JP4478212B1 - 納豆菌含有物とその製造方法 - Google Patents

納豆菌含有物とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4478212B1
JP4478212B1 JP2009110413A JP2009110413A JP4478212B1 JP 4478212 B1 JP4478212 B1 JP 4478212B1 JP 2009110413 A JP2009110413 A JP 2009110413A JP 2009110413 A JP2009110413 A JP 2009110413A JP 4478212 B1 JP4478212 B1 JP 4478212B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
natto
viscous material
viscous
product
unfermented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009110413A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010259333A (ja
Inventor
きく枝 橋本
Original Assignee
きく枝 橋本
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by きく枝 橋本 filed Critical きく枝 橋本
Priority to JP2009110413A priority Critical patent/JP4478212B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4478212B1 publication Critical patent/JP4478212B1/ja
Publication of JP2010259333A publication Critical patent/JP2010259333A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Beans For Foods Or Fodder (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Abstract

【課題】
高栄養・高機能・消化吸収性・咀嚼緩和性・良好な食感・発酵性・保存性・貯蔵性・二次加工性〜高次加工性・生産性・新味性・嗜好性・原料の広範な選択範囲・低価格などを満足させる納豆菌含有物を提供する。そのような納豆菌含有物の合理的な製造方法も提供する。
【解決手段】
動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかを原料とする。20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物である。酸素を含有した気泡が粘性物の内部に分散している。粘性物の気体含有率が5〜80%である。粘性物に納豆菌が接種されている。
【選択図】なし

Description

本発明は発酵食品の技術分野にある納豆菌含有物とその製造方法に関する。より詳しくいうと、本発明の一つは、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のいずれかを原料にしてこれに納豆菌を接種した納豆菌含有物に関する。かかる本発明品は、全体が未発酵の納豆菌含有物であったり、少なくとも一部が発酵状態の納豆菌含有物であったりするものである。本発明のさらに他の一つは、このような納豆菌含有物の製造方法に関する。
納豆は日本の伝統的な発酵食品の一つである。周知のとおり納豆は大豆を出発原料にしてこれを納豆菌で発酵させたものである。納豆はごく日常的な食品でありながらも高機能性の食品として高い評価を受けている。これまでに報告されている納豆の効用・効能・栄養価などについては、血栓溶解・骨粗鬆症の予防・病原性大腸菌の死滅効果(抗生物質的効能)・老化や癌の予防・高血圧の改善・糖尿病の予防や改善(血糖値を低下させる)・二日酔いの予防と早期解消(アルコール分解能)・高栄養(豊富な含有アミノ酸)がとくに注目されている。
大豆を出発原料とする納豆は、各メーカーによる多数の製品が販売されているほか、一般家庭でもつくられたりしている。納豆に関しては、また、商品情報・食品情報・技術情報など多岐にわたる情報がインターネット上や各種の文献で開示されている。
大豆を出発原料とする納豆は、通常、大豆の洗浄工程→大豆の浸漬工程→大豆の水切り工程→大豆の蒸煮工程→大豆への菌接種工程→菌接種大豆の容器充填工程などを経てつくられるものである。下記に示す特許文献1〜2の納豆製造技術も、いくつかの相違点を除けば、このような工程を主要工程にしている。
納豆関連製品については、これまでに多くの発明がなされているが、満足度や完成度の点でそれぞれが指摘を受けている。ちなみに上述の特許文献1などは、その以前の納豆関連製品について下記(01)〜(03)のような趣旨の指摘をしている。
(01) 従来の納豆は丸大豆をそのまま納豆にした粒納豆が市場の大半を占める。粒納豆は歯ごたえや食感が重要なものであって、そのままでは歯の弱い者・離乳食・調理用などには適さない。そのため、必要な場合は包丁で刻んで使用せざるを得ない。
(02) 挽割納豆が主に調理用納豆として出回っている。挽割納豆は大豆をあらかじめ割ったものであるから、食べやすさの点で粒納豆よりも改善されている。しかし細かく割るほど納豆の製造技術が難しくなる。これに鑑み、大豆を直径(丸目ふるいの穴径)4.0〜5.0mmに分割したものが主流となっている。このサイズの挽割納豆は噛まなくてよいというわけにいかず、離乳食にはまだ不十分である。
(03) 粒納豆を原料にして圧力をかけて格子を通過させて刻むことを特徴とするキザミ納豆の製造技術が特許第3162200号に開示されている。この特許文献技術は、丸大豆から製造された納豆を二次加工でキザミ納豆にするというものである。したがって当該文献技術は、高い製造コストがかかること、二次加工時の雑菌汚染に起因した衛生問題、使用する粒納豆の熟成が不足すると苦味が出るといった点が懸念される。
特許文献1の場合は、大豆を挽き割って得られる通常の挽割納豆の原料よりさらに細かく割った微細挽割大豆を原料としていることや、通常の挽割納豆と異なる製造方法を導入したことにより、風味の点で従来の挽割納豆と変わらず、しかも、ほとんど噛む必要のない納豆が得られるという。特許文献1のものは、また、ペーストにした納豆と異なり粒粒感があり、新規性のある納豆が安価に提供できるという。
一方で特許文献2は、従来技術として下記の特許文献3〜5をあげている。このうちで特許文献3のものは、納豆菌接種蒸煮大豆入りの納豆容器がセットされた台車の側方から調温調湿された気体を送り込んで、品質の均一な納豆を大量生産するという技術である。特許文献4や特許文献5の技術では、温度制御手段としてヒータや送風ファンが設けられている。
特許文献2は特許文献3〜5の技術について、下記(04)〜(08)のような趣旨の指摘をしている。
(04) ヒータや送風ファンが設けられただけの技術は、温湿度の管理を十分に行うことができない。したがって品質にバラツキのある納豆製品になってしまう。
(05) 容器に蒸煮大豆を充填してから取り出すまでの間に、運搬用台車への積み込み・容器への充填・取り出しなど多くの人手を必要とする。したがって小容器のものでは効率が悪い。さらに使用した容器は廃棄することになるので、その経費も多く必要とする。
(06) 側方から調温調湿気体を送入して多量生産を行なうので、納豆菌により多量の蒸煮大豆を発酵させることができる。しかし調温調湿気体を送風するための高価な各種設備が必要になる。
(07) 品温検出のために容器内に品温センサを配設する必要がある。これを行うべく蒸煮大豆内に温度センサを設置するとき、雑菌の混入する危険がある。
(08) 発泡樹脂系容器を使用しているため、容器を大型化したりするときは、容器内の温度の均一化ができず所定箇所に熱がこもったり熱が行き渡らず、納豆菌の発酵による自己発熱で局部過熱や一部発酵不良箇所が生じる。これを防止するために温度制御を行なうのは困難であり、その結果、完成品が品質劣化することもある。
これに対し特許文献2の方法は、品温を納豆発酵に適した温度に保ちながら蒸煮大豆を発酵させることにより、良質の納豆を多量生産することができるという。この文献記載の方法は、また、雑菌が混入する危険なく発酵させることができるという。自明のことではあるが、納豆発酵時の温度管理について、これが重要であることは特許文献2からもよく窺える。
さらに特許文献6は、これまでの納豆製品として通常の納豆(粒状・挽き割り状・刻み状など)をペースト状や粉末状に加工したものがあると説述している。このほか、特許文献7〜9に記載された納豆製品などもあげている。ちなみにいうと、特許文献7の納豆製品は粉砕した大豆粉を原料にしたものであり、特許文献8の納豆製品は粉砕かつ過熱した大豆粉(黄な粉)を原料にしたものである。さらに特許文献9の納豆製品はスライスした生大豆片を原料にしたものである。
特許文献6は上記ような従来納豆について、下記(09)〜(11)のような趣旨の指摘をしている。
(09) 粒状固形物の納豆をペースト状・液状・粉末状などに加工することは、納豆のネバネバした性質から原料として扱いにくく、工業的には大変難しい問題である。
(10) 加熱処理した大豆の粉末からなる黄な粉は、蛋白・澱粉などの成分が強い加熱で熱変性しているため、本来の納豆用としては異質の原料になっている。納豆の製造方法からも異なるカテゴリーに属する。
(11) 大豆本来の成分をそのまま残しかつ作業性を重視すれば、粉末状の大豆原料から製造をスタートするのが望ましいと考えられる。しかし生の大豆は、粉砕機にかけても粘性をともなうため均質な粉末を得ることが困難である。これは脱脂した大豆についても同様である。それに粉砕機は粉砕に多くの時間を要する。この時間の長い粉砕では、摩擦抵抗による温度上昇で蛋白・澱粉などの成分が熱変成してしまうので、本来の成分や性質を保持したままの大豆粉を得るのが難しい。
特許文献6の発明は、その納豆製品について、クリーム状あるいはペースト状を呈していること、大豆臭や大豆の酸化臭がないこと、粒状発酵によって発生する納豆菌の発酵臭もないこと、ほのかに甘い香りを発すること、クリーミで高品質であることなどを効果にあげている。この文献発明は、また、大豆を浸漬する必要もないので大豆の美味しさがそのまま生かされること、大豆の蒸煮に要する時間も短縮されること、製造が迅速に行えて工業化に適しかつ生産コストが低減されること、熱変性や酸化による異味異臭や変化のない香りのよい乳白色、クリーム状の納豆製品の量産化が可能になることなども効果にあげている。
以上の従来技術を概観するとき、納豆に関しては粒状・挽き割り状・刻み状・ペースト状・液状・クリーム状・粉末状・スライス状など、ほとんどの製品形態が出尽くしているようにみえる。しかも一部の製品形態などは発酵前後を問わず、任意の段階でつくられたりもしているのである。
特開2008−125481号公報 特開2007−020402号公報 特開平02−104257号公報 特開平03−043057号公報 特開平03−206860号公報 特開2005−087059号公報 特開平11−004662号公報 特開平10−117719号公報 特開2001−057861号公報
特許文献1の発明で得られる納豆は、粒粒感を保持しながらもほとんど噛む必要がないという。このようなものは高栄養食品のみならず、嗜好品としても価値のある食品といえる。とはいえこの粒粒納豆は、咀嚼をより緩和する点においてペースト状の納豆製品を凌駕することができない。それに発酵の困難なペースト状納豆の製造手段について、特許文献1は有効な技術を何も開示していない。
その他の有用事項として、納豆製造の際に大豆を8〜12間ほど微温湯に浸漬したものは、大豆が発芽直前の状態になり、大豆のサポニン量が最大になるという報告がある。これに関して特許文献1の発明は、細粒状に砕いたことで大豆発芽性がなくるため、微温湯浸漬によってサポニン量を多くするということができない。すなわち特許文献1の粒粒納豆は、サポニン増量ができないにもかかわらず、咀嚼緩和性や消化吸収性の点ではペースト状納豆を下回っているのである。ゆえにこの文献発明の納豆は、総合的にみた評価の点で利得分が損失分を上回るともいいがたい。
