JP4499240B2 - 信号処理フィルタシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レベル制御処理、雑音抑制制御処理、エコー消去制御処理などの機能を選択的に実現する信号処理フィルタシステムであって、アプリケーションに応じて、信号処理フィルタの信号処理領域を時間領域とするか周波数領域とするが選択可能であり、信号処理フィルタ部分のうち共通化できる部分を共通化し、信号処理フィルタシステム全体としての信号処理時間の遅延量および信号処理量の増加分のバランスを考慮して、信号処理フィルタシステムの構成を動的に変更する信号処理フィルタシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディア処理技術の進展とともにパーソナルコンピュータなどにも音声信号処理機能が取り込まれつつあり、音声信号処理機能を利用する各種アプリケーションが増えつつある。利用目的に合わせて柔軟に各種音声信号処理を実装するために、音声信号処理フィルタシステムが重要な技術となる。各種アプリケーションにおいて利用される音声信号処理機能は多様であるが、例えば、音声信号のレベル制御機能、雑音抑制制御機能、エコー消去制御機能などがある。これら各種音声信号処理機能を実現するそれぞれのモジュールが用意され、これらモジュールを適宜組み合わして音声信号処理フィルタシステムを構築し、アプリケーションにおける所望の音声信号処理機能を実現することも多い。
【0003】
上記の音声信号のレベル制御機能、雑音抑制制御機能、エコー消去制御機能など各種の音声信号処理フィルタは、信号の直流成分を除くために入力段にハイパスフィルタを備えており、ハイパスフィルタ処理後の信号に対して演算処理が実行されることとなるが、ハイパスフィルタおよび各種音声信号処理フィルタにおいて、その演算処理を時間領域で信号処理を行うか周波数領域で信号処理を行うかは重要なファクターとなる。なぜなら、以下に示すように、両者間には、信号処理遅延時間と信号処理量の違いがあるからである。以下に、ハイパスフィルタモジュールの演算処理を時間領域で実行する場合と周波数領域で実行する場合の特性を、信号処理遅延時間および信号処理量に注目しつつ簡単に説明しておく。
【0004】
まず、ハイパスフィルタモジュールの演算処理を時間領域で実行する場合について説明する。
【0005】
図6は、時間領域で演算処理を実行する場合のハイパスフィルタモジュールの入出力信号と処理の概念を説明する図である。図6に示すように、時間領域で演算処理を実行するハイパスフィルタフィルタモジュールでは畳み込み演算が実行される。入力信号として時間tにおいてx(t)が与えられ出力信号としてy(t)が出力される場合、ハイパスフィルタモジュールにおいて畳み込み演算が行われ、以下のように、y(t)が(数1)で与えられる。
【0006】
【数1】
y(t)=a0x(t)+a1x(t−1)+・・・+an-1x(t−n+1)
信号処理遅延時間については、サンプル毎の処理なので、処理遅延時間は1サンプルである。
【0007】
信号処理量については、(数1)より明らかなように、1フレームあたりnサンプルの入力データがあり、n個の積和演算が行われるので、n2に比例する信号処理量になる。
【0008】
以上、時間領域で演算処理を実行するハイパスフィルタフィルタモジュールでは信号処理遅延時間が短いというメリットがあるが、信号処理量が大きくなるというデメリットがあると言える。
【0009】
次に、ハイパスフィルタモジュールの演算処理を周波数領域で実行する場合について説明する。
【0010】
図7は、周波数領域で演算処理を実行する場合のハイパスフィルタフィルタモジュールの入出力信号と処理の概念を説明する図である。図7に示すように、周波数領域で演算処理を実行するハイパスフィルタフィルタモジュールでは、nサンプルの入力信号x(t),x(t−1),・・・,x(t−n+1)を用いてフーリエ変換してX(Z)を求め、X(Z)に係数を与えてY(Z)計算した後、Y(Z)を逆フーリエ変換してnサンプルの出力信号y(t),y(t−1),・・・,y(t−n+1)が得られる。
【0011】
信号処理遅延時間については、入力にnサンプルの入力信号が必要となる、つまり、過去nサンプルのデータが必要なので信号処理遅延時間はnサンプルとなる。
【0012】
信号処理量については、X(Z)の振幅スペクトルは図7のように正側のみにn/2個の離散値を持っているので、n/2回の積演算が必要となる、つまり、オーダーとしては、nに比例する信号処理量になる。
【0013】
以上、周波数領域で演算処理を実行するハイパスフィルタフィルタモジュールでは、信号処理遅延時間がnサンプルとなり遅延量が大きいというデメリットがあるが、信号処理量が時間領域での演算処理に比べて小さくて良いというメリットがあると言える。
【0014】
従来技術において、各種音声信号処理フィルタは、その特性に応じて、時間領域で演算処理を実行するモジュールとするか、周波数領域で演算処理を実行するモジュールとするかが決められていた。
【0015】
音声信号のレベル制御は、音声信号中の注目音声の信号レベルが設定値となるようにゲインを調整する制御であり、このレベル制御の信号処理は、原理的には時間領域での演算処理、周波数領域での演算処理のいずれでも実行することが可能である。しかし、通常、周波数領域で実用的範囲で音声信号レベル制御を実現するためには、数十ミリ秒以上のサンプル値データが必要となり、処理遅延時間が数十ミリ秒以上に及ぶこととなり、処理時間デメリットが大きくなる。そこで音声信号のレベル制御は、処理遅延時間がない時間領域で演算処理を実行するモジュールとされている。
【0016】
次に、雑音抑制制御は、音声信号中の注目音声以外の音を消去する制御であり、周波数領域での演算処理とする必要がある。音声信号中の注目音声以外の音声信号成分を時間領域において分離することは原理的に困難であるため、周波数領域で雑音モデルを作成し、その雑音モデルを基に減算処理やマスキング処理により雑音抑制を実行する処理が一般に行われる。
【0017】
次に、エコー消去制御であるが、ここで言うエコーとは、図8に示すように、双方向通話ができる電話のようなシステムにおいて、話者の音声800が聴者側810のスピーカ812から聴者側810に備えられたマイクロフォン811に回り込んで混入し、話者側の出力器から出力されてしまう現象をいう。このエコー現象が話しにくさ、聞き取りにくさの原因となるのでエコーを消去する制御がエコー消去制御である。エコー消去制御部815はエコー音の推定を行ってフィルタ813を用意し、その推定値をマイクロホン入力信号より減算器814で減算してエコーを抑制する。話者800側に設けたエコー消去制御部805も同様の働きをする。このエコー消去制御は原理的には時間領域での演算処理、周波数領域での演算処理のいずれでも実行することが可能である。しかし、通常、周波数領域で実用的な範囲でエコー音推定を行ってエコー消去を実現するためには、レベル制御と同様、数十ミリ秒以上のサンプル値データが必要となり、処理遅延時間が数百ミリ秒に及ぶこととなる。そこでエコー消去制御も、処理遅延時間がない時間領域で演算処理を実行するモジュールとされている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
各種の音声信号処理機能を実現するため、従来技術で説明した音声信号のレベル制御機能、雑音抑制制御機能、エコー消去制御機能などが組み合わせて用いられるが、音声処理システム全体としての信号処理量総和が増大するという問題があった。
【0019】
