JP2001180344A - チャイルドシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用しない時は背もたれ内に収納され、使用時
に座席シートの上に広げてセットするので、別個に取付
け取外す必要がなく、しかも備え付けの座席に固定され
ているので、安定して確実に幼児を保護して安全性を高
めたチャイルドシートを提供するものである。 【解決手段】自動車の座席シート１０の背もたれ１１の
前面に凹部１４を形成し、この凹部１４にチャイルド用
の小型の座席シート１５を前後方向に開閉自在に収納す
ると共に、この小型の座席シート１５に取付けたキャッ
プ６と、チャイルド用の背もたれ１７を兼ねる前記凹部
１４から引き出されたシートベルト４の先端に取付けた
ロック５とを着脱自在に連結したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は幼児を自動車に乗せ
た時に使用するチャイルドシートの改良に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】自動車にはシートベルトが取付けられ、
これは大人の体型に合わせて調整できるようになってい
るが、体の小さい幼児を固定する構造になってはいな
い。このため幼児を乗せる時は、大人が膝の上に抱きか
かえていると、衝突時に衝撃が加わって幼児を保持でき
ず危険であった。また幼児に自動車に備え付けのシート
ベルトを使用すると、シートベルトがおなかに食い込ん
だり、首に巻き付いたりする危険性がある。このような
問題から幼児を乗せる時には、幼児の体型に合わせて体
を固定して保護できるチャイルドシートの使用が義務付
けられるようになった。

【０００３】従来のチャイルドシート１は例えば図７に
示すように、チャイルド用の小型の座席シート２と背も
たれ３が一体に構成され、背もたれ３にシートベルト４
が連結されている。このシートベルト４の先端にはクッ
ション性のボディプロテクター９が取付けられ、更にこ
の先端にロック５が取付けられて、座席シート２に取付
けたキャップ６に着脱自在に連結されるようになってい
る。更に座席シート２の底部には取付台７が連結され、
ここに横方向にベルト取付孔８が開孔されている。

【０００４】このチャイルドシート１は、自動車の座席
シート１０の上に乗せて、自動車に備え付けのシートベ
ルト１２を取付台７のベルト取付孔８に通して固定する
ようになっている。

【０００５】このように従来のチャイルドシート１は、
座席シート１０の上に乗せて固定するので、通常、大人
だけが乗る自動車に幼児を乗せる場合には、取付け作業
が面倒であった。また常時、チャイルドシート１を取付
けたままにしておくと、大人だけが数人乗るような時に
は、チャイルドシート１が邪魔になるので取外す必要が
あった。また従来のチャイルドシート１は自動車に備え
付けのシートベルト１２を取付台７に通して座席シート
１０に固定する構造であるので、シートベルト１２が正
しい位置に取付けられていないと不安定となり危険であ
った。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
除去し、使用しない時は背もたれ内に収納され、使用時
に座席シートの上に広げてセットするので、別個に取付
け取外す必要がなく、しかも備え付けの座席に固定され
ているので安定して、確実に幼児を保護して安全性を高
めたチャイルドシートを提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
チャイルドシートは、自動車の座席シートの背もたれの
前面に凹部を形成し、この凹部にチャイルド用の小型の
座席シートを前後方向に開閉自在に収納すると共に、こ
の小型の座席シートとチャイルド用の背もたれを兼ねる
前記凹部とをシートベルトで連結したことを特徴とする
ものである。

【０００８】本発明の請求項２記載のチャイルドシート
は、シートベルトの先端側に取付けたロックと連結する
キャップを、小型の座席シートに可動自在に取付けて、
シートベルトの固定位置を調整するようにしたことを特
徴とするものである。

