JP4488161B2 - 光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の製造法 - Google Patents

光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医・農薬等生理活性物質等の重要な中間体である光学活性アリルアルコール誘導体を得るのに有用な、光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学活性なα−置換−β−ケトスルホキシド化合物のケトン基を還元して、光学活性なα−置換−β−ヒドロキシスルホキシド化合物を製造する方法としては、例えば、α置換基がアルキルチオ基又はアリールチオ基の場合、水素化ホウ素ナトリウムあるいはリチウムアルミニウムハイドライドで還元して光学活性α−アルキルチオ−、又は光学活性α−アリールチオ−β−ヒドロキシスルホキシド化合物を製造する方法(例えば、非特許文献1及び2参照)がある。
【0003】
また、α置換基がアルキル基の場合、ジ−i−ブチルアルミニウムハイドライドで還元して光学活性α−アルキル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物を製造する方法(例えば、非特許文献3参照)がある。
【0004】
更に、光学活性β−シリル−α−スルフィニルカルボアニオンをアルデヒドと反応させて、本発明と同様の光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物を製造する方法(例えば、非特許文献4参照)がある。
【0005】
【非特許文献1】
Tetrahedron Lett. 1983, 24,p.503
【非特許文献2】
J. Chem. Soc., Perkin Trans. I.1984, p.189
【非特許文献3】
Tetrahedron Lett. 1992, 33,p.2733
【非特許文献4】
Tetrahedron 1994, 50, p.1045
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の、光学活性なα−置換−β−ケトスルホキシド化合物のケトン基を還元して光学活性なα−置換−β−ヒドロキシスルホキシド化合物を製造する方法では、非特許文献1及び2に見られる様に、光学活性α−アルキルチオ−、及び光学活性α−アリールチオ−β−ヒドロキシスルホキシド化合物のみ高選択的に得られているが、非特許文献3に見られるα−アルキル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物は選択性が非常に悪い。
【0007】
また、非特許文献4の方法も2種類のジアステレオマーの混合物として得られている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、特に光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、式(1)
【0011】
【化3】
Figure 0004488161
【0012】
〔式中、ArはC6−12アリール基(該アリール基は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−12アリール基、C6−12アリールオキシ基(該C6−12アリール基及びC6−12アリールオキシ基は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)を表わし、RはC1−6アルキル基(該アルキル基はC1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−12アリール基、C6−12アリールオキシ基(該C6−12アリール基及びC6−12アリールオキシ基は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はC6−12アリール基(該アリール基はC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−12アリール基、C6−12アリールオキシ基(該C6−12アリール基及びC6−12アリールオキシ基は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)を表わし、R、R及びRは互いに独立して、C1−6アルキル基又はC6−12アリール基(該C6−12アリール基は、C1−6アルキル基で任意に置換されていてもよい。)を表わし、*はその原子が不斉であることを表わし、その絶対配置がR又はSであることを表わす。〕で表わされる光学活性α−シリルメチル−β−ケトスルホキシド化合物を、塩基の存在下、式(2)
(RAlH (2)
〔式中、RはC1−6アルキル基を表わす。〕で表されるジアルキルアルミニウムハイドライドで還元することを特徴とする、式(3)
【0013】
【化4】
Figure 0004488161
【0014】
〔式中、Ar、R、R、R、R及び*は前記に同じであり、*1は、*がRの場合はRの配置を、*がSの場合は、Sの配置を意味し、*2は、*がRの場合はRの配置を、*がSの場合は、Sの配置を意味する。〕で表わされる光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の製造法に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳細に本発明を説明する。
【0016】
尚、本明細書中「n」はノルマルを「i」はイソを「s」はセカンダリーを「t」はターシャリーを「c」はシクロを「o」はオルトを「m」はメタを「p」はパラを意味する。
【0017】
本明細書中に記載する各置換基を説明する。
【0018】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
【0019】
1−6アルキル基は、直鎖、分岐のC1−6アルキル基又はC3−6シクロアルキル基であってよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、c−ペンチル、2−メチル−c−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル及び1,2−ジメチル−c−ブチル等が挙げられる。
【0020】
1−6アルコキシ基は、直鎖、分岐のC1−6アルコキシ基又はC3−6シクロアルコキシ基であってよく、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、c−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、c−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、c−ペンチルオキシ、2−メチル−c−ブトキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、c−ヘキシルオキシ、1−メチル−c−ペンチルオキシ、1−エチル−c−ブトキシ及び1,2−ジメチル−c−ブトキシ等が挙げられる。
【0021】
6−12アリール基としては、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、o−ビフェニリル、m−ビフェニリル及びp−ビフェニリル等が挙げられる。
【0022】
6−12アリールオキシ基としては、フェニルオキシ、α−ナフチルオキシ、β−ナフチルオキシ、o−ビフェニリルオキシ、m−ビフェニリルオキシ及びp−ビフェニリルオキシ等が挙げられる。
【0023】
次に、本発明に係る化合物の好ましい置換基につき説明する。
【0024】
置換基Arとして好ましくは、フェニル、p−メチルフェニル、p−トリフルオロメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、α−ナフチル及びβ−ナフチル等が挙げられ、又、好ましくは、p−メチルフェニルが挙げられる。
【0025】
置換基Rとして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、c−ヘキシル、フェニル及びベンジル等が挙げられる。
【0026】
置換基R、R及びRとして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル及びフェニル等が挙げられ、又、好ましくは、メチルが挙げられる。
【0027】
置換基Rとして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル及びi−ブチル等が挙げられ、又、好ましくは、i−ブチルが挙げられる。
【0028】
次に、本発明の式(3)の光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の製造方法について説明する。
【0029】
即ち、式(1)の光学活性α−シリルメチル−β−ケトスルホキシド化合物を、塩基存在下、式(2)のジアルキルアルミニウムハイドライドで還元することにより、式(3)の光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物を製造することが出来る。
【0030】
通常、光学活性α−置換−β−ケトスルホキシド化合物を還元して光学活性α−置換−β−ヒドロキシスルホキシド化合物を製造する場合、硫黄原子上の不斉により、スキーム1に示すように(a),(b),(c),(d)の4種類のジアステレオマーの混合物になる。
【0031】
スキーム1
【0032】
【化5】
Figure 0004488161
【0033】
(式中、硫黄原子上の‥は不対電子を表す。)
本発明は、α置換基(スキーム1のR’)をシリルメチル基にすることにより、塩基条件下で、還元剤としてジアルキルアルミニウムハイドライドを使用すると、スキーム2に示すように、選択的に(a)の1種類の化合物のみ得られる。
【0034】
スキーム2
【0035】
【化6】
Figure 0004488161
【0036】
(式中、硫黄原子上の‥は不対電子を表す。)
塩基としては、水素化ナトリウム、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム、リチウムジ−i−プロピルアミド、ナトリウムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシラザン等が挙げられ、好ましくは、リチウムジ−i−プロピルアミドである。
【0037】
塩基の使用量は、式(1)の基質に対して、0.01〜1モル倍の範囲であり、特に、0.1〜1モル倍の範囲が好ましい。
【0038】
ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジ−i−ブチルアルミニウムハイドライド等が挙げられ、好ましくは、ジ−i−ブチルアルミニウムハイドライドである。
【0039】
ジアルキルアルミニウムハイドライドの使用量は、式(1)の基質に対して、0.5〜5モル倍の範囲であり、特に、1〜2モル倍の範囲が好ましい。
【0040】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールやオクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノールやエトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドンやN,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランやジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリンや石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンやテトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンや四塩化炭素等)及びアルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタンやジエトキシエタン等)等の溶媒が挙げられ、好ましくは、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエンが挙げられる。
【0041】
これらの溶媒は反応の起こりやすさに従って適宜選択され、単一又は混合して用いられる。また場合によっては適当な脱水剤や乾燥剤を用いて非水溶媒として用いられる。
【0042】
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−80〜30℃の範囲で行うのがよい。
【0043】
反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
【0044】
反応終了後は、適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して粗物を得ることができる。
【0045】
さらに、蒸留、再結晶及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行うことで、純粋な式(3)の光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物を単離することができる。
【0046】
次に、本発明の原料となる式(1)の光学活性α−シリルメチル−β−ケトスルホキシド化合物は、スキーム3に示すように製造することができる。
【0047】
スキーム3
【0048】
【化7】
Figure 0004488161
【0049】
(式中、*はその原子が不斉であることを表わし、その絶対配置がR又はSであることを表わす。)
