JP4503716B2 - 顕微鏡透過照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種顕微鏡に適用可能な透過照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、無色透明な各種の位相標本を可視化し、観察することができるように、位相差観察法、微分干渉観察法、変調コントラスト法、偏斜照明法等が提案されている。
【0003】
上記位相差観察法は、顕微鏡の照明光学系の瞳位置にリングスリットを配置し、リングスリットと共役な位置にある結像光学系の瞳に、リングスリットと共役な形状の位相膜を配置するものである。この観察法の長所は、構造間の屈折率差が小さい標本や、細胞の顆粒状の微小構造等についても、高い検出感度で鮮明なコントラストのついた観察像が得られることである。これに対し、この観察法の短所は、標本の構造の端部が白く光って見える、ハローと呼ばれる現象により、構造の輪郭が確認しにくい点である。さらに、照明光学系に配置されたリングスリットと観察光学系の瞳面に配置された位相膜を投影し一致させなければならず、リングスリットから位相膜面までの瞳の収差性能を良好にする必要がある。位相差観察法においては、高倍率での観察は問題ないが、低倍率や極低倍率での観察は瞳の収差性能を良好に補正することはできない。実際、位相差観察法が可能なのは、4倍の対物レンズ程度までである。
【0004】
微分干渉観察法は、複屈折結晶により生じた直交する2つの偏光を標本面上に僅かにずらして照明し、これらを干渉させることで標本の微小な構造を観察するものである。この観察法の長所は、非常に高いコントラストで、立体感のある観察を行うことができる点である。これに対し、この観察法の短所は、複屈折結晶を使用するため高価であり、偏光を用いた観察であるため、偏光状態に影響を与えるような物質からなる場合には、正確な観察像を得られない。例えば、プラスチックシャーレは、微分干渉観察には不適である。これは、プラスチックの複屈折により、偏光が乱れるためである。さらに、照明光学系におけるレンズや対物レンズの歪みによって偏光状態が乱されるので、専用の対物レンズ等が必要となる。また、2つの光束を干渉させるため、実際に観察が可能なのは、4倍の対物レンズ以上であり、低倍や極低倍の観察には不適である。
【0005】
変調コントラスト観察法は、特開昭51−128548号に開示されているように、顕微鏡の照明光学系の瞳位置にスリットを配置し、結像光学系の瞳位置に透過率の異なる領域を複数配置するものである。通常、スリットと共役な領域に、適当な透過率をもつ吸収膜を配置し、それに隣接した一方の側を透過領域、他方の側を斜光領域とする。瞳面上では、標本内の構造による屈折の大小によって光の透過する領域が異なり、それに伴って透過率も変化するため、白黒の陰影をつけた立体感のある像が得られる。この観察方法の長所は、比較的安価な構成により、位相物体に陰影をつけて立体感のある像が得られることである。また、上記した位相差観察法で見られるハローがないため、構造の輪郭を観察し易く、細胞等のマニピュレーションに適している。これに対し、この観察法の短所は、位相差観察方法に比べて検出感度が劣ること、微小構造が確認しにくいことである。また、対物レンズを交換するたびに、スリットと吸収膜の向きを合わせる煩雑な操作が必要となる。さらに、スリットを観察光学系の吸収膜に投影するため、位相差観察法と同様に瞳を投影する光学系の収差を良好にする必要がある。このため、低倍や極低倍の対物レンズでは、瞳収差が良好に補正できず観察には不適である。
【0006】
さらに、位相標本を可視化する照明方法として、偏斜照明法と暗視野照明法がある。
【0007】
図1(a)乃至(d)は、それぞれ、一般的な偏斜照明法におけるコンデンサレンズの模式図であり、これらの図において、符号1は開口絞り、符号2a,2bはレンズ群、そして、符号3は標本を示している。開口絞り1は、照明の開口を制限するものであり、可変する円形状の開口を有し、照明光軸Oと垂直な面内で移動することで、標本3に対する照明の角度が制御される。すなわち、図(a)に示す状態にある開口絞り1を移動させ、かつ絞ったときの瞳の状態が図(b)に、さらに開口絞り1を絞ったときの瞳の状態が図(c)に示されており、開口絞り1を開けた状態で移動させたときの瞳の状態が図(d)に示されている。
【0008】
また、図2(a)は、一般的な暗視野照明法におけるコンデンサレンズの模式図を示している。従来の暗視野照明方法は、図に示すように、開口絞りが配置される付近に、内側を遮蔽し、外側の輪帯部にスリットを開けた絞り1aを配置している。図2(b)に示すように、この絞り1aは、中央部に光を遮蔽する領域1bが設けられており、この領域1bによって、照明光を直接、対物レンズに入射させず、かつ標本3から発した散乱光を観察することで暗視野観察が可能となる。この場合、対物レンズの開口数の大きさに応じて絞り1aの形状を選択することで、様々な対物レンズを用いて暗視野観察が可能となる。
【0009】
ところで、顕微鏡を用いた観察において、ミクロ領域だけでなく、マクロ領域での観察のニーズがあり、1倍の対物レンズや、更に極低倍の0.5倍対物レンズ等を使用したい場合がある。そして、このようなマクロ領域の観察は、実体顕微鏡を用いるのが一般的である。実体顕微鏡は、安価で操作性に優れ、立体的な観察が可能であるという利点があり、また、照明方法についても、暗視野、明視野、偏斜照明のように、位相標本のような透明な標本を可視化する手段が存在する。
【0010】
特開平4−318804号には、偏斜照明が行える実体顕微鏡の透過照明装置が開示されている。図3は、この公報に開示されている透過照明装置を示す図である。図3(a)に示すように、この装置は、光源5からの光をコレクタレンズ6、摺りガラス7を介してミラー8に導き、ミラー8により反射した光線をコンデンサレンズ9を介して標本載置透明部材10上の標本10aに照射して対物レンズ12に導くように構成されている。ミラー8を回転させ、角度を変えることにより、図3(b)に示す左右の対物レンズの瞳13の暗部13aと明部13bの比が調節できるように構成されている。
【0011】
また、実公昭41−5808号には、偏斜照明と暗視野照明を選択的に行える実体顕微鏡の透過照明装置が開示されている。図4はこれを説明するための図である。図4(a)に示すように、この装置は、光源5からの光をコンレクタレンズ6、摺りガラス7を介してミラー8に導き、ミラー8により反射した光をコンデンサレンズ9を介して標本10aに照射して対物レンズ12に導くように構成されている。そして、対物レンズ12の瞳と共役な位置に配置されている摺りガラス7の近傍に、光束を切るナイフエッジ15を設けている。
【0012】
図4(b)に示すように、2つ並んだ対物レンズの瞳の共役像17に対してナイフエッジ15を上下に移動させることにより、斜光斜照明と暗視野照明を選択的に行うことができる。また、上記した特開平4−318804号には、図4のナイフエッジ15の代わりに絞りを配置することも提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
位相標本のような透明な物体の観察が行える上述した位相差観察法、微分干渉観察法、変調コントラスト観察法は、それぞれ専用の観察光学系が必要となる。また、照明光学系と観察光学系の瞳投影光学系の光学性能を良好に補正する等の必要性があり、低倍や極低倍での観察には不向きである。
【0014】
