JP4493114B2 - 溶剤可溶型ポリイミドを用いた導電体積層体とその製法 - Google Patents

溶剤可溶型ポリイミドを用いた導電体積層体とその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブル回路基板に用いることのできる導電体積層体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブル回路基板(Flexible printed circuit:以下FPCとする)は、その柔軟性、軽量製、薄型性が電子機器の小型化、軽量化にマッチし、近年急速に需要を伸ばしている。FPCに用いられる絶縁性樹脂には、主にポリイミド系材料とポリエステル系材料があり、その他にガラス・エポキシ系材料が少量使用されている。その中で、ポリイミド系材料は、耐熱性、電気特性等において最も優れた特性を有しており、今後の主流の材料になるとみられている。
【0003】
現在、FPCには、3層構造と、2層構造の2種類の構造が知られている。3層構造FPCは、典型的にはポリイミドフィルムと銅箔を接着剤で貼り合わせた構造になっている。一方、2層構造FPCは、典型的にはポリイミドと銅箔のみを貼り合わせた構造となっている。
【0004】
3層FPCは接着剤層が存在するため、短時間の熱処理には耐えられても、長時間の熱処理を行った場合には接着剤の劣化が生じ、信頼性が低下するという問題がある。また、接着剤中への銅マイグレーションの発生や接着剤中へのメッキ液の染み込みが生じるという問題もある。
【0005】
これに対し、2層FPCは接着剤層がないため、多く優れた特性を有している。この利点としては、耐熱性が優れ、難燃性であり、誘電率および誘電正接が小さく、周波数依存性および温度依存性が少ない、表面抵抗および体積抵抗が大きく、各種の処理に対し安定である、イオン性不純物が少なく、信頼性が高い、寸法変化率が小さく、XY方向の変化率がほぼ同じである、引き剥がし強度の熱による劣化が小さいなどが挙げられる。このように2層FPCは非常に優れた特性を有しており、現在、高屈曲性を要求されるハードディスクドライブやフロッピーディスクドライブ、プリンター等に使用されている。また、高耐熱性を要求されている自動車のエンジンルーム内の部品や、耐薬品性を要求されるガソリンタンクレベルセンサー等にも使用されている。
【0006】
このように優れた性能を有する2層FCPの製造方法には、ポリイミドアミック酸ワニスを銅箔上に塗布し、乾燥し、硬化させるキャスティング法と、ポリイミドフィルム上に銅を折出させるスパッタリング法およびメッキ法がある。キャスティング法ではポリアミック酸の安定性が悪いため、冷蔵保存が必要であるという問題がある。また、硬化した際に脱水反応が生じるため、クラック等が生じ、信頼性が劣る、接着性が低い等の問題がある。また、スパッタリング法では、真空中でスパッタリングを行なうためコストが高くなる。また、ポリイミド表面が非常に平滑であるため、銅−ポリイミド間の接着性が悪いという問題がある。メッキ法でも、スパッタリング法と同様に接着性が悪いという問題がある。
【0007】
また、近年、特にハードディスクドライブ等のアプリケーションに用いられるFPCに関して、反りが問題となっている。この反りを解消するために、熱膨張係数が銅なみ(20ppm)以下のポリイミドを用いることがある。しかし、これらに対応可能なポリイミドは限定されており、一般に接着性が悪いという問題が存在している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような課題を解決しようとするものであって、本発明の目的は、導電体層およびポリイミド層からなる導電体積層体であって、電気的信頼性が高く、高屈曲性、高耐熱性および高耐薬品性などの上記特性を満たし、特に好ましくは反りの少ない導電体積層体を提供することおよび前記導電体積層体の容易かつ安価に製造できる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、カルボキシル基を有する閉環型溶剤可溶型ポリイミドを導電体積層体に用いることで上記課題が解決できることを知見し本発明を完成させた。
【0010】
ここに本発明の導電体積層体は、導電体層と樹脂層とが積層されてなる導電体積層体であって、前記樹脂層が、カルボキシル基を有する閉環型溶剤可溶型ポリイミド層であることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について説明する。
【0012】
導電体
本発明の導電体積層体において用いる導電体は特に限定されないが、例えばアルミニウム、銅などの各種金属箔、例えば、電解銅箔、圧延銅などを用いることができる。また膜厚に関しても用途に応じて任意に選ぶことができる。
【0013】
ポリイミド層(樹脂層)
本発明の導電体積層体を構成する樹脂層は、カルボキシル基を有する閉環型溶剤可溶型ポリイミド層あれば特に限定されない。
【0014】
溶剤可溶型のポリイミドとは、本発明において、NMP、DMF、DMAc、γブチロラクトン、DMSO、スルホラン等、好ましくはNMP等の溶剤に可溶性のものを意味する。このような可溶性ポリイミドは、電着塗料を形成することが可能であり、好ましくはこのようなポリイミドを含む電着液を形成して、電着法によりポリイミド層を形成する。
【0015】
また、閉環型ポリイミドとは、本発明においては溶液中で既にイミド環が形成されている溶媒可溶性ポリイミドを意味する。
【0016】
さらに、カルボキシル基を有するポリイミドとは、溶液中で既にイミド環が形成され、アミック酸とは異なるカルボキシル基を導入したポリイミドを意味し、好ましくは、ポリイミドの一原料であるジアミン成分の少なくとも一部にジアミノ安息香酸を含有させることによって得ることができる。この場合、好ましくは酸価が10〜200mmolKOH/100g resinであるポリイミドとする。ポリイミドの酸価を10mmol/KOH以上とすることは、電着塗料を調製した際の分散性を高め、沈殿等の発生を防ぐうえで好ましく、また、酸価を200mmol/KOHを以下とすることは、ポリイミド層形成後の吸水性を低下させ、高温高湿下において信頼性を向上させる点、および電着性を向上させる点で好ましい。
【0017】
さらに、本発明においては、形成後のポリイミド層は、好ましくは常温もしくは加熱により粘着性あるいは接着性を示す絶縁性樹脂層であり、さらにポリイミド層に好ましくは、450〜550℃の温度で1時間以上、より好ましくは、450〜500℃で1〜2時間の熱処理が施される。これにより、導電体積層体の反りの発生を低減することができる。
【0018】
さらに本発明に用いるポリイミドは、その用途に応じて10%熱分解温度が、好ましくは250℃以上、より好ましくは350℃以上、特に好ましくは、450℃以上であることができる。10%熱分解温度が高いものは、多層基板等の電子部材の耐熱性向上の観点から好ましい。また、本発明の好適態様において、450℃以上の熱処理を行う場合は、その熱処理温度に耐えられるポリイミドとする。
【0019】
また本発明に用いるポリイミドのイミド化率は好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が好ましい。イミド化率が85%以下では、残留アミック酸が金属イオンのマイグレーションを促進させたり、ポリイミド溶液の経時変化が大きくなる問題点がある。
【0020】
本発明に用いるポリイミドの重量平均分子量は10000〜100000が好ましい。特に好ましくは50000〜80000である。分子量が10000以下であると、均一な塗膜を得難く、100000以上ではゲル化が生じやすい。
【0021】
分子量測定は、例えば東ソー(株)製高速GPC装置を用いることにより行うことができる。ここで用いることのできるカラムは東ソー(株)製TSKgelαM、溶媒はDMF+10mmolリン酸緩衝液(PH7.0)流速0.5cm/minが挙げられる。
【0022】
本発明に用いるポリイミドは、好ましくはカルボシキル基を含むものであり、このようなカルボキシル基は、ジアミノ安息香酸などを用いて所要量導入することができる。ジアミン中のジアミノ安息香酸量は10〜200mol%が好ましい。10mol%未満であると分散性が悪化し、200mol%を超えると電着性が悪化する。
【0023】
(酸ジ無水物)
本発明に用いるポリイミドの合成に用いられる酸ジ無水物としては、特に限定されないが、例えば具体的には、
3,4,3’,4’ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物
3,4,3’,4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物
2,3,3’,4’ビフェニルエーテルテトラカルボン酸ジ無水物
3,4,3’,4’ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物
ビス(ジカルボキシルフェニル)プロパン二無水物
4,4’−[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸ジ無水物)(6FDA)
ビストリフルオロメチル化ピロメリット酸,
ビス(ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物
ビス(ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物
チオフェンテトラカルボン酸二無水物
ピロメリット酸二無水物
1、2,5,6ナフタレンテトラカルボン酸二無水物
2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物
等の芳香族酸ジ無水物
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ジ無水物
シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物
ビシクロオクテンテトラカルボン酸
ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物
5(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)3−メチル−3シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物
等の脂肪族酸ジ無水物を挙げることができる。これらは単独、または二種以上の組み合わせで使用されるが、酸ジ無水物、芳香族ジアミンの組み合わせが溶剤可溶のポリイミドとなるものを選ぶ必要がある。
【0024】
(ジアミン)
本発明に用いるポリイミドに使用されるジアミンとしては、典型的には芳香族ジアミンであり、好ましくは3,5ジアミノ安息香酸を含む。その他の、芳香族ジアミンは特に限定されないが、例えば具体的には、
2,4(または、2,5−)ジアミノトルエン
1,4ベンゼンジアミン
1,3ベンゼンジアミン
6−メチル1,3−ベンゼンジアミン
4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル
4,4’−アミノ−3,3’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル
4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)
4,4’−オキシビス(ベンゼンアミン)
3,4’−オキシビス(ベンゼンアミン)
3,3’−カルボキニル(ベンゼンアミン)
4,4’−チオビス(ベンゼンアミン)
4,4’−スルホニル(ベンゼンアミン)
3,3’−スルホニル(ベンゼンアミン)
1−メチルエチリジン4,4’−ビス(ベンゼンアミン)
3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル
3,3’−ジニトロ−4,4’−ジアミノビフェニル
3,3’−ジアミノベンゾフェノン
1,5−ジアミノナフタレン
1−トリフルオロメチル2,2,2−トリフルオロエチリジン4,4’−ビス(ベンゼンアミン)
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ビス−4(4−アミノフェニル)プロパン
4,4’−ジアミノベンズアニリド
2,6−ジアミノピリジン
4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル
2,2ビス(4(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン
ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン
ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン
ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エチル
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
1,3ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン
ベンジジン‐3,3‐ジカルボン酸
4,4’−(または、3,4’−、3,3’−、2,4’−)ジアミノ−ビフェニルエーテル
ジアミノシラン化合物
等を挙げることができる。これらは単独でも二種以上混合したポリイミド組成物とすることができるが、酸ジ無水物、芳香族ジアミンの組み合わせが溶剤可溶のポリイミドとなるものを選ぶ必要がある。
【0025】
導電体積層体の製造方法
本発明の導電体積層体の製造方法は、まず導電体層を形成してその後にこの導電体層上に、前記のようなカルボキシル基を有する閉環型溶剤可溶型ポリイミド層を形成することを特徴している。
【0026】
好ましくは銅である導電体層上にポリイミドをコーティングする方法としては、ダイコート法、カーテインコート法、電着法等既存の方法が数種類あり、特に限定されないが、好ましくは、低コストで膜厚制御が容易という点から、電着法が望ましい。
【0027】
電着法は、例えば銅箔および対抗電極を電着塗料に浸漬し、直流電圧を印加して、電着塗膜を銅上に成膜することにより行うことができる。その際、印加する電圧、印加時間によって、膜厚を任意に制御できる。この電着にあたっては、通常は、銅のポリイミドを電着させる面とは反対の面にマスクを施し、そのマスクを施した面にポリイミドが電着しないようにする。ポリイミドの電着後は、マスクをはがし、乾燥させ、熱により硬化させる。その際、ポリイミドの熱膨張係数を低減させ、基板の反りをなくすため、前記のように高温で熱処理することが好ましい。このような製造方法により、低コストで、高信頼性で、反りのない、導電体積層体を得ることができる。
【0028】
【実施例】
以下本発明の詳細を実施例に基き説明する。
【0029】
(ポリイミドの電着液の製造)
通常ポリイミドは、酸ジ無水物と、ジアミンの脱水縮重合反応により合成を行なう。その際、ポリアミック酸を経た形でポリイミドが生成する。しかしながらこの反応は平衡反応であり、ポリアミック酸からポリイミド、ポリイミドからポリアミック酸両方向の反応が同時に生じる。このため、ポリアミック酸を経たポリイミドはランダムな状態となり、ブロック共重合体とはならない。一般にランダム共重合体は、ブロック共重合体、交互共重合体より物理的、化学的性質が劣るといわれている。そのため、本発明では酸触媒を用い、脱水された水を逐次取り除きながら1段階でイミド化を行なう方法により、ブロック共重合体からなるポリイミドを製造する方法を採用した。
【0030】
10リットル容量の三つ口セパラブルフラスコにステンレス製イカリ攪拌器、窒素導入管およびストップコックの付いたトラップの上に玉付き冷却管をつけた還流冷却器を取り付けた。窒素気流を流しながら温度調整機の付いたシリコーン浴中にセパブルフラスコをつけて加熱した。反応温度は浴温で示した。
【0031】
3,4、3′4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(以後、BDTAと呼ぶ)322.2g(1モル)、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン(m−BAPS)216.3g(0.5モル)、バレロラクトン15g(0.15モル)、ピリジン24g(0.3モル)、NMP(Nメチル2ピロリドンの略)2000g、トルエン300g、を加えて、窒素を通じながらシリコン浴中、室温で30分間200rpmで撹拌し、ついで180℃に昇温して、1時間、200rpmで撹拌しながら反応させた。トルエン−水留出分150mlを除去し、空冷してBDTA61.1g(0.5モル)、3,5ジアミノ安息香酸(以後DABzと呼ぶ)152.16g(1モル)、NMP1190g、トルエン300gを添加し、室温で30分間200rpmで撹拌攪拌したのち、次いで180℃に昇温して、3時間、加熱、撹拌して反応を終了させた。20%ポリイミドワニスを得た。酸当量(1個のCOOH当たりのポリマー量は1554)は70であった。
【0032】
20%濃度ポリイミドワニス1000gに3SN(NMP:テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド=1:3(重量)の混合溶液)1500g、ベンジルアルコール750g、メチルモルホリン50g(中和率200%)、水300gを撹拌して水性電着液を調製した。得られた水性電着液は、ポリイミド7.4%、pH7.8、暗赤褐色透明液であった。
【0033】
(ポリイミド層の形成)
裏面マスク済みの銅箔を上記の電着液に浸漬し、印加電圧150Vで電圧の印加時間を3〜15分間に変更して電着を行なった。銅箔裏面のマスキングテープを剥離し、ホットプレート上で150℃3分間乾燥させた。450℃において60分間熱硬化を行ない、導電体積層体を得た。
【0034】
得られたポリイミド−銅箔を窒素雰囲気下において、下記のように熱処理条件を変化させてベークを行なった。
【0035】
得られた銅箔−ポリイミドを60℃の塩化第2鉄40ボーメを用い、エッチングを施し、熱処理条件の異なるポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムを幅5mm長さ1.5cmに切り出し、パーキンエルマー社製TMA7を用いて、フィルムの熱膨張係数を求めた。熱膨張係数測定時の引張り荷重は10mNで測定を行った。さらに実際に導電体積層体を形成し反りの発生を観察した。各熱処理条件と線膨脹係数と反りの観察結果を示す。
熱処理条件 線膨脹係数(×10 -5 /K) 反りの発生
300℃ 1時間 58 反り有り
350℃ 1時間 56 反り有り
350℃ 8時間 59 反り有り
400℃ 1時間 58 反り有り
400℃ 2時間 51 反り有り
450℃ 5分 73 反り有り
450℃ 30分 68 反り有り
450℃ 1時間 24 反り無し
500℃ 1時間 23 反り無し
この結果より、450℃1時間および500℃1時間の熱処理条件で、線膨脹係数が低減することが確認された。また450〜500℃の温度で、1時間以上の時間熱処理することにより、反りの無い導電体積層体を得られることが確認された。
【0036】
この導電体積層体を85℃85%RHの恒温恒湿槽内で、直流電圧を印加して、絶縁抵抗を測定したところ、3μm膜厚で1000時間、絶縁性保持が可能であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明により、高電気的信頼性、高屈曲性、高耐熱性および高耐薬品性などの特性を満たし、特に好ましくは反りの少ない、導電体積層体を提供できる。さらに本発明の方法によれば、このような導電体積層体を容易かつ低コストで製造できる。

Claims (6)

  1. 導電体層と樹脂層とが積層されてなる導電体積層体であって、前記樹脂層が、カルボキシル基を有する閉環型溶剤可溶型ポリイミド層であり、
    前記ポリイミド層が、テトラカルボン酸ジ無水物とジアミンとの反応生成物であるポリイミドであって、このジアミン成分の少なくとも一部にジアミノ安息香酸を含有し、酸価が10〜200mmolKOH/100g resinであるポリイミドを含む電着液を用いた電着法により形成し、450〜500℃の温度で1時間以上の熱処理を施したものであることを特徴とする、導電体積層体。
  2. 前記ポリイミドが、硬化前において溶剤可溶型であり、常温もしくは加熱により粘着性あるいは接着性を示す絶縁性樹脂層を形成する、請求項1に記載の導電体積層体。
  3. 前記導電体が銅である、請求項1に記載の導電体積層体。
  4. 導電体層と樹脂層とが積層されてなる導電体積層体の製造方法であって、導電体層形成後にこの導電体層上に、カルボキシル基を有する閉環型溶剤可溶型ポリイミド層を前記ポリイミドを含む電着液を用いた電着法により形成し、前記ポリイミド層に、450〜500℃の温度で1時間以上、熱処理を施す、ことからなり、
    前記ポリイミドが、テトラカルボン酸ジ無水物とジアミンとの反応生成物であるポリイミドであって、このジアミン成分の少なくとも一部にジアミノ安息香酸を含有し、酸価が10〜200mmolKOH/100g resinである、ことを特徴とする、導電体積層体の製造方法。
  5. 前記ポリイミドが、硬化前において溶剤可溶型であり、常温もしくは加熱により粘着性あるいは接着性を示す絶縁性樹脂層を形成する、請求項に記載の導電体積層体の製造方法。
  6. 前記導電体が銅である、請求項に記載の導電体積層体の製造方法。
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