JP4500091B2 - 回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板などの電子材料分野に用いられる回路基板に関し、さらに詳しくは絶縁層と導電層を交互に積み上げたビルドアップ方式の回路基板に関するものであり、ハロゲン含有難燃剤、リン含有難燃剤を含まず、微細配線化、高インピーダンス精度化が可能な、無電解メッキによる導電層形成を行ってなる回路基板に関するものである。
電子材料分野では、火災に対する安全性を確保するために難燃性が要求されている。プリント配線板用、半導体基板用の積層板材料に関しては、その代表的な規格としてUnderwritersLaboratories Inc.のUL94規格があり、垂直燃焼試験で好ましくはV−1、より好ましくはV−0の条件に合格することが求められる。これまでに当該分野で使用されている樹脂はいずれもこの条件に合格するために、含臭素化合物などの含ハロゲン化合物を難燃剤として含有している。これら含ハロゲン化合物は高度な難燃性を有するが、例えば芳香族臭素化合物は熱分解により腐食性を有する臭素、臭化水素を発生するだけでなく、酸素存在下では毒性の高い化合物を形成する可能性がある(非特許文献1参照)。
このような理由からハロゲン化合物を含まない材料、所謂「ハロゲンフリー」の材料が研究開発されている(例えば特許文献1等参照)。その中で含ハロゲン化合物に替わる難燃剤として、赤リン等の含リン化合物が中心的に検討されてきた。しかしながら、含リン難燃剤は燃焼時にホスフィンなどの有毒リン化合物を発生する恐れがある上、含リン化合物難燃剤として代表的なリン酸エステルを使用した場合、組成物の耐湿性が著しく損なわれるという欠点がある。
一方、他の難燃剤として金属水酸化物が知られており、例えば水酸化アルミニウムは、加熱時に結晶水を放出する以下のような反応により難燃剤としての効果があることが知られている。
2Al(OH)3 → Al2O3+ 3H2O
しかしながら、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物を単独で難燃剤として使用する場合、求められる難燃性能を得るためには多量の添加が必要である。一般的なエポキシ樹脂を使用し、水酸化アルミニウムを難燃剤として添加した積層板の場合では、UL94規格のV−0レベルを達成するのに必要な水酸化アルミニウムの添加量は、樹脂組成物の70wt%〜75wt%程度、燃焼しにくい骨格の樹脂を使用した場合でも50wt%程度の水酸化アルミニウムの添加が必要となることが多い(非特許文献2参照)。水酸化アルミニウムの添加量が多い場合、樹脂組成物およびその樹脂により形成される絶縁層を持つ回路基板の性能、特に酸・アルカリに対する耐薬品性が著しく低下する傾向にある。エッチング、メッキ処理などの回路加工は過酷な酸性、アルカリ性条件の下で行われることから、これら耐薬品性の劣る絶縁層を持つ回路基板の信頼性は十分でなく、改善が要求されている。
一方、軽薄短小を要求される電子部品分野においては、ますます高密度化、微細配線化が求められるとともに、高速化のための高いインピーダンスコントロール精度が要求されている。高い精度でインピーダンスをコントロールするためには、形成された回路の平坦性、エッチングファクターなどで表される回路断面の形状特性などが良好である必要がある。そのような回路を形成するための手法としてメッキレジストを用いた無電解メッキによる回路形成がある(特許文献2参照)。無電解メッキの回路形成は、一般的に高アルカリ性の水溶液中、高温下で長時間行われるものであり、上記耐薬品性の低下した絶縁層を持つ回路基板上に回路形成した場合、侵食されて発生した絶縁層中の成分がメッキ液を汚染したり、メッキされた導体層と絶縁層の間の接着強度が弱かったり、形成された回路基板の耐熱性が不十分であったりした。
西沢仁、"ハロゲン系難燃剤"、ポリマーの難燃化、大成社、pp.69〜79(1992) 特開2003−231762号公報 木内幸浩、位地正年、エレクトロニクス実装学会誌 5(2)pp.159〜165(2003) 特開2003−309358号公報
本発明の目的は、ハロゲンフリー・リンフリーで、かつ耐薬品性が良好な、無電解メッキによる導電層形成を行った回路基板を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、無電解メッキにより導電層を形成する回路基板において、無電解めっきを施すための絶縁層が、ハロゲン原子・リン原子を実質的に含まなくても十分な難燃性を有し耐薬品性に優れたものを提供できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下に関するものである。
