JP4494825B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4494825B2
JP4494825B2 JP2004050054A JP2004050054A JP4494825B2 JP 4494825 B2 JP4494825 B2 JP 4494825B2 JP 2004050054 A JP2004050054 A JP 2004050054A JP 2004050054 A JP2004050054 A JP 2004050054A JP 4494825 B2 JP4494825 B2 JP 4494825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
liquid crystal
scanning device
crystal element
lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004050054A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005241850A5 (ja
JP2005241850A (ja
Inventor
天田  琢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2004050054A priority Critical patent/JP4494825B2/ja
Priority to US11/032,257 priority patent/US7403316B2/en
Publication of JP2005241850A publication Critical patent/JP2005241850A/ja
Publication of JP2005241850A5 publication Critical patent/JP2005241850A5/ja
Priority to US11/969,709 priority patent/US7719737B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4494825B2 publication Critical patent/JP4494825B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lenses (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Facsimile Scanning Arrangements (AREA)
  • Laser Beam Printer (AREA)
  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)

Description

本発明は、光ビームによる書込光学系の光書込みユニットによる光走査装置及び、これらを用いた画像形成装置に関する。
近年、レーザビームプリンターやデジタル複写機などの画像形成装置において、形成される画像の高画質化、高速化、カラー化が進み、ユーザが要求する印刷品質も高まっている。
形成画像の高速化の要求に対しては、複数の光ビームにより走査するようにしたマルチビーム化が有効である。ただし、その際には複数のビーム間のピッチ(副走査方向の走査線間隔)調整が必要である。複数ビーム間のピッチ調整の方法としては、マルチビーム光源ユニットを光軸周りに回転する方法や、ピッチ調整用の光学素子を用いる方法がある。(例えば特許文献1参照)。
また、形成画像の高画質化を実現するためには、ビームスポット径の小径化が必要である。ビームスポット径の小径化に関しても、これまで幾つかの発明が開示されている(例えば特許文献2,特許文献3,特許文献4参照)。
特開平9−131920号公報 特開平3−116112号公報 特開平5−19190号公報 特開2001−166237号公報
但し、ビームスポット径を小径にするには技術的な解決課題がある。特に、画像形成装置や光走査装置が備えているポリゴンスキャナ等多くの熱源による装置内の温度上昇、使用環境の温度変動による温度環境変化にまで考慮したビームスポットの小径化が必要となる。
しかしながら、光源ユニットを光軸回りに回転させる従来例では、光源ユニット自体を動かすため、電装部品の信頼性が問題になる。また、ピッチ調整用の光学素子を用いる従来例では、ガラス製の高精度な光学素子が必要となるためコストアップにつながる。
また、ビームスポット径を高精度に初期調整したとしても、温度変動をはじめとする経時変化に伴い、ビームスポット位置ずれが発生してしまう。
そこで、ピッチ調整手段として、電気信号にて駆動される『液晶素子』が提案されている(特開平6―214177号公報参照)。別途配備されたビームピッチ検出によりビームピッチを検出し、その検出結果に基づき液晶素子を駆動することにより、ビームピッチの経時変化の補正が可能となる。液晶素子は、低電圧駆動、無発熱、無騒音、無振動、小型かつ軽量等の特徴を有するビームピッチ調整手段である。
上記ピッチ調整手段で用いる液晶素子は、数[μm]〜数十[μm]程度の液晶層を、2枚のガラス基板で密封したセル構造となっている。このため周囲の温度が変化した場合、雰囲気温度の上昇に伴い、比較的膨張率の高い液晶層が熱膨張し、液晶素子の中央部が膨らみ、結果として正パワーのレンズ効果を発生する恐れがあった。このように、液晶素子の周囲温度上昇によって液晶素子がレンズ効果を発揮すると、ビームウェスト位置が変化し、ビームスポット径が劣化する(増大する)恐れがあった。
本発明は以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、温度変動まで考慮して、ビームスポット径の小径化を図り、なおかつ、高精度なビームスポット位置精度の確保が可能で低コストな光走査装置を提供することを目的とする。