即ち、光学活性シリルエチルスルホキシド化合物を塩基存在下、エチルエステル類と反応させることにより式(1)の光学活性α−シリルメチル−β−ケトスルホキシド化合物が得られる。
【0050】
上記反応の塩基としては、水素化ナトリウム、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム、リチウムジ−i−プロピルアミド、ナトリウムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシラザン等が挙げられ、好ましくは、リチウムジ−i−プロピルアミドである。
【0051】
塩基の使用量は、基質に対して、0.5〜2モル倍の範囲であり、特に、0.8〜1.5モル倍の範囲が好ましい。
【0052】
反応溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に制限はなく、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールやオクタノール等)、セロソルブ類(例えばメトキシエタノールやエトキシエタノール等)、非プロトン性極性有機溶媒類(例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドンやN,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランやジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(例えばペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリンや石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンやテトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタンや四塩化炭素等)及びアルコキシアルカン類(例えばジメトキシエタンやジエトキシエタン等)等の溶媒が挙げられ、好ましくは、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエンが挙げられる。
【0053】
これらの溶媒は反応の起こりやすさに従って適宜選択され、単一又は混合して用いられる。また場合によっては適当な脱水剤や乾燥剤を用いて非水溶媒として用いられる。
【0054】
反応温度は、通常、−100℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、好ましくは−80〜30℃の範囲で行うのがよい。
【0055】
反応時間は、通常、0.1〜1000時間である。
【0056】
反応終了後は、得られた式(1)の光学活性α−シリルメチル−β−ケトスルホキシド化合物を含む反応液をそのまま本発明の反応に使用しても構わないし、適当な溶媒により目的物を抽出し、溶媒を減圧濃縮して式(1)の光学活性α−シリルメチル−β−ケトスルホキシド化合物を単離しても構わない。
【0057】
さらに、蒸留、再結晶及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー等の常法による精製を行うことで、純粋な式(1)の光学活性α−シリルメチル−β−ケトスルホキシド化合物を単離することができる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0059】
なお、参考例及び実施例にて採用した分析条件等は下記の通りである。
【0060】
H NMR(300MHz)及び13C NMR(75MHz)測定条件;
装置:Varian Mercury−200
測定溶媒:CDCl
基準物質:テトラメチルシラン(TMS)(δ0.0ppm for H)
CDCl(δ77.0ppm for 13C)
IR測定装置;JASCO FT/IR−200
MS測定装置;HITACHIM−2000
旋光度測定装置;Jasco DIP−4
【0061】
実施例1 光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の合成
【0062】
【化8】
Figure 0004488161
【0063】
(式中、p−Tolはp−メチルフェニル基、Meはメチル基、LDAはリチウムジ−i−プロピルアミド、Phはフェニル基、Etはエチル基、DIBALはジ−i−ブチルアルミニウムハイドライドを表わす。)
ジ−i−プロピルアミン(0.04mL,0.28mmol)のテトラヒドロフラン(0.25mL)溶液に、n−ブチルリチウム(1.49M/ヘキサン液,0.18mL,0.27mmol)を0℃で加え、10分撹拌した。
反応液を−78℃に冷却後、(R)−p−トリル 2−トリメチルシリルエチルスルホキシド(51mg,0.21mmol)のテトラヒドロフラン(0.25mL)溶液を20分かけて滴下した。
安息香酸エチル(0.05mL,0.35mmol)のテトラヒドロフラン(0.3mL)溶液を加え、30分撹拌した。
ジ−i−ブチルアルミニウムハイドライド(0.95M/ヘキサン液,0.35mL,0.34mmol)を加えた後、1時間撹拌した。
反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、塩化メチレンで抽出した。
得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、分液し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
ろ過後、ろ液を減圧下濃縮して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル12g,塩化メチレン/ジエチルエーテル=90/10)で精製し、目的物の(1R,2R,R)−1−フェニル−2−(p−トリルスルフィニル)−3−(トリメチルシリル)プロパン−1−オールを44mg(収率60%)得た。
更に、中間体の化合物を27.6mg(収率38%)回収した。
その際、その他のジアステレオマー異性体は全く見られなかった。
【0064】
化合物のNMR
H NMR (300 MHz, CDCl)δ−0.55(s, 9H), 0.80(dd, 1H, J=4.4, 16.2Hz), 0.94(dd, 1H, J=6.6, 16.2Hz), 2.41(s, 3H),2.86(ddd, 1H, J=3.3, 3.3,4.4Hz), 2.90(d, 1H, J=2.2Hz),5.50(dd, 1H, J=2.2, 3.3Hz),7.29−7.49(m. 9H).
【0065】
化合物のNMR
H NMR (300 MHz, CDCl)δ−0.15(s, 9H, (R,R)), 0.00(s, 9H, (S,R)), 0.60−0.90(m, 2H),2.41(s, 3H), 4.50−4.70(m, 1H), 7.29−7.92(m, 9H).