【０００９】本発明の請求項３記載のチャイルドシート
は、シートベルトが凹部を貫通して背もたれの内側に取
付けたシートベルト巻取り装置に連結されていることを
特徴とする請求シートベルトの先端側に取付けたことを
特徴とするものである。更に請求項４記載のチャイルド
シートは、自動車の座席シートの背もたれが前後に角度
調整できるリクライニング構造で、この背もたれに形成
されたチャイルド用の背もたれを兼ねる凹部がリクライ
ニングになっていることを特徴とするものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図１
ないし図６を参照して詳細に説明する。例えば図１およ
び図４に示すように前後に角度調整できるリクライニン
グ構造の助手席に取付けた場合、背もたれ１１の前面に
凹部１４が形成され、この凹部１４にチャイルド用の小
型の座席シート１５が前後方向に開閉自在に収納されて
いる。小型の座席シート１５は図２に示すように凹部１
４から手前に引出して助手席の座席シート１０の上に重
ねて広げるようになっている。更にこの小型の座席シー
ト１５は、その両側にサイドクッション１６、１６が折
り畳んで取付けられている。

【００１１】また小型の座席シート１５を手前に倒した
後の、背もたれ１１の凹部１４はチャイルド用の背もた
れ１７を兼ねている。この背もたれ１７にはシートベル
ト４が取付けられ、この先端にボディプロテクター９が
接続され、更にこの先端にロック５が取付けられてい
る。またシートベルト４は図４に示すように、背もたれ
１７を兼ねる凹部１４から背もたれ１１の内側に引き込
まれ、ここに取付けたシートベルト巻取り装置１９に巻
き取られるようになっている。

【００１２】また小型の座席シート１５の中央には図３
に示すようにボディプロテクター９に取付けたロック５
と着脱自在に連結されるキャップ６が設けられている。
このキャップ６は小型の座席シート１５の内側に埋め込
まれた位置調整器２１に接続され、スリット２０を通し
てキャップ６が引出されている。この位置調整器２１は
図６に示すように、チャンネル状のフレーム２２の上に
スライド板２３が取付けられ、このスライド板２３にス
トッパーピン２４とキャップ６が取付けられている。

【００１３】ストッパーピン２４はスプリングにより常
時下方に向かって弾性的に支持され、ストッパーピン２
４をフレーム２２の底部に所定の間隔で開口したピン孔
２５から抜くことにより、ロック５を取付けたスライド
板２３が前後に移動して位置を調整できるようになって
いる。

【００１４】また小型の座席シート１５の先端側には図
４に示すように貫通したスリット２６が形成されこの内
側にロック５が接続され、座席シート１５を凹部１４に
収納した時に、背もたれ１１に取付けたキャップ６に連
結して小型の座席シート１５を固定するようになってい
る。また小型の座席シート１５を手前に倒した状態では
図５に示すように、ロック５をスリット２６から下側に
通して助手席の座席シート１０に埋め込んだキャップ６
に連結して固定するようになっている。

【００１５】上記構成のチャイルドシートは、大人が助
手席に乗る時には図１のように小型の座席シート１５は
背もたれ１１の凹部１４に収納した状態にしておく。こ
の場合、小型の座席シート１５に取付けたロック５は図
４に示すように、背もたれ１１の凹部１４に埋め込んだ
キャップ６に連結されているので座席シート１５は凹部
１４に固定され、通常の背もたれ１１と同様な状態とな
る。

【００１６】助手席に幼児が乗る時にはキャップ６から
ロック５を外して、小形の座席シート１５を凹部１４の
内側から手前に倒して座席シート１０の上に広げると図
２に示す状態となる。次に図５に示すように、小型の座
席シート１５のスリット２６を通してロック５を座席シ
ート１０に埋め込んだキャップ６に連結して固定する。
この後、図３に示すようにサイドクッション１６、１６
を起こしてから、幼児を小型の座席シート１５の上に座
らせる。

【００１７】次に小型の座席シート１５のスリット２０
を広げて図６に示す位置調整器２１のストッパーピン２
４を引き上げて幼児の股下に来るようにキャップ６を移
動させてから、ストッパーピン２４を別のピン孔２５に
嵌合させて固定する。次にボディプロテクター９を幼児
の腹側に掛けて、この先端のロック５を前記キャップ６
に差し込んで固定する。この時、ボディプロテクター９
を取付けたシートベルト４は、シートベルト巻取り装置
１９に連結されているので容易に引き出すことができ
る。また背もたれ１１はリクライニング構造となってい
るので、チャイルド用の背もたれ１７もリクライニング
となり幼児に合わせて角度を調整する。

【００１８】運転中に万一、衝突事故が発生してもチャ
イルドシート１は助手席の座席シート１０に一体に固定
されているので、安定して体を保護することができる。
またシートベルト４はシートベルト巻取り装置１９に連
結されているので、衝撃を吸収することができる。

【００１９】なお上記説明ではチャイルドシート１を助
手席に取付けた場合について示したが、後部座席に取り
付ける構造でも良く、この場合、背もたれ１７はリクラ
イニング構造でなくても良い。またボディプロテクター
９はシートベルト４側に取付けた構造に限らず小型の座
席シート１５側に取付けた構造でも良い。

【００２０】

【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る請求項１
記載のチャイルドシートによれば、自動車の座席シート
の背もたれの前面に凹部を形成し、この凹部にチャイル
ド用の小型の座席シートを前後方向に開閉自在に収納し
たので、大人が乗る時には小型の座席シートを収納した
状態で使用し、幼児が乗る時にだけ小型の座席シートを
広げて使用できるので、別個にチャイルドシートを取付
け取外す必要がなく、しかも備え付けの座席に固定され
ているので、安定して確実に幼児を保護して安全性を高
めることができる。

【００２１】また請求項２記載のチャイルドシートによ
れば、シートベルトの先端側に取付けたロックを連結す
るキャップを、小型の座席シートに可動自在に取付けた
ので幼児の体型に合わせてシートベルトの固定位置を調
整することができる。

【００２２】また請求項３記載のチャイルドシートによ
れば、シートベルトが凹部を貫通して背もたれの内側に
取付けたシートベルト巻取り装置に連結されているの
で、衝突時に幼児に加わる衝撃を和らげて安全性を高め
ることができる。更に請求項４記載のチャイルドシート
によれば、チャイルド用の背もたれがリクライニングに
なっているので、幼児の体を安定させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態によるチャイルドシート
を背もたれに収納した状態を示す斜視図である。

【図２】図１のチャイルドシートを広げた状態を示す斜
視図である。

【図３】図２のチャイルドシートを組立てた状態を示す
斜視図である。

【図４】図１のチャイルドシートを背もたれに収納した
状態を示す断面図である。

【図５】図３のチャイルドシートを組立てた状態を示す
断面図である。

【図６】図３の位置調整器を拡大して示す斜視図であ
る。

【図７】座席シートの上に取付けた従来のチャイルドシ
ートを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ チャイルドシート ２ 小型の座席シート ３ 背もたれ ４ シートベルト ５ ロック ６ キャップ ７ 取付台 ８ ベルト取付孔 ９ ボディプロテクター １０ 座席シート １１ 背もたれ １２ シートベルト １４ 凹部 １５ 小型の座席シート １７ 背もたれ １９ シートベルト巻取り装置 ２１ 位置調整器 ２４ ストッパーピン

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車の座席シートの背もたれの前面に
   凹部を形成し、この凹部にチャイルド用の小型の座席シ
   ートを前後方向に開閉自在に収納すると共に、この小型
   の座席シートとチャイルド用の背もたれを兼ねる前記凹
   部とをシートベルトで連結したことを特徴とするチャイ
   ルドシート。
2. 【請求項２】 シートベルトの先端側に取付けたロック
   と連結するキャップを、小型の座席シートに可動自在に
   取付けて、シートベルトの固定位置を調整するようにし
   たことを特徴とする請求項１記載のチャイルドシート。
3. 【請求項３】 シートベルトが凹部を貫通して背もたれ
   の内側に取付けたシートベルト巻取り装置に連結されて
   いることを特徴とする請求項１または２記載のチャイル
   ドシート。
4. 【請求項４】 自動車の座席シートの背もたれが前後に
   角度調整できるリクライニング構造で、この背もたれに
   形成されたチャイルド用の背もたれを兼ねる凹部がリク
   ライニングになっていることを特徴とする請求項１記載
   のチャイルドシート。