JP3590594B2 - ガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低nox燃焼器 - Google Patents

ガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低nox燃焼器 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、予混合室で液体燃料を予め空気と混合させて予混合気を作り、この予混合気を下流の燃焼室で燃焼させるようにしたガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低NO燃焼器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガスタービンエンジンにおいては、排ガス組成に関して厳しい環境基準が設けられており、特にNO(窒素酸化物)の排出量の低減が望まれている。この低NO化の手段として、燃焼室内に水や蒸気を噴射して燃焼火炎温度を低下させる方法が一般的に採用されてきたが、この方法では、エンジン熱効率の低下、悪い水質によるタービンなどの腐食に伴うエンジン寿命の低下、さらには水質を良くするための前処理に要する設備および維持管理費の高騰などの種々の欠点があった。このような水や蒸気を用いないでNOを低減する方法として、予蒸発・希薄予混合燃焼方式が有効であることがよく知られている。
【0003】
図4は、上述の予蒸発・希薄予混合燃焼方式を採用した従来の予混合型燃焼器の一例を示す縦断面図である(例えば特開平9−303776号公報参照)。この燃焼器50では、その中心軸上に配置されたパイロットノズル51からパイロット液体燃料PFを噴射し、その周囲から燃焼用空気CAを供給して燃焼させる。他方、前記パイロットノズル51の外周には、環状の予混合室52が形成されており、その上流の環状通路内にラジアル・スワーラ53が装着されている。このスワーラ53を通って旋回を付与されながら予混合室52内に供給される空気流CA中に、低NO化に適した一定の空燃比(燃料と空気の混合比)となるようにメインノズル54からメイン液体燃料MFを噴射することにより、液体燃料MFの蒸発・混合を行ったのち、この予混合気を燃焼室C内に供給して、前記パイロットノズル51から噴射したパイロット液体燃料PFによる燃焼炎によって燃焼させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記予混合型燃焼器50では、液体燃料MFの液滴を十分に蒸発させることで空気CAと均一に混合させることが、低NO化を達成するための重要なポイントとなる。しかしながら、前記構成とした予混合型燃焼器では、液体燃料MFと空気CAとの混合過程において、メインノズル54から予混合室52内に噴射された液体燃料MFが、蒸発が完了する前に予混合室52の壁面52aに衝突してそのまま付着し、壁面52aに液膜57を形成してしまう。このような液膜57が形成されるのは、液体燃料MFが微粒化するために一定の噴射角度に拡げてメインノズル54から噴射されるために、その噴射された液体燃料MF中に蒸発するまでに時間を要する比較的大きな粒の液滴が存在すると、この液滴が、蒸発する以前に空気の旋回流による遠心力によって壁面52aに衝突してしまうからである。
【0005】
前記液膜57となった液体燃料MFは、予蒸発されないことから、空気CAと十分に混合されない状態で燃焼室C内の燃焼領域に向け流出してしまい、予混合室52の出口で拡散火炎として燃焼する。このように、前記燃焼器50では、液体燃料MFの全てを完全に予蒸発させることができないので、液体燃料MFと空気CAとの均一な混合が行われず、その結果、NOの発生量を十分に抑制することができない。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、液体燃料の全てを確実に蒸発させて空気と均一に混合させることにより、所要の空燃比の予混合気を作ることができるガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低NO燃焼器を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の構成に係るガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低NOX 燃焼器は、燃焼領域の上流側に形成されて、液体燃料と空気とを混合させて予混合気を作る予混合室と、前記予混合室に前記液体燃料を噴射する燃料噴射装置と、前記予混合室に前記空気を予混合室の軸心回りに旋回させながら導入して前記液体燃料と混合させる第1の空気入口と、前記第1の空気入口の下流側で前記予混合室の外周壁に形成されて、予混合室に空気を導入する環状の第2の空気入口とが設けられ、前記燃料噴射装置が、前記予混合室内に出口を持ち、噴射角度を制限して予混合室の周壁に当たる液体燃料の量を抑制する噴射チューブと、この噴射チューブ内にその入口から前記液体燃料を噴射する燃料噴射弁とを有している。
【0008】
この構成によれば、燃料噴射装置から予混合室に噴射された液体燃料は、予混合室内に流入した時点で、第1の空気入口から予混合室の軸心回りに旋回しながら予混合室に導入された空気により微粒化されて、その大部分が蒸発して空気と混合し、予混合気となる。この予混合気中に含まれている未蒸発の燃料液滴は旋回流の空気による遠心力によって予混合室の外周壁に向かって流動するが、その外周壁の内面に衝突する前に第2の空気入口から予混合室に導入された空気によって予混合室の中央部分に吹き戻されたのち、上流側からの予混合気および第2の空気入口からの空気と混合されて、その全てが蒸発する。これにより、予混合室内に流入した液体燃料は、その全てが完全に蒸発した状態で空気と均一に混合して、NOの低減に適した所要の空燃比の希釈予混合気となって燃焼室に送られるから、NOの発生を大幅に低減することができる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、前記予混合室に入る空気の60〜80%が前記第1の空気入口から導入され、残部が前記第2の空気入口から導入されるように設定されている。この構成によれば、予混合室内に噴射される液体燃料は、上流側の第1の空気入口から入る60%以上の空気と十分に混合して確実に微粒化した予混合気とすることができ、この予混合気中に残存する燃料液滴は、下流側の第2の空気入口から予混合室に入る20〜40%の空気によって、外周壁の内面(予混合室壁面)に付着することなく、液体燃料の全てを蒸発させることができる。
【0010】
本発明の他の好ましい実施形態では、前記第1および第2の空気入口に空気を旋回させるスワーラが設けられ、前記第1の空気入口のスワーラによる旋回力の方が前記第2のスワーラの旋回力よりも強く設定されている。この構成によれば、第1の空気入口のスワーラからの強い旋回流の空気により液体燃料を短時間で蒸発させて空気と十分混合することができる。他方、下流側の第2の空気入口のスワーラの旋回力を弱くすることで、燃焼ガスの燃焼領域に入る旋回流の旋回強度を適正にすることにより、燃焼領域の火炎を安定化できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の液体燃料焚き低NO燃焼器が適用されるガスタービンエンジンを示した概略構成図である。このガスタービンエンジンは、圧縮機1、燃焼器2およびタービン3を主構成要素としている。燃焼器2は、圧縮機1から供給される圧縮空気に燃料を供給して燃焼させ、それにより発生する高温高圧の燃焼ガスをタービン3に供給する。圧縮機1は回転軸5を介してタービン3に連結されて、このタービン3によって駆動される。前記タービン3は減速機4を介して発電機のような負荷7を回転駆動する。燃焼器2には、燃料ポンプ8から送給される液体燃料が、燃料制御装置9を介して供給される。液体燃料としては主に灯油または軽油が用いられる。
【0012】
図2は、本発明の第1実施形態に係る液体燃料焚き低NO燃焼器2の要部を示す縦断面図である。この燃焼器2は、燃焼室Cを形成する内筒10と、この内筒10の外周を覆うハウジング11とを有し、内筒10とハウジング11との間に空気通路12が形成されている。図1の圧縮機1から供給された燃焼用の圧縮空気CAが前記空気通路12を燃焼器2の先端側に向かって流れたのちに、内筒10内で燃焼ガスGとなって燃焼器2の基端側に向かって流れ、図示しないトランジション・ダクトを通って図1のタービン3に導入される。
【0013】
図2の燃焼器2の頂部中心部には、パイロット液体燃料PFを噴射するパイロットノズル13が設けられ、このパイロットノズル13の外周にパイロット空気通路14が設けられている。パイロット空気通路14の外周には環状の予混合室17が配設されており、この予混合室17は、前記内筒10の径方向外方に向いて前記空気通路12の空気導入口22に臨む第1の空気入口18と、この第1の空気入口18の下流側でこれと同様に内筒10の径方向外方に向き、かつ圧縮空気CAを径方向内方に流入させる第2の空気入口19とを有している。
【0014】
前記両空気入口18,19は、共に、予混合室17と同心の環状形状になっているとともに、第1および第2のスワーラ20,21がそれぞれ装着されている。したがって、両空気入口18,19は、各々に備えた第1および第2のラジアルスワーラ20,21により、空気通路12から空気導入口22を介して流入する燃焼用空気CAを予混合室17の軸心回りに旋回させながら予混合室17内に、予混合室17の径方向内方へ向かって、軸心方向から見て斜めに導入する。前記第1の空気入口18は、後述する燃料噴射装置24の燃料噴射弁28から予混合室17内に噴射されるメイン液体燃料MFに対し、第1のスワーラ20で旋回流を付与した空気CAを混合させるよう導入できる位置に配設されている。第2の空気入口19は、第1の空気入口18からの流入空気CAと液体燃料MFとを混合した予混合気の旋回領域に臨むように予混合室17の外周壁17bに設けられており、その外周壁17bにおける配設箇所は、前記予混合気中に含まれる液体燃料MFの未蒸発の燃料液滴が旋回流による遠心力で外周壁17bに衝突することが予測される位置に設定されている。
【0015】
また、予混合室17に入る空気CAの60〜80%は第1の空気入口18から導入され、残りの空気CAが第2の空気入口19から導入されるように設定されている。さらに、第1の空気入口18の第1のスワーラ20による空気CAの旋回力は第2の空気入口19の第2のスワーラ21による旋回力よりも強く設定されている。ここで、旋回力は、空気CAに旋回成分を付与する能力であり、旋回力の強い方が、スワーラ下流における空気流の速度の周方向成分が大きくなる。前記旋回力はスワーラ20,21の羽根の角度によって適宜設定される。予混合室17の出口23は、内筒10の軸方向、つまり、燃焼器2の軸方向に向いており、したがって、予混合室17は軸心を含む縦断面でF字形を呈している。
【0016】
予混合室17の頂部における前記第1のスワーラ20の下流側には、予混合室17内に予混合用のメイン液体燃料MFを噴射する複数の燃料噴射装置24が周方向に等間隔の配置で設けられている。この燃料噴射装置24は、予混合室17内に出口27bを持つ噴射チューブ27と、この噴射チューブ27内にその入口27aからメイン液体燃料MFを噴射する燃料噴射弁28とにより構成されている。
【0017】
前記燃料噴射弁28は、噴射チューブ27の入口27aから若干離れて、入口27aとの間に隙間29を有する配置で設けられており、この隙間29から空気CAが噴射チューブ27内に流入するようになっている。また、噴射チューブ27は、これの出口27bを予混合室17内に突出させた配置で設けられているが、この噴射チューブ27の予混合室17内への突出量dは、第1のスワーラ20の通路幅(軸方向幅)Wの1/5以上で、且つ1/2以下に設定されている。前記パイロットノズル13からは始動時のみ又は始動時を含む通常運転時の全てにわたってパイロット液体燃料PFが噴射され、前記各燃料噴射弁28からは通常運転時のみ液体燃料MFが噴射されるが、これら液体燃料PF,MFの噴射量などの制御は図1の燃料制御装置9によって行われる。
【0018】
つぎに、この第1実施形態の動作を説明する。図1の圧縮機1から供給される燃焼用の圧縮空気CAは、図2の空気通路12を経て、その一部が内筒10の周壁に設けられた燃焼用および希釈用の空気孔(図示せず)から燃焼室C内に流入し、他の一部がパイロット空気通路14を経て燃焼室C内へ入り、残りが第1および第2のスワーラ20,21をそれぞれ経て予混合室17内へ流入する。パイロットノズル13から燃焼室C内に噴射されたパイロット液体燃料PFが燃焼して拡散燃焼領域S1が形成される。
【0019】
他方、メイン燃料噴射弁28からは、メイン液体燃料MFが、微粒化を促進するために比較的大きな噴射角度の範囲内で噴射チューブ27の内方に噴射され、この噴射チューブ27を通って予混合室17内に向け噴射される。このとき、噴射チューブ27には、これの内部に噴射された液体燃料MFによって生じる負圧で空気CAが燃料噴射弁28との隙間29から流入し、この流入した空気CAは液体燃料MFに対しこれの周囲を包み込んで拡がりを制限する。そのため、液体燃料MFは、小さな噴射角度に狭められて噴射チューブ27の出口27bから予混合室17内に噴出されるので、予混合室17の外周壁17bおよび内周壁に向けて噴射される量が、図4のタイプの燃焼器に比較して少なくなる。
【0020】
また、液体燃料MFのうちの大きな噴射角度で噴射チューブ27内に入った液滴は噴射チューブ27の内壁面に衝突して液膜を形成するが、この液膜は、噴射チューブ27の内壁に沿いながら流れて噴射チューブ27の出口27bから流出した時点で、第1のスワーラ20によって旋回流を付与されながら高速で流動する空気CA1が吹き付けられることにより、微粒化される。すなわち、噴射チューブ27の予混合室17内への突出量dは、上述したように第1のスワーラ20の通路幅Wの1/5以上で、且つ1/2以下に設定されているから、前記液膜は、噴射チューブ27の出口27bから出た時点で高速旋回流に臨むことになるので、空気CA1が強く吹き付けられることによって効果的に霧化される。
【0021】
噴射チューブ27の前記突出量dを1/5以下に設定した場合、出口27bが予混合室17の頂部の内壁面17aに近づくために、噴射チューブ27の出口27bにおいて液体燃料MFに吹き付けられる空気CA1の流速が小さくなってしまい、一方、突出量dを1/2以上に設定した場合、空気CA1が噴射チューブ27に当たって流速低下が生じるとともに、噴射チューブ27の出口27bから流出した液体燃料MFに空気CA1が十分当たらなくなる。そのため、何れの場合にも液体燃料MFを霧化させる効果が小さくなる。
【0022】
噴射チューブ27の出口27bから流出した液膜による液滴および液体燃料MFは、予混合室17内に流入した時点で第1のスワーラ20からの高速旋回流の空気CA1によって微粒化される。したがって、予混合室17内に流入した液体燃料MFおよび液滴は、その大部分が蒸発して空気CA1と混合し、予混合気となる。しかしながら、この予混合気中に未蒸発の小さな粒の燃料液滴が残存している場合がある。
【0023】
前記予混合気中に残存している燃料液滴は、第1のスワーラ20を通った高速旋回流の空気CA1による遠心力によって予混合室17の外周壁17bに向かって流動するが、その外周壁17bにおける燃料液滴の衝突が予測される箇所には第2のスワーラ21から空気が導入される。そのため、前記燃料液滴は、予混合室17の外周壁17bの内面に衝突する前に第2のスワーラ21からの旋回流の空気CA2によって予混合室17の中心部分に吹き戻されたのち、上流側からの前記予混合気および第2のスワーラ21からの旋回流の空気CA2と均一に混合されて、NOの低減に適した所定の空燃比の希釈予混合気となって燃焼室Cに送られ、拡散燃焼領域S1の燃焼炎によって燃焼し、拡散燃焼領域S1の外側から下流側にかけて拡がる希薄予混合燃焼領域S2を形成する。したがって、この燃焼器2はNOを効果的に低減することができる。
【0024】
また、この燃焼器2では、上述したように予混合室17に入る空気CAの60〜80%が上流側の第1の空気入口18から導入され、残部が下流側の第2の空気入口19から導入されるように設定されている。第1の空気入口18から入る空気が60%未満では、液体燃料MFの蒸発および混合が不十分となる。第1の空気入口18から入る空気が80%を越えると、第2の空気入口19から流入する空気CAが不足して予混合気中に残存する燃料液滴が外周壁17bの内面に付着することを防止できない。
【0025】
さらに、前記燃焼器2では、上述したように第1のスワーラ20による空気の旋回力を第2のスワーラ21の旋回力よりも強く設定しているので、第1のスワーラ20からの強い高速旋回流の空気CA1により液体燃料MFが短時間で空気CA1と十分混合することができる。混合気が強い旋回流のままで予混合室17から内筒10内に入ると、遠心力が大きいために、内筒10の周壁に向かって矢印Jで示すように流れる。その結果、拡散燃焼領域S1の圧力が下がって、拡散燃焼領域S1への戻りKが強くなる。そこで、下流側の第2のスワーラ21の旋回力を第1のスワーラ20よりも弱くしておくことにより、内筒10内に入る混合気の旋回を適正にして、燃焼ガスGの拡散燃焼領域S1への戻り速度を小さくし、これによって、拡散燃焼領域S1の頭部、つまりパイロットノズル13の先端部の焼損を防止できるとともに、拡散燃焼領域S1の火炎を安定化できる。
【0026】
なお、前記実施形態では、第2の空気入口19から予混合室17に流入する空気CA2に第2のスワーラ21で旋回を付与する場合を例示して説明したが、上述の説明から明らかなように、第2の空気入口19から予混合室17内に流入する空気CA2は、第1の空気入口18からの高速旋回流の空気CA1により生成された予混合気中になおも残存する燃料液滴を予混合室17の外周壁17bへの衝突を防止するものであるから、特に旋回は要件でなく、第2のスワーラ21を割愛してもよい。
【0027】
図3は、本発明の第2実施形態に係る液体燃料焚き低NO燃焼器2Aの要部を示す縦断面図であり、同図において、図2と同一若しくは相当するものには同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。この燃焼器2Aでは、予混合室17が、上端部に第1の空気入口18を有する傾斜した環状である。第2の空気入口19は、第1の空気入口18からの流入空気CA1と液体燃料MFとの予混合気の旋回領域に臨む位置において、予混合室17の軸心に対し小さな交差角度で予混合室17の出口23に向いた配置で予混合室17の外周壁17bに設けられており、その外周壁17bにおける配設箇所は、予混合室17に流入した液体燃料MFが衝突しようとする位置に設定されている。前記両空気入口18,19には、第1および第2のスワーラ30,31が設けられている。
【0028】
また、燃料噴射弁28と共に燃料噴射装置24を構成する噴射チューブ32は、予混合室17に対しこれの空気流に対して小さな交差角度で液体燃料MFを噴射できる相対位置に配置して設けられている。噴射チューブ32の入口32aと燃料噴射弁28との間に隙間29が設けられているのは、第1実施形態と同様であるが、第1のスワーラ30の通路幅Wに対し、第1実施形態と同様の突出量dに設定して予混合室17内に突出された噴射チューブ32の出口32bは、予混合室17内の空気流CA1との交差角度が小さくなるように斜めにカットされた形状になっている。前記突出量dは、出口32bの最大突出量である。
【0029】
この燃焼器2Aでは、燃料噴射弁28から噴射されて予混合室17内に流入した液体燃料MFは、第1のスワーラ30を通過して旋回流を付与された空気CA1と混合される。そののち、その予混合気中になおも残存する未蒸発の燃料液滴は、第2のスワーラ31を通過して旋回流を付与された空気CA2によって、外周壁17bの内面に付着することなく、燃焼室C内に流入する。
【0030】
なお、本発明は、図4に示したタイプの予混合型燃焼器にも適用することができる。すなわち、図4の予混合室52の外壁面52におけるメインノズル54から予混合室52内に流入したメイン液体燃料MFが衝突しようとする箇所Pに、予混合室52内に空気を導入する環状の第2の空気入口を設ければ、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0031】
また、本発明はマルチバーナタイプの燃焼器にも適用することができる。すなわち、燃焼器の頭部における中心部に設けられたパイロットバーナーの周囲に、前記実施形態で示した燃料噴射装置24と第1および第2の空気入口18,19とを備えた予混合室17を、パイロットバーナと同心状に複数(例えば4〜8個)配設すれば、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明のガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低NO燃焼器によれば、予混合室内に流入した液体燃料は、その全てが確実に空気と混合し、NOの低減に適した所要の空燃比の予混合気となって燃焼室に送られるから、NOを効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体燃料焚き低NO燃焼器が適用されるガスタージンエンジンを示した概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る液体燃料焚き低NO燃焼器の要部を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る液体燃料焚き低NO燃焼器の要部を示す縦断面図である。
【図4】従来の予混合型燃焼器の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
2,2A…燃焼器、17…予混合室、17b…外周壁、18…第1の空気入口、19…第2の空気入口、20,21,30,31…スワーラ、24…燃料噴射装置、CA,CA1,CA2…空気、MF…液体燃料、S1,S2…燃焼領域。

Claims (3)

  1. 燃焼領域の上流側に形成されて、液体燃料と空気とを混合させて予混合気を作る予混合室と、
    前記予混合室に前記液体燃料を噴射する燃料噴射装置と、
    前記予混合室に前記空気を予混合室の軸心回りに旋回させながら導入して前記液体燃料と混合させる第1の空気入口と、
    前記第1の空気入口の下流側で前記予混合室の外周壁に形成されて、予混合室に径方向内方に空気を導入する環状の第2の空気入口とが設けられ
    前記燃料噴射装置が、前記予混合室内に出口を持ち、噴射角度を制限して予混合室の周壁に当たる液体燃料の量を抑制する噴射チューブと、この噴射チューブ内にその入口から前記液体燃料を噴射する燃料噴射弁とを有しているガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低NOX 燃焼器。
  2. 請求項1において、
    前記予混合室に入る空気の60〜80%が前記第1の空気入口から導入され、残部が前記第2の空気入口から導入されるように設定されているガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低NOX 燃焼器。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1および第2の空気入口に、空気を旋回させるスワーラが設けられ、前記第1の空気入口のスワーラによる旋回力の方が前記第2のスワーラの旋回力よりも強く設定されているガスタービンエンジン用の液体燃料焚き低NOX 燃焼器。
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