JP4497006B2 - 真空断熱材芯材の取り出し方法、真空断熱材芯材の保管方法、及び断熱材再利用製品 - Google Patents

真空断熱材芯材の取り出し方法、真空断熱材芯材の保管方法、及び断熱材再利用製品 Download PDF

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Description

本発明は、回収素材品位の向上を狙った真空断熱材芯材の取り出し方法、真空断熱材芯材の保管方法、及び断熱材の再利用製品に関する。
近年、真空断熱材を搭載した冷蔵庫や自動販売機が発売され、省エネを謳い文句に市場から好評を得ている。この真空断熱材は、主としてグラスウール製の芯材とガスバリア性を有する外被材からなる構成であり、従来のウレタンフォームと比較して3〜10倍の断熱性能を有するため、「庫内を広く、外形を小さく。」といった冷蔵庫の市場ニーズを満たしながら省エネを図ることができる有力デバイスとして着目されている。
しかしながら、真空断熱材を搭載した冷蔵庫のリサイクルには課題がある。真空断熱材はガラスウールをアルミ蒸着したフィルムで閉じ真空封着したものが主流であるため、従来の冷蔵庫リサイクル方法と同様に箱体を丸ごと破砕すると、破砕後にウレタンフォームとガラスウールの分離が出来ず、再資源化素材の品位が落ちてしまうからである。
従って、好ましい真空断熱冷蔵庫のリサイクル方法としては、破砕の前に真空断熱材を取り出す必要がある。
冷蔵庫を解体する工法として、断熱箱体の外側筐体である金属部と内箱である樹脂部を分離する方法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、これは真空断熱材が搭載されていない冷蔵庫を想定しており、発泡断熱材とともに断熱層を構成している真空断熱材を取り出す場合にはそのまま適用できない。また、この方法では、内壁に潤滑性剥離層を設けた金属性外箱を有する冷蔵庫でなければ適用できないため、真空断熱材が搭載されていない冷蔵庫に対してであっても、汎用的な方法とは言えない。
また、取り出した真空断熱材の用途として、高い断熱性が求められる冷蔵庫へのリユースやリサイクルは、冷蔵庫の平均寿命が14〜15年であることを考えれば、回収された真空断熱材をその時点の新しい冷蔵庫に搭載するのは、品質基準面で適合しない可能性もあり、難しい。そのため、品質面で冷蔵庫ほどの高性能が要求されないB級品の再利用真空断熱材としての製品用途も確保しておくことが望ましい。これまで、断熱層を有する製品に関して、座ぶとん、靴などの例(例えば、特許文献2参照)があるが、これは真空断熱材の再利用例ではなかった。
特開平5−198135号公報 特開平5−312411号公報
真空断熱材を搭載した冷蔵庫をリサイクルする際、図12に記載のように従来の冷蔵庫リサイクル工程で箱体を一括破砕すると、破砕後にウレタンフォームとガラスウールの分離が出来ず、再資源化素材の品位が落ちてしまう。再資源化素材の品位が落ちて有価性がなくなれば、現行の家電リサイクル法によればリサイクル率が下がってしまうことになる。従って真空断熱材を破砕前に取り出すことが望ましい。
加えて、近年の冷蔵庫はウレタンフォームの発泡剤として可燃性ガスであるシクロペンタンを使用しているものが多い。冷蔵庫解体、真空断熱材の取り出しの際には、この点をよく考え、防爆対策を実施するか、または火花発生のないような方法をとることが課題となる。
また、取り出した真空断熱材の使い道としては、「リユース」など出来るだけ付加価値の高い状態で再資源化することが、再生した部品の有価性を高め、また、環境負荷を低減でき、望ましい。というのも、製品に一旦使用された真空断熱材を、原料にまで戻すリサイクル処理をすると、原料に戻すための破砕や選別、精製にコストとエネルギーを消費し、また、そうして作った原料から新しい部品を製造するのにコストとエネルギーを消費するからである。従って、使える部材はそのままの様態で使用するリユース処理の方が、部品コスト面及び環境面からは望ましいといえる。