特許文献2の発明は、良質の納豆を多量生産する際の要諦として、品温を納豆発酵に適した温度に保ちながら蒸煮大豆を発酵させることをあげている。納豆菌による大豆発酵で品温管理が重要なことはこの分野での技術常識である。この品温管理について特許文献2の発明は、その発明に係る改良技術によって応分の成果を収めている。
特許文献2は、特許文献1と同様、ペースト状の原料を発酵させることについて何も記載していない。ちなみに、非破砕の乾燥大豆を水浸し後に蒸煮してなる蒸煮大豆などの場合は特許文献2の技術でよいといえるが、特許文献2の技術をペースト状原料に適用するには難点がある。それはこの文献記載のようにペースト状原料を2〜5cmの層にしたとき、内部充実した当該原料層の表層部と内層部との間にかなりの温度差が生じるからである。これが原因で原料層全体を均等な品温に維持するのが難しくなり、その結果、良質の発酵製品が得られなくなる。
これに対する特許文献6の発明は、ペースト状をさらに発展させたクリーム状の納豆製品を提供している。通常、クリーム状のものはペースト状のものよりも軟らかくて滑らかである。したがって、嗜好性は別として咀嚼緩和性や消化吸収性の点からするとき、特許文献6のクリーム状納豆製品は特許文献1の粒粒納豆製品よりも望ましいといえる。
特許文献6の発明は、また、クリーム状に至る前のペースト段階で生地を発酵させるときに有効な措置を講じている。それは納豆菌が水分を要する好気性菌であることに鑑み、ペースト状生地を広面積にしたりペースト生地に溝や孔を開けたりしていることである。これで生地内部にまで納豆菌や空気を行きわたらせることができるので、生地の発酵効率は高いものになる。
しかしながら特許文献6のクリーム状納豆製品やその製造技術なども、これらに難点がないわけではない。それは軟らか滑らかで消化吸収性や咀嚼緩和性のよいクリーム状納豆製品の場合、ペースト状納豆製品や粒粒納豆製品に比して含有水分量がかなり多くなっていることである。ちなみに含有水分量が多いということは、栄養分やその他の成分が製品段階で水で薄まっているということである。ゆえに特許文献6のクリーム状納豆製品は、高栄養食品や高機能食品として満足できないものになる。それに小児・高齢者・傷病者などの弱者(体力低下者)にとって流動性の高いクリーム状納豆製品は、流動性に起因した誤嚥(気管への流れ込み)にも注意しなければならない。このような傾向は、納豆製品の含有水分量が多くなるにしたがい(クリーム状から液状に向かうにしたがい)大きくなるといえる。
特許文献6には、一方で、「大豆粉に水を加え撹拌してペースト状の含水大豆粉をつくり、この含水大豆粉を所定温度で蒸煮した後、納豆菌を接種して発酵培養し、クリーム状の納豆製品を得る」という趣旨の記載がある(明細書公報の段落0013参照)。しかしこのような工程では、均質で十分に発酵したクリーム状納豆製品を得るのが難しい。その理由として、含水大豆粉からなるペースト状生地の浸透性(外部から内部への発酵要素の浸透性)がきわめて低く、生地の内部にまで納豆菌・温度・空気を行きわたらせるのが難しいからである。
この課題を解決するための手段も特許文献6の明細書公報中「段落0014」に記載されている。それは「上記含水大豆粉を蒸しあげた後の大豆培地に所定の間隔で穴をあけ、この大豆培地に納豆菌を接種して発酵培養する」という趣旨のものである。こうするときは適温の空気や納豆菌が穴を通じて生地内部にまで行きわたるようになり、それによって生地の発酵効率が高いものになる。
とはいえ上記の後者にもペースト状生地の復元力に起因した課題がある。それはペースト状生地に開けた穴が、その後の生地復元力で収縮したり閉塞したりするからである。すなわち、生地復元力で穴が収縮・閉塞して生地の穴開け効果が減殺されたりすると、生地内部への発酵要素の浸透が不十分になり、生地の発酵効率が低下してしまう。
上述したペースト状に関する課題は、大豆のような豆類を出発原料とする納豆菌含有物だけにとどまらない。それは植物系・動物系・加工食品系などの食物を出発原料にする納豆菌含有物においても、それぞれが各種のペースト状態を経て納豆菌含有物に至る場合に避けることができないからである。
本発明は上記のような課題に鑑みなされたものである。したがって本発明は、上記のような課題を解決するとともに、高栄養・高機能・消化吸収性・咀嚼緩和性・良好な食感・発酵性・保存性・貯蔵性・二次加工性〜高次加工性・生産性・新味性・嗜好性・原料の広範な選択範囲・低価格などを満足させる納豆菌含有物を提供するものである。本発明は、また、そのような納豆菌含有物の合理的な製造方法を提供するものである。
本発明に係る納豆菌含有物は、所期の目的を達成するための手段として下記(21)〜(24)に開示された技術内容を特徴とする。
(21) 動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかを原料とするものであること、および、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物であること、および、酸素を含有した気泡が粘性物の内部に分散していること、および、粘性物の気体含有率が5〜80%であること、および、粘性物に納豆菌が接種されていること、および、納豆菌を接種された菌接種粘性物が未発酵状態に保持されていることを特徴とする納豆菌含有物。
(22) 動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかを原料とするものであること、および、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物であること、および、粘性物に納豆菌が接種されていること、および、粘性物が粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形されてその成形物が集合されているとともに、酸素を含有した気泡がその成形物集合体の内部に分散していること、および、その成形物集合体の気体含有率が5〜80%であること、および、納豆菌を接種された菌接種粘性物が未発酵状態に保持されていることを特徴とする納豆菌含有物。
(23) 動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかを原料とするものであること、および、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物であること、および、酸素を含有した気泡が粘性物の内部に分散していること、および、粘性物に納豆菌が接種されていること、および、粘性物が粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形されてその成形物が集合されているとともに、酸素を含有した気泡がその成形物集合体の内部に分散していること、および、その成形物集合体の気体含有率が5〜80%であること、および、納豆菌を接種された菌接種粘性物が未発酵状態に保持されていることを特徴とする納豆菌含有物。
(24) 固形状添加物・半固形状添加物・液状添加物のうちから選択されたいずれかの添加物を含有している上記(21)〜(23)のいずれかに記載された納豆菌含有物。
本発明に係る納豆菌含有物の製造方法は、所期の目的を達成するための手段として、下記(25)〜(29)に開示された技術内容を特徴とする。
(25) 粘性処理工程と気体混合工程と菌接種工程と未発酵処理工程とを備えていること、および、各工程の順序として、各工程を同時実施するか、または、粘性処理工程の実施後に気体混合工程と菌接種工程とを任意順序または同時に実施し、かつ、その後において未発酵処理工程を実施すること、および、粘性処理工程のときには、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかの原料を、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物となるように加工すること、および、気体混合工程のときには、酸素を含有した気体を粘性物に混合し、その粘性物の内部に気泡を分散させて当該粘性物の気体含有率を5〜80%にすること、および、菌接種工程のときには、納豆菌を粘性物に接種してこれらを混合すること、および、未発酵処理工程のときには、上記各工程処理後の工程処理物を納豆菌の未発酵温度域に保持してその工程処理物の発酵を抑制することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
(26) 粘性処理工程と菌接種工程と成形工程と未発酵処理工程とを備えていること、および、各工程の順序として、粘性処理工程と菌接種工程とを同時実施するか、または、粘性処理工程の実施後に菌接種工程を実施し、かつ、その後において成形工程を実施し、さらにその後において未発酵処理工程を実施すること、および、粘性処理工程のときには、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかの原料を、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物となるように加工すること、および、菌接種工程のときには、納豆菌を粘性物に接種してこれらを混合すること、および、成形工程のときには、粘性物を粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形してその成形物を集合するとともに、酸素を含有した気泡をその成形物集合体の内部に分散させて当該成形物集合体の気体含有率を5〜80%にすること、および、未発酵処理工程のときには、上記各工程処理後の工程処理物を納豆菌の未発酵温度域に保持してその工程処理物の発酵を抑制することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
(27) 粘性処理工程と気体混合工程と菌接種工程と成形工程と未発酵処理工程とを備えていること、および、各工程の順序として、粘性処理工程と気体混合工程と菌接種工程とを同時実施するか、または、粘性処理工程の実施後に気体混合工程と菌接種工程とを任意順序あるいは同時に実施し、かつ、その後において成形工程を実施し、さらにその後において未発酵処理工程を実施すること、および、粘性処理工程のときには、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかの原料を、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物となるように加工すること、および、気体混合工程のときには、酸素を含有した気体を粘性物に混合し、その粘性物の内部に気泡を分散させて当該粘性物の気体含有率を5〜80%にすること、および、菌接種工程のときには、納豆菌を粘性物に接種してこれらを混合すること、および、成形工程のときには、粘性物を粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形すること、および、未発酵処理工程のときには、上記各工程処理後の工程処理物を納豆菌の未発酵温度域に保持してその工程処理物の発酵を抑制することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
(28) 粘性処理工程と気体混合工程と菌接種工程と成形工程と未発酵処理工程とを備えていること、および、各工程の順序として、粘性処理工程の実施後に気体混合工程と菌接種工程とを任意順序または同時に実施し、かつ、その後において成形工程を実施し、さらにその後において未発酵処理工程を実施すること、および、粘性処理工程のときには、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかの原料を、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物となるように加工すること、および、気体混合工程のときには、酸素を含有した気体を粘性物に混合してその粘性物の内部に気泡を分散させること、および、菌接種工程のときには、納豆菌を粘性物に接種してこれらを混合すること、および、成形工程のときには、粘性物を粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形してその成形物を集合するとともに、酸素を含有した気泡をその成形物集合体の内部に分散させること、および、上記気体混合工程と上記成形工程とによってその工程処理物の気体含有率を5〜80%にすること、および、未発酵処理工程のときには、上記各工程処理後の工程処理物を納豆菌の未発酵温度域に保持してその工程処理物の発酵を抑制することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
