JP2001261412A - 透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル - Google Patents
透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルInfo
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Abstract
コンクリートを新たに打設する際に、既設のコンクリー
ト硬化体と透水性コンクリートの間に介在させて、付着
強度を向上させるためのペースト又はモルタルを提供す
る。 【解決手段】 本発明の透水性コンクリート打継ぎ用ペ
ースト又はモルタルは、セメント又はセメントを含む粉
体混合物100重量部と、細骨材0〜300重量部と、ポリマ
ー0.5〜20重量部(固形分換算)と、ペースト又はモル
タルのJ14ロートの流下時間が3〜15秒となるように配合
される水とを含む。ポリマーの例としては、合成ゴム、
熱可塑性樹脂エマルション、熱硬化性樹脂エマルショ
ン、再乳化形粉末樹脂が挙げられる。
Description
ト舗装等の硬化体と、該硬化体に対して新たに打継がれ
る透水性コンクリートの間に介在させて用いるための透
水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルに関す
る。
が良くなるので、歩道や駐車場の舗装として実用化され
ている。また、近年、優れた透水性と大きな曲げ強度を
もつ透水性コンクリートが開発され、交通量の多い車道
での実用化が進められている。さらに、上記舗装以外の
用途として、護岸用コンクリートとしての実用化も検討
されている。
打設現場に砂利を敷設した後、該砂利の上に打設されて
いた。しかしながら、今後、透水性コンクリートの用途
をさらに広げるには、既設の硬化体(例えば、コンクリ
ート舗装やコンクリート構造物等のコンクリート硬化
体、アスファルト舗装等)の上方に透水性コンクリート
を打継ぐ技術の確立が必要である。特に、既設の硬化体
と透水性コンクリートとを、充分な付着強度で付着させ
るための手段を見出すことが、非常に重要である。
ト構造物)の上方に、新たな普通コンクリートを打継ぐ
場合には、次のような手順で施工が行なわれていた。す
なわち、まず、既設の硬化体の表面のレイタンス層又は
薄いペースト層を除去し、凹凸状の粗面を形成させる。
そして、硬化体の粗面上に、打継ぎ用モルタルを層状に
薄く塗布する。最後に、打継ぎ用モルタルの上面に、新
たな普通コンクリートを打設する。ここで、打継ぎ用モ
ルタルとしては、通常、水、セメント、細骨剤、遅延剤
を含むモルタルが使用されている。また、打継ぎの際の
温度ひび割れを防止するために、特開昭63−7896
6号公報には、水、セメント、細骨材、超遅延剤、ノン
ブリージング剤の各成分を含むモルタルが提案されてい
る。
透水性コンクリートを打継ぐことは、行なわれていなか
った。したがって、透水性コンクリートの打継ぎ用とし
て、如何なる配合のペースト又はモルタルを用いれば、
充分な付着強度が得られるのかという知見は、今までな
かった。そこで、本発明は、既設の硬化体に透水性コン
クリートを打設するに際して、既設の硬化体と透水性コ
ンクリートの間に介在させて、付着強度を向上させるた
めの透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル
を提供することを目的とする。
性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルは、既設
の硬化体と、該硬化体に打継がれる透水性コンクリート
の間に介在させて用いるためのペースト又はモルタルで
あって、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重
量部と、細骨材0〜300重量部と、ポリマー0.5〜20重量
部(固形分換算)と、ペースト又はモルタルのJ14ロー
トの流下時間が3〜15秒となるように配合される水とを
含むことを特徴とする。上記透水性コンクリート打継ぎ
用ペースト又はモルタルは、更に、0.2重量部以下の遅
延剤及び/又は5重量部以下の収縮低減剤を含むことが
できる(請求項2)。上記セメントを含む粉体混合物
は、例えば、50重量%以上のセメントと50重量%以下の
高炉スラグ及び/又はフライアッシュとからなる(請求
項3)。
する。 (1)セメント又はセメントを含む粉体混合物 本発明で用いるセメントとしては、普通ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトラン
ドセメント、低熱ポルトランドセメント等のポルトラン
ドセメントや、ホワイトセメント、アルミナセメント等
が挙げられる。セメントを含む粉体混合物とは、上記セ
メントに、高炉スラグ粉末、フライアッシュ、石灰石
粉、珪石粉、シリカフューム等から選ばれる一種以上の
無機質粉末を添加してなるものをいう。中でも、高炉ス
ラグ、フライアッシュが好ましい。無機質粉末は、3,00
0cm2/g以上のブレーン比表面積を有するものが好まし
い。セメントを含む粉体混合物中に占めるセメントの割
合は、強度発現性の確保のため、50重量%以上であるこ
とが好ましい。
砂、及びこれらの混合物が挙げられる。細骨材の添加量
は、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量部
に対し、0〜300重量部であり、好ましくは30〜150重量