さらに上記光走査装置を用いた高画質な画像出力が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、光源と、この光源からの光ビームを偏向する偏向器と、上記光源からの光ビームをカップリングするカップリングレンズと、上記偏向器により偏向された光ビームを被走査面に導く走査光学系と、位相変調可能な液晶素子と、を有する光走査装置であって、光路内に配備される光学素子の少なくとも1つは、正パワーの面を有し、かつ樹脂製であり、光走査装置内部の周囲温度の変化により液晶素子が膨張または収縮することで生じる液晶素子のパワーの変動が光ビームに与える影響を、周囲温変化により樹脂製の光学素子が膨張または収縮することで生じる光学素子のパワーの変動によって減少させることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記正パワーを有する樹脂製の光学素子は、走査光学系を構成する光学素子であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記正パワーを有する樹脂製の光学素子は、カップリングレンズと偏向器の間に配備される光学素子であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、上記位相変調可能な液晶素子は、入射した光ビームの光路を偏向する機能を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、上記位相変調可能な液晶素子は、ピント調整機能を有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の発明において、複数の光源を有し、上記複数の光源から出射する複数の光ビームの光路の少なくとも1つに上記液晶素子を配設し、少なくとも2つの光ビームが共通の被走査面に導かれることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1からのいずれかに記載の発明において、複数の光源を有し、上記複数の光源から出射する複数の光ビームの光路の少なくとも1つに上記液晶素子を配設し、複数の光ビームの少なくとも1つは、他の光ビームとは異なる被走査面に導かれることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1記載の発明において、カップリングレンズと偏向器の間に、少なくとも2の光学素子から構成される光学系を配備し、該光学系は少なくとも正パワーの回転対称面を有する樹脂製の光学素子から構成されることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、電子写真プロセスを実行することによって像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、電子写真プロセスの露光プロセスを実行する手段として請求項1から8のいずれかに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、位相変調可能な液晶素子を備えた光走査装置において、温度変化に伴う液晶素子によるパワー変化を、樹脂製光学素子のパワー変化にてキャンセルすることができ、被走査面でのビームウェスト位置ずれを補正することが可能となる。
請求項2記載の発明によれば、複雑な非球面形状を有する走査光学レンズを樹脂製とすることで、金型を用いて大量生産することが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、カップリングレンズと偏向器の間に配備される光学系に、ビームウェスト位置ずれ補正機能をもたせることで、走査光学系に補正機能をもたせた場合より、設計の自由度を拡大できる。またカップリングレンズと偏向器の間に配備される光学系を2つ以上の光学素子により構成することで、より効果的にビームウェスト位置を補正することが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、液晶素子にてレーザビームの光路を微小角度偏向することで、被走査面のビームスポット位置を可変することができる。
請求項5記載の発明によれば、液晶素子にてレーザビーム(光束)の発散、収束、平行状態を制御することで、被走査面付近のビームウェスト位置ずれを外部からの電気信号により意図的に制御可能となる。
請求項6記載の発明は、一つの被走査面を複数のレーザビームで走査するマルチビーム走査装置を提供するもので、これを画像形成装置の露光装置として用いた場合、シングルレーザビーム走査装置と比較し、所定枚数のプリント出力時にポリゴンスキャナの回転数を低減することが可能となり、発熱、騒音、消費電力を低減し、省エネルギー化を図ることができる。この場合、液晶素子の偏向機能により感光体面上のビームスポット位置補正が可能であるため、走査線間隔を高精度に維持でき、高品位な出力画像を得ることができる。
請求項7記載の発明によれば、複数の被走査面上を走査する複数のビームスポット間の相対的な位置を補正することができるマルチビーム走査装置を提供し、これをタンデム式(カラー)画像形成装置の露光手段として用いることで、複数の感光体(被走査面)相互間の色ずれの少ないプリント出力画像を獲得することができる。これにより各感光体間の色ずれを検出するタイミング(頻度)を減少することが可能となり、色ずれ検出のためのトナー像を形成する形式の画像形成装置の場合は、必要なトナーの量が少なくなり、無駄なトナーの排出を低減することができる。
請求項8記載の発明によれば、温度変化時のビームウェスト位置ずれの補正を行うことができるのみならず、温度補正レンズを光軸方向に移動調整可能に配置したので、光走査装置組立時においてビームウェスト位置ずれを補正することができる。また回転対称面を採用することで、移動調整時の(回転方向の)取り付け誤差の発生を抑制することができる。
請求項9記載の発明によれば、被走査面(感光体)上の所望の位置にビームスポットを走査することができる光走査装置を、画像形成装置の露光手段として用いるので、高速、高密度、高品質なプリント出力画像を獲得することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる光走査装置及び画像形成装置の実施の形態について説明する。
図1は、本発明で用いられる光走査装置20の実施の1形態を説明するための図である。図1において、光走査装置20は、半導体レーザ11、カップリングレンズ12および液晶素子を有してなる光源ユニット18と、シリンドリカルレンズ13と、光偏向器としてのポリゴンミラー14と、第1走査レンズ15a、第2走査レンズ15bからなる走査光学系15を有してなる。
光走査装置20は一つの光源、すなわち、半導体レーザ11、カップリングレンズ12からなる光源から出射する1本のレーザビーム21を被走査面16上に走査する光走査装置である。なお、上記半導体レーザ11、カップリングレンズ12からなる光源は、図7に示す光源ユニット18を構成している。図2に示すように複数の光源(例えば、半導体レーザアレイ)から出射する複数本のレーザビームを同時に走査するマルチビーム光走査装置に応用することも可能である。
図1において、半導体レーザ11から発射され、カップリングレンズ12によりほぼ平行光束化されたレーザビーム21は、シリンドリカルレンズ13の作用により偏向器であるポリゴンミラー14の偏向反射面上に、副走査方向にのみ結像し、主走査方向に長い線像として結像される。ポリゴンミラー14が等速で回転駆動されることにより、その偏向反射面でレーザビーム21が等角速度的に偏向される。偏向されたレーザビーム21は走査光学系15により、感光体である被走査面16上にビームスポットとして結像されるとともに、走査光学系15が備えているfθ機能により被走査面16上を等速度的に走査される。このレーザビーム21の走査によって被走査面16上に画像が書き込まれる。書込開始タイミングは同期検知センサ19にレーザビームが入射することにより得られる同期検知信号に基づき決定される。
