JP4494855B2 - Rfidタグ及びrfidタグの共振周波数の調整方法 - Google Patents

Rfidタグ及びrfidタグの共振周波数の調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定の共振周波数で動作するアンテナコイルとしてのコイル導体パターン有するRFID(Radio Frequency Identification)タグ及びその共振周波数の調整方法に関する。
従来から物品管理などの分野でRFIDタグが用いられている。RFIDタグは、アンテナコイルとアンテナコイルに接続したIC等の素子を備え、質問器から送信される所定の周波数をアンテナコイルで受信しRFIDタグが活性化することによりIC等の素子を駆動するように構成されている。これにより、RFIDタグと質問器との間で電波により通信を行って、IC素子によって記憶されたデータの読み出しと、新たなデータの書き込みを行うことにより、物品の管理等に活用することができる。
通常、RFIDタグと質問器との間の通信では、例えば13.56MHz帯など所定の周波数帯域が規定されている。RFIDタグを構成する場合、アンテナコイルの構造とその周辺回路を適切に構成することにより、共振周波数を最適に調整する必要がある。例えば、FPC(Flexible Print Circuit Board)にアンテナコイルを構成するとともに、FPCの基材とFPCの両面に形成された電極とでコンデンサを形成し、このコンデンサの電極を部分的に切断して面積を変え容量値を修正することにより、RFIDタグの共振周波数を調整する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−187207号公報
上記従来のようにFPCに形成したコンデンサの容量値を修正して共振周波数を調整するように構成されたRFIDタグにおいては、例えば環境条件である温度や湿度に依存してFPCの基材の特性が変化するため、コンデンサの容量値が変動し、その結果共振周波数が変動することになる。この場合、例えば製造工程において所定の温度、湿度の下でRFIDタグの共振周波数を調整した場合であっても、実際にRFIDタグを使用する環境が製造工程の環境と異なると、コンデンサの容量値が変動し、共振周波数が調整時の値からずれてしまう恐れがある。このように環境変動に起因してRFIDタグの共振周波数のずれを生じ、RFIDタグが所望の性能を発揮できないという問題が生じる。また、上記従来の構成のRFIDタグは、FPCの両面を用いてコンデンサを設けるため、FPCの両面を接続する必要があるため配線構造が複雑になり、RFIDタグのコスト上昇を招くことも問題となる。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものである。本発明の適用においては、温度や湿度等の環境変動が生じた場合であっても所望の共振周波数を安定に保ち、構成が簡単でコストの低減が可能なRFIDタグ及びその共振周波数の調整方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載のRFIDタグは、所定の共振周波数で動作するコイル導体パターンを有するRFIDタグであって、前記コイル導体パターンは、アンテナコイルの主要部分を構成する線状導体の一部に並列接続される迂回パターンを含み、前記迂回パターンは、前記線状導体に対して略平行に配置される第1迂回経路と、前記第1迂回経路の両端部のそれぞれを前記線状導体に接続する2つの第1接続経路と、前記第1迂回経路に対して略平行に配置される第2接続経路と、前記第1迂回経路にそれぞれの一端が接続され他端が前記第2接続経路に接続されるとともに前記第1迂回経路に対して略垂直にそれぞれが離間して配置される複数の第2迂回経路とを含み、前記第1迂回経路および/または前記第2接続経路において、前記第2迂回経路同士を接続する複数の接続箇所の中から、1または複数の接続箇所を切断することにより、前記コイル導体パターン全体のインダクタンスを調整可能に構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、アンテナコイルとしてのコイル導体パターンのインダクタンスを迂回パターンの切断により調整することで、RFIDタグの共振周波数を調整することができる。このとき、コイル導体パターンの線状導体に対して迂回パターンが並列接続される関係にあるため、この迂回パターンの切断位置を可変することにより容易にインダクタンスを調整することができる。従って、温度や湿度などの変動が生じても安定に共振周波数を保って、信頼性の高いRFIDタグを簡単な構成と低いコストで実現することができる。
請求項に記載のRFIDタグは、請求項に記載のRFIDタグにおいて、前記コイル導体パターンは、平面状のFPCの一方の面に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、上述の発明の作用に加えて、平面状のFPCの一方の面にコイル導体パターンを形成したので、配線構造を簡便なものにすることができ、低コストのRFIDタグを実現することができる。
請求項に記載のRFIDタグは、請求項に記載のRFIDタグにおいて、前記コイル導体パターンは、磁性コア材の周囲に巻き付けられたFPCの一方の面に形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、上述の発明の作用に加えて、FPCを磁性コア材の周囲に巻き付けてアンテナコイルを構成したので、小型のRFIDタグを実現することができる。
請求項に記載のRFIDタグは、請求項に記載のRFIDタグにおいて、複数の前記線状導体が、前記FPCの一方の面に並列配置され、前記FPCを前記磁性コア材に巻き付けた状態で隣接する線状導体同士を電気的に接続することにより一体化された線状導体を形成可能に構成されているとともに、前記一体化された線状導体の一端と他端を電気的に接続する接続導体を更に設けたことを特徴とする。
この発明によれば、上述の発明の作用に加えて、磁性コア材の周囲に巻き付けたFPCは隣接する線状導体同士を順次接続するとともに、接続導体を用いてアンテナコイルを構成するので、FPCの一方の面のみを用いることによって基材の環境変動の影響を非常に小さくでき、RFIDタグの信頼性の更なる向上が可能となる。
請求項に記載のRFIDタグの共振周波数の調整方法は、所定の共振周波数で動作するコイル導体パターンを有するRFIDタグの共振周波数の調整方法であって、前記コイル導体パターンは、アンテナコイルの主要部分を構成する線状導体と、当該線状導体の一部に並列接続される迂回パターンを含み、前記迂回パターンは、前記線状導体に対して略平行に配置される第1迂回経路と、前記第1迂回経路の両端部のそれぞれを前記線状導体に接続する2つの第1接続経路と、前記第1迂回経路に対して略平行に配置される第2接続経路と、前記第1迂回経路にそれぞれの一端が接続され他端が前記第2接続経路に接続されるとともに前記第1迂回経路に対して略垂直にそれぞれが離間して配置される複数の第2迂回経路とを含み、前記第1迂回経路および/または前記第2接続経路の前記第2迂回経路同士を接続する複数の接続箇所の中から、1または複数の接続箇所を切断することにより、前記コイル導体パターン全体のインダクタンスを調整することを特徴とする。
本発明によれば、RFIDタグのコイル導体パターンのうち、線状導体の一部に並列接続した迂回パターンを所定位置で切断してインダクタンスを調整可能に構成したので、温度や湿度等の環境変動が生じる場合であってもインダクタンスに連動させて所望の共振周波数を調整した後、その共振周波数を安定に保ち、構成が簡単でコストの低減が可能なRFIDタグ及びその共振周波数の調整方法を実現可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図1〜図12を参照しつつ説明する。本実施形態では、アンテナコイルを巻き付ける磁性コア材を設けない平面状のRFIDタグと、アンテナコイルを巻き付ける磁性コア材を設けた板状のRFIDタグの2種に対し本発明を適用する場合を説明する。平面状のRFIDタグの構成を図1に示し、板状のRFIDタグの構成を図2及び図3に示す。
