JP4476177B2 - ガスタービンの燃焼バーナー - Google Patents
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Description
図19に示すように、ガスタービンの燃焼器10は、燃焼器ケーシング11に環状に複数個配置されている(図19では1個のみ示している)。燃焼器ケーシング11とガスタービンケーシング12には圧縮空気が充満し、車室13を形成する。この車室13には、圧縮機により圧縮された空気が導入される。導入された圧縮空気は、燃焼器10の上流部に設けられた空気流入口14から、燃焼器10の内部に入る。燃焼器10の内筒15の内部では、燃料ノズル16から供給された燃料と圧縮空気が混合されて燃焼する。燃焼によって生じた燃焼ガスは、尾筒17を通ってタービン室側へ供給され、タービンロータを回転させる。
なお、液体燃料としては、いわゆる、油燃料であるA重油、軽油、ジメチルエーテル等がある。
燃料ノズルと、
前記燃料ノズルを囲繞する状態で配置されており、前記燃料ノズルとの間に空気通路を形成するバーナー筒と、
前記燃料ノズルの外周面の周方向に沿う複数箇所に、前記燃料ノズルの軸方向に沿う状態で配置されており、前記空気通路を上流側から下流側に流通する空気を旋回させるため、上流側から下流側に向かうに従い次第に湾曲している旋回翼と、
を有するガスタービンの燃焼バーナーであって、
前記燃料ノズルには、前記旋回翼の翼面に向けて液体燃料を噴射する噴射孔が形成されていることを特徴とする。
前記噴射孔は、前記旋回翼の翼腹面に向けて液体燃料を噴射したり、
前記噴射孔は、前記旋回翼の翼背面に向けて液体燃料を噴射したり、
前記旋回翼の内周側と前記燃料ノズルとが接する線と、前記噴射孔との間の周方向距離が10mm以内となっていたり、
前記噴射孔は、前記旋回翼の前縁に向けて液体燃料を噴射したり、
前記噴射孔は、前記旋回翼の後縁に向けて液体燃料を噴射したり、
前記旋回翼の後縁をジグザグに形成していることを特徴とする。
燃料ノズルと、
前記燃料ノズルを囲繞する状態で配置されており、前記燃料ノズルとの間に空気通路を形成するバーナー筒と、
前記燃料ノズルの外周面の周方向に沿う複数箇所に、前記燃料ノズルの軸方向に沿う状態で配置されており、前記空気通路を上流側から下流側に流通する空気を旋回させるため、上流側から下流側に向かうに従い次第に湾曲している旋回翼と、
を有するガスタービンの燃焼バーナーであって、
前記旋回翼の翼腹面には、翼背面側に窪みつつ、内周側から外周側に向かうに従い前縁側から後縁側に向かって次第に湾曲している段部が形成されており、
前記燃料ノズルには、前記旋回翼の翼腹面の前記段部に向けて液体燃料を噴射する噴射孔が形成されていることを特徴とする。
燃料ノズルと、
前記燃料ノズルを囲繞する状態で配置されており、前記燃料ノズルとの間に空気通路を形成するバーナー筒と、
前記燃料ノズルの外周面の周方向に沿う複数箇所に、前記燃料ノズルの軸方向に沿う状態で配置されており、前記空気通路を上流側から下流側に流通する空気を旋回させるため、上流側から下流側に向かうに従い次第に湾曲している旋回翼と、
を有するガスタービンの燃焼バーナーであって、
前記燃料ノズルの外周面には、燃料ノズルの周方向に関して隣接する旋回翼の間に位置して、燃料ノズルの軸方向に伸びているスプリッタ翼を備え、
前記燃料ノズルには、前記スプリッタ翼の翼面に向けて液体燃料を噴射する噴射孔が形成されていることを特徴とする。
燃料ノズルと、
前記燃料ノズルを囲繞する状態で配置されており、前記燃料ノズルとの間に空気通路を形成するバーナー筒と、
前記燃料ノズルの外周面の周方向に沿う複数箇所に、前記燃料ノズルの軸方向に沿う状態で配置されており、前記空気通路を上流側から下流側に流通する空気を旋回させるため、上流側から下流側に向かうに従い次第に湾曲している旋回翼と、
を有するガスタービンの燃焼バーナーであって、
前記各旋回翼は、燃料ノズルの軸方向に関して前側と後側に分割されており、
前記燃料ノズルの外周面のうち、分割された前側の旋回翼と後側の旋回翼との間の位置には、後側の旋回翼の前縁に向けて液体燃料を噴射する噴射孔が形成されていることを特徴とする。
前記構成となっているガスタービンの燃焼バーナーにおいて、
前記旋回翼の平均反り線に対して前記旋回翼の後縁で接する接線と、前記燃料ノズルの軸方向に沿う軸線とでなす角度が、前記旋回翼の後縁の内周側では0〜10度になっており、前記旋回翼の後縁の外周側では25〜35度になっていることを特徴とする。
前記構成となっているガスタービンの燃焼バーナーにおいて、