しかしながら、回転ノコギリのような工具を使用して冷蔵庫の外側筐体の鉄板を切断するような解体・取り出し方法の場合は、切断された細かい金属片が取り出す真空断熱材の表面に付着し、リユースの際の障害となる。従って、細かい金属片が発生しないような解体方法をとることが課題となる。
図12に示す現状の冷蔵庫リサイクル工程において、回収したウレタンフォームは断熱ボードなどに再資源化される。しかし、近年の冷蔵庫内部材質の多様化つまりガラスや複合樹脂の採用などによって、回収ウレタンフォームの品位が低下し、有価性がなくなるという現象が起きてきている。これは真空断熱材を搭載していない冷蔵庫においても当てはまる。従って、ウレタンフォームを少しでも純度が高く、即ち、有価性が高い状態で取り出す方法についても、望ましい方法が求められていた。
廃家電品から回収された真空断熱材を有効に利用する方法として、芯材のリユースがあげられる。しかし、高い断熱性が求められる冷蔵庫へのリユースは、冷蔵庫の平均寿命が14〜15年であることを考えれば、回収された真空断熱材芯材をその時点の新しい冷蔵庫に搭載するのは、品質基準面で適合しない可能性もあり、難しい。そのため、品質面で冷蔵庫ほどの高性能が要求されないB級品の再利用真空断熱材としての製品用途も確保しておくことが望ましい。これまでは、真空断熱材は高価であるために搭載をしないという考えであった製品においても、リユース品であれば搭載してもコストメリットが出る場合があり、適用できる製品を考案しておくことも課題となる。
以上の課題を解決するため、本発明は、火花や細かい金属片の出ない冷蔵庫の解体・真空断熱材の取り出し方法と、ウレタンフォームを高純度で回収できる方法を提供し、さらに回収した真空断熱材芯材をリユースした際の用途としての製品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、下記の手段を用いた。
本願の第請求項に記載の発明は、フィルム内に断熱性芯材を真空密封してなる真空断熱材に対し、冷蔵庫を構成する断熱箱体の面を押し切り、前記面の切断部をめくり上げ、断熱箱体内に搭載された断熱材を取り出すことにより取り出された真空断熱材の外被フィルムを開封し、次に、開封した面即ち芯材が露出している面に、芯材重量に対し十分な強度を有する平板を押し当て、その状態で真空断熱材と平板を反転させて芯材を平板の上に載せ、最後に外被フィルムを芯材から除去することを特徴とする真空断熱材芯材の取り出し方法に関する。
冷蔵庫から取り出した真空断熱材の芯材を再利用する際は、その形状や形態を変化させない、即ち傷つけないようにすることが望まれる。特に、近年真空断熱材の芯材としてよく使われているガラスウールは、折り曲げや引張りによって容易に破壊されてしまうため、再利用する場合は丁寧に扱う必要がある。本発明により、芯材を平板で保持した状態で外被フィルムを開封して中の芯材を取り出すことができ、芯材の折り曲げや引張りを防ぐことができる。このことにより、形状劣化の少ない真空断熱材芯材を再利用の用途に供することができる。なお、平板の材質としては、芯材の重量に十分耐えられる強度があればよく、ダンボールや木板、プラスチック板、金属板などが可能である。
また、平板で保持した状態で取り出した真空断熱材の芯材を再利用のために移送する際、数段にわたって平板と芯材が交互に積み重なるように配置して箱か籠に詰めて置くのが、効率的で望ましい。また、このことで、移送中に芯材が無為に引っ張られたり折り曲がったりすることを防ぐことができる。
