以下、本願発明に係る排出スタッカ昇降装置及び該排出スタッカ昇降装置を適用した液体噴射装置の一例である記録装置について説明する。最初に本願発明の液体噴射装置、そしてその一例である記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
図1はインクジェットプリンタの外観を示す斜視図、図2はハウジングを取り外してインクジェットプリンタの内部構造を示す斜視図である。また図3はインクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図である。
尚、ここで説明するインクジェットプリンタ100は、図1に示すように液体噴射装置本体、そして記録装置本体の一例であるプリンタ本体3の上方にスキャナ装置4を備えている。プリンタ本体3の前面パネル6の中央に液晶モニタ画面7、その左右に操作ボタン8を備えている。前面パネル6の下方中央部には、デジタルカメラで撮影した写真データが収録されたメモリカード等を挿入するためのメモリカード挿入部9が設けられている。また、このタイプのインクジェットプリンタ100は、パーソナルコンピュータを使用しないでダイレクトに記録が実行でき、コピー機としても使用できる複合機能を有する比較的コンパクトなタイプのインクジェットプリンタである。
また、プリンタ本体3の前面下部には前後方向に着脱自在に給送用カセット30が設けられている。また、該給送用カセット30の上部には図1中、実線で示すように未使用状態ではプリンタ本体3の前面カバーの一部としても機能する排出用スタッカ50が設けられている。尚、該排出用スタッカ50は、図1中、仮想線で示すように使用状態では手前に拡開されて、載置面51を上方に向けた姿勢で使用される。また、液晶モニタ画面7と操作ボタン8の一部及びメモリカード挿入部9は、パーソナルコンピュータに接続しないでダイレクトに記録を実行する場合に使用される部位である。即ち、メモリカード挿入部9に図示しないメモリカードを挿入し、液晶モニタ画面7を見ながら操作ボタン8を操作することによって好みの写真を簡単に家庭に居ながら何枚でも高品質にプリントすることができるようになっている。
また、プリンタ本体3の背面側の上部には、自動的に被液体噴射材の一例である被記録材P(以下単に用紙Pともいう)を連続して給送することのできる自動給送装置2が設けられている。自動給送装置2は、用紙Pを複数枚積畳し得る給送用トレイ5と、給送用トレイ5上の用紙Pを給送用ローラ14に向けて押上げるホッパ16と、ホッパ16との挟圧送り作用によって給送用トレイ5上の上位の用紙Pをピックアップする給送用ローラ14と、最上位の用紙Pのみが給送されるように重送された後続の用紙Pを最上位の用紙Pから分離する分離作用部の一例である図示しないリタードローラないし分離パッド等と、分離された後続の用紙Pを給送用トレイ5上に戻す図示しない戻しレバー等とを備えている。
次に、用紙Pの搬送経路に従ってインクジェットプリンタ100の内部構造の概略を説明する。給送用トレイ5は、最も搬送方向上流側に設けられおり、複数枚の用紙Pを積畳する被液体噴射材積畳部の一例である。また、給送用トレイ5には用紙Pの側端縁(エッジ)に当接し、用紙Pの搬送方向となる副走査方向Yへの円滑な搬送を案内するエッジガイド15が設けられている。給送用トレイ5上の用紙Pは、給送用ローラ14の回転軸17の回転に伴って、ホッパ16が所定のタイミングで上昇し、給送用ローラ14に向けて押し上げられる。そして、用紙Pは、給送用ローラ14の回転に伴って最上面に位置する用紙Pから順番に給送用ローラ14近傍に設けられる分離作用部である図示しないリタードローラ等の分離力を受けて単位数ずつピックアップされて搬送方向下流に向けて給送される。
給送用ローラ14の下流には、用紙Pの通過を検出する被液体噴射材検出手段の一例である図示しない被記録材検出手段(以下単に検出レバーという)が設けられている。検出レバーの下流には、搬送用駆動ローラ19aと搬送用従動ローラ19bとによって構成される搬送用ローラ19が設けられている。このうち搬送用従動ローラ19bは、ローラホルダ18の下流端部において軸支され、当該ローラホルダ18は、図示しないねじりコイルバネによって搬送用従動ローラ19bが常に搬送用駆動ローラ19aに圧接したニップ状態になるように回動付勢されている。
そして、搬送用ローラ19によって挟圧された状態で搬送される用紙Pは、記録ポジション26に導かれ、記録ポジション26には用紙Pに記録を実行する液体噴射実行手段の一例である記録実行手段の主たる構成要素としてキャリッジ10が設けられている。該キャリッジ10は、用紙Pおよび後述するCD−RトレイQの幅方向である主走査方向Xに往復移動可能にキャリッジガイド軸12に軸支され、無端ベルト11によって往復移動されるようになっている。そして、キャリッジ10の下面には、用紙P等に液体の一例であるインクを吐出(噴射)して記録を実行する液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド13が搭載されている。また、キャリッジ10には液体カートリッジの一例であるインクカートリッジCが挿着されている。
記録ヘッド13の下方には、記録ヘッド13と対向して該記録ヘッド13のヘッド面と用紙P等との間のギャップPGを規定するプラテン28が設けられている。そして、記録ヘッド13とプラテン28との間において、用紙P等を主走査方向Xと直交する副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド13を主走査方向Xに一往復させる間に記録ヘッド13から用紙P等にインクを噴射する動作とを相互に繰り返すことによって、用紙P等の記録面のほぼ全面に亘って所望の記録が実行される。尚、上記ギャップPGは、高精度の記録を実行する上で極めて重要な要素となっており、用紙Pの厚さの変化等に応じて適宜調節されるようになっている。
記録ヘッド13の下流には排出用駆動ローラ20aと、複数の第1排出用従動ローラ20b,20b,……とによって構成される被液体噴射材排出手段の一例である排出用ローラ20が設けられている。また第1排出用従動ローラ20b,20b,……近傍の搬送方向上流には、複数の排出用補助従動ローラ22,22,……が設けられている。そして、排出用ローラ20によって排出された用紙Pは、更に搬送方向下流に位置する被液体噴射材受け部の一例である上記の排出用スタッカ50上の載置面51に排出されるようになっている。
第1排出用従動ローラ20b,20b,……と排出用補助従動ローラ22,22,……は、その外周に複数の歯を有する歯付きローラであり、それぞれを保持するローラホルダによって自由回転可能に軸支されている。また、上記搬送用従動ローラ19bは、搬送用駆動ローラ19aよりその軸芯位置が幾分搬送方向下流側に位置するように配設されており、上記第1排出用従動ローラ20b,20b,……は排出用駆動ローラ20aより軸芯位置が幾分搬送方向上流側に位置するように配設されている。このような配設態様をとることによって、用紙Pは搬送用ローラ19と排出用ローラ20との間において僅かに下に凸となる「逆ぞり」と呼ばれている湾曲状態が形成される。これにより、記録ヘッド13に対向する位置にある用紙Pは、プラテン28に押し付けられ、用紙Pの浮き上がりが防止されて正常に記録が実行されるようになっている。
尚、搬送用駆動ローラ19aおよび排出用駆動ローラ20aは、制御部900によって制御される第1モータ901の駆動力によって駆動するように設けられている。
[実施例]
次に、このようなインクジェットプリンタ100に対して設けられる本発明の排出スタッカ昇降装置について図面に基づいて具体的に説明する。
図4〜図6に示すのは、本発明の排出スタッカ昇降装置を示す正面斜視図である。このうち、図4は用紙記録モードにおける第1排出スタッカが第1の位置にある状態であり、図5はCD−R記録モードにおける第1排出スタッカが第2の位置にある状態である。そして、図6は、図5においてCD−Rトレイをセットした状態である。
図4〜図6に示す如く、記録装置100の用紙等を排出する排出部120には、排出スタッカ昇降装置200が設けられており、排出スタッカ昇降装置200は、用紙Pを記録する用紙記録モードと、CD−Rのラベルを記録するCD−R記録モードとを備えている。記録モードの切り替えは、ユーザが、操作ボタン8を操作することによって切り替わるように設けられている。そして、記録モードが切り替わると、排出用駆動ローラ20aの動力源の第1モータ901(図3参照)によって、排出スタッカ昇降装置200に設けられた第1排出スタッカ500が第1の位置および第2の位置へ移動するように構成されている。第1排出スタッカ500の移動については、後に詳しく説明するとして、先ず、第1の位置および第2の位置について説明する。
尚、記録モードの切り替えは、記録情報データが、制御部900(図3参照)へ送られた時点で、制御部900が判断して、記録モードの切り替えを行うように設けてもよい。
また、図4〜図6において、図中X方向右側が1桁側であり、左側が80桁側である。
図4に示す如く、排出用スタッカ50は、副走査方向Yである搬送方向上流側の第1排出スタッカ500と、下流側の第2排出スタッカ600とを備えている。そして、第2排出スタッカ600が、記録装置100の前面に設けられた載置開口部260を開閉するように構成されており、図4に示す状態は開いた状態である。用紙記録モードにおいて、記録された用紙Pが排出用ローラ20によって排出されると、用紙Pは、載置面51としての第1排出スタッカ500の第1載置部510および第2排出スタッカ600の第2載置部610の上面に載置される。このとき、第1排出スタッカ500の搬送方向下流端が、第2排出スタッカ600の上流端より高くなるように構成されている。従って、用紙Pの先端部、即ち、搬送方向下流端が、第1排出スタッカ500と第2排出スタッカ600との間の間隙に引っ掛かる不具合、所謂、用紙ジャムが生じる虞がない。
図5に示す如く、CD−R記録モードでは、第1排出スタッカ500が、搬送方向下流側である第2排出スタッカ600の上方まで移動する。この位置が第1排出スタッカ500の第2の位置である。第1排出スタッカ500は、第1載置部510の搬送方向下流側にCD−Rトレイ案内開口部522と、CD−Rトレイ案内開口部内の下面であってCD−RトレイQ(図6参照)を搬送方向(Y)へ案内するCD−Rトレイ案内面523とを備えている。第2の位置では、CD−Rトレイ案内面523が、搬送方向(Y)および主走査方向Xに対して平行であり、かつ、排出用駆動ローラ20aおよびプラテン28の上部の位置と同じ高さとなるように設けられている。
図6に示す如く、CD−R記録モードに切り替えられると、第1排出スタッカ500は第2の位置へ移動する。そして、ユーザは、ラベルに記録するCD−Rを専用のCD−RトレイQに取り付け、該CD−RトレイQを第1排出スタッカ500のCD−Rトレイ案内開口部522へ挿入しセットする。セットされると、CD−RトレイQは、排出用駆動ローラ20aおよび後述する第2排出用従動ローラ503,503(図10〜図22参照)によって挟持される。その後、排出用駆動ローラ20aの逆転駆動によって、搬送方向上流側へ送られる。そして、CD−RトレイQに取り付けられたCD−Rの搬送方向下流端が、記録ヘッド13と対向する位置、所謂、記録開始ポジションで停止する。このとき、CD−RトレイQの上流側は、搬送用従動ローラ19bがCD−Rのラベル面と当接してCD−Rに記憶されたデータが破損されるのを防止するため、搬送用ローラ19に挟持されないように設けられている。
尚、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503は、CD−Rを直接挟持するのではなく、CD−Rトレイ本体(Q)の主走査方向両側近傍を挟持するように2つ設けられている。従って、CD−Rに記憶されたデータ情報を破損する虞がない。また、CD−Rトレイの搬送精度を向上させるために、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503だけでなく、搬送用ローラ19もCD−Rトレイを挟持して搬送するように構成してもよいのは勿論である。
その後、排出用駆動ローラ20aを正転駆動させて、CD−RトレイQを搬送方向下流側へ移動させながら記録ヘッド13を主走査方向Xへ走査させCD−Rのラベルに対して記録を実行する。そして、記録が終了すると、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503が協働して、CD−RトレイQを搬送方向下流側へ排出する。このとき、CD−RトレイQの搬送方向上流端が、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503のニップから外れるので、CD−RトレイQは、再び図6に示す如くCD−Rトレイ案内開口部522からCD−RトレイQの一部が突出した位置よりもさらに突出した位置で停止する。
CD−R記録モードでは、CD−Rトレイ案内開口部522を備えた第1排出スタッカ500が、搬送方向下流側へ移動するので、ユーザは、CD−RトレイQを容易にセットすることができる。また、記録後において、ユーザは、CD−RトレイQを容易に取り出すことができる。このとき、CD−RトレイQの一部が、CD−Rトレイ案内開口部522より突出しているので、一層容易にCD−RトレイQを取り出すことができる。
また、第1排出スタッカ500が、搬送方向下流側へ移動するので、CD−RトレイQの重心を支持することの可能である。従って、CD−RトレイQの姿勢を安定させることができる。
[PG切り替えおよび記録モード切り替えについて]
図7〜図9に示すのは、本発明に係る排出スタッカ昇降装置への動力伝達を示す概略側面図である。このうち、図7は動力が切断された状態である。そして、図8は排出用駆動ローラの逆転状態で動力が伝達されている状態であり、図9は排出用駆動ローラの正転状態で動力が伝達されている状態である。
図7に示す如く、記録装置100には、記録部110に設けられた記録ヘッド13とプラテン28との間隔を用紙等の厚みによって調整することができる記録部ギャップ調整装置300、CD−Rのラベルを記録する際にCD−RトレイQを案内および受け止めをするために、第1排出スタッカ500を移動させる排出スタッカ昇降装置200、および排出用駆動ローラ20aの動力が排出スタッカ昇降装置200へ伝達するのを切り替える動力伝達切り替え装置400を備えている。
このうち、記録部ギャップ調整装置300は、PG調整用モータである第2モータ902によって回動するカム軸302と、カム軸302の回動支点に対して偏心するように設けられたキャリッジガイド軸12と、カム軸302に設けられたPG調整カム部301と、図示しないねじりコイルばねによって常にPG調整カム部301を付勢するレバー部材304とを備えている。
また、排出スタッカ昇降装置200は、基体部220と、動力伝達切り替え装置400から伝達された動力を第1排出スタッカ500へ伝達する動力伝達手段210と、第1の位置と第2の位置との間を移動する第1排出スタッカ500とを備えている。
またさらに、動力伝達切り替え装置400は、第1モータ901によって回動する排出用駆動ローラ20aと同軸に設けられ、一体に回動する太陽ギア426と、太陽ギア426と外接する第1遊星ギア423および第2遊星ギア424と、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424を保持すると共に太陽ギア426の回動支点軸425を支点に回動自在に揺動する遊星ギアホルダ部420と、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424の動力を受ける第1ギア211と、遊星ギアホルダ部420の姿勢を規制するロックレバー410とを備えている。
ここで、第1モータ901は、搬送用駆動ローラ19aおよび給送用ローラ14をも回動させるように構成されている。
記録ヘッド13は、キャリッジガイド軸12によって主走査方向Xへ移動するキャリッジ10に設けられている。用紙Pの厚みの変更、あるいは用紙Pを記録する用紙記録モードからCD−Rのラベル面を記録するCD−R記録モードへ変更があると、PG調整用モータとしての第2モータ902によってカム軸302が回動する。このとき、キャリッジガイド軸12は、カム軸302に対して偏心している。従って、記録部ギャップ調整装置300は、カム軸302の回動によって、記録ヘッド13とプラテン28との間隔である、所謂、プラテンギャップあるいはペーパーギャップ(以下、PGとする)を調整することができる。