一般的には、上記した各光学素子は、図8に示すような光学ハウジング17に収納されて用いられる。
光走査装置、特にマルチビーム走査装置には、被走査面上のビームスポット位置の初期調整のために、また、環境変化および経時的なビームスポット位置変動の補正のために光ビーム位置補正手段が具備される。
光ビーム位置補正手段として、レーザビームを微小角度だけ偏向する光路偏向手段が用いられている。従来の光路偏向手段による光路の微小角偏向方式として、「折返しミラーを回転する」、「シリンドリカルレンズをシフトまたは回転する」、「プリズムをシフトまたは回転する」、「電気光学素子(AOM)を利用する」、「半導体レーザとカップリングレンズの間に配設された平行平板を回転する」等がある。
しかしながら、上記従来の微小角偏向方式では装置が大型化し、消費電力や発熱、騒音が大きくなる等の問題があった。
本発明では、光路の微小角偏向手段として、図1に示すように、液晶素子43を採用している。液晶素子は一般的に小型かつ軽量であり、エネルギー消費量が少なく、無騒音、無発熱等の特徴を有する。
また、液晶素子は入射するレーザビームの位相を変化させることができる位相変調機能を有する。具体的には、液晶素子に外部から電気信号を与えることで液晶層内位相を変化することが可能であり、これによって、副走査方向に勾配を形成するような液晶素子を構成することができる。このように液晶素子を、レーザビームを(副走査方向に)微小角度偏向する光路偏向手段として、すなわち偏向素子として用いることが可能である。図1に示すような光走査装置において、液晶素子43を光路偏向素子として用いることにより、被走査面(感光体ドラム面)16におけるビームスポット位置を副走査方向に移動することができる。
図1における半導体レーザ11から被走査面16までのレーザビーム21の光路の温度、特に光学ハウジング17内の温度(雰囲気温度)変化による、ビームウェスト位置の変化を図4から図6を用いて説明する。
図4から図6は、上記実施の形態にかかる光走査装置20において、半導体レーザ11から被走査面16に至るまでの、レーザビーム21が通る光路上に配置されている構成要素を光軸25に沿って一直線上に配置した場合の模式図である。
図4から図6において、各要素は共通な符号を用いて説明している。すなわち、半導体レーザ11から発射した光線がカップリングレンズ12を出射し、液晶素子43を通過し、シリンドカルレンズ13を通過し、ポリゴンミラー14にて偏向され、走査光学系15を通過したレーザビーム21が被走査面16上にビームスポット27を結像するように構成されている。
図4から図6の(a)、(b)、(c)はそれぞれの構成における光学ハウジング内の雰囲気温度の違いによる焦点の違いを表している。図4から図6の(a)、(b)、(c)の上段に示した光路模式図は主走査方向の光路を示し、下段に示した光路模式図は副走査方向の光路を示す。また、図4から図6の各図はポリゴンミラー14によって反射される光路を展開し模式的に表している。すなわち、ポリゴンミラー14によって偏向し走査される光路のうち、例えば中央像高に至る光路及び光学素子を、直線上に並べて示している。つまり、図4から図6に示す光路模式図は、本発明の実施の形態の説明に必要な温度変化に伴う樹脂製レンズの変形、及び屈折率変化に起因するレーザビーム21の太さ(光束の幅)の増減のみを模式的に示しており、本発明の実施に形態の説明に不要なガラス製レンズの変形や屈折率変化、及び光学素子間隔の変化等に起因する光束の幅の増減は図示していない。また光束の幅は、適宜(各図毎に倍率を変えて)拡大して図示しているため、相対的な比較はできない。
図4は本発明の効果を説明するために示す光学ハウジング内部の光学素子すなわちシリンドリカルレンズ13及び走査光学系15のすべてがガラス製の場合における光路の模式図である。
図5は本発明に係る実施の形態を説明するために示す光学ハウジング内部のシリンドリカルレンズ13をガラス製で構成し、走査光学系15を樹脂製で構成した場合における光路の模式図である。
図6は本発明の別の実施の形態を説明するために示す光学ハウジング内部のシリンドリカルレンズ13、走査光学系15の全てをガラス製で構成し、さらに、樹脂製の温度補正レンズ22を付加した場合における光路の模式図である。
また、本発明の実施の形態を説明する図5及び図6では、理想的にビームウェスト位置が補正された状態を示している。
上記図4から図6にて、本発明の実施形態とその効果を説明する前に、本発明の実施の形態における温度変化要因となる要素について図7を用いて説明する。図7に示すように、光走査装置20は、光学ハウジング17内部に光源ユニット18,液晶素子43、シリンドリカルレンズ13,ポリゴンミラー(偏向器)14及び走査光学系15、を収納して成る。なお、光源ユニット18は、半導体レーザ11及びカップリングレンズ12から成る。
ポリゴンミラー14は、図示しないポリゴンモータに組み付けられていて、数万rpmの回転数にて回転駆動される。このとき、ポリゴンモータの駆動ICから発する熱やポリゴンミラーの回転による空気との摩擦で発する熱等の影響で、光学ハウジング17内部の温度が上昇する。また光走査装置20を、電子写真プロセスを適用したレーザプリンタ等に搭載した場合には、トナーを記録紙に転写したあと定着する定着装置からの発熱等、外部の熱源が光学ハウジング17内部の温度に影響を及ぼす場合もある。
次に図4を用いて、上記光学ハウジング内の熱による影響を説明する。図4においては、光学ハウジング17内に収納された少なくとも正パワーの面を有する光学素子(シリンドリカルレンズ13及び走査光学系15)は、熱膨張率及び屈折率の温度変動の小さいガラス製である。
図4(b)に示す周囲温度が常温(例えば25℃)の場合、カップリングレンズ12により平行光束に変換されたレーザビーム21は、液晶素子13を通過し、シリンドリカルレンズ13に平行光束の状態で入射する。従ってポリゴンミラー14の偏向反射面に入射するレーザビーム21は、主走査方向では平行光束であり、副走査方向ではシリンドリカルレンズ13の作用により主走査方向に長い線像として結像することになる。さらに、走査光学系15は、主走査方向では、カップリングレンズ12により平行光束に変換されたレーザビーム21を被走査面(感光体ドラム表面)16上に結像し、副走査方向では、ポリゴンミラー14の偏向反射面と被走査面16が共役であるため、上記シリンドリカルレンズ13の作用にて偏向反射面上に形成された線像を被走査面16上に結像する。従って、周囲温度が常温の場合には、主走査方向、副走査方向共に、感光体ドラム16表面に結像し、ビームウェスト位置ずれは発生しない。
ところが液晶素子43は、数μmから数十μm程度の液晶層を2枚のガラス基板で密封したセル構造となっているため、光学ハウジング17内の温度が上昇し、高温(例えば45℃)になった場合、液晶素子43の中央部が膨らむことによりレンズ効果(正パワー)を発生する。これを図4(a)にて説明する。液晶素子43がレンズ効果を発揮すると、主走査方向ではポリゴンミラー14に入射するレーザビーム21は弱い収束光束となり、副走査方向ではポリゴンミラー14よりシリンドリカルレンズ13側にて線像が形成される。一方、温度変動による熱膨張率及び屈折率の小さいガラス製光学レンズから構成される走査光学系15は、温度上昇の影響をほとんど受けない。結果として、被走査面16付近のビームウェスト位置は、主走査方向、副走査方向共にポリゴンミラー14側にずれてしまい、ビームスポット径が増大する。
これに対して、光学ハウジング17内が低温(例えば5℃)になった場合を図4(c)にて説明する。温度上昇時とは逆に、液晶素子43が負パワーのレンズ効果を示すため、被走査面16付近のビームウェスト位置はポリゴンミラー14から遠ざかる向きに移動する。結果として、被走査面16付近のビームウェスト位置は、主走査方向および副走査方向共にポリゴンミラー14から遠ざかる方向にずれてしまうことになる。これによりビームスポット径が増大する。
次に、走査光学系15を熱膨張率及び屈折率の温度変動が大きい樹脂製で構成した場合について、図5に示す模式図を用いて説明する。
図5(b)は周囲温度が常温(例えば25℃)の場合であって、図4(b)の場合と同様にカップリングレンズ12により平行光束に変換されたレーザビーム21は、シリカドリカルレンズ13及び走査光学系15の作用により、主走査方向、副走査方向共に、被走査面(感光体ドラム)16上に結像する。
図5(a)は、光学ハウジング17内部が高温になった場合(例えば45℃)であって、液晶素子43は正パワーを発生することになり液晶素子43を出射するレーザビーム21は、主走査方向、副走査方向共に「弱い収束光束」になる。それに対し、光学走査系15を構成する(正パワーを有する)樹脂製の第一走査レンズ15a及び第二走査レンズ15bの曲率半径は、温度上昇に伴い大きくなるため、走査光学系15全体の正パワーは弱くなる。
このようにして、光学ハウジング17内部の温度が上昇し高温になった時は、液晶素子43にて発生する正パワーと走査光学系15全体で弱くなる正パワーの効果が互いに相反する作用となる効果がキャンセルされる。これによって被走査面16付近のビームウェスト位置ずれの発生が抑制され、安定した小径ビームスポットを獲得することができる。
同様に、図5(c)は光学ハウジング17内部が低温(例えば5℃)になった場合であって、液晶素子43が負パワーのレンズ効果を示すが、走査光学系15全体の正パワーは強くなる。そのため互いの作用によって効果がキャンセルされ、被走査面16付近のビームウェスト位置ずれの発生を抑制することができる。
なお、図5においては、主走査方向のみのビームウェスト位置補正を行ったが、この理由については後述する。
図5で示した走査光学系15を構成する樹脂製の走査レンズは、成型用金型を用いて低コストで大量に生産することが可能である。すなわち、成型用金型で非球面形状を創成することが容易だからである。一方、図4で示した走査光学系15を構成するガラス製レンズは、1個ずつ機械加工により研削、研磨する必要があり、大量生産には不向きである。
本発明の別の実施の形態として、ガラス製のシリンドリカルレンズ13及び走査光学系15に樹脂製の温度補正レンズ22を付加した構成を、図6に示す模式図を用いて説明する。実施例2において用いる光走査装置20は図1に示したポリゴンミラー前の構成と異なり、図12に示すように、液晶素子43とシリンドリカルレンズ13の間に温度補正レンズ22を用いている。
図6において、カップリングレンズ12とポリゴンミラー14の間に、左側の入射面に正パワーの面を有する樹脂製の温度補正レンズ22とガラス製のシリンドリカルレンズ13が配備されている。より補正効果を向上するため3つ以上の光学素子から温度補正用光学系を構成しても良い。また上記温度補正レンズ22とシリンドリカルレンズ13の組み合わせの代替として主走査方向、副走査方向ともに正パワーをもつ樹脂製レンズの1枚構成としても構わない。
図4、図5に示した実施の形態とは異なり、図6に示す実施の形態では、半導体レーザ11を出射したレーザ光21はカップリングレンズ12により弱い発散光束にカップリングされ、液晶素子43を透過した後、正パワーを有する温度補正レンズ22の機能により平行光束に変換される。平行光束化されたレーザビーム21はシリンドリカルレンズ13に入射し、以降の挙動は図4の実施の形態と同様に、シリンドリカルレンズ13及び走査光学系15の作用によって、主走査方向、副走査方向共に被走査面16上に結像する(常温、例えば25℃の場合)。
光学ハウジング17内部が高温(例えば45℃)になった場合(図6(a)参照)、液晶素子43にて正パワーが発生するが、温度補正レンズ22の正パワーが小さくなるため、両者の効果をキャンセルすることができ、結果としてビームウェスト位置ずれを補正することが可能となる。
光学ハウジング17内部が低温(例えば5℃)になった場合(図6(c)参照)、液晶素子43にて負パワーが発生するが、温度補正レンズ22の正パワーが大きくなるため、両者の効果をキャンセルすることができる。結果としてビームウェスト位置ずれを補正することが可能となる。
前述した、実施例1、実施例2の他に走査光学系15及びカップリングレンズ12と偏向器14の間に配備される光学系を樹脂製とする構成を採用しても構わない。さらにパワーを有する面に非球面係数を付加することで、波面収差劣化を抑制し、ビームスポット形状の安定化を図ることが可能になる。樹脂製レンズでは、非球面係数を付加したレンズであっても、成型用金型を用いて大量生産することは容易である。
樹脂製レンズは成型用金型を用いて製造する際に、成型条件や金型から取り出した後の冷却条件のばらつき等の影響によって、光学面(入射面および/または出射面)の面精度や内部屈折率を良好にすなわち設計値通りに維持することが困難な場合が多い。このように光学面の面精度などを計算通りに維持できないと、光走査装置の組立時にビームウェスト位置ずれが発生し、ビームスポット径が増加する恐れがある。このような、ビームスポット径の増加を回避するため、カップリングレンズ12と偏向器14の間に配備される光学系を2以上の光学素子から構成し、その1つを正パワーの回転対称面を有する樹脂製レンズとすることができる。
このように、樹脂製レンズを、温度補正レンズとして機能させ、且つ光軸方向に移動調整可能とすればよい。光走査装置の組立調整時に、上記温度補正レンズを移動調整することにより、上記温度補正レンズの成型ばらつきに起因するビームウェスト位置変動を補正することが可能となる。正パワーの面を回転対称とすることで、移動調整時に温度補正レンズが組み付け誤差等の理由により光軸回りに回転した場合でも、光学性能に及ぼす影響の発生を低減することが可能となる。
