JP4488455B2 - サーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法、その組成物およびその成形体 - Google Patents

サーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法、その組成物およびその成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法、その組成物およびその成形体に関し、特に高温環境下で発生する腐食性アウトガスの量が少ないサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法、サーモトロピック液晶コポリエステル樹脂組成物および該樹脂組成物からなる電気・電子用の樹脂成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来公知の方法で製造されたサーモトロピック液晶コポリエステルは、高温環境下(例えばハンダつけ工程、表面実装)で電気・電子部品の金属製導電部(例えば、電子回路)に対する腐食性アウトガスを発生することが見出され、その腐蝕性が問題として認識されている。また、この腐食性アウトガスは一般に酢酸が主成分であるとして認識されてきている(例えば、特開平8−53543号公報を参照)。
【0003】
特に、サーモトロピック液晶コポリエステル樹脂から発生するガスに曝される金属導電部を含む電気・電子部品、例えば、リレー、スイッチ、コネクター、ソケット、抵抗器、コンデンサー、モーター、発振器、プリント配線板、パワーモジュールでは、表面実装時の熱履歴のため腐食性を有するアウトガス等により金属導電部が酸化されて腐食皮膜が形成しその結果導通不良を起こしたり、また、上記部品が機械的な電気接点を有しているような場合には接点作動時の放電により主として接点部分に炭化物層が生成されることにより接点不良が生じるなどの問題点が指摘されている。
【0004】
特に、リレー、スイッチのように良好な接点特性を、長期にわたり維持することが必要とされる部品では、この腐食は大きな問題となっている。
そのほか、近年ではHDD内で使用される各種部品(キャリッジ、シャーシ、アクチュエータのVCMコイル保持部品、停止時のヘッド収納部材等)およびFDD、光ディスクドライブ等における同様の構成部材においてもサーモトロピック液晶コポリエステルが用いられており、これら機器に必須の磁気または光学的データ読み取り部位についても上記と同様該樹脂から発生する腐食性アウトガスによる当該機能の低下も懸念されはじめている。
【0005】
サーモトロピック液晶コポリエステルは、その肉薄成形性(優れた成形性・流動性)、耐ハンダ特性(優れた耐熱性)、高い寸法精度を生かして、さまざまな電気・電子部品分野の構成材料として採用されてきた。現在これら電子部品は、ますます小型化および低電圧化の方向に進んでおり、前記した腐食皮膜の形成や炭化物層の生成は、従来以上に初期不良や作動不良を起こす原因となるためサーモトロピック液晶コポリエステルについて腐食性アウトガスの発生が少ないことが求められている。この要求は、リレー、スイッチ部品に関して特に強い。なお、これらの部品での炭化物層の生成は、腐食性アウトガスがアーク放電によって炭化、付着して導電異常を引き起こすためと推定される。
【0006】
サーモトロピック液晶コポリエステルの腐食性アウトガスを低減する方法としては、ガス吸収材を配合する方法(特開平8−333505号公報)、分子鎖末端を1官能性モノマーで封止する方法(特開平3−203925号公報、特開平4−249528号公報および特開平8−53543号公報)等がすでに提案されているが、これらは必ずしも満足すべき方法ではない。
これらの従来例では、腐食性アウトガスの主成分はサーモトロピック液晶コポリエステルから発生する酢酸であるとの前提で、酢酸発生の抑制と捕獲の技術を提案している。しかし、近年、電気・電子機器部品中の金属導電部に腐食障害を与えている腐食性アウトガスが何であるかは未だ解明されておらず、酢酸発生の防止対策のみで電子部品が要求する腐食性アウトガスサーモトロピック液晶コポリエステルが得られるとは限らない。特に、酢酸の発生抑制にのみ注力するあまり、その技術が他の腐食性アウトガス発生を増加させているような場合は、上記手法は本質的な限界を有している可能性が高い。
【0007】
また、サーモトロピック液晶コポリエステルはこれら電気・電子部品の構造部材等に使用されるときは、無機充填剤または有機充填剤、特に、これらの中でも、ガラス系充填剤、すなわち、ガラス繊維、ミルドグラスファイバー、ガラスバルーン等を配合して使用されることが多いが、これらの充填剤を含むサーモトロピック液晶コポリエステル材料は無充填のものと比較して経験的にアウトガスを発生させる傾向が大きいことが認められている。特に、この傾向は、ガラス系充填剤を含むサーモトロピック液晶コポリエステル材料において認められている。したがって、単に、サーモトロピック液晶コポリエステル自体が腐食性アウトガスの発生が少ないのではなく、このような、充填剤を含んだ材料としても、腐食性アウトガスの発生が少ないことが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高温環境下で発生する腐食性アウトガスの量が顕著に少なく、ガラス系充填剤等の充填剤を含む場合においても、電気・電子部品の構造部材としての要求特性を高度に満足するサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法、該方法により得られたサーモトロピック液晶コポリエステルからなる樹脂組成物およびその樹脂組成物を用いて成形してなる電気・電子部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は第1に、次の工程(1)〜工程(4)と必要に応じて行われる工程(5)からなることを特徴とするアウトガス発生の少ないサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法である:
工程(1)反応器に、芳香族ヒドロキシカルボン酸5〜100モル%、芳香族ジカルボン酸0〜47.5モル%および芳香族ジオール0〜47.5モル%(合計のモル%は100モル%であり、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールのモル%は実質的に等しい。)を仕込む工程、
工程(2)次の式を満足する量の無水酢酸を添加する工程、
(B−C)/A≧1.04