また、カム軸302には、PG調整カム部301が設けられている。そして、図示しないねじりコイルばねによって、レバー軸305を支点に図中時計方向へ付勢されたレバー部材304のレバー当接部303が、PG調整カム部301と当接・押圧するように設けられている。このとき、PG調整は、PG調整カム部301の弧部301aがレバー当接部303と当接する範囲内で、カム軸302を回動させて実行されるように構成されている。そして、用紙記録モードおよびCD−R記録モードの切り替えを行う際に、PG調整カム部301の弦部301bがレバー当接部303に対向するように、カム軸302を回動させて、後述する動力伝達切り替え装置400の切り替えを行うように構成されている。
レバー部材304のレバー当接部303が設けられた側に対して反対側は、基体部220に設けられたバーガイド431によって水平方向へ往復移動するスライドバー430の一端と回動自在に連結されている。一方、スライドバー430の他端は、ロックレバー410の一端と回動自在に連結されている。
前述したように、太陽ギア426は、排出用駆動ローラ20aの回動によって、回動するように設けられている。そして、太陽ギア426の回動によって、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424を保持した遊星ギアホルダ部420は、太陽ギア426の回動方向と同じ方向へ回動しようとするが、ロックレバー410によって、姿勢が規制されている。そして、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424のいずれもが、第1ギア211と離間した状態となる。従って、太陽ギア426の動力は、第1ギア211へ伝達されない。
ここで、遊星ギアホルダ部420は、遊星ギアホルダ部420と回動支点軸425との間に生じる摩擦抵抗によって、太陽ギア426と同じ方向へ回動するように構成してもよい。また、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424と、遊星ギアホルダ部420との間に生じる摩擦抵抗によって、太陽ギア426と同じ方向へ回動するように構成してもよい。
[用紙記録モードからCD−R記録モードへの切り替え]
図8に示す如く、カム軸302が時計方向へ回動して、弦部301bがレバー当接部303と対向すると、レバー部材304が時計方向へ回動する。そして、スライドバー430が図中左側へ移動する。さらに、スライドバー430の左側への移動に伴って、ロックレバー410が移動するので、遊星ギアホルダ部420は、ロックレバー410の規制から解除される。従って、遊星ギアホルダ部420には、太陽ギア426の回動方向へ回動する力が発生する。このとき、排出用駆動ローラ20aは、用紙Pを上流側へ移動させることができる逆転方向である図中反時計方向へ回動している。そして、太陽ギア426は、排出用駆動ローラ20aと同じ方向へ回動するように設けられている。従って、遊星ギアホルダ部420は、太陽ギア426の回動支点軸425を支点に反時計方向へ回動して、第2遊星ギア424が第1ギア211と当接する。即ち、太陽ギア426の動力が、第2遊星ギア424を介して第1ギア211へ伝達される。このとき、第2遊星ギア424は時計方向へ回動しながら第1ギア211と当接するので、第1ギア211は反時計方向へ回動する。
排出スタッカ昇降装置200の動力伝達手段210は、第1ギア211、第1ギア211と外接する第2ギア212、第2ギア212と外接する第3ギア213、第3ギア213と一体に設けられた第4ギア214、第4ギア214と外接する第5ギア215、第5ギア215と外接する第6ギア216、第6ギア216と一体に設けられた第7ギア217、第7ギア217と外接する第8ギア218、第8ギア218と一体に設けられたピニオン219、およびピニオン219の動力を受けるラック227を備えている。
尚、第5ギア215、第6ギア216、第7ギア217、第8ギア218、ピニオン219およびラック227は、搬送方向(Y)に対して幅方向、即ち、主走査方向左右両側に一対設けられている。そして、左右一対の第5ギア215は、動力伝達シャフト270によって同期回転するように設けられている。従って、それぞれ一対に設けられた第6ギア216、第7ギア217、第8ギア218、ピニオン219およびラック227は同期回転することができる。左右両側において同期回転するので、以下の説明では、片側のみについて説明するとして他方の説明は省略する。
第1ギア211が反時計方向へ回動すると、動力が第2ギア212へ伝達され第2ギア212は時計方向へ回動する。そして、第2ギア212の動力が第3ギア213へ伝達され、第3ギア213は反時計方向へ回動する。第4ギア214は、第3ギア213と一体に設けられているので、第3ギア213と一体に反時計方向へ回動する。第4ギア214の動力が第5ギア215へ伝達され、第5ギア215は時計方向へ回動する。第5ギア215の動力が第6ギア216へ伝達され、第6ギア216は反時計方向へ回動する。第7ギア217は、第6ギア216と一体に設けられているので、第6ギア216と一体に反時計方向へ回動する。第7ギア217の動力が第8ギア218へ伝達され、第8ギア218は時計方向へ回動する。ピニオン219は第8ギア218と一体に設けられているので、第8ギア218と一体に時計方向へ回動する。
ピニオン219が時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ側に設けられたラック227を介して、ピニオン219は、第1排出スタッカ500を第1の位置から第2の位置へ移動させるように設けられている。そして、第1排出スタッカ500が第2の位置まで移動し終わると、弧部301aとレバー当接部303とが当接する範囲まで、カム軸302が反時計方向へ回動して、レバー部材304を図7に示す状態まで反時計方向へ回動させる。このとき、カム軸302は、PGがCD−R記録モードになるように回動する。
[CD−R記録モードから用紙記録モードへの切り替え]
一方、CD−R記録モードから用紙記録モードへ切り替える際、図7に示す状態からカム軸302が時計方向へ回動して、レバー部材304を図9に示す位置まで時計方向へ回動させる。そして、前述したように、遊星ギアホルダ部420をロックレバー410の規制から解除する。
このとき、図9に示す如く、排出用駆動ローラ20aは、用紙Pを下流側へ移動させることができる正転方向である図中時計方向へ回動している。従って、前述したように太陽ギア426も排出用駆動ローラ20aと同じ方向である時計方向へ回動する。そして、前述したように太陽ギア426は、遊星ギアホルダ部420を時計方向へ回動させる。
遊星ギアホルダ部420が時計方向へ回動して、第1遊星ギア423が、第1ギア211と外接する。従って、太陽ギア426の動力が第1遊星ギア423を介して第1ギア211へ伝達される。このとき、太陽ギア426は時計方向へ回動するので、第1遊星ギア423は反時計方向へ回動し、第1ギア211は時計方向へ回動する。第1ギア211の回動に伴って、動力伝達方向上流側から下流側へ向かって、第2ギア212は反時計方向、第3ギア213および第4ギア214は時計方向、第5ギア215は反時計方向、第6ギア216および第7ギア217は時計方向、第8ギア218およびピニオン219は反時計方向へ回動する。
ピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ側に設けられたラック227を介して、ピニオン219は、第1排出スタッカ500を後述する第2の位置から第1の位置へ移動させるように設けられている。そして、第1排出スタッカ500が第1の位置まで移動し終わると、弧部301aとレバー当接部303とが当接する範囲まで、カム軸302が反時計方向へ回動して、レバー部材304を図7に示す状態まで反時計方向へ回動させる。このとき、カム軸302は、PGが用紙記録モードになるように回動する。
[第1排出スタッカの第1の位置から第2の位置への移動]
続いて、第1排出スタッカ500の第1の位置から第2の位置への移動について説明する。
ここで、第1の位置とは、用紙記録モードにおいて、記録されて排出用駆動ローラ20aによって排出された用紙Pを受け止めることができる位置であって、用紙Pを載置するため、排出用駆動ローラ20aより下方の位置をいう。
一方、第2の位置とは、CD−R記録モードにおいて、記録前のCD−Rを保持したCD−RトレイQを排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503からなる排出用ローラ対へ案内し、かつ、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503からなる排出用ローラ対によって排出された記録後のCD−Rを保持したCD−RトレイQを受け止めることができる位置であって、第1排出スタッカ500のCD−Rトレイ案内面523が、排出用駆動ローラ20aの上端と略同じ高さとなる位置をいう。
図10〜図24に示すのは、本発明に係る排出スタッカ昇降装置の第1排出スタッカの移動を示す側面図である。このうち、図10は第1排出スタッカの第1の位置であり、図11〜図23は第1の位置から第2の位置への移動中であり、図24は第2の位置である。
図10に示す如く、排出スタッカ昇降装置200は、第1の位置と第2の位置との間を移動する第1排出スタッカ500、第1排出スタッカ500の搬送方向下流側に配設された第2排出スタッカ600、基体部側に設けられた排出用駆動ローラ20a、排出用駆動ローラ20aと協働して用紙Pを排出方向へ排出する第1排出用従動ローラ20b,20b,……を備えた排出フレーム部800、排出フレーム部800と第1排出スタッカ500とを連結する連結アーム部700、および排出用駆動ローラ20aの動力を第1排出スタッカ500へ伝達する動力伝達手段210を備えている。
基体部220の搬送方向向かって右側、即ち、主走査方向80桁側には、第1排出スタッカ500の移動を案内する第1溝部221が設けられている。また、基体部220の主走査方向両側には、排出フレーム部800の移動を案内する一対の第3溝部224,224および第4溝部225,225が設けられている。またさらに、基体部220の主走査方向1桁側の上方には、移動中の第1排出スタッカ500の姿勢を規制する姿勢規制部228が設けられている。
第1排出スタッカ500は、第1の位置において上面に排出された用紙Pが載置される第1載置部510と、第1載置部内部であって第2の位置において記録前にCD−RトレイQを排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503からなる排出用ローラ対へ案内し、記録後にCD−RトレイQを受け止めるCD−Rトレイ案内開口部522と、基体部220の第1溝部221に係合・案内される第1突部501と、第1載置部510より搬送方向上流側に設けられ、図示しないばねによって付勢されながら揺動軸502を支点に揺動し、排出用駆動ローラ20aと協働してCD−RトレイQを搬送方向(Y)へ移動する第2排出用従動ローラ503,503と、基体部220の姿勢規制部228と当接する当接面520および当接突部521とを備えている。
また、第1排出スタッカ500は、主走査方向両側に一対のスライダ案内溝部540,540と、スライダ案内溝部540,540に案内されスライダ案内溝部内を摺動する一対のスライダ部550,550と、スライダ部550,550を第1排出スタッカ500に対して搬送方向上流側へ付勢する付勢手段としての一対の第2のばね922,922とを備えている。第2のばね922,922の一端は、スライダ部550,550に設けられたスライダ側ばね係合部551,551と係合し、他端は、第1排出スタッカ500に設けられた排出スタッカ側ばね係合部541と係合している。さらに、一対のスライダ部550,550には、連結アーム部700と係合する一対の第2溝部223,223が設けられている。
またさらに、第1排出スタッカ500は、主走査方向両側に一対設けられた第5溝部226,226を備えている。そして、一対の第5溝部226,226の一面にはラック227,227が設けられ、前述した一対のピニオン219,219と噛み合うように構成されている。
また、第1排出スタッカ500は、基体部220に設けられたポジション検出器230と所謂ホームポジションである第1の位置において当接する第1センサ当接部543と、第2の位置において当接する第2センサ当接部544とを備えている。ポジション検出器230は、突起231の位置によりON(上側の位置)−OFF(中立位置)−ON(下側の位置)状態に切り替わるように設けられている。従って、第1の位置では、第1センサ当接部543がポジション検出器230と当接し突起231を下側へ押し下げているのでON状態となる。
第2排出スタッカ600は、カバー軸601を支点に回動し、第1の位置の第1排出スタッカ500と協働して排出された用紙Pを載置する第2載置部610を備えている。第2排出スタッカ600は、記録を実行しない状態では、カバー軸601を支点に回動し載置開口部260を閉じるように設けられている。言い換えると、第2排出スタッカ600は、カバーケースを兼ねるように設けられている。第2排出スタッカ600が開いた状態では、基体部220に設けられたカバー規制部250によって、第2排出スタッカ600の姿勢が規制されるように構成されている。
排出フレーム部800は、基体部220の一対の第3溝部224,224に係合・案内される一対の第3突部801,801と、基体部220の一対の第4溝部225,225に係合・案内される一対の第4突部802,802と、図示しないばねに付勢されながら基体部側の排出用駆動ローラ20aと外接する第1排出用従動ローラ20b,20b,……とを備えている。また、排出フレーム部800は、付勢手段としての第1のばね921によって、常に搬送方向上流側の位置である第1排出スタッカ500が第1の位置のときに排出フレーム部800がとる位置へ付勢されている。第1のばね921の一端は、排出フレーム部800に設けられた排出フレーム側ばね係合部803と係合し、他端は、基体部220に設けられた基体側ばね係合部232と係合している。
連結アーム部700は、一端に第1排出スタッカ500の一対の第2溝部223,223に係合・案内される一対の第2突部701,701を備え、他端は排出フレーム部800における搬送方向下流側に設けられた第3突部801と回動自在に連結するように設けられている。
第1の位置では、第1排出スタッカ500の搬送方向下流端の位置が、第2排出スタッカ600の搬送方向上流端の位置より、高くなるように設けられている。従って、用紙記録モードにおいて、排出用ローラ20から排出された用紙Pの先端部が、第1排出スタッカ500の第1載置部510と第2排出スタッカ600の第2載置部610との段差に引っ掛かる虞がない。
また、第1の位置において、第2のばね922,922は、第1排出スタッカ500においてスライダ部550,550を搬送方向上流側へ付勢している。このとき、第2のばね922,922の付勢力は、連結アーム部700の第2突部701,701がスライダ部550,550の第2溝部223,223の下流側と度当たっているので、連結アーム部700へ作用する。即ち、第2のばね922,922の付勢力は、連結アーム部700を介して排出フレーム部800へ作用する。従って、排出フレーム部800は、第3溝部224,224の上流側と第3突部801,801との度当たり、および第4溝部225,225の上流側と第4突部802,802との度当たりによって、精度良く位置決められる。
一方、第1のばね921の付勢力は、排出フレーム部800に対して殆ど作用していない。
尚、第1排出スタッカ500が第1の位置から第2の位置へ移動する際の第1モータ901の駆動量は、第2の位置へ到達したときに度当たってモータ負荷が増加することにより停止、または、第1排出スタッカ500に設けられた第1センサ当接部543がポジション検出器230から離間してから所定のステップ数で停止するように制御されている。一方、第1排出スタッカ500が第2の位置から第1の位置へ移動する際の第1モータ901の駆動量は、第1の位置へ到達したときに度当たってモータ負荷が増加することにより停止、または、第1排出スタッカ500に設けられた第2センサ当接部544がポジション検出器230から離間してから所定のステップ数で停止するように制御されている。
また、以下の説明において、主走査方向に一対設けられた第2のばね、スライダ部、第2突部、第3突部、第4突部、スライダ案内溝部、第2溝部、第3溝部および第4溝部については、左右同じ形状であり同期するので、片側のみについて説明するとして、他方側の説明は省略する。
図11に示す如く、図10に示す状態からピニオン219が時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500のラック227に動力が伝達される。このとき、ピニオン219の位置は基体部側に固定されているので、ピニオン219は、ラック227が設けられた第5溝部226を下方へ進むようにして、第1排出スタッカ500を上方へ移動させようとする。即ち、第1排出スタッカ500には、上方へ移動しようとする力が作用する。そして、第1排出スタッカ500は、搬送方向上流側の第1突部501を支点に、搬送方向下流端が上昇するように傾く。
