JP4483047B2 - ロボットの制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,産業用ロボットの制御装置に関し、更に詳しく言えば、ロボットを対象物に接触させながら教示を行い、再生自動運転時にロボットと対象物の接触状態の監視を自動で行うことが可能な制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のロボットを駆動するモータの制御装置は位置ループと速度ループを持った位置速度制御系で高い制御剛性の制御が行われていたため、組立や研磨、ハンドリングなど接触作業の教示を行う場合でも、非接触教示が基本であった。これは、教示作業中にロボットが対象物体に接触した場合には、高い剛性の制御により位置偏差や速度偏差が増大することでモータが過大なトルクを発生してしまい、対象物であるワークやロボット自身を破損する危険性があったからである。しかし、ロボットやロボット先端に取り付けられたツールを、ワークや周辺機器に接触させないようにロボットを誘導することは、精神的にも肉体的にも非常に疲労が伴うものであった。
そこで、接触作業の教示を、ロボットの制御剛性を下げた状態で、実際にロボットを対象物に接触させて行う方式がある。例えば特開平9−62335号公報に開示されている先行技術では、ソフトフローティング機能を用いて教示を行う方法がある。この先行技術では、図10に示すような制御系において、目標とする教示位置に対するアプローチ点から位置ループと速度ループのゲインKp、Kvを下げることでソフトフローティング機能を有効にする。このソフトフローティング機能を有効にしたまま、目標教示点に向けて手動動作でロボットを移動させ、エンドエフェクタをワーク表面に押し付ける。押し付け完了指令を入力すると、設定されたサーボ制御の剛性に対応した押し付け力とこれに対する反力がバランスした位置を教示点として記憶するものである。
【0003】
一方、接触作業時の目標とする教示点をワークの内部に持つことが有効な場合がある。これは、再生自動運転時に通常の高剛性の位置速度制御でロボットを動作させた場合、ワークの表面上の教示点だけでは、ワークの加工誤差や位置ズレに対応できず、接触作業を維持できない場合である。十分に接触状態を保つためには、ワーク表面から内部に入り込んだ教示点を持つ必要がある。
このことを、ワーク同志の面合わせを接触させながら行う仮組作業の再生運転を例に説明する。仮組作業ではベースとなるワークAの面と仮組みされるワークBの面を隙間無く合わせる必要がある。しかし、ワークAの表面上に教示された教示点にワークBを移動させるだけでは、ワークの加工誤差や位置ズレがある場合にワーク間に隙間が生じて作業が失敗してしまう。そのため、再生自動運転中にロボットの制御剛性を下げてロボットが過大なトルクを発生させないなどの柔軟制御を実行し、ワークA内部にある教示点に向けてワークBが移動することでワークBをワークAに押し付け気味にすることができ、隙間無くワークの面同志を合わせることができる。
ワーク内部に教示点を作成する方法として、教示者は操作ペンダント上のジョグボタンを押して、ロボットをワーク表面の教示点まで慎重に誘導して教示点を記憶する。教示点の記憶後に、空間上でシフトさせる数値演算を用いて、必要とされる接触作業の教示点をワーク内部に修正し、再記憶していた。
また、予めワークを外した状態で教示を行う方法もある。これは、ワークの近傍まではロボットを大まかに誘導しておき、教示点を作成する段階でワークを取り外す。その後で、ワークのあった空間上の点を教示点として記憶させる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特開平9−62335号公報に記載された方法では、教示作業時に位置ループと速度ループのゲインを下げていても、位置指令が必要以上にワーク内部に入り込めば位置偏差や速度偏差も大きくなり、結果として大きい作用力がエンドエフェクタやワークに働くことになり、ワークやエンドエフェクタやロボット自身の破損の危険性がある。逆に、ループゲインを十分に小さくして剛性を下げてしまうと、指令に対してロボットが動作しないため、目標教示位置まで移動できなかったり、十分な接触状態にならないという問題がある。更に、教示点をワーク内部に作成できないために、再生運転時にワークの加工誤差や位置ズレがある場合に、十分な押し付け力が得られずに作業が失敗してしまうという問題もある。