部である。細骨材を添加することによって、モルタル
が、硬化後に乾燥して収縮するのを抑制することができ
る。細骨材の添加量が300重量部を超えると、既設の硬
化体と透水性コンクリートの付着強度が低下する。
ス、熱可塑性樹脂エマルション、熱硬化性樹脂エマルシ
ョン、再乳化形粉末樹脂、水溶性ポリマー等が挙げられ
る。合成ゴムラテックスとしては、スチレンブタジエン
ゴム(SBR)等が、熱可塑性樹脂エマルションとしては、
ポリアクリル酸エステル(PAE)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAC)等が、熱硬化性
樹脂エマルションとしては、エポキシ樹脂等が、再乳化
形粉末樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)、酢酸ビニルビニルバーサテート(VAVeoVa)、ポリア
クリル酸エステル(PAE)等が、水溶性ポリマーとして
は、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。これ
らのポリマーは、単独で用いても、2種以上を混合して
用いてもよい。
トを含む粉体混合物100重量部に対し、固形分換算で0.5
〜20重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。
添加量が0.5重量部未満では、既設の硬化体と透水性コ
ンクリートとの付着強度が低下する。添加量が10重量部
を超えると、ペースト又はモルタルのJ14ロートの流下
時間を15秒以内にすることが困難となるうえ、コストが
高くなることから好ましくない。
ロートの流下時間が3〜15秒、好ましくは4〜12秒となる
ような量である。ペースト又はモルタルのJ14ロートの
流下時間が3秒未満となるような水量では、本発明のペ
ースト又はモルタル自体の強度が弱くなるうえ、既設の
硬化体と透水性コンクリートとの付着強度が低下する。
ペースト又はモルタルのJ14ロートの流下時間が15秒を
超えるような水量では、ペースト又はモルタルの作業性
が悪くなり、好ましくない。
の作業性を向上させたり、既設の硬化体と透水性コンク
リートとの付着強度を向上させたりするために、ペース
ト又はモルタルに遅延剤及び/又は収縮低減剤を添加す
ることが好ましい。遅延剤としては、モノカルボン酸、
ポリカルボン酸、オキシカルボン酸、アミノ酸等の有機
酸又はこれらのナトリウム、カリウム、カルシウム、マ
グネシウム等の金属塩が挙げられる。具体的には、モノ
カルボン酸としては、蟻酸、酢酸等が挙げられ、ポリカ
ルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル
酸、テレフタル酸等が挙げられ、オキシカルボン酸とし
ては、ヘプトン酸、グルコン酸、グリコール酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、マンデル酸等が挙
げられ、アミノ酸としては、エチレンジアミンテトラア
セテート(EDTA)、グルタミン酸、アスパラギン酸
等が挙げられる。
その塩、又はポリカルボン酸もしくはその塩を使用する
ことが好ましい。遅延剤の添加量は、セメント又はセメ
ントを含む粉体混合物100重量部に対し、0.2重量部以下
が好ましく、0.02〜0.15重量部がより好ましい。遅延剤
の添加量が0.2重量部を超えると、養生期間を長くする
必要があり、工期が長くなる。また、既設の硬化体と透
水性コンクリートとの付着強度が低下する。
(AO)nHで示される低級アルコールのアルキレンオ
キサイド付加物が好ましい。ここで、式中のRは、炭素
数4〜6のアルキル基である。このような基としては、
n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル
基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、tert−
ペンチル基等が挙げられる。また、式中のAは、炭素数
2〜3の1種又は2種のアルキレン基であり、エチレン
基及び/またはプロピレン基が挙げられる。さらに、式
中のnは、1〜10の整数である。
ルのアルキレンオキサイド付加物の中でも好ましいもの
は、n−ブチルアルコールのプロピレンオキサイド(付
加モル数2)/エチレンオキサイド(付加モル数3)で
ある。市販品としては、太平洋セメント株式会社製の
「AS21」(商品名)が挙げられる。収縮低減剤の添加
量は、セメント又はセメントを含む粉体混合物100重量
部に対し、5重量部以下が好ましく、1〜4重量部がより
好ましい。収縮低減剤の添加量が5重量部を超えると、
既設の硬化体と透水性コンクリートとの付着強度が低下
する。なお、収縮低減剤は、水の一部と置き換えて使用
することが好ましい。
スト又はモルタルの混練方法や混練装置は、特に限定さ
れるものではなく、慣用の方法、及び慣用のミキサを用
いれば良い。
ない範囲で、透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又は
モルタルに、石膏(無水石膏、半水石膏、2水石膏、又
はこれらの混合物)及び/又は粘土(ベントナイト、酸
性白土等のモンモリロナイト系粘土)を添加することは
差し支えない。
はモルタルの使用方法]本発明の透水性コンクリート打
継ぎ用ペースト又はモルタルは、既設の硬化体の表面
を、必要に応じて凹凸状の粗面に形成させた後、その上
に打設する。既設の硬化体としては、例えば、コンクリ
ート舗装、コンクリート構造物等のコンクリート硬化体
や、アスファルト舗装等が挙げられる。なお、コンクリ
ートとしては、通常の生コンクリートや、各種繊維で補
強した繊維補強コンクリート等が挙げられる。
モルタルを、既設のコンクリート硬化体の上方に打継ぐ
場合は、既設のコンクリート硬化体表面のレイタンス層
又は薄いペースト層を除去するとともに、凹凸が形成さ
れた粗面とすることが好ましい。粗面に形成させる方法
としては、例えば、ワイヤーブラシを用いる方法や、湿
砂を吹付ける方法等が挙げられる。透水性コンクリート
打継ぎ用ペースト又はモルタルを打設する方法は、特に
限定されるものではなく、慣用の任意の方法を用いるこ
とができる。打設後に形成されるペースト又はモルタル
層の厚みは、通常、2mm〜40mm程度であり、好ましくは3
mm〜30mmである。
される透水性コンクリートの種類も、特に限定されるも
のではなく、任意である。例えば、特開平9−2731
05号公報に開示されている「粗骨材と、該粗骨材100
%に対する容積比が30〜80%のペースト又はモルタルか
らなり、該ペースト又はモルタルが、セメント又はセメ
ントを含む粉体混合物100重量部、細骨材0〜140重量
部、高性能減水剤又は高性能AE減水剤0.5〜2.0重量部
及び水16〜28重量部である舗装用混練物を敷設してなる
透水性コンクリート舗装」や、特公平5−34299号
公報に開示されている「セメントコンクリート1m3当
たり、300〜400kgのポルトランドセメント、該セメント
1重量部に対して0.005〜0.01重量部のバインダーと0.35
〜0.45重量部の水、及び残部の骨材からなる配合割合で
構成されるセメントコンクリート混合物を混練し、該混
練物をフィニッシャーで被舗装面に打設してなる、透水
性セメントコンクリート舗装」等が挙げられる。
ント(株)製) 2)高炉スラグ;ファインセラメント10A(第一セメン
ト(株)製) 3)ポリマー;「トマックスーパー」(商品名)(ジェ
イエスアール(株)製、スチレンブタジエンゴム(SBR)
系エマルション) 4)細骨材;市原産細目山砂(粒径2.5mm以下) 5)遅延剤;グルコン酸ソーダ(藤沢薬品工業(株)
製) 6)収縮低減剤;「AS21」(商品名)(太平洋セメン
ト(株)製) 7)水;水道水を使用した。
又はモルタルの配合及び混練 前記材料を使用し、表1に示す配合にしたがって、透水
性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルを調製し
た。混練は、ハンドミキサー(0.01m3)を用いて、90秒
間行なった。
の上面を、ブラッシングおよび洗浄することによって、
表面のレイタンス層を除去し、凹凸が形成された粗面と
した。その上に表1の各ペースト又はモルタルを打設
(塗布)し、厚さ5mm程度のペースト又はモルタル層を
形成させた後、速やかに透水性コンクリートを打設し、
20℃で7日間、気中養生し、供試体を作製した。
ポルトランドセメント80重量部、高炉スラグ(ファイン
セラメント10A)20重量部、細骨材(市原産細目山砂)5
0重量部、粗骨材(青梅産砕石6号)400重量部、高性能
減水剤(マイティ150)1.0重量部、及び水20重量部の配
合で混練した混練物を、振動数3,000vpmにて20秒間締め
固めたものを用いた。
「JIS A 6909(建築用仕上塗材)」に準じて測定した。
また、透水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタ
ルに関し、塗布時の作業性を「◎:非常に良好」、
「○:良好」、「×:悪い」で評価した。さらに、透水
性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタルのJ14
ロートの流下時間も測定した。結果を表2に示す。
リート打継ぎ用ペースト又はモルタルを用いた実施例1
〜9では、既設のコンクリート硬化体と透水性コンクリ
ートとの付着強度が大きく、かつ、作業性に問題がない
ことがわかる。一方、本発明で規定する以外のモルタル
を用いた比較例1、2では、既設のコンクリート硬化体
と透水性コンクリートとの付着強度が小さいか、又はモ
ルタルの作業性が悪いことがわかる。
ースト又はモルタルは、既設の硬化体(コンクリート硬
化体等)の表面に、透水性コンクリートを新たに打設す
るに際し、付着強度を向上させるための材料として極め
て有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 既設の硬化体と、該硬化体に打継がれる
透水性コンクリートの間に介在させて用いるためのペー
スト又はモルタルであって、セメント又はセメントを含
む粉体混合物100重量部と、細骨材0〜300重量部と、ポ
リマー0.5〜20重量部(固形分換算)と、ペースト又は
モルタルのJ14ロートの流下時間が3〜15秒となるように
配合される水とを含むことを特徴とする透水性コンクリ
ート打継ぎ用ペースト又はモルタル。 - 【請求項2】 更に、0.2重量部以下の遅延剤及び/又
は5重量部以下の収縮低減剤を含む請求項1記載の透水
性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル。 - 【請求項3】 上記セメントを含む粉体混合物が、50重
量%以上のセメントと50重量%以下の高炉スラグ及び/
又はフライアッシュとからなる請求項1又は2記載の透
水性コンクリート打継ぎ用ペースト又はモルタル。
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