(29) 上記(25)〜(28)のいずれかに記載された納豆菌含有物の製造方法において、添加物の添加工程を追加すること、および、その添加物の添加工程を他の工程と同時に実施するか、または、最終工程よりも前に実施すること、および、添加物の添加工程において、固形状添加物・半固形状添加物・液状添加物のうちから選択されたいずれかの添加物を添加工程処理物に添加することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
本発明に係る納豆菌含有物は、下記(41)〜(51)のような効果を有するものである。
(41) 本発明の納豆菌含有物は動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のいずれかを原料にしてこれに納豆菌を接種したものである。周知のとおり、納豆菌を含有した食物の場合は、原料と納豆菌との相乗効果で食品としての高栄養化や高機能化をはかることができる。本発明の納豆菌含有物は、後述の効果を確保しながらも食品の高栄養化や高機能化がはかれるのであるから、食品として有用かつ有益なものといえる。
(42) 本発明の納豆菌含有物は20℃での粘度が2000〜600000cpsである。ここでcps(センチポアズ)は、SI系でいうと=mPa・s(ミリパスカル秒)に該当する。このような粘度範囲の粘性物で下限粘度2000cpsに該当するのものは、流動性がみられるものの、天然ゴムラテックス系接着剤ぐらいの柔軟性をもつ。これはたとえて、米飯を十分に咀嚼したぐいらいのものである。上限粘度600000cpsの粘性物は、流動性のない粘土ぐらいのもので、練り羊羹などがこれに近いといえる。このような粘度範囲にある納豆菌含有物は、咀嚼面でとくに緩和されるものであり、性消化吸収性もよいから、小児・高齢者・傷病者などの弱者(体力低下者)にとって望ましい食品となる。加えて本発明の納豆菌含有物は気体含有率が5〜80%である。粘性物でありながらこの範囲内の気体を含有するときは柔軟さが増し、より咀嚼しやすいものとなる。この傾向は気体含有率が増すほど高まる。
(43) 上記のような粘度や気体含有率をもつ本発明の納豆菌含有物には、固体と液体と気体とが入り混じった特異な柔軟性があり、これは舌触りや歯触りの点で口当たりのよい触感を呈するものである。したがって本発明の納豆菌含有物は、食品として良好な食感があり、嗜好性の点でも新味性の点でもこれを満足させ得る食品となる。
(44) 納豆菌の発酵で不可欠の5要素は、a.納豆菌/b.蛋白質や糖分を含んだ培地(例:大豆その他の食物)/c.水分/d.酸素を含有した気体(例空気)/e.発酵温度あり、これらが揃えば発酵に至る。一方、通常の食材の擂り潰し手段でつくられた粘性物の空気含有率は、ほぼ0%に近いか、多くても1〜2%程度にとどまる。かかる粘性物の場合、酸素の到達しない内部では発酵が起こりがたく、空気と接触した表面部での発酵が主となる。したがって内部に空気がほとんどない一般的な粘性物の場合は全体的にみて発酵効率が悪くなる傾向があり、発酵製品という観点からも良品に仕上がりがたい。これに対する本発明の納豆菌含有物は、内部に酸素含有の気体を含有していてその気体含有率が5〜80%というものである。とくに高率で気体を含有するものは多孔質構造体(スポンジ構造体)になる。これは外気と接触する表面部だけでなく、内部までも上記a〜dの不可欠要素を充足するのであるから、残りの一つである上記e(発酵温度)を満足させるだけで内外部が共に発酵することとなる。ゆえにこのものは、全体の発酵効率を高いものにすることができ、それによって良好な発酵製品に仕上げることができる。
(45) 本発明の納豆菌含有物でその全部が未発酵状態に保持されているものは、発酵物の観点からすると、上記a〜eのうちのe(発酵温度)が不足しているものである。これは納豆菌の発酵に適した温度が40℃前後であるのに対し、たとえば55℃以上とか25℃以下のような温度域に保持されているものである。このような未発酵状態の納豆菌含有物は、通常、容器入りの状態で取り扱われる。それで容器入り納豆菌含有物が冷蔵庫・冷凍庫・常温の室などに置かれたり、または、温蔵庫に置かれたりして未発酵状態が保持される。かかる未発酵状態の納豆菌含有物は、自明のとおり、発酵後期のようなアンモニア発生がないので、良好な品質を維持するという点で保存性や貯蔵性がよい。
(46) 本発明の納豆菌含有物でその全部が未発酵状態に保持されているものは、発酵段階を経ずに摂食することも有効である。それは未発酵状態において上記a〜dの不可欠要素を満たし、腸内温度(約38℃)が上記eを満たすからである。したがって摂食後、当該納豆菌含有物が腸内にまで到達したときに納豆菌が腸内で発酵する。より詳しくいうと、この場合の納豆菌は、発酵に適さない胃を芽胞(胞子)のままで通過して腸内に至る。腸内で納豆菌は、発芽増殖して既知の効能物質などを産生し、一方で病原性菌や腐敗菌などを駆逐したりその増殖を抑制したりする。ゆえに納豆菌含有物は、未発酵状態であってもこれを摂食後に発酵状態のものと同等かそれに準じた効果を発揮することとなる。
(47) 本発明の納豆菌含有物で少なくともその一部が発酵状態のものは、すでに発酵していることで既知の効能物質が産生されているから、摂取効果が確実で早いといえる。
(48) 本発明の納豆菌含有物は気体を含有した粘性物である。これについてはつぎのようにいうことができる。まず一つは、液体に溶けやすく簡単に液化できることである。つぎの一つは、天日乾燥・加熱乾燥・低温乾燥・凍結乾燥など、いずれの手段でも乾燥できることである。もちろんその乾燥物を小さくしたり細かくしたりすることも自由に行える。さらなる一つは、煮る・蒸す・焼く・炒る・揚げるなどの熱処理が簡単に行えることである。したがって本発明の納豆菌含有物は、二次加工性〜高次加工性の点でも望ましいものである。
(49) 本発明の納豆菌含有物は、粘性物の内部に酸素含有気体があって、それに納豆菌が接種されているものである。この場合に必要な粘性物づくり・粘性物内への気体の分散・粘性物に対する納豆菌の接種などは、格別の技術難度を要するものでない。いずれのプロセスも機械的な手段でライン化することができ、ライン結合なども容易に行えるものである。したがって本発明の納豆菌含有物は高い生産性を望むことができる。
(50) 本発明の納豆菌含有物は既述のとおり、原料を粘性物状態にするものである。この粘性物状態にするときの原料は、食用であるかぎりいずれであってもよい。すなわち動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物などが原料として任意に採用できるものである。したがって本発明の納豆菌含有物は、原料について広範な選択範囲を確保できる。また、原料の選択範囲が広範であるから、効用・効能・栄養価について特化した納豆菌含有物が生産しやすくなる。
(51) 本発明の納豆菌含有物は既述のとおり、原料を粘性物状態にするものである。このように原料を粘性物状態にするとき、肉質部のような可食部はもちろんのこと、通常では廃棄処分しているような部位や部分(皮・内臓・骨・種子・葉・茎・根・その他であって通常は食さない箇所)も利用できることとなる。これは原料について、全部利用またはそれに可及的近い状態で利用するのであるから歩留りが高いものになる。さらに酸素を含有した気体も空気の利用で足りる。したがって本発明の納豆菌含有物は低価格を期すことができる。さらに、かつて廃棄していた栄養分などをこれで取り込むことができるとともに廃棄処理の負担もこれで軽減するので、より望ましいものになる。
本発明に係る納豆菌含有物の製造方法は、下記(52)〜(55)のような効果を有するものである。
(52) 本発明に係る納豆菌含有物の各製造方法は、3工程・4工程・5工程・6工程のうちのいずれかである。これらの各工程は、既述の粘性処理工程・気体混合工程・菌接種工程・成形工程・未発酵処理工程・発酵工程などであって工程数が少ない上に工程難度がなく、一部の工程については順序を入れ替えたり同時実施したりすることのできる自由度もある。もちろんこれらの工程によるときは、技術レベルの高い既成の機械装置に依存して納豆菌含有物を安定かつ容易に製造することができる。
(53) 納豆菌の接種や発酵については伝統的な実績に裏付けられており、粘性物をつくるための粘性処理・粘性物への気体混合・粘性物の成形なども高水準の既成技術が揃っている。組み合わせの新規な複数工程によって新規な納豆菌含有物をつくるという本発明方法は、上記のような高水準の技術が採用できることにより、その納豆菌含有物を良品として安定製造することができる。
(54) 納豆菌を利用する粘性物の発酵技術において酸素含有気体を粘性物内に介在させるときは、既述のとおり粘性物内部からの発酵が実現する。本発明方法において酸素含有気体(例:空気)を粘性物内に介在させるのは、気体混合工程とか成形工程とかの工程である。このような工程によるときは、粘性物内に簡易かつ確実に酸素含有気体を介在させることができる。
(55) 本発明方法で採用する各工程は、これを実施する上で特別の難度がなく、一連にライン化して合理的に実施することができ、設備や運転に高額の費用を要することもない。これは、また、イニシャルコストやランニングコストの低減にも通じるものである。
本発明に係る納豆菌含有物および本発明に係る納豆菌含有物の製造方法について、これらの実施形態を以下に説明する。
はじめに納豆菌について説明する。周知のとおり、納豆菌は主として納豆を製造するために使用されている細菌である。かつての学術名はBacillus nattoであったが、現在ではBacillus subtilis に統一されている。納豆菌については多くの事項が明らかである。その典型的な一つは強靱な生命力である。ちなみに100℃で滅菌処理すると、多くの細菌は死滅するが納豆菌は死滅しない。納豆菌を死滅させるためには、およそ120℃以上の温度が必要である。高温ばかりか低温にも強く−100℃でも納豆菌は死滅しない。酸やアルカリにも納豆菌は強く、少なくともpH1〜10の環境下では生き延びられる。それは納豆菌が芽胞(胞子)を形成するために、過酷な環境下でも生き延びることができるのである。市販の納豆菌も基本的には芽胞(胞子)の状態である。国内で納豆菌は、「宮城野菌」(仙台市:宮城野納豆菌製造所)、「成瀬菌」(東京都:株式会社成瀬発酵化学研究所)、「高橋菌」(山形市:高橋祐蔵研究所)などがよく知られており、多くの納豆製造業者がこれらを使用している。本発明では主に「高橋菌」が用いられる。その他、従来知られているBacillus subtilis の分離培地を用いて市販の納豆より純粋分離して得たもの、または、これらの菌の混合物などを用いることもある。
つぎに納豆菌含有物の原料について説明する。原料としては、食用になるものであればいずれでも採用することができる。その一つとして動物系食物をあげることができ、他の一つとして植物系食物をあげることができ、さらに他の一つとして動植物混合系食物をあげることができる。これらの食物は水陸いずれに由来するものであっても構わないから、水産物であったり陸産物であったりする。この場合の動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物については、一般的な可食部にとどまらず、通常では廃棄処分しているような部位や部分(皮・内臓・骨・種子・葉・茎・根・その他であって通常は食さない箇所)も使用することができる。したがってこの場合の食物は、一般的な可食部および/または通常廃棄処分している部位や部分ということになる。原料としての食物は、さらに、一次加工品〜高次加工品のような加工食品であっても構わないものである。動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物などの代表例や具体例をあげると以下のとおりである。加工食品の例も以下のとおりである。
[動物系食物]
食肉(食用動物類の肉)、動物の肉以外の部分(皮・骨・内臓など)、卵、魚介類、魚介類の皮・骨・内臓
<具体的な卵>
鶏卵、あひるの卵、うずらの卵
<具体的な食肉>
牛肉、鶏肉、豚肉、羊肉
<具体的な魚介類>
赤貝、浅蜊、鮎、鮑、烏賊、イクラ、鰯、ウニ、海老、牡蠣、数の子、蟹、鰈、キャビア、鯨、鯉、鮭、ザリガニ、秋刀魚、食用蛙、筋子、鱸、スッポン、鯛、蛸、鱈、鱈子、鰊、蛤、鰤、鮪、ムール貝
[植物系食物]
野菜、果実、食用の花、食用の草、穀物(穀類)、豆類、種子類、茶の葉、麦芽その他の発芽物、海草類
<具体的な野菜>
枝豆、南瓜、莢隠元、キャベツ、胡瓜、牛蒡、薩摩芋、馬鈴薯、山椒、椎茸、松茸、紫蘇、生姜、薇、大根、筍、萵苣、唐辛子、ピーマン、トマト、茄子、人参、葱、白菜、パセリ、蕗、菠薐草、松茸、モヤシ、山葵、蕨、ギンナン、胡麻、モロヘイヤ、野蒜、明日葉(鹹草)、三つ葉