以下に、従来技術における信号処理フィルタの組み合わせの構成例を示す。ここでは、双方向通信可能なシステムのアプリケーションにおいて、音声信号の雑音抑制制御機能とエコー消去制御機能を搭載する場合を想定する。この場合、音声信号の雑音抑制制御用の信号処理フィルタモジュールとエコー消去制御用の信号処理フィルタモジュールの2種類のフィルタモジュールが組み合わされる。
【0020】
図9は、雑音抑制制御用の信号処理フィルタモジュールとエコー消去制御用の信号処理フィルタモジュールを組み合わせたシステム構成例を示す図である。
【0021】
図9において、900は、雑音抑制制御フィルタモジュールであり、910はフーリエ変換部、920は雑音抑制制御フィルタ部、930は逆フーリエ変換部である。940はエコー消去制御フィルタモジュールであり、950はエコー消去制御フィルタ部、960は減算部である。970は双方向通信可能なシステムのアプリケーションである。980はマイクロホン、990はスピーカである。上記のように、雑音抑制制御フィルタモジュール900は周波数領域で演算処理を行うフィルタモジュールであり、エコー消去制御フィルタモジュール940は時間領域で演算処理を行うフィルタモジュールとなっている。
【0022】
話者側のマイクロホン(図示せず)から入力された話者音声が、雑音抑制制御フィルタモジュール900により雑音抑制処理が施され、アプリケーション970に渡され、アプリケーション970側でのスピーカ990から出力されて聴者に伝えられる。伝えられた音声はアプリケーション970側のマイクロホン980に回り込んで混入し、話者側へ向かうが、エコー消去制御フィルタモジュール940の働きにより、混入したと推定される量が減算されてエコーが消去される。
【0023】
なお、図9において、右から雑音抑制制御フィルタモジュール900とエコー消去制御フィルタモジュール940の並びとしたが、並びが逆になっても良い。
【0024】
しかし、上記構成では音声処理システム全体としての信号処理量総和の増大が問題となる。つまり、雑音抑制制御フィルタモジュール900においてnに比例した信号処理量が発生し、エコー消去制御フィルタモジュール940においてn2に比例した信号処理量が発生することとなってしまい、信号処理量総和の増大が問題となる。特にエコー消去制御フィルタモジュール940におけるn2の信号処理量が大きい。nが大きくなる場合や上記のように2つのフィルタモジュールではなく多くのフィルタモジュールを組み合わせる場合などでは、コンピュータリソースが提供できる信号処理能力にとって大きな負荷となってしまう。
【0025】
本発明の信号処理フィルタシステムは、アプリケーションの要求に応じて複数のフィルタモジュールを組み合わせて音声信号処理機能を動的に構築し、システム全体の信号処理量総和が大きくならないように信号処理量の低減を図ることができる信号処理フィルタシステムを提供することを目的とする。
【0026】
また、本発明の信号処理フィルタシステムは、システムリソースの制約から信号処理量総和の低減を優先的に図るか、アプリケーションの特性によって信号処理遅延時間の低減を優先的に図るかを決め、両者に対応できる信号処理フィルタシステムを提供することを目的とする。両者は相反する要求であり、アプリケーションの違いに応じてフィルタモジュールの組み合わせ方や要求は多岐多用となるが、本発明の信号処理フィルタシステムは、両者に動的かつ適切に対応する。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の信号処理フィルタシステムは、信号処理を時間領域で実行する場合の時間領域信号処理フィルタ部分と周波数領域で実行する場合の周波数領域信号処理フィルタ部分とを含む領域選択可能信号処理フィルタと、前記領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分か周波数領域信号処理フィルタ部分のいずれかを選択するスイッチ部と、信号処理において信号処理遅延時間の低減を優先するか信号処理量の低減を優先するかを判別し、信号処理遅延時間の低減を優先する場合、前記スイッチ部の切り換えにより前記領域選択可能信号処理フィルタのうち時間領域信号処理フィルタ部分を選択し、信号処理量の低減を優先する場合、前記スイッチ部の切り換えにより前記領域選択可能信号処理フィルタのうち周波数領域信号処理フィルタ部分を選択するように制御するスイッチ制御部とを備えたことを特徴とする。
【0028】
上記構成により、第1のスイッチ部の切り換えにより、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を、信号処理遅延時間の低減を優先するか信号処理量の低減を優先するかに応じて切り換えることができ、アプリケーションの要求に応じて信号処理遅延時間と信号処理量とを柔軟かつ適切に調整することが可能となる。
【0029】
また、本発明の信号処理フィルタシステムは、信号処理を時間領域で実行する場合の時間領域信号処理フィルタ部分と周波数領域で実行する場合の周波数領域信号処理フィルタ部分とを含む領域選択可能信号処理フィルタを含む複数の信号処理フィルタを備えた信号処理フィルタ群と、前記領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分か周波数領域信号処理フィルタ部分のいずれかを選択するスイッチ部と、アプリケーションに応じて前記信号処理フィルタ群のうちアクティブにする信号処理フィルタを選択する信号処理フィルタ選択制御部と、前記信号処理フィルタ選択制御部により選択された信号処理フィルタ群のうち、周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタが含まれている場合、前記スイッチ部により領域選択可能信号処理フィルタにおいて周波数領域信号処理フィルタ部分を用い、周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタが含まれていない場合、前記スイッチ部により領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分を用いるように制御するスイッチ制御部とを備えたことを特徴とする。
【0030】
上記構成により、スイッチ部の切り換えにより、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を、信号処理フィルタ群の中における周波数領域で信号処理をする信号処理フィルタの有無に応じて選択することができ、周波数領域で信号処理する信号処理フィルタがなければ、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を時間領域として信号処理遅延時間の低減を図り、逆に周波数領域で信号処理する信号処理フィルタがあれば、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を周波数領域として信号処理量の低減を図ることができ、フィルタ構成に応じて柔軟かつ適切に対応することが可能となる。
【0031】
また、本発明の信号処理フィルタシステムは、第1の信号処理を時間領域で実行する場合の時間領域信号処理フィルタ部分と周波数領域で実行する場合の周波数領域信号処理フィルタ部分とを含む領域選択可能信号処理フィルタと、第2の信号処理を周波数領域で実行する周波数領域信号処理フィルタを持つ周波数領域固定信号処理フィルタと、前記領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分か周波数領域信号処理フィルタ部分のいずれかを選択する第1のスイッチ部と、前記周波数領域固定信号処理フィルタのオン・オフを選択する第2のスイッチ部と、前記第2のスイッチ部の切り換えにより前記周波数領域固定信号処理フィルタをオフにする場合、前記第1のスイッチ部の切り換えにより前記領域選択可能信号処理フィルタのうち時間領域信号処理フィルタ部分を選択し、前記第2のスイッチ部の切り換えにより前記周波数領域固定信号処理フィルタをオンにする場合、前記第1のスイッチ部の切り換えにより前記領域選択可能信号処理フィルタのうち周波数領域信号処理フィルタ部分を選択するように制御するスイッチ制御部とを備えたことを特徴とする。