また、上述した図1(a)に示す偏斜照明法では、開口絞り1を、図1(c)に示すように移動させ、かつ絞り込むと、解像や照明光の明るさが不足してしまい、また、図1(d)に示すように移動させると、偏斜照明の自由度、つまり対物レンズに直接入射する照明光と入射しない照明光の割合を調節することが難しい。これは、開口絞りが円形開口を形成するように構成されているためである。
【0015】
また、上述した図2に示した暗視野照明の場合でも、輪帯状のスリットの幅や開口位置により、暗視野照明光の角度が変わるので、標本の厚さ等が変化すると、コントラスト良く可視化できないこともある。すなわち、照明光の角度を自由に調整するためには、異なる構成の輪帯状スリットを多数用意する必要があり、実用的ではない。
【0016】
また、上述した実体顕微鏡で提案されているような偏斜照明方法においても、対物レンズの瞳を片側だけ照明する構成であるため、一通りのコントラストしか得られない。また、照明光学系の瞳にスリットを配置することにより、対物レンズの瞳の開口を制限して偏斜照明の効果は得られるが、従来例では、スリットの形状、もしくはスリットの配置が固定されているため、様々な標本の厚みや屈折率の変化に応じて、自由に照明光の強度や照明角度をきめ細かく調節できない。
【0017】
以上のように、従来の顕微鏡の照明装置は、低倍から極低倍領域での観察を行うに際し、位相標本をコントラスト良く可視化するための照明法として十分とはいえない。
【0018】
この発明の目的は、特に、低倍から極定倍領域において、観察光学系に専用の光学素子等を配置することなく、位相標本をコントラスト良く可視化して、その構造や分布を特定可能にする顕微鏡の照明装置を提供することにある。すなわち、様々な厚さや屈折率をもつ標本に対して、連続的にコントラストを変化させ、標本に対して最適な照明を与える照明装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、光源と、この光源から発した光を集光し標本を照明するためのコンデンサレンズとを具備した透過照明光学系と、標本を観察するための対物レンズを含む観察光学系と、を有する顕微鏡に用いられる透過照明装置において、
前記透過照明光学系内にあって、前記対物レンズの瞳位置と共役位置又は共役近傍な位置に配置され、各々を独立して移動させることで前記対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を制御する、開口側の形状が直線状部を有する少なくとも2つの遮光体を有することを特徴としている。
また、本発明は、光源と、この光源から発した光を集光し標本を照明するためのコンデンサレンズとを具備した透過照明光学系と、標本を観察するための対物レンズを含む観察光学系と、を有する顕微鏡に用いられる透過照明装置において、
前記透過照明光学系内にあって、前記対物レンズの瞳位置と共役位置又は共役近傍な位置に配置され、各々を独立して移動させることで前記対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を制御する、直線状部が互いに平行な2つの遮光体を有することを特徴としている。
【0020】
上記したように、対物レンズの瞳位置と共役な位置、もしくはこの近傍位置に、少なくとも2つの遮光体を独立に移動させることで、対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を連続的に制御することが可能となる。すなわち、各遮光体の移動により、標本を照明する照明光の角度が連続的に変化し、対物レンズに入射する照明光と標本から発する回折光の強度の割合が連続的に制御される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を通常の顕微鏡を例にして説明する。
【0022】
図6は、顕微鏡の光学系の構成を模式的に示した図であり、前記光学系は、標本を照射する透過照明光学系と、標本を観察する観察光学系とを備えている。
【0023】
上記透過照明光学系は、ハロゲンランプ等の光源20と、光源20からの光を略平行光束にするコレクターレンズ21と、コレクターレンズからの光を拡散させる拡散板(摺りガラス)22と、拡散板からの光束を制限する視野絞り23と、視野絞りを通過した光束を上方に向けて偏向する偏向ミラー24と、偏向ミラーからの光源像を投影する投影レンズ25と、投影レンズからの光を略平行光束として、標本30を照射するコンデンサレンズ26とで構成されている。この場合、投影レンズ25からの光源像は、コンデンサレンズ26の前側焦点位置である透過照明光学系の瞳位置P1に投影されて標本30を照明する。
【0024】
また、前記観察光学系は、対物レンズ31と、結像レンズ32と、接眼レンズ33とで構成されており、観察光学系の瞳位置となっている対物レンズ31の焦点位置P2は、前記したコンデンサレンズの焦点位置である瞳位置P1と共役な関係である。なお、標本30を透過した光は、対物レンズ31、結像レンズ32を通って接眼レンズ33で観察される。
【0025】
上記のように構成された透過照明光学系内には、対物レンズ31の瞳位置P2と共役な位置(すなわち前記瞳位置P1)、もしくは共役な位置の近傍において、少なくとも2つの遮光体40a,40bが独立移動可能に配置されている。これらの遮光体40a,40bを移動することにより、以下に詳述するように、前記対物レンズ31の瞳内に形成される開口の形状が制御される。すなわち、標本30を照明する照明光の角度を変化させて、対物レンズ31に直接入射する照明光と、標本30から発する回折光の強度の割合を調節することが可能となる。
【0026】
これを、図7乃至図10を参照して具体的に説明する。なお、これらの図において、図(a)は、それぞれ光学系を模式的に示す図、図(b)は、それぞれ顕微鏡における瞳と遮光体との位置関係を示す図である。また、符号Aで示す円は、前記コンデンサレンズ26が照明可能な最大の開口数の瞳を示しており、符号Cで示す円は、コンデンサレンズ26の瞳位置P1において顕微鏡の対物レンズ31の開口数に対応する瞳を示しており、符号Bで示す円は、対物レンズ31の瞳位置における光の入射状態(開口形状;黒い部分は遮光体40a、40bによって遮光される部分)を示している。
【0027】
図7は、遮光体が存在しない状態を示しており、いわゆる明視野照明状態となっている。このような構成において、コンデンサレンズ26の瞳位置P1、もしくはこの近傍位置(瞳位置P1から光軸方向に±数mm程度)に、図6に示したように、少なくとも2つの遮光体40a,40bを独立移動可能に配置する。この場合、遮光体と隣接して開口絞り41を配置しても良い。
【0028】
遮光体は少なくとも2つ存在しており、各遮光体の形状、数、移動方法については様々に構成することが可能である。例えば、図8に示すように、それぞれ矩形形状とし、矢印で示すように、独立移動させ、上記した瞳Cを遮光するように構成することが可能である。すなわち、図8に示すように上記遮光体40a,40bを位置付けると、瞳Bで示すような開口形状(照明状態)が得られる。この図において、遮光体40aによって遮光された領域(斜線で示す)は、上記した瞳Bにおける左側の黒い領域に対応し、遮光体40bによって遮光された領域は、瞳Bにおける右側の黒い領域に対応する。
【0029】
図8に示した状態から、遮光体40bを、更に遮光体40a側に移動させ、両者の間隔を狭くした状態を図9に示す。この状態の瞳Bにおける開口形状に示すように、標本30に直接入射する照明光は、図において、瞳Bの左側の細長い狭い領域のみである。このように、遮光体40a,40bを独立に移動させることで、偏斜照明としての効果が得られると共に、各遮光体40a,40bの間隔を変えることで、明るさ絞りとしての効果が得られる。また、各遮光体40a,40bを任意に移動することで、対物レンズの瞳内に形成される開口形状の制御が可能となる。すなわち、標本30を照射する照明光の角度及び光量が連続的に変化することで、対物レンズに直接入射する照明光と標本から発する回折光の強度の割合を連続的に調節することができ、標本に応じて最適な観察が行えるようになる。
