JP4354207B2 - 顕微鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、蛍光実体顕微鏡を含む実体顕微鏡などの顕微鏡装置に関し、特に、簡易に、蛍光を発する観察試料と、蛍光を発しない観察試料とを同時に分別して観察することができる顕微鏡装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、実体顕微鏡は、小さな観察試料から大きな観察試料までを立体的に観察でき、しかも、観察試料が生物である場合には、生きたまま観察することができるため、生物化学分野での研究用に多用されている。
【0003】
しかし、異なった薄い観察試料が混在する場合、観察試料とバックグラウンドとのコントラストが付かず、複数の観察試料を分別することが難しい。
【0004】
そこで、従来の実体顕微鏡では、面的に均一な光を発する面光源と被観察試料との間に遮光体を設け、対物レンズに直接入射する面光源からの照明光を連続的に調節して複数の観察試料を分別できるようにしている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−133308号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の実体顕微鏡では、面光源からの照明光の調節量が微量であるため、そのための駆動機構などを設ける必要があるとともに、遮光体形状が複雑であるという問題点があった。
【0007】
一方、蛍光実体顕微鏡では、特定の観察試料に蛍光を発するGFP(Green Fluorescent Protein)染色を施し、その後、蛍光を発するための励起光を照射し、観察試料が発した蛍光によって、薄い異なった観察試料を観察できるようにしている。
【0008】
しかし、観察試料から発する蛍光の光量は、自然光に比較して極端に少ないため、蛍光を発する観察試料(以下、蛍光観察試料と称す。)を観察する場合、この自然光を遮断してバックグランドの光量を少なくする必要がある。一方、バックグランドの光量を少なくすると、蛍光を発しない観察試料(以下、非蛍光観察試料と称す。)は、コントラストが付かないため、視認できないという問題点があった。
【0009】
たとえば、線虫は、全細胞系譜が既知であるため、遺伝子の発現パターンを研究する上で有用とされている。そして、観察対象とする特定の線虫にGFP染色を施すことによって、生きた線虫の生態観察を行うことができる。
【0010】
しかし、培地では、GFP染色されている線虫と、GFP染色されていない線虫とが混在し、GFP染色されている線虫のみを採取する場合、GFP染色されていない線虫を視認できない、あるいはGFP染色されている線虫とGFP染色されていない線虫とが分別できないため、GFP染色されている線虫の近傍に位置するGFP染色されていない線虫をも採取することになってしまい、観察試料の採取を正確に行うことができないという問題点があった。
【0011】
この発明は上記に鑑みてなされたものであって、蛍光観察試料と非蛍光観察試料とが混在する場合であっても、これらの確実な分別を簡易に行うことができる顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる顕微鏡装置は、被観察用試料に臨んで面的に均一な光を照射する透過用面光源を有し、少なくとも該被観察用試料を透過した光を用いて該被観察用試料を観察する顕微鏡装置であって、前記透過用面光源と前記被観察用試料との間に設けられ、前記透過用面光源から照射される光の光軸に垂直であって複数の接眼レンズに対応する複数の視野中心の並び方向に対し直交する方向の幅が変化する切り欠きを有し、前記並び方向に移動させ各視野間の光量を調整する光量調整手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
この請求項1の発明によれば、透過用面光源から照射される光の光軸に垂直であって複数の接眼レンズに対応する複数の視野中心の並び方向に対し直行する方向の幅が変化する切り欠きを有し、各視野間に入射する光量に差を設けるようにし、たとえば蛍光を発する被観察用試料と蛍光を発しない被観察用試料とが混在する場合であっても、蛍光を発しない被観察用試料に対して確実にコントラストを付け、視認できるようにし、蛍光を発する被観察用試料と蛍光を発しない被観察用試料との分別が確実にできるようにしている。
【0014】
また、請求項2にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記光量調整手段は、前記並び方向に移動させ各視野に入射する全光量を調整しつつ各視野間の光量を調整することを特徴とする。