また、ワーク表面に教示された点を演算でワーク内部に移動する方法では、ロボットやロボット先端に取り付けられたツールを、ワークや周辺機器に接触させないようにロボットを誘導することは、精神的にも肉体的にも非常に疲労が伴うものである。更に、教示点の記憶後に修正を行うことは時間もかかり、修正方向を記憶しておく必要もあり、修正方向を間違える危険性もあった。
さらに、ワークを外した状態で教示を行う方法では、目標とする位置が空間上にあるため、ワーク表面からの距離が把握しづらく大まかにしか教示点を作成することができず、ワーク表面に対するロボットのツールの姿勢を正確に合わせることも難しいという問題があった。
一方で、教示作業時にはエンドエフェクタとワークの間に隙間が発生しないように接触状態は教示者が目視で判断できるが、再生自動運転時には教示者により監視することは作業効率を著しく低下させるという問題がある。
そこで本発明は、ロボットの教示作業でロボットを対象物に接触させながら教示可能であり、教示点を記憶する際に2つの教示点(姿勢)を自動作成し、再生自動運転時に接触状態の監視や作業条件の選択、制御状態量の変更を自動で行うことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題点を解決するため、第1の請求項では、関節を駆動するモータの制御回路と関節角度を計測する位置検出器を持つロボットの制御装置であって、前記制御回路が、位置指令と前記位置検出器により計測された位置信号との偏差に位置ゲインを乗じる位置制御器と、この位置制御器の出力と前記位置信号を微分した信号との偏差に基づいて速度指令を出力する速度制御器と、この速度制御器の出力に比例ゲインを乗じる速度制御比例器および積分演算を行う速度制御積分器とにより構成されるロボットの制御装置において、前記制御回路の速度制御積分器の後段に設けた速度制御積分制限器と、この速度制御積分制限器の出力と前記速度制御比例器の出力との加算点の後段に設けたトルク制限器からなる柔軟制御手段と、前記ロボットの作業プログラムの教示作業時に教示者が手動操作により対象物体に前記ロボットのエンドエフェタを押し付けた際に前記位置検出器により計測された位置信号をもとに順変換を行ってロボット座標系での現在位置を演算するとともに、前記対象物体に設定されたワーク座標系に基づいて、前記現在位置から前記エンドエフェクタが接触している前記対象物体の表面に対して垂直な方向で予め決められた一定量だけ前記対象物体の表面内部に第1の教示点を作成する位置作成手段と、前記現在位置を第2の教示点として記憶する第2教示点記憶手段と、前記ロボットのプログラム再生自動運転時に前記柔軟制御を行う手段と、前記第1の教示点の位置を指令位置とする手段と、前記第2の教示点の位置とロボットの現在位置を比較する手段と、前記比較によって、前記第2の教示点の位置とロボットの現在位置の差が予め決められた閾値内であれば教示作業時と同様の接触状態にあると判断し、前記差が前記閾値より大きい場合には接触作業が失敗したと判断して前記柔軟制御手段の柔らかさの条件を変更して再実行するか、別の作業プログラムを実行するか、外部機器にアラームを発生する手段とを有する
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の基本構成を図1に示して説明する。図1は、本発明の第1の基本構成を適用した制御ブロック線図を表している。この制御系は教示作業に用いられるものである。図中10は位置速度制御系、20はモータ、21は位置検出器である。位置速度制御系10は、基本的には位置指令と位置フィードバック信号FBとの偏差に位置制御器11により位置ゲインを乗じ、微分器12で位置フィードバック信号FBを微分したものとの偏差に速度制御器13により速度ゲインを乗じて速度指令とし、速度制御比例器14と速度制御積分器15によってトルク指令を演算するものである。本発明は、位置速度制御系10にサーボ剛性を下げるための柔軟制御手段16として、位置速度制御系10の速度制御器13の後段にトルク制限器18と速度制御積分器15の後段に速度制御積分制限器17を追加している。また、位置検出器21から検出された角度を用いてロボットの手先に取り付けられたエンドエフェクタの作用点の位置を演算し、求められた作用点の位置をワーク内部の予め決められた方向に距離αだけ修正して第1の教示点を作成する位置作成手段22と、作成された第1の教示点を記憶する位置記憶手段23で構成されている。また本発明は作成された作用点の位置を第2の教示点として位置記憶手段23に記憶するものである。位置作成手段22により作成された作用点の位置とワーク表面から距離αだけ内部に修正した第1の教示点を作成して、ロボットの各関節の角度に変換して、位置記憶手段23により記憶する。