このとき、スライダ部550は、連結アーム部700の第2突部701に規制されて、第2のばね922の付勢力に抗してスライダ案内溝部内を搬送方向下流側へ徐々に移動する。
図12に示す如く、図11に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、ピニオン219は、ラック227を介して、さらに第1排出スタッカ500を上方へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、第1突部501を支点に、搬送方向下流端がさらに上昇するように傾く。そして、第1排出スタッカ500の搬送方向下流端の下端が、第2排出スタッカ600の搬送方向上流端の上端より高い位置となる。
このとき、スライダ部550は、連結アーム部700の第2突部701に規制されて、第2のばね922の付勢力に抗してスライダ案内溝部内を搬送方向下流側へさらに移動する。そして、スライダ部550は、スライダ案内溝部540の下流端と当接しない位置で停止する。このとき、第2のばね922が最大限に伸びた状態となるので、第2のばね922の付勢力は最大値となる。即ち、排出フレーム部800が、連結アーム部700を介して、第2のばね922の作用を最も強く受けている状態である。
また、第1排出スタッカ500の下流端が上昇すると、第1センサ当接部543がポジション検出器230から離間しOFF状態となり、第1モータ901のステップ数のカウントが開始される。
図13に示す如く、図12に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、ピニオン219は、第5溝部226に沿って搬送方向上流側へ移動しようとする。即ち、ピニオン219は、ラック227を介して、第1排出スタッカ500を搬送方向下流側へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、第1突部501と第1溝部221との係合によって案内されると共に、ピニオン219とラック227との係合によって案内されながら、搬送方向下流側へ移動する。このとき、第1排出スタッカ500の傾き、即ち、姿勢は、第1突部501と第1溝部221との係合、およびピニオン219とラック227との係合によって規制されるので、下流端が上昇した姿勢のままである。従って、第1排出スタッカ500は、第1排出スタッカ500の搬送方向下流端の位置が第2排出スタッカ600の上流端の上方となるように、搬送方向下流側へ移動することができる。
このとき、スライダ部550は、第2のばね922の付勢力を伴って、スライダ案内溝部内を搬送方向上流側へ移動する。即ち、第2のばね922の付勢力は、第1排出スタッカ500の搬送方向下流側への移動を補助している。従って、第1モータ901の負荷を低減することができる。特に、第1排出スタッカ500を上昇させる際に有効である。
図14に示す如く、図13に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、ピニオン219は、ラック227を介して、さらに第1排出スタッカ500を搬送方向下流側へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、第1突部501と第1溝部221との係合によって案内されると共に、ピニオン219とラック227との係合によって案内されながら、さらに搬送方向下流側へ移動する。
このとき、スライダ部550は、第2のばね922の付勢力を伴って、スライダ案内溝部内を搬送方向上流側へさらに移動する。そして、第2のばね922は徐々に縮むので、第2のばね922の付勢力も徐々に減少する。即ち、排出フレーム部800が、連結アーム部700を介して受ける第2のばね922の作用が徐々に減少する。
図15に示す如く、図14に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、ピニオン219は、ラック227を介して、さらに第1排出スタッカ500を搬送方向下流側へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、第1突部501と第1溝部221との係合によって案内されると共に、ピニオン219とラック227との係合によって案内されながら、さらに搬送方向下流側へ移動する。
このとき、スライダ部550は、第2のばね922の付勢力を伴って、スライダ案内溝部内を搬送方向上流側へさらに移動し、スライダ案内溝部540の上流端540aと当接する。その後、第1排出スタッカ500の搬送方向下流側への移動に伴って、連結アーム部700の第2突部701は、スライダ部550の第2溝部223の下流端から離間し、第2溝部223を上流側へ徐々に移動する。従って、排出フレーム部800は、第2のばね922の影響を全く受けない状態となる。
図16に示す如く、図15に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、ピニオン219は、ラック227を介して、さらに第1排出スタッカ500を搬送方向下流側へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、第1突部501と第1溝部221との係合によって案内されると共に、ピニオン219とラック227との係合によって案内されながら、さらに搬送方向下流側へ移動する。このとき、連結アーム部700の第2突部701は、第1排出スタッカ500の第2溝部223を搬送方向上流側へ移動して、第2溝部223の上流端と度当たる。
図17に示す如く、図16に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、さらに搬送方向下流側へ移動する。このとき、連結アーム部700の第2突部701が、第1排出スタッカ500の第2溝部223の搬送方向上流端と度当たっているので、第1排出スタッカ500は、連結アーム部700を介して、前述した第1のばね921の付勢力に抗して排出フレーム部800を搬送方向下流側へ移動させる。
このとき、排出フレーム部800は、第3突部801と第3溝部224との係合、および第4突部802と第4溝部225との係合によって案内され搬送方向下流側、かつ、上方へ移動する。そして、排出フレーム部800の移動に伴って、排出フレーム部800に設けられた第1排出用従動ローラ20b,20b,……は、排出用駆動ローラ20aから離間する。
尚、排出フレーム部800の移動に伴って、排出用補助従動ローラ22,22,……(図3参照)も第1排出用従動ローラ20b,20b,……と同じ方向へ移動するように構成されている。
さらに、第1のばね921の付勢力によって、連結アーム部700の第2突部701が第1排出スタッカ500の第2溝部223の上流端を上流側へ引っ張るように力が作用する。従って、第1排出スタッカ500には、ラック227におけるピニオン219と噛み合っている箇所を支点として反時計方向へ回動しようとする力が発生する。そして、該反時計方向へ回動しようとする力によって、該支点を基準に第2突部701と反対側に位置する第1突部501が、第1溝部221の下側面に押圧される。従って、移動中において、第1排出スタッカ500の姿勢を、より一層安定させることができる。
図18に示す如く、図17に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、さらに搬送方向下流側へ移動する。そして、第1排出スタッカ500が搬送方向下流側へ移動すると共に、第1排出スタッカ500は、第1のばね921の付勢力に抗して、連結アーム部700を介して排出フレーム部800を、さらに搬送方向下流側へ移動させる。
図19に示す如く、図18に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、ピニオン219は、第5溝部226に沿って下方へ移動しようとする。即ち、ピニオン219は、ラック227を介して、第1排出スタッカ500を上方へ移動させようとする。このとき、第1のばね921の付勢力によって、第1排出スタッカ500には、ラック227におけるピニオン219と噛み合っている箇所を支点として反時計方向へ回動しようとする力が発生している。従って、ピニオン219が時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、第1突部501を支点に第1排出スタッカ500の下流端がさらに上昇するように傾く。そして、第1排出スタッカ500の搬送方向下流側の上方に設けられた当接面520が、基体部220の姿勢規制部228と当接する。
当接面520が姿勢規制部228と当接した状態では、第1のばね921の付勢力が作用する箇所である第2突部701と第2溝部223とが当接する箇所が、ラック227におけるピニオン219と噛み合っている箇所と、当接面520における姿勢規制部228と当接している箇所との間に位置する。従って、第1のばね921の付勢力によって、第1排出スタッカ500がラック227におけるピニオン219と噛み合っている箇所を支点として反時計方向へ回動するのを、姿勢規制部228が、当接面520と当接することによって規制することができる。
さらにピニオン219が時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500の搬送方向下流側が姿勢規制部228によって上方への移動が規制されるので、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に上流側を上方へ持ち上げるように移動する。このとき、当接面520が姿勢規制部228と当接すると同時に、第1排出スタッカ500がラック227におけるピニオン219と噛み合っている箇所を支点として反時計方向へ回動することが規制されるので、第1突部501が第1溝部221の下側面に押圧される状態から解放される。従って、ピニオン219が時計方向へ回動すると共に、第1突部501は、第1溝部221に沿って上方へ移動する。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、さらに搬送方向下流側へ移動する。
図20に示す如く、図19に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、ピニオン219は、ラック227を介して、さらに第1排出スタッカ500を上方へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に、搬送方向上流端がさらに上昇するように移動する。即ち、第1排出スタッカ500のCD−Rトレイ案内面523の搬送方向(Y)に対する傾きが、小さくなるように移動する。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、さらに搬送方向下流側へ移動する。
図21に示す如く、図20に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に、搬送方向上流端がさらに上昇するように移動する。このとき、基体部220の姿勢規制部228は、第1排出スタッカ500の当接面520に設けられた当接突部521と当接する。当接突部521は、第1排出スタッカ500を移動させて第1排出スタッカ500のCD−Rトレイ案内面523の姿勢を搬送方向(Y)に対して平行にする際、常に、姿勢規制部228と第1排出スタッカ500とが接触することができるように設けられている。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、さらに搬送方向下流側へ移動する。
図22に示す如く、図21に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に、搬送方向上流端がさらに上昇するように移動する。このとき、第1排出スタッカ500の搬送方向上流側に設けられた第2排出用従動ローラ503,503は、基体部側の排出用駆動ローラ20aの搬送方向下流側近傍の位置まで移動する。
その後、第1排出スタッカ500に設けられた第2センサ当接部544は、ポジション検出器230の突起231と当接する。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、さらに搬送方向下流側へ移動する。
図23に示す如く、図22に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に、搬送方向上流端がさらに上昇するように移動する。このとき、第1排出スタッカ500の搬送方向上流側に設けられた第2排出用従動ローラ503,503は、基体部側の排出用駆動ローラ20aより高い位置であって、第2排出用従動ローラ503,503の下部が排出用駆動ローラ20aの上部と略同じ高さとなる位置まで移動する。
このとき、第2センサ当接部544は、ポジション検出器230の突起231を下方から上方へ押し上げてON状態にする。
また、第1排出スタッカ500には、第2の位置における第1排出スタッカ500の位置を決める二股状の位置規制手段560が設けられている。位置規制手段560は、第1排出スタッカ500に固定された位置規制基部562と、回動可能に設けられ、図示しない付勢手段によって二股が閉じる方向へ付勢された位置規制レバー561とを備えている。そして、図23に示す如く、位置規制レバー561が排出用駆動ローラ20aの軸と当接し、位置規制レバー561は、付勢力に抗して二股が開く方向へ回動する。このときの第1排出スタッカ500の傾き、即ち、姿勢は、第1排出スタッカ500のCD−Rトレイ案内面523が搬送方向(Y)に対して平行となるような姿勢である。
ここで、「平行」とは、CD−RトレイQを記録部110へ案内することおよび記録されたCD−RトレイQを受け止めることができる程度に、主走査方向Xおよび搬送方向(Y)に対して、略平行であることをいう。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、第1のばね921の付勢力を受けて、搬送方向上流側へ移動する。
図24に示す如く、図23に示す状態からさらにピニオン219が時計方向へ回動すると、ピニオン219は、第5溝部226に沿って搬送方向下流側へ移動しようとする。即ち、ピニオン219は、ラック227を介して、第1のばね921の付勢力と協働して、第1排出スタッカ500を搬送方向上流側へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、第1突部501と第1溝部221との係合によって案内されながら、搬送方向上流側へ移動する。即ち、第1排出スタッカ500の姿勢は、第1突部501と第1溝部221との係合、およびピニオン219とラック227との係合によって規制されている。従って、CD−Rトレイ案内面523が搬送方向(Y)に対して平行となる姿勢のまま、搬送方向上流側へ平行移動する。
そして、排出用駆動ローラ20aの軸は、位置規制手段560の位置規制基部562と位置規制レバー561とに挟持される。即ち、第1排出スタッカ500の位置および姿勢は、位置規制基部562と排出用駆動ローラ20aの軸との当接により、精度良く決められる。
また、第2センサ当接部544は、ポジション検出器230の突起231の下側と当接した状態のまま、突起231の回動支点側へ接近する。従って、突起231を確実に上方へ押し上げてON状態にすることができる。
またさらに、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、第1のばね921の付勢力を受けて、さらに搬送方向上流側へ移動する。
ここで、第1排出スタッカ500の姿勢は既に得たい姿勢を得ているので、第1排出スタッカ500の当接突部521は、基体部220の姿勢規制部228から離間する。即ち、第1排出スタッカ500が平行移動する際は、姿勢規制部228が第1排出スタッカ500に対して何ら作用しないように設けられている。従って、姿勢規制部228との間に摩擦抵抗が生じることにより、第1排出スタッカ500の姿勢が不安定になる虞がない。
また、第1のばね921の付勢力によって、第1排出スタッカ500がラック227におけるピニオン219と噛み合っている箇所を支点として、第1排出スタッカ500が反時計方向へ回動する力が作用するが、第1排出スタッカ500の第1突部501が基体部220の第1溝部221の下部に押圧されているので、第1排出スタッカ500は、姿勢を精度良く保持することができる。