【0030】
また、図10に示すように、各遮光体40a,40bを移動させて瞳Cを遮光することで、対物レンズに入射する直接光をカットし、標本からの散乱光を観察する暗視野照明とすることも可能となる。この場合、暗視野照明光の照明の光量および角度は、瞳Cを遮光した状態で、遮光体40a,40bの間隔と位置を変化させることで調節可能である。
【0031】
なお、以上のような光学系は実体顕微鏡に適用可能である。図11(a)乃至(d)は、夫々図7乃至図10に対応する図であり、上記した光学系を実体顕微鏡に適用した場合の瞳と遮光体との位置関係を示す図である。図11において、符号C1,C2で示す円は、実体顕微鏡の左右それぞれの対物レンズの開口に対応する瞳を示しており、符号B1,B2で示す円は、各左右の対物レンズの瞳位置における光の入射状態を示している。
【0032】
ここで、本発明に係る透過照明装置を実体顕微鏡に組み込んだ構成例を説明する。図5は、実体顕微鏡の全体構成を示す側面図である。この実体顕微鏡200は、後述する遮光体切替用のレバー210a(210b)、フィルターレバー202、ボリュームつまみ203、必要に応じて設けられるミラー傾き調整レバー204を有する透過照明架台205と、ランプハウスLHと、焦準部Fと、焦準ハンドルFHと、鏡筒Kと、鏡体KBと、対物レンズ収容体Tと、接眼レンズEOとを備えている。なお、試料Sは、透過照明台の表面に載置され、左右2つある接眼レンズEOを介して観察される。
【0033】
上記した遮光体40a,40bの駆動機構を、図12乃至図15を参照して説明する。
【0034】
図12で示すように、各遮光体40a,40bは、図5に示した透過照明架台205を構成する筐体本体205aの壁面をそれぞれ独立して貫通されると共に、スライド可能な2本のレバー210a,210bの先端部の内側に取り付けられている。各レバー210a,210bは、矢印方向に独立して操作可能であり、これによって、図8乃至図10で示したように、遮光体40a,40bを、左右の観察光学系の光軸を含む平面と平行な方向に対して直交する方向(観察者に対して前後方向)に移動させることができる。なお、各レバー210a,210bの後端部に並進機構(図示せず)を設け、両遮光体が連動するように構成しても良い。
【0035】
図13は、遮光体及びその駆動機構の第2の構成例を示す図である。
【0036】
各遮光体40a,40bは、筐体本体205aの側壁に対して、斜め方向に、それぞれ独立して貫通されると共に、矢印方向に独立してスライド可能な2本のレバー211a,211bの先端部の内側に取り付けられている。このように、各遮光体の移動を果たす操作レバーは、筐体本体205aの側壁の任意の位置に取り付けることが可能であり、その取り付け位置に応じて各遮光体の形状も任意に変更される(図に示した構成は5角形状である)。なお、この変形例においても、各レバー211a,211bの後端部に並進機構を設けて、両遮光体が連動するように構成しても良い。
【0037】
図14は、遮光体及びその駆動機構の第3の構成例を示す図であり、図(a)は平面図、図(b)は側面図である。
【0038】
各遮光体40a,40bには、図に示すように、夫々斜め方向(Y1、Y2方向)に沿って延出する長孔40a1,40a2及び40b1,40b2が形成されると共に、左右方向に沿って延出する長孔40a3,40b3が形成されている。
【0039】
筐体本体205aの側壁には、独立して貫通されると共に、スライド可能な2本のレバー212a,212bが配されており、各レバーの先端には、前記遮光体40a,40bに形成された長孔40a3,40b3と係合するピン213a,213bが形成されている。また、筐体本体205aの底面には、前記遮光体40a,40bに形成された長孔40a1,40a2及び40b1,40b2と係合するリンク215a,215b,215c,215dが設けられている。
【0040】
この結果、レバー212a,212bを、夫々X1,X2方向に出し入れすることにより、遮光体40a,40bは、夫々の長孔に沿って、Y1,Y2方向に移動すると共に、相対的に左右方向に移動する。
【0041】
図15は、遮光体及びその駆動機構の第4の構成例を示す図であり、図(a)は平面図、図(b)は側面図である。この駆動機構は、上述したようなリンク機構に加え、カム機構を備えている。
【0042】
筐体本体205aの側壁には、軸方向に移動可能で回転操作可能なカム軸220が貫通して設けられている。カム軸220には、夫々遮光体40a,40bを取り付けたカムフォロワー221a,221bが配されている。各カムフォロワー221a,221bには、回転固定軸222a,222bが設けられており、これらの一端部は、筐体本体205aに形成された保持部225に形成された長孔225aに係合して、カムフォロワー221a,221bの回転を規制している。また、回転固定軸222a,222bの他端部は、カム軸220に形成された螺旋溝220a,220bと係合しており、カム軸220を摘み220cによって回転させた際、各カムフォロワー221a,221bを軸方向に沿って移動させる。
【0043】
この結果、カム軸220を軸方向(矢印X方向)に移動させることで、各遮光体40a,40bを一体的に軸方向に移動させることができ、また、摘み220cによってカム軸220を回転させることで、各遮光体40a,40bを互いに接近、離反させ、その間隔を変えることができる。
【0044】
以上のような遮光体及びその駆動機構によれば、実体顕微鏡における左右の対物レンズの各瞳を、前後方向において均等に絞ることができる。左右の瞳が均等に絞られるため、左右の像の見え方は均等となり、実体顕微鏡の特徴である左右の視差で立体感が得られる。この場合、各遮光体40a,40bを移動させることで、標本に対する直接光と回折光の割合を任意に調整して、コントラストを連続的に変化させながら観察を行うことができる。さらに、遮光体40a,40bを接近させることで直接光をカットし、暗視野としての観察も可能となる。このように、各対物レンズの瞳に入射する光量を自由に変えられるので、コントラストを自由に制御でき、しかも斜光を加えることで、さらにコントラストを強調することができ、幅広い標本に対応できる。もちろん、上述した駆動機構は、通常の顕微鏡にも適用可能である。
【0045】
次に、対物レンズの瞳内に形成される開口形状の制御を行う別の構成を、通常の顕微鏡に適用した場合について説明する。
【0046】
図16は、前記対物レンズの瞳に形成される開口に対し、部分的に光の強度を制御する構成を示している。図(a)に示すように、一方の遮光体40aの近傍に、光の強度を制御する光学部材、例えばND(Neutral density)フィルタ45を移動可能に配置する。このフィルタ45は、図(b)に示すように、矢印方向に移動可能であり、遮光体40aの移動と独立して移動可能に構成されている。
【0047】
図(b)において、瞳Cが各遮光体40a,40bに遮光される領域を斜線で示し、光がフィルタ45を透過する領域を格子線で示してある。このように構成することによって、瞳Bで示すように、対物レンズの瞳内に、光量の異なる領域を形成できる(瞳Bにおいて、符号Dで示す部分が開口部であり、符号Eで示す格子線部が、開口部においてフイルタ45によって光量が抑制された領域を示す)。この結果、標本に直接入射する照明光の光量が抑えられ、標本の細かい領域をコントラスト良く観察し易くなる。また、遮光体40a,40b及びフィルタ45を任意に移動させることで、標本を照明する照明光の角度を変化させて、対物レンズに直接入射する照明光と標本から発する回折光の割合をより細かく調節できる。