なお、ビームウェスト位置調整の際、図9に示す数値例のように、主走査方向のビームウェスト位置を優先的に補正することが望ましいが、副走査ビームウェスト位置を補正するには、副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズ13を移動調整可能な構成とすればよい。
すでに述べたように、光走査装置20内部の熱源、例えば、ポリゴンミラーを回転するポリゴンモータ等や、外部の熱源、例えば、定着器等の影響により、光学ハウジング17内の温度は変化する。光学ハウジング17内の温度が、25℃から45℃に変化したときのビームウェスト位置変化を図8から図10に示す表図の数値例を用いて説明する。なお、本説明においては、光学ハウジング17内の光源ユニット18、液晶素子43、シリンドリカルレンズ13、ポリゴンミラー14、第一走査レンズ15a及び第二走査レンズ15bが温度変化したことを想定している。
数値例の前提として、図1の構成において、図4に示した構成を用い以下の条件とする。半導体レーザ11の発振波長を655nm、カップリングレンズ12の焦点距離fcolを15mmとし(光走査装置内部温度25℃の場合)、カップリングレンズ12の第1面及び第2面は共軸非球面であり、数値は示さないがカップリングレンズ12による波面収差は良好に補正されている。
カップリングレンズ12から射出した光束は平行光束にカップリングされている。カップリングレンズ12を出射したレーザビームは、図示しないアパーチャ(開口)によりビーム整形され、液晶素子43を透過した後、補正用レンズ22に入射する。カップリングレンズ12の第2面(出射側の面)からアパーチャまでの距離は10mm、アパーチャから液晶素子43までの距離は8.3mm、液晶素子43からシリンドリカルレンズ13の第1面までの距離は29mmとした。
以上の構成において、カップリングレンズ12から被走査面16までの光学系データを図8に示す。シリンドリカルレンズ13、第一走査レンズ15a及び第二走査レンズ15bはガラス製とし、その線膨張係数(α)は7.5E−06(1/℃)である。図8(b)において、主走査方向の曲率半径をRm、副走査方向の曲率半径をRs、使用波長での屈折率をNとする。ここで、シリンドリカルレンズ13の入射側と出射側を面番号3、面番号4、ポリゴンミラー14の偏向反射面を面番号5、第1走査レンズ15aの入射側と出射側を面番号6,面番号7、第2走査レンズ15bの入射側と出射側を面番号8,面番号9、被走査面16を面番号10とする。なお、像高H=0に至るレーザビームの、ポリゴンミラー14に対する入射ビームと反射ビームのなす角度は、60度である。
すでに述べたように、液晶素子43は、液晶層を2枚のガラス基板で密封したセル構造であり、温度上昇に伴い中央部が膨れ正パワーのレンズ効果を生じる。例えば、実験的には、縦×横が16×16mm(厚さが0.5mm)の2枚のガラス基板で、層厚が数10μmの液晶層を密封した液晶素子の場合、20℃の温度上昇(25℃から45℃へ上昇)によって、25℃では平面であった液晶素子の入射面(又は出射面)が、45℃ではRが80,000mmに相当する面形状に変化(透過波面収差に換算して、λ/0.8の球面(λ=655nm))となった。
この影響により、シリンドリカルレンズ13及び走査光学系15(第一走査レンズ15a及び第二走査レンズ15b)がガラス製レンズで構成されている場合には、熱膨張量が小さいためビームウェスト位置を補正することができず、ビームウェスト位置はポリゴンミラー側に移動する。
このように図4の構成の場合、25℃から45℃に温度変化した場合のビームウェスト位置ずれは、主走査方向において−1.17mm(負号は、ポリゴンミラー14に近づく方向を示す)、副走査方向においては−0.36mmとなった。
次に、走査光学系15が、熱膨張率及び屈折率の温度変動の大きい樹脂から構成されている場合、すなわち、図5の構成について述べる。温度変化に伴い、各光学面の曲率半径及び光学素子の屈折率は、図9に示した数値データのように変動する。なお、図9の構成は上記図8(a)と同様であるために割愛する。また、光学素子の配置も図4の場合と同様であるので説明を省く。
上記構成において、各光学面の曲率半径(及び非球面係数)及び屈折率の変化に起因し、走査光学系15の正パワーは小さくなる。これはビームウェスト位置をポリゴンミラー14から遠ざかる方向に移動させるように作用する。この作用が、液晶素子で発生する正パワー(透過波面収差がλ/0.8)とキャンセルし、ビームウェスト位置変動を補正することができる。
本発明にかかる実施の形態の構成、すなわち図5に示した構成を用いた場合、光学ハウジング内の温度が25℃から45℃へ変化した場合のビームウェスト位置ずれは、主走査方向は−0.06mm(負号(−)は、ポリゴンミラー14に近づく方向を示す)であり、副走査方向は+0.87mm(正号(+)は、ポリゴンミラー14に遠ざかる方向を示す)となり、主走査方向のビームウェスト位置ずれ補正が可能となる。
一方、副走査方向のビームウェスト位置に関しては、液晶素子43によるウェスト位置ずれに比べ、走査光学系15による補正が過剰となり、結果としてビームウェスト位置の補正は良好に行えない。このような場合、液晶素子の位相変調にて液晶層内の屈折率分布を制御することで、レンズ効果(結像位置を補正する効果)を発生させ、副走査方向のビームウェスト位置を補正する構成にすることができる。なお、図5に示した本構成例の場合には、主走査方向のビームウェスト位置ずれ補正が可能となる。
画像形成装置用の光走査装置においては、ビームスポットが主走査方向に移動しながら感光体表面を露光するので、主走査方向の露光ビームは静止時の主走査ビームスポット径よりも太く(大きく)なる。従って、静止時のビームスポット径は、副走査方向よりも主走査方向を小さく設定する必要があり、主走査方向のビームウェスト位置変化を優先的に低減することが望ましい。
次に図1の構成において、図6に示した構成すなわちガラス製のシリンドリカルレンズ13及び走査光学系15(第一走査レンズ15a及び第二走査レンズ15b)に付加して、樹脂製の温度補正レンズ22を追加した構成において、図10に示す諸元の光学系を適用した例について説明する。
図6の構成において、カップリングレンズ12を出射したレーザビームは、図示しないアパーチャ(開口)によりビーム整形され、液晶素子43を透過した後、補正用レンズ22に入射する。カップリングレンズ12の第2面からアパーチャまでの距離は10mm、アパーチャから液晶素子43までの距離は8.3mm、液晶素子43からシリンドリカルレンズ13の第1面までの距離は13mmとした。なお、半導体レーザ11を出射しカップリングレンズ12によりカップリングされたレーザビームは、弱い発散光束に変換されており、この発散光束は、カップリングレンズ12の第2面から発光点側(被走査面とは反対側)に228.0mm離れた位置に自然集光する。