<具体的な果実>
蜜柑、林檎、柿、苺、桃、梨、枇杷、葡萄、西瓜、栗、胡桃、バナナ、オレンジ、レモン、メロン、ブルーベリー、ネーブル、プルーン、杏子、松の実、ココナッツ、アーモンド、カシュウナッツ、ヘーゼルナッツ、コーラナッツ
<具体的な穀物>
米、麦、粟、稗、黍、トウモロコシ(玉蜀黍)、蕎麦
<具体的な豆類>
小豆、隠元豆、豌豆、蚕豆、大豆、黒豆(大豆の一種)、落花生
[動植物混合系食物]
動物系食物と植物系食物とを組み合わせたもの
[加工食品]
加工野菜(冷凍野菜、乾燥野菜を含む)、加工果実(冷凍果実、乾燥果実を含む)、肉製品、加工水産物、乳製品、加工卵、食用油脂、穀物の加工品、煎り胡麻、擂り胡麻、豆腐、パン、菓子、調味料、食用蛋白、グルテン、蜂蜜、葡萄糖、水飴、食用粉類(葛粉、小麦粉、米粉、コーンスターチ、サゴ、薩摩芋粉、馬鈴薯粉、蕎麦粉、タピオカ、トウモロコシ粉、豆粉、麦粉)
本発明で納豆菌含有物の添加物として用いられるものは、固形状添加物・半固形状添加物・液状添加物のうちのいずれかである。このような添加物は、成分追加・成分調整・粘度調整・増量剤などを目的として単数または複数のものが用いられる。具体的な当該添加物としては、つぎのようなものをあげることができる。植物またはそのエキスを主原料とするもの。菌類またはそのエキスを主原料とするもの。動物またはそのエキスを主原料とするもの。畜産品またはそのエキスを主原料とするもの。酪農品またはそのエキスを主原料とするもの。食物繊維を主原料とするもの。植物性油脂を主原料とするもの。動物性油脂を主原料とするもの。加工油脂を主原料とするもの。蛋白質を主原料とするもの。アミノ酸を主原料とするもの。ガンマ−アミノ酪酸を主原料とするもの。コラーゲンを主原料とするもの。グルコサミンを主原料とするもの。キトサンを主原料とするもの。クロレラを主原料とするもの。所要の栄養成分(ビタミン・ミネラル・その他の栄養成分など)を含有するもの。補酵素を主原料とするもの。オリゴ糖またはその他の糖類を主原料とするもの。コーヒーを主原料とするもの。ココアを主原料とするもの。コーヒー豆を主原料とするもの。ビール酵母を主原料とするもの。プロポリスを主原料とするもの。ローヤルゼリーを主原料とするもの。各種酵母菌を主原料とするもの。オーツ麦またはその他の穀類を主原料とするもの。穀類を主原料としてこれを麹菌・酵母菌などの微生物で発酵させたもの。穀物エキスを主原料とするもの。発芽玄米を主原料とするもの。澱粉を主原料とするもの。黒酢またはその他の酢を主原料とするもの。食品香料を主原料とするもの。食用グルテンを主原料とするもの。大豆粉またはその他の食用粉類を主原料とするもの。抹茶またはその他の茶を主原料とするもの。茶エキスを主原料とするもの。甘味料を主原料とするもの。調味料を主原料とするもの。香辛料を主原料とするもの。ここに掲げた添加物は、チュアブル状・顆粒状・粒状・粉状・線状・紐状・短冊状・シート状・ゲル状・ゾル状・ゼリー状・グミ状・シロップ状・液状・固形状などの添加物形態を有しているものである。このほかの添加物として、八重山アオキを主原料とする茶、うこぎを主原料とする茶、田七人参を主原料とする茶、イヌトウキを主原料とする茶、ドラゴン実を主原料とする野草をブレンドした茶などもあげることができる。以上のように種々のものを掲げた固形状添加物・半固形状添加物・液状添加物などの添加物は、材料種・成分・内容・その他に関して、前述した納豆菌含有物の原料と重複するものであっても構わない。
本発明に係る納豆菌含有物の一つは、既述のような具体的な食物を原料にしている。それは動物系の食物であったり、または植物系の食物であったり、あるいは動植物混合系の食物であったりするものである。この原料については、生で食することが安全な場合に生で用いられることがある。とくに果実や野菜の場合に生のことが多い。場合によって、植物系食物からなる原料が中温(55℃以上70℃未満)または高温(70℃以上)で熱処理されていることもある。動物系食物を含む原料の場合は原則として高温(70℃以上)で熱処理されたものが用いられるが、例外的には生のこともある。もちろん原料は、素材がそのまま用いられているのでなく、20℃での粘度が2000〜600000cps望ましくは4000〜550000cpsの粘性物になっている。しかも、当該粘性物の内部には酸素を含有した気泡が分散している。この気泡を形成している気体は、典型例において空気である。他の例においては空気から窒素を高率で除去した濃縮酸素が酸素含有気体として用いられる。この場合の粘性物の気体含有率は5〜80%望ましくは10〜70%の範囲内にある。そして当該気体含有粘性物に納豆菌が接種されたものが本発明の納豆菌含有物になる。このような本発明納豆菌含有物は、通常、容器内に収容されているものである。
本発明に係る上記納豆菌含有物において、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のいずれを原料として選択した場合でも、その原料を粘性物にすることができる。それは原料について破砕・水分添加・撹拌などの処理を施した場合、あらゆる原料が例外のないくらい粘性物に仕上がるからである。かかる粘性物が得られることについては、原料段階のものであっても、また、粘性物段階のものに既述の添加物を加えたものであっても変わらない。本発明でのこの粘性物については、引っ張り荷重をかけたときに途中で切れる傾向がみられるので、非ニュートン流体に近いと推測できる。このような納豆菌含有物すなわち気体含有粘性物に納豆菌が接種されたものにおいて、その内部に分散した気泡は、独立気泡(単独気泡)であってもよいし連続気泡であってもよい。独立気泡の場合は、ほとんどといえるほど気泡が外部と通じていないから、粘性物内には実質的に外気が進入しないとみてよい。それに対し連続気泡の場合は、大部分または全部の気泡が外部に通じているので、外気が粘性物内に取り込まれることがある。気泡の語については、これが気孔と称されることもある。
本発明に係る納豆菌含有物の他の一つは、上記と共通する点および上記と相違する点を備えているものである。共通点は、原料の選択が記と同じであること、粘性物の粘度が上記と同じこと、粘性物に納豆菌が接種されていることなどである。相違点は粘性物段階において気泡がないこと、粘性物が粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形されてその成形物が集合されていること、酸素を含有した気泡がその成形物集合体の内部に分散していることなどである。この場合における成形物集合体の気体含有率は5〜80%望ましくは10〜70%であるから、この率に関しては上記と変わらない。成形後の粘性物は所定の形状にになる。この成形物の形態については、たとえば素麺のような線状でもよいし、蕎麦・うどん・きしめんのような紐状でもよいし、さらに、薄い短冊状のようなものでもよいのである。素麺・蕎麦・うどん・きしめんのような形態をした成形物は、たとえば短く切断されたりして短寸に仕上げられていても構わないほか、その部分または全体において、曲げ・縮れ・皺・凹み・凸起・凹凸・渦巻き・螺旋巻き・折り畳み形・撚り・波形・歪み・穴・管形・溝のようなものがあっても構わない。この成形物の形態としては、また、球形・立方体形状・直方体形状・六面体以上の多面体形状・異形立体などでもよいし、それらの中空体などでもよいものである。当該成形物については、大きさが一定した粒揃いのもの、形が同じで大きさが不揃いのもの、大きさがほぼ同じで形が異なるもの、形も大きさも異なる不揃いのものなど種々の態様のものがある。粒状成形物の場合も皺・凹み・凸起・凹凸・歪みなどがあってよい。成形物で粒状をしたものは、およその粒径が0.5〜10mmぐらいの範囲内にある。成形物で線状・紐状・短冊状をしたものなどは、15mm以下の短いものと、30mm以上の長いものと、その中間のものとがある。成形物でシート状をしたものは、縦50〜150mm、横50〜150mmぐらいのものであるが、これは皺縮状態のものが多い。このような成形物を集合してなる成形物集合体は、それぞれの成形物が相互に接触しているもの、しかも、成形物相互の接触部間に生じた隙間に既述の酸素含有気体が介在しているものであり、それによって、上記のような気体含有率が確保されている。この例における本発明納豆菌含有物も、通常、容器内に収容されているものである。
上述した二つの例の納豆菌含有物は、それぞれが添加物を含有していることもある。その場合の添加物は固形状添加物・半固形状添加物・液状添加物のうちから選択されたいずれか一つ、またはいずれか二つ、あるいは三つすべてである。そのうちで固形状添加物の場合は、一例として粒径2mm以下の粉粒状で原料の粘性物中に添加かつ撹拌され、その粘性物中に均等分散するものである。さらに半固形状添加物や液状添加物なども、原料の粘性物とよく撹拌されてその粘性物中に均等分散するものである。具体的な添加物については上記段落0034に列挙されているので、固形状添加物・半固形状添加物・液状添加物などの添加物としては、これらのうちから、成分追加・成分調整・粘度調整・増量剤など目的に応じたものが選択されて添加される。
上述した四つの例の納豆菌含有物は、一例として未発酵状態に保持されるものである。これはつぎのとおりである。本発明で例示した各納豆菌含有物は、通常、蓋のある容器内に収容されている。本発明で用いられる納豆菌は37〜45℃程度の発酵温度を発酵条件の一つにしているものである。したがって本発明での容器入り納豆菌含有物は、これが上記発酵温度から外れた温度域に保持されて未発酵状態に保持されるのである。具体的には容器入り納豆菌含有物を0〜5℃の冷蔵温度域に保持するとか、−18℃以下の冷凍温度域に保持するとか、または、55℃以上の温蔵温度域に保持するとかの手段がとられる。より具体的にいうと、一般家庭の場合は冷蔵庫や温蔵庫が利用され、製造工場や商品中継基地の場合はそこに設備された冷蔵設備・冷凍設備・温蔵設備のいずれかが利用され、さらに小売りまたは卸売りの販売店などの場合も、そこに設備された冷蔵設備・冷凍設備・温蔵設備、あるいは、その種の温度保持機能を備えた食品陳列ケースなどによって、納豆菌含有物が未発酵状態に保持される。このほか、夏期の高気温時を除けば、上記のような冷蔵・冷凍・温蔵などをしなくても、室温下に置くことで納豆菌含有物の未発酵状態が保持できる。納豆菌含有物の未発酵状態については、また、納豆菌含有物が容器などに入れられて一纏まりの状態にあるとき、その一纏まりの全部(全量)を未発酵状態にするものである。
上述した四つの例の納豆菌含有物は、他の一例として、少なくともその一部が納豆菌により発酵しているものである。これは本発明の各例での各納豆菌含有物が上記のような容器入りで、その納豆菌が37〜45℃程度の温度域で発酵するというとき、当該納豆菌含有物がその発酵温度域に保持されて発酵しているのである。具体的には、38〜40℃の温度調節式発酵槽(恒温室)内に入れられて所要時間が経過することにより、容器入り納豆菌含有物が発酵しているものである。さらにいうと、この場合の納豆菌含有物は一部だけが発酵していたり、または、全部が発酵していたりするものである。一部発酵の場合の一部発酵率は、納豆菌含有物の食べ頃を何時にするかでかなり変動する。したがって納豆菌含有物で容器入りのものについては、食べ頃との関係において、全量の5〜95%の範囲内で一部発酵率を設定すればよい。
本発明に係る納豆菌含有物の製造方法において採用される工程は、前述した粘性処理工程・気体混合工程・菌接種工程・成形工程・未発酵処理工程・発酵工程などである。これらの具体的内容は以下のようなものである。
[A]粘性処理工程
これは原料について、これを20℃における粘度が2000〜600000cpsの粘性物に加工するための工程である。そのための具体的な手段として「切る」「刻む」「断つ」「破る」「砕く」「潰す」「壊す」「打つ」「叩く」「圧す」「押す」「擂る」「下ろす」「落とす」「ぶつける」捏ねる」「掻く」「混ぜる」など、このような処理動作のうちの一つ以上を起こさせる道具類および/または機械類が用いられる。粘性物として所要の粘度が得られないときには、この加工中または加工後の原料に水分(液体)を加えることもある。代表的一例としては、破砕撹拌機能のある破砕装置が用いられる。これは高速回転する破砕処理用のブレードが処理槽内に装備されたものであり、ミキサと実施的に同じ構造をしている。この破砕装置によるときは、原料を破砕処理しているとき処理槽内に水分を加えて粘性物の粘度調整をすることができる。粘性処理工程にかけるときの原料は、原料の種類に応じて下処理が施されることがある。下処理は洗浄・浸漬・殺菌・熱処理などのいずれか一つ以上である。原料が動物系食物の場合は、解体処理が行われた後の所要部位が用いられる。原料が植物系食物の場合は、動物系食物ほどではないが、たとえばこれを実と皮に分離するというような解体処理が行われ、この分離によって得られた所要部位が用いられることもある。もちろん解体しないものが原料として用いられることもある。動物系食物からなる原料は、ほとんどのものが熱処理を受けていることが多い。植物系食物からなる原料で果物や生食用野菜のように生で食べることができるものの場合、これが熱処理を受けていたり、または、熱処理を受けていなかったりする。それに対し、「煮る」「蒸す」「焼く」「炒る」「煎る」「揚げる」などして食する習慣のある植物系食物原料などは、通常、熱処理を受けていることが多い。原料の熱処理手段については公知ないし周知のものでよい。それは原料に水分(液体)を加えたりしないで加熱する無水加熱手段と、原料に水分(液体)を加えたり直接関与させたりして加熱する加水加熱手段とに大別できる。無水加熱手段で採用されるものには、湯煎・火を用いた焙煎・高周波加熱・赤外線加熱・超音波加熱などがある。加水加熱手段で採用されるものには、煮炊・蒸煮・油揚げ(フライ)・過熱蒸気利用(150〜300℃程度の蒸気を原料にあてる)などがある。
[B]気体混合工程
これは粘性物を気体含有率5〜80%のものにするための工程である。この場合に用いられる気体は、酸素のみからなるものでもよいし、また、酸素と他の気体との混合ガスでもよい。通常は清浄な空気または酸素ガスが用いられる。粘性物に気体を混合するための手段としては、粘性物と気体とを一つの容器内に入れて高速撹拌する方法(例:粘性物と気体とをミキサで掻き混ぜる方法)、酸素系の発泡剤(例:クエン酸などを配合した気泡発生剤)を粘性物中に入れて酸素を与える方法、容器内に収容された粘性物中に酸素含有気体を吹き込む方法(例:多数の分岐型ノズルを備えた気体噴射管を利用)、粘性物中に酸素含有気体を吹き込みながら撹拌する方法などをあげることができる。粘性物中における気体含有率5〜80%は、常温常圧下での「容量%」で表されている。具体的な数値を用いて説明すると、つぎのようになる。たとえば、1000cmの容器内に入れられた600cmの粘性物と400cmの粘性物とが撹拌混合されてつくられた気体含有粘性物の場合、その気体含有粘性物の気体含有率は[気体の量÷気体と粘性物との合計量]×[100%]=[400cm÷1000cm]×[100%]=[40%]となる。この場合の「常温」は「室温」とほとんど同じ意味合いのもので、25℃前後を指す。さらに「常圧」はほぼ1気圧に該当する。気体含有粘性物中の気体については、その気体含有粘性物の取り扱い中に一部が外部に抜け出て逸散することもある。このような場合、気体の逸散分を見込んで、数%程度の上乗せをして酸素含有気体を粘性物に含有させるのがよい。かかる観点からすると、気体含有率の下限値は10%ぐらいが望ましいといえる。
[C]菌接種工程
これは納豆菌を粘性物に植え付けるための工程である。納豆菌は、一例として芽胞(胞子)状態にある粉末(以下粉末納豆菌ということがある)を用いることができる。他の一例として、粉末納豆菌:水=[0.1g]:[10cc]ぐらいの割合で粉末納豆菌を水に混ぜた納豆菌液も用いることができる。この場合の水は殺菌処理のために沸騰させた後の湯冷ましが望ましい。このほか、発酵した納豆粒5〜20粒ぐらいを粘性物に加えてもよい。粘性物に粉末納豆菌を加える量は、粘性物の材料種や納豆菌の種類によっても異なるが、通常は粘性物1kgあたり粉末納豆菌0.05〜1gぐらいである。粉末納豆菌のコストなどを考慮した多くのケースでは、1kgの粘性物に対し、0.07〜0.1gぐらいの粉末納豆菌でも十分まかなえる。粘性物への納豆菌の接種は、手作業でも機械作業でも行うことができる。機械作業の場合は既成の接種機を用いればよい。納豆菌液の場合はスプレー式の機械や道具を用いて粘性物接種することができる。さらに菌接種については、粘性物に粉末納豆菌および/または納豆菌液を加えてこれを撹拌混合するという工程でもよい。
[D]成形工程
これは気体混合工程を経ていない粘性物または気体混合工程を経た気体含有粘性物を粒状・線状・紐状・短冊状・シート状などの形状に成形し、その成形物を集合するための工程である。ここで粘性物や気体含有粘性物を成形対象物のようにいうとすると、この成形対象物は、押し出し成形・加圧成形・圧縮成形・曲げ成形・型押し成形・撚り(捻り)成形・巻き込み成形・穴開け成形・切断成形・破砕成形などのうちのいずれか一つ以上の成形工程にかけられることとなる。これらによる成形内容は自明のとおりである。ちなみに押し出し成形や加圧成形(圧延成形も含む)によるときは線状・紐状・短冊状などの成形物が得られる。さらに押し出し成形で得た線状成形物や紐状成形物を切断成形で短く刻んだ場合は粒状成形物が得られる。さらに成形対象物を破砕成形にかけることによっても粒状成形物が得られる。このほかには、複数の成形手段を組み合わせることで、前述した曲げ・縮れ・皺・凹み・凸起・凹凸・渦巻き・螺旋巻き・折り畳み形・撚り・波形・管形・歪み・穴・溝などの形状を成形物に付与したり、成形物を所要のサイズにしたりすることができる。かかる成形に際して、成形後の自己形態を保持する上で成形対象物の硬さが足りないときは、当該成形対象物を低温状態にして適度の硬さをもたせてから成形すればよい。こうして得られた成形物は一定量のものが集合される。成形物の集合は、成形物相互が軽く接触する程度の集め具合でよく、その集合によって成形物相互の接触部間に隙間が生じる。具体的一例でいうと、一定量の成形物を容器内に単に入れて層状にすることにより、成形物集合体は多くの隙間をもつ多孔質状態になる。成形物集合体において成形物の粘着性が強すぎるときは、成形物と同じ原料で粉末(打粉)をつくり、その打粉を成形物表面などに施してねばりを抑制すればよい。もちろん打粉は成形対象物に施してもよいものである。これらの成形手段は公知ないし周知の成形装置や成形治具を用いることで簡単に実施することができる。
[E]未発酵処理工程
これは納豆菌の接種を終えた後の納豆菌含有物について、その納豆菌の発酵を抑制するための工程である。納豆菌が発酵する温度領域は37〜45℃程度であるから、この温度域を避けることで納豆菌含有物の未発酵処理を行う。具体的には既述の冷蔵法・冷凍法・温蔵法などを用いることによって、容器入り納豆菌含有物を0〜5℃の冷蔵温度域に保持するとか、−18℃以下の冷凍温度域に保持するとか、または、55℃以上の温蔵温度域に保持するとかの手段がとられる。このうちで冷蔵処理や冷凍処理を受けた納豆菌含有物は、通常、その後室温下に置かれても37〜45℃に達することがないので、未発酵状態を保持する。また、55℃以上の温蔵処理を受けた納豆菌含有物も、断熱材で覆うとか、断熱容器に入れるとかすれば、かなりの長時間、未発酵状態を保持する。この処理工程で用いられるものは既述の冷蔵設備・冷凍設備・温蔵設備などである。したがって未発酵処理工程では、未発酵の納豆菌含有物(容器入り)をそのような設備(装置)へ送り込むこととなる。
[F]発酵工程
これは納豆菌の接種を終えた後の納豆菌含有物について、その納豆菌を発酵させるための工程である。納豆菌の発酵温度は上記の37〜45℃程度であるから、この工程では納豆菌含有物を所要時間だけその温度域に保持して、納豆菌含有物の一部発酵や全部発酵を行う。具体的には既述のとおり、未発酵の納豆菌含有物(容器入り)を38〜40℃の温度調節式発酵槽(恒温室)内に入れて所要時間が経過するのを待てばよい。この発酵槽による発酵処理時間は8〜22時間の範囲内で設定する。自明のことではあるが、一部発酵でこの工程を終えるときは発酵処理時間が短くなる傾向があり、逆に全部発酵を期すときは発酵処理時間が長くなる傾向がある。ただし、発酵処理時間が長くなりすぎたりするとアンモニア発生をきたすので注意を要する。
本発明の粘性処理工程においては、上述のように原料に液体を加えることもある。そのような場合に用いられる液体の範囲内には、清涼飲料(ミネラルウォーターを含む)・果実飲料・野菜ジュース・スープ・茶・コーヒー・ココア・上水・深層水・深層海水・蒸留水・漢方エキス・アルコール系飲料(酒類)・その他、飲用できるものがすべて含まれるものである。また、本発明における粘性物や納豆菌含有物に液体を加える必要があるときも、このような液体を利用することができる。
上記の各工程を適宜組み合わせてなる本発明方法の実施形態としては下記(61)〜(92)のようなもがある。下記(61)〜(92)において、[A]〜[F]は上記の工程を示し、「→」は工程の実施順序を示し、さらに「=」は複数の工程が同時実施されることを示す。
(61) [A]→[B]→[C]
(62) [A]=[B]→[C]
(63) [A]→[B]=[C]
(64) [A]=[B]=[C]
(65) [A]→[C]→[B]
(66) [A]→[C]→[D]
(67) [A]=[C]→[D]
(68) [A]→[B]→[C]→[D]
(69) [A]=[B]→[C]→[D]
(70) [A]→[B]=[C]→[D]
(71) [A]=[B]=[C]→[D]
(72) [A]→[C]→[B]→[D]
(73) [A]→[B]→[C]→[D]→[E]
(74) [A]=[B]→[C]→[D]→[E]
(75) [A]→[B]=[C]→[D]→[E]
(76) [A]=[B]=[C]→[D]→[E]
(77) [A]→[C]→[B]→[D]→[E]
(78) [A]→[B]→[C]→[E]→[D]
(79) [A]=[B]→[C]→[E]→[D]
(80) [A]→[B]=[C]→[E]→[D]
(81) [A]=[B]=[C]→[E]→[D]
(82) [A]→[C]→[B]→[E]→[D]
(83) [A]→[B]→[C]→[D]→[E]→[F]
(84) [A]=[B]→[C]→[D]→[E]→[F]
(85) [A]→[B]=[C]→[D]→[E]→[F]
(86) [A]=[B]=[C]→[D]→[E]→[F]
(87) [A]→[C]→[B]→[D]→[E]→[F]
(88) [A]→[B]→[C]→[E]→[D]→[F]
(89) [A]=[B]→[C]→[E]→[D]→[F]
(90) [A]→[B]=[C]→[E]→[D]→[F]
(91) [A]=[B]=[C]→[E]→[D]→[F]
(92) [A]→[C]→[B]→[E]→[D]→[F]
本発明方法の工程としては、上記のほかに添加物添加工程がある。この工程では既述のとおり、固形状添加物・半固形状添加物・液状添加物のうちから選択されたいずれかの添加物が用いられる。添加物添加工程は上記[A]〜[F]の工程のいずれか一つ以上と同時実施されたり、または、上記[A]〜[F]の工程のいずれか一つ以上の工程後に実施されたりするものである。
つぎに、本発明に係る納豆菌含有物とその製造方法について、これらの具体的な実施例を説明する。
〔第1実施例〕
[a]材料焙煎
原料として、大豆・玄米・黒胡麻を用いる。大豆は水洗い後、6時間笊に上げたものである。これらの大豆・玄米・黒胡麻を以下の要領で個別に焙煎する。大豆については、はじめにホットプレート(設定温度60℃)で60分間乾煎りし、それから陶製容器に入れた大豆を電子オーブン(設定温度180℃)で60分間焙煎した。玄米も電子オーブンを用いて大豆とほぼ同様に焙煎した。黒胡麻についてはフライパンを用い、かつ、常法にしたがうことで焙煎した。このときの火加減は「中火」であり、約20粒ほどが爆ぜた時点で黒胡麻の焙煎を終えた。焙煎終了直前の煎り胡麻の温度は100℃を越える高温状態を呈していた。
[b]材料破砕
焙煎後の大豆と玄米を個別に破砕する。具体的には家庭用のブレンダー(一般にはミキサーと称されている)を用いて、それぞれ2回以上の破砕処理で平均粒径1mm以下の粉粒状に仕上げた。黒胡麻については、常法にしたがい擂り鉢と擂り粉木とを用いて粉状に擂り潰した。
[c]材料混合
上記のようにして焙煎粉状化ないし焙煎粉粒状化した大豆・玄米・黒胡麻を均質に混合する。具体的には、重量比において大豆:玄米:黒胡麻=7:2:1の配合割合にしたこれらの材料を既述のブレンダーにかけて均質に混合した。
[d]粘性化と気体混合
上記の混合材料を粘性化しつつこれに気体を混合するため、再度既述のブレンダーを用いて以下のように処理する。既述のブレンダーは処理容器(処理槽)内に高速回転式の破砕ブレードを有するものである。しかも処理容器上面の開口部(材料の出入口)には脱着自在な蓋が施されている。このブレンダーの処理容器については容積が既知である。それでブレンダーの処理容器内部を[処理容器の容積×45%の混合材料]と[処理容器の容積×25%の熱湯(約80℃)]と[処理容器の容積×30%の空気]とで満たした後、処理容器の開口部を蓋で密閉する。この後、ブレンダーを運転状態にして混合材料と熱湯と空気とを均質に撹拌混合した。この処理を終えることで目的の「粘性物」すなわち「酸素を含有した気泡入りの粘性物」を得た。この粘性物はいわゆる「粘り」を有するものであるが、口中に入れたときの食感はきわめてソフトであり、咀嚼や嚥下が無理なくスムーズに行える。この粘性物は、大豆由来のたとえば「黄な粉」ような味覚を感じさせ、これに黒胡麻由来の香味もいくらか添えられている。玄米の味は、個性の乏しい食材ゆえか、ほとんどといってよいほど感じられない。この粘性物は、甘味・塩味・酸味・辛味・旨味などと合わせることで種々の味覚を醸し出しすことが期待できる。
