JP4487718B2 - 失火検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の失火検出装置に係り、特に、その失火を高精度に検出し得る失火検出装置に関する。
内燃機関においては、燃焼室内の温度や点火系統の異常等の種々の条件により、混合気への点火不良や、発生した火炎が混合気全体に伝播しない等の所謂失火現象が発生する場合がある。ここで、そのような失火現象が発生すると、機関回転速度が低下したり、多量のHC(炭化水素)等を含む不完全燃焼ガスが大気中に排出されたりする。そして、これにより本来得られるべき機関回転トルクが出力されなかったり、大気汚染等の環境破壊や排気浄化用の触媒の損傷を招く、という不都合が生じてしまう。
そこで、従来は、かかる不都合を改善する為に、失火が発生した際にこれを検出する失火検出装置が車輌に設けられている。例えば、この失火検出装置としては、下記の特許文献1に開示されたものがある。
この下記の特許文献1に開示された失火検出装置は、最初に、燃料カット時の運動量から現燃焼行程気筒又は1燃焼行程前気筒の燃焼状態判別値を求める。そして、この燃焼状態判別値を用いて現燃焼行程気筒又は1燃焼行程前気筒の失火判定レベルマップの失火判定レベルの更新を行う。
続いて、この失火検出装置は、通常運転時に、燃料噴射時の現燃焼行程気筒又は1燃焼行程前気筒の所定区間における運動量を測定し、この運動量が失火判定レベル以下の運動量の場合に失火と判定する。
特開平4−265475号公報
ここで、内燃機関においてはピストンとシリンダやジャーナルと軸受け等の間で摩擦が生じており、これが為、運動量の一要素としての摩擦トルクが発生する。この摩擦トルクは、一般に上記ピストン〜シリンダ間等における潤滑油の温度と機関回転数に相関を持つが、潤滑油の温度の影響を受けて変化する粘性係数であることからリニアな相関ではない。そこで、一般には水温と回転数によるマップや多項式を用いて摩擦トルクを算出する。
しかしながら、この摩擦トルクは、潤滑油の劣化や粘度等によってその特性が変化する。そして、その変化は水温や回転数との相関の変化は少ないので、かかる変化が起こった場合には、そのマップ等から正確な摩擦トルクを算出することができない、という不都合があった。また、上記の特許文献1に開示された失火検出装置においては、摩擦トルクそのものを求めていないので、更新した失火判定レベルマップと、実際の運動量に相当する値から得られるべき失火判定レベルマップとの間にずれが生じ、潤滑油の劣化等が生じた場合に精度の高い失火検出ができない、という不都合があった。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、高精度に失火検出を行い得る失火検出装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の発明では、内燃機関の運転状態をパラメータにして失火の検出を行う内燃機関の失火検出装置において、前記内燃機関における或る運転状態の摩擦トルクを推定し、この推定した摩擦トルクと現在記憶されている全域の運転状態における摩擦トルクの情報とから最新の前記全域の運転状態における摩擦トルクを推定する摩擦トルク推定手段と、この摩擦トルク推定手段により求められた摩擦トルクを用いて失火の判定を行う失火判定手段とを備えている。
また、上記目的を達成する為、請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の失火検出装置において、前記摩擦トルク推定手段は、前記内燃機関の負荷の状態を判定する負荷状態判定機能を有し、この負荷状態判定機能により負荷が安定状態にあると判定された場合に前記摩擦トルクの推定を行っている。
また、上記目的を達成する為、請求項3記載の発明では、上記請求項2記載の失火検出装置において、前記負荷状態判定機能は、車輪に駆動力を伝達するクラッチが切断状態である場合に負荷が安定状態にあると判定することを特徴とする。
また、上記目的を達成する為、請求項4記載の発明では、上記請求項2記載の失火検出装置において、前記負荷状態判定機能は、前記内燃機関の機関回転数が安定している場合に負荷が安定状態にあると判定することを特徴とする。
また、上記目的を達成する為、請求項5記載の発明では、上記請求項4記載の失火検出装置において、前記機関回転数の安定状態とは、前記内燃機関がアイドリング状態の場合であることを特徴とする。
また、上記目的を達成する為、請求項6記載の発明では、上記請求項2記載の失火検出装置において、前記負荷状態判定機能は、前記内燃機関をクランキング中の場合に負荷が安定状態にあると判定することを特徴とする。
また、上記目的を達成する為、請求項7記載の発明では、上記請求項2記載の失火検出装置において、前記負荷状態判定機能は、前記内燃機関がフューエルカット状態である場合に負荷が安定状態にあると判定することを特徴とする。
また、上記目的を達成する為、請求項8記載の発明では、上記請求項1から6の何れか一つに記載の失火検出装置において、前記摩擦トルク推定手段は、前記負荷状態判定機能により負荷が安定状態にあると判定された場合に所定気筒のフューエルカットを行うフューエルカット機能を有し、そのフューエルカットが行われた際に前記摩擦トルクの推定を行っている。
また、上記目的を達成する為、請求項9記載の発明では、上記請求項1から8の何れか一つに記載の失火検出装置において、前記摩擦トルク推定手段は、前記内燃機関の図示トルクを推定する図示トルク推定機能と、前記内燃機関の慣性トルクを推定する慣性トルク推定機能とを有し、これら図示トルクと慣性トルクの差分から前記摩擦トルクの推定を行っている。