【0007】
ここで、各要素の働きを説明する。
第1の発明の柔軟制御手段16は、制御装置の上位からの指令により、トルク制限器18と速度制御積分制限器15の制限値は通常の位置速度制御時より小さく設定された値を用い、ロボットが対象物と接触して位置偏差や速度偏差が増大することで過大なトルク指令が発生した場合でも、このトルク制限器18と速度制御積分制限器17によりトルク指令を小さく制限することができ、ロボットが対象物に倣うように動作することができる。即ち、過大なトルクを発生することなく、ロボットと対象物間で安定した接触状態を維持することが可能となる。また、位置指令が必要以上にワーク内部に入り込んだ場合でも過大なトルク指令が発生しない。
エンコーダなどの位置検出器21により、ロボットの各関節の角度フィードバック(以下では角度FB)が検出される。位置作成手段22により、角度FBから一般的に順変換または順運動学と呼ばれる変換式を用いて、ロボットの手先に取り付けられたエンドエフェクタの作用点について、作業座標系での位置フィードバック(以下では位置FB)を求める。この位置FBを用いて、ツール座標系またはロボット座標系またはワーク座標系の特定方向でワーク表面の内部に相当する方向に、予め設定されている距離αだけ修正した点を第1の教示点として作成する。この距離αは、ワークの加工誤差や位置ズレがある場合でも、エンドエフェクタがワークに十分接触する程度に設定しておく。
作成された第1の教示点は、位置記憶手段23により作業座標系での位置情報として記憶される。また、第2の発明で、求められた位置FBは第2の教示点として、作業座標系での位置情報の形で記憶する。
【0008】
置記憶手段23は、第1の基本構成と同様に位置作成手段22により作成された位置FBを元にワーク表面から距離αだけ内部に修正した点を作成するまでの手順は同じであるが、ワーク内部に修正された位置を一般的に逆変換または逆運動学と呼ばれる変換式を用いて、ロボットの各関節の角度に変換する。この求められた角度は、位置記憶手段23により第1の教示点として記憶される。また、位置検出器21で検出された角度FBは、第1の教示点と同様に、ロボットの関節角の角度に変換するかそのままの形で、位置記憶手段23により第2の教示点として記憶される。このように、作業座標系の位置の代わりに、関節座標系の角度で教示点を記憶する手段を持つことで、教示点のデータを角度で記憶するシステムにも対応可能である。
【0009】
次に、本発明の第2の基本構成を図2に示して説明する。図2は本発明の第2の基本構成を適用した制御ブロック線図を表している。この制御系は教示作業に用いられるもので、位置速度制御系10にサーボ剛性を下げるための柔軟制御手段16として、力検出器31と力制御手段32を追加している。また、第1の基本構成と同様に、位置作成手段22と位置記憶手段23で構成されている。柔軟制御手段16は、力検出器31からの力情報を元に、ロボットを駆動するモータの位置、速度またはトルクを制御する手段、例えば、外力に対して質量や粘性、剛性などのメカニカルな特性を与えるインピーダンス制御などの手法を用いて、外力に対して倣い動作を行うように、位置速度制御系10に対して位置指令や速度指令、トルク指令を与える。
【0010】
次に、本発明の第3の基本構成を図3に示して説明する。これは、第1の基本構成に重力トルク算出手段41と重力トルク補償手段42を付け加えたものである。柔軟制御手段16を用いて重力方向に動作軸を持ったロボット(多関節ロボット)を動作させる場合には、柔軟制御手段16のトルク制限を行うことで重力作用のためにトルクが過不足の状態になる。よって、重力分のトルクを算出し補償する手段が必要である。この補償の方法としては、例えば、ロボットの各リンクの重量と重心位置と各関節の角度から重力補償用トルクを求めて、トルク指令に加算する方法がある。
【0011】
