JP4501850B2 - ガラス体製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス微粒子堆積体を加熱炉内で加熱し透明化してシリカガラス体を製造する方法に関するものである。
光通信システムにおいて信号光の伝送等に用いられる光ファイバは、一般にシリカガラスを主成分とする光ファイバ母材を線引することで製造される。また、光ファイバ母材に代表されるシリカガラス体は、シリカガラス微粒子が堆積されたガラス微粒子堆積体を加熱炉内で加熱し透明化する工程を経て製造される。このようなシリカガラス体を製造する方法は例えば特許文献1〜3に開示されている。
特許文献1に開示されたガラス体製造方法は、加熱炉内の雰囲気ガスを減圧した状態でガラス微粒子堆積体を加熱して、このガラス微粒子堆積体を透明化するものである。
特許文献2に開示されたガラス体製造方法は、加熱炉内の雰囲気ガスを減圧した状態でガラス微粒子堆積体を加熱する工程として、ガラス微粒子堆積体が収縮しない温度T(1000℃〜1150℃)での第1加熱工程と、温度Tより高く且つ透明化しない温度T(1250℃〜1500℃)での第2加熱工程と、透明化する温度T(1550℃〜1650℃)での第3加熱工程と、を順に行うものである。
特許文献3に開示されたガラス体製造方法は、加熱炉内の雰囲気ガスを減圧した状態でガラス微粒子堆積体を加熱する工程として、加熱炉内へのHeの導入(100Pa〜100kPa)および停止(100Pa以下)のサイクルを複数回繰り返しながら加熱してガラス微粒子堆積体が含有するガスを除去する第1加熱工程(800℃〜1300℃)と、100kPa以下の減圧化で1450℃〜1600℃の温度にて1分〜30分間保持することで透明化する第2加熱工程と、を順に行うものである、
特許第2559395号公報 特許第2836302号公報 特開平7−81962号公報
ところで、シリカガラス体は、OH基の含有量が多いと、波長1380nm付近での光吸収ピークが大きくなる。特に、シリカガラス体が光ファイバ母材である場合に、この光ファイバ母材を線引して得られる光ファイバの波長1380nm付近でのOH基に因る光吸収を抑制することが望まれる。このことから、シリカガラス体のOH基含有量の低減が望まれる。
上記特許文献1〜3に記載された製造方法によれば、ガラス微粒子堆積体に含有されるOH基が或る程度は除去されてシリカガラス体が製造される。しかし、上記特許文献1〜3に記載された製造方法を含め従来の製造方法は以下のような問題点を有していることを本発明者は見出した。
すなわち、従来の製造方法で製造されたシリカガラス体は、表面近傍ではOH基含有量が低減されるものの、シリカガラス体が大型のものである場合には、そのシリカガラス体の中心部でのOH基残留量は多い。
その原因は以下のように考えられる。ガラス微粒子堆積体の処理のための加熱炉における処理温度上昇設定パターンに対して、ガラス微粒子堆積体の表層部の温度はほぼ追随して上昇する。しかし、ガラス微粒子堆積体が大型化すると、ガラス微粒子堆積体の熱伝導度が必ずしも高くないことから、ガラス微粒子堆積体の内部(中心部)の温度は、ガラス微粒子堆積体の表層部の温度に対して大きく遅れて上昇することとなる。
その結果、加熱炉における処理温度を800℃〜1300℃としたときに、ガラス微粒子堆積体(純シリカガラスの場合)の表層部は収縮することなく下記(1)式に基づくOH脱離反応が進行する温度に十分に曝されてOH濃度が低減する反面、ガラス微粒子堆積体の内部(中心部)では相対的に上記温度状態のもとに十分に曝されることのないまま透明化まで進行することになる。
したがって、ガラス微粒子堆積体の内部(中心部)では、OH脱離反応が十分に進まず、OH基の相当量が残留することとなる。このガラス微粒子堆積体の内部(中心部)におけるOH基残留量は、ガラス微粒子径や焼結パターンに大きく依存するが、200ppm程度に達することがある。