[e]菌接種
既述の「高橋菌」(納豆菌の芽胞=粉末納豆菌)を、沸騰後の湯冷まし(約25℃の殺菌済みの液)で溶いて納豆菌液をつくる。両者の割合は粉末納豆菌が0.1gで、湯冷ましが10ccである。重量比でみた場合、粉末納豆菌:湯冷まし≒1:100である。上記の粘性化と気体混合とを済ませた後の材料、すなわち、ブレンダーの処理容器内にある粘性物に、当該納豆菌液を加える。この場合の添加量を重量比でいうと、[納豆菌液:粘性物=1:100]ぐらいである。粘性物に対する納豆菌液の添加量はこれより多くても構わない。粘性物への納豆菌液添加後は、再度、ブレンダーを運転状態にして両者を均一に撹拌混合する。ここでの混合撹拌についていうと、これは上記の粘性化と気体混合とを再度実施していることにもなる。かかる菌接種直後の粘性物は、状態や味覚その他に関して上記との変化が皆目といってよいほどみられない。ブレンダーの処理容器内にある粘性物をプラスチック製の蓋付き小型密閉容器(商品名タッパーと同種のもの)に入れることとする。使用した小型密閉容器は容量約100mmlのものと容量430mmlのものである。それで、それぞれの容器に約六分目ほど納豆菌含有の粘性物を詰めた。その際、粘性物の表面に少量の納豆菌液を振り掛けた。
[f]未発酵処理
上記のようにして密閉容器内に入れたそれぞれの納豆菌含有粘性物は、これを4℃の冷蔵庫内に2時間以上入れることで未発酵処理した。容器入りの納豆菌含有粘性物については、これを発酵処理するまでの間、そのまま冷蔵庫内に入れて保管してもよいし、気温ないし室温が25℃前後ならば、屋内の直射直射のあたらない場所で保管してもよい。この未発酵処理状態の納豆菌含有物も上記に比して特段の変化がみられない。
[g]発酵処理
温度調節式発酵槽として温度調節式の温蔵庫を用いる。未発酵状態の納豆菌含有物を入れた容器については、蓋を通気性のあるもの(多孔タイプの蓋)と交換し、その内面に吸水性のよい布地を貼り付けた。それで、40℃の庫内温度を保持するように設定した温蔵庫内に、上記容器入りの納豆菌含有物を20時間入れて発酵処理した。
〔第1実施例の評価〕
第1実施例における発酵処理後の納豆菌含有物は、通常の納豆にみられるような糸を引くものであった。とはいえこれは、軟らかい上に空気を含むものであるため、従来の納豆よりも糸切れがよいものである。発酵処理後の当該納豆菌含有物は俗にいう納豆臭が抑えられており、その一方で、黄な粉の香りに黒胡麻の香りが若干含まれるところの香ばしい香気を放つものであった。その理由としては、材料を焙煎していることによると推測できる。食感としては、発酵前のソフト感がそのまま維持されており、咀嚼や嚥下がきわめて容易なものであった。この納豆菌含有物は、既述のとおり調味成分を含んでいない。しかしながら、これに甘味料を適量加えることで菓子のような嗜好品になり、また、醤油ようなの調味料を適量加えることでご飯のオカズのような副食物になり得た。
玉葱で皮と称されている部分は、その最外層かまたは最外層から二枚目ぐらいまでをいう。通常の調理で玉葱の皮は不味であるために剥離して廃棄されている。しかし玉葱の皮の茶色の部分にはフラボノイドの一種であるクエルセチン(=ケルセチン:quercetin)が含まれている。クエルセチン配糖体はさまざまな薬理作用を示すことが知られており、クエルセチン自体も抗炎症作用を示すことが知られている。これはヒスタミンの生成や遊離など炎症に関与するいくつかの過程を抑制するためと考えられている。このほかについては、強い抗酸化作用を示し、細胞増殖などに関わるいくつかの酵素を阻害するという報告もある。
〔第2実施例〕
第1実施例と同様にして納豆菌含有物をつくるとき、上記のような玉葱の特性に鑑み、原料として玉葱の皮を追加した。原料としての玉葱の皮は、これを乾煎り焙煎した後、既述のブレンダーにかけて粉末にし、それを他の原料と混合した。配合割合については、大豆:玄米:黒胡麻:玉葱の皮=7:1.5:1:0.5とした。したがって第2実施例の場合、材料焙煎・材料破砕・材料混合などが第1実施例と若干相違するが、以降の粘性化と気体混合・菌接種・未発酵処理・発酵処理などは第1実施例と実質的に同じかそれに準ずるものである。
〔第2実施例の評価〕
第2実施例の納豆菌含有物についての食感や香気などは、未発酵状態・発酵状態のいずれにあっても第1実施例と大差ない。ちなみに食感は、ソフトで咀嚼や嚥下がきわめて容易であり、香気についても、黄な粉の香りが他に比べて勝ち気味である。第2実施例の納豆菌含有物も、調味成分を加えることで第1実施例と同様に食することができた。
〔第3実施例〕
[a]材料焙煎
原料として大豆と挽肉(牛肉と豚肉との合い挽き)とを用いる。大豆医については第1実施例と同様にして焙煎までを済ませた。挽肉についてはフライパンで乾煎りした(ただし肉汁発生)。
[b]材料破砕
焙煎後の大豆を第1実施例と同様に破砕して平均粒径1mm以下の粉粒状に仕上げた。挽肉とその肉汁については、これを擂り鉢に入れた後、擂り粉木で下ろしてペースト状に擂り潰した。
[c]材料混合
上記処理後の大豆や挽肉を均質に混合する。具体的には、重量比において大豆:挽肉=7:3の配合割合にしたこれらの材料を既述のブレンダーにかけて均質に混合した。
[d]粘性化と気体混合
上記の混合材料を粘性化しつつこれに気体を混合するため、再度既述のブレンダーを用いて以下のように処理した。ブレンダーの処理容器内部を[処理容器の容積×45%の混合材料]と[処理容器の容積×30%の熱湯(約80℃)]と[処理容器の容積×25%の空気]とで満たした後、処理容器の開口部を蓋で密閉する。この後、ブレンダーを運転状態にして混合材料と熱湯と空気とを均質に撹拌混合した。この処理を終えることで目的の「粘性物」すなわち「酸素を含有した気泡入りの粘性物」を得た。この粘性物も粘りがあり、口中に入れたときのソフトな食感は第1実施例と同様であるほか、咀嚼や嚥下も無理なく行えるものであった。この粘性物にも大豆由来の黄な粉感が残されてはいるが、挽肉による肉独特の風味が強くあらわれている。これはたとえて肉入り練り物のような感がする。
[e]菌接種
納豆菌液づくり・粘性物と納豆菌液との撹拌混合・容器詰めなど、すべて第1実施例と同様にした。
[f]未発酵処理
上記のようにして密閉容器内に入れたそれぞれの納豆菌含有粘性物を第1実施例と同様にして未発酵処理した。
[g]発酵処理
第1実施例と同様の温蔵庫を用いる。納豆菌含有粘性物入り容器の蓋も第1実施例と同様、通気性や吸水性のあるものと交換したした。それで42℃の庫内温度を保持するように設定した温蔵庫内に、上記容器入りの納豆菌含有物を24時間入れて発酵処理した。
〔第3実施例の評価〕
第3実施例の納豆菌含有物は、挽肉を材料にしているゆえか主食できるほどの食べ応えがある。それは肉入り饅頭(肉饅)のようなものであるが、ソフト感・咀嚼性・嚥下の容易性などの点で肉饅とは異なる新味性を醸し出している。これを食するときの調味料としては、醤油・酢醤油・塩・ソース・マヨネーズ・ケチャツプなどがよく、これに香辛料などを加えるのもよい。
〔第4実施例〕
[a]材料焙煎
原料として、大豆と魚粉(市販の鰹の粉)と海苔粉(市販のスジアオノリの粉)とを用いる。大豆については第1実施例と同様にして焙煎までを済ませた。魚粉や海苔粉についてはそれぞれフライパンを用いて、中火で別々に乾煎りした。
[b]材料破砕
焙煎後の大豆は第1実施例と同様に破砕して平均粒径1mm以下の粉粒状に仕上げた。魚粉や海苔粉は、乾煎り後のものをそのまま用いる。
[c]材料混合
上記処理後の大豆と魚粉と海苔粉とを均質に混合する。具体的には、重量比において大豆:魚粉:海苔粉=7:2:1の配合割合にし、これを既述のブレンダーにかけて均質に混合した。
[d]粘性化と気体混合
上記の混合材料を粘性化しつつこれに気体を混合するため、再度既述のブレンダーを用いて以下のように処理した。ブレンダーの処理容器内部を[処理容器の容積×30%の混合材料]と[処理容器の容積×30%の熱湯(約80℃)]と[処理容器の容積×40%の空気]とで満たした後、処理容器の開口部を蓋で密閉する。この後、ブレンダーを運転状態にして混合材料と熱湯と空気とを均質に撹拌混合した。この処理を終えることで目的の「粘性物」すなわち「酸素を含有した気泡入りの粘性物」を得た。この粘性物も前例と同様、粘りをもちながら既述のソフト食感を与えるものである。空気含有量を多くしたのでソフト食感がより印象的である。この粘性物には、大豆由来の風味よりも魚粉や海苔粉による海産物風味の方が優っている。
[e]菌接種
納豆菌液づくり・粘性物と納豆菌液との撹拌混合・容器詰めなど、すべて第1実施例と同様にした。
[f]未発酵処理
上記のようにして密閉容器内に入れたそれぞれの納豆菌含有粘性物を第1実施例と同様にして未発酵処理した。
[g]発酵処理
第3実施例と同様にして、容器入りの納豆菌含有粘性物を発酵処理した。
〔第4実施例の評価〕
第4実施例の納豆菌含有物もソフト感・咀嚼性・嚥下の容易性などを満足させるものであり、かつ、風味の点では鰹と青海苔とがよく効いている。これに合う調味料は第3実施例の評価で述べたものとほぼ同じであるが、とくにソースやマヨネーズを加える場合は、お好み焼きやタコ焼きなどに通じる風味を与えるので、それらの代用にもなる。
〔第5実施例〕
[a]材料破砕
原料として明日葉(生)と三つ葉(生)とを用いる。これらを家庭用チョッパーで細かく刻んだ(長さで5mm以下)。
[b]材料焙煎と材料混合
200gずつの等量とした破砕明日葉と破砕三つ葉とをホットプレートで焙煎しつつほぼ均質に混ぜ合わせた。焙煎の目安は材料が蕩けるまでである。
[c]粘性化と気体混合
上記の混合材料を粘性化しつつこれに気体を混合するため、既述のブレンダーを用いて以下のように処理した。ブレンダーの処理容器内部を[処理容器の容積×40%の混合材料]と[処理容器の容積×30%の熱湯(約80℃)]と[処理容器の容積×30%の空気]とで満たした後、処理容器の開口部を蓋で密閉する。ついでブレンダーを運転状態にして混合材料と熱湯と空気とを均質に撹拌混合した。この処理を終えることで目的の「粘性物」すなわち「酸素を含有した気泡入りの粘性物」を得た。この粘性物も粘りがあり、口中に入れたときのソフトな食感は、第1実施例と同様であるほか、咀嚼や嚥下も無理なく行えるものであった。粘りについてはとくに明日葉に含まれるカルコンが影響していると推測される。この粘性物の材料である明日葉や三つ葉は、それぞれ個性的な風味を有するものであるが、どちらかといえば、三つ葉の風味が明日葉のそれを上回っている。
[d]菌接種
納豆菌液づくり・粘性物と納豆菌液との撹拌混合・容器詰めなど、すべて第1実施例と同様にした。
[e]未発酵処理
上記のようにして密閉容器内に入れたそれぞれの納豆菌含有粘性物を第1実施例と同様にして未発酵処理した。
[f]発酵処理
第1実施例と同様の温蔵庫を用いる。納豆菌含有粘性物入り容器の蓋も第1実施例と同様、通気性や吸水性のあるものと交換したした。40℃の庫内温度を保持するように設定した温蔵庫内に、上記容器入りの納豆菌含有物を20時間入れて発酵処理した。
〔第5実施例の評価〕
第5実施例の納豆菌含有物もソフト感・咀嚼性・嚥下の容易性などを満足させるものである。風味の点で第5実施例のは納豆の香りがあり、糸も引いたりするが、明日葉や三つ葉の個性的な味が和らげられて円やかになっている。とくにいうと、明日葉のクセのある味が抑制される一方で、三つ葉の風味がほどよく堅持されている。総じて、新味性のある香味を呈するものといえる。
〔第6実施例〕
[a]材料焙煎
原料として大豆とブルーベリーとを用いる。大豆については第1実施例と同様にして焙煎までを済ませた。ブルーベリーは電子レンジに2分間かけて無水焙煎した。
[b]材料破砕
焙煎後の大豆は第1実施例と同様に破砕して平均粒径1mm以下の粉粒状に仕上げた。ブルーベリーも大豆と同様に破砕したが、これは焙煎によって軟化して熟したようになっているので、この破砕段階でペースト状態をきたしている。
[c]材料混合
上記処理後の大豆とブルーベリーとを均質に混合する。具体的には、重量比において大豆:ブルーベリー=3:7の配合割合にし、これを既述のブレンダーにかけて均質に混合した。
[d]粘性化と気体混合
上記の混合材料を粘性化しつつこれに気体を混合するため、第3実施例と同様にして混合材料と熱湯と空気とを均質に撹拌混合した。この処理を終えることで目的の「粘性物」すなわち「酸素を含有した気泡入りの粘性物」を得た。この粘性物も前例と同様、粘りをもちながら既述のソフト食感を与えるものである。とくにブルーべリーの味が際立つものである。
[e]菌接種
納豆菌液づくり・粘性物と納豆菌液との撹拌混合・容器詰めなど、すべて第1実施例と同様にした。
[f]未発酵処理
上記のようにして密閉容器内に入れたそれぞれの納豆菌含有粘性物を第1実施例と同様にして未発酵処理した。
[g]発酵処理
第3実施例と同様にして、容器入りの納豆菌含有粘性物を発酵処理した。
〔第6実施例の評価〕
第6実施例の納豆菌含有物もソフト感・咀嚼性・嚥下の容易性などを満足させるものである。とくにブルーベリーの熟成感ある甘味が秀逸で、独特の新味性を醸し出している。これは冷やしてよく、温めてよく、また常温のままでもよく、菓子やデザートなどの嗜好品に適するといえる。
〔第7実施例〕
[a]材料焙煎
原料としてバナナを用いる。バナナを丸ごと電子レンジに2分間かけて無水焙煎した。[b]材料破砕
焙煎後、皮を剥いてバナナの実を取り出し、これを第1実施例と同様に破砕した。バナナも焙煎によって軟化して熟したようになっているので、この破砕段階でペースト状態をきたし粘性化している。
[c]粘性化と気体混合
上記の単一材料をさらに粘性化しつつこれに気体を混合するため、既述のブレンダーを用いて以下のように処理した。ブレンダーの処理容器内部を[処理容器の容積×40%の単一材料]と[処理容器の容積×30%の熱湯(約80℃)]と[処理容器の容積×30%の空気]とで満たした後、処理容器の開口部を蓋で密閉する。ついでブレンダーを運転状態にして単一材料と熱湯と空気とを均質に撹拌混合した。この処理を終えることで目的の「粘性物」すなわち「酸素を含有した気泡入りの粘性物」を得た。この粘性物も粘りがあり、口中に入れたときのソフトな食感は、他の実施例と同様であるほか、咀嚼や嚥下も無理なく行えるものであった。味については極度の完熟したバナナという感がある。
[e]菌接種
納豆菌液づくり・粘性物と納豆菌液との撹拌混合・容器詰めなど、すべて第1実施例と同様にした。
[f]未発酵処理
上記のようにして密閉容器内に入れたそれぞれの納豆菌含有粘性物を第1実施例と同様にして未発酵処理した。
[g]発酵処理
第3実施例と同様にして、容器入りの納豆菌含有粘性物を発酵処理した。
〔第7実施例の評価〕
第7実施例の納豆菌含有物も糸を引くものであり、かつ、ソフト感・咀嚼性・嚥下の容易性などを満足させるものである。とくにバナナの熟成状態に極度感がある。これは既存の熟成では得がたいといえる。このれ納豆菌含有粘性物も冷やしてよく、温めてよく、また常温のままでもよく、菓子やデザートなどの嗜好品に適するといえる。
〔第8実施例〜第11実施例〕
第1実施例〜第4実施例の変形例として、つぎのようにした。それは材料焙煎・材料破砕・材料混合のうちのいずれか一つ以上の処理において、調味用の添加物として塩分または塩分含有物を加えることである。具体的にいうと、第1実施例に該当する第8実施例では材料混合のときに、第2実施例に該当する第9実施例では材料破砕のときに、第3実施例に該当する第10実施例では挽肉を焙煎するときに、さらに、第4実施例に該当する第11実施例では材料混合のときに、それぞれ塩分または塩分含有物を加える。この際に塩分または塩分含有物となるものは、第8実施例〜第9実施例が「醤油」であり、第10実施例が「塩」であり、第11実施例が「ソース」である。粘性物に対する塩分または塩分含有物の割合は、重量比で0.5〜5%の範囲である。
〔第8実施例〜第11実施例の評価〕
第8実施例〜第11実施例のものはそれぞれ前述したように評価できるほか、塩分または塩分含有物の添加による調味効果をも有している。したがって第8実施例〜第11実施例の納豆菌含有物は、塩分由来の調味成分を有する点で食べやすい食品になる。
〔第12実施例〜第13実施例〕
第1実施例〜第2実施例の変形例として、つぎのようにした。それは材料焙煎・材料破砕・材料混合のうちのいずれか一つ以上の処理において、調味用の添加物として糖分か糖分含有物(含糖質物)を加えることである。具体的には、第1実施例の変形例に該当する第12実施例では材料混合のときに、第2実施例の変形例に該当する第13実施例では材料破砕のときに、それぞれ糖分または糖分含有物を加える。この際に糖分または糖分含有物となるものは、第12実施例が「グラニュー糖」であり、第13実施例が「糖蜜」である。粘性物に対する糖分または糖分含有物の割合は、重量比で0.5〜15%の範囲である。
〔第12実施例〜第13実施例の評価〕
第12実施例〜第13実施例のものもそれぞれ前述したように評価できるほか、糖分または糖分含有物の添加による調味効果をも有している。したがって第12実施例〜第13実施例の納豆菌含有物は、甘味性のある成分を有する点で食べやすい食品になる。
〔第14実施例〜第17実施例〕
第1実施例〜第4実施例の変形例として、つぎのようにした。それは材料焙煎・材料破砕・材料混合のうちのいずれか一つ以上の処理において、塩分または塩分含有物と糖分または糖分含有物とを加えることである。これを具体的にいうと、第1実施例の変形例に該当する第14実施例では材料混合のときに、第2実施例の変形例に該当する第15実施例では材料破砕のときに、第3実施例の変形例に該当する第16実施例では挽肉を焙煎するときに、さらに、第4実施例の変形例に該当する第17実施例では材料混合のときに、それぞれ塩分または塩分含有物と糖分または糖分含有物とを加える。この際に塩分または塩分含有物や糖分または糖分含有物となるものは、第14実施例〜第15実施例が「醤油」と「上白糖」であり、第16実施例が「塩」と「上白糖」であり、第17実施例が「ソース」と「蜂蜜」である。粘性物に対する塩分または塩分含有物の割合は重量比で0.5〜5%の範囲、粘性物に対する糖分または糖分含有物の割合は重量比で0.5〜15%の範囲である。
〔第14実施例〜第17実施例の評価〕
第14実施例〜第17実施例のものも、それぞれ前述したように評価できるほか、塩分または塩分含有物と糖分または糖分含有物との添加による調味効果をも有している。したがって第14実施例〜第17実施例の納豆菌含有物は、塩分由来の調味成分や甘味性のある成分を有する点で食べやすい食品になり、しかも塩分と糖分とが互いに拮抗することで納豆菌含有物が深みのある味を醸し出している。
〔第18実施例〜第35実施例〕
第1実施例〜第17実施例において、菌接種のあとに成形処理を介在させてこれを実施した。その他は第1実施例〜第17実施例と同様にした。この第18実施例〜第35実施例における粘性物の成形処理はつぎのとおりである。
[x]成形処理
菌接種を終えた粘性物を粘性物を天突き(トコロテン押出具)で一次成形して3mm×3mm×30cmの紐状物を100本つくる。二次成形において、この紐状物を包丁で5mmの長さに刻んで粒状物にした。これらの成形に際しては、焙煎大豆粉(黄な粉)を打ち粉として用いた。粒状物を容器に入れて集合状態にする。集合状態の粒状物は、打ち粉を施されたものの、自身の粘性でそれぞれが接着状態を呈している。しかしながら接着状態の粒状物相互には多数の隙間があって多孔質状態を呈していた。この成形処理後には既述の未発酵処理・発酵処理が続く。
〔第18実施例〜第35実施例の評価〕
第18実施例〜第35実施例のものもそれぞれ前述したと同様に評価できる。これら実施例のものは、また、成形処理後に生じた多孔質構造で酸素リッチ状態となったためか、第1実施例〜第17実施例のケースよりも発酵処理速度が5〜10%ほどアップした。
〔第36実施例〜第71実施例〕
第1実施例〜第35実施例の変形例として材料破砕から菌接種までの処理を同時に実施した。それは既述のブレンダーを用いてこれらの処理を同時に行うというものである。その他は第1実施例〜第35実施例と同様にした。
〔第36実施例〜第71実施例の評価〕
第36実施例〜第71実施例の納豆菌含有物は第1実施例〜第35実施例のそれとほぼ同じであった。
〔第72実施例〜第143実施例〕
第1実施例〜第72実施例の変形例として未発酵処理のみを省略した。その他は第1実施例〜第72実施例と同様にし、発酵処理までを行った。
〔第72実施例〜第143実施例の評価〕
第72実施例〜第143実施例の納豆菌含有物は第1実施例〜第75実施例のそれとほぼ同じであった。
〔第144実施例〜第161実施例〕
第18実施例〜第35実施例の変形例として「粘性化と気体混合」と「未発酵処理」とを省略した。その他は第18実施例〜第35実施例と同様にした。
〔第144実施例〜第161実施例の評価〕
第144実施例〜第161実施例においては、材料破砕・材料混合・菌接種などにおける撹拌混合で材料の粘性化が達成され、それによって粘性物がつくられている。さらに成形処理による多孔質構造で、空気(酸素など)の取り込みも行われている。その結果、第1実施例〜第18実施例とほぼ同様の納豆菌含有物が得られた。
本発明に係る納豆菌含有物については、適当な後加工を施して食するのもよい。たとえば本発明品を食するときに焼く・蒸す・煮る・炒る・煎るなどの熱処理で二次加工してよいものである。本発明品は、また、粒状やその他の食品形状にして乾燥処理した場合に、それを菓子やオツマミにして食することもできる。本発明品は、さらに、乾燥処理(凍結乾燥も含む)したものを粉末化して食用にすることができ、その粉末を飲料用の液体で溶いて液化することにより飲料にもなる。そのほかに本発明品は、他の飲食物と混合して食することができるし、各種の料理品(調理品)をつくるときの材料としても活用できるものである。
健康の維持と増進、疾病の予防と治療などについては、安全な食品から無理なく栄養やカロリーを摂取してこれを達成できることが望ましい。本発明に係る納豆菌含有物は多くの好ましい特徴を有するので、そのような要望に応えることができる。本発明の製造方法はそのような納豆菌含有物を合理的につくる上で有用かつ有益なものである。

Claims (9)

  1. 動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかを原料とするものであること、および、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物であること、および、酸素を含有した気泡が粘性物の内部に分散していること、および、粘性物の気体含有率が5〜80%であること、および、粘性物に納豆菌が接種されていること、および、納豆菌を接種された菌接種粘性物が未発酵状態に保持されていることを特徴とする納豆菌含有物。
  2. 動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかを原料とするものであること、および、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物であること、および、粘性物に納豆菌が接種されていること、および、粘性物が粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形されてその成形物が集合されているとともに、酸素を含有した気泡がその成形物集合体の内部に分散していること、および、その成形物集合体の気体含有率が5〜80%であること、および、納豆菌を接種された菌接種粘性物が未発酵状態に保持されていることを特徴とする納豆菌含有物。
  3. 動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかを原料とするものであること、および、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物であること、および、酸素を含有した気泡が粘性物の内部に分散していること、および、粘性物に納豆菌が接種されていること、および、粘性物が粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形されてその成形物が集合されているとともに、酸素を含有した気泡がその成形物集合体の内部に分散していること、および、その成形物集合体の気体含有率が5〜80%であること、および、納豆菌を接種された菌接種粘性物が未発酵状態に保持されていることを特徴とする納豆菌含有物。
  4. 固形状添加物・半固形状添加物・液状添加物のうちから選択されたいずれかの添加物を含有している請求項1〜3のいずれかに記載された納豆菌含有物。