以上のように、本発明による冷蔵庫からの断熱材の取り出し方法であれば、火花の発生がなく安全で、かつ真空断熱材芯材のリユースを阻害する細かい金属片の発生を伴わずに、断熱材である真空断熱材を冷蔵庫から取り出すことができ、さらに、取り出した芯材を傷つけることなく保管・移送することができる。また、純度の良い状態で断熱材である発泡ウレタンフォームを取り出すことができ断熱ボード等への再利用が可能となる。加えて、本発明による断熱材再利用製品においては、冷蔵庫から取り出した過去の真空断熱材芯材を再利用して必要とされる断熱性能を満たす断熱層を形成して資源を有効活用することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における、冷蔵庫に搭載されている真空断熱材101の断面模式図である。102はガスバリア性を有する外被フィルムを示し、103はガラス繊維状の芯材、104は水分と酸素を吸収する吸着剤を示す。外被フィルム102の端部105は熱シール層の高分子溶着によってシールされており、外被フィルム102の内部は真空に近い状態となっている。
なお、本実施例では、芯材103は、ガラス繊維状のものでその主成分がSi02であって、その形状は平均直径が3〜5μm程度で平均長さが50mm程度の繊維の集合体で、無機バインダーによって固めており、厚さが約14mm、密度が約250kg/m3となるものであった。
また、外被フィルム102は、片面には表面保護層がポリエチレンテレフタレート、中間層がアルミ箔、熱シール層が高密度ポリエチレンからなる厚み約70μmのラミネートフィルム、もう一方の面には、表面保護層がポリエチレンテレフタレート、中間層がエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物の内側にアルミ蒸着を施したフィルム層、熱シール層が高密度ポリエチレンからなる厚み約35μmのラミネートフィルムのものであった。
上記芯材103を上記外被フィルム102で包み込み真空封着すると、芯材103は外被フィルム102によって加圧圧縮されるため、真空断熱材としての厚みは約12mm程度となる。また、本実施例では真空断熱材の真空度は約4Pa(0.03Torr)となるようにして作製しており、吸着剤104は塩化カルシウムと塩化マグネシウムからなる固形状の粉混合物をガス透過性のある紙製の袋で包んだものであった。
図2は、本発明の実施の形態で解体した真空断熱材搭載冷蔵庫の模式図であり、図2(A)が正面から眺めた模式図で、図2(B)が背面から眺めた模式図である。この冷蔵庫は庫内容積401リットルクラスのもので、冷蔵室のドアは標準的な右開き、即ち蝶番が右前面についているタイプのものであった。また、この冷蔵庫は冷媒としてはイソブタンを使用し、発泡ウレタンフォームの発泡剤としてはシクロペンタンを使用しているモデルであった。本実施形態における冷蔵庫201には真空断熱材101が天面202、背面203、右側面204、左側面205、庫内隔壁(バリア)部206、底面207、冷蔵室ドア208、冷凍室ドア209の各箇所に1枚ずつ合計8枚搭載されたモデルであった。なお、真空断熱材の取り付け位置は、表1に示すように、真空断熱材は、天面202、背面203、右側面204、左側面205では断熱箱体の外側鉄板の内面に接着剤で固定されており、庫内隔壁(バリア)部206、底面207においては、断熱箱体の内箱の樹脂面に接着剤で固定されていて、さらに冷蔵室ドア208、冷凍室ドア209においては、ドア内部の発泡ウレタンフォームに包まれるように配置されている。
Figure 0004497006
次に本実施例における冷蔵庫201の解体及び真空断熱材101の取り出し方法について、手順をフローチャートで図3(A)に示し、模式図を図3(B)に示す。立位の冷蔵庫201に対し、まず引き出しのドア類や庫内部品を取り外す。庫内部品としては、図示しないが、ポリスチレン製ケースや棚板、トレイなどがあるが、解体作業の邪魔になるので先に取り外しておくのが望ましい。また、引き出し式のドアである冷凍室ドア209も取り外しておくのが望ましい。
次に、冷蔵室ドア208を開け、庫内隔壁部(バリア部)206の真空断熱材が配置されている断熱箱体の内箱表面の樹脂部分をカッターナイフで押し切り、樹脂部分をくりぬいて樹脂部と、樹脂面に接着されている真空断熱材101を取り出す。次に、底面部207の真空断熱材を同様にして樹脂部分をカッターナイフで押し切り、樹脂部分をくりぬいて樹脂部と樹脂面に接着されている真空断熱材101を取り出す。