【0015】
また、請求項3にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記光量調整手段の切り欠きの幅は、前記並び方向に対して単調に変化することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記光量調整手段の切り欠きの幅は、前記並び方向に対して単調に変化することを特徴とする。
【0017】
また、請求項5にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、蛍光を発する被観察用試料と蛍光を発しない被観察用試料との両方が視認できることを特徴とする。
【0018】
また、請求項6にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、蛍光を発しない異なる複数の被観察用試料を視認できることを特徴とする。
【0019】
また、請求項7にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、蛍光を発しない被観察試料と培地を視認できることを特徴とする。
【0020】
また、請求項8にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記面光源からの照射光が通過する各視野間の面積比は、1.03:1〜1.3:1の範囲であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項9にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記光量調整手段の切り欠き形状は、V字形状であることを特徴とする。
【0022】
また、請求項10にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記切り欠きの開き角は、10°〜45°の範囲であることを特徴とする。
【0023】
また、請求項11にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記光量調整手段と前記被観察用試料との間の距離は、20〜60mmの範囲であることを特徴とする。
【0024】
また、請求項12にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記被観察用試料と、該被観察用試料から各視野に対応する複数の接眼レンズに向かう光軸の傾斜角は、10°〜15°の範囲であることを特徴とする。
【0025】
また、請求項13にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記光量調整手段は、2つの遮光体片を有し、一つの軸を中心に各遮光体片が回動し、各遮光体片が形成する空間によって前記切り欠きを形成し、前記切り欠きの開き角を連続可変動作させることを特徴とする。
【0026】
また、請求項14にかかる顕微鏡装置は、上記の発明において、前記光量調整手段は、前記切り欠きを前記面光源に対して傾斜させ、前記切り欠きの開き角を連続可変動作させることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照してこの発明にかかる顕微鏡装置の実施の形態について説明する。
【0028】
この発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の実施の形態1にかかる顕微鏡装置の概要構成を示す図である。図1において、この顕微鏡装置は、蛍光実体顕微鏡であり、透過用面光源9、減光フィルタ10、クサビ絞り11、吸収フィルタ8、顕微鏡本体2、右眼接眼レンズ1a,左眼接眼レンズ1bを含む光学系と、ライトガイド6、励起フィルタ7、吸収フィルタ8を含む蛍光光学系とを有する。
【0029】
光学系では、透過用面光源9が面的に均一な光を発し、この光は、減光フィルタ10で減光され、クサビ絞り11によって左眼と右眼との視野に対応する光量比に調整され、試料台3に配置された観察試料16,24を透過し、さらに吸収フィルタ8によって蛍光帯域のみをフィルタリングして散乱光が除去され、顕微鏡本体2を介して右眼接眼レンズ1aおよび左眼接眼レンズ1bに到達する。
【0030】
一方、蛍光光学系では、観察試料に染色された試料が形成した蛍光色素に対応する励起光が図示しない励起光源から発せられ、この励起光は、フレキシブルなライトガイド6を介して導波され、励起フィルタ7を介して励起光のみがフィルタリングされて観察試料16,24に照射される。観察試料16,24のうちの蛍光部分からの蛍光は、吸収フィルタ8を介して蛍光帯域の光のみがフィルタリングされ、顕微鏡本体2を介して右眼接眼レンズ1aおよび左眼接眼レンズ1bに到達する。
