JP4484995B2 - 不飽和ニトリルを製造する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動床反応器を用いて、担体に担時されたモリブデン、アンチモン、バナジウムおよびニオブを含有する触媒を用いて、プロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化反応を行って対応する不飽和ニトリルを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プロピレンまたはイソブチレンに替わってプロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化して対応する不飽和ニトリルを製造するために用いる触媒が多数提案されて、特にモリブデンを含有する酸化物触媒が着目されている。
例えば、Mo-Te-V-Nb系酸化物触媒が、米国特許第5,049,692号公報、米国特許第5,422,328号公報、欧州特許第529853B1号公報、特開平7−232071号公報、特開平7−289907号公報、特開平7−315842号公報、特開平8−57319号公報、特開平8−141401号公報等に開示されている。
【0003】
同様にモリブデンを含有するMo-Sb-V系酸化物触媒が特開平10−330343などに開示されており、例えばMo-Sb-V-Nb系酸化物触媒が例示されている。
また、Mo-Te系酸化物触媒が特開平7−215926公報に、Mo-Te-Cr系酸化物触媒が米国特許第5,171,876号公報に、W-Te-V系酸化物触媒が特開平6−228073号公報に、そして、V-Sb-Te系酸化物触媒が米国特許第5,079,207号公報、欧州特許第337028A1号公報等に開示されている。
【0004】
上記の公報に開示されたモリブデンを含有する酸化物触媒はアンモ酸化反応の経過と共に触媒が劣化して不飽和ニトリルの収率が低下することが認められている。
米国特許第4,709,070号公報、特開平1−41135号公報は有機化合物の酸化反応、アンモ酸化反応または酸化脱水素反応において、テルルを含有する酸化物触媒の存在下、テルル化合物またはテルル化合物とモリブデン化合物の組み合わせを添加して劣化した触媒を賦活する方法を開示している。
しかしながら、これらの公報はメタノールのアンモ酸化反応、プロピレンのアンモ酸化反応、トルエンのアンモ酸化反応およびブテンの酸化脱水素反応の実施例を記載するにとどまり、本願の発明プロセスに用いる、シリカに担持されたモリブデン、アンチモン、バナジウムおよびニオブを含有し、且つ、触媒調製時にテルルを含有しない酸化物触媒について具体的記載はなく、また実施例にもこの触媒を用いるプロパンまたはイソブタンのアンモ酸化反応を記載していない。
【0005】
米国特許第3,882,159号公報、独国特許第3,331,521号公報、WO9733863A1号公報等はモリブデンを含有する酸化物触媒の存在下、モリブデン化合物を賦活剤として添加しながら、不飽和ニトリルを製造する方法を開示しているが、プロピレンまたはイソブチレンの気相接触アンモ酸化反応に関するものである。
特開平10−137585号報、特開平11−285636号報、特開平11−285637号報ではモリブデン、バナジウム、アンチモンとニオブまたはタンタルからなる金属酸化物触媒によりプロパンの反応、プロパンよりアクリル酸を合成する開示があるが、これらの公報はプロパンの酸化反応の実施例を記載するに留まり、本願の発明プロセスに用いるプロパンもしくはイソブタンのアンモ酸化反応を記載していない。
【0006】
従来技術の中でプロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化して対応する不飽和ニトリルの収率低下を解決できる具体策な技術開示は本発明者らが開示した特開平11−124361がある。この中でテルルを必須成分として触媒調製時から当該元素を含有する触媒系にテルル化合物を添加し触媒の性能低下を抑制する技術を開示した。
ただこの技術は触媒調製時からテルルを必須成分として含有しない触媒に関しては何ら技術開示しておらず。且つ、テルル化合物を添加することにより劣化した触媒の性能を改善する技術開示はあるものの添加により初期の触媒性能を向上させる技術に関しては何ら技術開示はなかった
【0007】
このように従来技術では目的とする不飽和ニトリルの収率が不十分であり、更にプロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化して対応する不飽和ニトリルを製造する際に、モリブデン、バナジウム、アンチモンとニオブを含有し、且つ、触媒調製時にテルルを含まない触媒にテルル化合物もしくはモリブデン化合物とテルル化合物を添加する技術はもちろん、モリブデン、バナジウム、アンチモンとニオブを含有し、且つ、触媒調製時にテルルを含まない触媒の性能を添加技術により向上させる具体策は提案されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、モリブデン、バナジウム、アンチモン、ニオブを含有し、且つ、触媒調製段階にテルルを含