前述したメカニズムに従い、光学ハウジング17内部の温度が変化し液晶素子に正パワー又は負パワーが生じても、温度補正レンズ22のパワー変化によりキャンセルされ、結果としてビームウェスト位置が補正される。図6の構成の場合、25℃から45℃に温度変化が生じると、ビームウェスト位置ずれは、主走査方向に−0.01mm発生し(負号(−)はポリゴンミラー14に近づく方向を示す)、副走査方向に+0.11mm発生する(正号(+)は、ポリゴンミラー14に遠ざかる方向を示す)。
図4から図6に示した模式図の構成において、光学ハウジング17内部の温度が25℃から45℃に変化した際に発生するビームウェスト位置ずれをまとめて、図11に示す。図12によると、「光源から被走査面までの光路内に配備され、正パワーの面を有する光学素子の少なくとも1つを、樹脂製とすること」により、光学ハウジング内部の温度変化に伴う主走査方向及び/又は副走査方向のビームウェスト位置変動を補正することが可能となった。
以上、本発明にかかる実施の形態を1本のレーザビームを走査するシングルビーム光走査装置について説明した。近年、レーザプリンタやデジタル複写機におけるプリント速度の高速化やプリント密度の高密度化の要求が高まり、それを達成する光走査装置として、複数のレーザビームを同時に走査する「マルチビーム光走査装置」が主流になっている。
次に、本発明にかかるマルチビーム方式光走査装置の実施の形態について説明する。
図2は、2本のレーザビームを同時に走査するマルチビーム光走査装置20aの実施の形態を示す斜視図である。図2において光源としての2つの半導体レーザ11a、11bから発射され各々カップリングレンズ12a,12bを出射した2本のレーザビーム21a、21bは、共通のシリンドリカルレンズ13の作用により偏向器であるポリゴンミラー14の偏向反射面上に、副走査方向にのみ収束され、主走査方向に長い線像として結像され、走査光学系(走査レンズ)15により、感光体ドラムの表面である被走査面16上をビームスポットとして走査される。本マルチビーム光走査装置20aにおいては、2本のレーザビーム21a、21bが、共通の被走査面(感光体表面)16に導かれる構成になっている。
このような複数のレーザビームで共通の被走査面を走査するマルチビーム光走査装置においては、レーザビームの少なくとも1つの光路中に配設された、偏向機能を有する液晶素子を駆動、制御することにより、被走査面上の複数ビームの間隔(走査線間隔)を所定の値に補正することが可能である。これにより高精度に走査線間隔を維持して複数ビームを走査することが可能なマルチビーム光走査装置を提供することができる。
上記マルチビーム光走査装置を画像形成装置の露光装置として用いた場合、シングルビーム光走査装置と比較し、所定枚数をプリント出力するときにポリゴンスキャナの回転数を低減することが可能となり、発熱、騒音、消費電力を低減し、省エネルギー化を図ることができる。さらに、液晶素子の偏向機能により感光体面上のビームスポット位置補正が可能であるため走査線間隔を高精度に維持でき、かつビームウェスト位置ずれ、すなわちビームスポット径変動の少ない、高品位な出力画像を得ることができる。
また、電子写真プロセスを実行して画像を形成する画像形成装置の露光プロセスを実行する手段として上記マルチビーム光走査装置を使用した場合には、オペレータ(使用者)の要求に応じ、走査密度を切り替えて高速化と高密度化の切り替えに対応することも可能である。また、液晶素子を全て(例えば、2本)のレーザビームの光路に配設した図2の構成とは異なり、必要に応じて液晶素子の使用個数を低減しても構わない。
上述のマルチビーム光走査装置とは異なり、図3に示すさらに別の実施の形態のように複数の光源から出射した複数のレーザビームを、互いに異なる被走査面に導く構成を採用することもできる。
図3に示す例は、電子写真プロセスを適用した4ドラム式タンデム方式画像形成装置の例であって、露光プロセスを実行する装置として、これまで説明してきた光走査装置を露光装置として有している。図3において、4つの感光体ドラム16Y,16M,16C,16Kにそれぞれ対応する4つの光源部22a,22b,22c,22dを有しており、各光源部は、光源としての半導体レーザ11とカップリングレンズ12を有してなる。各カップリングレンズを透過した各レーザビームは、各シリンドリカルレンズ13を個別に透過し、ポリゴンミラー14の偏向反射面近傍に線像として結ばれる。以後、各レーザビームは、前述のようにポリゴンミラー14で偏向反射され、各レーザビームに共通の第1走査レンズ15a、個別の第2走査レンズによって、上記各感光体ドラム表面上にビームスポットとして結像されるとともに、各感光体ドラム表面上を走査するように構成されている。
図3は、上記構成の光走査装置を露光装置として用いた、電子写真プロセスを適用した画像形勢装置の例であり、4ドラムのタンデム方式画像形成装置の例を示す斜視図である。以下、図3を参照しながら、本発明に係るさらに別の実施の形態である4ドラムのタンデム方式画像形成装置について説明する。帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニング等からなる電子写真プロセスによる画像形成技術は既知の技術で、本発明直接関係のないプロセスについての説明は省略する。
まず、タンデム型のフルカラー複写機においては、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色に対応して4つの感光体ドラム16Y,16M,16C,16Kを転写ベルト31の搬送面に沿って列設し、光走査装置により各感光体ドラムに対応して設けられたレーザビームを走査して、各感光体ドラム周面に静電潜像を形成すると共に、該当する色のトナーで顕像化し、これを転写ベルト31によって搬送される記録紙(シート)上に順次転写して多色画像を形成するようになっている。従って、各色にばらばらの副走査対応方向の走査位置ずれが生じてしまうと画質の低下、色ずれなどをひきおこす。
このように発生する色ずれを補正するため、図3においては、色ずれ検出手段として、色ずれ検出用センサ56を用いている。転写ベルト31上を搬送される図示しない出力紙間にて、各色(各感光体)に所定のトナーマーク(色ずれ検知用トナー像55)を形成し、これを色ずれ検知用センサ56にて検出することで、色ずれを定量的に把握することができる。この検出結果に基づき、図示しない液晶素子を制御し、色ずれを補正することが可能となる。
以上にように、液晶素子を駆動することにより色ずれの少ない出力画像を得ることができるので、各感光体間の色ずれを検出するタイミング(頻度)を減少することが可能となり、色ずれ検出用マークを形成するのに必要なトナー量を少なくすることができ、無駄なトナーの排出を低減することができる。また、ビームウェスト位置ずれ(すなわちビームスポット径変動)も小さく、出力画像品質を高品位に維持できる。
本発明にかかる光走査装置の実施の形態を示す斜視図である。 本発明にかかる光走査装置の別の実施の形態を示す斜視図である。 本発明にかかる画像形成装置の実施の形態を示す斜視図である。 本発明と対比するための一般的な光走査装置の実施の形態を示す模式図である。 本発明にかかる光走査装置の実施の形態を示す模式図である。 本発明にかかる光走査装置の別の実施の形態を示す模式図である。 本発明にかかる光走査装置の実施の形態を示す図である。 本発明にかかる光走査装置の実施の形態における光学系データを示す表図である。 本発明にかかる光走査装置の実施の形態における光学系データを示す表図である。 本発明にかかる光走査装置の実施の形態における光学系データを示す表図である。 本発明にかかる光走査装置の実施の形態の効果を示す表図である。 本発明にかかる光走査装置の実施の形態の補正レンズを追加した構成例を示す図である。
符号の説明
11 半導体レーザ
12 カップリングレンズ
13 シリンドリカルレンズ
14 ポリゴンミラー(偏向器)
15 走査光学系
15a 第一走査レンズ
15b 第二走査レンズ
16 被走査面(感光体ドラム面)
17 光学ハウジング
18 光源ユニット
19 同期検知センサ
20 光走査装置
21 レーザビーム
22 温度補正レンズ
25 光軸
27 ビームスポット
31 転写体ベルト
55 色ずれ検知用トナー像
56 色ずれ検知用センサ

Claims (9)

  1. 光源と、この光源からの光ビームを偏向する偏向器と、
    上記光源からの光ビームをカップリングするカップリングレンズと、
    上記偏向器により偏向された光ビームを被走査面に導く走査光学系と、
    位相変調可能な液晶素子と、を有する光走査装置であって、
    光路内に配備される光学素子の少なくとも1つは、正パワーの面を有し、かつ樹脂製であり、
    上記光走査装置内部の周囲温度の変化により上記液晶素子が膨張または収縮することで生じる上記液晶素子のパワーの変動が上記光ビームに与える影響を、
    上記周囲温変化により上記樹脂製の光学素子が膨張または収縮することで生じる上記光学素子のパワーの変動によって減少させることを特徴とする光走査装置。
  2. 上記正パワーを有する樹脂製の光学素子は、走査光学系を構成する光学素子であることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  3. 上記正パワーを有する樹脂製の光学素子は、カップリングレンズと偏向器の間に配備される光学素子であることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  4. 上記位相変調可能な液晶素子は、入射した光ビームの光路を偏向する機能を有することを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  5. 上記位相変調可能な液晶素子は、ピント調整機能を有することを特徴とする請求項4記載の光走査装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の光走査装置において、
    複数の光源を有し、
    上記複数の光源から出射する複数の光ビームの光路の少なくとも1つに上記液晶素子を配設し、
    少なくとも2つの光ビームが共通の被走査面に導かれることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の光走査装置において、
    複数の光源を有し、
    上記複数の光源から出射する複数の光ビームの光路の少なくとも1つに上記液晶素子を配設し、
    複数の光ビームの少なくとも1つは、他の光ビームとは異なる被走査面に導かれることを特徴とする光走査装置。
  8. カップリングレンズと偏向器の間に、少なくとも2つの光学素子から構成される光学系を配備し、
    上記光学系は、少なくとも正パワーの回転対称面を有する樹脂製の光学素子から構成されることを特徴とする請求項1記載の光走査装置。
  9. 電子写真プロセスを実行することによって像担持体上に画像を形成する画像形成装置において、電子写真プロセスの露光プロセスを実行する手段として請求項1から8のいずれかに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
JP2004050054A 2004-01-14 2004-02-25 光走査装置及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP4494825B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004050054A JP4494825B2 (ja) 2004-02-25 2004-02-25 光走査装置及び画像形成装置
US11/032,257 US7403316B2 (en) 2004-01-14 2005-01-11 Optical scanning device, image forming apparatus and liquid crystal device driving method
US11/969,709 US7719737B2 (en) 2004-01-14 2008-01-04 Optical scanning device, image forming apparatus and liquid crystal device driving method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004050054A JP4494825B2 (ja) 2004-02-25 2004-02-25 光走査装置及び画像形成装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005241850A JP2005241850A (ja) 2005-09-08
JP2005241850A5 JP2005241850A5 (ja) 2007-03-08
JP4494825B2 true JP4494825B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=35023661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004050054A Expired - Fee Related JP4494825B2 (ja) 2004-01-14 2004-02-25 光走査装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4494825B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4801410B2 (ja) * 2005-10-07 2011-10-26 株式会社リコー 光走査装置及び画像形成装置
JP4852971B2 (ja) * 2005-10-26 2012-01-11 セイコーエプソン株式会社 画像表示装置
