JP4488884B2 - 給湯システム - Google Patents
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Description
コールドスタート時では、給湯栓を開いてから希望の湯温に調温された混合水が出湯し始めるまでに(立ち上がるまでに)時間が掛る。
加熱器で加熱して給湯する場合にも、給湯栓を開いてから希望の湯温に調温された温水が出湯し始めるまでには時間が掛る。しかしながら、加熱器から給湯栓までの配管容量が小さいことから、その時間は比較的短い。それに比して、ミキシングユニットから給湯栓までの配管容量は大きいことから、加熱器で加熱しないで給湯する場合の立ち上がり時間は長くなってしまう。特に、加熱器内部の配管容量による影響が大きく、内部に凝縮器を配置することによって熱効率の効率向上を図っている潜熱回収型給湯器では加熱器内部の配管容量が特に大きいことから、加熱器で加熱しないで給湯する場合の立ち上がり時間と加熱器で加熱して給湯する場合の立ち上がり時間の差が大きくなってしまう。
本発明では、加熱器で加熱しないで給湯する場合の立ち上がり時間と加熱器で加熱して給湯する場合の立ち上がり時間の差を小さくする技術を提供する。
貯湯槽からの温水を利用して給湯する場合の給湯経路は、貯湯槽から給湯栓までであり、加熱器を利用して給湯する場合の給湯経路と比べると、貯湯槽からの配管長さ分だけ長い。よって、その分コールドスタート時の放熱ロスは大きい。また、貯湯槽からの温水を加熱器で加熱することなく給湯する場合であっても、ミキシングユニットで調温された混合水が加熱器の熱交換器を通過する。加熱器の熱交換器での放熱量は大きい。また、コールドスタート時には、加熱器の熱交換器内に低温水が滞留しており、調温された混合水が熱交換器を通過するときに熱を多く奪われる。従って、貯湯槽内の温水を利用してコールドスタートする場合、加熱器を利用してコールドスタートする場合に比して、立ち上がり時間が長くなり、使用感が悪い。
本発明の混合水温度指示手段は、混合水温度検出手段によって検出される混合水温度が第1所定温度以下であり、温水温度検出手段によって検出される温水温度が第2所定温度以上であり、混合水流量積算手段によって積算された積算流量が所定積算流量以下であるときには、給湯設定温度より所定温度だけ高い混合水温度を指示し、積算流量が前記した所定積算流量以上であるときには、給湯設定温度を指示する。
混合水の積算流量が所定積算流量に達したら、ミキシングユニットに給湯設定温度を指示する。給湯設定温度より高温に調温された混合水が給湯箇所から給湯され始める前に、ミキシングユニットから送り出される混合水の温度が給湯設定温度に切換えられるため、給湯設定温度より高温の温水が給湯箇所から給湯されることを防止することができる。
本発明では、混合水温度検出手段によって検出される混合水温度が給湯設定温度より所定温度だけ高い温度となった時以降には、給湯設定温度に加える温度を徐々にゼロにまで縮小する。
ミキシングユニットで混合された混合水温度が給湯設定温度より所定温度だけ高い温度に達すれば、ミキシングユニットより下流の配管内温度も上昇している。従って、この時点以降にミキシングユニットから送り出される混合水温度を徐々に低下させていっても、給湯箇所で給湯される温水温度が給湯設定温度まで上昇する時間を長くしない。ミキシングユニットから送り出される混合水温度を徐々に低下させていくために、給湯栓から給湯される温水温度が急激に変動することを防止することができる。
ミキシングユニットの下流側温度がそれほど低くないときに、ミキシングユニットより下流の配管内温度の上昇速度が速すぎると、給湯設定温度より高温の温水が給湯されてしまうことがある。一方、下流側温度がかなり低いときに、ミキシングユニットより下流の配管内温度の上昇速度が遅すぎると、立ち上がり時間が長く掛かってしまうことがある。下流側温度が高いほど給湯設定温度に加える温度を小さくし、下流側温度が低いほど給湯設定温度に加える温度を大きくすることによって、ミキシングユニットより下流の配管内温度の上昇速度を適切に調整することができ、立ち上がりに要する時間を短縮しながら給湯温度の変化を抑制することができる。
(形態1) ミキシングユニットの下流に設置されているセンサが検出する温度と給湯器の下流に設置されているセンサが検出する温度の双方が第1所定温度以下であるときに、コールドスタートであると判定する。
(形態2) 第2所定温度は、給湯設定温度より所定温度だけ高い温度である。
(形態3) 混合水温度について多段階の温度領域が設定されており、それぞれの混合水温度の温度領域に対して給湯設定温度に加える温度が段階的に設定されている。
(形態4) 所定積算流量は、ミキシングユニットより下流の配管容量(切換準備流量)である。
(形態5) 積算流量が切換準備流量に達するときに給湯設定温度に加える温度がゼロとなるように、給湯設定温度に加える温度を段階的に減少させる。
本発明の給湯システムを具現化した第1実施例を図面を参照しながら説明する。本実施例は、本発明の給湯システムを組込んだコージェネレーションシステムである。
本実施例のコージェネレーションシステムは、図1に示すように、発電ユニット110と給湯システム10等を備えている。
発電ユニット110は、改質器112、燃料電池114、熱交換器116、118、熱媒放熱器120、熱媒三方弁122、それらを接続する経路等を備えている。
改質器112には、バーナ131が設けられている。バーナ131が作動して熱を発生すると、改質器112は炭化水素系のガスから水素ガスを生成する。バーナ131で燃焼した高温の燃焼ガスは燃焼ガス経路126に導かれる。燃焼ガス経路126は、改質器112から熱交換器116を通過して外部に開放されている。熱交換器116には、循環経路128も通過している。燃焼ガス経路126は、バーナ131で発生した高温の燃焼ガスを熱交換器116に導き、循環経路128を流れる水を加熱し、熱交換によって温度が低下した燃焼ガスを外部に排出する。
循環経路128は、循環復路128aと、循環往路128bから構成されており、給湯システム10と接続されている。循環経路128が給湯システム10にどのように接続されているのかについては、後で詳細に説明する。循環経路128は温水を流通させる。循環経路128を流れる温水は、熱交換器116を通過することによって燃焼ガス経路126を流れる燃焼ガスによって加熱され、温度が上昇する。
熱媒循環経路124は、燃料電池114、熱交換器118、リザーブタンク125、熱媒ポンプ127、熱媒三方弁122を通って燃料電池114に戻る循環経路を形成している。熱媒循環経路124の燃料電池114の下流側には、熱媒温度センサ117が装着されている。熱媒温度センサ117は、熱媒循環経路124を流れる熱媒の温度を検出する。熱媒温度センサ117の検出信号は、給湯システム10に装着されているコントローラ21に出力される。
熱媒三方弁122は、1つの入口122aと、2つの出口122b,122cを備えている。熱媒三方弁122は、入口122aと出口122bを連通させるか、入口122aと出口122cを連通させるかを切換える。
熱媒三方弁122の出口122bと、熱媒循環経路124の熱媒三方弁122の出口122cの下流側とを接続する冷却経路129が設けられている。熱媒循環経路124と冷却経路129は熱媒としての純水を流通させる。冷却経路129の途中には熱媒放熱器120が装着されている。熱媒放熱器120に隣接して熱媒冷却ファン119が設けられている。熱媒冷却ファン119を運転すると、空気が熱媒放熱器120に吹付けられ、冷却経路129を流れる熱媒が冷却される。
改質器112、燃料電池114、バーナ131、熱媒三方弁122、熱媒ポンプ127、熱媒冷却ファン119は、コントローラ21によって制御される。
熱媒温度センサ117が検出した熱媒温度が高くなりすぎると、発電熱の回収が不十分となってしまうため、発電熱の放熱を行なう。熱媒三方弁122の入口122aと出口122bが連通され、同時に熱媒冷却ファン119が運転される。熱媒三方弁122の入口122aと出口122bが連通されると、熱媒は冷却経路129に流入し、熱媒放熱器120を通過する。熱媒は、熱媒放熱器120を通過することによって冷却される。熱媒放熱器120は、熱媒冷却ファン119から空気が吹付けられることにより、高い効率で熱を放熱する。熱媒の温度が低下すると、熱媒三方弁122の入口122aと出口122cが再び連通される。このような熱媒三方弁122の切換えが繰返されることにより、熱媒の温度は、所定範囲内に維持される。
貯湯槽20の底部には、貯湯槽20に水道水を給水する給水経路26が接続されている。給水経路26の入口26aの近傍には、減圧弁28が装着されている。給水経路26の減圧弁28の下流側とミキシングユニット24の給水入口24aは、ミキシングユニット給水経路30によって接続されている。減圧弁28は、貯湯槽20とミキシングユニット24への給水圧力を調整する。貯湯槽20内の温水が減少したり、ミキシングユニット24の給水入口24aが開いたりすると、減圧弁28の下流側圧力が低下する。減圧弁28は、下流側圧力が低下すると開き、その圧力を所定の調圧値に維持しようとする。このため、貯湯槽20内の温水が減少したり、ミキシングユニット24の給水入口24aが開いたりすると、それらに水道水が給水される。
貯湯槽20には、調圧値に調圧された水が貯められる。貯湯槽20は、調圧値に耐えられる耐圧容器で形成されている。貯湯槽20の上部には出口部20aが設けられており、さらにその上にリリーフ弁31が装着されている。リリーフ弁31の開弁圧力は、減圧弁28の調圧値よりも僅かに大きく設定されている。減圧弁28の調圧が不能になった場合には、リリーフ弁31が開き、貯湯槽20内の圧力が耐圧圧力を超えるのを防止する。リリーフ弁31には、圧力開放経路32の一端32aが接続されている。圧力開放経路32の他端32bは貯湯槽20の外部に開放されている。
貯湯槽20の底部と、圧力開放経路32の他端32b近傍を接続する排水経路33が設けられている。排水経路33の途中には排水弁34が装着されている。排水弁34は手動で開閉することができる。排水弁34を開くと、貯湯槽20内の水が排水経路33と開放経路32を通って外部に排水される。
循環ポンプ40が作動すると、貯湯槽20の底部から温水が吸出される。貯湯槽20から吸出された温水は、循環往路128bを流れてから発電ユニット110の熱交換器118、116を通過することによって加熱されて温度が上昇する。温度が上昇した温水は、循環復路128aを流れて貯湯槽20の上部に戻される。このように、貯湯槽20の底部から吸出された温水が、発電ユニット110の熱交換器118、116によって加熱されてさらに高温になり、貯湯槽20の上部に戻される循環が行われることにより、貯湯槽20に高温の温水が貯えられる。貯湯槽20内の温度が低い状態から、貯湯槽20に発電ユニット110からの高温の温水が戻されると、貯湯槽20の上部に高温の温水が戻されることから、冷水層の上部に高温層が積層した状態(以下、「温度成層」と言う)が形成される。高温層よりも深い部分の水の温度は急激に低下する。発電中に、貯湯槽20の底部から低温の温水が吸出され、上部に高温の温水が戻され続けると、高温層は低温層と交じり合うことなく、低温層の厚さ(深さ)は次第に小さくなり、高温層の厚さ(深さ)は次第に大きくなる。貯湯槽20にフルに蓄熱された状態では、貯湯槽20の全体に高温の温水が貯まった状態になる。温度成層が形成されることにより、貯湯槽20にフルに蓄熱が行われていなくても、貯湯槽20の最上部に設けられている出口部20aからは、高温の温水が送り出される。一方、貯湯槽20の温水が利用されると、貯湯槽20の上部の高温の温水が吸出され、底部から水道水が入水すると、高温層の厚さ(深さ)は次第に小さくなり、低温層の厚さ(深さ)は次第に大きくなる。貯湯槽20内の温水を使い切ると、貯湯槽20内は水道水で満たされた状態となる。
コントローラ21とミキシングユニット24を組合せて用いることによって、混合水サーミスタ54で計測される混合水の温度は、コントローラ21が指令する温度に調整される。
コントローラ21は、ハイカットサーミスタ55によって温水が前記所定値を大きくオーバーしたことが検出された場合(すなわち、混合水サーミスタ54、あるいはミキシングユニット24が故障した可能性が高い場合)に、温水入口24cを閉じる。温水入口24cが閉じると、前記所定値を大きくオーバーした温度の温水が、給湯器22に供給されてしまうのが防止される。
ミキシングユニット24の混合水出口24bと給湯器22のバーナ熱交換器52(後述する)は、温水経路51によって接続されている。温水経路51には、第2流量センサ47が装着されている。第2流量センサ47の検出信号は、コントローラ21に出力される。
バーナ熱交換器52の下流側と給湯栓64は給湯栓経路63によって接続されている。給湯栓64は、浴室、洗面所、台所等に配置されている(図1では、これら複数の給湯栓64を1つで代表している)。給湯栓経路63には給湯サーミスタ65が装着されている。給湯サーミスタ65はバーナ熱交換器52から流出する温水の温度を検出する。給湯サーミスタ65の検出信号はコントローラ21に出力される。
シスターン61内には水位電極66が装着されている。水位電極66は、棒状のハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bを有している。ハイレベルスイッチ66aの下端はシスターン61のハイレベル水位に位置している。ローレベルスイッチ66bの下端はシスターン61のローレベル水位に位置している。ハイレベルスイッチ66aとローレベルスイッチ66bは、水に触れていると検出信号をコントローラ21に出力する。コントローラ21は、水位電極66からの検出信号によって、シスターン61の水位がハイレベル水位を超えているか、ハイレベル水位とローレベル水位の間にあるか、ローレベル水位よりも低いかを判別する。シスターン61として適正なのは、水位がハイレベルとローレベルの間に位置している状態である。コントローラ21は、水位電極66からの水位検出信号に基づいて補給水弁59を開閉制御し、シスターン61の水位を適正範囲に維持する。
ガス燃焼式のバーナ57はバーナ熱交換器60を加熱する。バーナ熱交換器60の下流とシスターン61は高温水経路73によって接続されている。高温水経路73には、上流側から順に、暖房高温サーミスタ74、暖房端末熱動弁75、暖房端末機76が装着されている。
暖房高温サーミスタ74は、高温水経路73を流れる温水の温度を検出する。暖房高温サーミスタ74の検出信号はコントローラ21に出力される。
暖房端末熱動弁75は、膨張エレメントと、膨張エレメントと機械的に連結された開閉弁を内蔵している。暖房端末機76の操作スイッチ76aがオンにされると、暖房端末熱動弁75の膨張エレメントに通電が行われる。通電された膨張エレメントは高温になって膨張する。膨張した膨張エレメントは開閉弁を駆動し、これによって暖房端末熱動弁75が開かれる。また、操作スイッチ76aがオンにされると、コントローラ21は、暖房ポンプ69を作動させる。このように、操作スイッチ76aがオンにされたことによって、暖房端末熱動弁75が開かれるとともに、暖房ポンプ69が作動すると、シスターン61から温水が吸出される。コントローラ21は、暖房低温サーミスタ72と暖房高温サーミスタ74が検出した温水温度に基づいて、バーナ57を制御し、バーナ熱交換器60から流出する温水の温度を所定範囲に維持する。暖房端末機76の電動ファンは、操作スイッチ76aがオンにされると回転し、熱交換器76bに空気を吹付ける。熱交換器76bに吹付けられた空気は、熱交換器76bを介して温水と熱交換を行って暖められる。暖められた空気は暖房端末機76から吹出し、部屋を暖房する。熱交換器76bで空気と熱交換を行なうことによって、温水の温度は低下する。温度が低下した温水は高温水経路73を流れてシスターン61に戻る。
浴槽79には吸出口79aと供給口79bが設けられている。吸出口79aと供給口79bは風呂循環経路80によって接続されている。風呂循環経路80は追焚き熱交換器58を通過している。上述したように、追焚き経路77も追焚き熱交換器58を通過している。このため、追焚き熱交換器58では、風呂循環経路80と追焚き経路77との間で熱交換が行われる。風呂循環経路80の追焚き熱交換器58の上流側には、風呂水位センサ81、風呂循環ポンプ82、風呂水流スイッチ84が装着されている。風呂循環ポンプ82はコントローラ21によって制御される。風呂水位センサ81、風呂水流スイッチ84は、コントローラ21に検出信号を出力する。風呂水位センサ81は水圧を検出する。コントローラ21は、風呂水位センサ81が検出した水圧から、浴槽79に張られている湯の水位を推定する。風呂水流スイッチ84は風呂循環経路80を水が流れるとオンになる。
風呂循環経路80の風呂水位センサ81の上流側には、浴槽79から吸出された温水の温度を検出する風呂サーミスタ85が装着されている。風呂サーミスタ85の検出信号はコントローラ21に出力される。
浴槽79に湯を張るときには、注湯弁27が開かれる。注湯弁27が開かれると、温水が給湯栓経路63から湯張り経路25を経て風呂循環経路80に流入する。風呂循環経路80に流入した温水は、吸出口79aと供給口79bから浴槽79に供給され、浴槽79に湯張りされる。このときには、風呂循環ポンプ82は駆動されず、湯張り経路25に加わっている水圧によって浴槽79への湯張り運転が行われる。
高温水経路73の暖房端末熱動弁75の上流側と、低温水経路70の床暖房機91の下流側とは、バイパス経路92によって接続されている。暖房端末熱動弁75と床暖房熱動弁90が閉じた状態で、暖房ポンプ69が作動すると、シスターン61内の温水が順に、バーナ上流経路71、バーナ熱交換器60、高温水経路73、バイパス経路92、低温水経路70、高温水経路73と流れ、シスターン61へ戻る経路が形成される。