有しない酸化物触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンで気相接触アンモ酸化反応を行い、高収率で安定的に対応する不飽和ニトリルを製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため、モリブデン、バナジウム、アンチモン、ニオブを含有し、且つ、触媒調製時にテルルを含有しない酸化物触媒を用いてプロパンまたはイソブタンを気相接触アンモ酸化して対応する不飽和ニトリルを高収率かつ安定に製造する方法について鋭意研究した結果、テルル化合物、またはモリブデン化合物とテルル化合物を該反応時に反応器に添加することにより、特異的にニトリル選択率の向上を見い出し、本発明をなすに至った。
【0010】
すなわち本発明は(1)流動床反応器を用いて、担体に担持されたモリブデン、バナジウム、アンチモンおよびニオブを含有し、且つ、触媒調製段階でテルルを含有しない酸化物触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンをアンモニアおよび分子状酸素と気相接触アンモ酸化反応を行って対応する不飽和ニトリルを製造するに当たり、該製造時、テルル化合物、またはテルル化合物とモリブデン化合物を該流動床反応器に添加する事を特徴とする不飽和ニトリルの製造方法。
【0011】
(2)該酸化物触媒が、10〜60重量%のシリカに担持された下記一般式で表わされる成分組成を有することを特徴とする上記(1)に記載の方法;
Mo1VaSbbNbcXdOn
(上式において、XはB、W、P、Sn、Cu、Cr、Re、Hf、Ta、Ti、Zr、Sb、Bi、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Zn、Al、Ga、In、Tlおよびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、a、b、c、dおよびnはMo1原子当たりのV、Sb、Nb、X、Oの原子比を表し、aは0.01≦a≦1.0、bは0.01≦b≦1.0、cは0.01≦c≦1.0、dは0≦d≦1.0、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
【0012】
(3)該テルル化合物もしくは該テルル化合物と該モリブデン化合物の添加量が重量で該酸化物触媒1当たり0.1相当以下である上記(1)又は(2)に記載の不飽和ニトリルの製造方法。
(4)該テルル化合物がテルル酸であり、該モリブデン化合物がヘプタモリブデン酸アンモニウムである上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法である。
【0013】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の要点は触媒に添加剤を添加することにある。本発明の添加剤の添加を適用できる触媒は、担体に担持された、モリブデン、アンチモン、バナジウム、およびニオブを含有し、触媒調製時にテルルを含有しない酸化物であり、更に詳しくは、下記の一般組成式で表現される酸化物である。
Mo1VaSbbNbcXdOn
(上式において、XはB、W、P、Sn、Cu、Cr、Re、Hf、Ta、Ti、Zr、Sb、Bi、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Zn、Al、Ga、In、Tlおよびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、a、b、c、dおよびnはMo1原子当たりの原子比を表し、aは0.01≦a≦1.0、bは0.01≦b≦1.0、cは0.01≦c≦1.0、dは0≦d≦1.0、好ましくはaは0.2≦a≦0.6、bは0.05≦b≦0.5、cは0.05≦c≦0.5、dは0.005≦d≦0.05、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
【0014】
本発明で添加剤として用いられるテルル化合物とモリブデン化合物はテルル酸(H6TeO6)、二酸化テルル(TeO2)、三酸化テルル(TeO3)、有機テルル、ヘプタモリブデン酸アンモニウム((NH3)6Mo7O24・4H2O)、モリブデン酸(H2MoO4)、二酸化モリブデン(MoO2)、三酸化モリブデン(MoO3)、などから選ぶことができ、テルル酸とヘプタモリブデン酸アンモニウムが好ましい。
【0015】
本発明の、プロパンまたはイソブタンのアンモ酸化反応によるアクリロニトリルまたはメタクリロニトリルの製造は流動床反応器を用いて行う。反応の経過と共に該ニトリルの収率が低下するが、本発明の添加剤を、反応時、流動床反応器に添加することにより収率を改善することができる。添加は、粉末状の添加剤を配管を通して空気、窒素等の気流と共に反応器内に圧送して行うことが出来る。添加剤を流動床反応器の濃厚層部に圧送することによって、触媒と添加剤の良好な混合接触を得ることが出来る。この添加は連続的にも、間欠的にもおこなうことができ、このように、添加剤の添加はアンモ酸化反応を停止することなく行うことが出来るので、反応停止によるニトリル生産の損失は生じない。