【0031】
ここで、準焦ハンドル4は、焦点合わせのつまみであり、変倍ハンドル5は、倍率合わせのつまみであり、それぞれ観察者によって調整される。また、透過用面光源9の発光側上面には、減光フィルタ10およびクサビ絞り11が順次配置され、試料台3の下部に設置される。なお、吸収フィルタ8は、蛍光光学系を用いないときは外すようにしてもよい。
【0032】
クサビ絞り11は、透過用面光源9から照射される光の光軸に垂直であって右眼接眼レンズ1aおよび左眼接眼レンズ1bに対応する複数の視野11A,11B(図2参照)中心の並び方向に対し直交する方向の幅が単調に変化するクサビ形状の切り欠き11aを有する。この切り欠き11aによって、減光フィルタ10を介して照射される透過用面光源9からの光は、異なる光通過領域である面積SA,SBを介してそれぞれ右眼接眼レンズ1aおよび左眼接眼レンズ1bに到達する。したがって、右眼接眼レンズ1aおよび左眼接眼レンズ1bに到達する光量は異なることになり、右眼接眼レンズ1aに到達する光量が左眼接眼レンズ1bに到達する光量に比して多くなる。
【0033】
また、クサビ絞り11は、減光フィルタ10上において並び方向にスライドが可能である。したがって、クサビ絞り11をスライドすることによって視野11A,11Bの各透過面積SA,SBの比を変化させることができるとともに、各透過面積SA,SBを介したトータルの光量をも変化させることができる。そして、このクサビ絞り11を用いると、観察者によるスライド調整であっても、光量およびコントラストの調整を極めて微細に行うことができる。
【0034】
ここで、図2を参照して、実体顕微鏡における観察試料16にコントラストを付けることによる立体視について説明する。図2において、右眼接眼レンズ1aおよび左眼接眼レンズ1bは観察試料16に対して傾斜視する構成となっており、その結果、上述したようにクサビ絞り11上では、右眼接眼レンズ1aに対応した視野11Aおよび左眼接眼レンズ1bに対応した視野11Bが形成される。
【0035】
視野11Aはクサビ絞り11によって遮光される部分が少ないため、クサビ絞り11の下方から入射した照射光は透過面積SAに対応し、殆ど減光されずに右眼接眼レンズ1a側に送られる。一方、視野11Bはクサビ絞り11によって遮光される部分が多いため、クサビ絞り11の下方から入射した照射光は透過面積SBに対応し、減光されて左眼接眼レンズ1b側に送られる。なお、図2では、視野11Aがクサビ絞り11に遮光される部分がなく、視野11Aの面積そのものが透過面積SAに等しくなっているが、これに限らず、視野11Bと同様にクサビ絞り11によって遮光される状態もある。
【0036】
さて、観察者の右眼は、右眼接眼レンズ1aを介して右眼像13を見ることになり、観察者の左眼は、左眼接眼レンズ1bを介して左眼像12を見ることになる。観察試料16自体は薄いため、観察試料16を透過する光量とバックグラウンドの光量との光量差が少なく、右眼像13と左眼像12との各単眼像だけでは、観察試料16を視認することはできない。この場合、各単眼像だけでは、傾斜視の効果による僅かな影が観察試料16の片側に視認されるのみである。
【0037】
右眼像13と左眼像12とを比較すると、右眼像13は減光が少ないため、全体的に明るい画像となり、左眼像12は減光が多いため、全体的に暗い画像となる。しかし、上述したように、観察試料16を斜傾視すると、右眼像13は、左眼像12では視認されなかった観察試料16輪郭の一部に影が視認され、逆に、左眼像12は、右眼像13では視認されなかった観察試料16輪郭の一部に影が視認される。
【0038】
そして、観察者は、脳内において左右両眼の瞳を介して得られた右眼像13と左眼像12とを合成して合成像14を認識する。この合成像14は、右眼像13の各部の光量と左眼像12の各部の光量とが加算されたものとして認識されることになる。
【0039】
したがって、合成像14は、全体的に左眼像12よりは明るく、右眼像13よりは暗くなる。そして、合成像14では、右眼像13と左眼像12とによって視認された観察試料16輪郭の一部の影が合成される。この合成された影によって観察試料16の輪郭全体に影が形成される。この結果、この観察試料16の輪郭全体に形成された影とバックグラウンドの光との対比によって、観察試料16の輪郭全体にコントラストが付くことになる。そして、このコントラストが付くことによって、観察者は観察試料16を物体として視認し、かつ立体像として認識することになる。
【0040】
