JP4479250B2 - 表示装置の製造方法および表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置の製造方法およびこれによって得られる表示装置に関し、特に、有機電界発光素子(有機EL素子)を備えた表示装置の製造方法および表示装置に関するものである。
近年、ブラウン管に代わる表示装置として、軽量で消費電力の小さいフラット表示装置の研究、開発が行われている。このうち、有機EL素子を備えた表示装置は、自発光で、応答速度が高速であり、低消費電力での駆動が可能な表示装置として、注目されている。
このような有機EL表示装置をフルカラー化する構成として、青色(B)、赤色(R)、緑色(G)に発光する有機EL素子を配列した構成がある。この構成においては、発光層を含む有機層を陽極(アノード)と陰極(カソード)とで挟持した発光素子の構成を採用し、発光層で生じた光を陽極と陰極との間で共振させて、陽極側または陰極側から取り出す、マイクロキャビティ(微小光共振器)構造とする構成が提案されている。このような構成とすることにより、取り出し光の色純度を向上させ、共振の中心波長付近の取り出し光の強度を向上させることが可能である。
このため、B、R、Gの有機EL素子における取り出し光のスペクトルのピーク波長λB、λR、λGに合わせて、各色の有機EL素子における共振器構造の光学的距離LB、LR、LGをそれぞれ設定することにより、色純度改善が行われている。この光学的距離LB、LR、LGは、マイクロキャビティ効果を最大限にするために、各色ともに、0次の干渉条件になるように決定されており、波長の長いλR、λG、λBの順に、LR>LG>LBとなっている。そして、各色の有機EL素子の有機層は、この光学的距離に応じた膜厚となっており、R、G、Bの順に膜厚が厚く形成されている。
ここで、一般的に、有機EL素子の有機層は、真空蒸着法により、基板に蒸着マスクをアライメントした状態で、各色の有機層を蒸着させることで、各色別に塗り分けている。これにより、先に蒸着された色の有機層に、後から異なる色の有機層を蒸着する際に用いる蒸着マスクが接触してしまい、先に蒸着された色の有機層に傷が生じたり、蒸着マスクの異物が転写される。このため、先に蒸着される有機層を有する有機EL素子では、非発光欠陥が生じ易くなり、後から成膜される有機層を有する有機EL素子ほど、非発光欠陥が抑制される。
そこで、非発光欠陥の周囲の輝度が高いと非発光欠陥の視認性も高くなることを考慮し、輝度の低い順、すなわち、B、R、Gの順に有機層を蒸着させる方法がある。また、膜厚の薄い有機層から先に成膜すると、薄い膜厚の有機層に何度も蒸着マスクが接触することで、非発光欠陥が生じ易くなるため、膜厚の厚い順、すなわち、上述したように、R、G、Bの順に有機層を蒸着させる方法も報告されている。さらには、蒸着マスクと有機層の接触を防ぐために、有機層を成膜する領域内に突起部(スペーサー)を設ける例も報告されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−59671号公報
しかし、上述したように、各色の有機層を輝度の低い順に成膜すると、膜厚の最も薄いBの有機層が先に成膜されるため、蒸着マスクの接触の影響を受け易く、Bの有機EL素子の非発光欠陥が多くなる。また、0次の干渉条件でのBの有機層の膜厚は薄いため、基板上の異物や電極上の凹凸の影響を受け易く、さらに非発光欠陥が多くなる傾向があった。
また、各色の有機層を膜厚順に成膜する場合には、Bの有機層は最後に蒸着されるため、Bの有機EL素子の非発光欠陥が抑制されるものの、Gの有機層はBの有機層よりも先に成膜されるため、蒸着マスクの接触により、輝度の最も高いGの有機EL素子の非発光欠陥が増加するという現象が生じていた。Gの有機EL素子は輝度が高いため、非発光欠陥の視認性が高い。さらに、有機層を成膜する領域内にスペーサーを設ける方法では、有機層の成膜領域がスペーサーの分だけ低減されるため、この表示装置をスペーサーのないものと同一輝度で点灯させた場合に、発光寿命が低減してしまう、という問題があった。