【0032】
上記構成により、第1のスイッチ部と第2のスイッチ部の切り換えにより、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を、周波数領域固定信号処理フィルタの有無に応じて選択することができ、周波数領域固定信号処理フィルタがない場合には、信号処理遅延時間の低減を優先させる場合として領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を時間領域として信号処理遅延時間の低減を図り、逆に周波数領域固定信号処理フィルタがある場合には、信号処理量の低減を優先させる場合として領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を周波数領域として信号処理量の低減を図り、フィルタ構成に応じて柔軟かつ適切に対応することが可能となる。
【0033】
次に、上記信号処理フィルタシステムにおいて、前記領域選択可能信号処理フィルタを含む、前記信号処理フィルタシステムに含まれる信号処理フィルタを、時間領域で信号処理を実行するものと、周波数領域で信号処理を実行するものとに分けて集約し、周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタ群の信号入力段に用いるフーリエ変換処理部分を共通化し、前記周波数領域で信号処理を行なう信号処理フィルタ群からの信号出力に用いる逆フーリエ変換処理部分を共通化することが好ましい。
【0034】
上記構成により、各周波数領域で信号処理を行なう信号処理フィルタにおけるフーリエ変換処理部分と逆フーリエ変換処理部分を共通化するので、システム全体の信号処理量をさらに低減することが可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
実施形態1の信号処理フィルタシステムは、第1の信号処理を時間領域で実行する場合の時間領域信号処理フィルタ部分と周波数領域で実行する場合の周波数領域信号処理フィルタ部分とを含む領域選択可能信号処理フィルタと、第2の信号処理を周波数領域で実行する周波数領域信号処理フィルタを持つ周波数領域固定信号処理フィルタと、領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分か周波数領域信号処理フィルタ部分のいずれかを選択する第1のスイッチ部と、周波数領域固定信号処理フィルタのオン・オフを選択する第2のスイッチ部と、第1スイッチ制御部および第2のスイッチ部を制御するスイッチ制御部を備えたものである。
【0036】
第2のスイッチ部の切り換えにより周波数領域固定信号処理フィルタをオフにする場合、第1のスイッチ部の切り換えにより領域選択可能信号処理フィルタのうち時間領域信号処理フィルタ部分を選択し、第2のスイッチ部の切り換えにより周波数領域固定信号処理フィルタをオンにする場合、第1のスイッチ部の切り換えにより前記領域選択可能信号処理フィルタのうち周波数領域信号処理フィルタ部分を選択するように制御する構成となっている。
【0037】
領域選択可能信号処理フィルタと第1のスイッチ部に注目すれば、信号処理遅延時間の低減を優先する場合、領域選択可能信号処理フィルタの時間領域信号処理フィルタ部分を選択し、信号処理量の低減を優先する場合、領域選択可能信号処理フィルタの周波数領域信号処理フィルタ部分を選択するものとなっている。
【0038】
図1は、本発明の実施形態1の信号処理フィルタシステムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してCPU、メモリなどにより構成しても良い。
【0039】
図1において、10はフーリエ変換部、20は雑音抑制制御フィルタ部、30は周波数領域エコー消去制御フィルタ部、31は周波数領域エコー消去制御フィルタ部30へのフィードバックする信号に対する第2のフーリエ変換部、40は逆フーリエ変換部、50は時間領域エコー消去制御フィルタ部、51はハイパスフィルタ、60と61は第2のスイッチ部、70〜73は第1のスイッチ部であって、そのうち70と71は第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチ、72と73は第1のスイッチ部の時間領域選択スイッチである。75はスイッチ制御部、80はアプリケーション、90はマイクロホン、100はスピーカである。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【0040】
上記構成において、フーリエ変換部10と雑音抑制制御フィルタ部20と逆フーリエ変換部40に注目すると、これら要素により雑音抑制制御フィルタモジュールが構成されていることが分かる。この雑音抑制制御フィルタモジュールは必ず周波数領域での信号処理が行なわれるフィルタモジュールであり、周波数領域固定信号処理フィルタとなっている。第2のスイッチ部60と61は、この周波数領域固定信号処理フィルタである雑音抑制制御フィルタモジュール全体のオン・オフを制御する構成となっている。ここでオンとは第2のスイッチ部60と61が雑音抑制制御フィルタモジュール側を選択することを言い、オフとはバイパスラインの側を選択することを言う。
【0041】
また、上記構成において、フーリエ変換部10と周波数領域エコー消去制御フィルタ部30と逆フーリエ変換部40に注目すると、これら要素により周波数領域エコー消去制御フィルタモジュールが構成されていることが分かる。また、時間領域エコー消去制御フィルタ部50は、時間領域エコー消去制御フィルタモジュールを構成している。また、第1のスイッチ部は、周波数領域エコー消去制御フィルタ部30のオン・オフを制御する周波数領域選択スイッチ70と71と、時間領域エコー消去制御フィルタ部50のオン・オフとを制御する時間領域選択スイッチ72と73を備えており、両者を切り換える構成となっている。ここで、周波数領域選択スイッチ70と71のオンとは、周波数領域選択スイッチ70と71が周波数領域エコー消去制御フィルタ部30側を選択することを言い、オフとはバイパスラインの側を選択することを言う。また、同様に、時間領域選択スイッチ72と73のオンとは、時間領域選択スイッチ72と73が時間領域エコー消去制御フィルタ部50側を選択することを言い、オフとはバイパスラインの側を選択することを言う。
【0042】
スイッチ制御部75は、信号処理において信号処理遅延時間の低減を優先するか信号処理量の低減を優先するかを判別し、後述するように信号処理遅延時間の低減を優先する場合と信号処理量の低減を優先する場合とに分けて第1のスイッチ70〜73のオンオフを切り換える。この例では第2のスイッチ60、61の切り換えの制御も兼ねる構成とし、第2のスイッチ60、61のオンオフを調べることにより、信号処理において信号処理遅延時間の低減を優先するか信号処理量の低減を優先するかを判別している。もちろん第2のスイッチ60、61の切り換えを別のスイッチ制御部を設けて行い、その切り換えを検知する構成としても良いことは言うまでもない。
【0043】
これら5つの要素、フーリエ変換部10、周波数領域エコー消去制御フィルタ部30、第2のフーリエ変換部31、逆フーリエ変換部40、時間領域エコー消去制御フィルタ部50、第1のスイッチ部70〜73により、領域選択可能信号処理フィルタモジュールを構成していることが分かる。なお、ここで、フーリエ変換部10における1フレームのサンプリング数をnとし、ハイパスフィルタの1フレームにはn個のFIRフィルタ(Finite impulse response filter:有限インパルス応答フィルタ)が用いられているものとする。
【0044】
なお、図1に示した例において、第1のスイッチ部70〜73、第2のスイッチ60、61のオン・オフはスイッチ制御部75により制御されるものとする。
【0045】
次に、図1に示した本発明の信号処理フィルタシステムの動作を説明する。
【0046】
アプリケーション80は、複数のアプリケーションが保持されており、いま、有効状態にあるアプリケーション80が雑音抑制機能とエコー消去機能を利用する場合について説明する。
【0047】
この場合、まず、雑音抑制制御フィルタモジュールが利用されることとなるので、周波数領域固定信号処理フィルタモジュールである雑音抑制制御フィルタモジュール全体のオン・オフを制御する第2のスイッチ60と61はオンとなる。この例では、スイッチ制御部75が雑音抑制制御フィルタモジュールを利用する旨を受けて第2のスイッチ60と61の切り換えを制御する。周波数領域固定信号処理フィルタモジュールがオンとなったことにより、音声信号処理フィルタシステム全体から見れば、周波数領域固定信号処理フィルタである雑音抑制制御フィルタモジュールによりnサンプル分の信号処理遅延時間が発生し、nに比例する信号処理量が発生することになる。
【0048】
次に、第1のスイッチ70〜73の制御を考える。スイッチ制御部75は、信号処理において信号処理遅延時間の低減を優先するか信号処理量の低減を優先するかを判別し、領域選択可能信号処理フィルタであるエコー消去制御フィルタモジュールを、時間領域の信号処理とするか周波数領域の信号処理とするかの選択を決める。信号処理遅延時間に関しては、雑音抑制制御フィルタモジュールにより既にnサンプル分の信号処理遅延時間が発生しているので、フーリエ変換部10の出力信号を流用する限り、エコー消去制御フィルタモジュールを周波数領域の信号処理とする場合のデメリットは加重されない。また、信号処理量に関しては、雑音抑制制御フィルタモジュールにより既にnに比例する信号処理量が発生している上に、エコー消去制御フィルタモジュールを時間領域の信号処理とする場合には新たにn2に比例する信号処理量が加重して発生することとなりそのデメリットは大きい。以上の2点を考察して、スイッチ部75は、信号処理量低減を優先すると判別し、領域選択可能信号処理フィルタであるエコー消去制御フィルタモジュールを周波数領域の信号処理とする。つまり、第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチ70と71をオン、時間領域選択スイッチ72と73をオフとし、周波数領域エコー消去制御フィルタモジュールを選択する。
【0049】
ここで、フーリエ変換部10は、雑音抑制制御フィルタモジュールと周波数領域エコー消去制御フィルタモジュールに対して共通化されており、フーリエ変換部10の周波数領域の出力信号が、雑音抑制制御フィルタ部20と周波数領域エコー消去制御フィルタ部30の両者に用いられるので、信号処理量の低減が図られている。また、逆フーリエ変換部40も同様に、雑音抑制制御フィルタモジュールと周波数領域エコー消去制御フィルタモジュールに対して共通化されており、雑音抑制制御フィルタ部20と周波数領域エコー消去制御フィルタ部30からの周波数領域の出力信号に対して逆フーリエ変換を施し、時間領域の出力信号に変換しているので、信号処理量の低減が図られている。
【0050】
次に、有効状態にあるアプリケーション80がエコー消去機能のみを利用する場合について説明する。
【0051】
この場合、雑音抑制制御フィルタモジュールが利用されないので、周波数領域固定信号処理フィルタモジュールである雑音抑制制御フィルタモジュール全体のオン・オフを制御する第2のスイッチ60と61はオフとなる。周波数領域固定信号処理フィルタモジュールがオフとなったことにより、当該部分では信号処理遅延時間が発生せず、信号処理量も発生しない。
【0052】
次に、第1のスイッチ70〜73の制御を考える。スイッチ制御部75は、信号処理において信号処理遅延時間の低減を優先するか信号処理量の低減を優先するかを判別し、領域選択可能信号処理フィルタであるエコー消去制御フィルタモジュールを時間領域の信号処理とするか周波数領域の信号処理とするかの選択を決める。ここでは雑音抑制制御フィルタモジュールが用いられていないので、フーリエ変換部10による周波数領域の信号は得られていない。エコー消去制御フィルタモジュールを周波数領域の信号処理とする場合には、フーリエ変換を別途手当てする必要があり、nサンプル分の信号処理遅延時間が新たに発生することとなり、例えば、実時間通信アプリケーションにとってはそのデメリットは大きい。また、信号処理量に関しては、雑音抑制制御フィルタモジュールによる信号処理量が発生していないので、エコー消去制御フィルタモジュールを時間領域の信号処理として新たにn2に比例する信号処理量が加重して発生してもそのデメリットは相対的に小さいと言える。以上の2点を考察して、スイッチ部75は、信号処理時間低減を優先すると判別し、領域選択可能信号処理フィルタであるエコー消去制御フィルタモジュールを時間領域の信号処理とする。つまり、第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチ70と71をオフ、時間領域選択スイッチ72と73をオンとし、時間領域エコー消去制御フィルタモジュールを選択する。
【0053】
なお、雑音抑制フィルタモジュール単独で使用したい場合は、第2のスイッチ60と61をオン、第1のスイッチの周波数領域選択スイッチ70と71をオフ、時間領域選択スイッチ72と73をオフとすれば良いことは言うまでもない。
【0054】
以上、本発明の実施形態1の信号処理フィルタシステムによれば、第2のスイッチ部60と61の切り換えにより周波数領域固定信号処理フィルタをオフにする場合、第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチ70と71をオフとし、時間領域選択スイッチ72と73をオンと切り換えることにより領域選択可能信号処理フィルタのうち時間領域信号処理フィルタ部分を選択する。第2のスイッチ部60と61の切り換えにより周波数領域固定信号処理フィルタをオンにする場合、第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチ70と71をオンとし、時間領域選択スイッチ72と73をオフと切り換えることにより領域選択可能信号処理フィルタのうち周波数領域信号処理フィルタ部分を選択するように制御することができる。
【0055】
また、上記構成は、領域選択可能信号処理フィルタと第1のスイッチ部に注目すれば、信号処理遅延時間の低減を優先する場合、領域選択可能信号処理フィルタの時間領域信号処理フィルタ部分を選択し、信号処理量の低減を優先する場合、領域選択可能信号処理フィルタの周波数領域信号処理フィルタ部分を選択することができる構成となっている。
【0056】
(実施形態2)
実施形態2の信号処理フィルタシステムは、実施形態1と同様、領域選択可能信号処理フィルタと、周波数領域固定信号処理フィルタと、第1のスイッチ部と、第2のスイッチ部と、スイッチ制御部を備えた信号処理フィルタシステムであるが、実施形態1とは異なり、雑音抑制処理機能とレベル制御処理機能とを組み合わせて用いる信号処理フィルタシステムの例を説明する。