給湯停止後の給湯経路の配管および配管内の温水は、時間の経過とともに温度低下する。次の給湯までにある程度以上の時間が経過すれば温度低下し、給湯を再開してもすぐには給湯設定温度に調温された温水が出湯せず、低温水が出水する(コールドスタートという)。
本明細書では、給湯を開始してから給湯設定温度に調温された温水が給湯されるまでの状態を「立ち上がり」といい、給湯設定温度に調温された温水が給湯される状態になることを「立ち上がる」ということがある。
図2に示すように、ステップS10で第2流量センサ47が検出する流量が2.7リットル/min以上であるか否かが判別される。第2流量センサ47が検出する流量が2.7リットル/min以上となると(ステップS10でYESとなると)、給湯要求があったものとみなし、ステップS12に進む。ステップS12では、第2流量センサ47が検出する流量の積算を開始する。
ステップS14に進み、ミキシングユニット24の下流側の混合水サーミスタ54が検出する温度が25℃以下か否かが判別される。混合水サーミスタの検出温度が25℃以下であれば(ステップS14でYESであれば)、さらにステップS16に進み、バーナ熱交換器52の下流側の給湯サーミスタ65が検出する温度が25℃以下か否かが判別される。給湯サーミスタの検出温度が25℃以下であれば(ステップS16でYESであれば)、ステップS18に進む。混合水サーミスタの検出温度と給湯サーミスタの検出温度がいずれも25℃以下であるとき、コールドスタートであるとみなし、ステップS18に進む。
本実施例では、蓄熱を利用して給湯する場合、ミキシングユニット24で調温する混合水温度を温度αだけ高めに行なうことによって、給湯経路の配管の温度を速やかに上昇させ、立ち上がり時間を短縮する。ステップS18では温度αを決定する。温度αは混合水サーミスタ54の検出温度によって決定される。ミキシングユニット24より下流側の給湯配管内の温水温度によって3段階の温度領域に分け、低い温度領域ほど温度αが高く設定されている。混合水サーミスタ54の検出温度が5℃以下であれば、αは15℃に設定されている。混合水サーミスタ54の検出温度が5℃を超えて15℃以下であれば、αは10℃に設定されている。混合水サーミスタ54の検出温度が15℃を超えて25℃以下であれば、αは5℃に設定されている。給湯配管内の温水温度が低いときの温度αを大きくすることによって、冷えた給湯配管の温度をより早く上昇させることができる。給湯配管内の温水温度があまり低くないときの温度αを小さくすることによって、給湯配管内温度の上昇速度が速すぎて、ミキシングユニット24での温度制御に遅れが生じてしまい、給湯温度より高温の混合水が給湯されてしまうことを防止することができる。
ステップS24に進み、第2流量センサ47の検出流量の積算流量が切替準備流量に達したか否かが判別される。切替準備流量とは、ミキシングユニット24の下流側の混合水サーミスタ54からバーナ熱交換器52の下流側の給湯サーミスタ65までの間の配管容量である。第2流量センサ47の検出流量の積算流量が切替準備流量に達すれば(ステップS24でYESとなれば)、ミキシングユニット24で〔給湯設定温度+α〕に調温した混合水が、給湯サーミスタ65に到達したとみなされ、ステップS28に進む。ステップS24で、第2流量センサ47の検出流量の積算流量が切替準備流量に達する前であっても(NOであっても)、ステップS26において、給湯サーミスタ65の検出温度が給湯設定温度に達していれば(YESとなれば)、ステップS28に進む。ステップS28では、ミキシングユニット24において、混合水サーミスタ54の検出温度が給湯設定温度となるように、温水入口24cの開度と給水入口24aの開度が制御されて給湯される。以降、ステップS30で、第2流量センサ47が検出する流量が2.0リットル/min以下となって(YESとなって)給湯が停止されたとみなされるまで、混合水サーミスタ54の検出温度が給湯設定温度となるように調温された混合水が給湯される。
図6に示すように、ミキシングユニット24において給湯設定温度で調温したとき、給湯開始時の混合水温度は迅速に上昇するが、給湯栓64から給湯される給湯温度は、ミキシングユニット24と給湯栓64との間の給湯配管やバーナ熱交換器52内に滞留している低温水等に熱を奪われ、図示Aのように温度上昇が停滞する。混合水温度が給湯設定温度となっていても、給湯温度は給湯設定温度にまでなかなか上昇せず、立ち上がり時間が長くなって使用感が悪い。
本発明を具現化した第2実施例を図面を参照しながら説明する。本実施例のコージェネレーションシステムの構成は第1実施例のコージェネレーションシステムの構成と同様である。本実施例でも第1実施例と同様に、ミキシングユニット24で調温する混合水温度を、給湯設定温度よりも高めで行なうことで、コールドスタート時の立ち上がり時間の短縮を図っている。しかし、本実施例では、給湯温度制御の一部の処理について第1実施例とは異なっている。ここでは、第1実施例と同様の部分についての説明を省略し、異なっている部分についてのみ説明する。
ステップS122で混合水サーミスタ54の検出温度は徐々に上昇するように調温され、ステップS123で、混合水サーミスタ54の検出温度が〔給湯設定温度+α℃〕に達すれば(YESとなれば)、ステップS124に進む。
ステップS125で、第2流量センサ47の検出流量の積算流量が切替準備流量に達したか否かが判別される。第2流量センサ47の検出流量の積算流量が切替準備流量に達したとき(ステップS125でYESとなったとき)、ミキシングユニット24で〔給湯設定温度+α〕に調温した混合水が、給湯サーミスタ65に到達したとみなされ、ステップS128に進む。ステップS125で、第2流量センサ47の検出流量の積算流量が切替準備流量に達する前であっても(NOであっても)、ステップS126において、給湯サーミスタ65の検出温度が給湯設定温度に達していれば(YESとなれば)、ステップS128に進む。ステップS128では、ミキシングユニット24において、混合水サーミスタ54の検出温度が給湯設定温度となるように、温水入口24cの開度と給水入口24aの開度が制御されて給湯される。以降、ステップS130で、第2流量センサ47が検出する流量が2.0リットル/min以下となって(YESとなって)給湯が停止されたとみなされるまで、混合水サーミスタ54の検出温度が給湯設定温度となるように調温された混合水が給湯される。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
20:貯湯槽
22:給湯器
24:ミキシングユニット
35:上部サーミスタ
47:第2流量センサ
54:混合水サーミスタ
65:給湯サーミスタ
110:発電ユニット
Claims (3)
- 温水を貯える貯湯槽と、
貯湯槽からの温水と水道水を混合するとともにその混合比が調整可能なミキシングユニットと、
ミキシングユニットより上流の温水温度を検出する温水温度検出手段と、
ミキシングユニットより下流の混合水温度を検出する混合水温度検出手段と、
給湯設定温度を記憶している給湯設定温度記憶手段と、
ミキシングユニットに混合水温度を指示する混合水温度指示手段と、
混合水の流動開始後の混合水流量を積算する混合水流量積算手段を備え、
混合水温度指示手段は、前記混合水温度検出手段によって検出される混合水温度が第1所定温度以下であり、前記温水温度検出手段によって検出される温水温度が第2所定温度以上であり、前記混合水流量積算手段によって積算された積算流量が所定積算流量以下であるときには、給湯設定温度より所定温度だけ高い混合水温度を指示し、前記積算流量が前記所定積算流量以上であるときには、給湯設定温度を指示することを特徴とする給湯システム。 - 温水を貯える貯湯槽と、
貯湯槽からの温水と水道水を混合するとともにその混合比が調整可能なミキシングユニットと、
ミキシングユニットより上流の温水温度を検出する温水温度検出手段と、
ミキシングユニットより下流の混合水温度を検出する混合水温度検出手段と、
給湯設定温度を記憶している給湯設定温度記憶手段と、
ミキシングユニットに混合水温度を指示する混合水温度指示手段を備え、
混合水温度指示手段は、前記混合水温度検出手段によって検出される混合水温度が第1所定温度以下であり、前記温水温度検出手段によって検出される温水温度が第2所定温度以上であるときには、給湯設定温度より所定温度だけ高い混合水温度を指示し、前記混合水温度検出手段によって検出される混合水温度が給湯設定温度より所定温度だけ高い温度となった時以降には、給湯設定温度に加える前記所定温度を徐々にゼロにまで縮小することを特徴とする給湯システム。 - 給湯設定温度に加える前記所定温度が、給湯設定温度と前記混合水温度検出手段が検出する混合水温度との温度差によって決定されることを特徴とする請求項1又は2の給湯システム。
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