また、上記目的を達成する為、請求項10記載の発明では、上記請求項1から9の何れか一つに記載の失火検出装置において、前記摩擦トルク推定手段は、所定の機関回転数又は/及び温度である場合に前記摩擦トルクの推定を行っている。
また、上記目的を達成する為、請求項11記載の発明では、上記請求項6記載の失火検出装置において、前記摩擦トルク推定手段は、前記クランキングを行う電動モータのモータトルクを推定するモータトルク推定機能を有し、そのモータトルクから前記摩擦トルクの推定を行っている。
また、上記目的を達成する為、請求項12記載の発明では、上記請求項1から11の何れか一つに記載の失火検出装置において、前記摩擦トルク推定手段は、潤滑油の粘性等の特性の変化を表す潤滑油特性情報を備え、この潤滑油特性情報を用いて前記摩擦トルクの推定を行っている。
本発明に係る失火検出装置は、運動量の一要素たる摩擦トルクを加味した上で失火判定を行うので、失火検出の精度を向上させることができる。特に、その摩擦トルクを負荷が安定している状態で推定することにより正確な摩擦トルクを得ることができ、また、その推定時に所定気筒のフューエルカットを行うことによって、更に正確な摩擦トルクを得ることができる。そして、これが為、より精度の高い失火検出を行うことが可能となる。
以下に、本発明に係る失火検出装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る失火検出装置の実施例1を図1から図6に基づいて説明する。
図1の符号1は、本発明に係る失火検出装置による失火検出対象の内燃機関を示す。この内燃機関1には、図1に示す如く、エアクリーナ(図示略)通過後の吸入空気量を検出して吸入空気量信号を出力するエアフローメータ2,スロットルバルブ(図示略)の開度を検出してスロットル開度信号を出力するスロットル開度センサ3,クランク軸の回転角度を検出してクランク角度信号を出力するクランク角センサ4,冷却水の温度を検出して冷却水温度信号を出力する水温センサ5,及び潤滑油の温度を検出して潤滑油温度信号を出力する油温センサ6等の各種センサが設けられている。
ここで、上記各種センサ2〜6は、その検出信号を図1に示すECU(電子制御ユニット)7に出力する。このECU7は、図示しないCPU(中央演算処理装置),所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory),CPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意された情報等を記憶するバックアップRAM等で構成されている。本実施例1のECU7は、図示しない燃料噴射装置の噴射量等、内燃機関1を制御する為の機関制御機能を有すると共に、本発明に係る失火検出装置としても機能する。
以下、本実施例1の失火検出装置について詳述する。
内燃機関1の摩擦トルクTfは、前述したが如く潤滑油の劣化や粘度等によってその特性が変化する。そして、この摩擦トルクTfは、例えば図3に示す摩擦トルクTfのマップの如く、冷却水温度(又は潤滑油温度)によって摩擦トルクカーブのオフセット量が変化していくという特徴を持っている。これが為、任意の条件(ここでは任意の機関回転数Ne及び水温)における後述する図4に示す摩擦トルクTfが推定できれば、そのオフセット量を勘案した上で略全域の摩擦トルクTfを推定することができる。
そこで、本実施例1の失火検出装置(ECU7)には、潤滑油の劣化等により摩擦トルクTfが変化した場合でも精度の高い失火検出が行えるように、その摩擦トルクTfを推定する為の図1に示す摩擦トルク推定手段7Aが設けられている。
この摩擦トルク推定手段7Aは、内燃機関1の負荷が安定している場合に所定気筒のフューエルカットを行い、その際に推定した摩擦トルクTfと現在の摩擦トルクマップ上の摩擦トルクTfとから略全域の摩擦トルクTfを推定して摩擦トルクマップの書き換えを行うものである。即ち、この摩擦トルク推定手段7Aには、大別すると、ある条件における一点の摩擦トルクTfを推定する為の機能7Aと、この摩擦トルクTfから略全域の摩擦トルクTfを推定して摩擦トルクマップの書き換えを行う為の機能7Aとが設けられている。
また、上記摩擦トルク推定機能7Aは、上述したが如く内燃機関1の負荷の状態を把握した上で摩擦トルクTfの推定を行うものであり、これが為、本実施例1の摩擦トルク推定手段7Aには、内燃機関1の負荷が安定している(内燃機関1が無負荷)か否かを判定する為の図1に示す負荷状態判定機能7Aが設けられている。更に、この摩擦トルク推定手段7Aには、負荷が安定している場合に所定気筒のフューエルカットを行う図1に示すフューエルカット機能7Aも設けられている。
このように、この摩擦トルク推定手段7Aは、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので、その推定値の精度が向上し、後述する如く推定される略全域の摩擦トルクTfの推定精度をも向上させることが可能となる。また、フューエルカットを行うことで燃焼による負荷変動がなくなり、更に精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことができる。