このため、発光寿命を低減させることなく、各色の有機EL素子における非発光欠陥を低減可能な有機EL表示装置が望まれていた。
上述したような課題を解決するために、本発明における表示装置の製造方法は、基板上に、発光層を含む有機層を有する青色、赤色、緑色の有機電界発光素子を形成する工程を備えており、前記各色の有機電界発光素子を形成する工程は、前記基板上に共振器構造の反射層を含む陽極を形成する工程と、前記陽極上に形成された各色に対応する発光層を含む有機層を形成する工程と、前記有機層上に電子注入層を介して形成された陰極を形成する工程とを備え、各有機EL素子の有機層の膜厚を、青色、赤色、緑色の順に厚く設定し、前記反射層と前記陰極との間の光学的距離を、前記各色の発光層ごとにその発光光が共振可能な値に設定し、前記赤色と緑色の有機電界発光素子の光学的距離を0次の干渉条件に設定し、前記青色の有機電界発光素子の光学的距離を1次の干渉条件に設定し、各有機EL素子の有機層の少なくとも発光層を青色、赤色、緑色の順に成膜することを特徴としている。
このような表示装置の製造方法によれば、青色、赤色、緑色の有機層から順に成膜されることで、最後に成膜される緑色の有機層は、蒸着マスクの接触が抑制され、接触による損傷や異物の転写が防止される。このため、緑色の有機EL素子の非発光欠陥が低減される。また、緑色、赤色、青色の順に有機層の膜厚が厚く設定されることから、青色の有機層ほど膜厚が厚くなることで、蒸着マスクの接触による影響が抑制されるとともに、基板上の異物や電極の凹凸等の外的要因による影響も受け難くなる。したがって、青色の有機EL素子の非発光欠陥も低減される。これにより、背景技術で説明したように、有機層の成膜領域に蒸着マスクとの接触を防ぐためのスペーサーを設けなくても、蒸着マスクの有機層への影響が抑制され、有機EL素子の非発光欠陥も低減される。
以上説明したように、本発明における表示装置の製造方法およびこれにより得られる表示装置によれば、有機層の成膜領域を低減することなく、有機EL素子の非発光欠陥を低減することができる。したがって、発光寿命を低減させることなく、表示装置の表示品質を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の表示装置の製造方法によって得られる表示装置の一構成例を模式的に示す断面図である。この図に示す表示装置10は、基板11上に、青色(B)の光が取り出される有機EL素子12B、赤色(R)の光が取り出される有機EL素子12R、緑色(G)の光が取り出される有機EL素子12Gを発光素子として配列形成してなるフルカラーの表示装置である。
有機EL素子12B、12R、12Gは、基板11側から順に、陽極13、有機層14、電子注入層15および陰極16を積層した構成となっている。そして、有機層14において生じた発光光hを、陰極16側から取り出す、上面発光型として構成されている。以下、各部材の詳細な構成を製造工程順に説明する。
まず、例えばガラスなどの絶縁材料からなる基板11上に、薄膜トランジスタ(Thin film Transistor(TFT))(図示省略)を形成する。そして、このTFTが形成された基板11上に、ここでの図示は省略するが、例えばポリイミドを塗布、露光、現像、焼成して平坦化膜を形成する。この露光により平坦化膜にコンタクトホールを形成することで、後工程で形成する陽極13がこのコンタクトホールを介して上述したTFTと接続される。
次に、例えば真空雰囲気下でのスパッタ法により、平坦化膜(図示省略)上に、例えば、酸化インジウム錫(ITO)膜13a、Ag合金膜13b、ITO膜13cが基板11側から順次積層された導電層を形成する。続いて、この導電層上にレジストパターン(図示省略)を形成し、このレジストパターンをマスクに用いたエッチングにより、パターニングすることで、陽極13を形成する。その後、レジストパターンを除去する。この陽極13におけるAg合金膜13bは、以降に詳細に説明する共振器構造の反射層として用いられることとする。