本発明は、本発明者により上記知見に基づいてなされたものであり、製造するべきシリカガラス体が大型のものであっても、そのシリカガラス体の内部におけるOH基含有量を低減することができるガラス体製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るガラス体製造方法は、シリカガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体を作成し、このガラス微粒子堆積体を加熱炉内で加熱し透明化してシリカガラス体を製造する方法であって、(1) 加熱炉内の全圧が10kPa以上の雰囲気ガスの中で、ガラス微粒子堆積体の粘度が1010.5P以上である温度で、ガラス微粒子堆積体を加熱する第1工程と、(2) 第1工程の後に、加熱炉内の全圧が100Pa以下の雰囲気ガスの中で、第1工程における温度より高い温度で、ガラス微粒子堆積体を加熱して透明化する第2工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1工程において、ガラス微粒子堆積体は、加熱炉内の全圧が10kPa以上の雰囲気ガスの中で、該ガラス微粒子堆積体の粘度が1010.5P以上である温度で加熱され、これにより、OH脱離反応が進行する温度領域において収縮することなく熱伝導度が効果的に高められ、中心部の温度上昇の追随性が高められて、中心部においてもOH基濃度が低減され得る。続く第2工程において、ガラス微粒子堆積体は、加熱炉内の全圧が100Pa以下の雰囲気ガスの中で、第1工程における温度より高い温度で加熱されて透明化される。
本発明に係るガラス体製造方法は、第1工程において、加熱温度を800℃〜1300℃の範囲内とするのが好適であり、加熱炉内の雰囲気ガスの標準状態でのHO分圧を100Pa以下とするのが好適であり、加熱炉内の雰囲気ガスの全圧を50kPa以上とするのが好適であり、また、加熱炉内の雰囲気ガスの全圧を10kPa以上に維持しつつ変動幅10kPa以上で変動させるのが好適である。
また、本発明に係るガラス体製造方法では、ガラス微粒子堆積体は、略円柱形状であって直径が150mm以上であるのが好適であり、また、ガラスロッドの周囲にシリカガラス微粒子が堆積されたものであるのが好適である。
本発明によれば、製造するべきシリカガラス体が大型のものであっても、そのシリカガラス体の内部におけるOH基含有量を低減することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本発明者による更なる知見によれば、VAD法やMMD法等で作製されて構成ガラス微粒子の直径が0.05〜0.5μm程度であるガラス微粒子堆積体の熱伝導度は、その雰囲気のガス種とガス圧力(雰囲気圧)に依存する傾向が存在することが認められる。すなわち、雰囲気ガス圧力が10kPa未満の場合には、ガラス微粒子堆積体の熱伝導度は概ね一定であり、ガラス微粒子堆積体の伝導伝熱が支配的となっている。これに対して、雰囲気ガス圧力が10kPa以上の場合には、雰囲気ガス圧力の増加に伴い、ガラス微粒子堆積体の熱伝導度が加速度的に増加する。これは、ガラス微粒子堆積体の固有の伝導伝熱の他に介在気体の伝熱も関与することで、ガラス微粒子堆積体の実質的な熱伝導度が上昇したものと考えられる。本発明は、このような本発明者の知見をもとに為されたものである。
図1は、本実施形態に係るガラス体製造方法において用いられる加熱炉1の断面図である。この図に示される加熱炉1は、その内部に入れられたガラス微粒子堆積体10を加熱し透明化してシリカガラス体を製造する為のものであり、炉心管2,ヒータ3およびヒートシールド4を真空容器5内に備えている。炉心管2の外部に設けられたヒータ3は、炉心管2の内部に入れられたガラス微粒子堆積体10を加熱する。ヒートシールド4は、ヒータ3と真空容器5との間に設けられている。