【0057】
図2は、本発明の実施形態2の信号処理フィルタシステムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してCPU、メモリなどにより構成しても良い。
【0058】
図2において、110はフーリエ変換部、120は雑音抑制制御フィルタ部、130は周波数領域レベル制御フィルタ部、131は周波数領域レベル制御フィルタ部130の入力段となる第1のハイパスフィルタ部、140は逆フーリエ変換部、150は時間領域レベル制御フィルタ部、151は時間領域レベル制御フィルタ部150の入力段となる第2のハイパスフィルタ、160と161は第2のスイッチ部、170〜173は第1のスイッチ制御部であって、そのうち170と171は第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチ、172と173は第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチである。175はスイッチ制御部、180はアプリケーション、190は第1のパワー計算部、191は第2のパワー計算部、200は第1の音声区間検出部、201は第2の音声区間検出部、210は雑音区間検出部である。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【0059】
上記構成において、フーリエ変換部110と雑音抑制制御フィルタ部120と逆フーリエ変換部140と第1のパワー計算部190と雑音区間検出部210に注目すると、これら要素により雑音抑制制御フィルタモジュールが構成されていることが分かる。この雑音抑制制御フィルタモジュールは必ず周波数領域での信号処理が行なわれるフィルタモジュールであり、周波数領域固定信号処理フィルタとなっている。第2のスイッチ部160と161は、この周波数領域固定信号処理フィルタである雑音抑制制御フィルタモジュール全体のオン・オフを制御する構成となっている。ここでオンとは第2のスイッチ部160と161が雑音抑制制御フィルタモジュール側を選択することを言い、オフとはバイパスラインの側を選択することを言う。
【0060】
また、上記構成において、フーリエ変換部110と周波数領域レベル制御フィルタ部130と第1のハイパスフィルタ131、逆フーリエ変換部140と第1のパワー計算部190と第1の音声区間検出部200に注目すると、これら要素により周波数領域レベル制御フィルタモジュールが構成されていることが分かる。また、時間領域レベル制御フィルタ部150と第2のハイパスフィルタ151と第2のパワー計算部191と第2の音声区間検出部201は、時間領域レベル制御フィルタモジュールを構成していることが分かる。また、第1のスイッチ部は、周波数領域レベル制御フィルタ部130のオン・オフを制御する周波数領域選択スイッチ170と171と、時間領域レベル制御フィルタ部150のオン・オフとを制御する時間領域選択スイッチ172と173を備えており、両者を切り換える構成となっている。ここで、周波数領域選択スイッチ170と171のオンとは、周波数領域選択スイッチ170と171が周波数領域レベル制御フィルタ部130側を選択することを言い、オフとはバイパスラインの側を選択することを言う。また、同様に、時間領域選択スイッチ172と173のオンとは、時間領域選択スイッチ172と173が時間領域レベル制御フィルタ部150側を選択することを言い、オフとはバイパスラインの側を選択することを言う。
【0061】
これら10個の要素、フーリエ変換部110、周波数領域レベル制御フィルタ部130、第1のハイパスフィルタ部131、逆フーリエ変換部140、時間領域レベル制御フィルタ部150、第1のパワー計算部190、第1の音声区間検出部200、第2のパワー計算部191、第2の音声区間検出部201、第1のスイッチ部170〜173により、領域選択可能信号処理フィルタモジュールを構成していることが分かる。なお、ここで、フーリエ変換部110における1フレームのサンプリング数をnとし、ハイパスフィルタの1フレームにはn個のFIRフィルタが用いられているものとする。
【0062】
なお、図2に示した例において、第1のスイッチ部170〜173、第2のスイッチ160、161のオン・オフはスイッチ制御部175により制御されるものとする。
【0063】
次に、図2に示した本発明の信号処理フィルタシステムの動作を説明する。
【0064】
アプリケーション180は、複数のアプリケーションが保持されており、いま、有効状態にあるアプリケーション180が雑音抑制機能とレベル制御機能を利用する場合について説明する。
【0065】
この場合、まず、雑音抑制制御フィルタモジュールが利用されることとなるので、周波数領域固定信号処理フィルタモジュールである雑音抑制制御フィルタモジュール全体のオン・オフを制御する第2のスイッチ160と161はオンとなる。この例では、スイッチ制御部175がアプリケーション180が雑音抑制機能とレベル制御機能を利用する旨を受けて第2のスイッチ160と161の切り換えを制御する。周波数領域固定信号処理フィルタモジュールがオンとなったことにより、音声信号処理フィルタシステム全体から見れば、周波数領域固定信号処理フィルタである雑音抑制制御フィルタモジュールによりnサンプル分の信号処理遅延時間が発生し、nに比例する信号処理量が発生することになる。
【0066】
次に、第1のスイッチ170〜173の制御を考える。スイッチ制御部175は、信号処理において信号処理遅延時間の低減を優先するか信号処理量の低減を優先するかを判別し、領域選択可能信号処理フィルタであるレベル制御フィルタモジュールを時間領域の信号処理とするか周波数領域の信号処理とするかの選択を決める。信号処理遅延時間に関しては、雑音抑制制御フィルタモジュールにより既にnサンプル分の信号処理遅延時間が発生しているので、フーリエ変換部110の出力信号を流用する限り、レベル制御フィルタモジュールを周波数領域の信号処理とする場合のデメリットは加重されない。また、信号処理量に関しては、雑音抑制制御フィルタモジュールにより既にnに比例する信号処理量が発生している上に、レベル制御フィルタモジュールを時間領域の信号処理とする場合には新たにn2に比例する信号処理量が加重して発生することとなりそのデメリットは大きい。以上の2点を考察して、スイッチ制御部175は、信号処理量低減を優先すると判別し、領域選択可能信号処理フィルタであるレベル制御フィルタモジュールを周波数領域の信号処理とする。つまり、第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチ170と171をオン、時間領域選択スイッチ172と173をオフとし、周波数領域レベル制御フィルタモジュールを選択する。
【0067】
ここで、フーリエ変換部110は、雑音抑制制御フィルタモジュールと周波数領域レベル制御フィルタモジュールに対して共通化されており、フーリエ変換部110の周波数領域の出力信号が、雑音抑制制御フィルタ部120と周波数領域レベル制御フィルタ部130の両者に用いられるので、信号処理量の低減が図られている。また、逆フーリエ変換部140も同様に、雑音抑制制御フィルタモジュールと周波数領域レベル制御フィルタモジュールに対して共通化されており、雑音抑制制御フィルタ部120と周波数領域レベル制御フィルタ部130からの周波数領域の出力信号に対して逆フーリエ変換を施し、時間領域の出力信号に変換しているので、信号処理量の低減が図られている。
【0068】
次に、有効状態にあるアプリケーション180がレベル制御機能のみを利用する場合について説明する。
【0069】