  5. 粘性処理工程と気体混合工程と菌接種工程と未発酵処理工程とを備えていること、および、各工程の順序として、各工程を同時実施するか、または、粘性処理工程の実施後に気体混合工程と菌接種工程とを任意順序または同時に実施し、かつ、その後において未発酵処理工程を実施すること、および、粘性処理工程のときには、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかの原料を、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物となるように加工すること、および、気体混合工程のときには、酸素を含有した気体を粘性物に混合し、その粘性物の内部に気泡を分散させて当該粘性物の気体含有率を5〜80%にすること、および、菌接種工程のときには、納豆菌を粘性物に接種してこれらを混合すること、および、未発酵処理工程のときには、上記各工程処理後の工程処理物を納豆菌の未発酵温度域に保持してその工程処理物の発酵を抑制することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
  6. 粘性処理工程と菌接種工程と成形工程と未発酵処理工程とを備えていること、および、各工程の順序として、粘性処理工程と菌接種工程とを同時実施するか、または、粘性処理工程の実施後に菌接種工程を実施し、かつ、その後において成形工程を実施し、さらにその後において未発酵処理工程を実施すること、および、粘性処理工程のときには、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかの原料を、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物となるように加工すること、および、菌接種工程のときには、納豆菌を粘性物に接種してこれらを混合すること、および、成形工程のときには、粘性物を粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形してその成形物を集合するとともに、酸素を含有した気泡をその成形物集合体の内部に分散させて当該成形物集合体の気体含有率を5〜80%にすること、および、未発酵処理工程のときには、上記各工程処理後の工程処理物を納豆菌の未発酵温度域に保持してその工程処理物の発酵を抑制することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
  7. 粘性処理工程と気体混合工程と菌接種工程と成形工程と未発酵処理工程とを備えていること、および、各工程の順序として、粘性処理工程と気体混合工程と菌接種工程とを同時実施するか、または、粘性処理工程の実施後に気体混合工程と菌接種工程とを任意順序あるいは同時に実施し、かつ、その後において成形工程を実施し、さらにその後において未発酵処理工程を実施すること、および、粘性処理工程のときには、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかの原料を、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物となるように加工すること、および、気体混合工程のときには、酸素を含有した気体を粘性物に混合し、その粘性物の内部に気泡を分散させて当該粘性物の気体含有率を5〜80%にすること、および、菌接種工程のときには、納豆菌を粘性物に接種してこれらを混合すること、および、成形工程のときには、粘性物を粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形すること、および、未発酵処理工程のときには、上記各工程処理後の工程処理物を納豆菌の未発酵温度域に保持してその工程処理物の発酵を抑制することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
  8. 粘性処理工程と気体混合工程と菌接種工程と成形工程と未発酵処理工程とを備えていること、および、各工程の順序として、粘性処理工程の実施後に気体混合工程と菌接種工程とを任意順序または同時に実施し、かつ、その後において成形工程を実施し、さらにその後において未発酵処理工程を実施すること、および、粘性処理工程のときには、動物系食物・植物系食物・動植物混合系食物のうちから選択されたいずれかの原料を、20℃での粘度が2000〜600000cpsの粘性物となるように加工すること、および、気体混合工程のときには、酸素を含有した気体を粘性物に混合してその粘性物の内部に気泡を分散させること、および、菌接種工程のときには、納豆菌を粘性物に接種してこれらを混合すること、および、成形工程のときには、粘性物を粒状・線状・紐状・短冊状・シート状のいずれかに成形してその成形物を集合するとともに、酸素を含有した気泡をその成形物集合体の内部に分散させること、および、上記気体混合工程と上記成形工程とによって、その工程処理物の気体含有率を5〜80%にすること、および、未発酵処理工程のときには、上記各工程処理後の工程処理物を納豆菌の未発酵温度域に保持してその工程処理物の発酵を抑制することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかに記載された納豆菌含有物の製造方法において、添加物の添加工程を追加すること、および、その添加物の添加工程を他の工程と同時に実施するか、または、最終工程よりも前に実施すること、および、添加物の添加工程において、固形状添加物・半固形状添加物・液状添加物のうちから選択されたいずれかの添加物を添加工程処理物に添加することを特徴とする納豆菌含有物の製造方法。
JP2009110413A 2009-04-30 2009-04-30 納豆菌含有物とその製造方法 Expired - Fee Related JP4478212B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009110413A JP4478212B1 (ja) 2009-04-30 2009-04-30 納豆菌含有物とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009110413A JP4478212B1 (ja) 2009-04-30 2009-04-30 納豆菌含有物とその製造方法

Related Child Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009199096A Division JP2010259427A (ja) 2009-08-28 2009-08-28 納豆菌含有物とその製造方法
JP2009283443A Division JP2010259430A (ja) 2009-12-14 2009-12-14 納豆菌含有物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4478212B1 true JP4478212B1 (ja) 2010-06-09
JP2010259333A JP2010259333A (ja) 2010-11-18

Family

ID=42330976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009110413A Expired - Fee Related JP4478212B1 (ja) 2009-04-30 2009-04-30 納豆菌含有物とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4478212B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106418097A (zh) * 2016-09-22 2017-02-22 辽宁天润生物技术有限公司 一种可溶性纳豆表层发酵物的制备方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020152895A1 (ja) * 2019-01-23 2020-07-30 株式会社Mizkan Holdings 食用植物乾燥粉末、飲食品及びその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005087059A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Kosumosu Enterp:Kk 納豆の製造方法
JP2007252323A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Hiroshima Pref Gov 食品およびその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07303459A (ja) * 1994-05-12 1995-11-21 Toshiyuki Ota 食 品
JPH10117719A (ja) * 1996-10-22 1998-05-12 Shiga Yoko 非粒状納豆及びその製法
JPH114662A (ja) * 1997-06-17 1999-01-12 Junichi Fujii 粉末大豆を原料とした醗酵食品の製造法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005087059A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Kosumosu Enterp:Kk 納豆の製造方法
JP2007252323A (ja) * 2006-03-24 2007-10-04 Hiroshima Pref Gov 食品およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106418097A (zh) * 2016-09-22 2017-02-22 辽宁天润生物技术有限公司 一种可溶性纳豆表层发酵物的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010259333A (ja) 2010-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102180642B1 (ko) 식이섬유를 함유한 어묵 및 그 제조 방법
CN104719780A (zh) 一种混合有天贝菌的食料及其制备方法
JP3986541B1 (ja) 植物性素材の単細胞化装置および単細胞化植物の製造方法
CN101224029A (zh) 利用微波能将生鲜原料制作熟化保鲜食品的方法
CN1839710A (zh) 新型食品及其制备方法
CN1436046A (zh) 含有无活力乳酸杆菌的食物制品
CN105918914A (zh) 一种发酵鸭肉干的加工方法
KR100901254B1 (ko) 즉석식 시래기 제조방법
CN110101001A (zh) 一种3d-全麦粉生产方法及应用
JP2010130945A (ja) 野菜発酵物の製造方法
KR102223390B1 (ko) 식이섬유를 함유한 빵류 및 그 제조 방법
JP2010259430A (ja) 納豆菌含有物
JP4478212B1 (ja) 納豆菌含有物とその製造方法
KR20140021310A (ko) 막걸리에 발효숙성된 연잎분말을 이용한 기호식의 피 제조방법.
JP2008022726A (ja) 発酵食品およびその製造方法
KR101581623B1 (ko) 쇠고기표고버섯죽 제조방법
CN108740790B (zh) 一种酱豆及其制作方法
RU2296473C1 (ru) Способ производства пищевого продукта из фасоли
KR20130048505A (ko) 동물성 단백질의 발효기술을 이용한 쌀라면 제조방법
JP2006320277A (ja) ナットウキナーゼ含有栄養補助食品及びその製造方法
JP2006109801A (ja) 加工豆類およびその製造方法
JP2010259427A (ja) 納豆菌含有物とその製造方法
KR100915456B1 (ko) 단호박 청국장의 제조 방법
EP2358219B1 (en) Soya bean food product and compositions comprising thereof
JP3246519U (ja) 発酵大豆たん白食品

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160319

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees