JP4499338B2 - ラテックス、接着処理液、繊維部材および繊維部材と加硫ゴム部材との複合部材 - Google Patents
ラテックス、接着処理液、繊維部材および繊維部材と加硫ゴム部材との複合部材 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維部材と加硫ゴム部材との接着性が良好で、十分な粘着性を有する接着剤組成物層を形成する接着処理液、該接着処理液で処理した繊維部材ならびに該繊維部材と加硫ゴム部材との複合材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムによって代表されるよう素価の小さなニトリル基含有共重合ゴムが注目されている。このニトリル基含有共重合ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムのように主鎖構造に炭素−炭素間不飽和結合の多い一般的なニトリル基含有共重合ゴムに比べて、耐熱性、耐油性などが優れている。
【0003】
このニトリル基含有共重合ゴムのラテックスを含有する接着剤組成物は、耐熱性、耐油性およびゴム加硫物の表面への接着性に優れている。そのため、この接着剤組成物で処理された繊維部材と加硫ゴム部材を複合することにより、機械的強度に優れた部材を得ることが提案されている(特開平8−100085号)。
【0004】
例えば、ガラス繊維を撚って製造したガラス芯線とニトリル基含有共重合ゴム加硫物のベルト基材とを組み合わせたベルトにおいて、ガラス芯線をこの接着剤組成物で処理した場合、ガラス芯線とベルト基材は強固に接着し、優れたベルトとなる。しかし、実際の使用においては、接着剤組成物の粘着性が不十分であるため、ガラス芯線に掛かる荷重の変動により、ガラス繊維がほぐれやすく、ほぐれた繊維は切れやすく、ガラス芯線全体が切れてしまう可能性があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐熱性および耐油性に優れ、ゴム加硫物との接着性が良好で、粘着性を有する接着剤組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、特定の共重合組成を有し、重合時にその単量体の反応性に応じて重合反応液中の単量体濃度を制御することにより得た、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が小さなニトリル基含有共重合体ゴムのラテックスを用いて調製した接着剤組成物層が粘着性に優れること、繊維部材と加硫ゴム部材とを強固に接着することを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成させるに到った。
【0007】
かくして、本発明によれば、第一の発明として、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体単位含有量10〜30重量%、よう素価250以下、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜120であり、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が15℃以下であるニトリル基含有共重合ゴムのラテックスが提供される。第二の発明として、該ラテックスとレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とを含有してなる接着処理液が提供される。第三の発明として、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体単位含有量10〜30重量%、よう素価250以下、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜120であり、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が15℃以下であるニトリル基含有共重合ゴム粒子とレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とからなる接着剤組成物が提供される。第四の発明として、繊維基材の表面の少なくとも一部に該接着剤組成物の層を形成した繊維部材が提供される。第五の発明として、繊維基材の表面の少なくとも一部に該接着処理液を塗布し、乾燥する繊維部材の製造方法が提供される。また、第六の発明として、該繊維部材と加硫ゴム部材とが接着されて成る複合部材が提供される。さらに、第七の発明として、繊維部材の表面に形成された接着剤組成物の層と加硫性ゴム組成物を接触させ、加硫する繊維部材と加硫ゴムの複合部材の製造方法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のラテックスは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体単位含有量10〜30重量%、よう素価250以下、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜120であり、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が15℃以下であるニトリル基含有共重合ゴムのラテックスである。
【0009】
本発明に用いるニトリル基含有共重合ゴムは、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体単位含有量10〜30重量%、よう素価250以下、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜120であり、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が15℃以下である。
【0010】
α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体としては、アクリロニトリル;α−クロロアクリロニトリル、α−ブロモアクリロニトリルなどのα−ハロゲノアクリロニトリル;メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのα−アルキルアクリロニトリル;などが挙げられ、アクリロニトリルが好ましい。
【0011】
ニトリル基含有共重合ゴム中のα,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体単位(以下、単量体単位(a)という)の含有量は、10〜30重量%、好ましくは12〜25重量%、より好ましくは17〜23重量%である。単量体単位(a)の含有量が少なすぎると接着剤組成物の接着性が劣り、多すぎると粘着性が悪くなる。
【0012】
ニトリル基含有共重合ゴムの製造において、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体と共重合可能な単量体としては、共役ジエン系単量体、非共役ジエン系単量体、α−オレフィンなどが例示される。共役ジエン系単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、1,3−ブタジエンが好ましい。非共役ジエン系単量体としては、好ましくは炭素数が5〜12のものであり、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどが例示される。α−オレフィンとしては、炭素数が2〜12のものが好ましく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが例示される。さらに、芳香族ビニル系単量体、フッ素含有ビニル系単量体、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸またはその無水物、共重合性の老化防止剤などを共重合してもよい。
【0013】
芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。フッ素含有ビニル系単量体としては、例えば、フルオロエチルビニルエーテル、フルオロプロピルビニルエーテル、o−トリフルオロメチルスチレン、ペンタフルオロ安息香酸ビニル、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンなどが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸としては、例えば、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸無水物としては、例えば、無水イタコン酸、無水マレイン酸などが挙げられる。共重合性の老化防止剤としては、例えば、N−(4−アニリノフェニル)アクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)シンナムアミド、N−(4−アニリノフェニル)クロトンアミド、N−フェニル−4−(3−ビニルベンジルオキシ)アニリン、N−フェニル−4−(4−ビニルベンジルオキシ)アニリンなどが挙げられる。
【0014】
ニトリル基含有共重合ゴムのよう素価は、250以下、好ましくは200以下、より好ましくは180以下である。よう素価が大きすぎると接着剤組成物が耐熱性に劣る。
【0015】
ニトリル基含有共重合ゴムのムーニー粘度(L1+4,100℃)は、10〜120、好ましくは15〜80、より好ましくは20〜60である。ムーニー粘度が小さすぎると接着剤組成物の機械的強度が劣る場合があり、逆に大きすぎると粘着性が劣る場合がある。
【0016】
ニトリル基含有共重合ゴムは、JIS K7121「プラスチックの転移温度測定方法」に規定された、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差(△T)が15℃以下、好ましくは14℃以下、より好ましくは13℃以下のものである。この温度差(△T)が大きすぎると、本発明の接着剤組成物の粘着性が劣る。
【0017】
補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差(△T)を上記範囲にするためには、ニトリル基含有共重合ゴム中の単量体単位(a)の組成分布幅およびα,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体と共重合可能な単量体単位(b)(以下、単量体単位(b)という)の組成分布幅を、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下、特に好ましくは55重量%以下にすればよい。各単量体の組成分布幅とは、各単量体の[全重合体中の含有量]に対する[重合体の微小部分における含有量の最大値と最小値の差]の比率をいう。重合体の微小部分とは、重合体の微小な一部分をいい、重合体分子量の好ましくは1〜5重量%、より好ましくは2〜4重量%に該当する部分をいう。組成分布幅は、通常は、重合の進行による重合に供した未反応の単量体量の変化を経時的に測定し、その測定値に基づいて求める。組成分布幅が大きすぎると、上記温度差(△T)が大きくなりすぎる場合がある。
【0018】
なお、単量体単位は、水素添加のような重合終了後の処理で構造が変化する場合がある。そのような場合は、変化前後の単量体単位を同一の単量体単位とみなして組成分布幅が上記範囲に入ればよい。例えば、ブタジエンを共重合し、重合終了後に水素添加した場合は、不飽和結合を有するブタジエン単位の少なくとも一部の不飽和結合が水素化され、飽和ブタジエン単位ができるが、両者を同一のブタジエン単位とみなしての組成分布幅が上記範囲に入っていればよい。
【0019】
また、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体と共重合可能な単量体として、複数種の単量体を用いた場合、各単量体単位の組成分布幅がそれぞれ上記範囲であることが好ましい。α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体として、複数種の単量体を用いた場合も同様に、各単量体単位の組成分布幅がそれぞれ上記範囲であることが好ましい。
【0020】
ニトリル基含有共重合ゴム中の単量体単位(a)、単量体単位(b)の各含有量は、セミミクロケルダール法による窒素含有量測定、赤外吸収スペクトル分析やよう素価測定による不飽和結合量の測定、赤外吸収スペクトル分析、1H−NMR、13C−NMR、熱分解ガスクロマトグラフィなどによる部分構造の同定、量比の測定などの複数の測定法を組み合わせることにより求めることができる。一般的には、1H−NMRによる部分構造の同定、量比の測定が最も信頼性の高いが、1H−NMRのチャートでは複数のピークが重なるなどの原因で解析できない場合があり、他の方法と併用して解析することが望ましい。
【0021】
本発明のラテックスにおいて、ニトリル基含有共重合ゴムは粒子として存在しており、粒子の平均粒子径は、好ましくは50〜150μm、より好ましくは70〜120μm、特に好ましくは80〜100μmである。粒子径が小さすぎると凝集しやすく、逆に大きすぎると粒子が沈殿するため、保存が困難であり、接着処理液の調製が困難である。
【0022】
本発明のラテックスの製造方法は特に限定されないが、通常、乳化重合を用いる。乳化重合において一般に用いられる乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤などの重合副資材を使用してもよい。これらの種類および量は、ニトリル基含有共重合ゴムのラテックスが得られるかぎり、特に限定されない。
【0023】
本発明のラテックスを乳化重合によって製造する場合、前述のように、単量体単位の組成分布幅が特定範囲になるように重合時の制御して、補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差(△T)が上記範囲のゴムを重合する。組成分布幅を制御するための重合反応条件は、予め、予備実験において決めておけばよい。予備実験では、重合反応の進行に合わせて、好ましくは重合転化率1〜5重量%毎に、より好ましくは重合転化率2〜4重量%毎に、重合反応液中の各単量体量を測定し、重合体の微小部分の各単量体の含有量を求める。その含有量に基づいて求められた組成分布幅が前述の範囲内になるように重合反応条件を決める。一般的には、各単量体を特定の時点で特定量追加することに組成分布幅を制御する。重合反応条件の検討は、コンピューターのシミュレーションなどで置き換えることも可能であり、その結果を実験において確認すればよい。
【0024】
重合されたゴムのよう素価を250以下にするためには、水素添加反応が必要である。そのためには、ゴム粒子を分散させた乳化剤水溶液中に水素添加触媒を必要量加え、乳化剤水溶液のゴム粒子を水素と接触させればよい。水素添加触媒は特に限定されない。水素添加温度は、好ましくは20〜150℃、より好ましくは30〜100℃である。水素添加温度が低すぎると反応速度が遅い場合があり、高すぎるとニトリル基の水素添加などの副反応が起こる場合がある。水素源としては、水素ガスを使用し、ラテックス状態のニトリル基含有不飽和共重合体ゴムと接触させればよい。水素圧は、好ましくは大気圧〜150kg/cm2、より好ましくは5〜100kg/cm2である。水素圧が低すぎると反応速度が遅い場合があり、高すぎると設備などの安全性が問題となる場合がある。水素添加反応終了後、水素添加触媒を除去することが好ましいが、粘着性に影響のない程度の量であれば、残存させてもよい。水素添加触媒の除去方法も特に限定されず、例えば、イオン交換樹脂と接触させ、水素添加触媒を樹脂に吸着させて、除去すればよい。
【0025】
本発明のラテックスの固形分濃度は、好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは35〜45重量%である。固形分濃度が低すぎると均一な接着処理液を調整できない場合があり、逆に高すぎると貯蔵安定性に劣る場合がある。
【0026】
本発明の接着処理液は、上記ラテックスとレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とを含有してなる。接着処理液とは、複合部材において、接着する一組の基材を結合させる接着剤組成物の成分を水系媒体中で分散させたものである。
【0027】
本発明に用いるレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂は、レゾルシノールとホルムアルデヒドとを反応させて得られる樹脂である。ノボラック型のものでもレゾール型のものでもよいが、レゾルシノール1モルに対するホルムアルデヒドの反応量が好ましくは0.1〜3.5モル、より好ましくは0.2〜3モルのものである。反応方法は、特に限定されず、公知の方法によればよい。
【0028】
上記ラテックス中に分散しているニトリル基含有共重合ゴム粒子100重量部あたりのレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂の配合量は、好ましくは3〜60重量部、より好ましくは5〜40重量部、特に好ましくは10〜30重量部である。レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂の配合量が少なすぎると、接着剤組成物の接着性が不足する場合があり、逆に多すぎると接着剤組成物の粘着性が不足する場合がある。
【0029】
本発明の接着剤組成物は、α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体単位含有量10〜30重量%、よう素価250以下、ムーニー粘度が10〜120であり、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が15℃以下であるニトリル基含有共重合ゴム粒子とレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂からなる。
【0030】
好ましいニトリル基含有共重合ゴム粒子、レゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂の種類、両者の比率などは、上記のラテックスおよび接着処理液と同様である。
【0031】
接着剤組成物中の水分は好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下である。水分が多すぎると、接着性および粘着性が低下する場合がある。また、接着後に発泡の原因となり、接着させた基材の剥離を引き起こすこともある。
【0032】
接着剤組成物の製造方法は特に限定されないが、上記接着処理液から水分を除去して製造するのが一般的であり、具体的には、接着しようとする一組の基材の少なくとも一方の表面に接着処理液を塗布し、乾燥させて形成される塗膜が接着剤組成物層として用いられる。塗布する方法は、特に限定されず、はけ塗り、吹き付け、ディッピングなどの方法で行なえばよい。
【0033】
接着剤組成物層の厚さは、特に限定されない。例えば、ガラス繊維ストランドに塗布する場合は、ストランドが0.1mm単位の太さであり、あまり太くなるとストランドを撚って得たガラス繊維コードの強度に影響するため、乾燥後の厚さで好ましくは0.1〜10μm、0.2〜5μm、特に好ましくは0.5〜2μm以下である。しかし、織布や不織布に吹き付け、ディッピングなどの方法で接着剤組成物層を形成する場合は、乾燥後の厚さで、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜100μm、特に好ましくは1〜50μmである。水分を乾燥させる方法は特に限定されず、減圧、過熱を組み合わせて処理してもよい。
【0034】
接着しようとする一組の基材の一方の好ましい例としては、繊維基材が挙げられ、繊維から形成された不織布、繊維を撚った糸、そのような糸を織った織布、繊維を撚ったコードなどの補強用繊維基材が好ましい。また、好ましい繊維の種類としては、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリベンゾビスオキサゾール繊維などが挙げられる。
【0035】
本発明の繊維部材は、繊維基材の表面の少なくとも一部に上記接着剤組成物の層を形成したものである。繊維部材が糸またはコードである場合、繊維を撚って得た糸またはコードの表面に接着処理液を塗布して接着剤組成物層を形成して繊維部材としても、繊維または繊維を集めたストランドの表面に接着処理液を塗布して接着剤組成物層を形成した後、これを撚って糸またはコードを得てこれを繊維部材としてもよい。また、このようにして得た糸を用いて織布を繊維部材としてもよい。特に繊維表面に接着処理液の接着剤組成物層を形成後に、これを撚って糸またはコードとした場合は、糸またはコードの繊維がほつれにくく、ほつれたために繊維が切断されることが少ない。さらに繊維が切断されても、それが原因のほつれが生じにくく、糸またはコードの強度の低下が少ない。
【0036】
接着剤組成物の層を形成した表面は、接着性に優れ、加硫ゴム部材との接着性に優れ、中でも加硫性ゴム組成物と接触させて、加硫性ゴム組成物を加硫することにより、繊維部材と加硫ゴム部材との間に、強固な接着を形成する。
【0037】
繊維部材の製造方法は、特に限定されないが、繊維基材の表面の少なくとも一部に上記接着処理液を塗布し、乾燥する方法が一般的に用いられる。
【0038】
また、接着しようとする一組の基材の残る一方の好ましい例としては、ベルト、タイヤ、ホースなどの加硫ゴム部材が好ましい。その材料となる未加硫ゴムは、特に限定されないが、好ましいゴムとして、ニトリル基含有共重合ゴムが挙げられ、特に好ましいゴムとして、よう素価が100以下のニトリル基含有共重合ゴムが挙げられる。なお、未加硫ゴムには、必要に応じて、シリカ、カーボンなどの補強剤;タルク、クレーなどの充填剤;酸化防止剤、耐候劣化剤などの安定剤;顔料;などの一般的な配合剤を配合してもよい。未加硫ゴムにゴムの特性に適した加硫剤を配合することにより、加硫性ゴム組成物を調製して、これを加硫して加硫ゴム部材とする。ニトリル基含有共重合ゴムの場合、一般的には、硫黄、モルフォリンジスルフィドなどの硫黄系加硫剤や有機過酸化物加硫剤が用いられる。
【0039】
本発明の複合部材は、繊維部材と加硫ゴム部材とが接着されたものである。複合部材の製造方法は、特に限定されないが、繊維部材の表面に形成された接着剤組成物の層と加硫性ゴム組成物を接触させ、加硫性ゴム組成物を加硫させる方法が好ましく用いられる。この方法によれば、繊維部材と加硫ゴム部材が強固に接着した複合部材が得られる。
【0040】
繊維部材の表面に形成された接着剤組成物の層と加硫性ゴム組成物との接触方法も特に限定されず、目的に応じて、繊維部材と加硫性ゴム組成物の二層構造にしても、繊維部材を加硫性ゴム組成物中に埋没させてもよい。成形と加硫とを同時に行なっても、成形後に加硫してもよく、加硫後に複合部材を切削して成形してもよい。例えば、繊維部材と加硫性ゴム組成物とをそれぞれ金型中の所定位置に固定することで接着剤組成物の層と加硫性ゴム組成物とを接触させ、加熱することにより、成形と加硫とを同時に行なってもよい。また、板状の押出して成形された加硫性ゴム組成物上に繊維部材を積層することにより、接着剤組成物の層と加硫性ゴム組成物とを接触させ、板状に成形された成形物を得、これを加熱して加硫させてもよい。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、部または%は特に断らない限り、重量基準である。
【0042】
ニトリル基含有共重合ゴムの単量体単位含有割合は、1H−NMR、ヨウ素価測定、セミミクロケルダール法による窒素含有量測定に基づいて求めた値であるが、重合において用いられた単量体の量と残存した単量体の量との差に矛盾しないことを確認した。
【0043】
補外ガラス転移開始温度(Tig)および補外ガラス転移終了温度(Teg)は、JIS K7121に従い、熱流束示差走査熱量測定を行って測定した。ただし、測定精度を高めるため、加熱速度を毎分20℃から毎分10℃に変更して測定した。
【0044】
よう素価はJIS K 6235に従って、ムーニー粘度ML1+4,100℃は、JIS K 6300に従って測定した。
【0045】
ガラス繊維コードと加硫ゴムとの接着性は、後述の方法によって、JIS K3256に従って測定した。
【0046】
ガラスと接着剤組成物との間の粘着性は、テル・タック計(特公昭47−12830号公報、モンサント社製、TT−1型)を用いて測定した。
【0047】
参考例1
硝酸パラジウム(NEケムキャット社製)をパラジウム濃度10重量%になるように蒸留水に溶解して、100mlの硝酸パラジウム水溶液を調製した。この水溶液のpHを測定しながら、水酸化ナトリウム(固体)を添加してpH12に調整した。この塩基性水溶液20mlを、別途調製しておいた1リットルの担体スラリー(担体として富田製薬製のケイ酸マグネシウムを使用。スラリー中の担体量100g)と混合した。混合後のスラリーのpHは12であった。混合液を30分間攪拌した後、固形分を濾別して蒸留水でよく洗った。回収した固形分を60℃で20時間真空乾燥して担持触媒を得た。原子吸光法で測定したパラジウムの担持量は2重量%であった。
【0048】
実施例1