また、この加熱炉1は、排気用配管6、真空ポンプ7、ガス導入管8および圧力調整弁9をも備えている。真空ポンプ7は、排気用配管6を介して真空容器5と接続されており、真空容器5の内部を排気する。ガス導入管8は、炉心管2と接続されており、ガス供給源(不図示)から炉心管2の内部へ不活性ガスを導入する。圧力調整弁9は、排気用配管6の途中に設けられており、真空ポンプ7による排気の速度を調整することで、真空容器5の内部の圧力を調整する。
この加熱炉1では、加熱処理されるべきガラス微粒子堆積体10は炉心管2の内部に入れられる。不活性ガス(例えば、He,Ar,N 等)がガス導入管8を経て炉心管2の内部に導入され、また、炉心管2内の不活性ガスは排気用配管6を介して真空ポンプ7により排気される。そして、炉心管2内のガラス微粒子堆積体10は、ヒータ3により加熱され透明化される。このとき、炉心管2内の雰囲気ガスの全圧は圧力調整弁9により調整され、また、ガラス微粒子堆積体10の加熱温度はヒータ3により調整される。
本実施形態に係るガラス体製造方法では、この図1に示されたような加熱炉1が用いられる。図2は、本実施形態に係るガラス体製造方法における雰囲気ガス全圧および加熱温度それぞれの時間変化を示す図である。本実施形態に係るガラス体製造方法は、シリカガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体10を作成し、このガラス微粒子堆積体10を加熱炉1内で加熱し透明化してシリカガラス体を製造する方法であって、その加熱工程として第1工程および第2工程を備えている。
第1工程では、加熱炉1内の全圧Pが10kPa以上の雰囲気ガスの中で、ガラス微粒子堆積体10の粘度が1010.5P以上である温度Tで、ガラス微粒子堆積体10を加熱する。なお、第1工程における雰囲気ガス全圧Pおよび加熱温度Tそれぞれは上記の範囲において変動してもよい。
この第1工程では、このような雰囲気ガス全圧および加熱温度の条件の下でガラス微粒子堆積体10が加熱されることにより、このガラス微粒子堆積体10は、上記(1)式のOH脱離反応が進行する温度領域において収縮することなく熱伝導度が効果的に高められ、中心部の温度上昇の追随性が高められる。したがって、OH脱離が進行する時間が十分に確保され、ガラス微粒子堆積体10の中心部においてもOH基濃度が低減され得る。
このとき、第1工程における加熱温度を800℃〜1300℃の範囲内とするのが好適であり、この場合は、純シリカガラス(フッ素などのドーパントの添加を積極的に行わないもの)からなるガラス体を製造する上で好ましい。また、導入するガスのHO分圧を100Pa以下とするのが好適であり、このようにすることにより、上記(1)式によるOH脱離反応も効果的に進行させることができる。また、加熱炉1内の雰囲気ガスの全圧Pを50kPa以上とするのが好適であり、この場合には、上記効果が顕著に現れる。また、加熱炉1内の雰囲気ガスの全圧Pを10kPa以上に維持しつつ変動幅10kPa以上で変動させるのも好適であり、この場合には、ガラス微粒子堆積体10の熱伝導率を高める効果を損ねることなく、上記(1)式の反応速度を遅延させる発生したHOを効果的に除去することができるので、更に好適である。
この第1工程の後の第2工程では、加熱炉1内の全圧Pが100Pa以下の雰囲気ガスの中で、第1工程における温度Tより高い温度Tで、ガラス微粒子堆積体10を加熱して透明化する。なお、第2工程における雰囲気ガス全圧Pおよび加熱温度Tそれぞれは上記の範囲において変動してもよい。この図では、第2工程における加熱温度Tは、或る一定期間ではT2aとされ、その後の一定期間ではT2bとされている。
この第2工程では、このような雰囲気ガス全圧および加熱温度の条件の下でガラス微粒子堆積体10を加熱することにより、このガラス微粒子堆積体10は、気泡が発生することなく、また、溶存気体量が少ないガラス透明体を得ることが可能となる。なお、溶存気体量が多いと、以降の高温加熱加工工程でガラス内に発泡が発生してしまうことがある。