続いて、冷蔵庫本体を正面から見て右側に傾け、倒す。こうすることで、各鉄板面の真空断熱材101を取り出しやすくするとともに、冷蔵室のドアを外さずとも冷蔵室ドア208に配置されている真空断熱材101を取り出しやすくできる。
次に、冷蔵室ドア208を開き、ドアが作業場の床面に接するようにして押さえ、ドア内部の真空断熱材101が配置されている部分に相当する樹脂面をカッターナイフで押し切り、樹脂部分と内部の発泡ウレタンフォームをくりぬいて埋設されている真空断熱材101を取り出す。
また、先に取り出しておいた冷凍室ドア209に対しても、真空断熱材101が配置されている部分に相当する樹脂面をカッターナイフで押し切り、樹脂部分と内部の発泡ウレタンフォームをくりぬいて埋設されている真空断熱材101を取り出す。
続いて、オートチゼル401を用いて、振動押し切りによって天面202と左側面205の外側鉄板の真空断熱材配置相当部分の外側を切る。切られた鉄板の端部を、図示しないバールなどでめくり上げると、真空断熱材101は鉄板部分に接着されているため、鉄板とともに取り出すことができる。
ここで用いたオートチゼル401は、日東工器株式会社製A302型で、空圧0.59MPa、往復数2600/分、空気消費量0.3m3/分の仕様のもので、使用時の空気圧は5〜6kgf/cm2であった。図4(A)にこのオートチゼル401の模式図を示す。オートチゼル401は先端のタガネ部402が接続バネ部403を通して本体404と取りはずし可能な構成となっている。空圧ホース405から送られるエアが、スイッチ406を押すことで、本体404において、タガネ部402を振動させるエネルギーに変えられる。タガネ部402の先端407は、平面を有する加工物表面に溝を形成しやすいように、断面がT字形状をしているものを用いた。図4(B)にこのタガネ部402の断面図を示す。タガネ部402は焼入れの施された鉄製で、ガイド幅は約15mmで、切り込み刃の刃幅は約2mm、刃長は約4mmであったが、この寸法以外のものでも同様に実施可能である。
天面202と左側面205の真空断熱材101を取り出した後、次に冷蔵庫本体201を正面のドア部が床に接するように手前側に回転させる。この状態で背面203の真空断熱材101を、先と同様にして外側鉄板を前記オートチゼル401で押し切り、めくり上げることで取り出す。
続いて、冷蔵庫本体201を再び手前側に回転させ、右側面204が上を向くようにする。ここでも、右側面204の真空断熱材101を、先と同様にして外側鉄板を前記オートチゼル401で押し切り、めくり上げることで取り出す。
以上のようにして、8枚の真空断熱材101を冷蔵庫本体201から取り出すことができる。なお、本実施例では解体と真空断熱材101の取り出しに約30分の時間を要したが、更なる作業効率化や冷蔵庫の反転を助けるジグなどの開発によって時間を短縮することも可能と考えられる。また、冷蔵庫本体201の冷蔵室ドア208が左開きの場合は、冷蔵室ドア208の真空断熱材101を取り出す前に本体201を倒す際、正面から見て左側に倒すようにすることで、上記実施例と同様に効率的な解体を実施することができる。また、本実施例では8枚の真空断熱材101を搭載したモデルであったが、他の枚数の搭載モデルであっても、搭載箇所に応じて上記の解体方法を使い分けすることで、同様に真空断熱材101を取り出すことが可能である。さらに、本実施例ではオートチゼルを使用したが、鉄板の切断時に火花が出ず、加えて細かな切粉が発生しないタイプの振動押し切りによる切断工具であれば他の工具を使用しても構わない。
続いて、図5に示すようにオートチゼル401のタガネ部を、同じく焼入れの施された鉄製のブレード501に取替えた。ブレード501は幅が約200mmで先端の厚みが約2mmとなるようにテーパがついた構造となっている。真空断熱材101を取り外した後の冷蔵庫本体201は、両側面や背面203の発泡ウレタンフォームが露出している。オートチゼル401に接続されたブレード501をこの露出した発泡ウレタンフォームに押し当て、ブレード501を振動させることによって、発泡ウレタンフォームを剥ぎ取り、比較的純度が良い状態で回収することができる。ただし、この際に、発泡ウレタンフォームの内部から発泡剤として使われていたシクロペンタンが放出されるため、換気の良い場所で実施することが望ましい。このようにして取り出した発泡ウレタンフォームは純度が良いため、再び断熱ボードなどの原料として有効活用することができる。なお、発泡剤としてフロン類を使用している製品に関しては、発泡ウレタンフォーム回収時に、ガス吸引することにより断熱フロンを回収する必要があるが、本実施例と同様に実施可能である。