ところで、この実施の形態では、図1に示したように、GFP染色を施されて蛍光を発する線虫である蛍光観察試料24と、GFP染色を施されず蛍光を発しない線虫である非蛍光観察試料16とが混在しているシャーレ23が試料台3上に載置されている。そして、観察者は、右眼接眼レンズ1aおよび左眼接眼レンズ1bを通して得られる画像を観察することによって蛍光観察試料24と非蛍光観察試料16とを分別し、観察しつつ、シャーレ23から蛍光観察試料24のみを採取する。
【0041】
ここで、蛍光観察試料24は、自ら発する蛍光の光量と透過用面光源9からの光のうち蛍光観察試料24を透過した光量との合成光量をもち、非蛍光観察試料16は、透過用面光源9からの光のうち非蛍光観察試料16を透過した光量のみをもつことになる。
【0042】
そして、蛍光観察試料24から発する蛍光の光量は少ないため、蛍光観察試料24を視認するためには、透過用面光源9の光量調整や減光フィルタ10の減光量調整などによってバックグラウンドの光量を抑える。非蛍光観察試料16はバックグラウンドの光量に関わらずコントラストがついていないため視認できない。また、非蛍光観察試料16はバックグラウンドの光量を抑えすぎると、たとえコントラストがついても視認できない。そこで、この実施の形態において、観察者は、減光フィルタ10の減光量調整と、クサビ絞り11を用いて、非蛍光試料16の合成像14に上述した影を形成し、輪郭全体にコントラストを付け、立体像を認識するようにしている。すなわち、観察者は、蛍光観察試料24については、バックグラウンドとの光量差により、また、非蛍光観察試料16については、その輪郭全体に付けられたコントラストにより、蛍光観察試料24と非蛍光観察試料16とを確実に同時分別できるようにしている。
【0043】
さらに、図3を参照して、この確実な分別について詳細に説明する。なお、図3において、非視認領域22とは、光量が少ないために人間の脳が観察試料を認識することができない領域である。また、分別領域21とは、光量が適度であるため、人間の脳が各観察試料を個別に認識できる領域をいう。さらに、非分別領域20とは、光量が多すぎるために、人間の脳が観察試料を認識できるが、各観察試料を個別に認識できない領域をいう。なお、上記した各領域の範囲と光量との関係は絶対的なものではなく、相対的なものであって、後述するように、クサビ絞り11によって観察試料にコントラストを付け、分別領域を拡大させるようにしている。
【0044】
図3(a)は、蛍光観察試料24を分別できるようにするために、減光フィルタ10を用いて、バックグラウンドの光量を抑えて、蛍光観察試料24からの光量18を分別領域21に入るように調整した場合を示したものである。この場合、非蛍光観察試料16からの光量19が非視認領域22に没してしまい、非蛍光観察試料16の存在は破線で示すように認識できなくなる。したがって、この場合、非蛍光観察試料16と蛍光観察試料24とを分別できない。
【0045】
図3(b)は、クサビ絞り11を減光フィルタ10上面に挿入することによって、非蛍光観察試料16にコントラストを付け、その結果、非蛍光観察試料16が分別領域21に入る場合を示したものである。遮光体の一種であるクサビ絞り11を減光フィルタ10の上面に挿入すると、蛍光観察試料24からの光量18と、非蛍光観察試料16からの光量19を共に減少させるが、同時に観察試料、とくに非蛍光観察試料16に対して実線で示すようにコントラストが付けられ、実質的な分別領域21が拡大される。この分別領域21の拡大幅は、バックグラウンドの光量の減少幅よりも大きいため、光量18の蛍光観察試料24は、一層分別し易くなり、光量19の非蛍光観察試料16は、分別領域21に入って、蛍光観察試料24と非蛍光分別試料16との同時分別が可能となる。
【0046】
ここで、実際に、確実に非蛍光観察試料16と蛍光観察試料24とを分別することができたクサビ絞り11を規定するパラメータの範囲について説明する。まず、図4に示すように、クサビ絞り11の切り欠き11aの開き角を「α」、観察試料を傾斜視する光軸間の傾斜角を「β」、クサビ絞り11と試料台3との距離を「L」とする。
【0047】
ここで、実際の顕微鏡装置において、傾斜角βおよび距離Lの値を大きく変化させることができず、図5に示すように、開き角αと、これに対応する視野11A,11Bの光の各透過面積SA,SBとの関係によって、非蛍光観察試料16と蛍光観察試料24とを分別できる範囲を求めた。その結果、開き角αの値が10°〜45°と変化し、透過面積比SA:SBが1.03:1〜1.3:1となったときに、非蛍光観察試料16と蛍光観察試料24とを確実に分別することができた。
【0048】
さらに、開き角αの値と、透過面積比SA:SBの値とを規定した場合、他のパラメータ、すなわち傾斜角βおよび距離Lはつぎの範囲の値であった。すなわち、
