層に用いる透光性フィルムとしては、延伸により製造されないものが好ましい。延伸を用いて製造すると、延伸方向に光学異方性が生じることがあり、その場合、本発明の情報記録担体の透光層としては好ましくないからである。また、延伸により熱膨張に異方性が生じることがあり、長期の保存安定性の点でも好ましくない。
本発明の透光層に用いる透光性フィルムとしては、好ましくはセルロース誘導体(特にセルロースアシレート)、環状ポリオレフィンまたはポリカーボネートからなるフィルムである。
セルロースは六員環の基本分子構造をもち、この基本単位内に3つの水酸基(OH)を有している。セルロースを氷酢酸、プロピオン酸、酪酸、無水酢酸、無水プロピオン酸等を用いて水酸基をエステル化することによって、セルロースアシレートは合成することができ、合成条件によって、3つの水酸基のうちの一部、または全てをエステル化することができる。このうち特に水酸基を2個以上置換したセルロースアシレートは、溶剤を用いた流延法または溶融押し出し法によって薄いシート状に加工することができ、合成されたセルロースアシレートは、屈折率が1.5前後の透明体で、固有複屈折が小さく、光入射角度の依存性も小さいという特徴を持つ。そして、このセルロースアシレートにテンションをかけて得られるセルロースアシレートフィルムは、強靱でありながら、材料の固有複屈折を継承して、長手方向、横断方向の複屈折差も抑えられたフィルムとなるので、本発明の透光性フィルムとして好適である。
セルロースアシレートは、セルロール誘導体の合成条件を調整することにより、λ=350〜450nmの透過率を事実上透明(透過率は好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上)にすることが好ましい。セルロースアシレートは、セルロース誘導体の合成条件によって、黄変したり白化したりするが、このような材料を用いて情報記録担体を構成すると反射率が低下して再生信号出力が劣化することがあるためである。
セルロースアシレートフィルムはそのままでは引裂強度、耐折強度が低く、特に低湿度の状態下では、非常に脆くなり裂け易い欠点があった。柔軟性を与えるため、従来から低分子の可塑剤を添加していた。これらの例としては、リン酸エステル系としてトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート等が挙げられ、フタル酸エステル系として、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート等が挙げられ、またグリコール酸エステル系としては、エチルフタリルエチルグリコール等が挙げられ、これ以外にはトルエンスルホンアミド系、トリアセチン(グリセリントリアセテート)等が用いられてきた。
しかしながら、上に列記した可塑剤は低分子物質であり、沸点は高いものでも300℃を越えるものはない。他方、セルロースアシレートは、他の物質との相溶性の少ないポリマーとして知られており、また相溶性のある可塑剤でも上記のように沸点が低いという致命的な欠点を有するため製膜の際に可塑剤の移行が激しく、できたフィルムの厚み方向に可塑剤の分布が不均一になるため、フィルムのカールの原因となったり、あるいはフィルムの表面に可塑剤が滲み出すため、その後の加工に著しく支障をきたすことが知られている。そこで、従来から上記欠点を除去するために、即ち常温、低温で耐折強度及び引裂き強度が大きく、かつ抗張力等が低分子可塑剤添加時と比較的変わらず、かつ光学的に透過率の優れた強靱なセルロースアシレートフィルムを得るために、高分子量可塑剤、例えばポリエステルエーテル、ポリエステル−ウレタン、ポリエステルを、あるいは、これら高分子量可塑剤と低分子量可塑剤を併用してセルロースアシレートに混合して用いることが試みられており(例えば、特公昭47−760号、特公昭43−16305号、特公昭44−32672号、特開平2−292342号の各公報参照)、ほぼ目的は達成されつつある。しかしながら、これらの支持体を用いると、低分子可塑剤(例えばトリフェニルホスフェート)のみを含んだ支持体に比べて、長期保存下での安定性が著しく低下し、着色、分子鎖の切断等が発生し易いという欠点があることが判った。
本発明では、セルロースアシレートフィルムに於いて、長期保存安定性を達成するため、該セルロールアシレートフィルムに
(A)過酸化物分解剤、
(B)ラジカル連鎖禁止剤、
(C)金属不活性化剤、及び
(D)酸捕獲剤、
のうち少なくとも1種の劣化防止剤を含有させることが好ましい。
あるいは、セルロールアシレートフィルム内に含まれる有機塩素系溶剤の量を10ppm以下とする、またはセルロースアシレートフィルムに脂肪族多価アルコールと1種以上のモノカルボン酸との多価アルコールエステルを含有させることも長期保存安定性を達成するためには好ましい。
本発明に好ましく用いることのできる劣化防止剤としては、特開平5−197073号公報の〔0063〕〜〔0064〕、米国特許第4,483,918号、同第4,555,479号、同第4,585,728号、同第4,639,415号、欧州公開特許第264,730号、特開昭58−102231号、同59−229557号、同61−73152号、同63−98662号、同63−115167号、同63−267944号の各明細書に記載された化合物が挙げられる。
本発明で用いられるポリカーボネートフィルムとしては、特開2003−157579号公報の[0023]に記載のものを好ましく用いることができる。
次に本発明で用いられる環状ポリオレフィンフィルムに関して述べる。