【0016】
本発明の添加剤の中で、テルル化合物を添加に用いるときに実質的に十分な触媒性能向上効果を得ることができる。モリブデン化合物は補助的添加剤として用いることができる。
本発明の添加剤のテルル化合物もしくはテルル化合物とモリブデン化合物の添加量は、重量で触媒1に対して0.1相当以下、好ましくは、0.02相当以下である。
【0017】
テルル化合物もしくはテルル化合物とモリブデン化合物の添加頻度は1〜30日に1回、好ましくは1〜7日に1回である。
テルル化合物の添加量と頻度は、簡便には、テルル化合物を少量づつ添加しながら、アンモ酸反応の成績を追跡して決定することができる。
アンモ酸化反応時、添加剤を添加した後の不飽和ニトリルの収率は、添加剤を添加しない場合に比べて向上する。
【0018】
本発明で言う触媒の収率向上は触媒中のテルル含量とアンモ酸化反応の成績との間に直接的な関係があるとはいいきれない。すなわち触媒にテルル化合物もしくはテルル化合物とモリブデン化合物を添加することにより収率向上が見られても、単に触媒調製段階に同じ量に相当するテルル化合物もしくはテルル化合物とモリブデン化合物を加えるだけでは収率の向上効果は見られない。
本願発明の添加剤の添加効果発現の機構も十分には明らかでない。流動床アンモ酸化反応時、添加した粉末状テルル化合物もしくは粉末状モリブデン化合物が、反応器内で触媒粒子表面に接触して、触媒粒子を構成する複合酸化物の活性点との物理的もしくは化学的反応に関与することが考えられる。
【0019】
本発明の酸化物触媒は、担体に担持された担持触媒であるが、好ましくはシリカ担持触媒である。またこの担体に含有されるアルカリ化合物の濃度は5000ppm以下であること、好ましくは1000ppmであることが好ましい。本発明の酸化物触媒がシリカ担持触媒の場合、高い機械的強度を有するので、流動床反応器を用いたアンモ酸化反応に好適である。シリカ担体の含有量は、触媒構成元素の酸化物とシリカ担体から成るシリカ担持酸化物触媒の全重量に対して、SiO2換算で10〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜55重量%である。
【0020】
本発明の酸化物触媒を製造するための成分金属の原料は特に限定されないが、例えば、下記の化合物を用いることができる。
MoとVの原料は、それぞれ、ヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NH4)6Mo7O24・4H2O]とメタバナジン酸アンモニウム[NH4VO3]を好適に用いることができる。
ニオブは、ニオブの有機酸塩として用いる事が好ましく、有機酸としては、ジカルボン酸、好ましくはシュウ酸が用いられる。
【0021】
Nbの原料としてはニオブ酸、ニオブの無機酸塩およびニオブの有機酸塩を用いることができる。特にニオブ酸がよい。
ニオブ酸はNb2O5・nH2Oで表され、ニオブ水酸化物または酸化ニオブ水和物とも称される。更に有機酸/ニオブのモル比が2〜4のNb原料液として用いることが好ましい。
Sbの原料としてはSb2O3、Sb2O5、金属アンチモン等が挙げられるが三酸化二アンチモン〔Sb2O3〕を用いる事が好ましい。
【0022】
本発明の酸化物触媒の製造方法は、一般的な方法で調製することができる。例えば、(1)原料混合液の調合工程、(2)工程(1)で得られた原料混合液を乾燥し、触媒前駆体を得る工程、(3)工程(2)で得られた触媒前駆体を焼成する工程の3つの工程を経て製造することができる。
本発明の触媒調整段階とは、上記(1)乃至(3)工程のことを言い、流動床反応器内でアンモ酸化反応が開始された後の段階は含まない。
【0023】
以下に、工程(1)〜(3)からなる本発明の酸化物触媒の好ましい調製例を説明する。尚、本発明で言う触媒調製段階でテルルを含有しないとはこの調製例の中の原料調合工程でテルルを含有しない触媒を指す。
【0024】
(工程1:原料調合工程)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸アンモニウムおよび
三酸化二アンチモン粉末を分散したスラリーをリフラックス条件下に加熱して混合液(A)を調製する。
ニオブ酸とシュウ酸を水中で加熱撹拌して混合液(B)を調製する。
必要に応じて酸化物触媒の成分X(B、W、P、Sn、Cu、Cr、Re、Hf 、Ta、Ti、Zr、Sb、Bi、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Zn、Al、Ga、In、Tlおよびアルカリ土類金属)の原料化合物を含む混合液(C)を調製する。
目的とする組成に合わせて、混合液(A)、混合液(B)、混合液(C)を好適に混合して、原料調合液を得る。
【0025】
本発明のアンモ酸化用触媒がシリカ担持触媒の場合、シリカゾルを含むように原料調合液が調製される。シリカゾルは適宜添加することができる。
更に、混合液(A)、または、調合途中の混合液(A)の成分を含む液に、過酸化水素を添加することが好ましい。この時、H2O2/Sb(モル比)は0.1〜2、特に1〜1.5が好ましい。また、この時、30℃〜70℃で、30分〜2時間撹拌を続けることが好ましい。