β=10°〜15°
L=20〜60mm
である。
【0049】
また、非蛍光観察試料16と蛍光観察試料24との分別を確実にできる最良のパラメータ値の組み合わせはつぎのときであることを確認した。すなわち、
α=15°
β=10°
L=27mm
A:SB=1.05:1
である。
【0050】
この実施の形態では、クサビ絞り11を用い、このクサビ絞り11の移動調整によって、非蛍光観察試料16と蛍光観察試料24とを確実に分別することができる。具体的には、GFP染色された線虫と、染色されていない線虫とが近傍に混在しても、GFP染色された線虫のみを確実に採取できることができる。
【0051】
ところで、上述した実施の形態では、複数のクサビ絞り11を有し、これらの中から開き角αが適切なものを選択するようにしていたが、この開き角を可変にした一つのクサビ絞りを用いるようにしてもよい。これによって、個別の各観察試料、特に蛍光量や透過光量の違いに対応した最適な開き角αを設定選択することができ、最良の分別を確実かつ簡易に行うことができる。
【0052】
図6は、開き角αの可変動作が可能なクサビ絞りの一例を示す構成図であり、図6(a)は、その平面図を示し、図6(b)は、その正面図を示す。このクサビ絞り30は、2枚のクサビ絞り片30a,30bを重ね合わせ、軸31を中心に回動できるようにしている。したがって、クサビ絞り片30a,30bを、軸31を中心に回動することによって開き角αを任意に設定することができる。
【0053】
また、図7は、開き角αの可変動作が可能なクサビ絞りの一例を示す構成図であり、図7(a)は、その平面図を示し、図7(b)は、その正面図を示す。このクサビ絞り40は、クサビ絞り11と同じ形状を有するが、切り欠きの幅が狭い長手方向の一端に軸41を設け、軸41を中心に、切り欠きが光軸方向に回動するようにしている。この回動によって、切り欠きの形状は、照射光に対して実質的に変化し、切り欠きの開き角αを任意に設定することができる。
【0054】
さらに、図8は、開き角αの可変動作が可能なクサビ絞りの一例を示す構成図であり、図8(a)は、その平面図を示し、図8(b)は、その正面図を示す。このクサビ絞り50は、クサビ絞り11と同じ形状を有するが、切り欠きの中心線であって切り欠きの幅が狭くなる側に軸51を設け、軸51を中心に、切り欠きが回動するようにしている。この回動によって、切り欠きの形状は、照射光に対して実質的に変化し、切り欠きの開き角αを任意に設定することができる。
【0055】
なお、上述したクサビ絞り30,40,50を適宜組み合わせたものであってもよい。各クサビ絞り30,40,50の開き角αは、回動操作量に対して異なる変位を示し、これらを組み合わせることによって、さらに柔軟に開き角αを設定することができる。
【0056】
また、上述した実施の形態では、いずれもクサビ絞り11,30,40,50の切り欠きは、直線状であってその幅が単調に変化するものであったが、これに限らず、たとえば、切り欠きの辺が曲線状となり、内側に凸あるいは外側に凸の形状をなし、その幅が単調に変化するものであってもよい。さらに、連続形状でなく、段階的にその幅が変化するものであってもよい。要は、クサビ絞り11,30,40,50の移動、回動に伴って各視野における通過光量の微調整を行うことができればよい。
【0057】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、蛍光観察試料と非蛍光観察試料とが混在する場合であっても、これらの確実な分別を簡易に行うことができるという効果を奏する。
【0058】
また、この発明によれば、クサビ絞りの開き角に可変動作を備えることによって、観察試料を観察しながら適度な減光を行うことが可能となり、クサビ絞りを観察の都度変更する必要が無くなり、観察のためのコストと時間が低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態である顕微鏡装置の構成を示す構成概略図である。
【図2】この発明の実施の形態である顕微鏡装置における立体視について説明する説明図である。
【図3】この発明の実施の形態である顕微鏡装置における分別領域について説明する説明図である。
【図4】この発明の実施の形態である顕微鏡装置におけるパラメータ範囲を説明する説明図である。
【図5】この発明の実施の形態である顕微鏡装置におけるパラメータ範囲を説明する説明図である。
【図6】この発明の実施の形態である顕微鏡装置のクサビ絞りの一例を示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態である顕微鏡装置のクサビ絞りの一例を示す構成図である。
【図8】この発明の実施の形態である顕微鏡装置のクサビ絞りの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1a 右眼接眼レンズ
1b 左眼接眼レンズ
2 顕微鏡本体
3 試料台
4 準焦ハンドル
5 変倍ハンドル
6 ライトガイド
7 励起フィルタ
8 吸収フィルタ
9 透過用面光源
10 減光フィルタ
11,30,40,50 クサビ絞り
11a 切り欠き
11A,11B 視野
12 左眼像
13 右眼像
14 合成像
16 観察試料(非蛍光観察試料)
18,19 光量
20 非分別領域
21 分別領域
22 非視認領域
23 シャーレ
24 観察試料(蛍光観察試料)
30a,30b クサビ絞り片
31,41,51 軸

Claims (14)

  1. 被観察用試料に臨んで面的に均一な光を照射すると共に、左右視野に対応する2つの照射領域を有する透過用面光源を有し、少なくとも該被観察用試料を透過した光を用いて該被観察用試料を観察する前記2つの照射領域に対応する左右2つの接眼レンズとを有する顕微鏡装置であって、
    前記透過用面光源と前記被観察用試料との間に設けられ、前記透過用面光源から照射される光の光軸に垂直な方向に伸びるとともに、前記2つの照射領域の照射光量が各々異なる切り欠き形状を有する、各視野間の光量を調整する光量調整手段を備えたことを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 前記光量調整手段は、前記2つの照射領域の並び方向に移動させるころにより、各視野に入射する全光量を調整しつつ各視野間の光量を異なるように調整することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
  3. 前記光量調整手段の切り欠きの幅は、前記2つの照射領域の並び方向に対して単調に変化することを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡装置。
  4. 前記光量調整手段の切り欠きの幅は、前記2つの照射領域の並び方向に対して連続的に変化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  5. 蛍光を発する被観察用試料と蛍光を発しない被観察用試料との両方が視認できることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  6. 蛍光を発しない異なる複数の被観察用試料を視認できることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  7. 蛍光を発しない被観察用試料と培地を視認できることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  8. 前記透過用面光源からの照射光が通過する各視野間の面積比は、1.03:1〜1.3:1の範囲であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  9. 前記光量調整手段の切り欠き形状は、V字形状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  10. 前記切り欠きの開き角は、10°〜45°の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の顕微鏡装置。
  11. 前記光量調整手段と前記被観察用試料との間の距離は、20〜60mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  12. 前記被観察用試料と、該被観察用試料から各視野に対応する複数の接眼レンズに向かう光軸の傾斜角は、10°〜15°の範囲であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  13. 前記光量調整手段は、2つの遮光体片を有し、一つの軸を中心に各遮光体片が回動し、各遮光体片が形成する空間によって前記切り欠きを形成し、前記切り欠きの開き角を連続可変動作させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
  14. 前記光量調整手段は、前記切り欠きを前記面光源に対して傾斜させ、前記切り欠きの開き角を連続可変動作させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の顕微鏡装置。
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