次に、取り出した真空断熱材101を有効活用するために、外被フィルム102を開封して中の芯材103を取り出す作業を実施した。図6にこの芯材取り出し作業の模式図を示す。芯材103は再利用のためにできるだけ傷つけないように取り出すのが望ましい。そこで、真空断熱材101の芯材103の外側4辺の外被フィルム102部分をカッターナイフで切って剥ぎ取り、中の芯材103が露出する状態とした後に、芯材103が露出している面に対して、ダンボール製の平板601を押し当て、平板601と真空断熱材101を一体にしたまま反転させる。次に、平板601で真空断熱材101を支えたまま、残っている外被フィルム102を剥ぎ取る。こうすることで、変形しやすい芯材103をできるだけ平面性を保持したまま、外被フィルム102から取り出すことができる。
なお、鉄板や樹脂面と一体的に取り出された真空断熱材101であっても、まず、真空断熱材101の芯材103の外側4辺の外被フィルム102部分をカッターナイフで切って剥ぎ取り、中の芯材103が露出する状態とした後に、芯材103が露出している面に対して、ダンボール製の平板601を押し当て、平板601と真空断熱材101および真空断熱材101が接着されている鉄板または樹脂部を一体にしたまま反転させることで、同様にして、外被フィルム102とそれに接着されている鉄板、または樹脂部を芯材103から除去することが可能である。
また、平板601は芯材103の重量を支えられる十分な強度があればよく、ダンボール以外にも木製やプラスチック製、金属製であっても構わない。本実施例においては、芯材103は最大のもので470mm×1370mm×厚み14mmで、重さは約2kgであったため、500mm×1400mm×厚み約6mmのダンボール板でも十分支えることが可能であった。
次に、取り出した芯材103と平板601を段ボール箱602に入れた。複数枚の芯材103を保護しながら効率的に運搬するために、平板601と芯材103を交互に積み重ね、段ボール箱602に入れるようにした。こうすることで、芯材103の平面性を損なうことなく、保管、運搬が可能となる。
以上のようにして回収した真空断熱材の芯材103であるが、これを再び新しい外被フィルム102で真空封着することで、芯材がリユース品である真空断熱材101を作製できる。
本実施例では、再利用するために取り出した芯材103を適度なサイズに切り、約140℃1時間乾燥させた後、新しい外被フィルム102で真空封着して、真空断熱材101を作製した。真空封着時の圧力は約4Pa(0.03Torr)以下となるようにし、外被フィルム102の封着には電熱ヒータを使用した。
このようにして作製した、リユース品の真空断熱材101は外形が200mm×300mm、厚みが約12mmとなるサンプルで、断熱性能を示す熱伝導率は0.0021W/m・Kとなった。なお、熱伝導率は熱流計法による測定装置(英弘精機製HC−074)を使用して測定した値である。このレベルの断熱性能であれば、現在の仕様から見ても、再び冷蔵庫の真空断熱材として使用することが可能なものである。