本発明で用いられる環状ポリオレフィンフィルムは特開平5−65350号、同6−107736号、同6−248164号、同10−60048号、同11−129399号、同11−216817号、同11−217446号、同11−217491号、特開2001−9859号、同2001−163959号、同2002−249625号等の各公報に記載されている。
本発明に用いられる環状オレフィンは、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに脂環式構造を有するものであり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。重合体の脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造を有するものは耐候性や耐薬品性に優れるので最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性、及び成形性の特性が高度にバランスされ好適である。
本発明に使用される環状オレフィン中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常30質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。環状オレフィン中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性に劣り好ましくない。環状オレフィン中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。また、環状オレフィンとしては熱可塑性のものが好適である。
かかる脂環式構造を有する重合体の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役系ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素添加物などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物、環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物がより好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122137号公報などで開示される方法によってノルボルネン系単量体(ノルボルネン環を有する環状オレフィン単量体)を重合したものが用いられる。具体的には、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物の付加型重合体などが挙げられる。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体と共重合体可能なビニル化合物の付加型重合体などが好ましく、ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物が特に好ましい。ノルボルネン系単量体の開環重合体水素添加物は、可塑化温度と分解温度との差が大きく加熱を伴うカレンダー成形に適しており、そのために、機械強度にも優れ、外観も優れたフィルムの成形が可能となる。
ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名ノルボルネン)等、特開2001−9859号公報の段落番号[0010]〜[0013]に記載の単量体が挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上組合わせて用いられる。ノルボルネン系単量体のうち、ジシクロペンタジエンが含まれていることが好適であり、例えば、ジシクロペンタジエンとテトラシクロドデセンとの組合せ、ジシクロペンタジエンとテトラシクロドデセンとエチルテトラシクロドデセンとの組合せ、ジシクロペンタジエンとエチルテトラシクロドデセンとの組合せ、ジシクロペンタジエンとエチリデンテトラシクロドデセンとの組合せ、ジシクロペンタジエンと1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンとの組合せなどが挙げられる。
ノルボルネン系単量体と共重合させることができるビニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;等が挙げられる。これらのビニル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ノルボルネン系単量体またはノルボルネン系単量体と共重合可能なビニル化合物との重合方法及び水素添加方法は、格別な制限はなく公知の方法に従って行うことができる。
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−136057号公報や特開平7−258318号公報に開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素添加物などを用いることができる。
(4)側鎖に脂環式構造を有する炭化水素系重合体
該炭化水素系重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素単量体の重合体、及びその水素添加物、スチレン系重合体の水素添加物などを用いることができる。
本発明で使用される環状オレフィンの分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレン換算の数平均分子量で、通常、5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000であり、質量平均分子量で、通常、10,000〜1,000,000、好ましくは15,000〜500,000、より好ましくは20,000〜200,000である。MWD(=質量平均分子量/数平均分子量)は通常1.0〜10、好ましくは1.0〜6、より好ましくは1.1〜4である。このような範囲に分子量を調整することによって、フィルムの機械強度と成形加工性が良好にバランスする。