次に、陽極13上に、通常のリソグラフィ技術により素子分離のための絶縁層(図示省略)を形成することで、各色の有機EL素子12B、12R、12Gの形成領域を分離する。続いて、窒素(N2)雰囲気下でベークを行い、酸素(O2)プラズマにより、基板11の前処理を行う。
次いで、例えば真空蒸着法により、陽極13上に、有機EL素子12Bの有機層14B、有機EL素子12Rの有機層14R、有機EL素子12Gの有機層14Gをそれぞれ形成する。本発明では、各有機層14B、14R、14Gの膜厚を、輝度の低い色から順に厚く設定することが特徴的であり、輝度の低い色順は、B、R、Gとなることから、有機層14B、14R、14Gの順に膜厚が厚く設定される。そして、各有機層14B、14R、14Gの膜厚は、有機層14B、14R、14Gにおいて生じた発光光hのうち目的とする波長の光を、陽極13中のAg合金膜13b(反射層)と陰極16との間で共振させることが可能な膜厚に設定されることとする。
ここで、本実施形態の表示装置10における有機層14B、14R、14Gの膜厚を設定するための共振器構造について詳細に説明する。この表示装置10は、後述するように、陽極13上に形成される有機層14B、14R、14G上に電子注入層15を介して陰極16が形成されている。そして、陽極13中のAg合金膜13bと陰極16との間に挟持される、陽極13における最上層のITO膜13cと、有機層14B、14R、14Gと、電子注入層15とを合わせた共振部Cにおいて、目的とする波長の光を共振させて、陰極16側から取り出すように構成されている。
この表示装置10は、フルカラー表示を得るために、発光層23B、23R、23Gで生じる発光光hは、B、R、Gの波長領域で発光強度を有している。そして、各有機EL素子12B、12R、12Gにおいて、Ag合金膜13bと陰極16との間の光学的距離LB、LR、LGは、それぞれの有機EL素子12B、12R、12Gに設定した所望の波長λB、λR、λGの光が、共振部Cで共振する値にそれぞれ設定されている。従来の表示装置では、この光学的距離LB、LR、LGは、0次の干渉条件となるように設定されており、LR>LG>LBとなっていた。
これに対し、本実施形態では、LR、LGを従来のまま0次の干渉条件で設定し、LBのみを1次の干渉条件となるように設定する。これにより、例えば、各有機EL素子12B、12R、12Gの発光層23B、23R、23Gで発生した発光光hが、Ag合金膜13bおよび陰極16で反射する際に生じる位相シフトをΦB、ΦR、ΦG(ラジアン)、有機EL素子12B、12R、12GにおけるAg合金膜13bと陰極16との間の光学的距離をLB、LR、G、陰極16側から取り出す光のスペクトルのピーク波長をλB、λR、λGとした場合、光学的距離LB、LR、LGが数3を満たすようにする。
Figure 0004479250
これにより、LB>LR>LGとなる範囲で、LR、LGはq次の干渉条件であり、LBは(q+1)次の干渉条件で設定される。例えば、LR、LGを1次の干渉条件とし、LBを2次の干渉条件としてもよい。ただし、光学的距離LB、LR、LGは、光学的距離LR、LGが正の最小値となるように、すなわち、LR、LGを0次の干渉条件とし、LBを1次の干渉条件とすることが、マイクロキャビティ効果が高いため、好ましい。そして、この光学的距離LB、LR、LGに応じて、有機層14B、14R、14Gの順に膜厚を厚く設定する。
ここで、例えば有機層14Bは、後述するように、正孔注入層21B、正孔輸送層22B、発光層23B、電子輸送層24Bで構成されるが、有機層14Bの膜厚を設定する場合には、上記のどの層の膜厚で調整してもよく、各層の構成材料により適宜設定されることとする。有機層14G、14Rについても同様である。
そして、上記のような膜厚順に設定された有機層14B、14R、14Gを、この膜厚順、すなわち輝度の低い色から順に成膜する。具体的には、次のように成膜工程を行う。