ガラス微粒子堆積体10は、略円柱形状であって直径が150mm以上であるのが好適であり、また、ガラスロッドの周囲にシリカガラス微粒子が堆積されたものであるのも好適である。このようなガラス微粒子堆積体10を加熱し透明化したものは、例えば、線引により光ファイバを得るための光ファイバ母材または当該中間体である。このような場合にも、本実施形態に係るガラス体製造方法は効果を奏することができる。
次に、本発明に係るガラス体製造方法の実施例を比較例と対比しつつ説明する。以下の実施例3〜5,8〜14および比較例1〜4,11〜14それぞれで用いたガラス微粒子堆積体は、直径280mmで長さ500mmの略円柱形状のもので、嵩密度が0.3g/cmであった。
先ず、実施例3〜5,8,9および比較例1,11〜14について、図3および図4を用いて説明する。図3は、実施例3〜5,8,9および比較例1,11〜14それぞれの製造条件等を纏めた図表である。比較例1では、ガラス微粒子堆積体は、図2(a)に示されるような温度変化パターンで、室温から温度1050℃まで昇温速度8℃/分で昇温され(以下「昇温工程1」という)、温度Tが1050℃で60分間に亘り保持され(以下「保持工程1」という)、温度1050℃から温度1350℃まで昇温速度8℃/分で昇温され(以下「昇温工程2」という)、温度T2aが1350℃で60分間に亘り保持され(以下「保持工程2」という)、温度1350℃から温度1600℃まで昇温速度4℃/分で昇温され(以下「昇温工程3」という)、温度T2bが1600℃で30分間に亘り保持され(以下「保持工程3」という)、その後、室温まで降温された(以下「降温工程」という)。これらの昇温工程1,保持工程1,昇温工程2,保持工程2,昇温工程3,保持工程3および降温工程の間、加熱炉内には雰囲気ガスとしてHeガスが流量0.5slmで導入され、加熱炉内の雰囲気ガス全圧は10Paであった。これにより、比較例1では、直径130mmの透明なシリカガラス体が得られ、中心部のOH濃度の測定値が205wtppmであった。
比較例11〜14および実施例3〜5,8,9それぞれは、比較例1と比較すると、上記の昇温工程1および保持工程1における雰囲気ガスの種類および全圧の点で相違する。比較例11,12および実施例3〜5では、加熱炉内には雰囲気ガスとしてHeガスが流量3slm〜20slmで導入され、加熱炉内の雰囲気ガス全圧Pは100Pa〜100kPaであった。また、比較例13,14および実施例8,9では、加熱炉内には雰囲気ガスとしてNガスが流量3slm〜20slmで導入され、加熱炉内の雰囲気ガス全圧Pは100Pa〜100kPaであった。何れの実施例でも、加熱炉内のHO分圧は10Pa以下であった。
得られた透明なシリカガラス体の中心部のOH濃度の測定値は、雰囲気ガス全圧Pが100Paであった比較例11では200wtppmであり、雰囲気ガス全圧Pが1kPaであった比較例12では195wtppmであり、雰囲気ガス全圧Pが10kPaであった実施例3では160wtppmであり、雰囲気ガス全圧Pが50kPaであった実施例4では100wtppmであり、雰囲気ガス全圧Pが100kPaであった実施例5では30wtppmであり、雰囲気ガス全圧Pが100Paであった比較例13では205wtppmであり、雰囲気ガス全圧Pが1kPaであった比較例14では200wtppmであり、雰囲気ガス全圧Pが10kPaであった実施例8では175wtppmであり、また、雰囲気ガス全圧Pが100kPaであった実施例9では50wtppmであった。
図4は、実施例3〜5,8,9および比較例1,11〜14それぞれにおける加熱炉内の雰囲気ガス全圧とシリカガラス体中心部のOH濃度測定値との関係を示すグラフである。これら実施例3〜5,8,9および比較例1,11〜14の結果から判るように、第1工程において加熱炉内の雰囲気ガス全圧Pを10kPa以上としたときにシリカガラス中のOH濃度が低減された。特に、加熱炉内の雰囲気ガス全圧Pを50kPa以上としたときにシリカガラス中のOH濃度が顕著に低減された。