【0048】
なお、上記したフィルタ45は、遮光体40aに重なるように配置したが、図(c)に示すように、遮光体40bの部分にも別途、配置することで、更に照明の自由度を増すことができる。
【0049】
図17は、前記対物レンズの瞳に形成される開口に対し、部分的に光の強度を制御する別の構成例を示している。図17(a)に示した構成は、一方の遮光体40aの近傍に、減光比が異なる2枚のNDフィルタ45a,45bを重ね、互いに独立移動可能で、かつ遮光体40a,40bに対しても独立移動可能に配置したものである。
【0050】
このように構成することによって、同じ大きさの開口部に対して、光の強度を調節することができ、照明の自由度が増すと共に、位相標本などを可視化させてコントラストの調節をより細かく行える。もちろん、この構成においても、遮光体40b側に、同一の構成のフイルタ45a,45bを配置しても良い。
【0051】
また、上記した構成では、光の強度を調節する部材として、NDフイルタを用いたが、偏光素子を用いても開口部における強度を任意に調節することが可能である。例えば、図17(b)に示すように、コンデンサの瞳Aの領域を全てを覆う回転可能な偏光板46aを、遮光体40a,40bに隣接して配置すると共に、遮光体40aの近傍に、偏光板46bを矢印方向に移動可能に配置しておく。この結果、偏光板46bを偏光板46aに重ね、かつ偏光板46aを回転させることで、重なり領域において光の強度を連続的に調節することができ、位相標本のコントラストを連続して変化させることができる。
【0052】
あるいは、上記したようなNDフィルタや、偏光板以外にも、液晶パネルを用いても、同様な効果を得ることができる。すなわち、液晶パネルに加わる印加電圧を制御することで、対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を変化させたり、開口内において明るさの異なる領域を任意に形成することができる。また、上記したようなNDフィルタ、偏光素子、液晶素子を、任意に組み合わせても良い。
【0053】
上述した構成において、コンデンサレンズは、図6に示したように、開口絞り41を具備するように構成されている。ここで、コンデンサレンズが開口絞り41を備えている場合、対物レンズの瞳に形成される開口の制御について、図18を参照して説明する。
【0054】
開口絞り41は、コンデンサレンズ26が照明可能な最大の開口数の瞳Aを絞るように構成されている。このため、開口絞り41を遮光体40a,40bと併せて調節することにより、図に示すように、領域GとHの光をカットすることができる。すなわち、開口絞り41を絞り込むことで、対物レンズの瞳Bの開口領域を、長手方向で制限することが可能となる。また、対物レンズに直接入射しない暗視野照明光の調節も可能となる。なお、開口絞り41を配置するのは、上述したすべての構成例に適用することが可能である。
【0055】
以上説明した遮光体40a,40bの移動方向については、対物レンズの瞳の開口形状を有効に制御できれば、限定されることはない。例えば、図19(a),(b)に示すように、左右方向に延出する軸40p,40qを支軸として各遮光体を回転移動するように構成しても、各対物レンズの瞳の開口形状を有効に制御することが可能である。
【0056】
図16乃至図19は、いずれも通常の顕微鏡を例にして説明したが、各図面に示された光学系は、実体顕微鏡にも同様に適用可能である。実体顕微鏡における瞳と遮光体との位置関係は、図11に示した構成と同様であり、図示すれば、それぞれ図20〜図25のようになる。
【0057】
図26乃至図28は、遮光体の変形例を示す図である。なお、これらの変形例は、通常の顕微鏡に適用している。
【0058】
図26に示す構成は、一方の遮光体40cがL字形状であり、他方の遮光体40dが矩形形状に構成されている。このような形状の遮光体40c,40dを、前後左右に移動可能に構成すると共に、遮光体40dを、さらに光軸と直交する方向の平面内において回動可能に構成することによって、図(a)乃至(d)に示されるように、対物レンズの瞳の開口形状、すなわち、対物レンズに直接入射する照明光を連続的に調節することができる(各図において、瞳Cの斜線部分が、各遮光体40c,40dによって遮光される部分である)。さらには、図(e)に示すように、瞳Cのみを遮光することで暗視野照明を行うことができ、この場合、瞳Aを部分的に遮光することで、暗視野照明時における光量も連続的に調節でき、位相標本の観察の自由度が向上する。
【0059】
また、図27は、4枚の正方形の遮光体40eを対物レンズの瞳位置と共役な位置(もしくはその近傍)に配置する構成例を示している。図(a)及び(b)に示すように、各遮光体を前後左右方向に移動させることで、明視野照明から偏斜照明、さらには暗視野照明へと照明光の入射角度を変えながら切換えることができ、さらには、各遮光体40eを回転可能に構成したり、あるいは別途開口絞りを配置することで、照明の自由度が増し、位相標本の観察の自由度が向上する。
【0060】
また、図28は、図(a)に示すように、1/4円形状の切欠き40hを形成した矩形形状の遮光体40fを対物レンズの瞳位置と共役な位置(もしくはその近傍)に配置する構成例を示している。図(a)に示すように、各遮光体を接触させると、全体として中心部に円形の開口が形成された遮光体となり、円形開口の偏斜照明を行うことができる。また、各遮光体の矢印方向への移動により、例えば、図(b)に示すように、様々な開口形状を実現することができる。
【0061】
以上のように、遮光体が2つ以上であっても、あるいはその形状が矩形でなくても、対物レンズの瞳の開口形状を任意に制御することが可能であり、透明な位相標本を可視化させて、コントラストを連続的に調節することが可能である。
【0062】
上述した構成において、前記対物レンズの瞳の面積をD1とし、前記した各種の遮光体によって前記対物レンズの瞳内に形成される開口の面積をD2とした場合、D1とD2の比率(D2/D1)が、
D2/D1<0.5(条件1)
を満足するように各遮光体を移動させることが好ましい。
【0063】
この条件1を満足することで、透明な位相標本などをコントラスト良く可視化することができる。
【0064】
すなわち、D1とD2の比率(D2/D1)は、標本を透過して対物レンズに直接入射する直接光と、標本による回折光の割合であり、偏斜照明の度合いを示す数値である。上記した条件を満足することで、標本からの回折光を取り込み、かつ直接光の割合を抑えた偏斜照明あるいは暗視野照明となるので、透明な標本をコントラスト良く、可視化することができる。
【0065】
また、上述した構成において、透明な位相標本をコントラスト良く可視化するためには、偏斜照明や暗視野照明のように、照明角度が大きくとれるコンデンサレンズを備えた照明光学系が必要となる。さらに、前記コンデンサレンズの照明範囲が広いほど、つまり低倍率において位相標本を可視化できることが重要であり、また、観察範囲が広くなることで、観察効率の向上が図れる。
【0066】
一般に対物レンズの倍率と開口数には、ある一定の関係があり、おおよそ対物レンズの倍率と開口数は、以下の表のような値をもつ。
【0067】
【表1】
Figure 0004503716
【0068】