ここで、内燃機関1の負荷が安定している場合とは、例えば(1)車輪へ駆動力を伝達するクラッチが切られている状態である場合,(2)内燃機関1の機関回転数Neが安定している場合,(3)内燃機関1がフューエルカット状態である場合,又は(4)内燃機関1の始動中(即ちクランキング中)である場合のことをいい、上記負荷状態判定機能7Aは、その(1)〜(4)の全て又はその少なくとも一つに基づいて内燃機関1の負荷状態を判定する。
上記(1)のクラッチ切断状況によって負荷の安定状態を判定する場合、この負荷状態判定機能7Aは、例えば手動変速機の車輌であれば運転者がクラッチペダルを踏み込んだ際にECU7に出力されるクラッチ切断状態である旨を示す信号を利用する。このようなクラッチ切断状態においては車輪の回転変動等による路面側からの負荷が入力されないので、より安定した負荷状態になり、上記摩擦トルク推定機能7Aは、より精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことができる。
また、上記(2)の機関回転数Neが安定しているか否かで負荷の安定状態を判定する場合、この負荷状態判定機能7Aは、例えばECU7に入力されるクランク角センサ4の検出信号を利用する。例えば、その機関回転数Neの安定状態とは、アイドリング状態の場合がある。一般に、アイドリング状態である場合とは車輌が停止している場合が殆どであり、これが為、上記(1)と同様に路面等からの負荷が入力されないので、より精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことが可能となる。更に、このような車輌の停止状態で後述する如くフューエルカットを行うので、運転に影響(例えば運転者や同乗者が不快な減速Gを感じる等)を与えないで済む。尚、ここでのアイドリング状態とは、短い時間でも一定のアイドリング回転数を保っている状態のことをいう。
また、上記(3)のフューエルカット状態は、例えばECU7が燃料噴射装置にフューエルカット指令を送信しているか否かで判断する。このようなフューエルカット状態においては燃焼による負荷変動がないので、より安定した負荷状態になり、より精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことができる。尚、このフューエルカット状態を契機として摩擦トルクTfの推定を行う場合には、既にフューエルカットされている状態であるので、後述する推定前のフューエルカットは行わない。
また、上記(4)のクランキング中か否かで負荷の安定状態を判定する場合、この負荷状態判定機能7Aは、例えばECU7に入力されるスタータスイッチ(図示略)のON信号を利用する。このようなクランキング中においては電動モータのみで回転させることから機関回転数Neが安定しているので、より安定した負荷状態になり、より精度の高い摩擦トルクTfの推定を行うことができる。
このように、負荷状態判定機能7Aによって負荷が安定していると判定された場合、本実施例1の摩擦トルク推定機能7Aは、ECU7のROMに格納されている制御プログラム内の下式に基づいて摩擦トルクTfを推定する。以下に、その摩擦トルクTfを得る為の演算式(式2)について詳述する。
下記の式1に、内燃機関1のトルクとクランク軸の角加速度との関係を示す。
Figure 0004487718
ここで、Jは慣性モーメント,dω/dtは角加速度,Tfは摩擦トルク,Tlは負荷トルク,Tiは図示トルクを示す。
前述したが如く、本実施例1においては無負荷時に摩擦トルクTfの測定を行うので、負荷トルクTl=0となる。これが為、上記式1の内燃機関1のトルクとクランク軸の角加速度との関係式については、下記の式2の関係が成り立つ。
Figure 0004487718
この式2によれば、摩擦トルクTfは、慣性トルクJ×(dω/dt)と図示トルクTiが明らかになれば得られることが解る。これが為、本実施例1の摩擦トルク推定手段7Aには、図1に示す如く、慣性トルク推定機能7Aと図示トルク推定機能7Aが設けられている。
ここで、上記慣性モーメントJは、内燃機関1を構成するコンロッドやクランク軸等の各部品のメカニカルパラメータによって予め設計値として決められているものであって、ECU7のバックアップRAMに記憶されている。
また、角加速度dω/dtは、クランク角センサ4の検出信号に基づいてECU7が算出することで求められる。本実施例1のクランク角センサ4は、例えば10°CA周期でクランク角度信号をECU7へと出力する。
これが為、上記慣性トルク推定機能7Aは、クランク角センサ4から取得したクランク角度信号とバックアップRAMに記憶されている情報とから慣性トルクJ×(dω/dt)を推定することができる。
続いて、上記図示トルクTiは、筒内圧によるトルクと往復慣性質量によるトルクを合計したものである。
ここで、本実施例1においては、摩擦トルクTfを推定する際に所定気筒のフューエルカットが行われる。これが為、クランク角度信号等を測定する際の気筒内においては燃焼が行われていないので、かかる場合の筒内圧によるトルクは、機関回転数Neと負荷率(気筒内にどれだけ空気が入ってきているか)から精度良く推測することができる。尚、一般に、この筒内圧トルクは、内燃機関1の制御で用いられているので既にECU7のバックアップRAMに記憶されている。これが為、本実施例1においては、そのバックアップRAMに記憶されている筒内圧トルクを使用する。
また、往復慣性質量によるトルクは、ピストンの設計値の質量から予め決められているものであって、ECU7のバックアップRAMに記憶されている。
これが為、上記図示トルク推定機能7Aは、バックアップRAMに既に記憶されている情報から図示トルクTiを推定することができる。
