JP4480872B2 - チャイルドシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両シートに設置されるチャイルドシートに係り、とりわけ車両シート上に堅固に固定することができるチャイルドシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より車両シートに設置されるチャイルドシートとして、座部と、座部に対して揺動自在に設けられた背部と、座部に設けられたひも状部材とを備えたものが知られている。このひも状部材の背面側先端には、掛止部が取付けられており、この掛止部を車両シート内に差込むことによりチャイルドシートを車両シートに固定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、チャイルドシートは、ひも状部材の掛止部を車両シート内に差込むことにより固定されるが、このひも状部材が長すぎるとチャイルドシートを確実に固定することはむずかしい。一方、ひも状部材が短すぎると、掛止部を車両シート内に差し込むことができない。
【0004】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、ひも状部材の掛止部を車両シート内に差込むだけで確実に車両シート上に固定することができるチャイルドシートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両シートに設置されるチャイルドシートにおいて、車両シートに載置される座部と、座部に対して揺動自在に設けられた背部と、座部の前面端部から背面端部に延び、背面側先端に車両シート内に差し込まれる掛止部が取付けられたひも状部材とを備え、ひも状部材の前面側に、ひも状部材に対して係止自在に摺動するとともに座部に係合するひも状部材調整具を設けたことを特徴とするチャイルドシートである。
【0006】
本発明によれば、ひも状部材を座部の背面端部から延ばしておき、ひも状部材に取付けられた掛止部を車両シートに差し込み固定する。ひも状部材調整具をひも状部材に沿って摺動させ、座部の背面端部から延びるひも状部材の長さを短くして、ひも状部材のたるみをなくすことができる。次にひも状部材調整具が段部に係合してひも状部材により座部を車両シート上に堅固に固定することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
図1乃至図11は本発明によるチャイルドシートの実施の形態を示す図である。
【0009】
まず、図5乃至図7によりチャイルドシートの全体について説明する。
【0010】
図5乃至図7に示すように、チャイルドシート10は図示しない幼児が座るとともに車両シートS(図10)に取付けられる座部11と、座部11に対して揺動自在に設けられた背部12と、背部12に対して摺動自在に取付けられたヘッドレスト14とを備えている。
【0011】
またヘッドレスト14の両側部に、一対のサイドサポート16が開閉自在に取付けられ、使用モードに応じてその位置を開閉するようになっている。さらに背部12の両側部の各々に、垂直方向に沿って嵌合溝12aが複数段に形成され、またサイドサポート16の基端部には、背部12の嵌合溝12aに係合し、あるいは退避する係合部16aが設けられている。
【0012】
ところで背部12は、上述のように座部11に対して揺動可能に設けられ、この背部12の下方部分には幼児の背中を側方から保持する一対のガード15が取付けられている。また背部12にはヘッドレスト14を案内する正面側案内突起27が設けられている。
【0013】
さらにヘッドレスト14は幼児の頭部を保護するためのものであり、背部12に対して摺動してその位置を調整することができ、一対のサイドサポート16の係合部16aを背部12の嵌合溝12a内に嵌合させることによりヘッドレスト14の位置決めを確実に行うことができる。さらにヘッドレスト14の下方部分には車両の座席に設置されたシートベルトが挿着されるベルトガイド19が設けられている。
【0014】
また座部11に座る幼児はサイド11aにより腰部が保持され、サイド11a上に幼児保持用のインパクトシールド13が載置されているが、図8に示すようにこのインパクトシールド13は必ずしも設ける必要はない。
【0015】
次に図3および図4により、背部12とヘッドレスト14との取付構造について説明する。
【0016】
図3および図4に示すように、背部12にはその正面側に正面側案内突起27が設けられ、その背面側に背面側案内溝29が設けられている。また背面側案内溝29内には、抜け止め突起25が設けられている。
【0017】
一方、ヘッドレスト14内には、背部12の正面側案内突起27を案内する案内溝29が設けられている。さらにヘッドレスト14には、背部12の背面側案内溝29内に案内されかつ抜け止め突起25に係合する係合突起26が設けられている。
【0018】
図3および図4において、背部12に対して上方からヘッドレスト14をかぶせ、背部12の案内突起27、案内溝29に各々ヘッドレスト14の案内溝28と係合突起26を嵌合させることにより、背部12に対してヘッドレスト14を取付けることができる。さらに背部12に対してヘッドレスト14を降下させ、ヘッドレスト14の係合突起26を抜け止め突起25を通って通過させる。このことにより、抜け止め突起25が係合突起26に係合してヘッドレスト14が背部12から抜けないようになっている。
【0019】
次に図1および図2、および図9乃至図11により、チャイルドシート10を車両シートに設置して固定する構造について説明する。
【0020】
上述のようにチャイルドシート10は、車両シートS(図10(a)(b)参照)上に設置されるようになっており、この時チャイルドシート10を車両シートSに固定する必要がある。
【0021】
このため本実施の形態においては、座部11の前面端部47から背面端部48に向って2本のひも状部材40が設けられている。この2本のひも状部材は座部11の裏面49に沿って延びるとともに、座部11の裏面49に形成された収納凹部53内に収納されている。
【0022】
座部11の収納凹部53は、比較的浅い第1凹部53aと、比較的深い第2凹部53bとからなっている。ひも状部材40はこの第2凹部53b内に収納され、第1凹部53a内にカバー45が挿着されて第2凹部53b内のひも状部材40はカバー45により保持されるようになっている。
【0023】
またひも状部材40の背面側先端に、車両シートS内に差し込み挿着される掛止部42が取付けられている。この掛止部42は車両シートSのシート座部S1とシート背部S2との間に差し込み挿着されてチャイルドシート10を固定するものである。
【0024】
またひも状部材40の前面側に、ひも状部材40に対して摺動するひも状部材調整具41が設けられている。このひも状部材調整具41は、図9(a)(b)に示すように、案内溝52に沿って移動するコマ51を有している。図9(a)(b)において、ひも状部材調製具41を矢印L方向に移動させると、コマ51は図中下方に移動し、ひも状部材40はひも状部材調製具41に対して移動可能な状態となり移動する。一方、ひも状部材調製具41をL方向とは反対方向への移動させると、コマ51が図中上方に移動し、コマ51の歯部がひも状部材調製具41に喰い込みひも状部材40を係止する。
【0025】
なお、座部11の前面端部47には段部50が形成され、この段部50にひも状部材調整具41が係合してひも状部材調整具41を座部11に対して固定するようになっている。また座部11の段部50と収納凹部53との間には、ひも状部材調整具41を受けるための金属部材46が挿着されている。
【0026】
さらに座部11の裏面49には、収納凹部53に近接して掛止部42を収納する収納溝43が設けられている。
【0027】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0028】
まず車両シートS上に直接チャイルドシート10を設置する場合について説明する。図10(a)に示すように車両シートSはシート座部S1とシート背部S2とからなっている。
【0029】
図10(a)において、シート座部S1上にチャイルドシート10の座部11を載置する。次にひも状部材調整具41をひも状部材40に対して前面側先端方向へ移動させ、ひも状部材調整具41を座部11から引離す。このようにしてひも状部材40を掛止部42側へ長く引出すことができる。
【0030】
次に掛止部42を車両シートSのシート座部S1とシート背部S2との間に差し込み固定する。その後ひも状部材調整具41を座部11側へひも状部材40に沿って摺動させる。このときひも状部材調整具41は矢印L方向へ徐々に移動し(図9(a)(b))、ひも状部材調整具41は矢印L方向に移動するが、矢印L方向と反対の方向に係止される。
【0031】
さらにひも状部材調整具41を矢印L方向へひも状部材40に沿って移動させ、ひも状部材調整具41は座部11の段部50に係合する。このとき、座部11と掛止部42との間に延びるひも状部材40の長さを短かくしてたるみをなくし、ひも状部材40に対して張力を加えることができ、座部シートSに対して座部11をひも状部材40により堅固に固定することができる。
【0032】
一方、図10(b)に示すように、車両シートS上に、固定軸61を有するISOベース60を介してチャイルドシート10を設置する場合、ISOベース60は固定軸61により車両シートSに固定される。同時に、チャイルドシート10は、ISOベース60に図示しない固定機構により保持される。このためISOベース60を介してチャイルドシート10を設置する場合、ひも状部材40によりチャイルドシート10を固定する必要はない。この場合は座部11の背面側から延びるひも状部材40の長さを短かくしておき、掛止部42を収納溝43内に収納しておく。このようにして、ひも状部材40を使用しない場合、掛止部42の外方への露出を防止し、幼児のいたずらを未然に防止することができる。
【0033】
次に図11(a)(b)により、ひも状部材40の長さ調整ができない場合の比較例を述べる。ひも状部材40の長さ調整ができない場合、座部11からの延びるひも状部材40の長さが短いと、掛止部42を車両シートSに差し込むことがむずかしい(図11(a))。一方、ひも状部材40の長さが長いと、掛止部42を車両シートSに容易に差込むことができるが、ひも状部材40がたるんでしまい座部11を堅固に固定することができない。
【0034】
これに対して本実施の形態によれば、ひも状部材調整具41によりひも状部材40の長さ調整を行なうことができるので、掛止部42を容易に車両シートSのシート座部S1とシート背部S2との間に差し込むことができ、かつ座部11を堅固に固定することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ひも状部材調整具により座部から延びるひも状部材の長さを調整することができる。このため掛止部を車両シートに容易に差し込むことができ、かつひも状部材によって座部を車両シート上で堅固に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるチャイルドシートの一実施例におけるチャイルドシートの設置構造を示す図
【図2】座部を裏面側からみた図
【図3】背部とヘッドレストの取付構造を示す図
【図4】背部の抜け止め突起とヘッドレストの係合突起を示す図
【図5】チャイルドシートの平面図
【図6】チャイルドシートの正面図
【図7】チャイルドシートの側面図
【図8】チャイルドシートの変形例を示す側面図
【図9】ひも状部材とひも状部材調整具を示す図
【図10】本発明によるチャイルドシートの設置方法を示す図
【図11】比較例としてのチャイルドシートの設置方法を示す図
【符号の説明】
10 チャイルドシート
11 座部
12 背部
12a 嵌合溝
14 ヘッドレスト
16 サイドサポート
16a 係合部
40 ひも状部材
41 ひも状部材調整具
42 掛止部
43 収納溝
47 前面端部
48 背面端部
50 段部
53 収納凹部
Claims (2)
- 車両シートに設置されるチャイルドシートにおいて、
車両シートに載置される座部と、
座部に対して揺動自在に設けられた背部と、
座部の前面端部から背面端部に延び、背面側先端に車両シート内に差し込まれる掛止部が取付けられたひも状部材とを備え、
ひも状部材の前面側に、ひも状部材に対して係止自在に摺動するとともに座部に係合するひも状部材調整具を設け、
ひも状部材は、座部裏面に沿って延び、
座部の裏面に、ひも状部材を収納する収納凹部が設けられると共に、掛止部を収納する収納溝が設けられていることを特徴とするチャイルドシート。 - 座部の前面端部に、ひも状部材調整具が係合する段部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のチャイルドシート。
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