なお、比較例1の条件で、直径100mm及び150mmそれぞれのガラス微粒子堆積体を同様に加熱処理したところ、得られたガラス体の中心部のOH濃度として、50wtppm(φ100mm)および120wtppm(φ150mm)という値が得られた。これらから、特に大型のガラス微粒子堆積体において加熱炉内圧を管理して加熱処理すると効果が顕著に現れることが確認される。
次に、実施例5,10〜12および比較例2,3について、図5および図6を用いて説明する。図5は、実施例5,10〜12および比較例2,3それぞれの製造条件等を纏めた図表である。実施例10〜12および比較例2,3それぞれは、実施例5と比較すると、保持工程1における加熱温度Tの点で相違する。
得られた透明なシリカガラス体の中心部のOH濃度の測定値は、加熱温度Tが600℃であった比較例2では110wtppmであり、加熱温度Tが800℃であった実施例10では40wtppmであり、加熱温度Tが1050℃であった実施例5では30wtppmであり、加熱温度Tが1200℃であった実施例11では28wtppmであり、加熱温度Tが1300℃であった実施例12では27wtppmであり、また、加熱温度Tが1350℃であった比較例3では100wtppmであった。
図6は、実施例5,10〜12および比較例2,3それぞれにおける加熱温度Tとシリカガラス体中心部のOH濃度測定値との関係を示すグラフである。これら実施例5,10〜12および比較例2,3の結果から判るように、第1工程における加熱温度Tが800℃〜1300℃の範囲内であるときにシリカガラス体中心部のOH濃度が効果的に低減される。加熱温度Tが800℃以下では、上記(1)式に基づくOH脱離反応が十分に進行しないために、OH除去が効率よく進まないものと考えられる。また、加熱温度Tが1350℃以上では、ガラス微粒子堆積体の収縮および閉孔が進行するため、OHがガラス中に残留して、OH低減効果が発揮できなかったものと考えられる。
次に、実施例9および比較例4について図7を用いて説明する。図7は、実施例9および比較例4それぞれの製造条件等を纏めた図表である。比較例4は、実施例9と比較すると、HO分圧を低減しなかったNガスを加熱炉内に導入した点で相違する。得られた透明なシリカガラス体の中心部のOH濃度の測定値は、HO分圧が100Pa以下であった実施例9では50wtppmであり、また、HO分圧が500Paであった比較例4では160wtppmであった。これから判るように、HO分圧が低いガスを加熱炉に導入することにより、上記(1)式の反応が促進され、脱OHが効果的に進行することが確認された。
次に、実施例5,13,14について図8を用いて説明する。図8は、実施例5,13,14それぞれの製造条件等を纏めた図表である。実施例13,14それぞれは、実施例5と比較すると、保持工程1の初めから20分経過した時から10分程度に亘って加熱炉内圧を一時的にP'(90kPa,50kPa)に下げ(図2(b)中の破線)、積極的に加熱炉内の雰囲気ガスを入れ替えた。得られた透明なシリカガラス体の中心部のOH濃度の測定値は、保持工程1において雰囲気ガス全圧P(100kPa)を一定に維持した実施例5では30wtppmであり、雰囲気ガス全圧Pを一時的にP'(90kPa)に下げた実施例13では28wtppmであり、また、雰囲気ガス全圧Pを一時的にP'(50kPa)に下げた実施例14では20wtppmであった。これから判るように、第1工程において加熱炉内の雰囲気ガス全圧を10kPa以上の変動幅で下げるステップを設けて、積極的に加熱炉内の雰囲気ガスを入れ替える処置を実施することにより、シリカガラス体のOH濃度を効果的に下げることができることが確認された。
次に、実施例15および比較例5について図9を用いて説明する。図9は、実施例15および比較例5それぞれの製造条件等を纏めた図表である。
ここでは、中心部(全体の外径に対して0.25倍の外径領域)にGeOを添加して屈折率を比屈折率差換算で0.35%上昇させたガラスロッド(直径30mm)をVADスス付および塩素脱水焼結により調整し、このガラスロッドの外周部に対してガラス微粒子を堆積させて直径300mmのガラス微粒子堆積体とした。このガラス微粒子堆積体に対して比較例1の製造方法に略準拠して焼結を行った。
比較例5では、比較例1と同一の条件で透明化した。他方、実施例15では、前記の実施例5と同一の条件にて透明化した。実施例15および比較例5それぞれで得られたシリカガラス体は光ファイバ母材であり、各光ファイバ母材を線引して光ファイバを製造して、各光ファイバの伝送損失(特にOH基に因る波長1380nm付近の損失ピークΔα1.38)を測定した。その結果、実施例の製造方法は、損失ピークΔα1.38を低減するのにも効果があることが確認された。
本実施形態に係るガラス体製造方法において用いられる加熱炉1の断面図である。 本実施形態に係るガラス体製造方法における雰囲気ガス全圧および加熱温度それぞれの時間変化を示す図である。 実施例3〜5,8,9および比較例1,11〜14それぞれの製造条件等を纏めた図表である。 実施例3〜5,8,9および比較例1,11〜14それぞれにおける加熱炉内の雰囲気ガス全圧とシリカガラス体中心部のOH濃度測定値との関係を示すグラフである。 実施例5,10〜12および比較例2,3それぞれの製造条件等を纏めた図表である。 実施例5,10〜12および比較例2,3それぞれにおける加熱温度Tとシリカガラス体中心部のOH濃度測定値との関係を示すグラフである。 実施例9および比較例4それぞれの製造条件等を纏めた図表である。 実施例5,13,14それぞれの製造条件等を纏めた図表である。 実施例15および比較例5それぞれの製造条件等を纏めた図表である。
符号の説明
1…加熱炉、2…炉心管、3…ヒータ、4…ヒートシールド、5…真空容器、6…排気用配管、7…真空ポンプ、8…ガス導入管、9…圧力調整弁、10…ガラス微粒子堆積体。

Claims (7)

  1. シリカガラス微粒子を堆積させてガラス微粒子堆積体を作成し、このガラス微粒子堆積体を加熱炉内で加熱し透明化してシリカガラス体を製造する方法であって、
    前記加熱炉内の全圧が10kPa以上の雰囲気ガスの中で、前記ガラス微粒子堆積体の粘度が1010.5P以上である温度で、前記ガラス微粒子堆積体を加熱する第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記加熱炉内の全圧が100Pa以下の雰囲気ガスの中で、前記第1工程における温度より高い温度で、前記ガラス微粒子堆積体を加熱して透明化する第2工程と、
    を備えることを特徴とするガラス体製造方法。
  2. 前記第1工程において加熱温度を800℃〜1300℃の範囲内とすることを特徴とする請求項1記載のガラス体製造方法。
  3. 前記第1工程において前記加熱炉内の雰囲気ガスの標準状態でのHO分圧を100Pa以下とすることを特徴とする請求項1記載のガラス体製造方法。
  4. 前記第1工程において前記加熱炉内の雰囲気ガスの全圧を50kPa以上とすることを特徴とする請求項1記載のガラス体製造方法。
  5. 前記第1工程において前記加熱炉内の雰囲気ガスの全圧を10kPa以上に維持しつつ変動幅10kPa以上で変動させることを特徴とする請求項1記載のガラス体製造方法。
  6. 前記ガラス微粒子堆積体は略円柱形状であって直径が150mm以上であることを特徴とする請求項1記載のガラス体製造方法。
  7. 前記ガラス微粒子堆積体はガラスロッドの周囲にシリカガラス微粒子が堆積されたものであることを特徴とする請求項1記載のガラス体製造方法。

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