1)導電層が無電解メッキにより形成された回路基板であって、無電解メッキの施される絶縁層にハロゲン元素を実質的に含まないことを特徴とする回路基板であり、好ましくは
2)無電解メッキの施される絶縁層が、更にリン元素を実質的に含まないものである1)記載の回路基板、更に好ましくは、
3)無電解メッキの施される絶縁層を形成する樹脂組成物が、樹脂分の質量の合計に対し、マレイミド基を有する化合物を窒素換算で2.0%以上含有するものである1)又は2)記載の回路基板、であり、より更に好ましくは
4)無電解メッキの施される絶縁層を形成する樹脂組成物中に水酸化アルミニウムを含有するものである1)〜3)記載の回路基板。
本発明の回路基板は、無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキが施される絶縁層がハロゲンフリー、リンフリーでありながら難燃性の要求に応えることができ、かつ高い耐薬品性を持つものである。そのため高温・高アルカリ性の過酷な条件が必要な無電解めっきによる回路形成時にめっき液を汚染することがなく、また形成される回路基板の耐熱性も十分である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の回路基板は無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキが施される絶縁層にはハロゲン元素を実質的に含まないことを特徴としている。ここでハロゲン元素を実質的に含まない、ということは、日本プリント回路工業会によるハロゲンフリーの定義に準じ、ハロゲン元素の絶縁層中の含有量が0.09重量%以下であることを意味する。好ましくは0.009重量%以下であり、更に好ましくは、0.001重量%以下である。
また本発明の回路基板において、無電解メッキの施される絶縁層には更にリン元素を実質的に含まないことが好ましい。リン元素を実質的に含まない、ということについても上述のハロゲンフリーの定義に準じ、リン元素の絶縁層中の含有量が0.09重量%以下であることを意味するものとする。リン元素の絶縁層中の含有量は、より好ましくは0.009重量%以下、より更に好ましくは0.001重量%以下である。
本発明の回路基板は、予め回路形成の行われた内層基板を用い、その上に絶縁層と導電層を交互に積層するビルドアップ方式で形成することが好ましい。内層基板としては、絶縁層の片面、または両面の導電層に回路形成の行われた基板であることが好ましく、それ以外には特に制限を受けない。絶縁層の材質としては特に制限はないが、例えばガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ビスマレイミドトリアジン基板、熱硬化性ポリフェニレンエーテル基板など、公知の基板を使用することができる。また、回路基板の導体部分の表面はあらかじめ粗化処理等が施されてあってもよい。
本発明の回路基板において、内層基板上に絶縁層を形成するにあたっては公知の手法を用いて行ってよく、特に制限を受けない。具体的には、例えば基材に樹脂が含浸されたプリプレグを用いる方法、離型フィルムなどのフィルム上に樹脂が塗布された層間絶縁シートを用いる方法、またはプリプレグの片面もしくは両面に層間絶縁シートが積層された複合層間絶縁材を用いる方法等が挙げられる。
プリプレグを用いる場合の具体的な例としては、内層基板上にプリプレグを積層後、最外層に銅箔を配置し、加熱・加圧条件下でプレス加工を行い、絶縁層が硬化した後に銅箔を除去することにより絶縁層を形成する方法などが挙げられる。無電解メッキによって形成される導電層と無電解メッキの施される絶縁層との間の接着強度を向上するために、絶縁層の表面粗度を調整することが好ましい。そのため内層基板上にプリプレグを積層する際は、最外層に配置する銅箔の絶縁層と接する側の表面粗度を変化させることにより、形成される絶縁層の表面粗度を所望の程度とすることができる。加熱・加圧条件下での加工の条件としては、特に限定されるものではないが、加熱温度は好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜250℃であり、圧力は好ましくは1.0〜10MPa程度であり、加熱加圧時間は10〜300分程度である。
層間絶縁シートを用いる場合の具体的な例としては、内層基板上に離型フィルムを外側になるように配置して層間絶縁シートを積層し、真空ラミネーターなどにおいて加熱・加圧条件下でラミネートを行い、その後加温することで樹脂を硬化し絶縁層を形成する方法などが挙げられる。絶縁層の表面粗度を調整するためには、絶縁層形成後に酸・酸化剤溶液中に浸漬することにより絶縁シート中の可溶性成分を溶解させ、表面の粗度を所望の程度とすることができる。加熱硬化の条件は150℃以上250℃未満の条件で、30分〜2時間程度の範囲であることが好ましい。