まず、図1は、本実施形態に係る平面状のRFIDタグ1の構成を示す図である。図1に示すRFIDタグ1は、方形の平面状に形成されたFPC11上にコイル導体パターン12を形成し、所望の共振周波数のアンテナコイルとして動作させる構成を備えている。図1に示す構成を備えたRFIDタグ1は、例えば、ケース内部に一体化した状態でカード状に形成される。
FPC11は、柔軟な樹脂を厚さ30μm程度に形成した基材の一方の面に形成されたコイル導体パターン12と、他方の面に形成されたクロスオーバーパターン13を備えている。FPC11の基材の樹脂としては、例えばPET、PI、PEN、液晶ポリマーなどが用いられる。FPC11上に形成されたコイル導体パターン12には、所定箇所に配置されたIC14に接続されている。このIC14は、質問器からの要求に応じて所定のデータを送信したり、質問器から送信されてきたデータを記憶したりといった役割を担う。
FPC11の一方の面に形成されたコイル導体パターン12は、アンテナコイルの主要部分を構成する線状導体12aと、線状導体12aを部分的に迂回する導体パターンとしての迂回パターン12bからなる。図1の例では、迂回パターン12bは4つの迂回経路が並列に配置され、迂回パターン12bの所定位置を切断することによってアンテナコイルの共振周波数を調整する役割を担っている。このような構成により、本実施形態に係るRFIDタグ1には、共振周波数を調整するためのコンデンサが不要となっている。なお、迂回パターン12bの切断による共振周波数の調整方法について詳しくは後述する。
接続導体として機能するクロスオーバーパターン13は、コイル導体パターン12の所定の2箇所を電気的に接続することにより一体的なアンテナコイルを構成する役割を担う。このクロスオーバ−パターン13は、他の線状導体12aの各部分との交差を避けるために、FPC11の裏面に設ける必要がある。
FPC11に形成されたコイル導体パターン12及びクロスオーバーパターン13は、例えば、銅やアルミのエッチングあるいは銀ペーストを用いた印刷等によって形成される。そして、クロスオーバーパターン13の一端と他端の2箇所において、FPC11の基材を貫通してコイル導体パターン12と電気的に接続されている。
一方、図2は本実施形態に係る板状のRFIDタグ2の構造を示す斜視図である。また、図3は図2のRFIDタグ2におけるFPC22の構成を示す図である。図2に示すように、本実施形態に係る板状のRFIDタグ2は、板状に形成された磁性コア材21の周囲にFPC22が巻き付けられた構造を備えている。FPC22には、図3に示すように、アンテナコイルとしての主要部分を構成するコイル導体パターン23が形成され、このコイル導体パターン23は線状導体23aと迂回パターン23bとからなる。このような構成により、RFIDタグ2は、図1のRFIDタグ1と同様、所望の共振周波数のアンテナコイルとして動作する。一般に、図2に示すような構造のRFIDタグ2は、樹脂のケース内部に一体化した状態で厚みを持ったカード状に形成される。
図2において、磁性コア材21は、フェライト、フェライト混練樹脂、アモルファスシートなどを用いて形成することが望ましい。
FPC22については、図1のFPC11と同様の材料で形成することができるが、図3のFPC22には、一方の面にコイル導体パターン23が形成されるのみで、他方の面にはクロスオーバーパターンが形成されていない。一方、図2のRFIDタグ1は、線状導体23aの端部23c(図3)と端部23dの間を接続導体24により電気的に接続する構成になっている。この接続導体24は、FPC22に付随するFPCを用いて形成する場合に加え、他の線材その他の導体部材を用いてFPC22に接合可能に形成してもよい。
また、FPC22に形成されたコイル導体パターン23には、所定箇所に配置されたIC25が接続されている。このIC25は、図1のIC14と同様の機能を有している。
FPC22を磁性コア材21に巻き付ける際は、FPC22のコイル導体パターン23が形成された面が磁性コア材21に対し外側と内側のいずれに配置してもよい。このとき、図3に示すように、FPC22が磁性コア材21に巻き付けられた状態で、互いに隣接する線状導体23aの端部同士を磁性コア材21の側面にて接合する必要がある。このように線状導体23aの端部同士を接合する場合、半田付け、超音波溶接などにより電気的に接合すればよい。このように構成することにより、線状導体23aがアンテナコイルとして一体化され、RFIDタグ2を所望の共振周波数で動作させることができる。
次に、上述の2種のRFIDタグ1、2の共振周波数を調整する際の迂回パターン12b、23bの切断方法について説明する。以下では、代表して図1のRFIDタグ1の場合を説明するが、RFIDタグ2についても共振周波数の基本的な調整方法は共通するので、以下の説明を適用することが可能である。
図4は、RFIDタグ1のコイル導体パターン12についての構成例のうち、迂回パターン12b周辺の拡大図を示す図である。図4に示す例では、コイル導体パターン12の一端から迂回経路P1、P2、P3、P4の順で配置され、互いに並列接続される位置関係になっている。そして、迂回パターン12を切断する場合、迂回経路P1〜P4の一端に近接する4つの切断位置C1〜C4が設定されている。これらの切断位置C1〜C4を変更することによりコイル導体パターン12に接続される迂回経路の本数を増減することができる。
すなわち、この迂回パターン12bを切断する際、切断位置C1で切断すると全ての迂回経路P1〜P4が線状導体12aに並列接続されず、切断位置C2で切断すると3つの迂回経路P1のみが線状導体12aに並列接続され、切断位置C3で切断すると2つの迂回経路P1、P2が線状導体12aに並列接続され、切断位置C4で切断すると3つの迂回経路P1〜P3が線状導体12aに並列接続される。このように、切断位置C1〜C4に応じて、並列接続される迂回経路P1〜P4の本数(あるいは、切り離される迂回経路P1〜P4の本数)を変えることにより、コイル導体パターン12全体のインダクタンスを調整することができる。その結果、コイル導体パターン12のインダクタンスに連動して変化するRFIDタグ1の共振周波数を調整することができる。
ここで、図5を用いてRFIDタグ1の共振周波数の調整方法を説明する。図5は、例えばRFIDタグ1の製造工程で行われる処理の一例を示すフローチャートである。図5の処理が開始されると、製造対象のRFIDタグ1に対して任意の周波数の電波を放射可能な測定装置を用いて、RFIDタグ1の共振周波数を測定する(ステップS101)。そして、RFIDタグ1の仕様に基づく所望の共振周波数Fxと、ステップS101で測定された共振周波数Fmとの差を求め、周波数ずれ量を判別する(ステップS102)。
次に、ステップS102で判別された周波数ずれ量に基づいて、迂回パターン12bに対する切断方法(切断の有無、切断位置)を決定する(ステップS103)。ステップS103における切断方法としては、図4を例にとると、迂回パターン12bを切断しない場合と、切断位置C1〜C4のいずれかで切断する場合の5通りの方法を選択することができる。迂回パターン12bの切断無しと決定されるのは、周波数ずれ量が概ねゼロになる場合である。一方、ステップS102において切断位置を決定するためには、製造対象のRFIDタグ1に関し、迂回パターン12bにおける切断位置に応じた共振周波数の特性を予め把握しておく必要があるが、具体的な特性については後述する。
次に、ステップS103で決定された切断方法に従って、切断の必要がある迂回パターン12bの切断処理を行う(ステップS104)。ステップS104の切断処理では、例えば、迂回パターン12bを切断する際、ルータ等を用いて所定部分を削るか、レーザを照射して所定部分を切除する方法がある。なお、ステップS103で迂回パターン12bの切断無しと決定された場合は、ステップS104の切断処理は省略される。
次に、ステップS104の切断処理を行ったRFIDタグ1に対し、ステップS101と同様に共振周波数を測定する(ステップS105)。そして、上述の周波数ずれ量を判別した上で、測定された共振周波数が予め設定された許容範囲内であると判断される場合(ステップS106:YES)、RFIDタグ1の共振周波数の調整は完了したものとして図5の処理を終える。一方、測定された共振周波数が予め設定された許容範囲内から外れていると判断される場合(ステップS106:NO)、製造工程で定められた所定の処理を行う(ステップS107)。ステップS107では、例えば、ステップS103以降の処理を再び行うように定めてもよい。
次に図6は、図4に示す構成例において、ステップS104で実際に切断された迂回パターン12bの状態の具体例を示す図である。図6においては、図4の切断位置C4で切断された状態の迂回パターン12bを示している。この場合、RFIDタグ1のコイル導体パターン12は、線状導体12aに3本の迂回経路P1、P2、P3が並列接続された状態になっている。つまり、線状導体12aから迂回経路P4が切り離された状態に相当する。
次に、上述のRFIDタグ1、2における迂回パターン12b、23bの切断方法とRFIDタグ1、2の特性の関係について説明する。以下の表1においては、図2の構造のRFIDタグ2を対象とし、迂回パターン23bにおける図4に示す切断位置C1〜C4とRFIDタグ2のインダクタンス及び共振周波数の関係についての実験による検証結果を示している。
Figure 0004494855
表1に示されるように、迂回パターン23bを切断しない状態でコイル導体パターン23のインダクタンスが最小となり、切断位置に応じて線状導体23bに並列接続される迂回経路数が減少するにつれ、インダクタンスが次第に大きくなる。このように、RFIDタグ2では、元の線状導体23aで定まるインダクタンスに比べ、迂回経路を並列接続させることによってインダクタンスが減少する作用がある。一方、RFID1の共振周波数は、インダタンスと逆の変化をするので、迂回パターン23bを切断しない状態で最大となり、切断位置に応じて線状導体23bに並列接続される迂回経路数が減少するにつれ、共振周波数が次第に小さくなる。
表1に示す特性は、迂回パターン23bの形状に応じて変化することが確認されている。従って、図2の構成において、迂回パターン23bの切断無しの状態から、切断位置C1の状態までの範囲内において、所望の共振周波数調整範囲が得られるように、迂回パターン23bの形状に関するパラメータを設定する必要がある。具体的には、迂回パターン23bに関し、迂回経路の本数、迂回経路の線幅及び間隔、迂回経路の長さ等のパラメータを適切に設定し、共振周波数の調整範囲を最適化すればよい。
次に、RFIDタグ2の共振周波数に関し、温度・湿度などの環境による影響について説明する。図7は、RFIDタグ2の共振周波数の温度特性を示す図である。図7においては、本実施形態の構成を備えたRFIDタグ2と(図中(A)で示す)、従来のようにコンデンサにより共振周波数の調整を行うように構成されたRFIDタグと(図中(B)で示す)を比較し、それぞれ−10〜70°の温度範囲における共振周波数の周波数ずれ量を示している。なお、図7における周波数ずれ量は、基準温度における共振周波数fxと、各温度で測定された周波数fとの比f/fxを求めたものである。
図7に示すように、従来の構成のRFIDタグに比べ、本実施形態のRFIDタグ2は、温度変化による周波数ずれ量が格段に小さくなっていることがわかる。従来の構成では、FPCの両面に電極を設けて共振周波数を調整するためのコンデンサを構成しているため、FPCの基材が温度変化の影響を受けて特性が変わり、結果的にコンデンサの容量値が変動することから周波数ずれ量が大きくなると考えられる。これに対し、本実施形態の構成では、FPCにコンデンサを設けず、一方の面のコイル導体パターン12についてのインダクタンスを調整しているため、FPCの基材の温度変化の影響を受けることがなく、図7のように良好な温度特性が得られるものである。
次に図8は、RFIDタグ2の共振周波数の湿度特性を示す図である。図8においても、本実施形態の構成を備えたRFIDタグ2と(図中(A)で示す)、従来のようにコンデンサを設けたRFIDタグと(図中(B)で示す)を比較し、それぞれ0〜250(h)の経過時間内における共振周波数の周波数ずれ量を示している。ここで、図8においては、所定の吸湿条件(40℃、93%RH)の下、長時間にわたって徐々にFPCの基材が吸湿することによる影響を想定している。
図8から明らかなように、従来の構成のRFIDタグに比べ、本実施形態のRFIDタグ2は、湿度変化による周波数ずれ量についても大幅に改善されている。この場合も、従来の構成においてFPCの基材が湿度変化の影響を大きく受け、コンデンサの容量値が変動した結果、周波数ずれ量が大きくなると考えられる。これに対し、本実施形態の構成では、上述した構成によってFPCの基材の湿度変化の影響を受けないため、図8のように良好な湿度特性が得られるものである。
次に、本実施形態に係るRFIDタグ1の変形例について説明する。本実施形態においては、RFIDタグ1のコイル導体パターン12のうち迂回パターン12bに関しては、上述の構成に限られることなく多様なバリエーションがある。以下、図9〜図12には、図4の迂回パターン12の構成を変形した場合の3種の変形例を示す。
図9は、迂回パターン12bの第1の変形例を示す図である。この第1の変形例では、迂回パターン12bにおける4つの迂回経路P11〜P14が、線状導体12aの方向に対し垂直方向に延びるように配置されている。すなわち、図4において線状導体12aと平行方向に延びている4つの迂回経路P1〜P4の向きを90°変えたものである。そして、迂回パターン12bには線状導体12aの遠端側の3箇所に切断位置C11〜C13が設定されている。
第1の変形例では、切断位置C11〜C13を変更することにより、コイル導体パターン12全体のインダクタンスを調整することができる。この際、切断位置C11〜C13のいずれか1箇所のみを切断する場合のほか、切断位置C11〜C13のうち複数箇所を切断するようにしてもよく、例えば切断位置C11〜C13の全てを切断してもよい。また、切断位置の数は3つに限られず、迂回経路の数を変えることで任意の数の切断位置を設定可能である。
図10は、迂回パターン12bの第2の変形例を示す図である。この第2の変形例では、迂回経路P21〜24を含む迂回パターン12b自体の構成は図9と同様になっている。一方、迂回パターン12bに設定された切断位置C21〜C23は、図9の場合とは位置が逆になり、線状導体12aの近端側に設定されている。第2の変形例の場合も、第1の変形例と同様、切断位置C21〜C23の変更により、コイル導体パターン12全体のインダクタンスを調整することができる。
図11は、迂回パターン12bの第3の変形例を示す図である。この第3の変形例では、迂回経路P31〜34を含む迂回パターン12b自体の構成は図9、図10と同様であるが、迂回パターン12bに設定された切断位置C31〜C33が図9及び図10を組み合わせた設定になっている。すなわち、3箇所の切断位置C31〜C33は、線状導体12aの遠端側と近端側とを交互に設定されている。
なお、図10及び図11の場合も、複数の切断位置のいずれか1箇所のみを切断する場合のほか、複数箇所を切断することができ、さらには、迂回経路の数を変えることで任意の数の切断位置を設定可能である。
図12は、迂回パターン12の第4の変形例を示す図である。この第4の変形例では、図9〜図11とは異なり、迂回パターン12bには迂回経路が形成されず、全体が矩形状の導体パターンから形成されている。そして、迂回経路12bにおいて直線状の切断位置C4が設定されている。そして、迂回経路12bに設定する切断位置14を適宜に変更することにより、コイル導体パターン12全体のインダクタンスを調整することができる。例えば、製造工程において切断位置C4と線状導体12aとの間の距離を微妙に調整すればよい。この第4の例では、パターン形状に制約されることなく切断位置14を自在に設定できるので、インダクタンスのきめ細かい調整に好適である。
以上説明した第1〜第4の変形例においては、迂回パターン12bを同様のサイズで比較したとき、図4の構成に比べて切断位置の変更に伴うインダクタンスの変化量が小さくなることが確認された。また、第1〜第4の変形例同士では、第1、3の変形例に比べて、第2、4の変形例の方がさらにインダクタンスの変化量が少なくなる。従って、インダクタンスの変化量を大きくして共振周波数の調整範囲を広く確保する場合、図1〜図8に対応する構成で迂回パターン12bを設けるのが望ましい。ただし、狭い範囲で共振周波数を調整する場合は、第1〜第4の変形例を採用してもよい。また、製造工程における切断処理の方法によっては、第4の変形例を採用する方が適している場合もある。
本実施形態に係る平面状のRFIDタグの構成を示す図である。 本実施形態に係る板状のRFIDタグの構造を示す斜視図である。 図2のRFIDタグにおけるFPCの構成を示す図である。 RFIDタグのコイル導体パターンについての構成例のうち、迂回パターン周辺の拡大図を示す図である。 RFIDタグの共振周波数の調整方法を説明する図であり、例えばRFIDタグの製造工程で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 図4に示す構成例において、図5のステップS104で実際に切断された迂回パターン12bの状態の具体例を示す図である。 RFIDタグの共振周波数の温度特性を示す図である。 RFIDタグの共振周波数の湿度特性を示す図である。 迂回パターンの第1の変形例を示す図である。 迂回パターンの第2の変形例を示す図である。 迂回パターンの第3の変形例を示す図である。 迂回パターンの第4の変形例を示す図である。
符号の説明
1,2…RFIDタグ
11…FPC
12…コイル導体パターン
12a…線状導体
12b…迂回パターン
13…クロスオーバーパターン
14…IC
21…磁性コア
22…FPC
23…コイル導体パターン
23a…線状導体
23b…迂回パターン
23c、23d…線状導体の端部
24…接続導体
25…IC
P1,P2,P3,P4…迂回経路
C1,C2,C3,C4…切断位置

Claims (5)

  1. 所定の共振周波数で動作するコイル導体パターンを有するRFIDタグであって、
    前記コイル導体パターンは、アンテナコイルの主要部分を構成する線状導体と、当該線状導体の一部に並列接続される迂回パターンを含み、
    前記迂回パターンは、前記線状導体に対して略平行に配置される第1迂回経路と、前記第1迂回経路の両端部のそれぞれを前記線状導体に接続する2つの第1接続経路と、前記第1迂回経路に対して略平行に配置される第2接続経路と、前記第1迂回経路にそれぞれの一端が接続され他端が前記第2接続経路に接続されるとともに前記第1迂回経路に対して略垂直にそれぞれが離間して配置される複数の第2迂回経路とを含み、
    前記第1迂回経路および/または前記第2接続経路において、前記第2迂回経路同士を接続する複数の接続箇所の中から、1または複数の接続箇所を切断することにより、前記コイル導体パターン全体のインダクタンスを調整可能に構成されていることを特徴とするRFIDタグ。
  2. 前記コイル導体パターンは、平面状のFPCの一方の面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ。
  3. 前記コイル導体パターンは、磁性コア材の周囲に巻き付けられたFPCの一方の面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ。
  4. 複数の前記線状導体が、前記FPCの一方の面に並列配置され、前記FPCを前記磁性コア材に巻き付けた状態で隣接する線状導体同士を電気的に接続することにより一体化された線状導体を形成可能に構成されているとともに、
    前記一体化された線状導体の一端と他端を電気的に接続する接続導体を更に設けたことを特徴とする請求項3に記載のRFIDタグ。
  5. 所定の共振周波数で動作するコイル導体パターンを有するRFIDタグの共振周波数の調整方法であって、
    前記コイル導体パターンは、アンテナコイルの主要部分を構成する線状導体と、当該線状導体の一部に並列接続される迂回パターンを含み、
    前記迂回パターンは、前記線状導体に対して略平行に配置される第1迂回経路と、前記第1迂回経路の両端部のそれぞれを前記線状導体に接続する2つの第1接続経路と、前記第1迂回経路に対して略平行に配置される第2接続経路と、前記第1迂回経路にそれぞれの一端が接続され他端が前記第2接続経路に接続されるとともに前記第1迂回経路に対して略垂直にそれぞれが離間して配置される複数の第2迂回経路とを含み、
    前記第1迂回経路および/または前記第2接続経路の前記第2迂回経路同士を接続する複数の接続箇所の中から、1または複数の接続箇所を切断することにより、前記コイル導体パターン全体のインダクタンスを調整するRFIDタグの共振周波数の調整方法。
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