前記旋回翼または前記燃料ノズルには、ガス燃料を噴射するガス燃料用噴射孔が備えられていることを特徴とする。
このように、液体燃料を翼面に吹き付けるという新規な構成により、液体燃料の効果的な蒸発を促進することができ、良好な燃焼を確保することができる。
なお本願発明者は、燃料ノズルの外周面に旋回翼(スワラーベーン)を備えた、新規な構成となっているガスタービンの予混合燃焼バーナーの開発をした。開発した新規な予混合燃焼バーナーは、燃料を十分に混合して均一濃度の燃料ガスとすることができると共に、燃料ガスの流速を均一にして逆火の防止を確実に図ることができる。
以下の実施例では、この新規な予混合燃焼バーナーに、本願発明を適用した実施例について説明する。
本発明の実施例1に係るガスタービンの予混合燃焼バーナー100は、図1に示すように、パイロット燃焼バーナー200の周囲を囲む状態で、複数個配置されている。パイロット燃焼バーナー200には、図示は省略するが、パイロット燃焼ノズルが組み込まれている。
予混合燃焼バーナー100と、パイロット燃焼バーナー200は、ガスタービンの内筒の内部に配置されるものである。
この空気通路111には、その上流側(図1では左側)から下流側(図1では右側)に向かい、圧縮空気Aが流通する。
なお図1では、理解を容易にするため、周方向に沿う角度0度と角度180度の位置に配置した2枚の旋回翼130のみを示している(図1の状態では、実際には合計で4枚の旋回翼が見える)。
(1)概略的に言うと、各旋回翼130は、圧縮空気Aを旋回させることができるように、上流側から下流側に向かうに従い次第に湾曲している。
(2)軸方向(燃料ノズル110の長手方向)に関しては、上流側から下流側に向かうに従い湾曲が大きくなっている。
(3)旋回翼130の後縁では、径方向(燃料ノズル110の半径方向(放射方向))に関して、内周側よりも外周側に向かうに従い湾曲が大きくなっている。
図5において、点線は旋回翼130の内周側(最内周面)での翼形状(翼断面形状)を示しており、実線は旋回翼130の外周側(最外周面)での翼形状(翼断面形状)を示している。
点線で示す内周側の翼形状において、平均反り線(骨格線)をL11、この平均反り線L11に対して旋回翼の後縁で接する接線をL12としている。
実線で示す外周側の翼形状において、平均反り線(骨格線)をL21、この平均反り線L21に対して旋回翼の後縁で接する接線をL22としている。
燃料ノズル110の軸方向に沿う軸線をL0としている。
(a)内周側の角度を0〜10度にし、
(b)外周側の角度を25〜35度にする、
ことが「最適」であることが究明された。
ここでいう「最適」とは、
(i)空気通路111の内周側であっても外周側であっても、空気A(a)の流速が均一となってフラッシュバック(逆火)の発生を防止でき、
(ii)空気通路111の内周側であっても外周側であっても、燃料濃度が均一となることを意味する。
仮に、平均反り線に接する接線と、軸線とでなす角度を、内周側と外周側で同じにしたとすると、内周側から外周側に向かう流線(空気流れ)が発生する。この結果、空気通路111の内周側で流通(軸方向に沿い流通)する空気A(a)の流速が遅くなり、空気通路111の外周側で流通(軸方向に沿い流通)する空気A(a)の流速が速くなる。このようにして、内周側での空気流速が遅くなると、内周側においてフラッシュバックが発生する恐れがある。
空気通路111の周方向長さは、内周側で短く、外周側で長い。本願発明では、平均反り線に接する接線と、軸線とでなす角度は、内周側から外周側に向かうに従い大きくなるので、圧縮空気Aに対して旋回を付与する力(効果)は、周長の短い内周側よりも、周長の長い外周側ほど強くなる。この結果、単位長さ当たりでは、内周側でも外周側でも、圧縮空気Aに対する旋回付与力が均一となり、内周側でも外周側でも燃料濃度が均一となるのである。
(a)内周側の角度を0〜10度に特定し、
(b)外周側の角度を25〜35度に特定した理由を、
実験結果を示す特性図である図6及び図7を参照して説明する。なお図6及び図7において示す「角度」は、平均反り線に対して旋回翼の後縁で接する接線と軸線とでなす角度である。
また、図6から分かるように、外周側の角度が25度以上において、流速の翼高さ方向の分布が一様となるのは、内周側の角度が0〜10度、外周側の角度が25〜35度である。
(a)内周側の角度を0〜10度にし、
(b)外周側の角度を25〜35度にすることにより、
(i)空気通路111の内周側であっても外周側であっても、空気A(a)の流速が均一となってフラッシュバック(逆火)の発生を防止でき、