例えば、真空雰囲気下で、基板11上に蒸着マスク(図示省略)をアライメントして、有機EL素子12Bの形成領域における陽極13上に、正孔注入層21B、正孔輸送層22B、発光層23B、電子輸送層24Bを順番に蒸着することで、青色の有機層14Bを形成する。
次いで、真空雰囲気を維持した状態で、基板11上に蒸着マスク(図示省略)をアライメントして、有機EL素子12Rの形成領域に、正孔注入層21R、正孔輸送層22R、発光層23R、電子輸送層24Rを順番に蒸着することで、赤色の有機層14Rを形成する。
その後、真空雰囲気を維持した状態で、基板11上に蒸着マスク(図示省略)をアライメントして、有機EL素子12Gの形成領域に、正孔注入層21G、正孔輸送層22G、発光層23G、電子輸送層24Gを順番に蒸着することで、緑色の有機層14Gを形成する。
以上のように、有機層14B、14R、14Gを形成した後、真空雰囲気を維持した状態で、基板11上に蒸着マスク(図示省略)をアライメントして、真空蒸着法により、有機層14B、14R、14G上に、例えばフッ化リチウム(LiF)からなる電子注入層15を形成する。その後、真空蒸着法により、この蒸着マスクを用いて例えばMgAg合金からなる陰極16を形成する。この陰極16は、有機層14B、14R、14Gで生じた発光光hを取り出す側となるため、その光透過率が膜厚等で調整されていることとする。そして、この陰極16と上述した陽極13との間には、ここでの図示は省略した電流注入用の駆動電源が接続されていることとする。
次いで、スパッタ法により、基板11上に陰極16を蒸着する際に用いた蒸着マスクをアライメントして、陰極16上に、例えば酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide(IZO))からなる透明導電層(図示省略)を形成する。この透明導電層は、陰極16の電気抵抗を下げるために形成される。
その後、化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition(CVD))法により、マスクをアライメントした状態で、透明導電層上に窒化シリコン(SiNx)からなる保護膜(図示省略)を成膜する。次に、基板11の周縁部上に、熱硬化性の樹脂を塗布し、この樹脂上にガラス基板(図示省略)を張り合わせた状態で、加熱することで樹脂封止を行う。
このような表示装置の製造方法およびこれにより得られる表示装置によれば、有機EL素子12B、12R、12Gの有機層14B、14R、14Gの膜厚を、B、R、Gの順に厚く設定し、有機層14B、14R、14Gの順に成膜する。これにより、有機EL素子12Gの有機層14Gが最後に形成されるため、蒸着マスクの接触が抑制され、この接触に起因する有機層14Gの損傷や異物混入が防止される。したがって、輝度の高い有機EL素子12Gの非発光欠陥を低減することができる。
また、有機EL素子12Bの光学的距離LBを1次の干渉条件にすることで、従来の0次の干渉条件の場合には最も薄く設定される有機層14Bの膜厚が、最も厚く設定される。これにより、輝度の低い色の有機層14Bを最初に成膜しても、従来よりも膜厚が厚いため、蒸着マスクの接触による影響や基板11上の異物、陽極13の凹凸等の外的要因の影響が抑制される。したがって、有機EL素子12Bの非発光欠陥を低減することができる。
さらに、有機EL素子12Rの有機層14Rは2番目に成膜されるため、従来のように、光学的距離LB、LG、LRを0次の干渉条件とし、膜厚の厚い色順、すなわち有機層14Rを最初に成膜する場合と比較して、有機層14Rへの蒸着マスクの接触が抑制され、この接触による影響も抑制される。したがって、有機EL素子12Rの非発光欠陥も低減することができる。
よって、有機層14B、14R、14Gの成膜領域に蒸着マスクと有機層14B、14R、14Gとの接触を防ぐためのスペーサーを設けなくても、蒸着マスクの接触による有機層14B、14R、14Gへの影響を抑制でき、有機EL素子12B、12R、12Gの非発光欠陥を低減することができる。したがって、発光寿命を低減させることなく、表示装置10の表示品質を高めることができる。
以上、実施の形態により本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、有機層14B、14R、14Gにおける全ての層を、輝度の低い順に色別に形成する例について説明したが、有機層14B、14R、14Gのうち、少なくとも発光層23B、23R、23Gを輝度の低い色から順に成膜すればよい。例えば有機層14B、14R、14Gの膜厚が、各有機層の発光層23B、23R、23Gの膜厚の差のみで異なり、有機層14B、14R、14Gにおける発光層23B、23R、23G以外の層が同一材料であって、これらの層を同一工程で形成することが可能な場合には、発光層23B、23G、23Rのみを輝度の低い色から順に成膜すればよい。
また、上記の実施形態では、発光光hを陽極13側で反射させ、半透過性のAgMg合金で形成された陰極16側、すなわち上面側から取り出す構成としたが、陽極13を半透過性の材質で形成し、陰極16を反射性の高い材質で形成することで、発光光hを陽極13側、すなわち下面側から取り出す構成としてもよい。
さらに、陽極13と陰極16とを半透過性の材質で形成することで、両面から発光光hを取り出すような構造にすることも可能である。
また、上記の実施形態においては基板11上に形成された陽極13上に、有機層14B、14R、14Gを形成し、これらの上部に、電子注入層15を介して陰極16を形成し、陰極16側から光を取り出すように構成した例について説明したが、積層順序を逆にして、基板11上に形成された陰極16上に、電子注入層15を介して有機層14B、14R、14Gを形成した後、これらの上部に、陽極13を形成し、陽極13側から光を取り出すように構成してもよい。
さらに、本発明の具体的な実施例について説明する。本実施例では、上記実施の形態と同様の方法により、表示装置を製造した。
まず、TFTが形成された基板11上に、コンタクトホールが設けられた平坦化膜(図示省略)を形成した。次に、平坦化膜上に、ITO膜13a、Ag合金膜13b、ITO膜13cが基板11側から順次積層された導電層を形成した。ここでの膜厚は、ITO膜13a/Ag合金膜13b/ITO膜13c=約30nm/約100nm/約10nmとした。続いて、この導電層をパターニングすることで、陽極13を形成した。
次に、陽極13上に素子分離のための絶縁層(図示省略)を形成し、各色の有機EL素子12B、12R、12Gの形成領域を分離した。続いて、N2雰囲気下でベークを行い、O2プラズマにより、基板11の前処理を行った。
次いで、真空雰囲気下でこの基板11を有機層14Bを成膜するチャンバーに搬送し、基板11上に蒸着マスク(図示省略)をアライメントして、有機EL素子12Bの陽極13上に、正孔注入層21B、正孔輸送層22B、発光層23B、電子輸送層24Bを順次蒸着することで、有機層14Bを形成した。有機層14Bの膜厚は、1次の干渉条件の光学的距離LBに応じて設定し、約200nmとした。
次いで、真空雰囲気を維持した状態で、有機層14Rを成膜するチャンバーに搬送し、基板11上に蒸着マスク(図示省略)をアライメントして、有機EL素子12Rの形成領域の陽極13上に、正孔注入層21R、正孔輸送層22R、発光層23R、電子輸送層24Rを順次蒸着することで、有機層14Rを形成した。有機層14Rの膜厚は、0次の干渉条件の光学的距離LRに応じて設定し、約150nmとした。
その後、真空雰囲気を維持した状態で、有機層14Gを成膜するチャンバーに搬送し、基板11上に蒸着マスク(図示省略)をアライメントして、有機EL素子12Gの形成領域の陽極13上に、正孔注入層21G、正孔輸送層22G、発光層23G、電子輸送層24Gを順番に蒸着することで、有機層14Gを形成した。有機層14Gの膜厚は、0次の干渉条件の光学的距離LGに応じて設定し、約100nmとした。
次に、真空雰囲気を維持した状態で、電子注入層15および陰極16を蒸着するチャンバーに基板11を搬送し、基板11上に蒸着マスク(図示省略)をアライメントして、有機層14B、14R、14G上に、LiFからなる電子注入層15を約1nmの膜厚で形成した。その後、この蒸着マスクを用いてMgAg合金からなる陰極16を約100nmの膜厚で形成した。