複合層間絶縁材を用いる場合の具体的な例としては、プリプレグの片面または両面に層間絶縁シートを配置し、ロールラミネーターなどで加熱・加圧下で圧着することにより形成した複合層間絶縁材を、内層基板上に離型フィルムを外側になるように配置して積層し、真空ラミネーターなどにおいて加熱・加圧条件下でラミネートを行い、その後加温することで樹脂を硬化し絶縁層を形成する方法などが挙げられる。絶縁層の表面粗度を調整するため方法としては、絶縁層形成後に酸・酸化剤溶液中に浸漬することにより絶縁シート中の可溶性成分を溶解させ、表面の粗度を所望の程度とする方法が挙げられる。加熱硬化の条件は150℃以上250℃未満の条件で30分〜2時間の範囲であることが好ましい。
本発明の回路基板では、内層基板上に形成された絶縁層の任意の位置に層間接続用のスルーホール、ビアホールを形成することが可能である。スルーホールまたはビアホールの形成は、公知の方法を用いることができ、具体的にはドリルおよび/またはレーザーにより穴開けを行うことができる。
スルーホールまたはビアホール中のスミア除去のため、また、層間絶縁シートを使用する場合は、さらに絶縁層表面を粗化するため、酸・酸化剤溶液中でデスミア処理および粗化処理を行うことが好ましい。粗化処理の方法は公知のものを利用することができ、具体的には過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素と硫酸の混合液、硝酸などの酸・酸化剤溶液等を用いて粗化処理を行うことができる。
ついでメッキレジスト層を形成することが好ましい。メッキレジスト層は感光性ポリイミドなどの永久レジストを用いても良いし、剥離可能なレジスト層を用いても良い。その後無電解メッキを行い導体層を形成することにより、アディティブ方式の回路形成を行うことができる。また本発明の回路基板では、無電解メッキにより形成された導電層に、さらに電解メッキを用いることによりセミアディティブ方式の回路形成を行うこともできる。導体層形成後に好ましくは150℃〜250℃で15分〜90分程度熱処理することにより、樹脂組成物の硬化を促進し、耐熱性、ピール強度の改善を行うこともできる。
無電解メッキする金属種は特に制限を受けないが、銅、銀、金などで行うことが好ましい。無電解メッキの方法についても、公知の方法を用いることができ、特に制限を受けないが、好ましくは絶縁層表面上にPdなどのメッキシーズを析出させた後メッキする置換メッキや、酸化・還元反応を用いて電気学的にメッキ析出を行う還元メッキなどが挙げられる。
本発明の回路基板は、無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキを施す絶縁層を形成する樹脂組成物としては、本発明の回路基板は無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキが施される絶縁層が実質的にハロゲン原子を含まず、更に好ましくは実質的にリン原子を含まないものでありながら難燃性の要求に応えることができ、かつ高い耐薬品性を持つものである。
以下に本発明の回路基板で無電解メッキを施す絶縁層を形成する樹脂組成物の好ましい例を詳細について説明する。
本発明の回路基板で無電解メッキを施す絶縁層を形成する樹脂組成物には、樹脂分の質量の合計に対し、マレイミド基を有する化合物を窒素換算で2.0%以上含有するものが好ましい。より好ましくは、3.0%以上7.5%以下、更に好ましくは4.0%以上7.0%以下である。これを満たす好ましい具体例としては、(A)少なくとも二つ以上のマレイミド基を含む化合物を挙げることができる。
(A)少なくとも二つ以上のマレイミド基を含む化合物
本発明で用いられる少なくとも二つ以上のマレイミド基を含む化合物は、少なくとも二つ以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されないが、好ましくは下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 0004500091
式中、R1はm価の有機基を示す。mは2以上の整数であり、好ましくは2〜10である。R1が示す有機基としては、下記一般式(2−1)ないし(2−3)からなる群より選ばれるものが好ましく例示される。
Figure 0004500091
Figure 0004500091
Figure 0004500091