本発明で使用される環状オレフィンのガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、好ましくは50〜200℃以上、より好ましくは70〜150℃以上、最も好ましくは80〜120℃である。Tgがこの範囲にあるときは、カレンダー成形における樹脂可塑化の際のフィルムの酸化劣化に伴う黄変が生じにくくなり、また、得られるフィルムの耐熱性が良好になる。
本発明に使用される環状オレフィンの5%加熱減量温度(窒素雰囲気中で、5℃/分の昇温速度で測定)は、好ましくは280℃以上、特に好ましくは350℃以上である。5%加熱減量温度が、この範囲にある方が、樹脂温度を高温にしても樹脂の分解が起きにくく、成形物内に樹脂の分解による気泡の包含等の成形不良が防止できるので好ましい。
本発明に使用される環状オレフィンの温度260℃における溶融粘度は、通常1×101〜1×105ポイズ、好ましくは1×102〜1×103ポイズである。 溶融粘度がこの範囲にあるときに、フィルムの成形性と機械強度とがバランスして好適である。
本発明に用いられる環状オレフィンには、必要に応じて、その他のポリマー、酸化防止剤、老化防止剤、滑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填剤、着色剤、架橋剤、硬化剤、可塑剤、発泡剤などを、単独で又は2種以上混合して用いることができる。
上記各種添加剤を用いる場合には、環状オレフィン樹脂の製造工程で添加することによって、または、樹脂製造後、該環状オレフィン樹脂を混練、混合又は溶融させる工程で添加することができる。
環状ポリオレフィンフィルムの製造方法においては、前記環状ポリオレフィンを、それのガラス転移温度より30〜150℃、好ましくは70〜120℃高い温度に、加熱して溶融させる。加熱して溶融させる方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、押出機、混練機などを使用して行うことができる。押出機の中、ストレーナーは、樹脂中に含まれているおそれのある異物を濾別し、均一な温度で、コンパウンドをカレンダーロールへ供給できるので好ましい。ストレーナーの機械そのものは押出機と同様の構造であるが、その先端部に、約20メッシュ以上、好ましくは60メッシュ以上の金網が取り付けられている。特殊なストレーナーとして、スーパーミキサーと押出機とを組み合わせたミクストルーダーがあり、使用できる。
環状ポリオレフィンフィルムの製造方法においては、該溶融樹脂を、並設され且つ逆方向に回転する一組のカレンダーロールのロール間隙に導き、次いで該ロール間隙からフィルム状に引き出す。カレンダーロールは、少なくとも2本あり、その配列として、ゴムや塩化ビニル樹脂で行われているものと同様のものが使用できる。
配列の仕方として、垂直、水平、傾斜の3基本形態があり、それらを組み合わせることによって、Z型、逆L型、コ型、キャメルバック型、M型などがある。さらにロールの本数を2本から十数本に変化させることによって、さまざまな組合せが可能であり、またカレンダーロールに付属する装置として、冷却ロール、送りロール、圧着ロールなどを組み合わせることもできる。具体的には、2本垂直、2本傾斜、3本垂直、4本垂直コーティング、2本垂直逆L4本、2本垂直水平2本3対、2本垂直逆L4本冷却1本、5本コ型冷却1本、キャメルバック型4本冷却1本、3本垂直1対組合せ、逆L4本圧着2本、Z型4本圧着2本、2本水平、逆L型3本、4本垂直、逆L型4本、キャメルバック型4本、3本垂直冷却1本、逆L型4本冷却1本、Z型4本冷却1本、3本垂直送り1本、Z型4本冷却4本、逆L型4本冷却5本などが挙げられる。
カレンダーロール(溶融樹脂を最初に導入する一組のロール)の温度は、ロールの回転速度によって若干異なるが、その上限は、黄変色したフィルムの製造を防止するために、通常、230℃、好ましくは210℃、より好ましくは200℃であり、下限は、平滑性の低いフィルムの製造を防止するために、通常、100℃、好ましくは130℃、より好ましくは160℃である。2番目以降のロールの温度は、特に限定されず、通常、溶融樹脂が最初に導入される一組のロールの温度と同じか、若干低めの温度に設定される。
カレンダーロールの間隙から引き出されたフィルムは、数ミクロン〜数ミリメートルの厚さのものである。フィルムの厚みは、カレンダー速度、ロール温度やロールのニップ距離などによってコントロールできる。
カレンダーロールの間隙から引き出されたフィルムは、その後、テイクオフロール、冷却引取装置、巻取機などを経て、本発明の透光性フィルムとして用いることができる。ここで得られるフィルムは、その黄色度が、好ましくは2以下であり、特に好ましくは1以下である。このように本発明の製法により得られるフィルムは黄変色していないので、光学用途にも好適に使用できる。
本発明の情報記録担体の保存性を改良するためには、透光層の組成を制御すると共に、種々の外的な圧力から情報記録層や透光層の光透過性の変化を生じないようにすることが重要であり、このため表面の鉛筆硬度を2H以上にすることが好ましい。
鉛筆硬度に関しては、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS−K−5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、9.8Nの荷重にて傷が認められない鉛筆の硬度として求めることができる。