(ii)空気通路111の内周側であっても外周側であっても、燃料濃度を均一にすることができることが分かる。
旋回翼130の翼背面132bは負圧で、翼腹面132aは正圧であり、翼背面132bと翼腹面132aとの間に圧力差がある。このため、クリアランス121を通って、翼腹面132aから翼背面132bに回り込む、空気の漏れ流れが生ずる。この漏れ流れと、空気通路111内を軸方向に流通する圧縮空気Aとが作用して、渦空気流が発生する。この渦空気流により、噴射孔133から翼腹面133aに向かって噴射されて蒸発した微粒化した燃料と、空気とがより効果的に混合され、燃料ガスの均一化が促進される。
また本実施例では、前述したように、燃料ノズル110には、燃料を噴射するための複数の噴射孔133が形成されている。噴射孔133の配置位置は、燃料ノズル110の外周のうち、各旋回翼130の各翼腹面132aに近い位置である。周方向に関しては、各旋回翼130の内周側と燃料ノズル110とが接する線と、噴射孔133との間の距離が、10mm以内となるようにしている。
つまり、液体燃料用の構成としては、噴射孔133を設けるだけでよく、この噴射孔133から噴射した液体燃料を翼面に吹き付けるだけで、特別な液体燃料用ノズル構造がなくても、液体燃料の微粒化及び蒸発を行うことができるのである。
上述した例では、翼腹面132aに液体燃料を噴射する噴射孔133を燃料ノズル110に備えたが、各旋回翼130の各翼背面132bに液体燃料を噴射する噴射孔を燃料ノズル110に備えるようにしてもよい。
このように、翼背面132bに液体燃料を噴射した場合には、特に翼背面132bに沿い巻き上がる内周側からの空気の2次流れ渦により、翼面に薄膜状に広がった液体燃料の微粒化、蒸発化を促進することができる。
このように旋回翼130の後縁をジグザグに形成すると、翼後縁において乱流(小さな渦空気流)が発生し、ガス化した燃料と空気aとの混合や予蒸発を促進することができる。
このように段差134に沿って液体燃料が吹き上がるため、液体燃料の吹き出し速度が高くても、液体燃料が旋回翼130の外周側を越えて翼の外側にまで飛び出してしまうことを防止することができる。また、段差134により液体燃料が広がる範囲を限定(特定)することができるため、予蒸発量や下流での濃度分布をコントロールすることができる。
更に、段差134の深さは、境界層の厚さに相当する深さとしているため、空気通路111に流れる空気A(a)に悪影響を及ぼすことはない。
またガス燃料は吹き付け部材160よりも外周側で噴射し、液体燃料は吹き付け部材160の内周面で微粒化・蒸発させるため、ガス燃料と液体燃料の干渉を防止で、良好な燃焼を図ることができる。
なお、上述した各実施例では、旋回翼130は、図2に示すように、旋回翼130の平均反り線に対して旋回翼130の後縁で接する接線と、燃料ノズル110の軸方向に沿う軸線とでなす角度が、旋回翼130の後縁の内周側では0〜10度になっており、旋回翼130の後縁の外周側では、25〜35度になっている。
本願発明は上記の状態となっているものに限らず、旋回翼130の平均反り線に対して旋回翼130の後縁で接する接線と、燃料ノズル110の軸方向に沿う軸線とでなす角度を、旋回翼130の後縁の内周側と外周側とで同じにした旋回翼となっているものにも適用することができることは言うまでもない。
110 燃料ノズル
111 空気通路
120 バーナー筒
121 クリアランス
130 旋回筒
131 クリアランス設定用リブ
132a 翼腹面
132b 翼背面
133,133a〜133f 液体燃料用の噴射孔
134 段差
140 スプリッタ翼
150,150a,150b ガス燃料用の噴射孔
160 吹き付け部材
200 パイロット燃焼バーナー
A 圧縮空気
a 旋回空気流
Claims (12)
- 燃料ノズルと、
前記燃料ノズルを囲繞する状態で配置されており、前記燃料ノズルとの間に空気通路を形成するバーナー筒と、
前記燃料ノズルの外周面の周方向に沿う複数箇所に、前記燃料ノズルの軸方向に沿う状態で配置されており、前記空気通路を上流側から下流側に流通する空気を旋回させるため、上流側から下流側に向かうに従い次第に湾曲している旋回翼と、
を有するガスタービンの燃焼バーナーであって、
前記燃料ノズルには、前記旋回翼の翼面に向けて液体燃料を噴射する噴射孔が形成されていることを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。 - 請求項1において、前記噴射孔は、前記旋回翼の翼腹面に向けて液体燃料を噴射することを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。