次に、本発明の第4の基本構成を図4に示して説明する。これは、再生自動運転時に用いられものである。第1の基本構成と同様に、図4は、第1の基本構成に、本発明の制御を適用した制御ブロック線図を表している。この制御系は再生自動運転時に用いられるものであるが教示時に用いることも可能である。第1の基本構成と同様に、位置速度制御系にサーボ剛性を下げるための柔軟制御手段16として、位置速度制御系の速度制御器13の後段にトルク制限器18と速度制御積分器15の後段に速度制御積分制限器17を追加している。ここで、柔軟制御手段16として、第3の発明である力検出器31と力制御手段32を用いても良い。
【0012】
また、本発明は、教示作業時に記憶しておいた第1の教示点を位置速度制御系の位置指令として与える手段を追加している。第1の教示点が作業座標系またはロボット座標系での位置情報でサーボ制御系が関節座標系である場合には、一般的に逆変換または逆運動学と呼ばれる変換式を用いて、関節座標系の角度指令に変換する必要がある。また、位置検出器21から検出された角度を用いてロボットの手先に取り付けられたエンドエフェクタの作用点の位置を演算する位置作成手段22と、作成された現在位置を第2の教示点と比較する比較器51と、比較結果を元に接触作業時のワークの接触状態を監視する手段またはサーボの制御状態量を変更する手段または作業プログラムの内容を変更する手段52で構成されている。更に詳しく述べると、位置作成手段22により、角度FBから一般的に順変換または順運動学と呼ばれる変換式を用いて、ロボットの手先に取り付けられたエンドエフェクタの作用点について、作業座標系での位置フィードバック(以下では位置FB)を求める。この位置FBと教示作業時に記憶しておいた第2の教示点を比較して、その差が予め決められた閾値に入るかどうかで接触状態の監視して、接触状態の合否の出力に用いる。または、サーボの制御状態量を変更して、例えば、柔軟制御手段16で制御剛性を更に下げるなどを行う。または、作業プログラムを変更して、例えば、もう一度同じ接触作業を繰り返したり、教示点をより深くワーク内部に移動して接触作業を繰り返したり、接触作業を失敗したと判断して別の作業修復プログラムを実行したりする。
【0013】
本発明は、ロボットが外界から受けた力を推定もしくは検出する手段53と、推定結果もしくは検出結果に応じて制御状態量を変更する手段または作業プログラムの内容を変更する手段または外部にアラームを発生する手段54で構成されている。ここで、外力の推定手段53としては、一般的に外乱推定オブザーバと呼ばれる推定方法を用いる。これは、トルク指令と角度FBから外乱トルクを推定するものである。外力の検出手段としては、力検出器55の力情報を用いる。この推定結果もしくは検出結果が予め決められた閾値よりも大きい場合、過大な外力が作用し接触作業が失敗したと判断して、制御状態量の変更や作業内容の変更や外部にアラームの発生などを行う。内部状態の変更は柔軟制御手段16でロボットをより低剛性な状態に変更したりする。作業内容の変更も再び元のアプローチ点から接触作業をやり直したり、更に目標とする位置をワーク内部からワーク表面に近い方向に取り直して接触作業を行う等の手段で行う。外部にアラーム発生手段は、外部の周辺機器に非常停止を出力して機器を止めたり、作業者に注意を促すなどの手段である。
【0014】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例1を図5に示して説明する。
ここでは、第1の教示点と第2の教示点の作成手段について述べる。
教示者は教示作業中には前記柔軟制御手段16を有効にして作業を行う。ロボットを操作ペンダントで手動操作して、対象物であるワークにロボットのエンドエフェクタを押し付けるようにする。ここで、押し付ける度合いであるが、仮組作業などでは面同志がピッタリと合うまで押し付けを行い、研磨作業などでは点接触するまで押し付けを行う。ロボットの発生トルクを十分に絞っているため、教示者は安心してロボットをワークに接触させることができ、ワーク表面でロボットを止める必要がないため教示時間も短縮できる。
エンドエフェクタとワークが十分に接触したと教示者が判断した場合には、操作ペンダント上の教示点入力スイッチを押すことで、第1の教示点作成が開始される。
【0015】