要求される鉛筆硬度としては2H以上であることが好ましく、3H以上であることがより好ましい。
このような鉛筆硬度を達成しながら、表面の耐擦傷性を向上させるためには、透光層が上記透光性フィルム上に、前記のフッ素原子を含むテロマー型アクリレートを2質量%〜10質量%含有するハードコート層を有することが好ましい。
なお、組成物におけるフッ素原子を含むテロマー型アクリレートの含有量は、3質量%〜8質量%であることが好ましく、4質量%〜6質量%であることがさらに好ましい。
本発明の透光性フィルムを支持体として、該支持体上にハードコート層を塗布したハードコートフィルムとしては以下のようなものが挙げられる。
(1)特許第1815116号記載のように層の硬度を上げるために、該層の樹脂形成成分を多官能性アクリル酸エステル系モノマーとし、これにアルミナ、シリカ、酸化チタン等の粉末状無機充填剤および重合開始剤を含有する被覆用組成物を支持体上に塗布したハードコートフィルム。
(2)特許1416240号記載のアルコキシシラン等で表面処理したシリカもしくはアルミナからなる無機質の装填材料を含む光重合性組成物がさらに架橋有機微粒子を充填したハードコートフィルム。
(3)特開2000−52472号公報記載のハードコート層を2層構成とし、第一層に微粒子のシリカを添加するハードコートフィルム。
(4)特開2000−71392号公報記載のハードコート層を2層構成とし、下層をラジカル硬化性樹脂とカチオン硬化性樹脂のブレンドからなる硬化樹脂層を使用し、上層にラジカル硬化性樹脂のみからなる硬化樹脂層を使用したハードコートフィルム。
(5)特開2002−248619号公報記載の充填材と樹脂を熔融混練、押出し成型で作製されるハードコートフィルム。
これらのハードコートフィルムは上記明細書記載のままでは充分な硬度が得られない場合が含まれるが、その場合、各々、以下のような調製方法の改善によって所望の硬度を得ることができる。
(1)多官能性アルキルエステルモノマーの官能基数増加、無機充填剤や開始剤量の増量
(2)無機質充填剤の増量
(3)1層目のシリカ量の増量
(4)ラジカル硬化樹脂の比率増加
(5)充填剤の増量
ハードコートフィルムが耐擦傷性に優れるためには、ハードコートフィルムの硬度がある程度大きいことが好ましい。硬度の観点から、ハードコートフィルムの表面弾性率は4.0GPa程度以上が好ましく、より好ましくは4.5GPa以上である。表面弾性率が4.0GPa未満のハードコートフィルムでは、十分な鉛筆硬度及び耐擦傷性が得られない。なお、上記の表面弾性率をユニバーサル硬度で表すと、その値は250N/mm2程度以上が好ましく、より好ましくは300N/mm2以上である。
無機微粒子を添加することにより、表面弾性率を上げることができる。無機微粒子の添加量を増やすと脆性が悪くなるので、表面弾性率の上限は、10GPa、好ましくは9.0GPaである。従って、好ましい表面弾性率の範囲は、4.0〜10GPaであり、特に好ましくは4.5〜9.0GPaである。
上記表面弾性率は、微小表面硬度計((株)フィッシャー・インスツルメンツ製:フィッシャースコープH100VP−HCU)を用いて求めた値である。具体的には、ダイヤモンド製の四角錐圧子(先端対面角度;136°)を使用し、押し込み深さが1μmを超えない範囲で、適当な試験荷重下での押し込み深さを測定し、除荷重時の荷重と変位の変化から求められる弾性率である。
また、前述の微小表面硬度計を用いて表面硬度をユニバーサル硬度として求めることもできる。ユニバーサル硬度は四角錐圧子の試験荷重下での押し込み深さを測定し、試験荷重をその試験荷重で生じた圧痕の幾何学的形状から計算される圧痕の表面積で割った値である。
上記の表面弾性率とユニバーサル硬度の間には、正の相関を有することが知られている。
本発明のハードコートフィルムのヘイズは7%以下であることが好ましく、5%以下がさらに好ましく、3%以下が最も好ましい。ヘイズの評価法は、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−1001DP」を用いて測定したヘイズ=(拡散光/全透過光)×100(%)として自動計測される値を用いた。
本発明におけるハードコートフィルムは、カールを以下の式7で表したときの値が、マイナス15〜プラス15の範囲に入っていることが好ましく、マイナス12〜プラス12の範囲がより好ましく、さらに好ましくはマイナス10〜プラス10である。このときのカールの試料内測定方向は、ウェッブ形態での塗布の場合、支持体の搬送方向について測ったものである。
カール=1/R(ここで、Rは曲率半径(m))
これは、ハードコートフィルムの製造、加工、市場での取り扱いで、ひび割れ、膜はがれを起こさないための重要な特性である。カール値が前記範囲にあり、カールが小さいことが好ましい。上記範囲にカールを小さくすることと高表面硬度とすることは、ハードコート層形成用の硬化性組成物の硬化前後の体積収縮率を15%以下とすることによって可能である。
カールの測定は、JIS−K−7619−1988の「写真フィルムのカールの測定法」中の方法Aのカール測定用型板を用いて行われる。測定条件は25℃、相対湿度60%、調湿時間10時間である。
ここで、カールがプラスとはフィルムのハードコート層塗設側が湾曲の内側になるカールを言い、マイナスとは塗設側が湾曲の外側になるカールをいう。
また、本発明におけるハードコートフィルムは、上記したカール測定法に基づいて、相対湿度のみを80%と10%に変更したときの各カール値の差の絶対値が、24〜0が好ましく、15〜0がさらに好ましく、8〜0が最も好ましい。これはさまざまな湿度下でフィルムを貼り付けたときのハンドリング性や剥がれ、ひび割れに関係する特性である。