JP2007226130A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Ricoh Co Ltd 光走査装置、画像形成装置、及び位相変調方法
EP2163936B1 (de) * 2008-09-16 2012-12-12 Ziemer Holding AG Vorrichtung zum Ablenken eines Laserstrahls

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07287165A (ja) * 1994-04-15 1995-10-31 Nec Corp 光学系
JPH10239607A (ja) * 1997-02-27 1998-09-11 Minolta Co Ltd 光源装置及びその光源装置を備えた走査光学装置
JP2001305453A (ja) * 2000-04-20 2001-10-31 Ricoh Co Ltd 光走査装置・光走査装置における線像結像光学系・光走査装置における結像調整方法・画像形成装置
JP2002341270A (ja) * 2001-05-14 2002-11-27 Sharp Corp 露光装置
JP2003107382A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Brother Ind Ltd 走査光学系
JP2003337293A (ja) * 2002-03-15 2003-11-28 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び光源装置及び画像形成装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07287165A (ja) * 1994-04-15 1995-10-31 Nec Corp 光学系
JPH10239607A (ja) * 1997-02-27 1998-09-11 Minolta Co Ltd 光源装置及びその光源装置を備えた走査光学装置
JP2001305453A (ja) * 2000-04-20 2001-10-31 Ricoh Co Ltd 光走査装置・光走査装置における線像結像光学系・光走査装置における結像調整方法・画像形成装置
JP2002341270A (ja) * 2001-05-14 2002-11-27 Sharp Corp 露光装置
JP2003107382A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Brother Ind Ltd 走査光学系
JP2003337293A (ja) * 2002-03-15 2003-11-28 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び光源装置及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005241850A (ja) 2005-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4801410B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4909653B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
US7719737B2 (en) Optical scanning device, image forming apparatus and liquid crystal device driving method
US8213067B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus
JP4917925B2 (ja) 光走査装置及びカラー画像形成装置
US8059149B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus
US7929007B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus
US7852365B2 (en) Optical scanning apparatus and color image forming apparatus
CN102033313B (zh) 光扫描单元和利用该光扫描单元的电子照相成像装置
US7522324B2 (en) Optical scanning device and image forming apparatus using the same
JP2008122706A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP2007171626A (ja) 光走査装置・画像形成装置
JP2007011113A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP2006251513A (ja) 光源装置、光走査装置および画像形成装置
JP2004109700A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP4494825B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JPH1172727A (ja) 走査光学系及び走査光学装置
JP2006258838A (ja) 光走査装置および多色画像形成装置
JP4863736B2 (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP2005202038A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP5112263B2 (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2003131153A (ja) 光走査装置および画像形成装置
JP2011043693A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2004205741A (ja) 光走査装置及び画像形成装置
JP2004212501A (ja) 光走査装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070123

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100406

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100408

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees