本発明は、配布対象の文書情報と配布先を含む配布指示を受付けて該配布先に対応する印刷制御装置に該文書情報の印刷指示を送出する配布管理装置と、該配布管理装置からの印刷指示に基づき、該印刷指示された文書情報を該配布先の出力装置に印刷出力させる複数の印刷制御装置をネットワークを介して接続して成る文書分散配布システムに係わり、詳しくは、複数の異なる対象毎の印刷設定をシステム要件に合致した形で柔軟に設定可能な文書分散配布システム、その方法及びプログラムに関する。
様々な種類のプリンタが接続される印刷システムにおいては、プリンタ毎に印刷可能領域が異なるため、プリンタ毎にマージンやオフセット等の印刷設定を設定する必要がある。これにより、再出力等の要求が発生し、出力対象プリンタを変更する場合等においては印刷設定の変更も必要となる。
一方、様々な種類のプリンタが設置される各配布先毎に印刷サーバを設置し、該各印刷サーバに対して配布管理サーバから印刷指示を行うような大規模集中出図・配布システムにおいては、配布先毎に部数やスケールあるいはデータマージ等の印刷設定が必要であり、更には、配布対象文書情報(配布データ)についても該配布データ毎に用紙サイズや用紙の種類等の印刷設定を行う必要がある。
この種のシステムでは、配布データ、配布先及び配布先のプリンタ毎の要件を全て満たす分散出力を可能にするための印刷設定が望まれる。
なお、ある要件を部分的に満たすために印刷設定や配布データを加工する従来技術については下記の各特許文献に記載の技術が知られている。
例えば、特許文献1には、プリンタに応じてイメージのレイアウトを変更する技術が開示されている。
また、特許文献2には、ユーザ(グループ)毎に印刷ジョブを仕分けるために排紙するビン番号を指定する技術、中でも、印刷設定によらずにプリンタ側の制御によりビン番号を指定する技術が開示されている。
また、特許文献3には、1つの印刷ジョブで同一原稿に対して設定された複数の印刷設定の印刷情報を出力装置へ送信する印刷制御装置及びその制御方法が開示されている。詳しくは、印刷媒体に応じた印刷ジョブを生成して統合することを基本とし、普通紙は配布用として両面やステープル処理するが、OHPでは両面・ステープルしないように制御するものであり、印刷媒体に依存して印刷設定を加工する技術である。
また、特許文献4には、受取人が文書種別(正式文書、ドラフト文書等)に応じて印刷設定を登録でき、それに応じて印刷データを加工(印設定は加工せず)する技術が開示されている。
また、特許文献5には、客層に応じて、高品質の印刷を行うか中品質の印刷を行うか低品質の印刷を行うかを決定する技術が開示されている。
特開2000−20510号公報
特開2000−357073号公報
特開2003−29942号公報
特開2003−223297号公報
特開2002−99828号公報
しかしながら、特許文献1乃至5に記載の技術は、あくまでもある要件を部分的に満たすために印刷設定や配布データを加工する技術であって、これら従来技術を上述した大規模集中出図・配布システムに適用しても、配布データ、配布先及び配布先のプリンタ毎の要件を全て満たす分散出力を可能にする印刷設定を行えるものではなく、配布先毎、プリンタ毎に版下データを作成した後にシステムに印刷依頼する等、運用によって回避しているのが現状であった。
かかる現状において、配布先毎あるいはプリンタ毎等、対象が異なる複数の印刷設定を一塊のデータとして扱い、該複数の印刷設定を同時に指定する方法も考えられるが、この方法では、指定された印刷設定が択一的に設定されることになり、大規模集中出図・配布システム等に適用した場合に、配布データ、配布先及びプリンタ別の各印刷設定をシステム要件に合致した形で設定できず、顧客の運用形態に合わせた文書分散配布の実現が困難であるという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解消し、配布対象文書情報に対する印刷設定を含む複数の異なる対象毎の印刷設定をシステム要件に合致した形で柔軟に設定でき、顧客の運用形態に合わせた文書分散配布を容易に実現可能な文書分散配布システム、その方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、配布対象の文書情報と配布先を含む配布指示を受付け、該配布先に対応する印刷制御装置に該文書情報の印刷指示を送出する配布管理装置と、該配布管理装置からの印刷指示に基づき、該印刷指示された文書情報を該配布先の出力装置に印刷出力させる複数の印刷制御装置をネットワークを介して接続して成る文書分散配布システム中の前記配布管理装置に実装される文書分散配布プログラムにおいて、配布対象の文書情報、配布先、配布先の出力装置を対象として該各対象毎に印刷設定を受付け、各々、対文書情報印刷設定、対配布先印刷設定、対出力装置印刷設定として設定する対象毎印刷設定処理と、配布指示受付時に受付けた配布対象文書情報に対する対文書情報印刷設定と、該配布指示中の配布先及び該配布先の出力装置に対して各々予め設定されている対配布先印刷設定及び対出力装置印刷設定とを同一の印刷設定属性項目が重複することがないように1つに融合して当該配布先に対応する印刷制御装置への前記印刷指示に付加する印刷指示用の印刷設定を生成する印刷設定融合処理とを前記配布管理装置に行なわせることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記対文書情報印刷設定、対配布先印刷設定及び対出力装置印刷設定の各対象毎印刷設定間の優先度を設定した印刷設定優先度情報を管理する印刷設定優先度情報管理処理を前記配布管理装置に更に行なわせ、前記印刷設定融合処理では、前記印刷設定優先度情報に従い、最も優先度の高い対象毎印刷設定中の印刷設定属性項目を選択する第1の選択処理と、前記最も優先度の高い対象毎印刷設定以外の対象毎印刷設定中の前記第1の選択処理により選択された印刷設定属性項目と重複していない印刷設定項目を選択する第2の選択処理と、前記第1及び第2の選択処理により選択された印刷設定属性項目を融合して前記印刷指示用印刷設定を生成する処理とを行わせることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記対文書情報印刷設定、対配布先印刷設定及び対出力装置印刷設定の各対象毎印刷設定間の優先度を印刷設定属性項目別に設定した属性項目別印刷設定優先度情報を管理する印刷設定優先度情報管理処理を前記配布管理装置に更に行なわせ、前記印刷設定融合処理では、融合対象の前記各対象毎印刷設定間に重複する印刷設定属性項目が存在するか否かを判定する重複属性項目判定処理と、前記重複属性項目判定処理により重複する印刷設定属性項目が存在すると判定された場合、前記属性項目別印刷設定優先度情報に従い、該重複する印刷設定属性項目毎に、最も優先度の高い対象毎印刷設定中の印刷設定属性項目を選択する印刷設定属性項目選択処理と、前記印刷設定属性項目選択処理により選択された印刷設定属性項目と、前記融合対象の各対象毎印刷設定間における重複しない印刷設定属性項目とを融合して前記印刷指示用印刷設定を生成する処理とを行わせることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3のいずれか記載の発明において、前記対象毎印刷設定処理では、出力用紙サイズ、出力文書の種類、出力用紙種類の各属性項目のうちの少なくとも1つの属性項目を配布対象文書情報に対応付けて指定した前記対文書情報印刷設定を設定する対文書情報印刷設定処理と、原寸出力を含む出力比率、最大出力サイズ、最大出力サイズに収まるように適応出力することを示す適応出力指示の各属性項目のうちの少なくとも1つの属性項目を各配布先に対応付けて指定した前記対配布先印刷設定を設定する対配布先印刷設定処理と、出力用紙サイズ、出力文書の種類、印刷マージン、フィニッシャ種別の各属性項目のうちのいずれか1つの属性項目を各配布先の出力装置毎に対応付けて指定した前記対出力装置印刷設定を設定する対出力装置印刷設定処理とを行わせることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、配布対象の文書情報と配布先を含む配布指示を受付け、該配布先に対応する印刷制御装置に該文書情報の印刷指示を送出する配布管理装置と、該配布管理装置からの印刷指示に基づき、該印刷指示された文書情報を当該配布先の出力装置に印刷出力させる複数の印刷制御装置とをネットワークを介して接続して成る文書分散配布システムにおいて、前記配布管理装置は、配布対象の文書情報、配布先、配布先の出力装置を対象として該各対象毎に印刷設定要求を受付け、各々、対文書情報印刷設定、対配布先印刷設定、対出力装置印刷設定として設定する対象毎印刷設定処理手段と、配布指示受付時に受付けた配布対象文書情報に対する対文書情報印刷設定と、該配布指示中の配布先及び該配布先の出力装置に対して各々予め設定されている対配布先印刷設定及び対出力装置印刷設定とを同一の印刷設定属性項目が重複することがないように1つに融合して当該配布先に対応する印刷制御装置への前記印刷指示に付加する印刷指示用の印刷設定を生成する印刷設定融合処理手段とを具備することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、配布管理装置と複数の印刷制御装置をネットワークを介して接続し、前記配布管理装置が、配布対象の文書情報と配布先を含む配布指示を受付けて該配布先に対応する印刷制御装置に該文書情報の印刷指示を送出し、前記印刷制御装置が、前記配布管理装置からの印刷指示に基づき、該印刷指示された文書情報を当該配布先の出力装置に印刷出力させる文書分散配布方法において、前記配布管理装置が、配布対象の文書情報、配布先、配布先の出力装置を対象として該各対象毎に印刷設定要求を受付け、各々、対文書情報印刷設定、対配布先印刷設定、対出力装置印刷設定として設定する対象毎印刷設定処理ステップと、前記配布管理装置が、前記配布指示受付時に受付けた配布対象文書情報に対する対文書情報印刷設定と、該配布指示中の配布先及び該配布先の出力装置に対して各々予め設定されている対配布先印刷設定及び対出力装置印刷設定とを同一の印刷設定属性項目が重複することがないように1つに融合して当該配布先に対応する印刷制御装置への前記印刷指示に付加する印刷指示用の印刷設定を生成する印刷設定融合処理ステップとを有することを特徴とする文書分散配布方法。
本発明によれば、配布対象の文書情報、配布先、配布先の出力装置を対象として該各対象毎に印刷設定要求を受付け、各々、対文書情報印刷設定、対配布先印刷設定、対出力装置印刷設定として設定する対象毎印刷設定処理機能と、配布指示受付時に受付けた配布対象文書情報に対する対文書情報印刷設定と、該配布指示中の配布先及び該配布先の出力装置に対して各々予め設定されている対配布先印刷設定及び対出力装置印刷設定とを同一の印刷設定属性項目が重複することがないように1つに融合して当該配布先に対応する印刷制御装置への印刷指示に付加する印刷指示用の印刷設定を生成する印刷設定融合処理機能を配布管理装置に設けたため、配布先あるいは配布先に設置される出力装置毎に部数や出力縮尺等の印刷設定が必要とされる一方で、配布対象文書情報毎に用紙サイズや用紙種類等の設定が必要であるというシステム要件を持つ大規模集中出図・配布システム等に適用した場合にも、文書情報に対する印刷設定(対文書情報印刷設定)、配布先に対する印刷設定(対配布先印刷設定)、出力装置に対する印刷設定(対出力装置印刷設定)の3者をシステム要件に合致した形で簡単に設定でき、顧客の運用形態に合わせた柔軟な文書分散配布を実現できる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る文書分散配布システムの全体構成を示すブロック図である。
このシステムは、文書情報の配布指示を行うクライアント端末(PC:パーソナル・コンピュータ)10、文書情報(文書、図面等を含む)を保存・管理する文書管理サーバ20、クライアントPC10から配布指示された文書情報を文書管理サーバ20から取得して指定された配布先に対応する印刷サーバ40に印刷指示する配布管理サーバ30、各拠点A,B,…に設置される複数の印刷サーバ40(40A,40B,…)をネットワーク90により相互に接続して構成される。
このシステムにおいて、印刷サーバ40Aは、拠点A(例えば、A社の試作部門のフロア)に設置され、当該拠点A内各所に分散設置されるプリンタ50A−1,50A−2,50A−3,…と接続されている。
また、印刷サーバ40Bは、拠点B(例えば、A社の管理部門のフロア)に設置され、当該拠点B内各所に分散設置されるプリンタ50B−1,50B−2,50B−3,…と接続されている。
同様に、図示しない複数の印刷サーバ50が各拠点に設置され、それぞれ、当該各拠点内各所に分散設置される1または複数のプリンタ50と接続されている。
かかる構成を有する本発明のシステムでは、クライアントPC10から配布管理サーバ30に対して、配布対象の文書情報や配布先(例えば、A社試作部門、A社管理部門等)を指定した配布指示を行うと、配布管理サーバ30がクライアントPC10からなされた上記配布指示に基づき、配布対象の文書情報を文書管理サーバ20から取得して該配布指示により指定された配布先に対応する印刷サーバ40(40A,40B,…)に印刷指示を発行し、各印刷サーバ40は、出力管理サーバ30からの上記印刷指示に基づき、該印刷指示と一緒に受信した印刷対象文書情報を配布先に設置されるプリンタ50に印刷出力させる文書分散配布処理を実現している。
この文書分散配布の末端装置である各プリンタ50〔(50A−1,50A−2,50A−3,…)、(50B−1,50B−2,50B−3,…)、…〕は様々な機種のものが含まれ、また、同一の機種であっても、部門(例えば、A社試作部門や管理部門)毎に異なる印刷設定で運用することが多い。
例えば、A社に関していえば、試作部門では図面等を詳細に把握するために図面データを原寸サイズで出力することが必須となるが、管理部門では、管理上必要な情報さえ分かれば良いなどの都合上、縮小印刷で足りることになり、各部署毎に運用の都合に合わせた印刷設定を行っている。
本発明のシステムでは、クライアントPC10側から配布指示する場合でも、各配布先に対して当該各配布先が望む出力形態での文書配布を実現すべく、例えば、出力管理サーバ30に、配布対象の文書情報毎、配布先毎及び配布先のプリンタ毎というように、複数の異なる対象毎に印刷オプション設定(以下、印刷設定)を行う処理機能を付加している。
そして、配布先毎及び配布先のプリンタ毎の印刷設定については事前に設定しておく一方、クライアントPC10から配布指示要求があった場合は、今回の配布対象文書情報に対する印刷設定を受付け、該受付けた文書情報に対する印刷設定と、予め設定しておいた配布先に対する印刷設定並びにその配布先のプリンタ50に対する印刷設定とを所定の融合条件で融合させて最終的な印刷設定(特許請求の範囲における印刷指示用印刷設定)を生成し、該最終的な印刷設定を含めて該当する印刷サーバ40に対する当該配布対象文書情報の印刷指示を発行する処理機能を備えるものである。
図2は、本発明に係わる配布管理サーバ30の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、配布管理サーバ30は、ネットワーク90を介したクライアントPC10や各印刷サーバ40等との通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部31、配布対象の文書情報毎、配布先毎及びプリンタ50毎に印刷設定を行う対象毎印刷設定処理部321,該対象毎印刷設定処理部321により設定された各対象毎の印刷設定を融合させて最終的な印刷設定を生成する印刷設定融合処理部322,通信I/F部31を介してクライアントPC10から受付けた配布指示に基づき配布対象文書情報の指定配布先への配布処理を行う配布管理処理部323を有し、これら各処理を含む装置全体の制御を行なう制御部32、印刷設定融合処理部322が最終的な印刷設定を生成する際に配布対象文書情報毎、配布先毎及びプリンタ50毎の印刷設定のいずれを優先的に採用するかに関する優先度を示す優先度情報を優先度情報管理テーブル331に登録・管理する印刷設定優先度管理部33、対象毎印刷設定処理部321により設定された配布対象文書情報(データ)毎、配布先毎及びプリンタ50毎の各印刷設定を各々記憶するデータ印刷設定記憶部341、配布先印刷設定記憶部342及びプリンタ印刷設定記憶部343を有する記憶部34を具備して構成される。
次に、制御部32の対象毎印刷設定処理部321における対象毎印刷設定処理について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
対象毎印刷設定処理部321は、クライアントPC10での対象毎印刷設定操作に基づき当該クライアントPC10と協働して対象毎印刷設定処理を行う。
対象毎印刷設定操作として、配布担当者は、クライアントPC10の入力/操作部を適宜操作することにより図4に示す設定対象選択画面150を表示部に表示させる。この設定対象選択画面150の表示に対応して、クライアントPC10から配布管理サーバ30に印刷設定要求が送出される。
設定対象選択画面150が表示された後、配布担当者は、該画面150上に表示されている印刷設定対象リスト(配布データ、配布先、プリンタ)の中から所望の印刷設定対象を選択し(所望の印刷設定対象に対応するラジオボタンをチェックする)、「OK」ボタンを押下する。これにより、選択した印刷設定対象に対応する選択情報が配布管理サーバ30に送出される。
また、上記「OK」ボタンの押下によって、クライアントPC10の表示部には、選択した印刷設定対象に対応する印刷設定画面(図示せず)が表示される。
配布担当者は、上記印刷設定画面上で、印刷設定に必要な属性項目情報の選択や入力を行って該各情報を配布管理サーバ30に送出することにより、対象毎印刷設定処理部321に対して、データ(配布対象文書情報)毎、配布先毎、あるいはプリンタ毎の印刷設定処理を行わせることができる。
かかるクライアントPC10の対象毎印刷設定操作に対して、対象毎印刷設定処理部321は、クライアントPC10から印刷設定要求があったか否かを監視している(ステップS101)。
ここで、印刷設定要求があった場合(ステップS101YES)、引き続きクライアントPC10から送られてくる上記選択情報を解析して選択された設定対象はデータ、配布先、プリンタのいずれであるかをチェックする(ステップS102)。
このチェックの結果、選択された設定対象がデータである(ステップS102で対データ)か、配布先である(ステップS102で対配布先)か、あるいはプリンタである(ステップS102で対プリンタ)かによって、該当する印刷設定保持先(記憶部34のデータ印刷設定記憶部341、配布先印刷設定記憶部342、プリンタ印刷設定記憶部343)を決定し(ステップS103)、その後にクライアントPC10から送られてくる印刷設定属性項目情報を受信し(ステップS104)、該受信した印刷設定属性項目情報をステップS103で決定した印刷設定保持先に印刷設定として記憶する(ステップS105)。
次いで、クライアントPC10で設定操作が終了したかどうか監視し(ステップS106)、終了していない(ステップS106NO)間は上記ステップS102〜ステップS106の処理を続行して別の種別の印刷設定を受付け、終了した場合(ステップS106YES)は、一連の対象毎印刷設定処理を終了する。
図5は、図3における各対象毎印刷設定処理により各設定対象種別に対応する保持領域に記憶(設定)された対象毎印刷設定情報の内容を示す図である。
図5(a)は、図3における配布先印刷設定処理〔(ステップS102で対配布先)なる判定結果を経た処理〕により記憶部34の配布先印刷設定記憶部342に記憶された対配布先印刷設定情報342aの一例を示し、同図(b)は、図3におけるプリンタ印刷設定処理〔(ステップS102で対プリンタ)なる判定結果を経た処〕により記憶部34のプリンタ印刷設定記憶部343に記憶された対プリンタ印刷設定情報343aの一例を示している。
ここで、対配布先印刷設定情報342aは、原寸出力を含む出力比率、最大出力サイズ、最大出力サイズに収まるように適応出力することを示す適応出力指示等の各属性項目の値を各配布先に対応付けて指定した内容となっている。
また、対プリンタ印刷設定情報343bは、出力用紙サイズ、出力文書の種類、印刷マージン、フィニッシャ種別等の各属性項目の値を各配布先のプリンタ毎に対応付けて指定した内容となっている。
なお、図3におけるデータ印刷設定処理〔(ステップS102で対データ)なる判定結果を経た処理〕においては、出力用紙サイズ、出力文書の種類、出力用紙種類等の各属性項目の値を配布データ(配布対象文書情報)に対応付けて指定した内容から成る対データ印刷設定を設定することができるが、このデータ印刷設定処理については、クライアントPC10での配布管理サーバ30への印刷指示時に該印刷指示に合わせて行われる配布データに対する印刷設定操作に応じて実施されるものとし、該処理の流れについては後述する配布管理サーバ30での文書配布処理(図7参照)の中で説明する。
この文書配布処理において、配布管理サーバ30は、クライアントPC10からの配布指示の受付け時、配布データに対する印刷設定も合わせて受付け、該受付けた配布データの印刷設定(対データ印刷設定)と、事前に設定されている配布先に対する印刷設定(対配布先印刷設定)並びにプリンタに対する印刷設定(対プリンタ印刷設定)とを所定の条件に従って融合させて当該配布データの印刷指示に付加する最終的な印刷設定を生成する。
ここで、対データ印刷設定、対配布先印刷設定、対プリンタ印刷設定を融合させる条件として、後述の各実施例に示すように、これら3つの印刷設定間の優先度を設定した印刷設定優先度情報を用いる方法(実施例1参照)と、当該3つの印刷設定間の優先度を印刷設定属性項目別に設定した属性項目別印刷設定優先度情報を用いる方法(実施例2)とがある。
以下、本発明の各実施例について説明する。
実施例1に係わる配布管理サーバ30では、印刷設定優先度管理部33の優先度情報管理テーブル331内に、例えば、図6に示す内容を持つ印刷設定優先度情報331aを予め設定しておく。
図6に示す印刷設定優先度情報331aは、異なる3つの印刷設定「(データに対する印刷設定)、(配布先に対する印刷設定)、(プリンタに対する印刷設定)」に対応付けて、これらの間でいずれの印刷設定を優先的に使う(選択)かを示す優先度(優先度1,2,3の順に優先度が高い)の情報を登録したものである。
特に、この例では、データに対する印刷設定=優先度1、配布先に対する印刷設定=優先度2、プリンタに対する印刷設定=優先度3という優先度の対応付けがなされた印刷設定優先度情報331aが登録されたものである。
この印刷設定優先度情報331aの設定は、クライアントPC10と配布管理サーバ30との協働処理により実現できる。
具体的には、配布管理サーバ30が後述する手順(図7参照)で文書配布処理を開始する前に、配布担当者による所定の設定操作に基づきクライアント端末10から配布管理サーバ30に設定要求を送出し、配布管理サーバ30の制御部32が上記設定要求を受付け、その後にクライアントPC10から入力される各種類の印刷設定に対する優先度の指定に応じて当該対応関係(図6参照)を印刷設定優先度管理部33の優先度情報管理テーブル331に印刷設定優先度情報331aとして登録する。
この印刷設定優先度情報331aの設定後、配布管理サーバ30は、クライアントPC10からの配布指示を受付け、図7に示すフローチャートに従った文書配布処理を実施する。
なお、図7における文書配布処理(図10における文書配布処理も同様)は、例えば、制御部32に実装される文書分散配布プログラムに基づき、制御部32内の各機能部(対象毎印刷設定処理部321、印刷設定融合処理部322、配布管理処理部323)が該当する各処理を分担して実行することにより実現される。
図7に示す文書配布処理を実施するにあたって、配布担当者は、どこ(配布先)にどの文書(配布対象文書情報:配布データ)を何部(配布部数)を配布したいかを決定し、クライアントPC10を用いて、その決定した配布先、配布データ、配布部数を指定した配布指示を生成し、該生成した配布指示を配布管理サーバ30に送出する。
配布管理サーバ30は、クライアントPC10から送出された上記配布指示を通信I/F部31を通じて受信し、制御部32に渡す。
制御部32は、クライアントPC10からの上記印刷指示を受付ける(ステップS201YES)と、対象毎印刷設定処理部321を起動して、該印刷指示中の配布データに対する印刷設定を受付ける(ステップS202)。
この配布データに対する印刷設定に際し、配布担当者は、クライアントPC10を操作することにより上述した設定対象選択画面150(図4参照)を表示部に表示して配布データを設定対象として選択した後、配布データの出力サイズや、出力用紙の種類等、配布データに対する印刷設定の各属性項目情報を入力する。
かかるクライアントPC10側での配布データの設定操作に対して、配布管理サーバ30では、対象毎印刷設定処理部321が、図3におけるデータ印刷設定処理〔(ステップS102で対データ)なる判定結果を経た処理〕により、クライアントPC10側で入力された上記各属性項目情報を受信し、該各属性項目情報を記憶部34のデータ印刷設定記憶部341に記憶せしめることにより対データ印刷設定情報341a(図示せず)として設定する。
なお、この時点で、上記配布指示中の配布先に対応する対配布先印刷設定と、該配布先のプリンタに対応する対プリンタ印刷設定は、それぞれ、例えば、図5(a)と図5(b)に示す内容で配布先印刷設定記憶部342とプリンタ印刷設定記憶部343に既に記憶(設定)されている。
上記ステップS202でデータに対する印刷設定の受付けと設定処理を実行した後、印刷設定融合処理部322は、優先度情報管理テーブル331に設定されている印刷設定優先度情報331aを参照して最も優先度の高い印刷設定を特定したうえで、該特定した最も優先度の高い印刷設定の各印刷属性項目を選択する(ステップS203)。
次いで、印刷設定融合処理部322は、上記ステップS203で特定した最も優先度の高い印刷設定以外の印刷設定における各印刷属性項目をチェックし、これら各印刷設定属性情報の中に、最も優先度の高い印刷設定中の各印刷設定属性項目と重複していない印刷設定項目があれば該印刷設定項目を選択する(ステップS204)。
引き続き、印刷設定融合処理部322は、上記ステップS203で選択した最も優先度の高い印刷設定における各印刷属性項目と、上記ステップS204で選択した、最も優先度の高い印刷設定中の各印刷設定属性項目と重複していない他の印刷設定中の各印刷設定属性項目とを融合させて(つまり、3つの印刷設定を同一の印刷設定属性項目が重複することがないように1つに融合させて)最終的な印刷設定を生成する(ステップS205)。
その後、配布管理処理部323は、上記ステップS201で受付けた配布指示に含まれるデータ(配布対象文書情報:ファイル名)に対応する文書情報(実情報)を文書管理サーバ20から取得すると共に、予め設定されている印刷サーバ・プリンタ割当管理情報を参照して、同じく上記配布指示に含まれる出力先に対応する印刷サーバ40を選択し、該選択した印刷サーバ40に対して、上記取得した文書情報に上記ステップS205で生成した最終的な印刷設定を付加して成る印刷制御情報を送出することにより当該印刷サーバ40への印刷指示を行なう(ステップS206)。
一方、印刷サーバ40は、配布管理サーバ30から上記出力指示を受信すると、該出力指示に含まれる印刷設定(上記最終印刷設定)に適合するプリンタ50を選択し、該プリンタ50に、上記印刷指示に含まれる文書情報を当該印刷設定に従って印刷出力させる出力制御を行なう。
図7に示す一連の文書配布処理によれば、優先度情報管理テーブル331に例えば図6に示す内容の印刷設定優先度情報331aが登録されている時、上記ステップS203ではこの時に最も優先度の高いデータに対する印刷設定中の全ての印刷設定属性項目が選択され、次いで、ステップS204では、配布先に対する印刷設定及びプリンタに対する印刷設定の中からデータに対する印刷設定中の各印刷設定属性項目とは重複しない印刷設定属性項目が選択されて、上記ステップS203で選択された印刷設定属性項目と融合されて最終的な印刷設定が生成される(ステップS205)ことになる。
図8は、かかるケース(配布データに対する印刷設定の優先度が最も高い印刷設定優先度情報331aが設定されてい場合)における配布管理サーバ30での印刷設定融合処理の流れを示す概念図である。
この例では、配布先=試作部門、配布データ=文書AAA、配布部数=1部が指定された配布指示AAAが受付けられた後、該配布データ(=文書AAA)に対して出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力)、出力用紙サイズ(=A4)、出力用紙の種類(紙質)(=普通紙)、印刷マージン(=5mm)の各印刷属性項目が指定された印刷設定(対データ印刷設定)が設定されている。
この時、上記配布指示AAA中の配布先(=試作部門)に対しては、出力比率〔=原寸出力(スケール=100パーセント)〕を属性項目として含む印刷設定(対配布先印刷設定)が設定されている。
また、該配布先(=試作部門)に設置されるプリンタA,Bのうち、プリンタAに対しては、出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力/A3サイズの保管文書として出力)、印刷マージン(=3mm)を属性項目として含む印刷設定(対プリンタ印刷設定)が設定され、プリンタBに対しては、出力文書の種類(=A0サイズの図面として出力)、フィニッシャ種別(=紙折り:有り)を属性項目として含む印刷設定(対プリンタ印刷設定)が設定されている。
かかる設定状況において、印刷設定融合処理部322は、図6に示す印刷設定優先度情報331aを参照して、「配布データに対する印刷設定」が最も優先度が高いことを認識し、これにより、該「配布データに対する印刷設定」における各印刷設定属性項目の値「出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力)、出力用紙サイズ(=A4)、出力用紙の紙質(=普通紙)、印刷マージン(=5mm)」をまず選択する。
次に、対配布先印刷設定と対プリンタ印刷設定をチェックし、先に選択した「配布データに対する印刷設定」における各印刷設定属性項目と重複していない「対配布先印刷設定」における印刷属性項目の値「出力比率〔=原寸出力(スケール=100パーセント)〕」を選択する。
そして、これら選択された各印刷属性項目を融合させることにより、「出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力)、出力用紙サイズ(=A4)、出力用紙の紙質(=普通紙)、印刷マージン(=5mm)、出力比率〔=原寸出力(スケール=100パーセント)〕」という各印刷設定属性項目の値で構成される最終的な印刷設定AAAを生成する。
その後、配布管理処理部323は、今回の配布指示に含まれる配布先であるA社試作部門に対応する印刷サーバ40A(図1参照)に対して、文書管理サーバ20から取得した文書情報(=文書AAA)と、印刷設定融合処理部322により生成された最終的な印刷設定AAAとを含む印刷指示を行う。
これにより、印刷サーバ40Aでは、配布管理サーバ30からの上記印刷指示に含まれる印刷設定AAAを満たすプリンタA(図1で符号50A−1を付すプリンタ)を当該印刷指示に含まれる最終印刷設定AAAに従って駆動することにより、印刷対象文書情報(=文書AAA)を、A4サイズの普通紙に、5mmのマージンを保ってA4普通文書として等倍(スケール=100パーセント)で印刷する出力制御を実施する。
このように、本実施例では、クライアントPC10から、配布対象の文書情報、配布先、配布先のプリンタを対象として該各対象毎に印刷設定要求を受付け、各々、対文書情報印刷設定、対配布先印刷設定、対プリンタ印刷設定として設定する処理機能を配布管理サーバ30に設け、更に、該配布管理サーバ30では、クライアントPC10からの配布指示受付時に受付けた配布対象文書情報に対する対文書情報印刷設定と、該配布指示中の配布先及び該配布先のプリンタに対して各々予め設定されている対配布先印刷設定及び対プリンタ印刷設定とを同一の印刷設定属性項目が重複することがないように1つに融合して最終的な印刷設定を生成し、該最終的な印刷設定を付加して当該配布先に対応する印刷サーバ40への印刷指示を行なう構成としたため、配布先あるいは配布先に設置されるプリンタ50毎に部数や出力縮尺等の印刷設定が必要とされる一方で、クライアントPC10から配布対象文書情報毎に用紙サイズや用紙種類等の設定が必要であるというシステム要件を持つ大規模集中出図・配布システム等に適用した場合においても、文書情報に対する印刷設定(対文書情報印刷設定)、配布先に対する印刷設定(対配布先印刷設定)、プリンタに対する印刷設定(対プリンタ印刷設定)の3者をシステム要件に合致した形で簡単に設定でき、顧客の運用形態に合わせた柔軟な文書分散配布を実現できる。
特に、本実施例では、対文書情報印刷設定、対配布先印刷設定、対プリンタ印刷設定の3つの印刷設定間に優先度を設定し、上述した印刷設定融合処理に際して、優先度が最も高い印刷設定種別に対応する印刷設定属性項目を優先的に選択して最終的な印刷設定を生成するため、3つの印刷設定のどれを重視するかを優先度の対応付けによって操作でき、これら3つの印刷設定のシステム要件に合致した融合設定に対する適応能力を更に高めることができる。
実施例2に係わる配布管理サーバ30(便宜的に、30Bと呼称)では、印刷設定優先度管理部33の優先度情報管理テーブル331内に、例えば、図9に示す内容を持つ印刷設定項目別優先度情報331bを予め設定しておく。
図9に示す印刷設定項目別優先度情報331bは、3つの印刷設定「(データに対する印刷設定)、(配布先に対する印刷設定)、(プリンタに対する印刷設定)」間でいずれの印刷設定を優先的に使う(選択)かを示す優先度の情報を各印刷設定属性項目別に対応付けて登録したものである。
特に、この例では、用紙サイズ、紙質、スケール(出力縮尺)、印刷マージン、紙折りの各印刷設定属性項目に対応して優先度を適用することが定義(優先度定義:する)され、これら各印刷設定属性項目に対応して、それぞれ、データに対する印刷設定、配布先に対する印刷設定、プリンタに対する印刷設定間の優先度(優先度1,2,3の順に優先度が高い)が設定されている。
この印刷設定項目別優先度情報331bについても、実施例1に係わる印刷設定優先度情報331aと同様、クライアントPC10と配布管理サーバ30との協働処理により設定することができる。
この印刷設定項目別優先度情報331aの設定後、配布管理サーバ30Bは、クライアントPC10からの配布指示を受付け、図10に示すフローチャートに従った文書配布処理を実施する。
図10の文書配布処理において、ステップS301とS302の各処理は、それぞれ、図7におけるステップS201とS202の処理と同じであるため、詳しい説明を割愛する。
本実施例に係わる配布管理サーバ30では、上記ステップS302でデータに対する印刷設定の受付けと設定処理を実行した後、印刷設定融合処理部322は、該データに対する印刷設定(対データ印刷設定:データ印刷設定記憶部341に記憶される)と、ステップS301で受付けた配布指示中の配布先に対応する対配布先印刷設定(配布先印刷設定記憶部342に記憶される)と、当該配布先のプリンタに対応する対プリンタ印刷設定(プリンタ印刷設定記憶部343に記憶される)を参照し(ステップS303)、これら3つの印刷設定の間で重複する印刷設定属性項目があるか否かをチェックする(ステップS304)。
ここで、3つの印刷設定の間で重複する印刷設定属性項目があると判定された場合(ステップS304YES)、印刷設定融合処理部322は、該重複する印刷設定属性項目をキーに印刷設定項目別優先度情報331b(図9参照)を検索して該印刷設定属性項目に対応する最も優先度の高い印刷設定を特定したうえで、ステップS304で認識された重複する印刷設定属性項目のうちの最も優先度の高い印刷設定の印刷設定属性項目を選択する(ステップS305)。
引き続き、印刷設定融合処理部322は、重複する印刷設定属性項目が他にも存在するか否かをチェックし(ステップS306)、他の(次の)重複印刷設定属性項目が存在すれば(ステップS306YES)、ステップ305に戻って当該重複する印刷設定属性項目のうちの最も優先度の高い印刷設定の印刷設定属性項目を選択し(ステップS305)、以後も、次の重複印刷設定属性項目が存在する限り(ステップS306YES)、当該処理を続ける。
この間、次の重複印刷設定属性項目が存在しないと判定された場合(ステップS306YES)、印刷設定融合処理部322は、上記ステップS305でそれまでに選択された印刷属性項目(それぞれ最も優先度の高い印刷設定の印刷設定属性項目)の各値と、3つの印刷設定間で重複していない印刷属性項目の値とを融合させて(つまり、3つの印刷設定を同一の印刷設定属性項目が重複することがないように1つに融合させて)最終的な印刷設定を生成する(ステップS307)。
これに対し、3つの印刷設定の間で重複する印刷設定属性項目がないと判定された場合(ステップS304NO)、印刷設定融合処理部322は、3つの印刷設定の各印刷設定属性項目を融合して最終的な印刷設定を生成する(ステップS308)。
上記ステップS307またはS308で最終的な印刷設定を生成した後、配布管理処理部323は、上記ステップS301で受付けた配布指示に含まれるデータ(文書情報:ファイル名)に対応する文書情報(実情報)を文書管理サーバ20から取得すると共に、予め設定されている印刷サーバ・プリンタ割当管理情報を参照して、同じく上記配布指示に含まれる出力先に対応する印刷サーバ40を選択し、該選択した印刷サーバ40に対して、上記取得した文書情報に上記ステップS307またはS308で生成した最終的な印刷設定を付加して成る印刷制御情報を送出することにより当該印刷サーバ40への印刷指示を行なう(ステップS309)。
一方、印刷サーバ40は、配布管理サーバ30から上記出力指示を受信すると、該出力指示に含まれる印刷設定(上記最終印刷設定)に適合するプリンタ50を選択し、該プリンタ50に、上記印刷指示に含まれる文書情報を当該印刷設定に従って印刷出力させる出力制御を行なう。
図10に示す一連の文書配布処理によれば、優先度情報管理テーブル331に印刷設定項目別優先度情報331b(図9参照)が登録されている時、上記ステップS304で3つの印刷設定の間に重複する印刷設定属性項目が存在すると判定された場合(ステップS203YES)には、該重複する1または複数の印刷設定属性項目毎に、それぞれ、最も優先度の高い印刷設定中の該当する各印刷設定属性項目が選択され(ステップS305)、該選択された各印刷設定属性項目が上記3つの印刷設定における重複しない印刷設定属性項目と融合されて最終的な印刷設定が生成される(ステップS307)ことになる。
図11及び図12は、かかるケース(3つの各対象毎印刷設定間の優先度を印刷設定属性項目別に設定した属性項目別印刷設定優先度情報311bが設定されていて、かつ、当該3つの印刷設定間に重複する印刷設定属性項目がある場合)における配布管理サーバ30での印刷設定融合処理の流れを示す概念図である。
ここで、図11は、配布先としてA社試作部門が指定された配布指示を受付けた場合の流れを示し、図12は、配布先としてA社管理部門が指定された配布指示を受付けた場合の流れを示している。
図11において、クライアントPC10から配布先としてA社試作部門が指定された配布指示を受ける前、配布管理サーバ30には、A社試作部門に対して、出力比率〔=原寸出力(スケール=100パーセント)〕を属性項目として含む印刷設定(対配布先印刷設定)が設定されている。
また、A社試作部門に設置されるプリンタA,Bのうち、プリンタAに対しては、出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力/A3サイズの保管文書として出力)、印刷マージン(=3mm)を属性項目として含む印刷設定(対プリンタ印刷設定)が設定され、プリンタBに対しては、出力文書の種類(=A0サイズの図面として出力)、フィニッシャ種別(=紙折り:有り)を属性項目として含む印刷設定(対プリンタ印刷設定)が設定されている。
更に、優先度管理テーブル311には、例えば、図9に示すように、用紙サイズについては、配布先に対する印刷設定(対配布先印刷設定)、プリンタに対する印刷設定(対プリンタ印刷設定)、データに対する印刷設定(対データ印刷設定)の順に優先度が高く、紙質については、対データ印刷設定、対配布先印刷設定、対プリンタ印刷設定の順に優先度が高く、スケールについては、対配布先印刷設定、対データ印刷設定、対プリンタ印刷設定の順に優先度が高く、マージン及び紙折りについては、それぞれ、対プリンタ印刷設定、対データ印刷設定、対配布先印刷設定の順に優先度が高い指示内容を有する印刷設定項目別優先度情報311bが設定されている。
かかる設定環境下で、例えば、配布先=試作部門、配布データ=文書AAA、配布部数=1部が指定された配布指示AAAが受付けられ、かつ、該配布データ(=文書AAA)に対して出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力)、出力用紙サイズ(=A4)、出力用紙の種類(紙質)(=普通紙)の各印刷属性項目が指定された印刷設定(対データ印刷設定)が設定された場合には、当該対データ印刷設定と、既に設定済みの対配布先印刷設定及び対プリンタ印刷設定の3つの印刷設定に含まれる各印刷設定属性項目が、印刷設定項目別優先度情報311bに設定されている当該3つの印刷設定間の各印刷設定属性項目別の優先度に基づき優先度の高い順に選択される結果、「出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力)、出力用紙サイズ(=A4)、出力用紙の紙質(=普通紙)、出力比率〔=原寸出力(スケール=100パーセント)〕、印刷マージン(=3mm)」という各印刷設定属性項目の値で構成される最終的な印刷設定AAAが生成される。
同様に、配布先=試作部門、配布データ=文書BBB、配布部数=2部が指定された配布指示AABが受付けられ、かつ、該配布データ(=文書BBB)に対して出力文書の種類(=A3サイズの保管文書として出力)、出力用紙サイズ(=A3)、出力用紙の種類(=穴あき紙)の各印刷属性項目が指定された印刷設定(対データ印刷設定)が設定された場合には、「出力文書の種類(=A3サイズの保管文書として出力)、出力用紙サイズ(=A3)、出力用紙の紙質(=穴あき紙)、出力比率〔=原寸出力(スケール=100パーセント)〕、印刷マージン(=3mm)」という各印刷設定属性項目の値で構成される最終的な印刷設定AABが生成される。
また、配布先=試作部門、配布データ=図面CCC、配布部数=3部が指定された配布指示AACが受付けられ、かつ、該配布データ(=図面CCC)に対して出力文書の種類(=A0サイズの図面として出力)、出力用紙サイズ(=A0)、出力用紙の種類(=普通紙)の各印刷属性項目が指定された印刷設定(対データ印刷設定)が設定された場合には、「出力文書の種類(=A0サイズの図面として出力)、出力用紙サイズ(=A0)、出力用紙の紙質(=普通紙)、出力比率〔=原寸出力(スケール=100パーセント)〕、フィニッシャ種別(=紙折り:有り)」という各印刷設定属性項目の値で構成される最終的な印刷設定AACが生成される。
なお、配布管理サーバ30において、上述した各配布指示を受ける毎に印刷設定集合処理部322により当該各配布指示に対応する最終印刷設定を生成した後、配布管理処理部323では、これら各配布指示に含まれる配布先であるA社試作部門に対応する印刷サーバ40A(図1参照)に対して、文書管理サーバ20から取得した文書情報と、印刷設定融合処理部322により生成された最終的な印刷設定とを含む印刷指示を行う。
これにより、印刷サーバ40Aでは、配布管理サーバ30からの上記印刷指示に含まれる印刷設定を満たすプリンタA(図1で符号50A−1を付すプリンタ)若しくはプリンタB(図1で符号50A−2を付すプリンタ)を当該印刷指示に含まれる最終印刷設定に従って駆動することにより、印刷対象文書情報を当該最終印刷設定を満たす仕様で印刷する出力制御を実施する。
図12において、クライアントPC10から配布先としてA社管理部門が指定された配布指示を受ける前、配布管理サーバ30には、A社管理部門に対して、最大出力サイズ(=A3)、最大出力サイズに収まるように適応出力することを示す適応出力指示(=A3以上はA3にフィット)を属性項目として含む印刷設定(対配布先印刷設定)が設定されている。
また、A社管理部門に設置されるプリンタAに対しては、出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力/A3サイズの保管文書として出力/A0サイズの図面として出力)、印刷マージン(=3mm)を属性項目として含む印刷設定(対プリンタ印刷設定)が設定されている。
かかる設定環境下で、例えば、配布先=管理部門、配布データ=文書AAA、配布部数=1部が指定された配布指示BBAが受付けられ、かつ、該配布データ(=文書AAA)に対して出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力)、出力用紙サイズ(=A4)、出力用紙の種類(紙質)(=普通紙)の各印刷属性項目が指定された印刷設定(対データ印刷設定)が設定された場合には、当該対データ印刷設定と、既に設定済みの対配布先印刷設定及び対プリンタ印刷設定の3つの印刷設定に含まれる各印刷設定属性項目が、印刷設定項目別優先度情報311b(図9の内容で)に設定されている当該3つの印刷設定間の各印刷設定属性項目別の優先度に基づき優先度の高い順に選択される結果、「出力文書の種類(=A4サイズの普通文書として出力)、出力用紙サイズ(=A4)、出力用紙の紙質(=普通紙)、出力比率〔=原寸出力(スケール=100パーセント)〕、印刷マージン(=3mm)」という各印刷設定属性項目の値で構成される最終的な印刷設定BBAが生成される。
同様に、配布先=管理部門、配布データ=文書BBB、配布部数=2部が指定された配布指示BBBが受付けられ、かつ、該配布データ(=文書BBB)に対して出力文書の種類(=A3サイズの保管文書として出力)、出力用紙サイズ(=A3)、出力用紙の種類(=穴あき紙)の各印刷属性項目が指定された印刷設定(対データ印刷設定)が設定された場合には、「出力文書の種類(=A3サイズの保管文書として出力)、出力用紙サイズ(=A3)、出力用紙の紙質(=穴あき紙)、出力比率〔=原寸出力(スケール=100パーセント)〕、印刷マージン(=3mm)」という各印刷設定属性項目の値で構成される最終的な印刷設定BBBが生成される。
また、配布先=管理部門、配布データ=図面CCC、配布部数=3部が指定された配布指示BBCが受付けられ、かつ、該配布データ(=図面CCC)に対して出力文書の種類(=A0サイズの図面として出力)、出力用紙サイズ(=A0)、出力用紙の種類(=普通紙)の各印刷属性項目が指定された印刷設定(対データ印刷設定)が設定された場合には、「出力文書の種類(=A0サイズの図面として出力)、出力用紙サイズ(=A3)、出力用紙の紙質(=普通紙)、スケール(=フィット)、マージン(=3mm)」という各印刷設定属性項目の値で構成される最終的な印刷設定BBCが生成される。
なお、配布管理サーバ30において、上述した各配布指示を受ける毎に印刷設定集合処理部322により当該各配布指示に対応する最終印刷設定を生成した後、配布管理処理部323では、これら各配布指示に含まれる配布先であるA社管理部門に対応する印刷サーバ40B(図1参照)に対して、文書管理サーバ20から取得した文書情報と、印刷設定融合処理部322により生成された最終的な印刷設定とを含む印刷指示を行う。
これにより、印刷サーバ40Bでは、配布管理サーバ30からの上記印刷指示に含まれる印刷設定を満たすプリンタA(図1で符号50B−1を付すプリンタ)を当該印刷指示に含まれる最終印刷設定に従って駆動することにより、印刷対象文書情報を当該最終印刷設定を満たす仕様で印刷する出力制御を実施する。
このように、実施例2においても、対データ印刷設定、対配布先印刷設定、対プリンタ印刷設定の3つの印刷設定をバラバラに受付け、この3つの印刷設定を同一の印刷設定属性項目が重複することがないように1つに融合して最終的な印刷設定を生成して印刷指示するため、実施例1と同様、大規模集中出図・配布システム等に適用した場合においても、対文書情報印刷設定、対配布先印刷設定、対プリンタ印刷設定の3者をシステム要件に合致した形で簡単に設定できるという実施例1と同様の作用効果を奏する。
特に、実施例2においては、上記3つの印刷設定間の優先度を印刷設定属性項目別に設定した印刷設定項目別優先度情報331bを用い、上述した印刷設定融合処理に際して、3つの印刷設定中の各印刷設定属性項目の中から、各属性項目毎に、優先度が最も高い印刷設定に対応する印刷設定属性項目を選択し一まとめにして最終的な印刷設定を生成するため、例えば、試作部門では図面等を詳細に把握するために図面データを原寸サイズで出力する必要がある一方で、管理部門では管理上必要な情報を抑えるために雑な印刷で済むというような顧客毎に異なる運用形態が混在する場合においても、各印刷設定属性項目毎の各印刷設定間の優先度の対応付けによって、各顧客の運用形態に合わせた文書分散配布処理に柔軟に対応できる。
本発明は、大規模集中出図・配布システム等に適用でき、配布対象文書情報、配布先、配布先の出力装置の各々を対象とする各対象毎印刷設定を同一の印刷設定属性項目が重複することがないように1つに融合して印刷指示用の印刷設定を生成する機能を設けることで、各対象毎印刷設定をシステム要件に合致した形で柔軟に設定可能にする。
本発明に係る文書分散配布システムの全体構成を示すブロック図。
配布管理サーバの機能構成を示すブロック図。
対象毎印刷設定処理部における対象毎印刷設定処理を示すフローチャート。
設定対象選択画面の表示例を示す図。
対配布先印刷設定及び対プリンタ印刷設定の設定内容を示す図。
実施例1に係わる印刷設定優先度情報の設定内容を示す図。
実施例1に係わる配布管理サーバの文書配布処理を示すフローチャート。
実施例1に係わる印刷設定融合処理の流れを示す概念図。
実施例2に係わる印刷設定優先度情報の設定内容を示す図。
実施例2に係わる配布管理サーバの文書配布処理を示すフローチャート。
実施例2に係わるある配布先に対する各配布指示受付時の印刷設定融合処理の流れを示す概念図。
実施例2に係わる別配布先に対する各配布指示受付時の印刷設定融合処理の流れを示す概念図。
符号の説明
10…クライアント端末(PC)、150…設定対象選択画面、20…文書管理サーバ、30…配布管理サーバ、31…通信インタフェース(I/F)部、32…制御部、321…対象毎印刷設定処理部、322…印刷設定融合処理部、323…配布管理処理部、33…印刷設定優先度管理部、331…優先度情報管理テーブル、331a…印刷設定優先度情報、331b…印刷設定項目別優先度情報、34…記憶部、341…データ印刷設定記憶部、342…配布先印刷設定記憶部、342a…対配布先印刷設定情報、343…プリンタ印刷設定記憶部、343a…対プリンタ印刷設定情報、40,40A,40B…印刷サーバ、50,50A−1,50A−2,50A−3,50B−1,50B−2,50B−3…プリンタ、90…ネットワーク