反応器に、乳化剤として、脱イオン水205部およびドデシル硫酸ナトリウム(乳化剤)3部を仕込み、さらにアクリロニトリル11部、1,3−ブタジエン89部、t−ドデシルメルカプタン(分子量調整剤)0.54部、硫酸第一鉄(活性剤)0.015部およびp−メンタンハイドロパーオキサイド(重合開始剤)0.043部を加え、重合添加率を測定しながら、10℃で乳化重合を開始した。重合転化率が26%になった時点で、アクリロニトリル4.3部を添加した。追加したアクリロニトリルを重合転化率の計算の基準に加えて、重合転化率が41%になった時点で、さらにアクリロニトリル4.3部を添加した。ここで追加したアクリロニトリルも重合転化率の計算の基準に加えて、重合転化率が59%になった時点で、再度アクリロニトリル4.3部を添加した。ここで追加したアクリロニトリルを再度重合転化率の計算の基準に加えて、重合転化率が80%になった時点で、0.129部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加して重合を停止させた。なお、重合中、重合転化率が3%増加するごとに重合反応液の極少量を採取、分析して、重合体の微小部分の各単量体の含有割合を求めた。結果を表1に示す。重合停止に続いて、加温し、減圧下、70℃で、水蒸気蒸留により、未反応単量体を回収した後、老化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(老化防止剤)を2部添加して、ニトリル基含有共重合ゴムラテックスを得た。このラテックスに含有されるニトリル基含有共重合ゴムのアクリロニトリル含有量22.5%、よう素価は約364、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は30、△Tgは13℃であった。
【0049】
このニトリル基含有共重合ゴムラテックスに、参考例1で得た水素添加触媒をパラジウム量が1600ppmになるように添加し、水素圧5MPaで水素ガスを吹き込み、50℃で、よう素価が160になるまで水素添加して、水素添加ニトリル基含有共重合ゴムラテックスを得た。このラテックスに含有されるニトリル基含有共重合ゴムのアクリロニトリル含有量22.5%、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は30、△Tgは13℃であった。
【0050】
得られた水素添加ニトリル基含有共重合ゴムラテックスに、ゴム粒子100部に対しレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂(和光純薬製、レゾルシノール1モルとホルムアルデヒド1モルの反応物)20部を加えて、均一になるまでゆっくりと攪拌し、接着処理液を調製した。
【0051】
この接着処理液を無アルカリガラス組成(SiO264.4%、Al2O325%、CaO0.3%、MgO10.0%、B2O30.1%、Na2O及びK2O合わせて0.2%)のガラス繊維ストランド(フィラメント直径9μm、101テックス(フィラメント本数600本))に接着剤組成物層の厚さが約1.5μmとなるように塗布し、280℃で1分間熱処理を行った後、1インチ当たり2.1回の下撚りを施し、これを11本合糸して下撚りと反対方向に1インチ当たり2.1回の上撚りを施してガラス繊維コードを得た。
【0052】
アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム水素添加物(ゼットポール2020、日本ゼオン製、アクリロニトリル単位含有量36.2%、ヨウ素価28、ムーニー粘度ML1+4,(100℃)78)100部に、カーボンブラックN550を60部、亜鉛華1号5部、ステアリン酸1部、トリオクチルトリメリテート10部、4,4−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン1.5部、メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩1.5部、テトラメチルチウラムジスルフィド1.5部、硫黄0.5部およびシクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミド1部を配合して、加硫性ゴム組成物を調製した。この加硫性ゴム組成物をプレス圧5MPaにて、厚さ5mmのシート状に成形した。
【0053】
この加硫性ゴム組成物のシート状成形物の上に、前述のガラス繊維コードを長さ12cm、幅25mmとなるように並べ、プレス圧5MPa、150℃で30分間加硫して接着強度試験片を得た。得られた試験片について、JIS K 6256に従って、剥離試験を行ってガラス繊維コードとゴム加硫物との初期接着力を測定した。なお、上記試験片中のガラス繊維コードの含有率は約30重量%であった。
【0054】
また、得られた接着処理液を用いて、ガラスと接着剤組成物との間の粘着性を測定した。結果を表1に示す。
【0055】
比較例1