ただし、Aは反応系内の水酸基の合計モル数、Bは添加する無水酢酸のモル数、Cは無水酢酸を添加する前の反応系に存在する水のモル数をそれぞれ表す。
工程(3)アセチル化工程、
工程(4)溶融重合工程、
工程(5)固相重合工程。
【0010】
本発明は第2に、工程(1)の後であって工程(2)の前に反応系内の水分測定を実施することによりCの値をもとめることを特徴とする上記のサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法である。
本発明は第3に、(B−C)/Aの値が、1.04以上で1.08以下の範囲にあることを特徴とする上記のサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法である。
本発明は第4に、芳香族ヒドロキシカルボン酸がp−ヒドロキシ安息香酸90〜100モル%およびその他の芳香族ヒドロキシ酸0〜10モル%(芳香族ヒドロキシカルボン酸の合計を100モル%とする。)からなり、芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸45〜100モル%およびその他の芳香族ジカルボン酸0〜55モル%(芳香族ジカルボン酸の合計を100モル%とする。)からなり、芳香族ジオールがp,p’−ビフェノール60〜100モル%およびその他の芳香族ジオール0〜40モル%(芳香族ジオールの合計を100モル%とする。)からなることを特徴とする上記のサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法である。
【0011】
本発明は第5に、芳香族ヒドロキシカルボン酸がp−ヒドロキシ安息香酸90〜100モル%および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸0〜10モル%(芳香族ヒドロキシカルボン酸の合計を100モル%とする。)からなり、芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸45〜100モル%およびイソフタル酸0〜55モル%(芳香族ジカルボン酸の合計を100モル%とする。)からなり、かつ芳香族ジオールがp,p’−ビフェノール60〜100モル%およびヒドロキノンが0〜40モル%(芳香族ジオールの合計を100モル%とする。)からなることを特徴とする上記のサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法である。
本発明は第6に、無機または有機充填剤と上記のサーモトロピック液晶コポリエステル樹脂からなるサーモトロピック液晶コポリエステル樹脂組成物である。
本発明は第7に、金属製導電部と上記のサーモトロピック液晶コポリエステル樹脂組成物からなる電気・電子部品である。
【0012】
本発明は、高温環境下ではサーモトロピック液晶コポリエステルからは、従来知られていた酢酸と同時に、腐食性、炭化性を有するフェノールが発生することがあることを見いだし、この知見に基づいて、電気・電子部品分野の要求する、腐食性アウトガスの発生が少ない信頼性の高い構成材料となるサーモトロピック液晶コポリエステルをもたらす重要な因子が重合前アセチル化が行われる反応系内の無水酢酸の量の制御にあることをつきとめて完成したものであり、本発明によってはじめて酢酸とフェノールの両腐食性アウトガスの発生量を抑制するという顕著な効果を得ることができるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の製造方法においては、初めの工程(1)として、反応器に芳香族ヒドロキシ酸を5〜100モル%、芳香族ジカルボン酸を0〜47.5モル%および芳香族ジオールを0〜47.5モル%(モル%の合計は100モル%であり、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールのモル%は等しい。)を仕込むものである。反応器の種類、反応原料の仕込みの方法は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
仕込み原料としてのモノマーはより具体的には、サーモトロピック液晶コポリエステルを構成したときにそれぞれ下記式(2)から(4)に示す繰返し構成単位を構成することができるモノマーである。
−O−(X)−CO− ………式(2)
−CO−(Y)−CO− ………式(3)
−O−(Z)−O− ………式(4)
(2)の繰返し単位を構成することができるモノマーは芳香族ヒドロキシカルボン酸であり、具体的にはp−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、m−ヒドロキシ安息香酸などが挙げられる。これらのモノマーは単独でもまた混合物としても使用することができる。好ましくは、p−ヒドロキシ安息香酸またはp−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸である。
【0014】
(3)の繰返し単位を構成することができるモノマーは、芳香族ジカルボン酸であり、具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ジカルボキシナフタレン、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。これらのモノマーは単独でもまた混合物としても使用することができる。好ましくはテレフタル酸またはテレフタル酸およびイソフタル酸の混合物である。
【0015】
(4)の繰返し単位を構成することができるモノマーは芳香族ジオールであり、具体的には、4,4’−ビフェノール、ヒドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。これらのモノマーは単独でもまた混合物としても使用することができる。好ましくは、4,4’−ビフェノールまたは4,4’−ビフェノールおよびヒドロキノンの混合物である。
【0016】
本発明により製造されるサーモトロピック液晶コポリエステルとして、好ましいモノマー構成の具体例として以下のものが例示される。
▲1▼p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、p,p’−ビフェノール
▲2▼p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸およびイソフタル酸、p,p’−ビフェノール
▲3▼p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸およびイソフタル酸、p,p’−ビフェノールおよびヒドロキノン