この場合、雑音抑制制御フィルタモジュールが利用されないので、周波数領域固定信号処理フィルタモジュールである雑音抑制制御フィルタモジュール全体のオン・オフを制御する第2のスイッチ160と161はオフとなる。周波数領域固定信号処理フィルタモジュールがオフとなったことにより、当該部分では信号処理遅延時間が発生せず、信号処理量も発生しない。
【0070】
次に、第1のスイッチ170〜173の制御を考える。スイッチ制御部175は、信号処理において信号処理遅延時間の低減を優先するか信号処理量の低減を優先するかを判別し、領域選択可能信号処理フィルタであるレベル制御フィルタモジュールを時間領域の信号処理とするか周波数領域の信号処理とするかの選択を決める。ここでは雑音抑制制御フィルタモジュールが用いられていないので、フーリエ変換部110による周波数領域の信号は得られていない。レベル制御フィルタモジュールを周波数領域の信号処理とする場合には、フーリエ変換を別途手当てする必要があり、nサンプル分の信号処理遅延時間が新たに発生することとなり、例えば、実時間通信アプリケーションにとってはそのデメリットは大きい。また、信号処理量に関しては、雑音抑制制御フィルタモジュールによる信号処理量が発生していないので、レベル制御フィルタモジュールを時間領域の信号処理として新たにn2に比例する信号処理量が加重して発生してもそのデメリットは相対的に小さいと言える。以上の2点を考察して、スイッチ部175は、信号処理時間の低減を優先すると判別し、領域選択可能信号処理フィルタであるレベル制御フィルタモジュールを時間領域の信号処理とする。つまり、第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチ170と171をオフ、時間領域選択スイッチ172と173をオンとし、時間領域レベル制御フィルタモジュールを選択する。
【0071】
なお、雑音抑制フィルタモジュール単独で使用したい場合は、第2のスイッチ160と161をオン、第1のスイッチの周波数領域選択スイッチ170と171をオフ、時間領域選択スイッチ172と173をオフとすれば良いことは言うまでもない。
【0072】
以上、本発明の実施形態2の信号処理フィルタシステムによれば、第2のスイッチ部160と161の切り換えにより周波数領域固定信号処理フィルタをオフにする場合、第1のスイッチ部170〜173の切り換えにより領域選択可能信号処理フィルタのうち時間領域信号処理フィルタ部分を選択し、第2のスイッチ部160と162の切り換えにより周波数領域固定信号処理フィルタをオンにする場合、第1のスイッチ部170〜173の切り換えにより前記領域選択可能信号処理フィルタのうち周波数領域信号処理フィルタ部分を選択するように制御する構成となっている。
【0073】
また、領域選択可能信号処理フィルタと第1のスイッチ部170〜173に注目すれば、信号処理遅延時間の低減を優先する場合、領域選択可能信号処理フィルタの時間領域信号処理フィルタ部分を選択し、信号処理量の低減を優先する場合、領域選択可能信号処理フィルタの周波数領域信号処理フィルタ部分を選択することができる構成となっている。
【0074】
(実施形態3)
実施形態3の信号処理フィルタシステムは、実施形態2の構成に加え、図3に示すように、雑音抑制制御フィルタ部120と周波数領域レベル制御フィルタ部130のパラメタの初期値設定を行なうための第1の適応初期値計算部300と、時間領域レベル制御フィルタ部150のパラメタの初期値設定を行なうための第2の適応初期値計算部310を備えている。
【0075】
第1の適応初期値計算部300は、周波数領域で動作するフィルタモジュールに対して用いられるもので、第3のスイッチ部301を備えており、第3のスイッチ部301により、フーリエ変換部110の出力信号との接続を制御する。信号処理開始直後に、第3のスイッチ部301をオンとしてフーリエ変換部110からの出力信号を受け、周波数領域で動作する雑音抑制制御フィルタ部120と周波数領域レベル制御フィルタ部130のパラメタの初期値を計算して設定する。
【0076】
第2の適応初期値計算部310は、時間領域で動作するフィルタモジュールに対して用いられるもので、第4のスイッチ部311を備えており、第4のスイッチ部311により、入力信号との接続を制御する。信号処理開始直後に、第4のスイッチ部311をオンとして入力信号を受け、時間領域で動作するレベル制御フィルタ部150のパラメタの初期値を計算して設定する。
【0077】
なお、図3に示した例において、第1のスイッチ部170〜173、第2のスイッチ160、161、第3のスイッチ部301、第4のスイッチ部311のオン・オフはスイッチ制御部175により制御されるものとする。なお、図面が見やすくなるようにスイッチ制御部175は図示を省略したが、各スイッチに対する制御線を持っているものとする。
【0078】
次に、図3に示した本発明の信号処理フィルタシステムの動作を説明する。
【0079】
アプリケーション180は、複数のアプリケーションが保持されており、いま、有効状態にあるアプリケーション180が雑音抑制機能とレベル制御機能を利用する場合について説明する。
【0080】
この場合、周波数領域で動作するフィルタモジュールが利用されることとなるので、信号処理開始直後において、第3のスイッチ部301がオンとなり、第4のスイッチ部311がオフとなる。この例では、スイッチ制御部175が、周波数領域で動作するフィルタモジュールを利用する旨を受けて、第3のスイッチ部301と第4のスイッチ部311を切り換える。第3のスイッチ部301を介して、フーリエ変換部110の出力信号を受け、周波数領域で動作する雑音抑制制御フィルタ部120とレベル制御フィルタ部130のパラメタ初期値を計算して設定する。
【0081】
次に、有効状態にあるアプリケーション180がレベル制御機能のみを利用する場合について説明する。
【0082】
この場合、時間領域で動作するフィルタモジュールが利用されることとなるので、信号処理開始直後において、スイッチ制御部175の切り換えにより第3のスイッチ部301がオフとなり、第4のスイッチ部311がオンとなる。第4のスイッチ部311を介して、入力信号を受け、時間領域で動作するレベル制御フィルタ部150のパラメタ初期値を計算して設定する。
【0083】
以上、本実施形態3の信号処理フィルタシステムによれば、アプリケーションが利用する機能に基づいて、周波数領域での動作するフィルタモジュールと時間領域での動作するフィルタモジュールを切り換えて用い、さらに、適応初期値計算部により、信号処理開始直後の信号を基にそれらフィルタモジュールのパラメタの初期値計算して設定することができる。
【0084】
(実施形態4)
実施形態4の信号処理フィルタシステムは、領域選択可能信号処理フィルタと、1つ以上の信号処理フィルタを持つ信号処理フィルタ群を備えており、アプリケーションに応じて動的に信号処理フィルタ群のうちのどの信号処理フィルタをアクティブにするかを決め、周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタが含まれている場合、領域選択可能信号処理フィルタにおいて周波数領域信号処理フィルタ部分を用い、周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタが含まれていない場合、領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分を用いるものである。
【0085】