まず、エンコーダなどの位置検出器21により、ロボットの各関節の角度フィードバック(以下では角度FB)を検出する。位置作成手段22内の現在位置作成手段221(前述の順変換)により、角度FBからロボットの手先に取り付けられたエンドエフェクタの作用点について、作業座標系での位置フィードバック(以下では位置FB)を求める。この位置FBを用いて第1教示点作成手段222により、ツール座標系またはロボット座標系またはワーク座標系の特定方向(ここではワークの表面に対して垂直方向)で、ワーク表面の内部に相当する方向に予め設定されている距離αだけ修正した点を第1の教示点として作成する。作成された第1の教示点は、位置記憶手段23内の第1教示点記憶手段231により、作業座標系での位置の情報として記憶される。また、現在位置作成手段221により作成された修正前の位置FBは位置記憶手段23内の第2教示点記憶手段232により、第2の教示点として作業座標系での位置の情報として記憶される。柔軟制御手段16を用いて重力方向に動作軸を持ったロボット(多関節ロボット)を動作させる場合には、重力分のトルクを算出する手段41と補償する手段42を用いる。ここでは、重力分のトルクを算出する手段41として、予め記憶されているロボットの各リンクの重量と重心位置と、位置検出器21から検出された各関節の角度FBから重力補償用トルクを求めている。補償手段42として、位置速度制御系の出力であるトルク指令に重力補償用トルクを加算して補償している。
【0016】
次に、本発明の具体的実施例2を図6に示して説明する。本実施例は、第1の具体的実施例における柔軟制御手段16の方法と記憶手段23の方法を変更したものである。柔軟制御手段16は、力検出器31からの力情報を元に、力制御手段32としてインピーダンス制御の手法を用いて、外力に対して倣い動作を行うように、位置速度制御系に対して位置指令を与えるものである。ここで、力制御手段32はインピーダンス制御を行う運動モデル演算部321と運動モデル演算部321から払い出された位置指令を関節座標系の角度指令に変換する逆変換部322から構成されている。更に詳しく述べると、力検出器31で検出された力情報は、運動モデル演算部321で希望する質量や粘性、剛性などのメカニカルな特性を与えるようにロボット座標系またはツール座標系の位置指令修正量に変換される。また、第1の教示点と第2の教示点の記憶手段は、第1の具体的実施例と同様に、位置作成手段22内の現在位置作成手段221により、位置FBを作成する。次に、位置作成手段22内の第1教示点作成手段222により、ワーク表面内部に距離αだけ修正した点を作成する。ここまでの手順は第1の具体的実施例と同じであるが、逆変換部223により、ワーク表面内部に修正された位置をロボットの各関節の角度に変換する。位置記憶手段23内の第1教示点記憶手段321により、この求められた角度を第1の教示点として記憶する。また、位置記憶手段23内の第2教示点記憶手段232により、位置検出器21で検出された角度FBを第2の教示点として記憶する。
【0017】
次に、本発明の具体的実施例3を図7に示して説明する。ここでは、教示作業で得られた第1の教示点と第2の教示点を用いて、再生自動運転を行う際の説明を行う。教示作業と同様に再生自動運転時も柔軟制御手段16を用いるが、重力方向に動作軸を持ったロボット(多関節ロボット)を動作させる場合には、重力分のトルクを算出する手段41と補償する手段42(図5参照)を用いる。作業者は、対象物であるワークにロボットのエンドエフェクタを押し付けるために、第1の教示点を角度指令に変換し、この角度指令を目標点としてロボットを動作させるプログラムを作成する。この第1の教示点はワークの表面内部にあるため、ロボットはワークに接触し、倣い動作を行いながら、第1の教示点まで動作しようとする。この動作中、第1の具体的実施例と同様に、位置検出器21により各関節の角度FBを検出し、現在位置作成手段221により角度FBから作業座標系での位置FBを求める。
【0018】