この様にして得られる原料調合液は均一な溶液の場合もあるが、大抵はスラリーである。
【0026】
(工程2:乾燥工程)
原料調合工程で得られた原料調合液を噴霧乾燥法によって乾燥させ、乾燥粉体を得る。噴霧乾燥法における噴霧化は遠心方式、二流体ノズル方式または高圧ノズル方式を採用することができる。乾燥熱源は、スチーム、電気ヒーターなどによって加熱された空気を用いることができる。熱風の乾燥機入口温度は150〜300℃が好ましい。
【0027】
(工程3:焼成工程)
乾燥工程で得られた乾燥粉体を焼成することによって酸化物触媒を得る。焼成は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの実質的に酸素を含まない不活性ガス雰囲気下、好ましくは、不活性ガスを流通させながら、500〜800℃、好ましくは550〜700℃で実施する。焼成時間は0.5〜20時間、好ましくは1〜8時間である。
【0028】
焼成は、回転炉、トンネル炉、管状炉、流動焼成炉等を用いて行うことができる。焼成は反復することができる。
焼成工程の前に、乾燥粉体を大気雰囲気下または空気流通下で200〜400℃、1〜5時間で前焼成することも好ましい。
このようにして製造された酸化物触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンをアンモニアおよび酸素と気相接触アンモ酸化反応させて、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルを製造する。
【0029】
プロパンまたはイソブタンとアンモニアの供給原料は必ずしも高純度である必要はなく、工業グレードのガスを使用できる。
供給酸素源として空気、酸素を富化した空気または純酸素を用いることができる。更に、希釈ガスとしてヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気、窒素などを供給してもよい。
反応に供給するアンモニアのプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.3〜1.5、好ましくは0.8〜1.0である。
【0030】
反応に供給する酸素のプロパンまたはイソブタンに対するモル比は0.1〜6、好ましくは0.5〜4である。
反応温度は350℃〜500℃、好ましくは380℃〜470℃である。
反応圧力は1*104〜5*105Pa、好ましくは5*104〜3*105Paである。
【0031】
接触時間は0.1〜10(sec・g/cc)、好ましくは0.5〜5(sec・g/cc)である。本発明において、接触時間は次式で決定される。
接触時間(sec・g/cc)=(W/F)×273/(273+T)×(P+1.013*105)/P
ここで
W=充填触媒量(g)
F=標準状態(0℃、1.013*105Pa)での原料混合ガス流量(Ncc/sec)
T=反応温度(℃)
P=反応圧力(Pa)
である。
【0032】
反応方式は、流動床、移動床など従来の方式を採用できるが、反応熱の除去が容易な流動床反応器が好ましい。
また、本発明の反応は、単流式であってもリサイクル式であってもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の酸化物触媒について、触媒の調製実施例およびプロパンの気相接触アンモ酸化反応によるアクリロニトリルの製造実施例を用いて説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれら実施例に限定されるものではない。
プロパン転化率(%)=(反応したプロパンのモル数)/(供給したプロパンのモル数)×100
アクリロニトリル選択率(%)=(生成したアクリロニトリルのモル数)/(反応したプロパンのモル数)×100
【0034】
【実施例1】
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo1V0.33Sb0.22Nb0.07/50wt%−SiO2で示される酸化物触媒を次のようにして調製した。
水2200gにヘプタモリブデン酸アンモニウム〔(NH4)6Mo7O24・4H2O〕を412.87g、メタバナジン酸アンモニウム〔NH4VO3〕を90.55g、三酸化二アンチモン〔Sb2O3〕を74.47g加え、攪拌しながら3時間30分間加熱還流した後、約70℃まで冷却して混合液A−1を得た。
【0035】
水275gにNb2O5として76.6重量%を含有するニオブ酸を38.53g、シュウ酸二水和物〔H2C2O4・2H2O〕を69.98g加え、攪拌しながら約60℃に加熱し溶解させたのち、約30℃まで冷却した混合液B−1を得た。
得られた混合液A−1にSiO2として30wt%を含有するシリカゾル1666.7gを添加した。液温は約50℃に低下した。更に、H2O2として15wt%を含有する過酸化水素水115.8gを添加し、50℃で1時間撹拌を続けた。その間、液の色は濃紺から赤茶色に変化した。次に混合液B−1を添加して原料調合液を得た。
【0036】