【0066】
実施例2 光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の合成
【0067】
【化9】
Figure 0004488161
【0068】
(式中、p−Tolはp−メチルフェニル基、Meはメチル基、LDAはリチウムジ−i−プロピルアミド、Etはエチル基、DIBALはジ−i−ブチルアルミニウムハイドライドを表わす。)
実施例1の安息香酸エチルを下表の化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして、光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物、及び中間体の化合物を得た。
【0069】
【表1】
Figure 0004488161
【0070】
化合物7aのNMR
H NMR (300 MHz, CDCl)δ−0.17(s, 9H), 0.70(dd, 1H, J=3.8, 15.5Hz), 0.85(dd, 1H, J=8.9, 15.5Hz), 1.20(3H, d, J=7.0Hz), 2.42(s, 3H), 2.70(ddd, 1H, J=3.8, 4.5, 8.9Hz), 2.7(br, 1H), 4.08−4.25(m, 1H), 7.28(d, 2H, J=8.4Hz),7.40(d, 2H, J=8.4Hz).
【0071】
化合物8aのNMR
H NMR (300 MHz, CDCl)δ−0.18(s, 9H), 0.72(dd, 1H, J=4.2, 15.7Hz), 0.85(dd, 1H, J=8.9, 15.7Hz), 0.90(3H, t, J=6.5Hz), 1.24−1.41(m, 6H),1.52−1.71(m, 2H), 2.20(d, 1H, J=4.3Hz),2.41(s, 3H), 2.69(ddd, 1H, J=2.8,4.2, 8.9Hz), 4.08−4.20(m, 1H), 7.32(d, 2H, J=8.4Hz), 7.44(d, 2H, J=8.4Hz).
【0072】
化合物9aのNMR
H NMR (300 MHz, CDCl)δ−0.18(s, 9H), 0.79(dd, 1H, J=5.1, 16.2Hz), 0.93(d, 3H, J=6.7Hz), 0.94(dd, 1H, J=6.5, 16.2Hz), 1.03(d, 3H, J=6.7Hz), 1.86(dqq, 1H, J=6.7, 6.7, 7.6Hz), 2.17(br, 1H),2.42(s, 3H), 2.82(ddd, 1H, J=3.2,5.1, 6.5Hz), 3.90(dd, 1H, J=3.2, 7.6Hz), 7.33(d, 2H, J=8.5Hz), 7.45(d, 2H, J=8.5Hz).
【0073】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、効率的に、光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物を製造することができる。

Claims (3)

  1. 式(1)
    Figure 0004488161
    〔式中、ArはC6−12アリール基(該アリール基は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−12アリール基、C6−12アリールオキシ基(該C6−12アリール基及びC6−12アリールオキシ基は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)を表わし、RはC1−6アルキル基(該アルキル基はC1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−12アリール基、C6−12アリールオキシ基(該C6−12アリール基及びC6−12アリールオキシ基は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はC6−12アリール基(該アリール基はC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)、C6−12アリール基、C6−12アリールオキシ基(該C6−12アリール基及びC6−12アリールオキシ基は、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルキル基及びC1−6アルコキシ基はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)又はハロゲン原子で任意に置換されていてもよい。)を表わし、R、R及びRは互いに独立して、C1−6アルキル基又はC6−12アリール基(該C6−12アリール基は、C1−6アルキル基で任意に置換されていてもよい。)を表わし、*はその原子が不斉であることを表わし、その絶対配置がR又はSであることを表わす。〕で表わされる光学活性α−シリルメチル−β−ケトスルホキシド化合物を、塩基の存在下、式(2)
    (RAlH (2)
    〔式中、RはC1−6アルキル基を表わす。〕で表されるジアルキルアルミニウムハイドライドで還元することを特徴とする、式(3)
    Figure 0004488161
    〔式中、Ar、R、R、R、R及び*は前記に同じであり、*1は、*がRの場合はRの配置を、*がSの場合は、Sの配置を意味し、*2は、*がRの場合はRの配置を、*がSの場合は、Sの配置を意味する。〕で表わされる光学活性α−シリルメチル−β−ヒドロキシスルホキシド化合物の製造法。
  2. Arがp−メチルフェニル基である請求項1に記載の製造法。
  3. がi−ブチル基である請求項1又は2に記載の製造法。
    詳細な説明
    Figure 0004488161
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