▲4▼p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸
▲5▼p−ヒドロキシ安息香酸および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、テレフタル酸およびイソフタル酸、p,p’−ビフェノール
▲6▼p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸およびイソフタル酸および2,6−ジカルボキシナフタレン、p,p’−ビフェノール
【0017】
さらに好ましいモノマー類の構成としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸としてp−ヒドロキシ安息香酸が90〜100モル%およびその他の芳香族ヒドロキシカルボン酸が0〜10モル%(両者の合計を100モル%とする。)であり、芳香族ジカルボン酸としてのテレフタル酸が45〜100モル%およびその他の芳香族ジカルボン酸が0〜55モル%(両者の合計を100モル%とする。)であり、かつ、芳香族ジオールとしてのp,p’−ビフェノール60〜100モル%およびその他の芳香族ジオール0〜40モル%(両者の合計を100モル%とする。)が例示される。
【0018】
最も好ましいモノマー類の構成としては、芳香族ヒドロキシカルボン酸としてのp−ヒドロキシ安息香酸が90〜100モル%および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸が0〜10モル%(両者の合計を100モル%とする。)であり、芳香族ジカルボン酸としてのテレフタル酸が45〜100モル%およびイソフタル酸が0〜55モル%(両者の合計を100モル%とする。)であり、かつ、芳香族ジオールとしてのp,p’−ビフェノールが60〜100モル%およびヒドロキノンが0〜40モル%(両者の合計を100モル%とする。)が例示される。
【0019】
これらの好ましいモノマー構成を採用することにより、サーモトロピック液晶コポリエステルが有する成形性・流動性、耐熱性、成形加工温度のバランスがさらに向上し、肉薄の電気・電子部品の成形に対する適応性と機能性が高まる。また、同時に、成形加工過程で受ける剪断応力履歴の低下、高温環境下および成形加工温度下での安定性が高まり腐食性アウトガスの発生を抑制する基礎特性が向上し、本発明の効果が高まる。
【0020】
モノマー類および後記する無水酢酸は、工業的に入手できるものをそのまま使用することができる。なおモノマー類は乾燥してから投入することもでき、また反応器へ投入後に乾燥することもできる。仕込み後の乾燥方法を例示すれば、70℃程度に適宜に昇温した後、攪拌しながら減圧−窒素注入を数回繰り返し、数時間をかけて窒素置換とモノマーの乾燥を行う方法があげられる。通常はこのような乾燥で十分である。バッチ式で行う場合、必要に応じて触媒、安定剤等を反応槽に仕込むことができる。触媒としては、特に限定なく後記するような公知の触媒を用いることができる。
なお後記するアセチル化工程、溶融重合工程も含めバッチ式または連続式で反応させることができる。
【0021】
工程(1)において所定のモノマー類を反応器に仕込み、工程(2)により工程(3)のアセチル化工程に必要な無水酢酸を添加する。そして、本発明では、この工程(2)から工程(3)に係わる変動可能な因子を制御する。
【0022】
すなわち、アセチル化が行われる反応系に係わる変動可能な因子から第一に選定・制御するものは、工程(2)に係る仕込む無水酢酸の量である。無水酢酸の量は、アセチル化反応開始時における反応系内に存在するモノマー類の水酸基の合計モル数をA、無水酢酸のモル数をB、無水酢酸添加前の反応系内に存在する水のモル数をCとしたとき次の関係で表される。
本発明では(B−C)/Aの値を1.04以上とする。さらに好ましくは、(B−C)/Aの値を1.04以上で1.08以下とする。この値は無水酢酸の添加量を決定するためのパラメータであり、1.04よりも小さいと、フェノールガスの発生量が著しく増加するため好ましくない。また、1.08より大きいと、酢酸ガスの発生量が著しく増加するので好ましくない。すなわち、この値が1.04以上であれば、フェノールガスの発生は実用的なレベルに抑制することが可能である。
【0023】
そのために、工程(1)において所定のモノマー類を反応器に仕込み、必要に応じて、反応系内の水分測定を実施することによりCの値をもとめる。例えば、上記の加熱乾燥工程後、無水酢酸を投入する前に、反応系内の水分を測定する。水分測定方法は、ppm程度の微量の水分の測定が可能ならばいずれの公知の方法も採用することができる。水分測定法自体としては、例えばカールフィッシャー法を採用することができる。
具体例を例示すれば、無水酢酸を投入する前に、反応系に含まれる水分を測定する。前記したようにモノマー類を乾燥させても反応系からは通常一定量の水分が検出される。この量は、通常最大0.2重量%程度の値である。
【0024】
本発明において重要な点は、無水酢酸が反応系内のH2 Oとの反応により消費される量を考慮して、無水酢酸量を添加することである。
工程(2)で添加する無水酢酸は、モノマーの水酸基をアセチル化するために添加するものである。そしてこの無水酢酸は、H2 Oと容易に反応して酢酸に分解する。従って、反応系中に水分が存在すると、無水酢酸は直ちにこれと反応して酢酸に分解し、その結果アセチル化工程において実質的に反応に関与する無水酢酸の量は減少する。すなわち、添加する無水酢酸量と実際にアセチル化工程に関与する無水酢酸量は、反応系中に存在するH2 Oの量によって変化し、さらに、そのH2 Oの量は、モノマーの製造方法や保存状態の相違、大気の湿度、あるいはコポリエステル製造におけるモノマー乾燥の有無および乾燥の程度などにより著しく異なる。従って、サーモトロピック液晶コポリエステルの製造において添加する無水酢酸の量は、モノマー中に含まれるH2 Oの量を考慮して決定する。
【0025】
なお、無水酢酸と水の反応によって酢酸が生成すると、この酢酸によってもアセチル化は理論上進行する。しかしながら、モノマー水酸基のアセチル化反応は、無水酢酸による場合には容易に進行するが、酢酸の場合には実際上その反応速度が極めて遅い。従って、無水酢酸の量が少なくなるとアセチル化工程におけるモノマー水酸基のアセチル化率が低下し、重合速度が遅くなる。しかしながら、本発明では、無水酢酸の量は適切な重合速度の確保に必要であると同時に、得られるコポリエステルから発生するアウトガス、特に酢酸およびフェノールのガス量に影響を与える主要因子であることを見出したのである。