- 請求項1において、前記噴射孔は、前記旋回翼の翼背面に向けて液体燃料を噴射することを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。
- 請求項2または請求項3において、
前記旋回翼の内周側と前記燃料ノズルとが接する線と、前記噴射孔との間の周方向距離が10mm以内となっていることを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。 - 請求項1において、前記噴射孔は、前記旋回翼の前縁に向けて液体燃料を噴射することを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。
- 請求項1において、前記噴射孔は、前記旋回翼の後縁に向けて液体燃料を噴射することを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。
- 請求項1乃至請求項6の何れか一項において、
前記旋回翼の後縁をジグザグに形成していることを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。 - 燃料ノズルと、
前記燃料ノズルを囲繞する状態で配置されており、前記燃料ノズルとの間に空気通路を形成するバーナー筒と、
前記燃料ノズルの外周面の周方向に沿う複数箇所に、前記燃料ノズルの軸方向に沿う状態で配置されており、前記空気通路を上流側から下流側に流通する空気を旋回させるため、上流側から下流側に向かうに従い次第に湾曲している旋回翼と、
を有するガスタービンの燃焼バーナーであって、
前記旋回翼の翼腹面には、翼背面側に窪みつつ、内周側から外周側に向かうに従い前縁側から後縁側に向かって次第に湾曲している段部が形成されており、
前記燃料ノズルには、前記旋回翼の翼腹面の前記段部に向けて液体燃料を噴射する噴射孔が形成されていることを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。 - 燃料ノズルと、
前記燃料ノズルを囲繞する状態で配置されており、前記燃料ノズルとの間に空気通路を形成するバーナー筒と、
前記燃料ノズルの外周面の周方向に沿う複数箇所に、前記燃料ノズルの軸方向に沿う状態で配置されており、前記空気通路を上流側から下流側に流通する空気を旋回させるため、上流側から下流側に向かうに従い次第に湾曲している旋回翼と、
を有するガスタービンの燃焼バーナーであって、
前記燃料ノズルの外周面には、燃料ノズルの周方向に関して隣接する旋回翼の間に位置して、燃料ノズルの軸方向に伸びているスプリッタ翼を備え、
前記燃料ノズルには、前記スプリッタ翼の翼面に向けて液体燃料を噴射する噴射孔が形成されていることを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。 - 燃料ノズルと、
前記燃料ノズルを囲繞する状態で配置されており、前記燃料ノズルとの間に空気通路を形成するバーナー筒と、
前記燃料ノズルの外周面の周方向に沿う複数箇所に、前記燃料ノズルの軸方向に沿う状態で配置されており、前記空気通路を上流側から下流側に流通する空気を旋回させるため、上流側から下流側に向かうに従い次第に湾曲している旋回翼と、
を有するガスタービンの燃焼バーナーであって、
前記各旋回翼は、燃料ノズルの軸方向に関して前側と後側に分割されており、
前記燃料ノズルの外周面のうち、分割された前側の旋回翼と後側の旋回翼との間の位置には、後側の旋回翼の前縁に向けて液体燃料を噴射する噴射孔が形成されていることを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
前記旋回翼の平均反り線に対して前記旋回翼の後縁で接する接線と、前記燃料ノズルの軸方向に沿う軸線とでなす角度が、前記旋回翼の後縁の内周側では0〜10度になっており、前記旋回翼の後縁の外周側では25〜35度になっていることを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。 - 請求項1乃至請求項11のいずれか一項において、
前記旋回翼または前記燃料ノズルには、ガス燃料を噴射するガス燃料用噴射孔が備えられていることを特徴とするガスタービンの燃焼バーナー。
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