以上のことから、摩擦トルク推定機能7Aは、推定した慣性トルクJ×(dω/dt)と図示トルクTiを上記式2に代入して摩擦トルクTfを求めることができる。
次に、上記摩擦トルク推定/書換機能7Aについて説明する。この摩擦トルク推定/書換機能7Aには、上記摩擦トルク推定機能7Aによる摩擦トルク推定時の機関回転数Ne及び冷却水温度に該当する図4に示す摩擦トルクマップ上の摩擦トルク(既存摩擦トルク)Tfと、上記摩擦トルク測定機能7Aにより求められた摩擦トルク(現摩擦トルク)Tfとの差を求める機能が設けられている。
ここで、この摩擦トルク推定/書換機能7Aは、その差の分だけ摩擦トルクマップ上の現状の摩擦トルクカーブを縦軸(摩擦トルク軸)方向にオフセット移動させたものの各点を新たな摩擦トルクTfと推定する。これが為、この摩擦トルク推定/書換機能7Aには、その差の分だけ摩擦トルクマップ上の各水温における現状の摩擦トルクカーブを夫々オフセット移動させる機能が設けられており、これにより摩擦トルクマップの書き換えが行われる。
次に、この失火検出装置には、クランク角センサ4からの検出信号に基づいて内燃機関1の回転変動量ΔNを求め、この回転変動量ΔNが失火判定基準値Nb以上であるか否かで失火の有無を判定する公知の失火判定手段7Bが設けられている。
具体的に、上記失火判定基準値Nbは、機関回転数Neと負荷(負荷トルクTl)という運転状態をパラメータとした失火判定マップとして予め定められている。そして、この失火判定手段7Bには、例えばクランク角センサ4の検出信号から得た機関回転数Neを一点火毎に読み込み、前回点火時の機関回転数Neと今回点火時の機関回転数Neとの差分から回転変動量ΔNを算出する機能と、内燃機関1の冷却水温度等の運転状態に応じて所定の失火判定マップをバックアップRAMから読み込む機能と、この失火判定マップから今回点火時の機関回転数Neと負荷とに対応する失火判定基準値Nbを読み込み、上記回転変動量ΔNとの比較により失火の有無を判定する機能とが設けられている。
ここで、その失火判定マップは、車輌開発時の設計値や実験値に基づいて機関回転数Neと負荷と失火判定基準値Nbとの対応関係が所定のものとして予め定められる。これが為、潤滑油の劣化等により摩擦トルクTfが変化している場合、従来は、失火判定マップにその変化量が加味されないので、的確な精度の高い失火判定ができない。
そこで、本実施例1の失火判定手段7Bには、上記摩擦トルク推定手段7Aにより書き換えられた最新の摩擦トルクマップで回転変動量ΔNを補正する機能が設けられており、この補正後の回転変動量ΔNと上記失火判定基準値Nbとを比較して失火判定を行う。これにより、潤滑油の劣化等で摩擦トルクTfが変動したとしても、その変動した摩擦トルクTfを加味した精度の高い失火検出を行うことができる。
尚、ここでは上述したものを失火判定手段7Bの一例として説明するが、その失火検出方法は回転変動量に基づいたものであれば何れのものであってもよい。
次に、本発明に係る失火検出装置の動作説明を図2のフローチャートに基づいて行う。
最初に、この失火検出装置の摩擦トルク推定手段7Aの動作説明を行う。
この摩擦トルク推定手段7Aは、例えばイグニッションを「ON」にしてから「OFF」にするまでの間に少なくとも一回又は所定期間毎に、摩擦トルクマップの学習/変更を行う。先ず、この摩擦トルク推定手段7Aは、図2に示す如く、内燃機関1の負荷が安定状態にあるか否かを判定している(ステップST1)。ここで、この摩擦トルク推定手段7Aは、負荷が安定状態に無ければ処理を終了し、安定状態にあれば所定気筒(例えばここでは1番気筒)のフューエルカットの指令を燃料噴射装置に対して行う。
これによりその所定気筒のフューエルカットが行われ(ステップST2)、しかる後、この摩擦トルク推定手段7Aは、このフューエルカット状態において摩擦トルクTfの推定を行う(ステップST3)。
このステップST3において、摩擦トルク推定手段7Aは、フューエルカット状態でクランク角センサ4から取得したクランク角度信号に基づいて角加速度dω/dtを算出し、この角加速度dω/dtとバックアップRAMに記憶されている慣性モーメントJとを乗算して慣性トルクJ×(dω/dt)を求める。また、バックアップRAMに記憶されている筒内圧トルクと往復慣性質量トルクとを加算して図示トルクTiを求める。そして、この摩擦トルク推定手段7Aは、前述した式2に基づきその図示トルクTiから慣性トルクJ×(dω/dt)を減算して摩擦トルクTfを算出する。
尚、かかる摩擦トルク推定時には、上記クランク角度信号に基づいてECU7で機関回転数Neが算出され、更にECU7に入力された水温センサ5の冷却水温度信号から摩擦トルク測定時の冷却水の温度が明らかになる。
次に、この摩擦トルク推定手段7Aは、バックアップRAMから図3に示す摩擦トルクマップを読み出す(ステップST4)。そして、上記摩擦トルク測定時の機関回転数Ne及び冷却水温度に該当する摩擦トルクマップ上の摩擦トルク(既存摩擦トルク)Tfと、上記ステップST3で求めた摩擦トルク(現摩擦トルク)Tfとを比較して、これらの値に違いがあるか否かを判定する(ステップST5)。
ここで、この摩擦トルク推定手段7Aは、既存摩擦トルクTfと現摩擦トルクTfとが同一の値であれば、潤滑油の劣化等による摩擦トルクTfの変化がないものとして処理を終了する。また、その双方の摩擦トルクTf,Tfの値が異なっていれば、その差分を演算し、この差分を摩擦トルクカーブのオフセット移動量Ofとして定める(ステップST6)。例えば、図4は、機関回転数Ne(例えば2000rpm)における水温60℃の現摩擦トルクTfと既存摩擦トルクTfとを示したものであり、そのオフセット移動量分だけ移動させた摩擦トルクカーブの各点を現在の内燃機関1の摩擦トルクTfと推定する。