【0026】
このようにして有効無水酢酸量が上記の条件を満たすような無水酢酸の量を計算により求め、工程(2)において所定量の無水酢酸を仕込んだ後、工程(3)としてアセチル化を行う。
アセチル化は無水酢酸の還流状態を保持し、無水酢酸の還流状態を保持するように加熱しながら行う。アセチル化は、通常バッチ式の場合、1〜10時間で完了する。
上記モル比関係に加えて、本発明では、アセチル化の間、酢酸を反応系外へ放出せずに行い、しかもアセチル化反応を行った後、過剰の無水酢酸やアセチル化で生成した酢酸を除去せずに、速やかに、次の溶融重合反応である工程(4)に移行させることが好ましい。
【0027】
このようにして、適切な過剰無水酢酸が存在する反応系において、反応系外へ放出せずにアセチル化を行った後、速やかに重合反応への移行を行うことにより、(1)系内の物質収支を一定に保つこと、(2)系内の水分の除去を加熱下の無水酢酸で行うことにより水分の影響を確実に排除すること、(3)添加した全無水酢酸の全量をアセチル化反応に有効に利用すること、(4)過度のオリゴマー生成の発生を抑制すること、が可能になるものと推定される。
これらの効果と両腐食性アウトガスの発生抑制との関係は明確ではないが、重合前のモノマー群のアセチル化率の向上、オリゴマーの発生の抑制等により、その後の重合反応が均一に進行し、また、(B−C)/Aの値を1.08以下の範囲とすることで、無水酢酸間の副反応の制御と残留無水酢酸および残留酢酸の低減が行われるものと推定される。
【0028】
アセチル化が終了した後、工程(4)として昇温して酢酸を留出させつつ脱酢酸と同時に溶融重縮合を行うことによりコポリエステルを製造することができる。p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸および4,4’−ビフェノールを原料とする場合には、150〜350℃の温度範囲で酢酸を留出させ、脱酢酸と同時に溶融重縮合を行うことによりコポリエステルを製造することができる。重合時間は、1時間から数十時間の範囲から選択することができる。
当該溶融重合工程(5)では、反応基質自身を反応溶媒とし、それ故、特に反応溶媒を用いることなく重合を行う。
【0029】
なお、アセチル化、重合反応またはその両工程において触媒を使用することができる。使用する触媒としては、従来ポリエステルの重縮合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、あるいはN−メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒等が挙げられる。アセチル化および重合の工程の触媒は同一または異なる触媒を用いることができる。通常は、モノマー類の投入時、すなわち工程(1)の際にモノマー類とともに触媒を投入し、触媒を除去することなくそのままアセチル化および重合に用いる。
【0030】
工程(4)の溶融重合における重合器は特に限定されるものではないが、一般の高粘度反応に用いられる攪拌設備、例えば、鋳型、多段型、螺旋帯、螺旋軸等の各種形状の攪拌機またはそれらを変形したものを有する攪拌槽型重合器、具体的にはワーナー式ミキサー、バンバリーミキサー、ポニーミキサー、ミュラーミキサー、ロールミル、連続操作可能なコニーダー、パグミル、ギヤコンパウンダーなどから選ぶことが望ましい。なお、前記アセチル化工程の反応器と溶融重合における重合器とは、同じ反応器とすることもでき、異なるものを用いることもできる。
【0031】
工程(4)の溶融重合により得られた重合体はさらに工程(5)の固相重合を行うことができる。
特に、モノマー類の構成が、芳香族ヒドロキシカルボン酸としてp−ヒドロキシ安息香酸が90〜100モル%およびその他の芳香族ヒドロキシカルボン酸が0〜10モル%(両者の合計を100モル%とする。)であり、芳香族ジカルボン酸としてのテレフタル酸が45〜100モル%およびその他の芳香族ジカルボン酸が0〜55モル%(両者の合計を100モル%とする。)であり、かつ、芳香族ジオールとしてのp,p’−ビフェノール60〜100モル%およびその他の芳香族ジオール0〜40モル%(両者の合計を100モル%とする。)、あるいは、芳香族ヒドロキシカルボン酸としてのp−ヒドロキシ安息香酸が90〜100モル%および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸が0〜10モル%(両者の合計を100モル%とする。)であり、芳香族ジカルボン酸としてのテレフタル酸が45〜100モル%およびイソフタル酸が0〜55モル%(両者の合計を100モル%とする。)であり、かつ、芳香族ジオールとしてのp,p’−ビフェノールが60〜100モル%およびヒドロキノンが0〜40モル%(両者の合計を100モル%とする。)である場合は、溶融重合で得られる重縮合物の融点が高くなるため、必然的に溶融重合温度が高くなる。したがって、腐食性アウトガスの発生につながる重合物の過度の熱披歴を避けるため、工程(5)を併用して適切な重合度を得ることが好ましい。
【0032】
工程(5)の固相重合に際しては、工程(4)の溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後好ましくは、粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、公知の固相重合方法により行う。具体的な固相重合方法は、例えば、窒素などの不活性雰囲気下に200〜350℃の温度範囲において、1〜30時間固相状態で熱処理することにより行うことができる。固相重合は、攪拌しながら行ってもよく、また攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。
固相重合後、得られたサーモトロピック液晶コポリエステルは、適宜に公知の方法によりペレット化し、成形に供することができる。
【0033】
本発明の製造方法により得られるサーモトロピック液晶コポリエステルは、各種用途に用いることができる。一般的には主として機械的強度を向上させるために、繊維状、粉粒状、板状などの無機または有機充填材を配合することができる。
繊維状の充填材としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカアルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維、炭素もしくは黒鉛繊維、さらにアルミニウム、チタン、銅などの金属の繊維状物質が挙げられる。代表的なものはガラス繊維である。
【0034】