(式中、Xは互いに同一でも異なっていてもよく、−CH−、−C(CH−、−C(C−、−CO−、−O−、−(単結合)、−S−または−SO2−を示す。Yは互いに同一でも異なっていてもよく、−CH3、−CH2CH3、または水素原子を示す。)
本発明で用いることのできる少なくとも二つ以上のマレイミド基を含む化合物として具体的には、例えば、N,N’−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N’−[1,3−(2−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N’−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ケトン、1,4−ビス(マレイミドメチル)ベンゼン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン等が挙げられる。
また本発明で用いられる少なくとも二つ以上のマレイミド基を含む化合物として、下記一般式(3)
Figure 0004500091
(式中、nは平均値で0〜10である。)で表されるマレイミド基を含む化合物、および下記一般式(4)
Figure 0004500091
(式中、pは平均値で0〜10である。)で表されるマレイミド基を含む化合物なども挙げられる。これらのマレイミド基を含む化合物(A)は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの二つ以上のマレイミド基を含む化合物はあらかじめ単独もしくは2種以上の組み合わせでプレポリマー化した上で用いてもよいし、後述の(C)の樹脂成分とプレポリマー化した上で用いてもよい。
少なくとも二つ以上のマレイミド基を含む化合物(A)の含有量は、樹脂組成物中の無機成分を除いた樹脂成分の質量の合計に対して、マレイミド基を含む化合物(A)中の窒素原子含有量として好ましくは2.0質量%以上10質量%以下、より好ましくは3.0質量%以上7.5質量%以下の量で含有することが望ましい。
樹脂組成物中の少なくとも二つ以上のマレイミド基を含む化合物(A)の含有量が上記範囲内にある方が、得られる樹脂組成物から得られる基板、積層板などは十分な難燃性を有する。マレイミド基を含む化合物(A)中の窒素原子含有量は最大で約14%程度であるため、他の樹脂成分の合計量は最大で約80質量%程度である。
本発明の回路基板は無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキを施す絶縁層を形成する樹脂組成物中に(A)の他に更に
(B)水酸化アルミニウム、(C)他の樹脂成分、(D)粗化用可溶性成分、を含むことが好ましい。
(B)水酸化アルミニウム
本発明において用いられる水酸化アルミニウムは、一般的に用いられる水酸化アルミニウム、または水和アルミナであれば特に制限を受けない。これら水酸化アルミニウムの化学式はAl(OH)3、またはAl2O3・3H2Oで示される。水酸化アルミニウムは、加熱時に結晶水を放出し、難燃剤として機能するのみでなく、酸、酸化剤の溶液中で比較的可溶性が高いため、後述するような粗化用可溶性成分としても機能する。
水酸化アルミニウムとしては、不純物として含まれるNa2Oの含有量が低いことが好ましい。Na2Oの含有量としては好ましくは0.3%未満、より好ましくは0.2%以下、より更に好ましくは0.1%以下である。水酸化アルミニウム中に不純物として含まれるNa2O量が多い場合は洗浄を行う方法、特開平8−325011号公報などに記載されているような方法などにより、含有するNa2O量を0.3%未満に低減した上で用いることが好ましい。
水酸化アルミニウム中のNa2O含有量が上記範囲内にあると、該水酸化アルミニウムを含む樹脂組成物は耐熱性が高いため好ましい。耐熱性が高いことの理由は、水酸化アルミニウム中のNa2Oが遊離したNaが樹脂組成物の硬化反応を阻害または急激に促進することにより樹脂組成物の硬化状態が異常になることがないためであると考えられる。さらに、Na2O含有量の低い水酸化アルミニウムは結晶水放出の最低温度が比較的高いということも耐熱性が高いことの理由の一つであると思われる。また、水酸化アルミニウム中のNa2O含有量が上記範囲内にあると、回路基板として使用された場合にイオンマイグレーションによる信頼性劣化を引き起こしにくく好ましい。本発明で用いられる水酸化アルミニウムの粒径は特に限定されないが、好ましくは平均粒径が0.1〜10μmのものが用いられる。これら水酸化アルミニウムは、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
また上記の水酸化アルミニウムには、カップリング剤を使用することが好ましい。カップリング剤としてはシラン系、チタネート系、アルミネート系およびジルコアルミネート系などのカップリング剤が使用できる。その中でもシラン系カップリング剤が好ましく、特に反応性の官能基をもつシラン系カップリング剤がより好ましい。
シラン系カップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができ、これらの1種類または2種類以上が使用される。これらのシラン系カップリング剤は予め水酸化アルミニウム表面に吸着ないしは反応により固定されていることが好ましい。カップリング剤を用いると、水酸化アルミニウムと樹脂との接着性が向上し、得られる回路基板の機械的強度、耐熱性の向上が期待できる。
水酸化アルミニウムは、樹脂成分の質量の合計を100質量部としたときに5〜100質量部、好ましくは5〜80質量部含有することが望ましい。水酸化アルミニウムの含有量が上記範囲内にあると、難燃効果が得られワニスにしたときの粘度が適度であり作業性に優れ耐薬品性に悪影響を与えることもなく好ましい。
(C)他の樹脂成分
本発明の回路基板は無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキを施す絶縁層を形成する樹脂組成物中の他の樹脂成分としては、特に制限を受けないが、熱硬化性樹脂として公知のものが1種あるいは2種以上組み合わせて使用される。具体的にはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、反応性官能基をもつポリフェニレンエーテル樹脂などが挙げられる。エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂を用いると、熱硬化する際に(A)の化合物と相溶性が良く好ましい。
エポキシ樹脂としては特に制限を受けないが、芳香族環を多く含むエポキシ樹脂を使用すると、樹脂組成物の難燃性が向上し、難燃剤として添加する水酸化アルミニウムの量が低下するため、結果耐薬品性が向上し好ましい。芳香族環を多く含むエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ、ビスフェノールAノボラック型エポキシ、フェノールアラルキル型エポキシ、ナフトールアラルキル型エポキシ、ナフトールノボラック型エポキシなどが挙げられる。好ましくはクレゾールノボラック型エポキシ、ナフトールノボラック型エポキシなどが挙げられる。
フェノール樹脂としては特に制限を受けないが、芳香族環を多く含むフェノール樹脂を使用すると樹脂組成物の難燃性が向上し、難燃剤として添加する水酸化アルミニウムの量が低下するため、結果耐薬品性が向上し好ましい。芳香族環を多く含むフェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂などが挙げられる。
シアネート樹脂とは、多官能性シアン酸エステル、またはシアン酸エステルプレポリマー、またはそれらの混合物であり、特に制限を受けない。多官能性シアン酸エステルとしては、4,4−ジシアナトビフェニル、ビス(4−ジシアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エーテルなどが挙げられる。
また、これらの樹脂成分中には、熱硬化した際に(A)の化合物との相溶性が悪くならない範囲で、熱可塑性の樹脂成分を添加することができる。これら熱可塑性樹脂成分は樹脂組成物がシート成形された際に可とう性を付与したり、電気特性を改良したりすることができる。また、これら熱可塑性樹脂成分は、後述する(D)の成分のように粗化用可溶性成分として機能するものもある。熱可塑性成分として具体的にはポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレンアクリルゴムなどが挙げられるが、特に制限はない。これら熱可塑性樹脂は一部をエポキシ基、マレイン酸基、イミド基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基などで変性してあってもよい。これら熱可塑性樹脂の分子量の範囲は1000〜1000000程度が好ましい。特に好ましくは1000〜10000程度である。分子量の範囲が上記の範囲にある場合、熱硬化に際して(A)の化合物と相溶性が良好であり、好ましい。
(D)粗化用可溶性成分
本発明の回路基板は、無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキを施す絶縁層を形成する樹脂組成物中には、無電解メッキを行った際のメッキの密着強度を向上させるため、樹脂表面を粗化するための成分を添加することができる。この粗化用の成分はすなわち、酸あるいは酸化剤溶液中で溶解速度が他の樹脂成分に比較して高い、可溶性の成分である。これらの粗化用可溶性成分としては、有機フィラーが挙げられる。フィラーの形状としては球状、破砕形状、針状、顆粒状などがあり、2種以上の形状を組み合わせて用いることもできる。フィラーの粒径は0.1μm〜10μm程度、好ましくは0.1μm〜5μm程度である。フィラーの粒径の範囲が上記であると、樹脂中で均一に分散しやすいだけでなく、樹脂組成物を塗布・含浸する際に用いるワニス状となったときに沈降・凝集などが起こりにくく、作業性に優れる。またこれらのフィラーは分散性、樹脂との密着性を向上するために公知の技術で表面処理を行ってもよい。
有機フィラーとしては上記の形状を持つ樹脂であれば特に制限はない。樹脂としてはポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル化エチレンアクリルゴムなどのゴム樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコン樹脂などの熱可塑性樹脂等が使用できる。また、2種類以上の樹脂の多層構造(コア−シェル構造)となっていてもよい。これら有機フィラーの添加量としては、樹脂組成物中の無機成分を除いた樹脂成分の質量の合計に対して1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%の範囲である。(B)の水酸化アルミニウムの添加量が比較的多い場合は、有機フィラーの添加量は非常に少量であっても十分な粗化効果を得ることができる。
(硬化促進剤)
本発明の回路基板は無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキを施す絶縁層を形成する樹脂組成物は、硬化促進剤を含有することが好ましい。硬化促進剤としては例として2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレートなどのイミダゾール類;トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリンなどのアミン類;オクチル酸亜鉛などの金属触媒化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩類;1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7およびその誘導体等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
これら硬化促進剤の含有量は、後述するワニスまたはプリプレグの所望するゲル化時間が得られるように配合するのが望ましいが、一般的には、樹脂組成物中の無機成分を除いた樹脂成分の質量の合計に対して0.005〜10質量%の範囲で用いられるのが好ましい。
(添加剤)
本発明の回路基板は無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキを施す絶縁層を形成する樹脂組成物には用途に応じて添加剤を加えることもできる。添加剤の好ましい例としては、染料、顔料、滑剤、沈降防止剤、消泡剤、レベリング剤、表面張力調整剤として一般に使用される添加剤などがあげられる。具体的な例としてはフッ素系、シリコン系、アクリル系などの消泡剤、レベリング剤が挙げられる。添加剤の含有量は、一般的には樹脂成分の合計量100質量部に対して、0.0005〜10質量部の範囲で用いられることが好ましい。
(樹脂組成物の調製方法)
本発明の回路基板は無電解メッキにより導電層が形成されており、無電解メッキを施す絶縁層を形成する樹脂組成物は、例えばマレイミド基を含む化合物(A)と、他の樹脂成分(C)、粗化用可溶性成分(D)とを好ましくは80〜200℃で、0.1〜10時間程度加熱混合して均一な混合物とすることができる。水酸化アルミニウム(B)を加える場合は、上記の混合物を常温で粉砕し、粉末状態で混合することもできるし、以下に記述する樹脂ワニス中に水酸化アルミニウムを混合することもできる。
(樹脂ワニス)
本発明の回路基板に用いる絶縁層は、その製造に際して上記の樹脂組成物を溶剤に溶解した樹脂ワニスを用いることができる。樹脂ワニスに用いられる溶剤としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジオキサン、アセトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン、2−へプタノンなどが挙げられる。溶剤としては、比較的沸点が低いものが好ましく、メチルエチルケトン、アセトン、ジオキサンまたはこれらを主成分とする混合物が好ましく用いられる。
本発明の回路基板に用いる絶縁層の製造に際して用いられる樹脂ワニスは、本発明の目的を損なわない範囲内において、上記(A)、(B)、(C)、(D)以外の他の樹脂成分を含有していてもよい。樹脂ワニス中のマレイミド基を含む化合物(A)、水酸化アルミニウム(B)、他の樹脂成分(C)、粗化用可溶性成分(D)の含有量は上記樹脂組成物と同様である。
樹脂ワニスは、上記のような硬化促進剤を含有することが好ましく、含有量は上記と同様である。また樹脂ワニスは、上記樹脂組成物が含有していてもよい添加剤その他を含有することができる。樹脂ワニス中には、上記樹脂成分が、合計で好ましくは50〜80質量%、より好ましくは55〜75質量%の範囲で含まれることが望ましい。
樹脂ワニスは、例えば、有機溶剤中でマレイミド基を含む化合物(A)、および他の樹脂成分(C)を加熱混合して均一な溶液とすることにより調製し、その後水酸化アルミニウム(B)、粗化用可溶性成分を混合して調整することができる。加熱混合時の温度は有機溶剤の沸点にもよるが、好ましくは50〜200℃であり、加熱混合時間は、好ましくは0.1〜20時間である。(B)、(D)の混合に際しては二本ロール、三本ロールなどのロール混練機を用いて常温あるいは加熱下で行っても良いし、らいかい機、ボールミル、振とう機などの機器を使用する公知の方法で行うことができる。
(プリプレグ)
本発明の回路基板に用いる絶縁層の一つとして用いることのできるプリプレグは、基材に上記樹脂組成物を含浸し、次いで乾燥して溶剤を除去することにより製造することができる。基材としては、ガラス不織布、ガラスクロス、炭素繊維布、有機繊維布、紙等の従来プリプレグに用いられる公知の基材が全て使用可能である。上記樹脂ワニスを上記基材に塗布または含浸した後、乾燥工程を経てプリプレグを製造するが、塗布方法、含浸方法、乾燥方法は従来公知の方法が用いられ特に限定されるものではない。
乾燥条件については、使用する溶剤の沸点により適宜決められるが、プリプレグ中の残存溶剤の量が1質量%以下となるような条件であることが望ましい。具体的な例を挙げると、140℃〜220℃の範囲において5分〜10分程度の滞留時間が好ましいが、連続でプリプレグの乾燥を行うような製造工程においては、温度の最適な範囲は搬送速度に依存して変化するためこの限りではない。
(層間絶縁シート)
本発明の回路基板に用いる絶縁層の一つとして用いることのできる層間絶縁シートは離型フィルム上に上記樹脂組成物を塗布し、次いで乾燥して溶剤を除去することにより製造することができる。離型フィルムとしては従来離型フィルムとして用いられる公知のフィルムが全て使用できる。具体的には、ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、4−メチルペンテン−1フィルム、フッ素樹脂フィルム等である。上記樹脂ワニスを上記離型フィルムに塗布した後、乾燥工程を経てフィルムを製造するが、塗布方法、乾燥方法は従来公知の方法が用いられ特に限定されるものではない。
乾燥条件については、使用する溶剤の沸点により適宜決められるが、プリプレグ中の残存溶剤の量が1質量%以下となるような条件であることが望ましい。具体的な例を挙げると、140℃〜220℃の範囲において5分〜10分程度の滞留時間が好ましいが、連続でプリプレグの乾燥を行うような製造工程においては、温度の最適な範囲は搬送速度に依存して変化するためこの限りではない。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1〜7
表1に示す組成のうち樹脂成分を、フラスコ内メチルエチルケトン:N−メチル−2−ピロリドンの混合溶媒(混合比はメチルエチルケトン:N−メチル−2−ピロリドン=4:1)中で80℃、6時間溶解し、樹脂ワニスを得た。このようにして得られた樹脂ワニスに水酸化アルミニウム、硬化促進剤、粗化用可溶性成分、添加剤を加え均一に攪拌し、IPCタイプ1078のガラスクロスに含浸し、150℃で8分間乾燥して厚み約75μmのプリプレグを得た。これらプリプレグを日本プリント回路工業会の規格JPCA−ES−01に則ってイオンクロマトグラフィーでハロゲンイオン、燐酸イオンの含有量を測定したところ、いずれも0.09wt%以下であった。
(難燃性試験)
これらのプリプレグをUL94Vの方法で接炎した後の残炎時間を測定し、V−0、V−1、V−2の判定を行った。
(耐薬品性試験)
これらのプリプレグを5枚と銅箔を積層し、熱プレスを行って得た両面銅張板の銅箔を全て除去したものを5cm角に切り出し重量測定を行った。さらにこれら板片を4mol/リットルの水酸化ナトリウム溶液(70℃)中で攪拌下2時間放置した。150℃で30分間乾燥を行った後再度重量測定を行い、重量の減少を初期の重量で除し、重量減少率を得て耐薬品性とした。
(無電解メッキ試験)
ビスマレイミドトリアジン両面銅張板(0.2mm厚)、銅箔12μm品に回路加工を行った内層基板を硫酸・過酸化水素水系表面処理液(メック社製)で表面粗化を行った。次いで先に作成したプリプレグを積層し、18μmの銅箔(GTS−STD、古河サーキットホイル社製)を配置したのち200℃、1.9MPa、75分間真空プレス中で加熱・加圧を行った。その後銅箔を全て除去し、5μm無電解銅メッキを行った。無電解銅メッキ後、さらに電解メッキを行い導体層の厚みを25μmとした。このようにして得た基板を5cm角に切り出し、プレッシャークッカーで121℃2.1atm、RH100%の条件下で6時間前処理を行い、260℃のハンダ層にディップし、20秒分後に膨れの発生した個片数を計数した。
実施例では、以下の原料を使用した。
(A)マレイミド基を含む化合物;BMI−S(商品名、窒素原子含有量:約8%、三井化学(株)社製)
BMI−MP(商品名、窒素原子含有量:約10%、三井化学(株)社製)
(B)水酸化アルミニウム;
水酸化アルミニウム;HS−330(商品名、平均粒子径;7μm、Na2O量;0.04%、昭和電工(株)社製)
CL−303(商品名、中心粒径;2.5μm、Na2O量;0.21%、住友化学工業(株)社製)
(C)他の樹脂成分;
ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ESN−165S(商品名、エポキシ当量220、新日鐵化学(株)社製)
ナフトールアラルキル樹脂、SN485(商品名、OH当量215、新日鐵化学(株)社製)
シアネート樹脂、AROCY B10(商品名、旭チバエポキシ(株)社製)
(D)粗化用可溶性成分;
エポキシ化ポリブタジエン、B−1000(商品名、日本石油化学(株)社製)
硬化促進剤;
2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ(商品名)、四国化成工業(株)社製)
オクチル酸亜鉛
Figure 0004500091
比較例1、2
比較例として、表2に示す市販の回路基板用積層材料を使用した。比較例1では三菱瓦斯化学社製プリプレグGHPL−830を使用した。比較例2では松下電工社製プリプレグR−1551を使用した。試験項目については実施例と同様に行った。
Figure 0004500091
実施例に比較して、比較例1はハロゲン元素を含有しており、比較例2はリン元素を含有しているため、燃焼時に環境に悪影響を与える可能性があり、環境負荷の小さい材料とは言い難い。
ハロゲン化合物、リン化合物を含まずに難燃性を得ることができるため、電子部品等に使用される回路基板材料としては比較的環境負荷の小さい(環境に悪影響を与え得る化合物を含有していない)ものとして使用され得る。また耐薬品性に優れることから、無電解めっきを使用した回路基板であり、より微細配線化、易インピーダンス制御化が可能になる。

Claims (5)

  1. 絶縁層と、前記絶縁層に無電解メッキにより形成された導電層とを含む回路基板であって、
    前記絶縁層は、ハロゲン元素を実質的に含まず、かつマレイミド基を有する化合物と、水酸化アルミニウムと、酸・酸化剤溶液に可溶な有機フィラーとを含有する樹脂組成物から形成され
    前記樹脂組成物は、樹脂成分の合計に対し、前記水酸化アルミニウムを55.6〜80質量%含有し、かつ前記有機フィラーを1〜11.1質量%含有する、回路基板。
  2. 無電解メッキの施される絶縁層が、更にリン元素を実質的に含まないものである請求項1記載の回路基板。
  3. 前記樹脂組成物は、樹脂分の質量の合計に対し、前記マレイミド基を有する化合物を窒素換算で2.0%以上含有するものである請求項1又は2記載の回路基板。
  4. 酸・酸化剤溶液に可溶な有機フィラーは、ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、カルボキシル化エチレンアクリルゴム、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路基板。
  5. 酸・酸化剤溶液に可溶な有機フィラーの粒径は、0.1μm〜10μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路基板。
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