ここで、第2の発明である比較手段51により、この位置FBと第2の教示点を比較して、その差が予め決められた閾値内になったかを判断する。閾値内に入れば、教示作業時の接触状態と同じになったと判断されて合格となり、次の工程に切り替わる。予め決められた時間内に閾値内に入らなければ、接触状態は不合格と判断されて、サーボ系の制御状態量の変更や作業プログラムの内容変更を行う。これは、例えば、ロボットの制御剛性をより低下させて再び元のアプローチ点から第1の教示点に向けて接触作業を行ったり、更に目標とする位置をワーク内部に取り直して接触作業を行うなどである。このように、再生自動運転時の作業内容の合否を自動で行うことができるようになり、教示時において作業者が接触状態を目視で判断していたことを、再生運転時にも教示時と同様の接触状態にあるかを判断できるようになり、作業効率を上げることができる。更に、外力推定手段53として、外乱推定オブザーバを用いる。外力推定手段53の推定結果が予め決められた閾値よりも大きい場合、過大な外力が作用し接触作業が失敗したと判断して、手段54により、制御状態量の変更や作業プログラムの内容の変更や外部にアラームの発生などを行う。また、図示はしないが、外力推定手段53の代わりに力センサなどの力検出手段31と力検出手段31から得られた力・トルク情報を用いても良い。
【0019】
次に、実際の教示作業を図8に示して、教示点作成方法について述べる。ここでは、ロボットのエンドエフェクタをワークに押し付けて、面合わせを行う仮組作業を例にする。
図8のアプローチステップ(1)では、教示者は操作ペンダント上で柔軟制御手段を有効にして、対象物であるワーク61のアプローチ点からワーク表面の方向(ここではRz方向)に、操作ペンダントの手動操作にてロボット60を移動させる。図示の作用点Pbは、ロボット60の制御点のことである。
図8の倣い動作ステップ(2)では、エンドエフェクタ62がワーク61に接触した際には、ロボット60は柔軟制御手段により倣い動作を行う。更に、教示者は操作ペンダントからロボット60を押し付ける方向の指令を払い出すことで、エンドエフェクタ62をワーク61に十分接触させる。
図8の面合わせステップ(3)では、面合わせが完了したと教示者が判断したら、操作ペンダント上の教示点入力ボタンを押す。図示の指令位置Pcは、教示者が押し付ける指令を出し続けたことにより、ロボットへの指令が内部に入り込んだ指令位置である。
図8の教示点作成ステップ(4)では、位置作成手段により、モータの現在位置から演算されたワーク表面上の位置で第2の教示点P2を作成し、更にワーク表面から予め定められた距離αだけツールの指定された方向に移動した位置で第1の教示点P1を作成して、第1の教示点P1と第2の教示点P2を位置記憶手段により制御装置のメモリに記憶する。
教示点が記憶された時点で、ワーク61内部に入り込んでいる指令位置をモータの現在位置から再作成し、位置速度制御系の位置偏差と速度偏差をクリアする。これは、次ステップへの移動の際に再びロボット60がワーク61内部に入り込もうとしたり、過大な力の発生を防ぐためである。教示者は操作ペンダントを手動操作して次の教示点にロボットを誘導し、一度エンドエフェクタ62をワーク61から離し、次の教示点での作業を繰り返す。
【0020】
次に、教示作業で得られた第1の教示点P1と第2の教示点P2を用いて、再生自動運転を行う際の説明を、図9を用いて行う。教示作業と同様に再生自動運転時も柔軟制御手段を用いて、接触作業を行うようにする。
図9のアプローチステップ(1)では、ワーク61へのアプローチ点Paまで、ロボットを再生自動運転させる。ここで、柔軟制御手段が有効になるように、作業プログラムを作成する。
図9の倣い動作ステップ(2)では、アプローチPa点から第1の教示点P1を目標位置として、ロボット60を動作させる。第1の教示点P1に到達する前にエンドエフェクタ62はワーク61に接触するが、柔軟制御手段が働くため、ワーク61に対して倣い動作する。
図9の面合わせステップ(3)では、第1の教示点P1に対する指令が払い出された時点で、第2の教示点P2とロボット60の現在位置を比較して、その差が予め決められた閾値内に入っている場合は、面合わせが完了したと判断して、次のステップに向かう。
第2の教示点P2とロボット60の現在位置の差が閾値内に入らない場合は、面合わせが完了しなかったと判断する。面合わせが未完の場合は、外部機器にアラームを発生させるか、柔軟制御手段の柔らかさの条件を変更して再実行するか、別の作業プログラムに移行するなどの処理を行う。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、下記の効果を奏する。
(1)ロボットの教示作業で柔軟制御手段を用いることでロボットを対象物に接触させながらの教示が可能となり、対象物の表面と内部に教示点を自動作成することができる。また、教示作業時に柔軟制御手段を用いることで、教示者は安心してロボットをワークに接触させることができるため、教示者の精神的及び肉体的負担を減少させ、教示時間を短縮することができる。
(2)更に、再生自動運転時には作成された2個の教示点を用いることで、ワークの加工誤差や位置ズレの影響を受けず安定した接触状態が得られ、接触状態の監視や作業条件の選択を自動で行うことが可能である。よって、製品の合格率が上がり、タクトタイムの短縮も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の基本構成を示す制御ブロック図である。
【図2】 本発明の第2の基本構成を示す制御ブロック図である。
【図3】 本発明の第3の基本構成を示す制御ブロック図である。
【図4】 本発明の第4の基本構成を示す制御ブロック図である。
【図5】 本発明の第1の具体的実施例での制御ブロック図である。
【図6】 本発明の第2の具体的実施例での制御ブロック図である。
【図7】 本発明の第3の具体的実施例での制御ブロック図である。
【図8】 本発明のアプリケーション適用の教示作業例を示す説明図である。
【図9】 本発明のアプリケーション適用の再生自動運転例を示す説明図である。
【図10】 従来の制御方式を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 位置速度制御系、11 位置制御器、12 微分器、13 速度制御器、14 速度制御比例器、15 速度制御積分器、16 柔軟制御手段、17 速度制御積分制限器、18 トルク制限器、20 モータ、21 位置検出器、22 位置作成手段、221 現在位置作成手段、222 第1教示点作成手段、223 逆変換部、23 位置記憶手段、231 第1教示点記憶手段、232第2教示点記憶手段、31 力検出器、32 力制御手段、321 運動モデル演算部、322 逆変換部、41 重力トルク算出手段、42 重力トルク補償手段、51 比較器、52 接触作業時のワークの接触状態を監視する手段またはサーボの制御状態量を変更する手段または作業プログラムの内容を変更する手段、53 外力推定手段、54 制御状態量を変更する手段または作業プログラムの内容を変更する手段または外部にアラームを発生する手段、55 力検出器、60 ロボット、61 ワーク、62 エンドエフェクタ

Claims (1)

  1. 関節を駆動するモータの制御回路と関節角度を計測する位置検出器を持つロボットの制御装置であって、前記制御回路が、位置指令と前記位置検出器により計測された位置信号との偏差に位置ゲインを乗じる位置制御器と、この位置制御器の出力と前記位置信号を微分した信号との偏差に基づいて速度指令を出力する速度制御器と、この速度制御器の出力に比例ゲインを乗じる速度制御比例器および積分演算を行う速度制御積分器とにより構成されるロボットの制御装置において、
    前記制御回路の速度制御積分器の後段に設けた速度制御積分制限器と、この速度制御積分制限器の出力と前記速度制御比例器の出力との加算点の後段に設けたトルク制限器からなる柔軟制御手段と、前記ロボットの作業プログラムの教示作業時に教示者が手動操作により対象物体に前記ロボットのエンドエフェタを押し付けた際に前記位置検出器により計測された位置信号をもとに順変換を行ってロボット座標系での現在位置を演算するとともに、前記対象物体に設定されたワーク座標系に基づいて、前記現在位置から前記エンドエフェクタが接触している前記対象物体の表面に対して垂直な方向で予め決められた一定量だけ前記対象物体の表面内部に第1の教示点を作成する位置作成手段と、前記現在位置を第2の教示点として記憶する第2教示点記憶手段と、前記ロボットのプログラム再生自動運転時に前記柔軟制御を行う手段と、前記第1の教示点の位置を指令位置とする手段と、前記第2の教示点の位置とロボットの現在位置を比較する手段と、前記比較によって、前記第2の教示点の位置とロボットの現在位置の差が予め決められた閾値内であれば教示作業時と同様の接触状態にあると判断し、前記差が前記閾値より大きい場合には接触作業が失敗したと判断して前記柔軟制御手段の柔らかさの条件を変更して再実行するか、別の作業プログラムを実行するか、外部機器にアラームを発生する手段とを有することを特徴とするロボットの制御装置。
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