しかし、近年の冷蔵庫の平均寿命は約14〜15年といわれており、回収した冷蔵庫から取り出した真空断熱材101が、その時点の新製品冷蔵庫に使われている真空断熱材と同等の断熱性を有するかどうかは定かではない。技術開発により、より断熱性の高い真空断熱材が将来開発されてくる可能性があるからだ。そこで、このリユース品である真空断熱材101を、電気コタツのテーブルや浴槽、浴槽のフタ、防寒靴、またはクーラーボックスなどの断熱層を有する製品に搭載することを本実施形態では検討した。従来、これらの製品は冷蔵庫と比べてそれほど高い断熱性が要求されておらず、コスト低減のために発泡ウレタンフォーム等のみによって断熱していた。しかし、本実施例にあるように、廃家電品から取り出した真空断熱材は、比較的安く手に入れることが可能であり、前記製品に搭載するコストメリットが存在する。さらに、資源を有効活用していることを消費者にアピールすることで、環境配慮を訴求することもできる。
浴槽に関すれば、近年増加しているユニットバスの場合、浴槽はハードコーティングされた樹脂製であることが多いが、外側にはほとんど断熱材が取り付けられていない。そこで、図7に示すように、ユニットバス浴槽701の平面部分に対し、前記芯材がリユース品である真空断熱材101を取り付ける。こうすることで、浴槽701のかなりの部分に対し、真空断熱による保温性を確保でき、湯が冷める速度を遅らせることができる。
また、同様に、浴槽のフタ702についても、現在一般的なものは、樹脂や発泡ポリスチレン、発泡ウレタンフォームによるものであるが、これを芯材がリユース品である真空断熱材101に変えることで断熱性能を向上させることが出来る。なお、一般的な発泡ウレタンフォームは断熱性能を示す熱伝導率は0.03W/m・K程度以上であることが多い。従って真空断熱材101を採用することで10倍以上に断熱性能を向上することが期待出来る。ただし、本実施例の真空断熱材は、外被フィルムが軟らかく破れやすいため、浴槽フタとして使用する場合は、真空断熱材の周辺を発泡ウレタンフォームで包み込むように成形して保護するといった方法で外被フィルムに外的な力がかかりにくいようにする必要がある。
電気コタツに関すれば、図8に示すように、テーブル下部分に芯材がリユース品である真空断熱材101を配置することで、コタツ内部の熱がテーブルを伝わって逃げるのを防ぐことができる。
防寒靴に関すれば、図9に示すように、足の局面に応じた形状に、芯材がリユース品である真空断熱材101を作成し、靴内部の生地に挟み込んで搭載することで、きわめて暖かい靴を作成することができる。
クーラーボックスに関すれば、図10に示すように、ボックスの平面部分に芯材がリユース品である真空断熱材101を配置することで、熱の出入りが少ない、高性能のクーラーボックスとすることが出来る。
これらの芯材リユースの真空断熱材101を搭載した製品は、環境配慮製品という位置づけで消費者に訴求することができ、これからの時代にとって望ましい利点がある。
また、電気コタツのテーブルや浴槽、浴槽のフタ、防寒靴、またはクーラーボックス以外の製品であっても、断熱層を有する製品であれば、同様に本実施例の芯材がリユース品である真空断熱材101を搭載することができる。
ここで、まとめとして本発明の実施形態における、解体取出しから資源再利用に関わるフローチャートを図11に示す。従来例の図12と比較しても、破砕前に真空断熱材101や、発泡ウレタンフォームの一部を取り出し、別工程でリユースまたはリサイクルすることで、資源の有効活用が可能となっている。
なお、本実施例では、ガラス繊維を芯材とした真空断熱材を用いたが、ウレタンフォームの再生材や樹脂、アモルファス、その他の材質からなる芯材でも、固体状のものであれば同様に実施可能である。また、本実施例では冷蔵庫からの真空断熱材の取り出しに関する例を挙げたが、同様に真空断熱材を搭載した断熱箱体を有する他の電気電子製品、例えば自動販売機や食品保温機、金型温調機などに対しても同様に適用できる。
現在日本には約40〜50箇所の廃家電処理施設(業者)が存在している。真空断熱材搭載冷蔵庫は、従来のリサイクル工程で破砕処理をすると、芯材のガラス繊維がウレタンなど他の回収物に混入して有価性を下げてしまう。本発明による、冷蔵庫からの真空断熱材の取り出し方法によれば、真空断熱材を破砕前に効率的に取り出すことができ、さらに取り出した真空断熱材をリユースとして有効に活用することが可能である。このことにより、各施設では、効率的で経済的なリサイクルを実現できる。