図4は、実施形態4の信号処理フィルタシステムの概略構成を示すブロック図である。フーリエ変換部410、周波数領域で動作するフィルタ部430、逆フーリエ変換部440、時間領域で動作するフィルタ部450、ハイパスフィルタ460、第1のスイッチ部470、471により、領域選択可能信号処理フィルタモジュールが構成されている。475は第1のスイッチ部470、471のオン・オフを切り換えるスイッチ制御部である。480はアプリケーション、490は信号処理フィルタ群、491は信号処理フィルタ選択部である。信号処理フィルタ群490は1つ以上の信号処理フィルタを含んでいる。ここでは、複数の信号処理フィルタが含まれており、周波数領域固定信号処理フィルタや領域選択可能信号処理フィルタが含まれているものとする。信号処理フィルタ選択部491により含まれている信号処理フィルタを任意に組み合わせてアクティブにすることができる。
【0086】
次に、図4に示した本発明の信号処理フィルタシステムの動作を説明する。
【0087】
アプリケーション480が信号処理フィルタ群480のうちの信号処理フィルタを用いるように信号処理フィルタ選択部491に対して依頼し、1つ以上の信号処理フィルタがアクティブになったとする。ここで、周波数領域で動作する信号処理フィルタが含まれていたとする。この場合、実施形態1などでも考察したように、スイッチ部475は信号処理量の低減を優先するものと判別し、第1のスイッチ部470と471を切り換えて領域選択可能信号処理フィルタにおいて周波数領域で動作するフィルタモジュールを選択する。つまり、フーリエ変換部410、周波数領域で動作するフィルタ部430、逆フーリエ変換部440がアクティブになる。
【0088】
次に、信号処理フィルタ群480のうち選択された信号処理フィルタの中に周波数領域で動作する信号処理フィルタが含まれていないとする。この場合、実施形態1などでも考察したように、スイッチ制御部475は信号処理時間遅延の低減を優先するものと判別し、第1のスイッチ部470と471のオン・オフ切り換えにより、領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域で動作するフィルタモジュールを選択する。つまり、時間領域で動作するフィルタ部450がアクティブになる。
【0089】
以上、実施形態4の信号処理フィルタシステムによれば、アプリケーションに応じて動的に信号処理フィルタ群のうちのどの信号処理フィルタをアクティブにするかを決め、周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタが含まれている場合、信号処理量の低減を優先するものとし、領域選択可能信号処理フィルタにおいて周波数領域信号処理フィルタ部分を用い、アクティブにされた信号処理フィルタの中に周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタが含まれていない場合、信号処理遅延時間の低減を優先するものとし、領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分を用いることができる。
【0090】
(実施形態5)
本発明の信号処理フィルタシステムは、上記に説明した構成を実現する処理ステップを記述したプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することにより、各種CADコンピュータなどを用いて構築することができる。本発明の信号処理フィルタシステムを実現する処理ステップを備えたプログラムを記録した記録媒体は、図5に図示した記録媒体の例に示すように、CD−ROM502やフレキシブルディスク503等の可搬型記録媒体501だけでなく、ネットワーク上にある記録装置内の記録媒体500や、コンピュータのハードディスクやRAM等の記録媒体505のいずれであっても良く、プログラム実行時には、プログラムはコンピュータ504上にローディングされ、主メモリ上で実行される。
【0091】
【発明の効果】
本発明の信号処理フィルタシステムによれば、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を、信号処理遅延時間の低減を優先するか信号処理量の低減を優先するかに応じて切り換えることができ、アプリケーションの要求に応じて信号処理遅延時間と信号処理量とを柔軟かつ適切に調整することが可能となる。
【0092】
本発明の信号処理フィルタシステムによれば、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を、信号処理フィルタ群の中における周波数領域で信号処理をする信号処理フィルタの有無に応じて選択することができ、周波数領域で信号処理する信号処理フィルタがなければ、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を時間領域として信号処理遅延時間の低減を図り、逆に周波数領域で信号処理する信号処理フィルタがあれば、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を周波数領域として信号処理量の低減を図ることができ、フィルタ構成に応じて柔軟かつ適切に対応することが可能となる。
【0093】
本発明の信号処理フィルタシステムによれば、領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を、周波数領域固定信号処理フィルタの有無に応じて選択することができ、周波数領域固定信号処理フィルタがない場合には、信号処理遅延時間の低減を優先させる場合として領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を時間領域として信号処理遅延時間の低減を図り、逆に周波数領域固定信号処理フィルタがある場合には、信号処理量の低減を優先させる場合として領域選択可能信号処理フィルタの信号処理領域を周波数領域として信号処理量の低減を図り、フィルタ構成に応じて柔軟かつ適切に対応することが可能となる。
【0094】
本発明の信号処理フィルタシステムによれば、各周波数領域で信号処理を行なう信号処理フィルタにおけるフーリエ変換処理部分と逆フーリエ変換処理部分を共通化するので、システム全体の信号処理量をさらに低減することが可能となる。
【0095】
さらに、本発明の信号処理フィルタシステムに関して以下の項を開示する。
【0096】
(1) 前記領域選択可能信号処理フィルタがレベル制御信号処理フィルタであり、前記周波数領域固定信号処理フィルタが雑音抑制信号処理フィルタである請求項3に記載の信号処理フィルタシステム。
【0097】
(2) 前記領域選択可能信号処理フィルタがエコー消去制御信号処理フィルタであり、前記周波数領域固定信号処理フィルタが雑音抑制信号処理フィルタである請求項3に記載の信号処理フィルタシステム。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の信号処理フィルタシステムの概略構成を示すブロック図
【図2】 本発明の実施形態2の信号処理フィルタシステムの概略構成を示すブロック図
【図3】 本発明の実施形態3の信号処理フィルタシステムの概略構成を示すブロック図
【図4】 本発明の実施形態4の信号処理フィルタシステムの概略構成を示すブロック図
【図5】 本発明の実施形態5の信号処理フィルタシステムの処理プログラムを記録した記録媒体の例を示す図
【図6】 従来技術における時間領域で演算処理を実行する場合のハイパスフィルタフィルタモジュールの入出力信号と処理の概念を説明する図
【図7】 従来技術における周波数領域で演算処理を実行する場合のハイパスフィルタフィルタモジュールの入出力信号と処理の概念を説明する図
【図8】 従来技術におけるエコーとエコー消去制御の原理を説明する図