一方、粒状充填材としては、カーボンブラック、黒鉛、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ミルドガラスファイバー、ガラスバルーン、ガラス粉、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、クレー、ケイ藻土、ウオラストナイトなどのケイ酸塩、あるいは酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、アルミナ、硫酸カルシウム、その他各種の金属粉末等が挙げられる。
また、板状充填材としては、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔などが挙げられる。
そのほか、有機充填材の例としては、芳香族ポリエステル、芳香族ポリイミド、ポリアミドなどからなる耐熱性高強度の繊維などが挙げられる。
これらの充填材は、必要に応じてあらかじめ従来公知の表面処理剤により処理することができる。繊維状充填材の場合には、さらに収束剤を用いることができる。
【0035】
また、上記以外に従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、増量剤、補強剤、顔料、難燃化剤等の種々の添加剤を適宜の量添加することができる。これらの添加剤および充填剤は2種以上を併用することができる。
【0036】
充填材を用いる場合には、配合量は組成物全体に対して10重量%以上、90重量%以下、好ましくは80重量%以下である。90重量%よりも多く充填材を配合すると、機械的強度が低下するため好ましくない。充填剤の配合方法は公知の方法によることができる。
【0037】
上記のようにして本発明の方法により製造したサーモトロピック液晶コポリエステル樹脂組成物は、従来公知の成形方法、例えば、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形などの通常の溶融成形に供し、繊維、フィルム、三次元成形品、容器、ホースなどに加工して成形品を得ることができる。
なお、このようにして得られた成形品は、熱処理によって強度を増大させることができ、弾性率も多くの場合向上させることができる。この熱処理は、不活性雰囲気(例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等)中、酸素含有雰囲気(例えば空気)中または減圧下において、成形品をポリマーの融点以下の温度で加熱することによって行うことができる。
【0038】
本発明によるサーモトロピック液晶コポリエステルは、長時間の使用または高温環境下(例えばハンダつけ工程、表面実装)での腐食性アウトガスの発生量が小さいから、樹脂部から発生する腐食性アウトガスが問題として認識されている部材の構成材料として使用すると、その部材の有する各種機能の信頼性を高めることができる。
例えば、HDD内で使用される各種部品(キャリッジ、シャーシ、アクチュエータのVCMコイル保持部、停止時のヘッド収納部材等)、FDD、光ディスクドライブの構成部材として使用すると、相当部材から発生する腐食性アウトガスが減少し、データ読み出し機能の安定性が向上する。
【0039】
特に、樹脂から発生する腐食性ガスに曝される金属導電部を有する構造のサーモトロピック液晶コポリエステル製の電気・電子部品、例えば、リレー、コネクター、ソケット、抵抗器、コンデンサー、モーター、発振器、プリント配線板、パワーモジュール等ではその部材の有する各種機能の信頼性を高めることができる。特に、電気的な接点部分を有するサーモトロピック液晶コポリエステル製の電気・電子部品、たとえばリレー、スイッチ等の部品では、当該接点部分が腐食性を有するアウトガス等により酸化され腐食皮膜が形成されて初期不良を起こしたり、また電圧印加時に炭化物層が生成することにより接点不良が生じるなどの問題点が解決され、部材の信頼度が向上する。それゆえ、このような部品は本発明の方法により得られるサーモトロピック液晶コポリエステルを採用してその樹脂部を構成することが好ましい。
なお、上記電気・電子部品をサーモトロピック液晶コポリエステルを用いて製造するには、公知の成形方法、例えば射出成形によるインサート成形方法、封止成形方法などを適宜に採用することができる。
【0040】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
なお、以下の各実験例により得られたサーモトロピック液晶コポリエステルは、常法により測定を行った結果、いずれも溶融時に光学異方性を示した。以下の実験例において実験例1〜3は本発明の実施例であり、実験例4〜6は比較実施例である。
【0041】
【実施例】
<測定方法>
実施例に示す物性値は、次の方法で測定した。
(1)融点
セイコー電子工業(株)製の示差走査熱量計を用いるDSCにより、基準物質としてα−アルミナを用いて融点測定を行った。温度を速度20℃/分で室温から420℃まで昇温してポリマーを完全に融解させた後、速度10℃/分で150℃まで降温し、さらに20℃/分の速度で430℃まで昇温したときに得られる吸熱ピークの頂点を融点とした。
(2)見掛け粘度
見掛け粘度の測定には、インテスコ(株)製のキャピラリーレオメーター(モデル2010)を用い、キャピラリーとして径1.0mm、長さ40mm、流入角90°のものを用い、せん断速度100sec-1において、DSCにより測定した融点よりも30℃低い温度から、+4℃/分の昇温速度で等速加熱を行いながら測定を行い、所定温度における見掛け粘度を求めた。
(3)モノマー中の水分
三菱化成(株)製のカールフィッシャー法水分測定装置(モデルVA−05)を用い、モノマー約2gを採取して、175℃において水分の測定を行った。
【0042】
(4)アウトガス量
得られたサーモトロピック液晶コポリエステルを押出機により融点近傍で溶融混練してペレットを作製し、このペレットを1mm以下に粉砕したものを150℃で24時間熱処理した後に発生する酢酸およびフェノールのガスをガスクロマトグラフィーにより定量した。
酢酸およびフェノールのガスを測定する具体的な例としては、ペレットを粉砕したものを20mlのバイアル瓶に入れて密封し、エアーオーブン等を用いて150℃で24時間熱処理を行い、発生する気体をガスクロマトグラフィーにより分析してアウトガス量を求める方法が挙げられる。バイアル瓶中の気体をガスクロマトグラフィー装置に注入する方法としては、シリンジにより手作業で行う方式やヘッドスペースサンプラーにより注入する方法が挙げられる。測定精度を高めるためには、ヘッドスペースサンプラーを用いることが好ましい。