そして、この摩擦トルク推定手段7Aは、図5示す如く摩擦トルクマップ上の各水温の摩擦トルクカーブをそのオフセット移動量Ofの分だけ移動させ、この摩擦トルクマップの書き換えを行う(ステップST7)。尚、この摩擦トルクマップは、バックアップRAMへと格納される。
尚、本実施例1の摩擦トルク推定手段7Aは、負荷が安定している場合の任意の条件,即ち負荷が安定している場合の任意の機関回転数Neと冷却水温度における現摩擦トルクTfを推定し、これに基づき略全域の摩擦トルクTfを推定しているが、必ずしもかかる態様に限定するものではない。例えば、負荷が安定し、且つ所定の機関回転数Ne若しくは冷却水温度(潤滑油温度)になったとき,又は所定の機関回転数Ne及び冷却水温度(潤滑油温度)になったときにフューエルカットを行って現摩擦トルクTfを推定してもよい。そして、これによれば更なる推定精度の向上を図ることができる。
次に、この失火検出装置の失火判定手段7Bの動作説明を図6のフローチャートに基づいて行う。
先ず、この失火判定手段7Bは、クランク角センサ4の検出信号から得た機関回転数Neを一点火毎に読み込み、前回点火時の機関回転数Neと今回点火時の機関回転数Neとの差分から回転変動量ΔNを算出する(ステップST11)。そして、今回点火時の機関回転数Neと冷却水温度に基づいて、バックアップRAMの摩擦トルクマップから該当する摩擦トルクTfを読み込み(ステップST12)、この摩擦トルクTfを用いて回転変動量ΔNの補正を行う(ステップST13)。
続いて、この失火判定手段7Bは、上記運転状態に応じた失火判定マップをバックアップRAMから読み出し(ステップST14)、この失火判定マップから今回点火時の機関回転数Neと負荷とに対応する失火判定基準値Nbを読み込む(ステップST15)。
しかる後、この失火判定手段7Bは、その失火判定基準値Nbよりも上記補正後の回転変動量ΔNが大きいか否かを判断する(ステップST16)。
ここで、この失火判定手段7Bは、補正後の回転変動量ΔNが失火判定基準値Nb以下であれば、正常であると判定して本処理を終了し、補正後の回転変動量ΔNが失火判定基準値Nbよりも大きければ失火と判定する(ステップST17)。
以上示した如く、本実施例1の失火検出装置によれば、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので正確な摩擦トルクTfを得ることができる。そして、これにより正確な回転変動量(運動量)ΔNを求めることができるので、失火検出の精度を向上させることができる。
更に、本実施例1の失火検出装置は、摩擦トルクTfを推定する為に新たなセンサ等の部品を用意する必要も無く、また、既に内燃機関1の制御で使用しているバックアップRAMの情報も利用するので、大幅なコスト増加を招かずに精度の高い失火検出を行うことができる。
次に、本発明に係る失火検出装置の実施例2を図7に基づいて説明する。
本実施例2の失火検出装置は、前述した実施例1の失火検出装置と比して、その失火検出方法(失火判定手段7B)が異なる。
本実施例2の失火判定手段7Bには、失火判定の際に読み込んだ失火判定基準値Nbを、上記摩擦トルク推定手段7Aにより書き換えられた最新の摩擦トルクマップで補正する機能が設けられている。これが為、この失火判定手段7Bは、その補正後の失火判定基準値Nbを用いて上記回転変動量ΔNとの比較を行うので、潤滑油の劣化等で摩擦トルクTfが変動したとしても、その変動した摩擦トルクTfを加味した精度の高い失火検出を行うことができる。
尚、本実施例2の失火判定手段7Bは、回転変動量ΔNの算出機能,所定の失火判定マップの読込機能,この失火判定マップから失火判定基準値Nbを読み込む機能,及び失火判定基準値Nbと回転変動量ΔNとの比較による失火判定機能を有する点では実施例1の失火判定手段7Bと同様である。
かかる場合における失火判定手段7Bは、図7のフローチャートに示す如く動作する。
先ず、この失火判定手段7Bは、クランク角センサ4の検出信号から得た機関回転数Neを一点火毎に読み込み、前回点火時の機関回転数Neと今回点火時の機関回転数Neとの差分から回転変動量ΔNを算出する(ステップST21)。そして、バックアップRAMから失火判定マップを読み出し(ステップST22)、更にこの失火判定マップから今回点火時の機関回転数Neと負荷とに対応する失火判定基準値Nbを読み込む(ステップST23)。
しかる後、この失火判定手段7Bは、その失火判定基準値Nbの機関回転数Neと今回点火時の冷却水温度に基づいて、バックアップRAMの摩擦トルクマップから該当する摩擦トルクTfを読み込む(ステップST24)。そして、この摩擦トルクTfを用いて失火判定基準値Nbの補正を行い(ステップST25)、この補正後の失火判定基準値Nbよりも上記回転変動量ΔNが大きいか否かを判断する(ステップST26)。
ここで、この失火判定手段7Bは、回転変動量ΔNが補正後の失火判定基準値Nb以下であれば、正常であると判定して本処理を終了し、回転変動量ΔNが補正後の失火判定基準値Nbよりも大きければ失火と判定する(ステップST27)。
以上示した如く、本実施例2の失火検出装置によれば、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので正確な摩擦トルクTfを得ることができ、これを用いて失火判定基準値Nbの補正を行うことで失火検出の精度を向上させることができる。
次に、本発明に係る失火検出装置の実施例3を図8に基づいて説明する。
本実施例3の失火検出装置は、前述した実施例1,2の失火検出装置と比して、その摩擦トルクTfの推定方法(摩擦トルク推定手段7A)が異なる。
実施例1,2においては前述した式2を用いて摩擦トルクTfの推定を行ったが、本実施例3の摩擦トルク推定手段7Aは、内燃機関1を始動させる為の電動モータ(図示略)から摩擦トルクTfの推定を行う。
具体的に、この摩擦トルク推定手段7Aの摩擦トルク推定機能7Aには、内燃機関1の着火前の空転時に電動モータの消費電力を求め、この消費電力から内燃機関1の摩擦トルクTfに相当するモータトルクを求めるモータトルク推定機能が設けられている。
ここで、本実施例3の摩擦トルク推定手段7Aは、実施例1,2と同様の摩擦トルク推定/書換機能7A及び負荷状態判定機能7Aを有している。尚、この負荷状態判定機能7Aは、実施例1で説明したクランキング中か否かで負荷の安定状態を判定するものを適用する。
また、本実施例3にあっては、内燃機関1の着火前の空転時に電動モータの消費電力を求めるので、負荷が安定している場合の所定気筒のフューエルカット機能7Aは設けていないが、必要とあらば設けてもよい。
かかる場合における摩擦トルク推定手段7Aは、図8のフローチャートに示す如く動作する。
この摩擦トルク推定手段7Aは、電動モータが駆動された際に内燃機関1の負荷が安定状態にあると判断して(ステップST31)、内燃機関1が着火する前の空転時に電動モータの消費電力を求める(ステップST32)。そして、この消費電力から内燃機関1の摩擦トルクTfに相当するモータトルクを推定する(ステップST33)。
即ち、内燃機関1の始動時で且つ着火前であれば、電動モータは、内燃機関1の摩擦トルクTfに打ち勝つようにECU7によって電流の制御が為される。これが為、摩擦トルクTfが大きければ電動モータの消費電力は大きくなるので、この特性を利用して消費電力から摩擦トルクTfの推定を行うことができる。
以降、ステップST34〜ST37までの摩擦トルクマップの書き換え処理は、実施例1,2のステップST4〜ST7までの処理と同じであるので、ここでの説明は省略する。
以上示した如く、本実施例3の失火検出装置によっても、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので正確な摩擦トルクTfを得ることができ、失火検出の精度を向上させることができる。特に、電動モータの消費電力からの摩擦トルクTfの推定は、簡便であり、また、制御プログラム等の構成を簡潔なものとすることができるので有用である。
次に、本発明に係る失火検出装置の実施例4を説明する。
本実施例4の失火検出装置は、前述した実施例1〜3の失火検出装置の摩擦トルク推定手段7Aに、潤滑油の粘性等の特性を検出する潤滑油特性検出機能を備え、この検出された潤滑油の特性に基づいて摩擦トルクTfの推定を行うものである。
例えば、その潤滑油特性検出機能は、冷却水温度又は潤滑油温度が安定してきたときに潤滑油の粘度を測定し、この潤滑油特性情報をバックアップRAMに格納する。かかる処理を繰り返し、今回測定した粘度が前回の測定粘度に対して所定の低下代を超え、更に負荷状態が安定したときに摩擦トルク推定機能7Aによる現摩擦トルクTfの推定を行う。
このように、潤滑油特性情報を利用して摩擦トルクTfの推定を行うことで、その推定精度の更なる向上を図ることができる。
尚、上述した各実施例1〜4により推定された現摩擦トルクTfは、以下の潤滑油の交換時期の判定にも使用することができる。
例えば、潤滑油の交換時期を判断する為の閾値たる摩擦トルク情報をバックアップRAMに格納しておく。そして、この摩擦トルク情報と上記摩擦トルク推定機能7Aにより推定した現摩擦トルクTfとの比較を行って潤滑油の交換時期を判定する潤滑油交換時期判定手段をECU7に設け、更に、交換時期と判定された際に、その旨をインジケータランプや音等で運転者に知らせる警告手段を設けておく。
ここで、その摩擦トルク情報は、実走行等を行った実験データ等から求めたものであり、交換を要するまで潤滑油が劣化した際に上記摩擦トルク推定機能7Aにより推定した摩擦トルクTfを用いる。
本発明に係る失火検出装置を具備する車輌においては、その走行を続けていく中で、上記摩擦トルク推定機能7Aが失火判定を行う為の現摩擦トルクTfの推定を繰り返している。
ここで、上記潤滑油交換時期判定手段は、上記摩擦トルク情報と上記摩擦トルク推定機能7Aにより推定した現摩擦トルクTfとを比較し、現摩擦トルクTfが摩擦トルク情報を超えていれば交換時期と判定する。そして、その際に潤滑油交換時期判定手段は警告手段を作動させる為の指令を送るので、この警告手段が作動して運転者は適切な潤滑油の交換時期を知ることができる。
次に、本発明に係る失火検出装置の実施例5を図9に基づいて説明する。
本実施例5の失火検出装置は、前述した実施例1において失火判定手段7Bを以下の如く変更したものであり、他については実施例1と同様に構成されている。
具体的に、前述した実施例1の失火判定手段7Bは内燃機関1の運転状態を表す回転変動量ΔNをパラメータにして失火の有無を判定するものであるが、本実施例5の失火判定手段7Bについては、内燃機関1の運転状態を表す推定トルク変動量ΔTをパラメータにして失火の有無を判定するよう構成している。
先ず、この本実施例5の失火判定手段7Bは、例えばクランク角センサ4の検出信号から得たクランク軸の角加速度dω/dtを一点火毎に読み込み、前回点火時の角加速度dω/dtと今回点火時の角加速度dω/dtとから夫々求めた推定トルクTの差分から推定トルク変動量ΔTを算出する機能を備えている。
ここで、本実施例5で用いる失火判定基準値Tbについても、実施例1〜4の失火判定基準値Nbと同様に、機関回転数Neと負荷(負荷トルクTl)という運転状態をパラメータとした失火判定マップとして予め定められている。これが為、本実施例5の失火判定手段7Bにおいても、内燃機関1の冷却水温度等の運転状態に応じて所定の失火判定マップをバックアップRAMから読み込む機能が設けられており、その読み込んだ失火判定マップから取得した失火判定基準値Tbを用いて失火判定を行う。
一方、その失火判定マップは機関回転数Neと負荷と失火判定基準値Tbとの対応関係が車輌開発時の設計値や実験値に基づいた所定のものとして予め定められているので、潤滑油の劣化等により摩擦トルクTfが変化している場合には、失火判定マップにその変化量が加味されず、的確な精度の高い失火判定が行えない。
そこで、本実施例5の失火判定手段7Bは、摩擦トルク推定手段7Aにより書き換えられた最新の摩擦トルクマップで上記推定トルク変動量ΔTを補正し、この補正後の推定トルク変動量ΔTと失火判定基準値Tbとを比較して失火判定を行う。これにより、本実施例5の失火判定手段7Bは、潤滑油の劣化等で摩擦トルクTfが変動したとしても、その変動した摩擦トルクTfを加味した精度の高い失火検出を行うことができる。
このようなことから、この失火判定手段7Bには、かかる推定トルク変動量ΔTの補正を行う機能と、読み込んだ失火判定マップから今回点火時の機関回転数Neと負荷とに対応する失火判定基準値Tbを読み込み、この失火判定基準値Tbと補正後の推定トルク変動量ΔTとの比較により失火の有無を判定する機能とが設けられている。
以下に、以上示した如く構成した本実施例5の失火判定手段7Bの動作説明を図9のフローチャートに基づいて行う。
先ず、この失火判定手段7Bは、クランク角センサ4の検出信号から得た角加速度dω/dtを一点火毎に読み込み、前回点火時の角加速度dω/dtと今回点火時の角加速度dω/dtとから夫々求めた推定トルクTの差分から推定トルク変動量ΔTを算出する(ステップST41)。そして、今回点火時の機関回転数Neと冷却水温度に基づいて、バックアップRAMの摩擦トルクマップから該当する摩擦トルクTfを読み込み(ステップST42)、この摩擦トルクTfを用いて推定トルク変動量ΔTの補正を行う(ステップST43)。
続いて、この失火判定手段7Bは、上記運転状態に応じた失火判定マップをバックアップRAMから読み出し(ステップST44)、この失火判定マップから今回点火時の機関回転数Neと負荷とに対応する失火判定基準値Tbを読み込む(ステップST45)。
しかる後、この失火判定手段7Bは、その失火判定基準値Tbよりも上記補正後の推定トルク変動量ΔTが大きいか否かを判断する(ステップST46)。
ここで、この失火判定手段7Bは、補正後の推定トルク変動量ΔTが失火判定基準値Tb以下であれば、正常であると判定して本処理を終了し、補正後の推定トルク変動量ΔTが失火判定基準値Tbよりも大きければ失火と判定する(ステップST47)。
以上示した如く、本実施例5の失火検出装置によれば、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので正確な摩擦トルクTfを得ることができる。そして、これにより正確な推定トルク変動量ΔTを求めることができるので、失火検出の精度を向上させることができる。
尚、本実施例5にあっては、前述した実施例3又は実施例4の摩擦トルク推定手段7Aを用いて摩擦トルクTfの推定を行ってもよい。
次に、本発明に係る失火検出装置の実施例6を図10に基づいて説明する。
本実施例6の失火検出装置は、前述した実施例5の失火検出装置と比して、その失火検出方法(失火判定手段7B)が異なるものである。
本実施例6の失火判定手段7Bには、失火判定の際に読み込んだ失火判定基準値Tbを、上記摩擦トルク推定手段7Aにより書き換えられた最新の摩擦トルクマップで補正する機能が設けられている。これが為、この失火判定手段7Bは、その補正後の失火判定基準値Tbを用いて上記推定トルク変動量ΔTとの比較を行うので、潤滑油の劣化等で摩擦トルクTfが変動したとしても、その変動した摩擦トルクTfを加味した精度の高い失火検出を行うことができる。
尚、本実施例6の失火判定手段7Bは、推定トルク変動量ΔTの算出機能,所定の失火判定マップの読込機能,この失火判定マップから失火判定基準値Tbを読み込む機能,及び失火判定基準値Tbと推定トルク変動量ΔTとの比較による失火判定機能を有する点では実施例5の失火判定手段7Bと同様である。
かかる場合における失火判定手段7Bは、図10のフローチャートに示す如く動作する。
先ず、この失火判定手段7Bは、実施例5のステップST41と同様にして推定トルク変動量ΔTを算出する(ステップST51)。そして、バックアップRAMから失火判定マップを読み出し(ステップST52)、更にこの失火判定マップから今回点火時の機関回転数Neと負荷(負荷トルクTl)とに対応する失火判定基準値Tbを読み込む(ステップST53)。
しかる後、この失火判定手段7Bは、その失火判定基準値Tbの機関回転数Neと今回点火時の冷却水温度に基づいて、バックアップRAMの摩擦トルクマップから該当する摩擦トルクTfを読み込む(ステップST54)。そして、この摩擦トルクTfを用いて失火判定基準値Tbの補正を行い(ステップST55)、この補正後の失火判定基準値Tbよりも上記推定トルク変動量ΔTが大きいか否かを判断する(ステップST56)。
ここで、この失火判定手段7Bは、推定トルク変動量ΔTが補正後の失火判定基準値Tb以下であれば正常であると判定して本処理を終了し、推定トルク変動量ΔTが補正後の失火判定基準値Tbよりも大きければ失火と判定する(ステップST57)。
このように、本実施例6の失火検出装置によれば、負荷が安定している状態で摩擦トルクTfを推定するので正確な摩擦トルクTfを得ることができ、これを用いて失火判定基準値Tbの補正を行うことで失火検出の精度を向上させることができる。
尚、本実施例6にあっても、前述した実施例3又は実施例4の摩擦トルク推定手段7Aを用いて摩擦トルクTfの推定を行ってもよい。
以上のように、本発明に係る失火検出装置は、失火の高精度な検出を行うのに有用であり、特に、かかる高精度な失火検出を低コストで実現するのに適している。
本発明に係る失火検出装置の実施例1の構成の一例を示すブロック図である。 実施例1の失火検出装置における摩擦トルク推定手段の動作説明を示すフローチャートである。 実施例1の失火検出装置の摩擦トルクマップの一例を示す図である。 実施例1の摩擦トルク推定手段で検出した現摩擦トルクと既存摩擦トルクとの関係を図3に示す摩擦トルクマップ上に表した説明図である。 実施例1の摩擦トルク推定手段により書き換えられた摩擦トルクマップの一例を示す図である。 実施例1の失火検出装置における失火判定手段の動作説明を示すフローチャートである。 本発明に係る失火検出装置の実施例2における失火判定手段の動作説明を示すフローチャートである。 本発明に係る失火検出装置の実施例3における摩擦トルク推定手段の動作説明を示すフローチャートである。 本発明に係る失火検出装置の実施例5における失火判定手段の動作説明を示すフローチャートである。 本発明に係る失火検出装置の実施例6における失火判定手段の動作説明を示すフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
4 クランク角センサ
7 ECU
7A 摩擦トルク推定手段
7A 摩擦トルク推定機能
7A 摩擦トルク推定/書換機能
7A 負荷状態判定機能
7A フューエルカット機能
7A 慣性トルク推定機能
7A 図示トルク推定機能
7B 失火判定手段

Claims (12)

  1. 内燃機関の運転状態をパラメータにして失火の検出を行う内燃機関の失火検出装置であって、
    前記内燃機関における或る運転状態の摩擦トルクを推定し、該推定した摩擦トルクと現在記憶されている全域の運転状態における摩擦トルクの情報とから最新の前記全域の運転状態における摩擦トルクを推定する摩擦トルク推定手段と、該摩擦トルク推定手段により求められた摩擦トルクを用いて失火の判定を行う失火判定手段と、を備えたことを特徴とする失火検出装置。
  2. 前記摩擦トルク推定手段は、前記内燃機関の負荷の状態を判定する負荷状態判定機能を有し、該負荷状態判定機能により負荷が安定状態にあると判定された場合に前記摩擦トルクの推定を行うことを特徴とする請求項1記載の失火検出装置。
  3. 前記負荷状態判定機能は、車輪に駆動力を伝達するクラッチが切断状態である場合に負荷が安定状態にあると判定することを特徴とした請求項2記載の失火検出装置。
  4. 前記負荷状態判定機能は、前記内燃機関の機関回転数が安定している場合に負荷が安定状態にあると判定することを特徴とした請求項2記載の失火検出装置。
  5. 前記機関回転数の安定状態とは、前記内燃機関がアイドリング状態の場合であることを特徴とする請求項4記載の失火検出装置。
  6. 前記負荷状態判定機能は、前記内燃機関をクランキング中の場合に負荷が安定状態にあると判定することを特徴とした請求項2記載の失火検出装置。
  7. 前記負荷状態判定機能は、前記内燃機関がフューエルカット状態である場合に負荷が安定状態にあると判定することを特徴とした請求項2記載の失火検出装置。
  8. 前記摩擦トルク推定手段は、前記負荷状態判定機能により負荷が安定状態にあると判定された場合に所定気筒のフューエルカットを行うフューエルカット機能を有し、該フューエルカットが行われた際に前記摩擦トルクの推定を行うことを特徴とする請求項1から6の何れか一つに記載の失火検出装置。
  9. 前記摩擦トルク推定手段は、前記内燃機関の図示トルクを推定する図示トルク推定機能と、前記内燃機関の慣性トルクを推定する慣性トルク推定機能とを有し、該図示トルクと慣性トルクの差分から前記摩擦トルクの推定を行うことを特徴とする請求項1から8の何れか一つに記載の失火検出装置。
  10. 前記摩擦トルク推定手段は、所定の機関回転数又は/及び温度である場合に前記摩擦トルクの推定を行うことを特徴とする請求項1から9の何れか一つに記載の失火検出装置。
  11. 前記摩擦トルク推定手段は、前記クランキングを行う電動モータのモータトルクを推定するモータトルク推定機能を有し、該モータトルクから前記摩擦トルクの推定を行うことを特徴とする請求項6記載の失火検出装置。
  12. 前記摩擦トルク推定手段は、潤滑油の粘性等の特性の変化を表す潤滑油特性情報を備え、該潤滑油特性情報を用いて前記摩擦トルクの推定を行うことを特徴とする請求項1から11の何れか一つに記載の失火検出装置。
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