重合開始時のアクリロニトリル量11部を20部、1,3−ブタジエン量89部を80部に変え、重合の途中でアクリロニトリルを追加しない以外は、実施例1と同様に重合してニトリル基含有共重合ゴムラテックスを得た。このラテックスに含有されるニトリル基含有共重合ゴムのアクリロニトリル含有量22.9%、よう素価は約360、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は30、△Tgは44℃であった。このラテックスを実施例1と同様に水素添加して水素添加ニトリル基含有共重合ゴムラテックスを得た。このラテックスに含有される水素添加ニトリル基含有共重合ゴムのアクリロニトリル含有量22.9%、よう素価は160、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は30、△Tgは42℃であった。この水素添加ニトリル基含有共重合ゴムラテックスを用いて実施例1と同様に、接着処理液と接着強度試験片を得、ガラス繊維コードとゴム加硫物との初期接着力とガラスと接着剤組成物との間の粘着性とを測定した。結果を表1に示す。
【0056】
比較例2
t−ドデシルメルカプタン量0.54部を0.05部に変える以外は、実施例1と同様に重合してニトリル基含有共重合ゴムラテックスを得た。このラテックスに含有されるニトリル基含有共重合ゴムのアクリロニトリル含有量22.5%、よう素価は約364、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は155、△Tgは13℃であった。このラテックスを実施例1と同様に水素添加して水素添加ニトリル基含有共重合ゴムラテックスを得た。このラテックスに含有される水素添加ニトリル基含有共重合ゴムのアクリロニトリル含有量22.5%、よう素価は160、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は150、△Tgは13℃であった。この水素添加ニトリル基含有共重合ゴムラテックスを用いて実施例1と同様に、接着処理液と接着強度試験片を得、ガラス繊維コードとゴム加硫物との初期接着力とガラスと接着剤組成物との間の粘着性とを測定した。結果を表1に示す。
【0057】
比較例3
水素添加ニトリル基含有共重合ゴムラテックスの代わりに水素添加する前のニトリル基含有共重合ゴムラテックスを用いる以外は、実施例1と同様に処理した。結果を表1に示す。なお、このラテックスに含有されるニトリル基含有共重合ゴムのアクリロニトリル含有量22.5%、よう素価は約364、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は30、△Tgは13℃であった。
【0058】
【表1】
【0059】
ニトリル含有共重合ゴムが、補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)との差が大きすぎるもの(比較例1)、ムーニー粘度が大きすぎるもの(比較例2)およびよう素価の大きすぎるもの(比較例3)のラテクッスを用いて、RFL液を調製し、そのRFL液で処理して、接着剤組成物層を形成した繊維部材を製造し、その繊維部材とよう素価の小さなニトリル基含有共重合ゴムを加硫した加硫ゴム部材とからなる複合部材を製造しても、繊維部材と接着剤組成物層との間の粘着性に劣り、繊維のほつれを生じる可能性がある。
【0060】
それに対し、本発明のラテックスを用いた場合は、ガラス繊維コードと加硫ゴムとの接着性に優れ、さらに粘着性にも優れている。
【0061】
【発明の効果】
本発明の接着剤組成物は、よう素価の小さなニトリル基含有共重合ゴムとの接着性に優れ、粘着性にも優れる。粘着性に優れることにより、繊維を強く拘束し、ほつれ、繊維の切断などによる補強用繊維基材の劣化を防止する。そのため、本発明の接着剤組成物は、繊維補強されたベルト、タイヤ、ホースなどの製造に用いることができる
Claims (7)
- α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体単位含有量17〜23重量%、よう素価250以下、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜120であり、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が15℃以下であるニトリル基含有共重合ゴムのラテックス。
- 請求項1記載のラテックスとレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とを含有してなる接着処理液。
- α,β−エチレン性不飽和ニトリル系単量体単位含有量17〜23重量%、よう素価250以下、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜120であり、示差走査熱量測定における補外ガラス転移開始温度(Tig)と補外ガラス転移終了温度(Teg)の温度差が15℃以下であるニトリル基含有共重合ゴム粒子とレゾルシノール−ホルムアルデヒド樹脂とからなる接着剤組成物。
- 繊維基材の表面の少なくとも一部に請求項3記載の接着剤組成物の層を形成した繊維部材。
- 繊維基材の表面の少なくとも一部に請求項2記載の接着処理液を塗布し、乾燥する繊維部材の製造方法。
- 請求項4記載の繊維部材と加硫ゴム部材とが接着されて成る複合部材。
- 請求項4記載の繊維部材の表面に形成された接着剤組成物の層と加硫性ゴム組成物を接触させ、加硫する繊維部材と加硫ゴムの複合部材の製造方法。
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