JP4481290B2 - 通信カラオケシステムのデータベースサーバー - Google Patents

Description

この発明は、カラオケの娯楽性を向上させるための技術改良に関し、特に、あるカラオケ楽曲を好むカラオケ利用客の趣向に沿った関連楽曲を、演奏実績に基づいて分析して格納するデータベースの作成技術に関する。

周知のように、通信カラオケシステムは、多数のカラオケ端末と、これにカラオケ伴奏音楽や歌詞画像の起源となるカラオケデータを情報通信ネットワークを介して配信するカラオケホスト装置とによって構成されている。カラオケホスト装置はデータベースサーバーとしての機能も有し、各カラオケ端末が記録している演奏履歴やエラー履歴などの稼働ログを適時に集信して自身の外部記憶に蓄積している。そして、収集した稼働ログは、カラオケ事業者が各種サービスを運用する際の参考資料として利用されたり、利用者に提示されるランキング情報などに加工されたりする。

またカラオケホスト装置は、会員登録されている利用者の会員ＩＤ（個人ＩＤ）に個人情報やカラオケ利用にかかわる履歴情報を対応付けして記憶・管理する会員情報データベースも備えている。会員情報は、たとえば、各会員がカラオケ利用時に各カラオケ端末にダウンロードして適宜に利用される。特開２００３−３４５３７０号公報には、個人所有の携帯電話機などを利用して、演奏履歴などの個人別情報をサーバーに集約したり、カラオケ利用時にサーバーから個人所有の携帯電話機などにダウンロードして利用したりする通信カラオケシステムが開示されている。また、特開２００５−４９７０６号公報に開示されている通信カラオケシステムでは、カラオケホスト装置における利用者別の記憶領域に好みの楽曲を登録しておき、その登録楽曲をカラオケ利用の際に選曲に利用できるようになっている。
特開２００３−３４５３７０号公報 特開２００５−４９７０６号公報

カラオケホスト装置に集積されている稼働ログや会員の演奏履歴、あるいは各会員が登録した好みの楽曲についての情報は、特定の個人やその個人を含むグループ、あるいは総体的なカラオケ利用者の選曲傾向を把握するための情報が、潜在的に含まれている。

そこで本発明者らは、カラオケホスト装置に集積されている膨大な稼働ログや会員の演奏履歴から特定の情報をうまく紐づけることで、ある楽曲を選曲した利用者に対し、その楽曲の趣向に沿った他の楽曲を次の選曲候補として提示できるのではないかと考えた。もしそれができれば、利用者は次々と好みの曲を見つけて選曲できるようになり、選曲操作自体が楽しくなる。提示された楽曲に対する歌唱意欲がわけばレパートリーも増え、さらにカラオケが楽しくなる。選曲に悩むこともなくなり、他人の歌唱をじっくり聞いたり、合唱したりして、本来のカラオケの楽しみを満喫できるようになる。その結果、カラオケの娯楽性が飛躍的に増大する。本発明は、そのような効果を期待して創作されたものである。

本発明は、次の事項（１）〜（14）によって特定されるものである。
（１）演奏実績データベースと、好き歌データベースと、関連楽曲データベースと、制御手段を備え、複数のカラオケ装置とネットワークを介して通信するデータベースサーバーであること
（２）演奏実績データベースは、楽曲ＩＤと演奏回数の対応付け情報を集約すること
（３）好き歌データベースは、個人ＩＤと好き歌楽曲ＩＤ集合の対応付け情報を集約すること
（４）関連楽曲データベースは、手がかり楽曲ＩＤと関連楽曲ＩＤ集合との対応付け情報を集約すること
（５）制御手段は、好き歌ダウンロード処理と、好き歌アップロード処理と、集信処理と、データベース作成処理と、配信処理を行うこと
（６）好き歌ダウンロード処理は、カラオケ装置から個人ＩＤを受信した際、好き歌データベースから当該個人ＩＤに該当する好き歌楽曲ＩＤ集合を送信すること
（７）好き歌アップロード処理は、カラオケ装置から個人ＩＤと楽曲ＩＤの対応付け情報を受信した際、好き歌データベースの当該個人ＩＤに該当する情報を更新すること
（８）集信処理は、各カラオケ装置から演奏実績情報を集信して演奏実績データベースを更新すること
（９）データベース作成処理は、第１〜第４処理を行い、
（10）第１処理は、演奏実績データベースから演奏回数の多い複数の楽曲ＩＤを手がかり楽曲ＩＤとして選出すること
（11）第２処理は、第１処理で選出した１つの手がかり楽曲ＩＤを含んだ好き歌楽曲ＩＤ集合を好き歌データベースから抽出すること
（12）第３処理は、第２処理で抽出した複数の好き歌楽曲ＩＤ集合を併合するとともに、演奏実績データベースを参照し、それら併合した楽曲ＩＤを全体集合の中から演奏回数の多い順に複数楽曲を抽出すること
（13）第４処理は、１つの手がかり楽曲ＩＤと、その楽曲ＩＤに基づいて第３処理で抽出された複数の楽曲ＩＤを関連楽曲ＩＤとして対応付けした情報を集約して関連楽曲データベースを作成すること
（14）配信処理は、作成した関連楽曲データベースを各カラオケ装置に配信すること

この発明に係るデータベースサーバーによれば、通信カラオケシステムにより収集される稼働ログや会員情報を統計的に分析し、趣向の合致する楽曲集合からなるデータベースを作成できる。このデータベースを利用すれば、たとえば、カラオケ利用者がある曲を選曲した際に、その次の選曲候補として、その選曲者が好みそうな曲や曲風が類似した曲などを提示することができる。それによって利用者は、たとえば、忘れていたこんな曲もあった、こんな歌も歌えるのだ、と選曲の幅が広がったり、この曲は知らなかったけれど自分好みだった、自分に歌いやすい曲だった、というように、つぎつぎに新鮮な発見につながったりする可能性が高い。

いつも決まった曲ばかりでなく、いろいろな新しい曲を歌ってみる機会につながる。しかも、趣向の似た会員の選曲の中から提示されるので、推薦曲として効果的に提示できる。選曲操作に悩むことなく、歌唱したり他人の歌唱を聴いたりするカラオケ本来の楽しみを満喫できるようになる。

＝＝＝ネットワーク構成＝＝＝
図１に、本発明の実施例におけるデータベースサーバーを含む通信カラオケシステムのネットワーク構成を示した。インターネットを利用したＶＰＮ（Virtual Private Network）６０には、カラオケ事業者の各地のカラオケ店１００に敷設されたＬＡＮ１１０やカラオケサーバー７０が接続されて広域イントラネットが構築されている。各地の複数の客室を備えたカラオケ店１００の各客室には、周知の通信カラオケシステムの演奏端末１０と、当該演奏端末を操作するためのカラオケ選曲装置２０が設置されている。演奏端末１０はＬＡＮ１１０を介して同室内のカラオケカラオケ選曲装置２０と通信したり、ルータ５０を経由して接続したＶＰＮ６０を介してカラオケサーバー７０と通信したりする。

カラオケ選曲装置２０は、タッチパネルを主要なユーザインタフェースとしたタブレットコンピュータである。内蔵するハードディスク装置には、当該タブレットコンピュータをカラオケ選曲装置として機能させるプログラムのほか、演奏端末１０にて演奏可能なカラオケ楽曲について、曲名・アーティスト名・楽曲ジャンルなどの目次情報を、楽曲ＩＤに対応付けして集約した楽曲索引データベースも格納している。そして、タッチパネルによる対話形式のユーザインタフェース環境により、利用者の希望する楽曲の目次情報を索引データベースから検索して提示する。そして利用者入力により、その提示された楽曲の予約指示を受け付けると、その楽曲の楽曲ＩＤを含む演奏予約電文を演奏端末１０に転送する。演奏端末１０はこの楽曲ＩＤを演奏処理の待ち行列に登録する。

＝＝＝データベースサーバー＝＝＝
カラオケサーバー７０は、通信カラオケシステムにおけるホスト装置としての基本機能を備えたコンピュータシステムであり、各種データベースを付帯している。カラオケデータベースは、カラオケ楽曲の起源となるカラオケデータを蓄積し、演奏実績データベースは、楽曲ＩＤをキーに、演奏済みの各曲の演奏回数を記録したものであり、各演奏端末１０から適宜に集信した稼働ログに基づいて随時更新されている。会員情報データベースは、会員ＩＤに会員の個人情報やカラオケ利用に関わる履歴情報を対応付けして格納したものである。本実施例では、会員として登録されている利用者が保持するＩＣカードに固有のＩＣカード番号を会員ＩＤとしている。

そして、演奏端末１０やカラオケ選曲装置２０とＶＰＮ６０を介して適時に通信し、カラオケデータを配信したり、稼働ログや会員情報の登録や更新に関わる情報を集信して演奏実績データベースや会員情報データベースを随時更新したりしている。

カラオケサーバー７０はまた、会員情報データベースに基づいて作成される好き歌データベースを付帯している。好き歌データベースには、会員ＩＤに、各会員の好みの曲の楽曲ＩＤ群（以下、Ｍｙリスト）が対応付けされて記録されている。

各会員は、カラオケ選曲装置２０を操作して、自身の会員ＩＤをカラオケサーバー７０に送付してカラオケサーバー７０にログインし、自身のＭｙリストをカラオケ選曲装置２０にダウンロードすることができる。利用者はダウンロードした自身のＭｙリストを閲覧したり、演奏端末１０に対して演奏予約する楽曲をＭｙリストから選曲したりすることができる。

また、新規楽曲の登録や登録済みの楽曲の削除など、Ｍｙリストを更新することができる。カラオケ選曲装置２０で更新されたＭｙリストは、会員が利用を終了させた時などの適宜な機会に、会員ＩＤと対応付けしてカラオケサーバー７０にアップロードされ、好き歌データベースが更新される。

＝＝＝関連楽曲データベース＝＝＝
本実施例のカラオケサーバー７０は、従来からある上記の各種データベースに加え、関連楽曲データベースを備えている点に特徴がある。関連楽曲データベースは、好き歌データベースに基づいて随時更新され、たとえば、ある楽曲を選曲した利用者に、その楽曲と趣向が一致した他の楽曲をお薦めするなどの用途に利用することができる。

図２（１）〜（３）に関連楽曲データベースのデータ作成手順を例示した。まず、営業時間外の定期的な保守時間や演奏実績データベース更新の後など、適宜な機会に、演奏実績データベースを参照して、含まれている楽曲ＩＤの中から、たとえば演奏回数の多い順に一つを手がかりとして取り出す（たとえば１５４３−２５、以下ａとする）。次に、取り出したａに基づいて好き歌データベースを参照し、多数のＭｙリストのうち、ａが含まれるものを取り出して楽曲ＩＤごとに集計する（図２（１）参照）。つまり、ａをＭｙリストに登録している複数会員のＭｙリストを取り出し、それらに登録されている楽曲ＩＤをリストアップする。そして、リストアップした楽曲ＩＤに基づいて演奏実績データベースを参照し、演奏回数の多い順に所定数の楽曲ＩＤを記憶し、ａと対応付けてａの関連楽曲ＩＤとする（図２（２）〜（３））。このようにして、ａを好んでＭｙリストに登録している会員が、ａの他に好んで登録している多数の楽曲のうち演奏頻度の高い順に、たとえば上位１０曲をａの関連楽曲として抽出できる。これらのａの関連楽曲は、ａを好む多数会員の趣向にそったものであるので、いずれもａと曲風が類似しているなど、ａを選曲した人の趣向に合っている可能性が高い。

カラオケサーバー７０は、演奏実績データベースから次の手がかりとして、たとえばａの次に演奏回数の多い楽曲ＩＤ（ｂとする）を取り出すとともに、取り出したｂに基づいて好き歌データベースと演奏実績データベースを参照して、ａの場合と同様にしてｂの関連楽曲ＩＤを抽出する。このようにして演奏実績データベースに含まれる楽曲ＩＤを手がかり楽曲ＩＤとして一つずつ取り出し、各手がかり楽曲ＩＤについて関連楽曲ＩＤを抽出する処理を繰り返す。そして、手がかり楽曲ＩＤとその関連楽曲ＩＤとを対応付けした関連楽曲データを、手がかり楽曲ＩＤをキーに集約して、関連楽曲データベースを構築している。手がかり楽曲ＩＤは、演奏実績データベースに含まれる全ての楽曲ＩＤとしてもよいし、演奏実績データベースに含まれる楽曲ＩＤのうちの一部、たとえば演奏回数の多い順に所定数の楽曲ＩＤとしてもよい。

カラオケサーバー７０は、このように作成された関連楽曲データを、ＶＰＮ６０を介して適宜に各装置に配信可能である。配信を受けた装置では、関連楽曲データベースを格納し、適時に参照して利用する。

＝＝＝関連楽曲提示機能＝＝＝
関連楽曲データベースの利用形態として、利用客がカラオケ選曲装置２０を操作して選曲した際に、当該楽曲の関連楽曲を提示させる事例を挙げる。

カラオケ選曲装置２０には、カラオケサーバー７０の関連楽曲データベースと同期する関連楽曲データベースをハードディスク装置に記憶している。カラオケサーバー７０は、関連楽曲データベースが更新された際など適宜な機会に、更新された差分データなどをＶＰＮ６０を介してカラオケ選曲装置２０に配信し、カラオケ選曲装置２０は自身の関連楽曲データベースを更新する。

カラオケ選曲装置２０は、関連楽曲データベースを適時に参照することにより、ある楽曲の目次情報を提示し、その楽曲の演奏予約を受け付け、その楽曲を演奏端末１０に演奏予約させると、その次の予約曲にふさわしいであろう関連楽曲（以下、次うた）を提示する次うた提示機能を備えている。

図３〜図５にカラオケ選曲装置２０における次うた提示機能に関わる画面遷移を示した。カラオケ選曲装置２０は、演奏端末１０に演奏予約電文を転送すると、予約完了確認画面などに「次うた」ボタン３１を表示する（図３）。「次うた」ボタン３１を利用者により指示入力されると、転送した演奏予約電文に含ませた楽曲ＩＤを手がかり楽曲ＩＤとして関連楽曲データベースを参照し、手がかり楽曲ＩＤに対応付けされた関連楽曲ＩＤ群を抽出する。そして、その関連楽曲ＩＤ群について楽曲索引データベースを参照し、それらの次うたの曲名とアーティスト名をタッチパネルに一覧表示させる（図４）。

この次うたの一覧中から、利用者がいずれかの楽曲を選択指定すると、その曲についての詳細情報が表示される（図５）。この詳細画面の転送ボタン３３を指示すると、その楽曲を演奏予約することができる。もちろん、詳細画面にも「次うた」ボタン３１を表示し、その曲についての関連楽曲を表示するように構成してもよい。また、関連楽曲を演奏端末１０のディスプレイに表示させるようにしてもよい。

なお、関連楽曲を提示する機能は、演奏端末１０にあってもよい。関連楽曲データベースを演奏端末１０にも記憶させ、カラオケサーバー７０は適時に関連楽曲データベースの更新内容を演奏端末１０にダウンロードして演奏端末１０の関連楽曲データベースを同期させる。演奏端末１０は、カラオケ楽曲の演奏開始前や演奏終了時などに、当該演奏楽曲の関連楽曲を提示すればよい。
もちろん、演奏端末１０やカラオケ選曲装置２０は、関連楽曲データベースを記憶せず、適時にカラオケサーバー７０にアクセスして関連楽曲データベースを参照するように構成してもよい。

以上のように、カラオケの場において、利用者に関連楽曲を提示すれば、選曲された曲目と曲風が類似した楽曲や、その利用者の趣向にあった楽曲が次うたとして提示され、選曲作業がスムーズに行える。そのため、選曲作業にとらわれず、本来のカラオケの楽しみを満喫できる。忘れていた好みの曲や意外な好みの曲の発見につながることも多く、選曲の幅が広がる。また、たとえば先の予約者とは違う人が次の曲を予約する場合にも、先の選曲の次うたから選曲することにより、場の雰囲気に連続性を持たせることもできる。

本発明の実施例におけるデータベースサーバーを含む通信カラオケシステムのネットワーク構成図である。 本実施例に係る関連楽曲データベースに格納されるデータの作成手順の説明図である。 本実施例のカラオケ選曲装置における演奏予約完了画面を例示した図である。 本実施例の次うたリストの表示画面例である。 本実施例の選曲画面を例示した図である。

符号の説明

２０ カラオケ選曲装置
７０ カラオケサーバー

Claims (1)

1. 演奏実績データベースと、好き歌データベースと、関連楽曲データベースと、制御手段を備え、複数のカラオケ装置とネットワークを介して通信するデータベースサーバーであって、
   演奏実績データベースは、楽曲ＩＤと演奏回数の対応付け情報を集約し、
   好き歌データベースは、個人ＩＤと好き歌楽曲ＩＤ集合の対応付け情報を集約し、
   関連楽曲データベースは、手がかり楽曲ＩＤと関連楽曲ＩＤ集合との対応付け情報を集約し、
   制御手段は、好き歌ダウンロード処理と、好き歌アップロード処理と、集信処理と、データベース作成処理と、配信処理を行い、
   好き歌ダウンロード処理は、カラオケ装置から個人ＩＤを受信した際、好き歌データベースから当該個人ＩＤに該当する好き歌楽曲ＩＤ集合を送信し、
   好き歌アップロード処理は、カラオケ装置から個人ＩＤと楽曲ＩＤの対応付け情報を受信した際、好き歌データベースの当該個人ＩＤに該当する情報を更新し、
   集信処理は、各カラオケ装置から演奏実績情報を集信して演奏実績データベースを更新し、
   データベース作成処理は、第１〜第４処理を行い、
   第１処理は、演奏実績データベースから演奏回数の多い複数の楽曲ＩＤを手がかり楽曲ＩＤとして選出し、
   第２処理は、第１処理で選出した１つの手がかり楽曲ＩＤを含んだ好き歌楽曲ＩＤ集合を好き歌データベースから抽出し、
   第３処理は、第２処理で抽出した複数の好き歌楽曲ＩＤ集合を併合するとともに、演奏実績データベースを参照し、それら併合した楽曲ＩＤを全体集合の中から演奏回数の多い順に複数楽曲を抽出し、
   第４処理は、１つの手がかり楽曲ＩＤと、その楽曲ＩＤに基づいて第３処理で抽出された複数の楽曲ＩＤを関連楽曲ＩＤとして対応付けした情報を集約して関連楽曲データベースを作成し、
   配信処理は、作成した関連楽曲データベースを各カラオケ装置に配信する
   通信カラオケシステムのデータベースサーバー。

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