真空断熱材の断熱性能は一般的な発泡ウレタンフォームなどと比べても高い。そのため、冷蔵庫・自動販売機だけでなく、温調機、加熱炉、保温装置など、他の断熱性が要求される製品に対しても、社会全体での省エネを進めるために、真空断熱材が展開されていく可能性がある。本発明による、芯材のリユースにより、より低価格な商品に対しても、快適で省エネとなる断熱機能を付加し、人々の生活に貢献することができる。
また、本発明の真空断熱材配置方法による芯材リユースの促進、及び芯材リユースによる産廃ガラス量の低減は、環境負荷を減らした産業システムの樹立に貢献できることになり、環境共生型の産業発展に寄与することができる。
加えて、本実施例のように、製品使用後に当該部品を取り出して再利用(リユース)していくという思想は、環境負荷を低減する技術思想として、今後の産業発展上重要である。
本発明の実施の形態における真空断熱材の断面模式図 (A)本発明の実施の形態における真空断熱材搭載冷蔵庫の正面からの模式図(B)本発明の実施の形態における真空断熱材搭載冷蔵庫の背面からの模式図 (A)本発明の実施の形態における真空断熱材取り出し作業を示すフローチャート(B)本発明の実施の形態における真空断熱材取り出し作業を示す模式図 (A)本発明の実施の形態における真空断熱材取り出しに使用したオートチゼルの模式図(B)同オートチゼルのタガネ部の断面形状を示した図 本発明の実施の形態における、発泡ウレタンフォーム取り出しのためのブレード模式図 本発明の実施の形態における、真空断熱材開封、芯材の取り出し方法を示した模式図 本発明の実施の形態における、浴槽と浴槽フタを示した模式図 本発明の実施の形態における、電気コタツを示した模式図 本発明の実施の形態における、防寒靴を示した模式図 本発明の実施の形態における、クーラーボックスを示した模式図 本発明の実施の形態における、冷蔵庫解体取り出しから資源再利用に関わるフローチャート 従来例における冷蔵庫解体取出しから資源再利用に関わるフローチャート
符号の説明
101 フィルム内に断熱性芯材を真空密封してなる真空断熱材
102 真空断熱材の外被フィルム
103 真空断熱材の芯材
104 乾燥吸着剤
105 真空断熱材の熱シール部
201 真空断熱材搭載冷蔵庫本体
202 冷蔵庫の天面
203 冷蔵庫の背面
204 冷蔵庫の右側面
205 冷蔵庫の左側面
206 冷蔵庫の庫内隔壁(バリア)部
207 冷蔵庫の底面
208 冷蔵庫の冷蔵室ドア部
209 冷蔵庫の冷凍室ドア部
401 オートチゼル
402 タガネ部
403 接続バネ部
404 オートチゼル本体部
405 エアホース
406 スイッチ部
407 タガネ部先端
501 ブレード
601 ダンボール製平板
602 段ボール箱
701 浴槽
702 浴槽フタ

Claims (4)

  1. 断熱材はフィルム内に断熱性芯材を真空密封してなる真空断熱材であり、冷蔵庫を構成する断熱箱体の面を押し切り、前記面の切断部をめくり上げ、断熱箱体内に搭載された断熱材を取り出すことにより取り出された真空断熱材の外被フィルムを開封し、次に、開封した面即ち芯材が露出している面に、芯材重量に対し十分な強度を有する平板を押し当て、その状態で真空断熱材と平板を反転させて芯材を平板の上に載せ、最後に外被フィルムを芯材から除去することを特徴とする真空断熱材芯材の取り出し方法。
  2. 請求項に記載の真空断熱材の取り出し方法により外被フィルムを除去した真空断熱材芯材を平板の上に置いた状態とし、複数枚の芯材及び平板を交互に積み重ねた状態で箱または籠に保管することを特徴とする真空断熱材芯材の保管方法。
  3. 請求項の方法で取り出した芯材を、新しい外被フィルムで再び真空封着して作製した再利用真空断熱材を搭載したことを特徴とする断熱材再利用製品。
  4. 断熱材再利用製品とは、電気コタツのテーブル、浴槽、浴槽のふた、防寒靴、クーラーボックスである請求項に記載の断熱材再利用製品。
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