この測定に用いるバイアル瓶、アルミキャップ、セプタム等は、150℃の熱処理に対応し得るものであれば特に限定されるものではなく、市販のものを用いることができる。また、ガスクロマトグラフィー分析に用いるカラムとしては、酢酸およびフェノールの定量分析が可能であれば特に限定されるものではないが、無極性のカラムが望ましい。例えば、化学品検査協会製のガラスカラムであるG−100が挙げられる。また、測定温度条件は、酢酸とフェノールのピークを分離して定量することが可能であれば特に限定されるものではない。例えば、45℃から280℃まで20℃/分の速度で昇温する条件が挙げられる。
【0043】
アウトガス量の測定を、具体的には次の条件で行った。
すなわち、得られた重合体にミルドグラスファイバー30重量%を充填したペレットを、1mmφメッシュの粉砕機により粉砕し、得られた粉砕物を20mlのバイアル瓶に入れて密封した後、150℃で24時間熱処理を行った。発生した酢酸およびフェノールのガスをヒューレットパッカード社製のヘッドスペースサンプラー(HP7694)を接続したガスクロマトグラフィー(HP6890)により定量した。カラムには化学品検査協会製のG−100(40m)を用い、その他の条件は、初期温度45℃、昇温速度20℃/分、最終温度280℃、ヘリウム圧8.3psiおよびスプリット比2.0として、FID検出器を用いて測定を行った。
なお、ミルドグラスファイバー等の充填剤を配合したものは、無充填のものと比較して経験的にアウトガスを発生させる傾向が大きい。そのため以下の実施例では、アウトガス発生量の比較をより明瞭にするために、充填剤入りの試料を用いてアウトガスの試験を行った。
【0044】
<実験例1>
SUS316を材質とし、ダブルヘリカル攪拌翼を有する重合槽(日東高圧(株)製)を用い、重合槽の減圧−窒素注入を5回繰り返して窒素置換を行った後、上野製薬(株)製のp−ヒドロキシ安息香酸(HBA)1,330.10g(9.63モル)、エイジーインターナショナル社製のイソフタル酸(IPA)79.99g(0.4815モル)、三井石油化学工業(株)製のテレフタル酸(TPA)453.29g(2.7285モル)、本州化学工業(株)製のp,p’−ビフェノール(BP)597.73g(3.21モル)および触媒として東京化成社製の酢酸マグネシウム0.35gを仕込み、攪拌翼の回転数を50rpmとして重合槽内のモノマーを攪拌混合した。重合槽内のモノマー混合物2gを取り出して水分測定を行ったところ、モノマー混合物中に0.176重量%の水分量が測定された。すなわち、重合槽内には、4.33g(0.24モル)のH2 Oが存在していた。
水分測定のために取り出したモノマーを重合槽に戻し、チッソ(株)製の無水酢酸1,769.22g(17.33モル)を添加し、攪拌翼の回転数を100rpmとして150℃まで1時間で昇温し、無水酢酸の還流状態で2時間アセチル化反応を行った。アセチル化終了後、酢酸を留出する状態にして速度0.5℃/分で昇温し、330℃において重合物を重合槽下部の抜出し口から取り出した。
取り出した重合体を粉砕機により1mm以下に粉砕し、円筒型回転式リアクターを有する固相重合装置(旭硝工(株)製)により固相重合を行った。すなわち、リアクターに粉砕した重合体を投入し、窒素を1リットル/分の流量で流通させ、回転数20rpmで280℃まで2時間をかけて昇温した。280℃で1時間保持し、300℃まで30分で昇温して4時間保持した後、室温まで1時間で冷却して重合体を得た。
得られた重合体の融点をDSCにより測定したところ、376℃であった。また、410℃における見掛け粘度は1,110ポイズであった。
得られたサーモトロピック液晶コポリエステル70重量%に対し、旭ファイバーグラス(株)製のミルドガラスファイバー(MJH20JMH−1−20)30重量%を混合し、池貝鉄工(株)製の30mmφ二軸押出機(PCM−30)によりシリンダーの最高温度400℃でコンパウンドを行い、ガラスファイバー30重量%充填物を得た。表−1に有効無水酢酸量を、表−2にガラスファイバー30重量%充填物のアウトガス測定結果を示す。
【0045】
<実験例2>
実験例1と同様の装置を用い、p−ヒドロキシ安息香酸(HBA)1,330.10g(9.63モル)、イソフタル酸(IPA)79.99g(0.4815モル)、テレフタル酸(TPA)453.29g(2.7285モル)、p,p’−ビフェノール(BP)597.73g(3.21モル)および触媒として酢酸マグネシウム0.35gを仕込み、重合槽内を70℃に昇温した後、攪拌翼を50rpmで回転させながら減圧−窒素注入を5回行い、2時間をかけて窒素置換とモノマーの乾燥を行った。乾燥終了後、重合槽内のモノマー混合物2gを取り出して水分測定を行ったところ、モノマー混合物に0.015重量%の水分量が測定された。すなわち、重合槽内には、0.37g(0.02モル)のH2 Oが存在していた。
水分測定のために取り出したモノマーを重合槽に戻し、無水酢酸1,739.61g(17.04モル)を添加し、攪拌翼の回転数を100rpmとして150℃まで1時間で昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。アセチル化終了後、酢酸を留出する状態にして速度0.5℃/分で昇温し、330℃において重合物を重合槽下部の抜出し口から取り出した。
取り出した重合体を粉砕機により1mm以下に粉砕し、円筒型回転式リアクターを有する固相重合装置により固相重合を行った。すなわち、リアクターに粉砕した重合体を投入し、窒素を1リットル/分の流量で流通させ、回転数20rpmで280℃まで2時間をかけて昇温した。280℃で1時間保持し、300℃まで30分で昇温して4時間保持した後、室温まで1時間で冷却して重合体を得た。
得られた重合体の融点をDSCにより測定したところ、375℃であった。また、410℃における見掛け粘度は930ポイズであった。
得られたサーモトロピック液晶コポリエステル70重量%に対し、ミルドガラスファイバー30重量%を混合し、30mmφ二軸押出機(PCM−30)によりシリンダーの最高温度400℃でコンパウンドを行い、ガラスファイバー30重量%充填物を得た。表−1に有効無水酢酸量を、表−2にガラスファイバー30重量%充填物のアウトガス測定結果を示す。
【0046】
<実験例3>
実験例1と同様の装置を用い、重合槽の減圧−窒素注入を5回繰り返して窒素置換を行った後、p−ヒドロキシ安息香酸(HBA)1,330.10g(9.63モル)、イソフタル酸(IPA)132.90g(0.80モル)、テレフタル酸(TPA)400.37g(2.41モル)、p,p’−ビフェノール(BP)597.73g(3.21モル)および触媒として酢酸マグネシウム0.35gを仕込み、攪拌翼の回転数を50rpmとして重合槽内のモノマーを攪拌混合した。重合槽内のモノマー混合物2gを取り出して水分測定を行ったところ、モノマー混合物中に0.200重量%の水分量が測定された。すなわち、重合槽内には、4.92g(0.27モル)のH2 Oが存在していた。
水分測定のために取り出したモノマーを重合槽に戻し、無水酢酸1,785.55g(17.49モル)を添加し、攪拌翼の回転数を100rpmとして150℃まで1時間で昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。アセチル化終了後、酢酸を留出する状態にして速度0.5℃/分で昇温し、330℃において重合物を重合槽下部の抜出し口から取り出した。
取り出した重合体を粉砕機により1mm以下に粉砕し、円筒型回転式リアクターを有する固相重合装置により固相重合を行った。すなわち、リアクターに粉砕した重合体を投入し、窒素を1リットル/分の流量で流通させ、回転数20rpmで290℃まで2時間をかけて昇温した。290℃で6時間保持した後、室温まで1時間で冷却して重合体を得た。
得られた重合体の融点をDSCにより測定したところ、356℃であった。また、370℃における見掛け粘度は980ポイズであった。
得られたサーモトロピック液晶コポリエステル70重量%に対し、ミルドガラスファイバー30重量%を混合し、30mmφ二軸押出機(PCM−30)によりシリンダーの最高温度370℃でコンパウンドを行い、ガラスファイバー30重量%充填物を得た。表−1に有効無水酢酸量を、表−2にガラスファイバー30重量%充填物のアウトガス測定結果を示す。
【0047】
<実験例4>
実験例1と同様の装置を用い、重合槽の減圧−窒素注入を5回繰り返して窒素置換を行った後、p−ヒドロキシ安息香酸(HBA)1,330.10g(9.63モル)、イソフタル酸(IPA)79.99g(0.4815モル)、テレフタル酸(TPA)453.29g(2.7285モル)、p,p’−ビフェノール(BP)597.73g(3.21モル)および触媒として酢酸マグネシウム0.35gを仕込み、攪拌翼の回転数を50rpmとして重合槽内のモノマーを攪拌混合した。重合槽内のモノマー混合物2gを取り出して水分測定を行ったところ、モノマー混合物中に0.180重量%の水分量が測定された。すなわち、重合槽内には、4.43g(0.25モル)のH2 Oが存在していた。
水分測定のために取り出したモノマーを重合槽に戻し、無水酢酸1,703.88g(16.69モル)を添加し、攪拌翼の回転数を100rpmとして150℃まで1時間で昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。アセチル化終了後、酢酸を留出する状態にして速度0.5℃/分で昇温し、330℃において重合物を重合槽下部の抜出し口から取り出した。
取り出した重合体を粉砕機により1mm以下に粉砕し、円筒型回転式リアクターを有する固相重合装置により固相重合を行った。すなわち、リアクターに粉砕した重合体を投入し、窒素を1リットル/分の流量で流通させ、回転数20rpmで280℃まで2時間をかけて昇温した。280℃で1時間保持し、300℃まで30分で昇温して6時間保持した後、室温まで2.5時間で冷却して重合体を得た。
得られた重合体の融点をDSCにより測定したところ、378℃であった。また、410℃における見掛け粘度は910ポイズであった。
得られたサーモトロピック液晶コポリエステル70重量%に対し、ミルドガラスファイバー30重量%を混合し、30mmφ二軸押出機(PCM−30)によりシリンダーの最高温度400℃でコンパウンドを行い、ガラスファイバー30重量%充填物を得た。表−1に有効無水酢酸量を、表−2にガラスファイバー30重量%充填物のアウトガス測定結果を示す。
【0048】
<実験例5>
実験例1と同様の装置を用い、重合槽の減圧−窒素注入を5回繰り返して窒素置換を行った後、p−ヒドロキシ安息香酸(HBA)1,330.10g(9.63モル)、イソフタル酸(IPA)79.99g(0.4815モル)、テレフタル酸(TPA)453.29g(2.7285モル)、p,p’−ビフェノール(BP)597.73g(3.21モル)および触媒として酢酸マグネシウム0.35gを仕込み、攪拌翼の回転数を50rpmとして重合槽内のモノマーを攪拌混合した。重合槽内のモノマー混合物2gを取り出して水分測定を行ったところ、モノマー混合物中に0.175重量%の水分量が測定された。すなわち、重合槽内には、4.31g(0.24モル)のH2 Oが存在していた。
水分測定のために取り出したモノマーを重合槽に戻し、無水酢酸1,835.58g(17.98モル)を添加し、攪拌翼の回転数を100rpmとして150℃まで1時間で昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。アセチル化終了後、酢酸を留出する状態にして速度0.5℃/分で昇温し、330℃において重合物を重合槽下部の抜出し口から取り出した。
取り出した重合体を粉砕機により1mm以下に粉砕し、円筒型回転式リアクターを有する固相重合装置により固相重合を行った。すなわち、リアクターに粉砕した重合体を投入し、窒素を1リットル/分の流量で流通させ、回転数20rpmで280℃まで2時間をかけて昇温した。280℃で1時間保持し、300℃まで30分で昇温して4時間保持した後、室温まで2.5時間で冷却して重合体を得た。
得られた重合体の融点をDSCにより測定したところ、376℃であった。また、410℃における見掛け粘度は1,250ポイズであった。
得られたサーモトロピック液晶コポリエステル70重量%に対し、ミルドガラスファイバー30重量%を混合し、30mmφ二軸押出機(PCM−30)によりシリンダーの最高温度400℃でコンパウンドを行い、ガラスファイバー30重量%充填物を得た。表−1に有効無水酢酸量を、表−2にガラスファイバー30重量%充填物のアウトガス測定結果を示す。
【0049】
<実験例6>
実験例1と同様の装置を用い、p−ヒドロキシ安息香酸(HBA)1,330.10g(9.63モル)、イソフタル酸(IPA)79.99g(0.4815モル)、テレフタル酸(TPA)453.29g(2.7285モル)、p,p’−ビフェノール(BP)597.73g(3.21モル)および触媒として酢酸マグネシウム0.35gを仕込み、重合槽内を70℃に昇温した後、攪拌翼を50rpmで回転させながら減圧−窒素注入を5回繰り返して、重合槽内の窒素置換とモノマーの乾燥を行った。乾燥終了後、重合槽内のモノマー混合物2gを取り出して水分測定を行ったところ、モノマー混合物中に0.013重量%の水分量が測定された。すなわち、重合槽内には、0.32g(0.02モル)のH2 Oが存在していた。
水分測定のために取り出したモノマーを重合槽に戻し、無水酢酸1,671.21g(16.37モル)を添加し、攪拌翼の回転数を100rpmとして150℃まで1時間で昇温し、還流状態で2時間アセチル化反応を行った。アセチル化終了後、酢酸を留出する状態にして速度0.5℃/分で昇温し、330℃において重合物を重合槽下部の抜出し口から取り出した。
取り出した重合体を粉砕機により1mm以下に粉砕し、円筒型回転式リアクターを有する固相重合装置により固相重合を行った。すなわち、リアクターに粉砕した重合体を投入し、窒素を1リットル/分の流量で流通させ、回転数20rpmで280℃まで2時間をかけて昇温した。280℃で1時間保持し、300℃まで30分で昇温して6時間保持した後、室温まで2.5時間で冷却して重合体を得た。
得られた重合体の融点をDSCにより測定したところ、379℃であった。また、410℃における見掛け粘度は890ポイズであった。
得られたサーモトロピック液晶コポリエステル70重量%に対し、ミルドガラスファイバー30重量%を混合し、30mmφ二軸押出機(PCM−30)によりシリンダーの最高温度400℃でコンパウンドを行い、ガラスファイバー30重量%充填物を得た。表−1に有効無水酢酸量を、表−2にガラスファイバー30重量%充填物のアウトガス測定結果を示す。
【0050】
【表1】
Figure 0004488455
【0051】
【表2】
Figure 0004488455
【0052】
表1に示すように、実験例1、2および3においては、有効無水酢酸量が1.04〜1.08の範囲にあるのに対し、実験例4および6では有効無水酢酸量が1.04より小さく、また、実験例5では有効無水酢酸量が1.08よりも大きい。そして、表−2のアウトガス測定結果によれば、実験例4および6のように有効無水酢酸量が小さい場合には、酢酸は検出されないが、大量のフェノールガスが検出された。また、実験例5のように有効無水酢酸量が大きい場合には、フェノールガスの検出量は極めて少ないが、酢酸ガスが大量に発生する結果が得られた。
これらに対し、有効無水酢酸量が1.04〜1.08の範囲にある実験例1、2および3では、酢酸およびフェノールガスの発生量が極めて少なく、良好な結果であった。
上記の結果から、本発明の製造方法に従って製造したサーモトロピック液晶コポリエステルは、酢酸およびフェノールガスの発生量が極めて少ないことが判る。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、モノマーの水酸基を無水酢酸によりアセチル化した後に溶融重合または溶融重合と固相重合の2段階重合によりサーモトロピック液晶コポリエステルを製造する方法において、無水酢酸の量を特定の範囲に制限することにより、酢酸およびフェノールのガス発生量が極めて少ない液晶コポリエステルを提供することが可能である。

Claims (5)

  1. 金属製導電部をもつ電気・電子部品の構造部材として用いるサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法であって、次の工程(1)〜工程(4)と必要に応じて行われる工程(5)からなることを特徴とするアウトガス発生の少ないサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法。
    工程(1)反応器に、芳香族ヒドロキシカルボン酸5〜100モル%、芳香族ジカルボン酸0〜47.5モル%および芳香族ジオール0〜47.5モル%(合計のモル%は100モル%であり、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールのモル%は実質的に等しい。)を仕込む工程、
    工程(2)次の式を満足する量の無水酢酸を添加する工程、
    1.08≧(B−C)/A≧1.04
    ただし、Aは反応系内の水酸基の合計モル数、Bは添加する無水酢酸のモル数、Cは無水酢酸を添加する前の反応系に存在する水のモル数をそれぞれ表す。
    工程(3)アセチル化工程、
    工程(4)溶融重合工程、
    工程(5)固相重合工程。
  2. 工程(1)の後であって工程(2)の前に反応系内の水分測定を実施することによりCの値をもとめることを特徴とする請求項1に記載のサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法。
  3. 芳香族ヒドロキシカルボン酸がp−ヒドロキシ安息香酸90〜100モル%およびその他の芳香族ヒドロキシカルボン酸0〜10モル%(芳香族ヒドロキシカルボン酸の合計を100モル%とする。)からなり、芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸45〜100モル%およびその他の芳香族ジカルボン酸0〜55モル%(芳香族ジカルボン酸の合計を100モル%とする。)からなり、芳香族ジオールがp,p’−ビフェノール60〜100モル%およびその他の芳香族ジオール0〜40モル%(芳香族ジオールの合計を100モル%とする。)からなることを特徴とする請求項1または2に記載のサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法。
  4. 芳香族ヒドロキシカルボン酸がp−ヒドロキシ安息香酸90〜100モル%および2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸0〜10モル%(芳香族ヒドロキシカルボン酸の合計を100モル%とする。)からなり、芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸45〜100モル%およびイソフタル酸0〜55モル%(芳香族ジカルボン酸の合計を100モル%とする。)からなり、かつ芳香族ジオールがp,p’−ビフェノール60〜100モル%およびヒドロキノンが0〜40モル%(芳香族ジオールの合計を100モル%とする。)からなることを特徴とする請求項1または2に記載のサーモトロピック液晶コポリエステルの製造方法。
  5. 無機または有機充填剤と請求項1から4のいずれかに記載の方法で得たサーモトロピック液晶コポリエステル樹脂からなる金属製導電部をもつ電気・電子部品の構造部材として用いるためのサーモトロピック液晶コポリエステル樹脂組成物。
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