そこで、前記コンデンサレンズの照明可能な最大の開口数をNA1、前記コンデンサレンズの最大の照明範囲を観察可能な対物レンズの開口数をNA2とした場合、
NA2/NA1<0.6(条件2)
を満足するコンデンサレンズを備えた透過照明光学系とすることが好ましい。
【0069】
以上のような条件2を満足することで、最も広い照明範囲を観察可能な対物レンズにおいて、照明角度が大きく対物レンズに直接入射しない照明光を充分に確保することができる。照明光の成分としては、暗視野照明を含む偏斜照明光の領域が充分に確保されるので、2つ以上の遮光体を各々移動して偏斜照明から暗視野照明までの照明の自由度が増える。この結果、低倍率の対物レンズの観察から、透明な位相標本のコントラストを連続して変化させることができる。また、対物レンズの倍率が高くなると開口数も大きくなるので、対物レンズの倍率が高くなるにつれて暗視野照明を含む偏斜照明の領域が少なくなる。このため、低倍率での観察だけでなく、それ以外の倍率の観察においても、条件2を満足することは重要である。
【0070】
上述した遮光体は、図6に示したように、コンデンサレンズの前側焦点位置、もしくはその近傍に配置した構成としたが、顕微鏡の光学系のデザインによって、様々な位置に配置することが可能である。そのような光学系の一例を図29を参照して説明する。
【0071】
図29は、図6に示した光学系の内、透過照明光学系のデザインを変更した構成を示す(図6と同一の部材については同一の参照符号が付してある)。この透過照明光学系は、図6に示した拡散板22と偏向ミラー24との間に、リレーレンズ60及び61を配設している。この構成によれば、光源20から射出した光は、コレクタレンズ21によって平行光とされた後、リレーレンズ60によって一次光源像(結像位置を符号P3で示す)をつくる。そして、この一次光源像は、リレーレンズ61、偏向ミラー24、投影レンズ25を介して、コンデンサレンズ26の前側焦点位置に投影される(2次光源像)。絞り23は視野絞りであり、絞り41は開口絞りとして機能する。
【0072】
このような光学系によれば、対物レンズ31の瞳と共役位置である1次光源像の位置P3もしくはその近傍位置に、上述したような構成の遮光体40a,40b(上述した他の構成の遮光体であっても良い)を配置することが可能となる。また、このような構成においても、上述した条件1が満足されるように、各遮光体を移動させることで、偏斜照明又は暗視野照明の効果が得られる。また、低倍や極低倍領域を照明する場合、コンデンサレンズを照明光路から取り外すか、あるいは1倍以下の照明に使用されるコンデンサレンズをアフォーカル系として構成する。この場合、対物レンズ31の瞳位置と共役になる位置は、投影レンズ25の前側焦点位置である視野絞り23と対応するため、この視野絞り23の位置、もしくはその近傍に上述した構成の遮光体を移動可能に配置することで同様の効果が得られる。
【0073】
また、上述した透過照明光学系において、偏向ミラー24を回動可能に構成しても良い。偏向ミラー24の回動は、図5に示した実体顕微鏡の場合、ミラー傾き調整レバー204を操作することで行うことができる。このように、偏向ミラー24を回動可能に構成したことにより、偏斜照明時や暗視野照明時において、標本に対する照明光の角度を任意に調節することが可能となる。
【0074】
上述した構成において、透過照明光学系に用いられるコンデンサレンズは、対物レンズの倍率に応じて切り換え可能に構成されている。すなわち、コンデンサレンズの開口絞りと標本との間にある少なくとも1つのレンズ群が、低倍率の対物レンズと高倍率の対物レンズに応じて、着脱または他のレンズ群に切換えて使用するように構成されている。そして、このように構成されるコンデンサレンズにおいては、上述したような遮光体は、低倍率時のコンデンサレンズの瞳位置、またはその近傍に配置するのが良い。
【0075】
このように、低倍率時のコンデンサレンズの瞳位置、またはその近傍に遮光体を配置するのは以下の理由による。すなわち、本発明による照明法は、大きい開口数を有する高倍率時の観察において得られる標本について、正しい情報になるとは限らないが、低倍率時においては、回折現象というよりは照明による散乱現象に近い。しかも、低倍率時の観察では、解像を重視するのではなく、コントラストを連続的に変化させて可視化することが重要である。
【0076】
低倍率時のコンデンサレンズの瞳位置に、前記対物レンズの瞳内に形成される開口を制御する遮光体を配置することで、位相標本を可視化する低倍率時においても、前述したように、明視野照明から偏斜照明、さらには暗視野照明へと連続的に照明を変えることが可能となり、位相標本のコントラストを連続して変化させることができる。さらに、高倍率時に、位相差観察や微分干渉観察が可能なコンデンサレンズであるユニバーサルコンデンサと併用することで、それぞれの照明を切換えて使用することも可能となる。すなわち、低倍率での観察には、上述したような照明法を使用して位相標本全体の構造や分布をコントラスト良く可視化し、高倍率での観察では、従来の観察法である位相差や微分干渉を使用して微細構造の観察が行えるように構成することもできる。
【0077】
上述したように、透過照明光学系において、開口絞りと標本の間にある少なくとも1つのレンズ群が、低倍率、高倍率に応じて着脱、または他のレンズ群に切換えられるコンデンサレンズを使用する場合において、高倍率時のコンデンサレンズの焦点距離をF1、低倍率時のコンデンサレンズの焦点距離をF2としたとき、
F1/F2<0.45(条件3)
を満足するように構成するのが好ましい。
【0078】
このような条件3を満足するように、コンデンサレンズを設計することで、高倍率から低倍率、さらには極低倍率領域まで、2つのコンデンサレンズを切換えることで良好な照明が可能となる。特に、低倍率から極低倍率領域において、対物レンズの瞳内に形成される開口形状を制御する上述した遮光体によって、照明を自由に変化させて透明な位相標本をコントラスト良く可視化することができる。
【0079】
次に、本発明の顕微鏡透過照明装置に用いられるコンデンサレンズの好ましい構成例を具体的に説明する。
【0080】
(構成例1)
図30は、高倍率に用いられるコンデンサレンズを示しており、レンズ系は、レンズ群L1、L2及びL3で構成されている。また、開口絞り70、および、コンデンサレンズの瞳位置P1において、図示しない位相差用リングスリット、微分干渉用プリズム、暗視野用リングスリット等の特殊観察用ターレットディスクを備えている。標本はスライドガラス72上に載置され、ステージ面に配置されている。上述したように構成された遮光体74a,74bは、瞳位置P1の近傍に、移動可能に配置されている。以下にコンデンサレンズの構成を示す。
【0081】
【表2】
Figure 0004503716
【0082】
上記したようなコンデンサレンズによれば、低倍側の対物レンズの瞳径に対して、コンデンサレンズの瞳径が十分大きく、標本を照射する暗視野照明を含む偏斜照明成分を確保できる。この結果、開口絞り位置近傍に、対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を制御する遮光体を移動可能に配置することで、透明な位相標本等を可視化し、連続的にコントラストを変化させることができる。また、本発明における照明装置に加えて、前記コンデンサレンズによれば、位相差観察、微分干渉観察および暗視野観察等を行うことができ、多様な観察法に対応できる照明光学系となる。なお、ターレットディスク内に、遮光体74a,74bを配置し、移動させる構成でも同様な効果が得られる。
【0083】
(構成例2)
図31は、高倍率に用いられるコンデンサレンズを示しており、レンズ系は、レンズ群L1、L2及びL3で構成されている。また、開口絞り70、および、コンデンサレンズの瞳位置P1において、図示しない位相差用リングスリット、微分干渉用プリズム、暗視野用リングスリット等の特殊観察用ターレットディスクを備えている。標本はスライドガラス72上に載置され、ステージ面に配置されている。この場合、レンズL3とステージとの間は、油浸用のオイルが満たされている。また、上述したように構成された遮光体74a,74bは、瞳位置P1の近傍に、移動可能に配置されている。以下にコンデンサレンズの構成を示す。
【0084】
【表3】
Figure 0004503716
【0085】
上記したようなコンデンサレンズによれば、低倍側の対物レンズの瞳径に対して、コンデンサレンズの瞳径が十分大きく、標本を照射する暗視野照明を含む偏斜照明成分を確保できる。この結果、開口絞り位置近傍に、対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を制御する遮光体を移動可能に配置することで、透明な位相標本等を可視化し、連続的にコントラストを変化させることができる。また、本発明における照明装置に加えて、前記コンデンサレンズによれば、位相差観察、微分干渉観察および暗視野観察等を行うことができ、多様な観察法に対応できる照明光学系となる。なお、ターレットディスク内に、遮光体74a,74bを配置し、移動させる構成でも同様な効果が得られる。
【0086】
(構成例3)
図32は、低倍率に用いられるコンデンサレンズを示しており、対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を制御する遮光体74a,74bが移動可能に設けられている。このコンデンサレンズは、レンズ系内に、開口絞り70と、接合を含む5枚のレンズで構成されている。標本はスライドガラス72上に載置され、ステージ面に配置されている。上記遮光体74a,74bは、瞳位置近傍である開口絞り70の近傍に配置されている。以下にコンデンサレンズの構成を示す。
【0087】
【表4】
Figure 0004503716
【0088】
上記したようなコンデンサレンズによれば、極低倍の対物レンズの瞳径に対して、コンデンサレンズの瞳径が十分大きく、標本を照射する暗視野照明を含む偏斜照明成分を確保できる。この結果、開口絞り位置近傍に、対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を制御する遮光体を移動可能に配置することで、透明な位相標本等を可視化し、連続的にコントラストを変化させることができる。しかも、従来の技術で述べたように、この倍率領域では、位相標本を可視化してコントラストを変化させるような照明が無いので、この構成例によれば、従来にはなかった照明が実現できる。
【0089】
(構成例4)
図33は、開口絞りと標本の間にある少なくとも1つのレンズ群が、高倍率と低倍率に応じて切換えて使用されるコンデンサレンズの構成を示している。図(a)が高倍率時に用いられる構成であり、図(b)が低倍率時に用いられる構成である。
【0090】
高倍率時に用いられるコンデンサレンズは、図30に示した構成と同一である。そして、低倍率時には、レンズ群L2,L3が照明光路より移動し、代わりにレンズ群L4が照明光路に挿入される。低倍率時における瞳位置P1近傍に、対物レンズの瞳内に形成される開口を制御する遮光体74a,74bが移動可能に配置される。
【0091】
高倍率時における照明範囲は、10倍〜100倍に対応しており、低倍率時における照明範囲は、1.25倍〜4倍に対応する。以下にコンデンサレンズの構成を示す。
【0092】
【表5】
Figure 0004503716
【0093】
上記したようなコンデンサレンズによれば、低倍率時の瞳位置近傍に、遮光体を配置したことで、1.25倍から4倍において、位相標本等を可視化し、コントラストを連続的に変化させることができる。この結果、極低倍から低倍の領域では、上記したような低倍型のコンデンサレンズで位相標本を可視化して観察することができ、高倍率時では、位相差や微分干渉、及び暗視野観察を行うことができる。
【0094】
(構成例5)
図34は、高倍率と低倍率に応じて切換えて使用されるコンデンサレンズの構成を示している。図(a)が高倍率時に用いられる構成であり、図(b)が低倍率時に用いられる構成である。この場合、高倍率時に用いられるコンデンサレンズは、図30に示した構成と同一であり、低倍率時に用いられるコンデンサレンズは、図32に示した構成と同一である。以下にコンデンサレンズの構成を示す。
【0095】
【表6】
Figure 0004503716
【0096】
上記したようなコンデンサレンズによれば、低倍率時の瞳位置近傍に、遮光体を配置したことで、1.25倍から4倍において、位相標本等を可視化し、コントラストを連続的に変化させることができる。また、高倍率時のコンデンサレンズは、位相差観察、微分干渉観察をするための光学素子をコンデンサレンズの瞳位置に配置することで、そのような観察が可能となる。
【0097】
この結果、極低倍から低倍の領域では、上記したような低倍型のコンデンサレンズで位相標本を可視化して観察することができ、高倍率時では、位相差観察、微分干渉観察、及び暗視野観察等を行うことができ、多様な観察法に対応できる照明光学系となる。また、低倍率時に配置される遮光体74a,74bの位置と、高倍率時のコンデンサレンズの瞳位置が近いため、高倍率時のコンデンサレンズでも、遮光体74a,74bを使用して、対物レンズの瞳内に形成される開口を制御することができる。
【0098】
以上のような透過照明光学系は、図示しない落射蛍光顕微鏡と組み合わせて使用することも可能である。位相差観察用対物レンズのように、対物レンズの瞳位置に位相膜を配置する必要がないので、対物レンズにロスが無く、蛍光を明るく観察することができる。蛍光染色された透明な位相標本においては、上述したような透過照明系を用いて、コントラスト良く可視化し、落射蛍光照明によって蛍光染色された細胞等を観察することができる。
【0099】
次に、図35を参照して、本発明の別の実施の形態について説明する。図35は、実体顕微鏡における透過照明光学系の概略構成を示す図である。
【0100】
透過照明光学系は、ハロゲンランプ等の光源80の光を略平行光束にするコレクターレンズ等の平行光束部材82と、平行光束部材82からの光束を拡散させる摺りガラス等の第1の拡散板83と、第1の拡散板83からの拡散光線を集光する凸レンズ等の第1の集光部材85と、第1の集光部材85からの光を拡散する摺りガラス等の第2の拡散板86と、第2の拡散板86からの光を上方向に偏向する偏向ミラー87と、偏向ミラー87からの光を集光して標本載置ガラス89上の標本90に照射する、凸レンズ等の第2の集光部材88とを具備している。
【0101】
前記第2の拡散板86と偏向ミラー87との間には、第1の補助凸レンズ91が光路から挿脱可能に配置され、ミラー87と第2の集光部材88との間には、第2の補助凸レンズ92が挿脱可能に配置されている。第2の集光部材88と第2の補助凸レンズ92との間には、上述した実施の形態の遮光体と同様に構成された第1及び第2の遮光体95a,95bが移動可能に配置されている。さらに、第2の拡散部材86と第2の補助凸レンズ91との間には、同様な構成の遮光体95c,95dが移動可能に配置されている。
【0102】
上記構成によれば、光源80から出射した光は、平行光束部材82で効率よく集光されて略平行光線にされ、第1の拡散板83に入射する。第1の拡散板83は照明視野を満たすために大きな面積の略均一な光源としての役割を持つ。第1の拡散板83で拡散された光は、第1の集光部材85によって集光される。第1の集光部材85は第1の拡散板85で発散方向に拡散された光を照明に有効な収束方向に集める役目を持つ。
【0103】
第2の拡散板86に入射した光は、さらにその収束方向に沿って拡散される。第2の拡散板86は開口数を満たすための光の拡散を行い、最終的な光源となる。第2の拡散板86で拡散された光は、偏向ミラー87によって上方に偏向され、第2の集光部材88に入射し、標本載置透明部材89を通して標本90を照明する。
【0104】
第2の拡散板86と偏向ミラー87との間に挿入される第1の補助凸レンズ91は、照明視野が狭く開口数が大きくなる高倍率対物レンズのために、光の収束を強め、光の利用効率を上げる役目を果たす。また、偏向ミラー87と第2の集光部材88との間に挿入される第2の補助凸レンズ92は、第2の集光部材88と併せて凸レンズのパワーを上げることで、照明視野を狭め角度の大きい光で標本90を照明する役目を果たす。すなわち、照明光学系が、対物レンズの倍率に応じて切り換えられるため、最適な照明条件で観察できる。
【0105】
高倍率の対物レンズは焦点距離が短く、照明装置内の瞳共役位置は、第2の集光部材88に限りなく近づき、また、低倍率の対物レンズの場合は、そこから離れ、偏向ミラー87で光軸を折り返す位置の手前に瞳共役位置が存在することが通例である。従って、それらの位置に、遮光体95a,95b、及び95c,95dを各々配置し、各遮光体を独立して光軸に対して挿脱を行うことで明るさ絞りを形成でき、さらに、各遮光体を光軸から任意にずらすことで、偏斜照明が可能になる。
【0106】
なお、上述した遮光体95a,95b(95c,95d)は、図12乃至図15に示した駆動機構によって移動可能となっており、遮光体によって、左右の対物レンズの瞳は、図11、図20〜図25に示したように、共に上下方向から均等に絞られる。左右の瞳が均等に絞られるため、左右の像の見え方は均等となり、実体顕微鏡の特徴である左右の視差で自然に立体感が得られる。また、前記実施の形態と同様、遮光体を移動することで、対物レンズやの瞳に入射する直接光と、回折光の割合を制御することができ、コントラストを強調したり、連続的に変化させることができる。すなわち、微細構造を持つ標本に対して非常に細やかなコントラスト調整が可能になり、今まで観察不可能であったものが観察できるようになる。また、高倍率と低倍率に適した位置に絞りを配置したので、高倍率から低倍率まで、偏斜照明を行うことができる。また、低倍率から高倍率への切り換えは、レンズ91,92の付加によって実現できるため構造が簡単になり、安価に構成できる。さらに、拡散板を二つ配置し、各々の役割を明確にしたので、光学系の最適設計を行い易く、効率が良くなり、不必要に拡散効果が大きい拡散板を用いなくても済む。
【0107】
図36は、図35に示した構成の変形例を示す。この変形例において、図35に示した構成との相違点は、偏向ミラー87を回動可能に構成し、かつ、低倍率側の遮光体95c,95dを取除いた点である。
【0108】
これは、微細構造を観察する場合、主に解像の関係から、高倍率で観察が行える、という要求が高いことに基づく。なお、低倍率での観察は、回動する偏向ミラー87aによって、十分な照明効果(偏斜照明)で大きい視野を従来通りのコントラストで得られる。このように、高倍率での偏斜照明を遮光体95a,95bで行い、低倍率での偏斜照明を偏向ミラー87aで行うことにより、コストの低下が図れる。また、瞳位置の共役関係が不十分な中倍率での偏斜照明も偏向ミラー87aで行えるため、使い勝手が良い。
【0109】
なお、図35、図36に示した実施の形態における照明系は、偏斜照明において、高倍率、低倍率で照明視野の充足と、開口数(瞳)の充足を行うための一例である。したがって、公知の明視野照明装置の瞳位置に、上記したような遮光体を配置しても、十分に偏斜照明が行える。但し、偏斜照明を行うにあたり、その汎用性、効果を十分に発揮するためには、上記の照明系もしくはそれ以上の広い照明視野と、大きな開口数を持った光学系と組み合わせることが好ましい。
【0110】
また、図に示した照明光学系において、第1,第2の拡散板83,86を一体化し、第1の集光部材85をなくして第1,第2の拡散板各々にレンズ効果を分配することも可能である。また、第1,第2の補助凸レンズ91,92を挿入する代りに、第1,第2の集光部材85,88の焦点距離を変えることも可能であり、補助凸レンズを挿入する位置も変更することが可能である。
【0111】
また、図35、図36に示した実施の形態において、以下のように変形することが可能である。
【0112】
ズーム実体顕微鏡の高倍率の瞳位置、および低倍率の瞳位置と各々共役な2個所に、少なくとも2つの遮光体を移動可能に配置する。このような構成によれば、高倍率と低倍率で、最適な偏斜照明を実現できる。
【0113】
図に示す光学系に、光源からの出射光軸を上方に偏向する他の偏向部材を設け、この偏向部材を傾けて照明光線を偏斜させるように構成する。このように他の偏向部材の偏斜を組合わせることで、偏斜照明の範囲が広がる。
【0114】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0115】
顕微鏡の対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を、遮光体の移動によって制御することで、標本を透過して対物レンズに入射する直接光と回折光の強度の割合を調節することが可能となる。この結果、位相標本のような透明な物体を可視化し、かつコントラストを連続的に変化させることが可能となり、様々な厚みや屈折率の差がある標本を最適に照明できる。しかも、顕微鏡に特別な対物レンズを設ける必要も無い。
【0116】
低倍領域や極低倍領域では、従来、明視野照明法しか存在しなかったが、本発明の照明法によって、低倍領域や極低倍領域から位相標本を可視化して、標本の全体的構造や分布を観察することができる。さらに、従来からの位相差観察法や、微分干渉観察法を併せて用いることにより、多様な照明を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(d)は、一般的な偏斜照明法におけるコンデンサレンズの模式図、及び夫々の開口絞りによって形成される瞳の開口形状を示す図。
【図2】(a)は、一般的な暗視野照明法におけるコンデンサレンズの模式図であり、(b)は、絞りの形状を示す図。
【図3】(a)は、従来の透過照明装置の概略構成を示す図であり、(b)は、左右の対物レンズの瞳の開口形状を示す図。
【図4】(a)は、従来の別の透過照明装置の概略構成を示す図であり、(b)は、左右の対物レンズの瞳とナイフエッジとの関係を示す図。
【図5】本発明の透過照明装置が適用可能な実体顕微鏡の外観を示す図。
【図6】図5に示した実体顕微鏡の光学系の構成を模式的に示す図。
【図7】(a)は、明視野照明状態におけるコンデンサレンズと対物レンズの部分を模式的に示す図であり、(b)は、その時の瞳の状態を示す図。
【図8】(a)は、図6に示した光学系において、遮光体、コンデンサレンズ、対物レンズの部分を模式的に示す図であり、(b)は、その時の瞳の状態を示す図。
【図9】(a)は、図8に示した構成において、遮光体を移動させた状態を示す図であり、(b)は、その時の瞳の状態を示す図。
【図10】(a)は、図8に示した構成において、遮光体を移動させた状態を示す図であり、(b)は、その時の瞳の状態を示す図。
【図11】(a)乃至(d)は、夫々図7乃至図10に対応する図であり、図6に示した光学系を、実体顕微鏡に適用した場合の瞳と遮光体との位置関係を示す図。
【図12】顕微鏡本体内に設けられる遮光体の駆動機構の一例を示す図。
【図13】遮光体の駆動機構の第2の構成例を示す図。
【図14】遮光体の駆動機構の第3の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図。
【図15】遮光体の駆動機構の第4の構成例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は、図(a)のI−I線に沿った断面図。
【図16】対物レンズの瞳に形成される開口に対し、部分的に光の強度を制御する構成を示す図であり、(a)は光学系の概略を示す図、(b)は、遮光体と瞳の関係を示す図、(c)は、遮光体部分の別の構成例を示す図。
【図17】(a)及び(b)を含み、それぞれ、対物レンズの瞳に形成される開口に対し、部分的に光の強度を制御する別の構成例を示す図。
【図18】対物レンズの瞳に形成される開口形状を制御する別の構成例を示す図であり、図(a)は光学系の概略を示す図、図(b)は、遮光体と瞳の関係を示す図。
【図19】対物レンズの瞳に形成される開口形状を制御する別の構成例を示す図であり、(a)は光学系の概略を示す図、(b)は、遮光体と瞳の関係を示す図。
【図20】実体顕微鏡において、対物レンズの瞳に形成される開口に対し、部分的に光の強度を制御する構成を示す、遮光体と瞳の関係を示す図。
【図21】図20において、遮光体部分の別の構成例を示す図。
【図22】対物レンズの瞳に形成される開口に対し、部分的に光の強度を制御する別の構成例を示す図。
【図23】対物レンズの瞳に形成される開口に対し、部分的に光の強度を制御する別の構成例を示す図
【図24】実体顕微鏡における対物レンズの瞳に形成される開口形状を制御する別の構成例を示す図であり、図(a)は光学系の概略を示す図、図(b)は、遮光体と瞳の関係を示す図。
【図25】実体顕微鏡における対物レンズの瞳に形成される開口形状を制御する別の構成例を示す図であり、(a)は光学系の概略を示す図、(b)は、遮光体と瞳の関係を示す図。
【図26】遮光体の別の構成例を示す図であり、(a)乃至(e)は、それぞれ、2つの遮光体が移動した際の位置関係の例を示す図。
【図27】遮光体の別の構成例を示す図であり、(a)及び(b)は、それぞれ、2つの遮光体が移動した際の位置関係の例を示す図。
【図28】遮光体の別の構成例を示す図であり、(a)は、1枚の遮光体の構成を示す図、(b)及び(c)は、それぞれ、2つの遮光体が移動した際の位置関係の例を示す図。
【図29】透過照明光学系の別の構成例を示す図。
【図30】本発明の透過照明光学系に用いられる高倍率用コンデンサレンズの構成を示す図。
【図31】高倍率用コンデンサレンズの第2の構成を示す図。
【図32】本発明の透過照明光学系に用いられる低倍率用コンデンサレンズの構成を示す図。
【図33】顕微鏡透過照明装置に用いられる切換可能なコンデンサレンズの構成を示しており、(a)は高倍率用コンデンサレンズの構成を示す図、(b)は低倍率用のコンデンサレンズの構成を示す図。
【図34】顕微鏡透過照明装置に用いられる切換可能なコンデンサレンズの第2の構成を示しており、(a)は高倍率用コンデンサレンズの構成を示す図、(b)は低倍率用のコンデンサレンズの構成を示す図。
【図35】本発明の別の実施の形態を示す図。
【図36】図29に示した実施の形態の変形例を示す図。
【符号の説明】
20…光源
26…コンデンサレンズ
30…標本
31…対物レンズ
40,40b,40c,40d,40e,40f…遮光体
45,45a,45b…フィルタ
46a,46b…偏光板
95a,95b,95c,95d…遮光体。

Claims (10)

  1. 光源と、この光源から発した光を集光し標本を照明するためのコンデンサレンズとを具備した透過照明光学系と、標本を観察するための対物レンズを含む観察光学系と、を有する顕微鏡に用いられる透過照明装置において、
    前記透過照明光学系内にあって、前記対物レンズの瞳位置と共役位置又は共役近傍な位置に配置され、各々を独立して移動させることで前記対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を制御する、開口側の形状が直線状部を有する少なくとも2つの遮光体を有することを特徴とする顕微鏡透過照明装置。
  2. 光源と、この光源から発した光を集光し標本を照明するためのコンデンサレンズとを具備した透過照明光学系と、標本を観察するための対物レンズを含む観察光学系と、を有する顕微鏡に用いられる透過照明装置において、
    前記透過照明光学系内にあって、前記対物レンズの瞳位置と共役位置又は共役近傍な位置に配置され、各々を独立して移動させることで前記対物レンズの瞳内に形成される開口の形状を制御する、直線状部が互いに平行な2つの遮光体を有することを特徴とする顕微鏡透過照明装置。
  3. 前記2つの遮光体は、同方向に移動可能であり、各々の直線状部が形成する平行部の間隔、及び平行部の位置を調整可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の顕微鏡透過照明装置。
  4. 前記対物レンズの瞳内に形成される開口の光強度を部分的に制御する光学部材を、前記遮光体の配置された位置、もしくはこの近傍位置の平面内で移動可能に、少なくとも1つ配置したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡透過照明装置。
  5. 前記コンデンサレンズは開口絞りを有し、前記遮光体を開口絞り位置近傍に配置したことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡透過照明装置。
  6. 前記対物レンズの瞳の面積をD1、前記遮光体によって形成された前記対物レンズの瞳内に形成される開口部分の面積をD2とした場合、D2/D1≦0.5を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡透過照明装置。
  7. 前記コンデンサレンズの照明可能な最大の開口数をNA1、前記コンデンサレンズの最大の照明範囲を観察可能な対物レンズの開口数をNA2とした場合、NA2/NA1<0.6を満足することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡透過照明装置。
  8. 前記コンデンサレンズは、開口絞りを有すると共に、この開口絞りと標本との間にある少なくとも1つのレンズ群が、低倍率と高倍率に応じて着脱、又は切換え可能に構成されており、前記遮光体は、低倍率時のコンデンサレンズの瞳位置、もしくはその瞳位置の近傍に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の顕微鏡透過照明装置。
  9. 前記コンデンサレンズの高倍率側の焦点距離をF1、低倍率側の焦点距離をF2とした場合、F1/F2<0.45を満足することを特徴とする請求項に記載の顕微鏡透過照明装置。
  10. 左右に対物レンズの瞳位置を有する実体顕微鏡に用いられ、前記少なくとも2つの遮光体は、前記左右の光軸を含む平面と平行な方向に対して直交する方向に移動させることにより、前記対物レンズの左右の瞳を均等に絞るように制御を行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の顕微鏡透過照明装置。
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