【図9】 従来技術における雑音抑制制御用の信号処理フィルタモジュールとエコー消去制御用の信号処理フィルタモジュールを組み合わせたシステム構成例を示す図
【符号の説明】
10,110,410 フーリエ変換部
20,120 雑音抑制制御フィルタ部
30 周波数領域エコー消去制御フィルタ部
31 第2のフーリエ変換部
40,140,440 逆フーリエ変換部
50 時間領域エコー消去制御フィルタ部
51,460 ハイパスフィルタ
60,61,160,161 第2のスイッチ部
70,71,170,171 第1のスイッチ部の周波数領域選択スイッチ
72,73,172,173 第1のスイッチ部の時間領域選択スイッチ
75,175,475 スイッチ制御部
470,471 第1のスイッチ部
80,180,480 アプリケーション
90 マイクロホン
100 スピーカ
130 周波数領域レベル制御フィルタ部
131 第1のハイパスフィルタ部
150 時間領域レベル制御フィルタ部
151 第2のハイパスフィルタ
190 第1のパワー計算部
191 第2のパワー計算部
200 第1の音声区間検出部
201 第2の音声区間検出部
210 雑音区間検出部
300 第1の適応初期値計算部
301 第3のスイッチ部
310 第2の適応初期値計算部
311 第4のスイッチ部
430 周波数領域で動作するフィルタ部
450 時間領域で動作するフィルタ部
490 信号処理フィルタ群
491 信号処理フィルタ選択部
500 ネットワーク上にある記録装置内の記録媒体
501 可搬型記録媒体
502 CD−ROM
503 フレキシブルディスク
504 コンピュータ
505 コンピュータのハードディスクやRAM等の記録媒体

Claims (5)

  1. 信号処理フィルタシステムを実現する処理ステップを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    信号処理を時間領域で実行する場合の時間領域フィルタ信号処理部分と周波数領域で実行する場合の周波数領域フィルタ信号処理部分とを含む領域選択可能フィルタ信号処理を含む複数の信号処理ステップを備えた信号処理ステップ群と、
    前記領域選択可能フィルタ信号処理ステップにおいて時間領域フィルタ信号処理部分か周波数領域フィルタ信号処理部分のいずれかを選択するスイッチステップと、
    アプリケーションに応じて前記信号処理ステップ群のうちアクティブにする信号処理ステップを選択する信号処理ステップ選択制御ステップと、
    前記信号処理ステップ選択制御ステップにより選択された信号処理ステップ群のうち、周波数領域で信号処理を実行する信号処理ステップが含まれている場合、前記スイッチステップにより領域選択可能フィルタ信号処理ステップにおいて周波数領域フィルタ信号処理部分を用い、周波数領域で信号処理を実行する信号処理ステップが含まれていない場合、前記スイッチステップにより領域選択可能フィルタ信号処理ステップにおいて時間領域フィルタ信号処理部分を用いるように制御するスイッチ制御ステップとを備えた処理プログラムを記録したことを特徴とする、記録媒体。
  2. 信号処理を時間領域で実行する場合の時間領域信号処理フィルタ部分と周波数領域で実行する場合の周波数領域信号処理フィルタ部分とを含む領域選択可能信号処理フィルタを含む複数の信号処理フィルタを備えた信号処理フィルタ群と、
    前記領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分か周波数領域信号処理フィルタ部分のいずれかを選択するスイッチ部と、
    アプリケーションに応じて前記信号処理フィルタ群のうちアクティブにする信号処理フィルタを選択する信号処理フィルタ選択制御部と、
    前記信号処理フィルタ選択制御部により選択された信号処理フィルタ群のうち、周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタが含まれている場合、前記スイッチ部により領域選択可能信号処理フィルタにおいて周波数領域信号処理フィルタ部分を用い、周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタが含まれていない場合、前記スイッチ部により領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分を用いるように制御するスイッチ制御部とを備えたことを特徴とする信号処理フィルタシステム。
  3. 第1の信号処理を時間領域で実行する場合の時間領域信号処理フィルタ部分と周波数領域で実行する場合の周波数領域信号処理フィルタ部分とを含む領域選択可能信号処理フィルタと、
    第2の信号処理を周波数領域で実行する周波数領域信号処理フィルタを持つ周波数領域固定信号処理フィルタと、
    前記領域選択可能信号処理フィルタにおいて時間領域信号処理フィルタ部分か周波数領域信号処理フィルタ部分のいずれかを選択する第1のスイッチ部と、
    前記周波数領域固定信号処理フィルタのオン・オフを選択する第2のスイッチ部と、
    前記第2のスイッチ部の切り換えにより前記周波数領域固定信号処理フィルタをオフにする場合、前記第1のスイッチ部の切り換えにより前記領域選択可能信号処理フィルタのうち時間領域信号処理フィルタ部分を選択し、前記第2のスイッチ部の切り換えにより前記周波数領域固定信号処理フィルタをオンにする場合、前記第1のスイッチ部の切り換えにより前記領域選択可能信号処理フィルタのうち周波数領域信号処理フィルタ部分を選択するように制御するスイッチ制御部とを備えたことを特徴とする信号処理フィルタシステム。
  4. 前記領域選択可能信号処理フィルタを含む、前記信号処理フィルタシステムに含まれる信号処理フィルタを、時間領域で信号処理を実行するものと、周波数領域で信号処理を実行するものとに分けて集約し、周波数領域で信号処理を実行する信号処理フィルタ群の信号入力段に用いるフーリエ変換処理部分を共通化し、前記周波数領域で信号処理を行なう信号処理フィルタ群からの信号出力に用いる逆フーリエ変換処理部分を共通化した請求項2又は3に記載の信号処理フィルタシステム。
  5. 信号処理フィルタ処理システムを実現する処理ステップを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    第1の信号処理を時間領域で実行する場合の時間領域信号処理フィルタ部分と周波数領域で実行する場合の周波数領域信号処理フィルタ部分とを含む領域選択可能信号処理ステップと、
    第2の信号処理を周波数領域で実行する周波数領域信号処理フィルタを持つ周波数領域固定信号処理ステップと、
    前記領域選択可能信号処理ステップにおいて時間領域信号処理フィルタ部分か周波数領域信号処理フィルタ部分のいずれかを選択する第1のスイッチステップと、
    前記周波数領域固定信号処理ステップのオン・オフを選択する第2のスイッチステップと、
    前記第2のスイッチステップの切り換えにより前記周波数領域固定信号処理ステップをオフにする場合、前記第1のスイッチステップの切り換えにより前記領域選択可能信号処理ステップのうち時間領域信号処理フィルタ部分を選択し、前記第2のスイッチステップの切り換えにより前記周波数領域固定信号処理ステップをオンにする場合、前記第1のスイッチステップの切り換えにより前記領域選択可能信号処理ステップのうち周波数領域信号処理フィルタ部分を選択するように制御するスイッチ制御ステップとを備えた処理プログラムを記録したことを特徴とする、記録媒体。
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