得られた原料調合液を、遠心式噴霧乾燥器に供給して乾燥し、微小球状の乾燥粉体を得た。乾燥機の入口温度は210℃、そして出口温度は120℃であった。
得られた乾燥粉体を100gを直径1インチのガラス管に充填し、600Ncc/minの窒素ガス流通下、640℃で2時間焼成して触媒を得た。
【0037】
(プロパンのアンモ酸化反応)
内径25mmのバイコールガラス流動床型反応管に調製して得られた触媒を45g充填し、反応温度440℃、反応圧力1.507*105 Pa下にプロパン:アンモニア:酸素:ヘリウム=1:0.85:1.8:5.0のモル比の混合ガスを接触時間3.0(sec・g/cc)で通過させ、性能の経時変化を追った。
【0038】
(経時変化と添加効果)
反応開始24時間後の反応成績は転化率が50.0%、選択率が54.7%であった。反応開始から48時間後に反応時、添加剤として粉末状のテルル酸0.5g〔H6TeO6〕を、窒素気流と共に配管を通して反応器に圧入した。
【0039】
添加直後から反応成績が回復し始め、5時間後には、転化率が50.0%、選択率が56.6%であった。100時間後の反応成績は転化率が49.7%、選択率が56.3%であった。反応開始から24時間後と53時間後と100時間後の反応成績を表1に示す。
以後、反応を継続して、反応開始から200時間、300時間、400時間、500時間に同様にテルル酸を0.1gづつ添加した。510時間後の反応成績は、転化率が50.0%、選択率が56.4%となり高い選択率を維持することができた。
得られた結果を表1に示す。
【0040】
【実施例2】
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo1V0.3Sb0.20Nb0.07/50wt%−SiO2で示される酸化物触媒を実施例1と同様にして調製した。
(プロパンのアンモ酸化反応)
得られた触媒を用いて、実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。
(経時変化と添加効果)
反応開始から48時間後に反応時、添加剤として粉末状のテルル酸0.1g〔H6TeO6〕とヘプタモリブデン酸アンモニウム[(NH4)6Mo7O24・4H2O]0.1gを、窒素気流と共に配管を通して反応器に圧入した。反応開始24時間後と反応開始後53時間後の反応成績を表1に示す。
【0041】
【比較例1】
(触媒の調製)
仕込み組成式がMo1V0.33Sb0.22Nb0.07/50wt%−SiO2で示される酸化物触媒を実施例1と同様にして調製した。
(プロパンのアンモ酸化反応)
得られた触媒を用いて、実施例1と同様な方法でアンモ酸化反応を行った。
(経時変化と添加効果)
テルル酸を添加しないで反応直後と反応開始24時間後と53時間後の反応評価を行った。得られた結果を表1に示す。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、モリブデン、バナジウム、アンチモン、ニオブを含有し、且つ、触媒調製時にテルルを含有しない酸化物触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンで気相接触アンモ酸化反応を行い、高収率で安定的に対応する不飽和ニトリルを製造する方法を提供することを目的とする。

Claims (4)

  1. 流動床反応器を用いて、担体に担持されたモリブデン、バナジウム、アンチモンおよびニオブを含有し、且つ、触媒調製段階でテルルを含有しない酸化物触媒の存在下、プロパンまたはイソブタンをアンモニアおよび分子状酸素と気相接触アンモ酸化反応を行って対応する不飽和ニトリルを製造するに当たり、該製造時、テルル化合物、またはテルル化合物とモリブデン化合物を該流動床反応器に添加する事を特徴とする不飽和ニトリルの製造方法。
  2. 該酸化物触媒が、10〜60重量%のシリカに担持された下記一般式で表わされる成分組成を有することを特徴とする請求項1に記載の方法;
    Mo1VaSbbNbcXdOn
    (上式において、XはB、W、P、Sn、Cu、Cr、Re、Hf、Ta、Ti、Zr、Sb、Bi、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Pt、Zn、Al、Ga、In、Tlおよびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種類以上の元素であり、a、b、c、dおよびnはMo1原子当たりのV、Sb、Nb、X、Oの原子比を表し、aは0.01≦a≦1.0、bは0.01≦b≦1.0、cは0.01≦c≦1.0、dは0≦d≦1.0、そして、nは構成金属元素の酸化数によって決まる酸素の原子比である。)
  3. 該テルル化合物もしくは該テルル化合物と該モリブデン化合物の添加量が重量で該酸化物触媒1当たり0.1相当以下である請求項1又は2に記載の不飽和ニトリルの製造方法。
  4. 該テルル化合物がテルル酸であり、該モリブデン化合物がヘプタモリブデン酸アンモニウムである請求項1乃至3のいずれかに記載の不飽和ニトリルの製造方法。
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