そして、第1排出スタッカ500の第2排出用従動ローラ503,503の下部が、基体部側の排出用駆動ローラ20aの上部と当接する位置で、第1排出スタッカ500が基体部の一部と度当たり、第1モータ901がピニオン219の駆動を停止する。図24に示す第1排出スタッカ500の停止位置が、CD−R記録モード時に第1排出スタッカ500がとる第2の位置である。このとき、第2排出用従動ローラ503,503は、図示しないばねの付勢力によって排出用駆動ローラ側へ揺動するように付勢されている。従って、CD−R記録モードにおいて、第2排出用従動ローラ503,503は、排出用駆動ローラ20aと協働してCD−RトレイQを挟持し、搬送方向上流および下流へCD−RトレイQを移動させることができる。
また、第1モータ901は、ポジション検出器230がON状態のとき、低速で駆動し、OFF状態のとき、高速で駆動するように制御されている。即ち、第1の位置および第2の位置近傍では低速駆動し、途中区間では高速駆動するように構成されている。従って、第1排出スタッカ500が第1の位置から第2の位置へ到達したときは、低速で駆動するので、第1排出スタッカ500の停止位置を精度良く決めることができる。
以上より、排出スタッカ昇降装置200は、第2排出スタッカ600と当接することなく、先に第1排出スタッカ500の下流側を、排出スタッカ昇降装置200の上方、かつ、下流側へ引き出すように移動させ、次に第1排出スタッカ500の上流側を、排出スタッカ昇降装置200の上方へ引き上げるように移動させることができる。即ち、排出スタッカ昇降装置200は、第1の位置から第2の位置へ移動する際、第1排出スタッカ500の第1載置部510および第2排出スタッカ600の第2載置部610の上方の空間が、例えば、バーガイド431等によって制限を受ける場合であっても、第1排出スタッカ500を移動させることができる。
[第1排出スタッカの第2の位置から第1の位置への移動]
CD−R記録モードから用紙記録モードへ切り替えると、前述したように図7に示す動力伝達切り替え装置400によって動力伝達が切断された状態から、図9に示す動力伝達が接続された状態となる。このとき、排出用駆動ローラ20aが正転駆動、即ち、太陽ギア426が時計方向へ回動する。そして、太陽ギア426の動力が、動力伝達手段210によってピニオン219まで伝達される。従って、ピニオン219は反時計方向へ回動する。
図24に示す状態からピニオン219が反時計方向へ回動すると、ピニオン219は、第5溝部226に沿って搬送方向上流側へ移動しようとする。即ち、ピニオン219は、ラック227を介して、第1のばね921の付勢力に抗して、第1排出スタッカ500を搬送方向下流側へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、第1突部501と第1溝部221との係合によって案内されると共に、ピニオン219とラック227との係合によって案内されながら、搬送方向下流側へ移動する。このとき、第1排出スタッカ500は、CD−Rトレイ案内面523が搬送方向(Y)に対して平行となる姿勢のまま、搬送方向下流側へ平行移動する。従って、排出用駆動ローラ20aの軸は、位置規制手段560の位置規制基部562と位置規制レバー561との挟持から開放される。即ち、第1排出スタッカ500は、位置規制手段560による姿勢および位置の規制から解除される。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は搬送方向下流側へ移動する。
図23に示す如く、図24に示す状態からピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、第1のばね921の付勢力に抗して、搬送方向下流側へ移動する。このとき、第1排出スタッカ500の第2排出用従動ローラ503,503は、基体部側の排出用駆動ローラ20aから離間する。また、第1排出スタッカ500の当接突部521が、離間していた基体部220の姿勢規制部228と当接する。そして、第1排出スタッカ500の第1突部501が、第1溝部221に形状によって第1溝部221の下面から離間する。従って、第1のばね921の付勢力によって、第1排出スタッカ500がラック227におけるピニオン219と噛み合っている箇所を支点として、第1排出スタッカ500が反時計方向へ回動する力が作用する。このとき、第1排出スタッカ500の姿勢は、姿勢規制部228が当接突部521と当接することによって、規制されている。また、位置規制手段560の位置規制レバー561は、排出用駆動ローラ20aの軸に規制されながら、二股が閉じる方向へ回動する。
図22に示す如く、図23に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に、搬送方向上流端が下降するように移動する。このとき、第1排出スタッカ500の搬送方向上流側に設けられた第2排出用従動ローラ503,503は、基体部側の排出用駆動ローラ20aの搬送方向下流側近傍の位置まで移動する。
このとき、第2センサ当接部544は、ポジション検出器230の突起231の下側から離間した状態である。従って、突起231は、中立状態に戻ることができ、ポジション検出器230はOFF状態となる。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は搬送方向上流側へ移動する。
図21に示す如く、図22に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に、搬送方向上流端がさらに下降するように移動する。このとき、第1排出スタッカ500の第2排出用従動ローラ503,503の位置は、基体部側の排出用駆動ローラ20aの位置より低くなる。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、さらに搬送方向上流側へ移動する。
図20に示す如く、図21に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に、搬送方向上流端がさらに下降するように移動する。このとき、基体部220の姿勢規制部228は、第1排出スタッカ500の当接突部521から離間し当接面520と当接することによって、第1排出スタッカ500の姿勢を規制している。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、さらに搬送方向上流側へ移動する。
図19に示す如く、図20に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に、搬送方向上流端がさらに下降するように移動する。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、さらに搬送方向上流側へ移動する。
図18に示す如く、図19に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向下流側を支点に、搬送方向上流端がさらに下降するように移動する。このとき、第1排出スタッカ500の搬送方向上流側の第1突部501が、基体部220の第1溝部221の下面と度当たる。そして、ピニオン219の回動に伴って、第1のばね921の付勢力による第1排出スタッカ500が反時計方向へ回動する力に抗して、第1排出スタッカ500は、第1突部501と第1溝部221との当接した箇所を支点に、時計方向へ回動して第1排出スタッカ500の搬送方向下流側が下降するように移動する。従って、第1排出スタッカ500の当接面520は、基体部220の姿勢規制部228から離間する。このとき、第1排出スタッカ500の姿勢は、前述した第1排出スタッカ500が反時計方向へ回動しようとする力により、第1突部501が、基体部220の第1溝部221の下面と度当たることで規制されている。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、さらに搬送方向上流側へ移動する。
図17に示す如く、図18に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、ピニオン219は、第5溝部226に沿って搬送方向下流側へ移動しようとする。即ち、ピニオン219は、ラック227を介して、第1のばね921の付勢力と協働して、第1排出スタッカ500を搬送方向上流側へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、第1突部501と第1溝部221との係合によって案内されると共に、ピニオン219とラック227との係合によって案内されながら、搬送方向上流側へ移動する。このとき、第1排出スタッカ500の姿勢は、第1突部501と第1溝部221との係合、およびピニオン219とラック227との係合によって規制されている。即ち、第1排出スタッカ500は、搬送方向上流側が下がり、下流側が上がっている姿勢のまま、上流側へ平行移動する。
また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800は、第3突部801と第3溝部224との係合、および第4突部802と第4溝部225との係合によって案内され搬送方向上流側、かつ、下方へ移動する。
図16に示す如く、図17に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、第1突部501と第1溝部221との係合、およびピニオン219とラック227との係合によって案内されながら、搬送方向上流側が下がり、下流側が上がっている姿勢のまま、上流側へ平行移動する。また、第1排出スタッカ500の移動に伴って、排出フレーム部800が移動し、排出フレーム部800の第1排出用従動ローラ20b,20b,……の下部が、基体部側の排出用駆動ローラ20aの上部と当接する。このとき、排出フレーム部800の第3突部801および第4突部802が、それぞれ基体部220の第3溝部224および第4溝部225の搬送方向上流端に度当たり、排出フレーム部800が停止する。
また、排出フレーム部800の位置は、第1排出スタッカ500の第1の位置のときに排出フレーム部800がとる位置であるので、第1のばね921の付勢力は、排出フレーム部800に対して作用していない。従って、第1のばね921の付勢力は、第1排出スタッカ500に対しても作用しない。
図15に示す如く、図16に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向上流側へ平行移動する。このとき、連結アーム部700の第2突部701は、第1排出スタッカ500の第2溝部223の搬送方向上流端から離間して下流側へ移動する。
ここで、第1排出スタッカ500は、第1排出スタッカ500の搬送方向下流端が、第2排出スタッカ600の上流端より上流側に位置するまで、搬送方向上流側への平行移動するように設けられている。
図14に示す如く、図15に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、搬送方向上流側へ平行移動する。このとき、連結アーム部700の第2突部701は、第1排出スタッカ500の第2溝部223の搬送方向下流側へ移動し、第2溝部223の下流端と当接する。その後、第1排出スタッカ500が、さらに搬送方向上流側へ平行移動すると、スライダ部550は、第2突部701の規制を受ける。従って、スライダ部550は、第1排出スタッカ500に対して、スライダ案内溝部540の搬送方向の上流端540aから離間し、スライダ案内溝部540を搬送方向下流側へ徐々に移動する。
このとき、第2のばね922の長さが徐々に伸びるので、第2のばね922の付勢力が徐々に増加する。そして、増加した第2のばね922の付勢力が、連結アーム部700を介して排出フレーム部800に対して上流側へ向かって作用する。
図13に示す如く、図14に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、さらに搬送方向上流側へ平行移動する。
このとき、スライダ部550は第2突部701の規制を受けるので、スライダ部550は、第1排出スタッカ500に対して、スライダ案内溝部540を搬送方向下流側へさらに移動する。従って、排出フレーム部800に作用する第2のばね922の付勢力は、さらに増加する。
図12に示す如く、図13に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、ピニオン219は、第5溝部226に沿って上方へ移動しようとする。即ち、ピニオン219は、ラック227を介して、第1排出スタッカ500を下方へ移動させようとする。従って、第1排出スタッカ500は、第1突部501を支点に、搬送方向下流端が下降して上流端と下流端との高低差が小さくなるように、時計方向へ回動する。
このとき、スライダ部550は、スライダ案内溝部540の下流端に最も接近する。即ち、第2のばね922の伸びが最長となる。従って、排出フレーム部800に作用する第2のばね922の付勢力が最大値となる。その結果、第2の位置から第1の位置へ移動する際、排出フレーム部800がとるべき位置へ確実に移動させることができる。
図11に示す如く、図12に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、第1突部501を支点に、搬送方向下流端が下降して上流端と下流端との高低差がさらに小さくなるように、時計方向へ回動する。
このとき、スライダ部550は、スライダ案内溝部540の搬送方向上流側へ徐々に移動する。従って、排出フレーム部800に作用する第2のばね922の付勢力が、徐々に減少する。
また、第1センサ当接部543が、ポジション検出器230の突起231の上側と当接し、突起231を下方へ回動させる。従って、ポジション検出器230はON状態となる。
図10に示す如く、図11に示す状態からさらにピニオン219が反時計方向へ回動すると、第1排出スタッカ500は、第1突部501を支点に、搬送方向下流端が下降して上流端と下流端との高低差がさらに小さくなるように、時計方向へ回動する。このとき、第1排出スタッカ500が基体部220の一部と度当たることにより、第1モータ901の駆動を停止してピニオン219の回動を停止する。従って、第1排出スタッカ500は、第1の位置に精度良く位置決めされる。
また、第1センサ当接部543が、ポジション検出器230の突起231をさらに下方へ回動させ、確実にポジション検出器230をON状態にする。このとき、第1モータ901は、高速駆動から低速駆動に切り替えられるので、第1排出スタッカ500の停止位置を精度良く決めることができる。
以上より、排出スタッカ昇降装置200は、第2排出スタッカ600と当接することなく、先に第1排出スタッカ500の上流側を、排出スタッカ昇降装置200の下方、かつ、上流側へ押し込むように移動させ、次に第1排出スタッカ500の下流側を、排出スタッカ昇降装置200の下方へ押し込むように移動させることができる。即ち、排出スタッカ昇降装置200は、第2の位置から第1の位置へ移動する際、第1排出スタッカ500の第1載置部510および第2排出スタッカ600の第2載置部610の上方の空間が、例えば、バーガイド431等によって制限を受ける場合であっても、第1排出スタッカ500を移動させることができる。
また、第1排出スタッカ500が第2の位置から第1の位置へ移動する際、排出用駆動ローラ20aは正転駆動する。正転駆動とは、図10〜図24中、時計方向への回動をいう。従って、CD−RトレイQが排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503に挟持された状態、即ち、記録後に正常に排出されなかった場合であっても、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503が協働してCD−RトレイQを搬送方向下流側へ移動することができる。そして、CD−RトレイQが、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503にニップされていない状態となる。その結果、CD−RトレイQが排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503にニップされた状態で、第1排出スタッカ500が第1の位置へ移動することによって、CD−RトレイQが破損される虞がない。さらに、第1排出スタッカ500が第2の位置から第1の位置へ移動する際、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503が、CD−RトレイQを巻き込む虞がない。ユーザが、CD−RトレイQを、第1排出スタッカ500のCD−Rトレイ案内開口部内に放置してしまった場合に有効である。
さらに、排出用スタッカ50全体でなく、第1排出スタッカ500のみを移動させるので、排出用スタッカ50全体を移動させた場合と比較して、移動させる部材の重量が軽い。従って、その分だけ動力源を小型化することができる。
[第2排出スタッカの開閉について]
図25〜図27に示すのは、本発明に係る第2排出スタッカの開閉を示す側面図である。このうち、図25は第2排出スタッカが閉まっている状態であり、図26は開く途中の状態であり、図27は開いた状態である。
図25に示す如く、電源がオフ状態では、第1排出スタッカ500は、第1の位置に位置するように設けられ、第2排出スタッカ600は、載置開口部260を閉じた状態である。第2排出スタッカ600は、ばね力を伴うロックレバー(図示せず)によって、閉じた状態を保持することができるように構成されている。そして、電源をオンに切り替えてCD−R記録モードが選択されると、前述したように第1排出スタッカ500が、第1の位置から第2の位置へ移動する。
図26に示す如く、第1排出スタッカ500が第1の位置から第2の位置へ移動する際、第1排出スタッカ500は、上方へ移動した後に搬送方向下流側へ移動する。このとき、第1排出スタッカ500の搬送方向下流端が、第2排出スタッカ600のカバー軸601より先端側の第2載置部610と当接・押圧する。従って、第2排出スタッカ600は、カバー軸601を支点に図中時計方向へ回動する。
図27に示す如く、第2排出スタッカ600が、第1排出スタッカ500に押されてある程度時計方向へ回動すると、第2排出スタッカ600は、自重および自重に抗する図示しないダンパによってゆっくり回動し続ける。そして、第2排出スタッカ600は、基体部220のカバー規制部250と当接して停止する。即ち、CD−R記録モードが選択されると、第2排出スタッカ600は、閉まった状態であっても自動的に開いた状態となる。
以上より、CD−R記録モードが選択された場合、ユーザは、CD−RトレイQを第1排出スタッカ500のCD−Rトレイ案内開口部522にセットするために、閉まった状態の第2排出スタッカ600を手動で開ける必要がない。
尚、ユーザが、手動で第2排出スタッカを開閉することができるのは勿論である。
[CD−R記録モード]
図28に示すのは、本発明に係る第1排出スタッカの第2の位置を示す概略側面図である。また、図28は図6に示す状態の概略側面図でもある。
図28に示す如く、第1排出スタッカ500が第2の位置にあるとき、CD−RトレイQを、CD−Rトレイ案内開口部522からCD−Rトレイ案内面523に沿って挿入する。そして、図6に示すセット位置にセットすると、図28に示すように、CD−RトレイQの搬送方向上流端が、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503によって挟持された状態となる。
このとき、第1排出スタッカ500の位置および姿勢は、位置規制手段560によって精度良く決められている。従って、CD−RトレイQは、確実に排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503によって挟持される。
その後、排出用駆動ローラ20aの逆転駆動によって、搬送方向上流側へ送られる。そして、CD−RトレイQに取り付けられたCD−Rの搬送方向下流端が、記録ヘッド13と対向する位置、所謂、記録開始ポジションで停止する。その後、排出用駆動ローラ20aを正転駆動させて、CD−RトレイQを搬送方向下流側へ移動させながら記録ヘッド13を主走査方向Xへ走査させCD−Rのラベルに対して記録を実行する。そして、記録が終了すると、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503が協働して、CD−RトレイQを搬送方向下流側へ排出する。
このとき、CD−RトレイQの搬送方向上流端が、排出用駆動ローラ20aおよび第2排出用従動ローラ503,503のニップから外れるので、CD−RトレイQは、図6に示す如くCD−Rトレイ案内開口部522からCD−RトレイQの一部が突出した位置よりもさらに突出した位置で停止する。
尚、CD−Rトレイに換えて用紙を第1排出スタッカのCD−Rトレイ案内開口部に所謂、手差しセットしてもよいのは勿論である。
[第1排出スタッカの制御について]
図29に示すのは、本発明に係る第1排出スタッカの制御を示すチャート図である。また、図30に示すのは、本発明に係る第1排出スタッカ自動動作処理を示すチャート図である。またさらに、図31に示すのは、本発明に係るミスマッチ判定方法を示すチャート図である。図32および図33に示すのは、本発明に係る第1排出スタッカリトライ動作を示すチャート図である。このうち図32は第2の位置側から第1の位置側への移動を示すチャート図である。一方、図33に示すのは第1の位置側から第2の位置側への移動を示すチャート図である。また、図34に示すのは、動力伝達装置の伝達を切断する際の共通動作を示すチャート図である。またさらに、図35および図36に示すのは、本発明に係る第1排出スタッカの移動を示すチャート図である。このうち図35は第1の位置から第2の位置への移動であり、一方、図36は第2の位置から第1の位置への移動である。
尚、図29に示すステップ(以下、単にS)105の詳細が図30に示す内容である。また、図30に示すS201の詳細が図31に示す内容であり、同様にS203の詳細が図35、S205の詳細が図36である。またさらに、図31に示すS302の詳細が図32および図33である。また、図32、図33、図35および図36に示すAの詳細が図34である。
[ユーザオペレート処理]
先ず、ユーザのオペレート処理から説明する。
図29に示す如く、S101では、事前処理を実行する。具体的には、制御部900への入力情報に基づいて所定の条件を満たす場合、キャリッジ10のロックを解除する。そして、次のステップへ進む。
S102では、CDRスイッチが操作されたか否かを判定する。具体的には、前面パネル6の操作ボタン8のうち第1排出スタッカ500を移動させる指示ボタンを、ユーザが操作したか否かを制御部900が判定する。前記操作があったと判定したとき、S105へ進む。一方、前記操作がなかったと判定したとき、S103へ進む。
S103では、インクカートリッジCが交換されたか否かを判定する。制御部900が、インクカートリッジCが交換されたと判定したとき、S106へ進む。一方、インクカートリッジCが交換されていないと判定したとき、S104へ進む。
S104では、マニュアルクリーニングを実行する指示があったか否かを判定する。
制御部900が、前記指示があったと判定したとき、S109へ進む。一方、前記指示がなかったと判定したとき、オペレート処理を終了する。
S105では、第1排出スタッカ自動動作処理を実行する。詳しくは図30で後述することとする。そして、実行後、オペレート処理を終了する。
S106では、給送状態か否かを判定する。具体的には、制御部900が、記録装置100が現在給送状態であるか否かを判定する。そして、給送状態であると判定したとき、S108へ進む。一方、給送状態でないと判定したとき、S107へ進む。
ここで、「給送状態」とは、給送処理が成功しているが排出処置が完了していない状態をいう。尚、記録処理の実行中をも含む状態である。
S107では、カートリッジ交換を実行する。具体的には、使用済みのインクカートリッジCを取り外し、新たなインクカートリッジCを記録装置100に装填する。そして、オペレート処理を終了する。
S108では、排出処理を実行する。具体的には、排出用駆動ローラ20aを駆動させて用紙等を排出する。そして、S107へ進む。
ここで、「排出処理」とは、データ排出ではない。また、両面記録の場合、排出処理内は次ページなし、DUP:裏面と定義する。本ルーチンをきっかけにDUPの場合、そのページの裏面までを読み捨ててインク交換が正常終了すれば、次ページの表面から記録する。
S109では、マニュアルクリーニング選択動作を実行する。具体的には、場面に応じて予め準備された所定の動作からユーザによって選択されたクリーニング動作を実行する。そして、オペレート処理を終了する。
[第1排出スタッカ自動動作処理]
続いて、第1排出スタッカ自動動作処理について説明する。
図30に示す如く、S201では、第1排出スタッカミスマッチ判定を実行する。簡単に説明すると、制御部900が、制御部900が第1排出スタッカフラグ(制御部内のメモリ(レジスタ))(以下、単にフラグ)によって認識している第1排出スタッカ500の位置と、ポジション検出器230によって検出された実際の第1排出スタッカ500の位置との整合がとれているか否かを判定する。より詳しくは、図31で後述することとする。そして、S202へ進む。
S202では、フラグの状態を判定する。具体的には、フラグが1であれば、第1排出スタッカUP、即ち、第1排出スタッカ500の位置は第2の位置と判定し、S205へ進む。一方、フラグが0であれば、第1排出スタッカHOME(DOWN)、即ち、第1排出スタッカ500の位置は第1の位置と判定し、S203へ進む。
S203では、第1排出スタッカUP動作を実行する。具体的には、制御部900が第1モータ901を駆動させ、第1排出スタッカ500を第1の位置から第2の位置へ移動させる。より詳しくは、図35で後述することとする。そして、S204へ進む。
S204では、制御部内のメモリとしての第1排出スタッカエラーカウンタをリセットする。具体的には、第1排出スタッカ500の動作(S203および後述するS205)が成功したら今までのエラーカウントをリセットする。そして、第1排出スタッカ自動動作処理を終了する。
S205では、第1排出スタッカDOWNを実行する。具体的には、制御部900が第1モータ901を駆動させ、第1排出スタッカ500を第2の位置から第1の位置へ移動させる。より詳しくは、図36で後述することとする。そして、S204へ進む。
[第1排出スタッカミスマッチ判定処理]
さらに続いて、第1排出スタッカミスマッチ判定処理について説明する。
図31に示す如く、S301では、第1排出スタッカ500を検出しているか否かを判定する。具体的には、ポジション検出器230の突起231が第1排出スタッカ500に設けられた第1センサ当接部543および第2センサ当接部544と当接することによって、ポジション検出器230がON(Hi)状態となり、該ON状態を制御部900が検出しているか否かを判定する。ON(Hi)状態であれば、第1排出スタッカ500は第1の位置または第2の位置である定位置に位置する。このとき、第1排出スタッカミスマッチ判定処理を終了する。一方、OFF(Lo)状態であれば、第1排出スタッカ500は第1の位置と第2の位置との間の途中位置に位置する。このとき、S302へ進む。
S302では、第1排出スタッカリトライ動作を実行する。具体的には、制御部900がフラグで判定し認識している第1排出スタッカ500の位置へ、第1排出スタッカ500を移動させることによって、制御部900がフラグを介して認識している第1排出スタッカ500の位置と、第1排出スタッカ500の実際の位置とを整合させる。より詳しくは、後述することとする。そして、第1排出スタッカミスマッチ判定処理を終了する。
[第1排出スタッカリトライ動作処理]
続いて、第1排出スタッカリトライ動作処理について説明する。
第1排出スタッカリトライ動作の目的は、第1排出スタッカ500の位置をフラグとポジション検出器230のマッチングから判定する。そして、ミスマッチ時は、正規の位置に第1排出スタッカ500を動作させて位置違いを修正することである。即ち、フラグ(制御部内のメモリ(レジスタ))とポジション検出器230とを整合させることである。
図32および図33に示す如く、S401では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=4(CDR)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を接続状態に切り替える。そして、S402へ進む。
S402では、フラグの状態を判定する。具体的には、制御部900が、フラグの状態でどの位置に第1排出スタッカ500が位置しているかを認識する。フラグが0であれば、第1排出スタッカDOWN(HOME)、即ち、第1排出スタッカ500は第1の位置に位置すべきと判断し、S403へ進む。一方、フラグが1であれば、第1排出スタッカUP、即ち、第1排出スタッカ500は第2の位置に位置すべきと判断し、S503(図33参照)へ進む。
S403では、N=0とする。即ち、ステップモータである第1モータ901のステップ数のカウンタをリセットする。そして、S404へ進む。
S404では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS11、64400stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS11、即ち、高速度で、64400ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S405へ進む。
ここで、64400stepは、第1排出スタッカ500が第1の位置から第2の位置まで移動するために必要なステップ数である。
また、モータの駆動速度は、数値が高いほど、高速度であるものとする。本実施形態では、PS11およびPS12が高速度、PS7が低速度である。
S405では、N=N+1を実行する。即ち、制御部900に設けられたカウンタによって、ステップのカウントを実行する。そして、S406へ進む。
S406では、N>64400stepか否かを判定する。即ち、制御部900が、カウントしたステップ数が所定のステップ数(64400step)超か否かを判定する。そして、64400step超であると判定したときは、S421へ進む。一方、64400step超でないと判定したときは、S407へ進む。
S407では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S431へ進む。一方、超えていないと判定したときは、S408へ進む。
ここで、所定の値を超えていると判定したときは、例えば、第1排出スタッカ500が、第1の位置および第2の位置である安定位置において、基体部側の部材と度当たったため、第1モータ901の負荷が所定の値を超えたと考えることができる。また、第1の位置と第2の位置との間の中間位置においては、何らかの障害物と度当たったと考えることができる。
S408では、ポジション検出器230が第1排出スタッカ500を検出しOFF(Lo)状態からON(Hi)状態に切り替わったか否かを判定する。そして、制御部900が、ポジション検出器230がON状態に切り替わっていないと判定したときは、S405へ戻る。一方、切り替わったと判定したときは、S409へ進む。
S409では、PF正転、PFモータCW、Speed:変化なし、5900stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度維持させたままで、5900ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S410へ進む。
S410では、PF負荷オーバーか否かを判定する。制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えていると判定したときは、S411へ進む。一方、超えていないと判定したときも、S411へ進む。
S411では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S412へ進む。
ここで、S410の負荷オーバーもしくはS409の規定ステップ数で第1モータ901が停止するように構成するのが望ましい。
S412では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS7、250stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、250ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、第1排出スタッカリトライ動作処理を終了する。
S421では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S422へ進む。
S422では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS7、250stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、250ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S423へ進む。
S423では、フラグ=0(HOME)にセットを実行する。具体的には、制御部900が、フラグの状態を「0」即ち、第1の位置(HOME)に書き換える。言い換えると、制御部900が、第1排出スタッカ500は第1の位置に位置していると認識する。そして、S424へ進む。
S424では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=1(−)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を切断状態に切り替えるとともに、PGを「−」即ち、厚みの薄い用紙を記録するPGモードに切り替える。そして、共通動作処理A(図34参照)へ進む。共通動作処理Aは、動力伝達切り替え装置400の遊星ギアホルダ部420の姿勢を規制するロック動作をより確実に実行するために、面圧解除を実行している。具体的な共通動作処理Aについては、詳しく後述することとする。そして、共通動作処理Aの後、S425へ進む。
S425では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、2500stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、2500ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S426へ進む。
S426では、キャリッジ10をロックする。第1排出スタッカ500を移動させているとき、第1モータ901の正転・逆転動作によってキャリッジ10をロックするキャリッジロックレバー(図示せず)が出たり入ったりするように設けられている。従って、第1排出スタッカ500の移動が完了したとき、キャリッジロックレバーの位置が不定となる。そこで、S425で一旦キャリッジ10のロックを解除するステップ数(2500step)動作させてキャリッジ10のロックを解除する。その後、本ステップS426でキャリッジ10をロックして、キャリッジロックレバーの位置を特定することができるようにする。これは、所謂、アイドリング時にはキャリッジ10をロックしておくのが基本動作のためである。そして、S427へ進む。
S427では、制御部900が、異常と判断し前面パネル6の液晶モニタ画面7にエラー表示をする。例えば、S406でカウンタが64400step超であると判定した後S427に進んだ場合は、何らかの原因により動力伝達切り替え装置400の動力伝達が正常に伝達状態でなかったこと等が考えられる。
S431では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S432へ進む。
S432では、ポジション検出器230が第1排出スタッカ500を検出しているON(Hi)状態であるか否かを判定する。即ち、第1排出スタッカ500が第1の位置および第2の位置である安定位置のいずれかに位置しているか、それとも、第1の位置と第2の位置との間の中間位置に位置しているかを判断する。そして、制御部900が、ポジション検出器230がON状態であると判定したときは、S433へ進む。一方、ON状態でないと判定したときは、S422へ進む。
S433では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS7、250stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、250ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、第1排出スタッカリトライ動作処理を終了する。
ここで、250stepは、第1排出スタッカ500が第1の位置で停止する際、基体部側の部材と度当たって停止し、停止した位置から所望の位置である本来の正確な第1の位置までのステップ数である。
図33に示す如く、S503では、N=0とする。即ち、ステップモータである第1モータ901のステップ数のカウンタをリセットする。そして、S504へ進む。
S504では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS11、64400stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS11、即ち、高速度で、64400ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S505へ進む。
S505では、N=N+1を実行する。即ち、制御部900に設けられたカウンタによって、ステップのカウントを実行する。そして、S506へ進む。
S506では、N>64400stepか否かを判定する。即ち、制御部900が、カウントしたステップ数が所定のステップ数(64400step)超か否かを判定する。そして、64400step超であると判定したときは、S521へ進む。一方、64400step超でないと判定したときは、S507へ進む。
S507では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S531へ進む。一方、超えていないと判定したときは、S508へ進む。
S508では、ポジション検出器230が第1排出スタッカ500を検出しOFF(Lo)状態からON(Hi)状態に切り替わったか否かを判定する。そして、制御部900が、ポジション検出器230がON状態に切り替わっていないと判定したときは、S505へ戻る。一方、切り替わったと判定したときは、S509へ進む。
S509では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:変化なし、5900stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度維持させたままで、5900ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S510へ進む。
S510では、PF負荷オーバーか否かを判定する。制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えていると判定したときは、S511へ進む。一方、超えていないと判定したときも、S511へ進む。
S511では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S512へ進む。
ここで、S510の負荷オーバーもしくはS509の規定ステップ数で第1モータ901が停止するように構成するのが望ましい。
S512では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、250stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、250ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、第1排出スタッカリトライ動作処理を終了する。
S521では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S522へ進む。
S522では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、250stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、250ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S523へ進む。
S523では、フラグ=0(HOME)にセットを実行する。具体的には、制御部900が、フラグの状態を「0」即ち、第1の位置(HOME)に書き換える。言い換えると、制御部900が、第1排出スタッカ500は第1の位置に位置していると認識する。そして、S524へ進む。
S524では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=1(−)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を切断状態に切り替えるとともに、PGを「−」即ち、厚みの薄い用紙を記録するPGモードに切り替える。そして、共通動作処理A(図34参照)へ進む。そして、共通動作処理Aの後、S525へ進む。
S525では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、2500stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、2500ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S526へ進む。
S526では、前述したS426と同様に、キャリッジ10をロックする。そして、S527へ進む。
S527では、前述したS427と同様に、制御部900が、異常と判断し前面パネル6の液晶モニタ画面7にエラー表示をする。
S531では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S532へ進む。
S532では、ポジション検出器230が第1排出スタッカ500を検出しているON(Hi)状態であるか否かを判定する。即ち、第1排出スタッカ500が第1の位置および第2の位置である安定位置のいずれかに位置しているか、それとも、第1の位置と第2の位置との間の中間位置に位置しているかを判断する。そして、制御部900が、ポジション検出器230がON状態であると判定したときは、S533へ進む。一方、ON状態でないと判定したときは、S522へ進む。
S533では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、900stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、900ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、第1排出スタッカリトライ動作処理を終了する。
ここで、900stepは、第1排出スタッカ500が第2の位置で停止する際、基体部側の部材と度当たって停止し、停止した位置から所望の位置である本来の正確な第2の位置までのステップ数である。
尚、本実施形態では、S409およびS509で速度変化なしとしたが、高速度から低速度へ切り替えてもよい。係る場合、第1排出スタッカ500が第1の位置および第2の位置である安定位置において度当たる際(S410およびS510)、衝突を和らげることができ、本来の第1の位置および第2の位置の位置精度を向上させることができる。
[共通動作処理A]
前述したように共通動作処理Aは、動力伝達切り替え装置400の遊星ギアホルダ部420の姿勢を規制するロック動作をより確実に実行するために、面圧解除を実行している。以下、詳しく説明する。
図34に示す如く、S601では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS12、1000stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS12、即ち、高速度で、1000ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S602へ進む。
S602では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S603へ進む。一方、超えていないと判定したときは、S606へ進む。
S603では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S604へ進む。
S604では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS12、1000stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS12、即ち、高速度で、1000ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S605へ進む。
S605では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S606へ進む。一方、超えていないと判定したときも、S606へ進む。
S606では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S607へ進む。
S607では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS12、1000stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS12、即ち、高速度で、1000ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S608へ進む。
S608では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S609へ進む。一方、超えていないと判定したときは、S612へ進む。
S609では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S610へ進む。
S610では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS12、1000stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS12、即ち、高速度で、1000ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S611へ進む。
S611では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S612へ進む。一方、超えていないと判定したときも、S612へ進む。
S612では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、共通動作処理Aを終了する。
[第1排出スタッカUP動作処理]
続いて、第1排出スタッカUP動作処理について説明する。
図35に示す如く、S701では、PG=4(CDR)か否かを判定する。具体的には、制御部900が、記録部ギャップ調整装置300の状態がPG=4、即ち、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態が接続状態か否かを判定する。PG=4であると判定したときは、S702へ進む。一方、PG=4ではないと判定したときは、S703へ進む。
S702では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=1(−)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を切断状態に切り替えるとともに、PGを「−」即ち、厚みの薄い用紙を記録するPGモードに切り替える。そして、S703へ進む。
S703では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS4、17008stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS4、即ち、超低速度で、17008ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S704へ進む。
ここで、第1モータ901を17008stepだけ駆動させるのは、排出用駆動ローラ20aを回動させて150mmの排出動作を実行するためである。
S704では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS4、8640stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS4、即ち、超低速度で、8640ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。この動作は、負荷検出のしきい値を決めるための所謂、メジャメントである。部材のバラツキを考慮すると、固定のしきい値では高めに設定しなければならない。しきい値を高くすると、仮にユーザの手を挟んだとき怪我を負わせる虞がある。従って、出来るだけしきい値を低く設定し、低い負荷で第1モータ901を停止させたい。そこで、前記メジャメントを実施する。そして、前記動作時の負荷の平均値を制御部900のメモリに保管する。そして、S705へ進む。
S705では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=4(CDR)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を接続状態に切り替える。このときのPGは、CD−R記録モードの状態のPGである。そして、S706へ進む。
S706では、N=0とする。即ち、ステップモータである第1モータ901のステップ数のカウンタをリセットする。そして、S707へ進む。
S707では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS11、64400stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS11、即ち、高速度で、64400ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S708へ進む。
S708では、N=N+1を実行する。即ち、制御部900に設けられたカウンタによって、ステップのカウントを実行する。そして、S709へ進む。
S709では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S721へ進む。一方、超えていないと判定したときは、S710へ進む。
ここで、所定の値を超えていると判定したときは、例えば、第1排出スタッカ500が、第1の位置および第2の位置である安定位置において、基体部側の部材と度当たったため、第1モータ901の負荷が所定の値を超えたと考えることができる。また、第1の位置と第2の位置との間の中間位置においては、何らかの障害物と度当たったと考えることができる。
S710では、ポジション検出器230が第1排出スタッカ500を検出しOFF(Lo)状態からON(Hi)状態に切り替わったか否かを判定する。そして、制御部900が、ポジション検出器230がON状態に切り替わっていないと判定したときは、S731へ進む。一方、切り替わったと判定したときは、S711へ進む。
S711では、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S712へ進む。
S712では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:変化なし、5900stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度維持させたままで、5900ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S713へ進む。
S713では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S714へ進む。一方、超えていないと判定したときは、S715へ進む。
S714では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S716へ進む。
S715では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S716へ進む。
S716では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、900stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、900ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S717へ進む。
ここで、第1モータ901を900stepだけ駆動させるのは、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424の面圧を解除するためである。
S717では、フラグ=1にセットを実行する。具体的には、制御部900が、フラグの状態を「1」即ち、第2の位置に書き換える。言い換えると、制御部900が、第1排出スタッカ500は第2の位置に位置していると認識する。そして、S718へ進む。
S718では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=1(−)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を切断状態に切り替えるとともに、PGを「−」即ち、厚みの薄い用紙を記録するPGモードに切り替える。そして、共通動作処理A(図34参照)へ進む。共通動作処理Aは、動力伝達切り替え装置400の遊星ギアホルダ部420の姿勢を規制するロック動作をより確実に実行するために、面圧解除を実行している。具体的な共通動作処理Aについては、前述した通りである。そして、共通動作処理Aの後、S719へ進む。
S719では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、2500stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、2500ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S720へ進む。
S720では、キャリッジ10をロックする。第1排出スタッカ500を移動させているとき、第1モータ901の正転・逆転動作によってキャリッジ10をロックするキャリッジロックレバー(図示せず)が出たり入ったりするように設けられている。従って、第1排出スタッカ500の移動が完了したとき、キャリッジロックレバーの位置が不定となる。そこで、S719で一旦キャリッジ10のロックを解除するステップ数(2500step)動作させてキャリッジ10のロックを解除する。その後、本ステップS426でキャリッジ10をロックして、キャリッジロックレバーの位置を特定することができるようにする。これは、所謂、アイドリング時にはキャリッジ10をロックしておくのが基本動作のためである。そして、第1排出スタッカUP動作処理を終了する。
S721では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S722へ進む。
S722では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、900stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、900ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S723へ進む。
ここで、第1モータ901を900stepだけ駆動させるのは、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424の面圧を解除するためである。
S723では、第1排出スタッカエラーカウンタ+1カウントを実行する。具体的には、制御部900が、第1排出スタッカエラーカウンタのカウントを1追加する。そして、S724へ進む。
S724では、前述した第1排出スタッカリトライ動作処理(図32および図33参照)を実行する。そして、S725へ進む。
S725では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=1(−)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を切断状態に切り替えるとともに、PGを「−」即ち、厚みの薄い用紙を記録するPGモードに切り替える。そして、前述した共通動作処理A(図34参照)へ進む。そして、共通動作処理Aの後、S726へ進む。
S726では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、2500stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、2500ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S727へ進む。
S727では、キャリッジ10をロックする(S720と同じ)。そして、S728へ進む。
S728では、第1排出スタッカエラーカウンタの値が3以上か否かを判定する。そして、3以上であると判定したときは、S729へ進む。一方、3未満であると判定したときは、S730へ進む。
S729では、制御部900が、異常と判断し前面パネル6の液晶モニタ画面7にエラー表示をする。このとき、数回繰り返したにも関わらず、いずれも正常に実行完了しなかったことから、第1排出スタッカ上または前方に障害物があるため、第1排出スタッカ500が移動することができないと考えられる。従って、その旨を表示する。
S730では、制御部900が、異常と判断し前面パネル6の液晶モニタ画面7にエラー表示をする。
S731では、N>64400stepか否かを判定する。即ち、制御部900が、カウントしたステップ数が所定のステップ数(64400step)超か否かを判定する。そして、64400step超であると判定したときは、S732へ進む。一方、64400step超でないと判定したときは、S708へ戻る。
ここで、64400stepは、第1排出スタッカ500が第1の位置から第2の位置まで移動するために必要なステップ数である。
S732では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S733へ進む。
S733では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、900stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、900ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S734へ進む。
ここで、第1モータ901を900stepだけ駆動させるのは、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424の面圧を解除するためである。
S734では、ポジション検出器230が第1排出スタッカ500を検出しているON(Hi)状態であるかOFF(Lo)状態であるかを判定する。即ち、第1排出スタッカ500が第1の位置および第2の位置である安定位置のいずれかに位置しているか、それとも、第1の位置と第2の位置との間の中間位置に位置しているかを判断する。そして、制御部900が、ポジション検出器230がON(Hi)状態であると判定したときは、S718へ進む。一方、OFF(Lo)状態でないと判定したときは、S735へ進む。
S735では、前述した第1排出スタッカリトライ動作処理(図32および図33参照)を実行する。そして、S736へ進む。
S736では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=1(−)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を切断状態に切り替えるとともに、PGを「−」即ち、厚みの薄い用紙を記録するPGモードに切り替える。そして、前述した共通動作処理A(図34参照)へ進む。そして、共通動作処理Aの後、S737へ進む。
S737では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、2500stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、2500ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S738へ進む。
S738では、キャリッジ10をロックする(S720と同じ)。そして、S739へ進む。
S739では、制御部900が、異常と判断し前面パネル6の液晶モニタ画面7にエラー表示をする。
尚、本実施形態では、S712で速度変化なしとしたが、高速度から低速度へ切り替えてもよい。係る場合、第1排出スタッカ500が第2の位置である安定位置において度当たる際(S713)、衝突を和らげることができ、本来の第2の位置の位置精度を向上させることができる。
[第1排出スタッカDOWN動作処理]
さらに続いて、第1排出スタッカDOWN動作処理について説明する。
図36に示す如く、S801では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS4、16000stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS4、即ち、超低速度で、16000ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S802へ進む。
ここで、第1モータ901を16000stepだけ駆動させるのは、白記録〜排出までの距離10386step(91.6mm)+スリップ20%+マージン30%≒16000step(141mm)としたためである。
S802では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=4(CDR)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を接続状態に切り替える。このときのPGは、CD−R記録モードの状態のPGである。そして、S803へ進む。
S803では、N=0とする。即ち、ステップモータである第1モータ901のステップ数のカウンタをリセットする。そして、S804へ進む。
S804では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS11、64400stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS11、即ち、高速度で、64400ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S805へ進む。
S805では、N=N+1を実行する。即ち、制御部900に設けられたカウンタによって、ステップのカウントを実行する。そして、S806へ進む。
S806では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S821へ進む。一方、超えていないと判定したときは、S807へ進む。
ここで、所定の値を超えていると判定したときは、例えば、第1排出スタッカ500が、第1の位置および第2の位置である安定位置において、基体部側の部材と度当たったため、第1モータ901の負荷が所定の値を超えたと考えることができる。また、第1の位置と第2の位置との間の中間位置においては、何らかの障害物と度当たったと考えることができる。
S807では、ポジション検出器230が第1排出スタッカ500を検出しOFF(Lo)状態からON(Hi)状態に切り替わったか否かを判定する。そして、制御部900が、ポジション検出器230がON状態に切り替わっていないと判定したときは、S831へ進む。一方、切り替わったと判定したときは、S808へ進む。
S808では、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S809へ進む。
S809では、PF正転、PFモータCW、Speed:変化なし、5900stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度維持させたままで、5900ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S810へ進む。
S810では、PF負荷オーバーか否かを判定する。具体的には、制御部900が、第1モータ901の負荷が所定の値を超えているか否かを判定する。超えていると判定したときは、S811へ進む。一方、超えていないと判定したときは、S812へ進む。
S811では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S813へ進む。
S812では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S813へ進む。
S813では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS7、250stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、900ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S814へ進む。
ここで、第1モータ901を250stepだけ駆動させるのは、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424の面圧を解除するためである。
S814では、フラグ=0にセットを実行する。具体的には、制御部900が、フラグの状態を「0」即ち、第1の位置に書き換える。言い換えると、制御部900が、第1排出スタッカ500は第1の位置に位置していると認識する。そして、S815へ進む。
S815では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=1(−)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を切断状態に切り替えるとともに、PGを「−」即ち、厚みの薄い用紙を記録するPGモードに切り替える。そして、共通動作処理A(図34参照)へ進む。そして、共通動作処理Aの後、S816へ進む。
S816では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、2500stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、2500ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S817へ進む。
S817では、キャリッジ10をロックする(S720と同じ)。そして、第1排出スタッカDOWN動作処理を終了する。
S821では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S822へ進む。
S822では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS7、250stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、250ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S823へ進む。
ここで、第1モータ901を250stepだけ駆動させるのは、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424の面圧を解除するためである。
S823では、第1排出スタッカエラーカウンタ+1カウントを実行する。具体的には、制御部900が、第1排出スタッカエラーカウンタのカウントを1追加する。そして、S824へ進む。
S824では、前述した第1排出スタッカリトライ動作処理(図32および図33参照)を実行する。即ち、第1排出スタッカ500を第2の位置へ戻す。そして、S825へ進む。
尚、このS824には、前述したS724と同様に所謂ホームリターン動作処理が含まれるものとする。
S825では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=1(−)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を切断状態に切り替えるとともに、PGを「−」即ち、厚みの薄い用紙を記録するPGモードに切り替える。そして、前述した共通動作処理A(図34参照)へ進む。そして、共通動作処理Aの後、S826へ進む。
S826では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、2500stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、2500ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S827へ進む。
S827では、キャリッジ10をロックする(S720と同じ)。そして、S828へ進む。
S828では、第1排出スタッカエラーカウンタの値が3以上か否かを判定する。そして、3以上であると判定したときは、S829へ進む。一方、3未満であると判定したときは、S830へ進む。
S829では、制御部900が、異常と判断し前面パネル6の液晶モニタ画面7にエラー表示をする。このとき、数回繰り返したにも関わらず、いずれも正常に実行完了しなかったことから、第1排出スタッカ上または前方に障害物があるため、第1排出スタッカ500が移動することができないと考えられる。従って、その旨を表示する。
S830では、制御部900が、異常と判断し前面パネル6の液晶モニタ画面7にエラー表示をする。
S831では、N>64400stepか否かを判定する。即ち、制御部900が、カウントしたステップ数が所定のステップ数(64400step)超か否かを判定する。そして、64400step超であると判定したときは、S832へ進む。一方、64400step超でないと判定したときは、S805へ戻る。
ここで、64400stepは、第1排出スタッカ500が第1の位置から第2の位置まで移動するために必要なステップ数である。
S832では、PF停止、wait=50msec、PFカウンタリセットを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を50ミリ秒だけ停止させ、第1モータ901のステップ数をカウントしたカウンタをリセットする。そして、S833へ進む。
S833では、PF逆転、PFモータCCW、Speed:PS7、250stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、250ステップだけ逆転駆動させるように指示を送る。そして、S834へ進む。
ここで、第1モータ901を250stepだけ駆動させるのは、第1遊星ギア423および第2遊星ギア424の面圧を解除するためである。
S834では、ポジション検出器230が第1排出スタッカ500を検出しているON(Hi)状態であるかOFF(Lo)状態であるかを判定する。即ち、第1排出スタッカ500が第1の位置および第2の位置である安定位置のいずれかに位置しているか、それとも、第1の位置と第2の位置との間の中間位置に位置しているかを判断する。そして、制御部900が、ポジション検出器230がON(Hi)状態であると判定したときは、S815へ進む。一方、OFF(Lo)状態でないと判定したときは、S835へ進む。
S835では、前述した第1排出スタッカリトライ動作処理(図32および図33参照)を実行する。そして、S836へ進む。
S836では、APG切り替え、Speed:ES2、PG=1(−)を実行する。具体的には、第2モータ902を速度ES2で駆動させて記録部ギャップ調整装置300のPG調整カム部301を回動させ、動力伝達切り替え装置400の動力伝達状態を切断状態に切り替えるとともに、PGを「−」即ち、厚みの薄い用紙を記録するPGモードに切り替える。そして、前述した共通動作処理A(図34参照)へ進む。そして、共通動作処理Aの後、S837へ進む。
S837では、PF正転、PFモータCW、Speed:PS7、2500stepを実行する。具体的には、制御部900が、第1モータ901を速度PS7、即ち、低速度で、2500ステップだけ正転駆動させるように指示を送る。そして、S838へ進む。
S838では、キャリッジ10をロックする(S720と同じ)。そして、S839へ進む。
S839では、制御部900が、異常と判断し前面パネル6の液晶モニタ画面7にエラー表示をする。
尚、本実施形態では、S809で速度変化なしとしたが、高速度から低速度へ切り替えてもよい。係る場合、第1排出スタッカ500が第1の位置である安定位置において度当たる際(S810)、衝突を和らげることができ、本来の第1の位置の位置精度を向上させることができる。
本実施形態の媒体ガイド昇降装置としての排出スタッカ昇降装置200は、記録部110に設けられた記録ヘッド13からインクを吐出して被記録媒体である第1の媒体としての用紙Pおよび第2の媒体としてのCD−Rを保持したCD−RトレイQへ記録する記録装置100において第1の位置および第2の位置へ、モータとしての第1モータ901の正転駆動および逆転駆動の動力によって移動する媒体ガイド部としての第1排出スタッカ500を備えた排出スタッカ昇降装置200であって、第1排出スタッカ500の位置を検出する位置検出手段940を備え、位置検出手段940は、ONおよびOFFに切り替え可能な一つの検出器としてのポジション検出器230と、ポジション検出器230のONおよびOFFの状態を検出することができ、かつ、第1モータ901の駆動を制御することができる制御部900と、前記第1の位置において、ポジション検出器230と係合しONに切り替える第1係合部としての第1センサ当接部543と、前記第2の位置において、ポジション検出器230と係合しONに切り替える第2係合部としての第2センサ当接部544と、を備え、制御部900は、ポジション検出器230がOFFからONへ切り替えられたことを検出し(S710,S807)、検出したときの第1モータ901の回転方向を判定(S707,S712,S804,S809)して第1排出スタッカ500の位置を判定(S717,S814)するように構成されていることを特徴とする。
また、本実施形態の排出スタッカ昇降装置200において、第1排出スタッカ500は、前記第1の位置および前記第2の位置において、排出スタッカ昇降装置200の基体部側と度当たるように設けられ、位置検出手段940の制御部900は、前記検出すること、および第1モータ901の回転方向を判定することに加え、第1モータ901の負荷変動により第1排出スタッカ500が度当たったことを検出(S713,S810)して第1排出スタッカ500の位置を判定するように構成されていることを特徴とする。
またさらに、本実施形態の排出スタッカ昇降装置200において、第1排出スタッカ500の前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動において、ポジション検出器230がOFFの状態のとき、第1モータ901は高速で駆動し、ポジション検出器230がONの状態のとき、第1モータ901は前記OFFの状態のときよりも低速で駆動するように構成されていることを特徴とする。
また、本実施形態の排出スタッカ昇降装置200において、位置検出手段940の制御部900が認識している第1排出スタッカ500の位置と、第1排出スタッカ500の実際の位置との差がある場合、該差を訂正する現在位置訂正手段950を備えていることを特徴とする。
またさらに、本実施形態の排出スタッカ昇降装置200において、制御部900が第1排出スタッカ500の位置を前記第1の位置または前記第2の位置と認識している場合であって、ポジション検出器230がOFFの状態のとき、現在位置訂正手段950は、第1排出スタッカ500を、制御部900が認識している位置側へ移動させる(S302,S401〜S527)ように構成されていることを特徴とする。
また、本実施形態の排出スタッカ昇降装置200において、制御部900が第1排出スタッカ500の位置を前記第1の位置または前記第2の位置と認識し、かつ、ポジション検出器230がONの状態の場合であって、第1排出スタッカ500を移動させる指示があったとき、現在位置訂正手段950は、第1排出スタッカ500を移動させる指示(S102)によって第1モータ901が駆動し、ポジション検出器230がONの状態まま第1排出スタッカ500が度当たることにより、第1モータ901の負荷変動を検出(S709,S806)し、第1モータ901を逆方向へ駆動させる(S722,S822)ことによって、第1排出スタッカ500を、制御部900が認識している位置側へ移動させるように構成されていることを特徴とする。
本実施形態の記録装置100は、記録ヘッド13により被記録媒体としての用紙PおよびCD−RトレイQに記録を実行する記録部110と、記録部110から用紙PおよびCD−RトレイQを搬送方向下流側へ排出する排出部120と、を備えた記録装置100であって、排出部120は、上記排出スタッカ昇降装置200を備えていることを特徴とする。
本実施形態の媒体ガイド部としての第1排出スタッカの位置検出方法は、記録部110に設けられた記録ヘッド13からインクを吐出して用紙Pおよび前記CD−RトレイQへ記録する記録装置100において第1の位置および第2の位置へ、第1モータ901の正転駆動および逆転駆動の動力によって移動する第1排出スタッカ500と、ONおよびOFFに切り替え可能な一つのポジション検出器230と、ポジション検出器230のONおよびOFFの状態を検出することができ、かつ、第1モータ901の駆動を制御することができる制御部900と、前記第1の位置において、ポジション検出器230と係合しONに切り替える第1センサ当接部543と、前記第2の位置において、ポジション検出器230と係合しONに切り替える第2センサ当接部544と、を備えた排出スタッカ昇降装置200における第1排出スタッカ500の位置検出方法であって、制御部900が、ポジション検出器230がOFFからONへ切り替えられたことを検出する第1検出工程(S710,S807)と、制御部900が、検出したときの第1モータ901の回転方向を判定する回転方向判定工程(S707,S712,S804,S809)と、制御部900が、第1検出工程および回転方向判定工程の結果より、第1排出スタッカ500の位置を判定する位置判定工程(S717,S814)と、を具備していることを特徴とする。
また、本実施形態において、第1排出スタッカ500は、前記第1の位置および前記第2の位置において、排出スタッカ昇降装置200の基体部側と度当たるように設けられ、第1排出スタッカ500の位置検出方法は、第1検出工程(S710,S807)の後に、制御部900が、第1モータ901の負荷変動により第1排出スタッカ500が度当たったことを検出する第2検出工程(S713,S810)を具備し、位置判定工程は、第1検出工程、回転方向判定工程および第2検出工程の結果より、第1排出スタッカ500の位置を判定する(S717,S814)ように構成されていることを特徴とする。
またさらに、本実施形態の第1排出スタッカの位置検出方法は、制御部900が第1排出スタッカ500の位置を前記第1の位置または前記第2の位置と認識している場合であって、ポジション検出器230がOFFの状態のとき、第1排出スタッカ500を、制御部900が認識している位置側へ移動させる第1訂正移動工程(S302,S401〜SS527)を具備していることを特徴とする。
また、本実施形態の第1排出スタッカの位置検出方法は、制御部900が第1排出スタッカ500の位置を前記第1の位置または前記第2の位置と認識し、かつ、ポジション検出器230がONの状態の場合であって、第1排出スタッカ500を移動させる指示があったとき、制御部900が、第1排出スタッカ500を移動させる指示(S102)によって第1モータ901を駆動させ、ポジション検出器230がONの状態まま第1排出スタッカ500が度当たることにより、第1モータ901の負荷変動を検出する第3検出工程(S709,S806)と、第3検出工程の後に、制御部900が、第1モータ901を逆方向へ駆動させることによって、第1排出スタッカ500を、制御部900が認識している位置側へ移動させる第2訂正移動工程(S724,S824)と、を具備していることを特徴とする。
尚、本実施形態において、ポジション検出器を排出スタッカ昇降装置の基体部側に設け、第1センサ当接部および第2センサ当接部を第1排出スタッカ側に設けたが、逆の構成であってもよいのは勿論である。
また、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
2…自動給送装置、3…プリンタ本体(記録装置本体)、100…インクジェットプリンタ(記録装置)、120…排出部、200…排出スタッカ昇降装置、210…動力伝達手段、220…基体部、221…第1溝部、221a…案内面、221b…当接箇所、223…第2溝部、224…第3溝部、225…第4溝部、226…第5溝部、227…ラック、228…姿勢規制部、230…ポジション検出器、231…(ポジション検出器の)突起、232…基体側ばね係合部、250…カバー規制部、260…載置開口部、270…動力伝達シャフト、300…記録部ギャップ調整装置、301…PG調整カム部、301a…弧部、301b…弦部、302…カム軸、303…レバー当接部、304…レバー部材、305…レバー軸、400…動力伝達切り替え装置、410…ロックレバー、420…遊星ギアホルダ部、423…第1遊星ギア、424…第2遊星ギア、425…回動支点軸(太陽ギアの)、426…太陽ギア、430…スライドバー、431…バーガイド、500…第1排出スタッカ、501…第1突部、502…揺動軸、503…第2排出用従動ローラ、510…第1載置部、520…当接面、521…当接突部、522…CD−Rトレイ案内開口部、523…CD−Rトレイ案内面、540…スライダ案内溝部、540a…スライダ案内溝部の上流端、541…排出スタッカ側ばね係合部、543…第1センサ当接部、544…第2センサ当接部、550…スライダ部、551…スライダ側ばね係合部、560…位置規制手段、561…位置規制レバー、562…位置規制基部、700…連結アーム部、701…第2突部、800…排出フレーム部、801…第3突部、802…第4突部、803…排出フレーム側ばね係合部、900…制御部、901…第1モータ、902…第2モータ、921…第1のばね、922…第2のばね、940…位置検出手段、P…用紙(被記録材)、Q…CD−Rトレイ。