次いで、真空雰囲気を維持した状態で、スパッタ法により透明導電層(図示省略)を成膜するチャンバーに基板11を搬送し、基板11上に陰極16を蒸着する際に用いた蒸着マスクをアライメントして、陰極16上にIZOよりなる透明導電層を約100nmの膜厚で成膜した。
その後、真空雰囲気を維持した状態で、CVD法により保護膜(図示省略)を成膜するチャンバーに基板11を搬送し、マスクをアライメントした状態で、透明導電層上にSiNxからなる保護膜を約1μmの膜厚で成膜した。次に、基板11の周縁部上に、熱硬化性の樹脂を塗布し、この樹脂上にガラス基板(図示省略)を張り合わせた状態で、加熱することで樹脂封止を行った。
本実施例に対する比較例として、背景技術で説明したように、光学的距離LB、LR、LGを0次の干渉条件とし、これに応じて、有機層14Bの膜厚を約70nm、有機層14Rの膜厚を約150nm、有機層14Gの膜厚を約100nmとした。そして、膜厚の厚い色から順に、すなわち、有機層14R、14G、14Bの順で、各色別に成膜した。なお、有機層14R、14G、14Bの成膜工程以外は、実施例と同様の方法で行い、同様の構成とした。
得られた実施例および比較例の表示装置について、所定の電流値で連続点灯させた場合の非発光欠陥の経時変化を調べた。その結果を図2に示す。図2のグラフでは、比較例における340時間連続点灯させた場合の、青色の有機EL素子12Bの非発光欠陥の数を100として、実施例および比較例における各色の有機EL素子12B、12R、12Gの非発光欠陥の経時変化を表している。
このグラフに示すように、連続点灯させた場合の非発光欠陥の経時変化を比較したところ、本実施例の有機EL素子12B、12R、12Gは、各色ともに非発光欠陥が低減されることが確認された。特に、比較例では、有機EL素子12Bと有機EL素子12Gで非発光欠陥が経時的に著しく増加したのに対し、本実施例では、有機EL素子12Bと有機EL素子12Gの非発光欠陥はほとんど増加せず、大幅に改善することができた。すなわち、有機層14Bのみを1次の干渉条件の光学的距離LBに応じた膜厚とし、輝度の低い順に成膜することで、有機EL素子12B、12R、12Gの非発光欠陥が低減されることが確認された。
本発明の表示装置の製造方法およびこれによって得られる表示装置に係る実施形態を説明するための模式的な断面図である。 本発明の実施例および比較例における各色の有機EL素子の非発光欠陥数の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
10…表示装置、11…基板、12B,12R,12G…有機EL素子、13…陽極、14B,14R,14G…有機層、16…陰極、L B ,LR,LG…光学的距離、23B,23R,23G…発光層

Claims (1)

  1. 基板上に、発光層を含む有機層を有する青色、赤色、緑色の有機電界発光素子を形成する工程を備えており、
    前記各色の有機電界発光素子を形成する工程は、
    前記基板上に共振器構造の反射層を含む陽極を形成する工程と、
    前記陽極上に形成された各色に対応する発光層を含む有機層を形成する工程と、
    前記有機層上に電子注入層を介して形成された陰極を形成する工程とを備え、
    前記各有機電界発光素子の有機層の膜厚を、青色、赤色、緑色の順に厚く設定し、
    前記反射層と前記陰極との間の光学的距離を、前記各色の発光層ごとにその発光光が共振可能な値に設定し、
    前記赤色と緑色の有機電界発光素子の光学的距離を0次の干渉条件に設定し、前記青色の有機電界発光素子の光学的距離を1次の干渉条件に設定し、
    前記各有機電界発光素子の有機層の少なくとも発光層を、青色、赤色、緑色の順に成膜する
    表示装置の製造方法。
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