本発明におけるハードコートフィルムの耐ひび割れ性は、ハードコート層塗設側を外側にして丸めたときに、ひび割れが発生する曲率直径が、50mm以下であることが好ましく、40mm以下がより好ましく、30mm以下が最も好ましい。エッジ部のひび割れについては、ひび割れがないか、ひび割れの長さが平均で1mm未満であることが好ましい。この耐ひび割れ性は、ハードコートフィルムの塗布、加工、裁断、貼りつけ等のハンドリングで割れ欠陥を出さないための重要な特性である。
本発明のハードコートフィルムに用いられる支持体は、透明なフィルム状やシート、板状のプラスチックが好ましい。具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、シクロオレフィンポリマー等のフィルムやシートが好ましい。フィルムの厚みは20〜300μmが好ましく、80〜200μmがより好ましい。支持体の厚みが上記範囲であると、膜強度が強く、適度の大きさの剛性である。シートの厚みは透明性を損なわない範囲であればよく、300μm以上数mmのものが使用できる。
活性エネルギー線硬化塗布液(硬化組成物の塗布液)は、ケトン系、アルコール系、エステル系等の有機溶剤に、上記の多官能モノマーと重合開始剤を主体に溶解して調製する。さらに、表面修飾した硬無機微粒子分散液と軟微粒子分散液を添加して調製することができる。
本発明のハードコート層の作製は、支持体上に活性エネルギー線硬化塗布液をディッピング法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、グラビア法、ワイヤーバー法、スロットエクストルージョンコーター法(単層、重層)、スライドコーター法等の公知の薄膜形成方法で塗布し、乾燥、活性エネルギー線照射して、硬化させることにより作製することができる。
乾燥は、塗布した液膜中の有機溶媒濃度が、乾燥後に5質量%以下になる条件が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。乾燥条件は、支持体の熱的強度や搬送速度、乾燥工程長さなどの影響を受けるが、できるだけ有機溶媒の含有率の低いほうが重合率を高める点で好ましい。
さらに、支持体とハードコート層の密着性を向上させる目的で、所望により支持体の片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、グロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
更に、一層以上の下塗り層を設けることができる。下塗り層の素材としては塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、(メタ)アクリル酸エステル、ビニルエステル等の共重合体或いはラテックス、低分子量ポリエステル、ゼラチン等の水溶性ポリマー等が挙げられる。さらに下塗り層に酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物等の金属酸化物や四級アンモニウム塩等の帯電防止剤を含有させることができる。
ハードコート層は、複数層構成でも可能であり、硬度の順に適宜積層して作製することもできる。
本発明の透光層は支持体や記録層を含む基板と粘着層を介して貼り合わせることが好ましい。粘着層を設置する工程において、あらかじめ一方の面にハードコート層が形成された透光性フィルムのハードコート層塗設面と異なる面に、粘着層を連続的に設けることができる。粘着層を設ける方法としては、予め形成された粘着層を貼り付ける方法(以下、適宜、間接法と称する)と、透光性フィルムの表面に、直接、粘着剤を塗布し、乾燥させることで粘着層を形成する方法(以下、適宜、直接法と称する)との2つに大別することができる。
間接法の場合における「予め形成された粘着層を貼り付ける方法」とは、例えば、透光性フィルムと同じ大きさの離型フィルムの表面に、連続的に粘着剤を塗布し、乾燥させることで、離型フィルムの一方の面全域に粘着層を設け、その粘着層を透光性フィルムに貼り付ける方法を示す。その結果、透光性フィルムの他方の面全域には、離型フィルム付きの粘着層が設けられることになる。
直接法は、ロール状に巻回された透光性フィルムの先端を、所定の塗布領域まで送り出し、その透光性フィルムの一方の面の先端から末端まで、粘着剤を連続的に塗布し、塗膜を形成した後、順次、その塗膜を乾燥させて、透光性フィルムの他方の面全域に粘着層を設ける方法である。
上記の間接法及び直接法において、粘着剤の塗布手段としては、従来公知の塗布手段を用いることができる。具体的には、スプレー法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などが挙げられる。
また、乾燥手段としては、加熱乾燥、送風乾燥など、従来公知の手段を用いることができる。
粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ樹脂系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、尿素樹脂系架橋剤、キレート系架橋剤が挙げられるが、この中でも、イソシアネート系架橋剤がより好ましい。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4−4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製、デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
透光性フィルムのハードコート層が設置された以外の面に粘着層が形成されるが、その後の工程においてロール状に巻き取られ、ハードコート層と粘着層とが密着してしまうことを防止するためにも、粘着層の表面には、離型フィルムが貼り付けられていることが好ましい。上述のように、間接法においては、予め、離型フィルムを貼りつけた状態とすることができる。一方、直接法の場合には、粘着層が透光性フィルムの表面に形成された後に、その粘着層の表面に離型フィルムを貼り付ける工程を新たに加えることが好ましい。
ここで、粘着層の表面に貼り付けられる離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートセルロースフィルムなどが挙げられる。
本発明の情報記録担体の透光層の厚みは、支持体の厚みよりも薄いことが好ましい。情報記録担体が傾いたときに増加する収差を考慮すると、その厚みは50〜300μmが相応しく、望ましくは60〜200μm、更に望ましくは70〜120μmである。また厚みの一面中でのバラツキは最大で±3μm、望ましくは±2μm以下とする。更に望ましくは±1μm以下とする。
本発明の光情報記録担体は、例えば、次のようにして情報の記録、再生が行われる。まず、光情報記録担体を所定の線速度(0.5〜10m/秒)、又は、所定の定角速度にて回転させながら、透光層側から対物レンズを介して青紫色レーザ(例えば、波長405nm)などの記録用の光を照射する。この照射光により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性を変えることにより情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録担体を所定の定線速度で回転させながら光学的手段として青紫色レーザを用いてレーザ光を透光層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
記録・再生用の光学的手段となる350nm〜500nmの発振波長を有するレーザ光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、実施例2は参考例と読み替えるものとする。
反射防止フィルムの作製
実施例1
<ハードコート層用塗布液の調製>
ペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA(商品名)、日本化薬(株)製)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B(商品名)、日本合成化学工業(株)製)125gを、439gの工業用変性エタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX(商品名)、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を攪拌した後、1ミクロンメッシュのフィルターでろ過してハードコート層の塗布液を調製した。
<中屈折率層用塗布液の調製>
下記内容の二酸化チタン分散物49.60gに、DPHA18.08g、光重合開始剤(イルガキュア907)0.920g、光増感剤(カヤキュアーDETX)0.307gおよびメチルエチルケトンを230.0gおよびシクロヘキサノンを500g添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して中屈折率層の塗布液を調製した。
(二酸化チタン分散物の調製)
コア/シェル構造の二酸化チタン微粒子(TTO−55D(商品名)、シェル材料はアルミナで、粒子全体の9質量%;石原産業(株)製)30質量部、市販のアニオン性モノマー(PM−21(商品名)、日本化薬(株)製)4.5質量部、市販のカチオン性モノマー(DMAEA(商品名)、(株)興人)0.3質量部およびシクロヘキサノン65.2質量部を、サンドグラインダーミルにより分散し、質量平均径53nmの二酸化チタン分散物を調製した。
<高屈折率層用塗布液の調製>
上記二酸化チタン分散物110.0gに、DPHAを6.29g、光重合開始剤(イルガキュア907)0.520g、光増感剤(カヤキュアーDETX)0.173gおよびメチルエチルケトンを230.0gおよびシクロヘキサノン460.0gを添加して攪拌した。孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して高屈折率層の塗布液を調製した。
<低屈折率層用塗布液の調製>
DPHA5.4g、フッ素原子を含むテロマー型アクリレート(a-10)0.27g、コロイダルシリカMEK−ST(平均粒径10〜20nm、固形分濃度30質量%、メチルエチルケトン分散物;日産化学工業(株)製)2.2g(固形分量として)、エポキシ系硬化剤DEX314(ナガセ化成工業(株)製)1.1g(固形分量として)、パラトルエンスルホン酸0.35g及びメチルエチルケトン200gの混合物を攪拌した。その後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して低屈折率層用塗布液を調製した。
<反射防止フィルムの作製>
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−DU、富士写真フィルム(株)製)上に、上記のハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。90℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmのハードコート層を形成した。
ハードコート層の上に、上記中屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。60℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、中屈折率層(屈折率1.70、膜厚70nm、TTB−55D、21体積%)を形成した。中屈折率層の上に、上記の高屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布した。60℃で乾燥した後、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、高屈折率層(屈折率1.95、膜厚75nm、TTB−55D、51体積%)を形成した。高屈折率層の上に、上記の低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて硬化後の膜厚が85nmとなるように塗布した。塗布後に1分間風乾し、その後、120℃で10分間加熱し、その後室温まで放冷して低屈折率層を形成し、反射防止フィルムを作製した。
比較例1〜4
実施例1において、低屈折率層用塗布液中のフッ素原子を含むテロマー型アクリレート(a-10)の添加量を0.05gとしたものを比較例1、添加量を1.20gとしたものを比較例2、フッ素原子を含むテロマー型アクリレート(a-10)の代わりにシリコン原子含有アクリレートX-22-164A(信越化学工業製)を0.27g使用したものを比較例3、いずれも使用しないものを比較例4として、反射防止フィルムを作製した。
(光情報記録担体の作製)
実施例2
<支持体、記録層の作製>
スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmの射出成形ポリカーボネート樹脂(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD5503)基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタして100nmの厚さの光反射層を形成した。
その後、オラゾールブルGN(記録素材1、フタロシアニン系色素、cibaスぺシャリティケミカル社製)20gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール1リットル中に添加し、2時間超音波処理を行って溶解し、記録層形成用の塗布液を調製した。調製された塗布液を、光反射層上に回転数を300〜4000rpmまで変化させながら、23゜C、50%RHの条件でスピンコート法により塗布した。その後、23゜C、50%RHで1〜4時間保存して形成された記録層の膜厚は100nmであった。そして、記録層上に、ZnS−SiO2を厚さ5nmになるようにスパッタし、中間層(バリア層)を形成した。
<透光層(ハードコートフィルム)の作製>
記録層上に設置される透光層(ハードコートフィルム)は、支持体側から順に粘着層、透光性フィルム、ハードコート層からなる。ここでは粘着層、透光性フィルム、ハードコート層からなる透光層の作製例を示した。
1.ハードコート層の形成
1−1.ハードコート層塗布液の調製
メチルエチルケトン(MEK)中にグリシジルメタクリレートを溶解させ、熱重合開始剤(V−65(和光純薬工業(株)製)を滴下しながら80℃で2時間反応させ、得られた反応溶液をヘキサンに滴下し、沈殿物を減圧乾燥して得たポリグリシジルメタクリレート(ポリスチレン換算分子量は12,000)をメチルエチルケトンに50質量%濃度になるように溶解した溶液100質量部に、トリメチロールプロパントリアクリレート(ビスコート#295;大阪有機化学工業(株)製)150質量部と光ラジカル重合開始剤(イルガキュア184、チバガイギー社製)6質量部と光カチオン重合開始剤(ロードシル2074、ローディア社製)6質量部とフッ素原子を含むテロマー型アクリレート(a-10)12.5質量部を30質量部のメチルイソブチルケトンに溶解したものを撹拌しながら混合し、ハードコート層塗布液を作製した。
1−2.ハードコートフィルムの作製(ハードコート層の塗布)
(1)単層ハードコートフィルムの作製
ポリカーボネートフィルム(PC)を用い、フィルム上に次のようにハードコート層を形成した。ロール状に巻回されたポリカーボネートフィルム(帝人ピュアエース、厚さ:75μm、片面離型フィルム付き、吸湿膨張率12ppm/%RH)を使用し、所定の塗布領域まで送り出し、予め付与されていた離型フィルムを除去した後、ハードコート液を塗布し、塗膜を形成した後、その塗膜に放射線を連続照射し、放射線硬化樹脂(紫外線硬化樹脂)を硬化させて、ハードコート層を形成し、ロール状に巻き取った。
2.ハードコートフィルムと基板との貼合わせ
次のようにして、上記で支持体上に設けた記録層上に、中間層を介して、上記で作製したハードコートフィルムを貼り合わせることによって光情報記録担体を作製した。
2−1.粘着層の形成
アクリル系共重合体(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、イソシアネート系架橋剤(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1)と、を100:1(質量比)で混合し、粘着剤塗布液を調製した。この粘着剤塗布液を用いて、間接法にて、離型フィルムの表面に粘着層を設けた。
ロール状に巻回されたポリエチレン製離型フィルムを搬送しながら、その離型フィルムの表面に乾燥後の厚さが20μmとなるように粘着剤塗布液を塗布した。その後、乾燥領域において100℃で乾燥させ、粘着層が設けられた離型フィルムを得た。
2−2.光情報記録担体用透明シートの製造
ハードコートフィルムのハードコート層が設けられた逆の面に、粘着層が設けられた離型フィルムを、粘着層が当接するように貼り合せた。その後、このハードコート層及び粘着層が設けられたハードコートフィルムを、再びロール状に巻き取り、その状態で、23゜C、50%RHの雰囲気で、72時間保持した。
そして、ハードコート層及び粘着層が設けられたハードコートフィルムを送り出し、上記基板と同じ形状に打ち抜いた。これにより、透光性フィルムの一方の面に粘着層を有し、他方の面にハードコート層を有する光情報記録担体用透明シートを得た。
2−3.光情報記録担体の作製(支持体、記録層へのハードコートフィルムの貼合わせ) ディスク状の光情報記録担体用透明シートから、粘着剤側の離型フィルムを剥がし、中間層と、粘着層をローラによる押し圧手段によって貼り合わせ、光情報記録担体を作製した。
比較例5〜8
実施例2において、ハードコート層塗布液中のフッ素原子を含むテロマー型アクリレート(a-10)の添加量を2.5質量部としたものを比較例5、添加量を30質量部としたものを比較例6、フッ素原子を含むテロマー型アクリレート(a-10)の代わりにシリコン原子含有アクリレートUMS-182を12.5質量部としたものを比較例7、いずれも添加しないものを比較例8として、同様に光情報記録担体を作製した。
〔測定方法〕
1.硬化皮膜内部と硬化皮膜表面のF/Cの比
硬化皮膜表面のF/CはエッチングESCAにおいて、電子線強度12kV/20mAで5秒間エッチングした時のスペクトル強度比、硬化皮膜内部のF/Cは、同条件で100〜500秒間エッチングした時の平均のスペクトル強度比を測定した。
2.耐傷性試験
反射防止フィルム及び光情報記録担体の表面を、スチールウール♯0000を用いて、荷重300gで100往復擦って摩耗させ、摩耗前後のヘイズ値を、それぞれ日本電色工業社製のヘイズ測定器「NDH−1001DP」を使用して測定し、摩耗後のヘイズ値から摩耗前のヘイズ値を差し引いた。
3.防汚耐久性
反射防止フィルム及び光情報記録担体の透光層側の表面に書いた速乾性油性インキ(ゼブラ製、「マッキーケア」(登録商標))を東レ(株)製「トレシー」(登録商標)を用いて数回擦って、書いた痕が完全に拭き取れるまでふき取った。これを、書いた痕が一部拭き取れずに残るまで繰り返した回数を数えた。
4.記録特性の測定
上記耐傷性試験を行った後の光情報記録担体を、λ=405nmで発光する青紫レーザーと、開口数NA0.7の対物レンズから構成されるピックアップを有した記録再生装置に装着して、最短ピット長を0.24μmに設定したD8−15変調信号の記録と再生を行い信号再生ジッターを測定した。ジッターは小さいほど好ましく、具体的には5%以下を○、5%より高いものを×とした。
作製した反射防止フィルム・光情報記録媒体と、その各種測定結果を表1に示す。
Figure 0004505346
表1より次のことが分かった。フッ素原子を含むテロマー型アクリレートを2質量%〜10質量%含有する放射線硬化樹脂を低屈折率層素材に使用することで、防汚性と防汚耐久性、耐擦傷性に優れた反射防止フィルムが提供され、硬化皮膜内部のF/Cと、硬化皮膜表面のF/Cの比が1/20〜1/1の時に、特に高い防汚耐久性が得られることが分かった。
更に、本発明の反射防止フィルムを特開2001−166104号公報の段落番号[0117]に記載の偏光板に張り合わせることでも、防汚性と防汚耐久性、耐擦傷性が優れた偏光板が得られることを確認した。
また、光情報記録担体において、透光層上に上記の放射線硬化樹脂を含有するハードコート層を設けることで、防汚性と防汚耐久性、耐擦傷性及び記録特性に優れた光情報記録担体が提供されることが分かった。
反射防止フィルムの層構成を示す断面模式図である。
符号の説明
1 低屈折率層
2 高屈折率層
3 ハードコート層
4 透明支持体
5 中屈折率層
6 防眩性ハードコート層

Claims (6)

  1. 基材上に、反射防止層を有し、かつフッ素原子を含むテロマー型アクリレートを2質量%〜10質量%含有する放射線硬化樹脂を含む組成物から形成された低屈折率層を有し、該放射線硬化樹脂は、重合性基を2個〜10個含有する多官能性化合物としてのラジカル重合性化合物であり、該低屈折率層の反射率が1.20〜1.49であり、該低屈折率層の厚さが10〜400nmであることを特徴とする反射防止フィルム。
  2. 前記組成物における前記フッ素原子を含むテロマー型アクリレートの含有量が、3質量%〜8質量%であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
  3. 前記フッ素原子を含むテロマー型アクリレートが下記a−1〜a−10から選ばれる少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止フィルム。
    Figure 0004505346
  4. 前記フッ素原子を含むテロマー型アクリレートが下記a−7〜a−10から選ばれる少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止フィルム。
    Figure 0004505346
  5. 偏光層とこれを挟む2枚の保護フィルムからなる偏光板であって、請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルムを、該2枚の保護フィルムの少なくとも一方に用いたことを特徴とする偏光板。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルムを有し、該反射防止フィルムの低屈折率層が視認側になるように配置したことを特徴とするディスプレイ装置。
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