JP4474818B2 - 電気光学パネル、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

電気光学パネル、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置などの電気光学装置および電子機器に関し、特に電気光学装置の小型化にあたって表示領域外の領域を極力狭くした電気光学パネルの構成に関する。
【0002】
【背景技術】
近年、ノートパソコン、携帯電話機、腕時計などの携帯用電子機器において、各種の情報を表示する手段として、電気光学パネルの一種である液晶表示パネルが広く使用されている。特に携帯用電子機器などでは、筐体内部の限られた空間内に液晶表示パネルを収容し、しかも表示しうる情報量を多くしたいという要求から、表示領域を極力広く、表示領域外の部分(以下、本明細書では「非表示領域」又は「額縁」などとも呼ぶ。)を狭くする構成が望まれている。
【0003】
この種の液晶表示装置、特にパッシブマトリクス(単純マトリクス)型と呼ばれる液晶表示装置では、2枚の基板間に液晶が封入され、各基板の対向面に互いに直交するストライプ状の電極が形成されている。この液晶表示装置では、2枚の基板上の電極が互いに交差する部分が画素となり、液晶を各画素毎に外部から駆動する方式が採用されている。対向配置した電極を用いて液晶を駆動するためには、例えば各基板上の非表示領域を互いに対向する基板の外側に張り出させ、各駆動用ICの端子と各電極とを引き廻し配線を用いて電気的に接続する構成が採用されていた。
【0004】
しかしながら、この構成では、駆動用ICを実装する領域が各基板毎に必要となるため、額縁が大きくなってしまうという問題があった。また、液晶表示パネルの左側、右側のいずれか一方、また上側、下側のいずれか一方が片側に大きく張り出した形状、すなわち非対称の形状となるため、例えば携帯用電子機器の筐体内に収容する場合に、筐体の外枠部分を大きくしなければ収容できない、もしくは筐体の外枠部分が非対称となり、液晶表示部を電子機器の中央に配置できないという不具合があった。
【0005】
そこで、液晶表示パネルの狭額縁化、額縁の対称化、駆動用ICの使用数の削減などを目的として、特に携帯電話機用などの画素数がそれほど多くない小型のパネルの場合には、2枚の基板上の全ての電極を一方の基板上の非表示領域に設けた多数の引き廻し配線に導通させ、これら引き廻し配線に接続した1個の駆動用ICで液晶を駆動する方式が提案された。
【0006】
上記のように1個の駆動用ICで液晶表示パネルを駆動する場合、駆動用ICが実装された下側基板上に形成された多数のストライプ状の電極(「セグメント電極」と呼ばれる。)は、多数の引き廻し配線を通じて駆動用ICの各端子と接続される。一方、上側基板の仮面には、セグメント電極と直交する方向に多数のストライプ状の電極(「コモン電極」と呼ばれる。)が形成されている。コモン電極の一端には引き廻し配線が接続され、その引き廻し配線はシール材の外側まで引き出された後、上側基板の左右の端部に沿って延在し、上側基板の一辺の両端部に集められる。
【0007】
コモン電極に接続された引き廻し配線が集められた位置には、例えば異方性導電膜、導電ペースト、導電性粒子などを含む導電材料からなる上下導通部が設けられる。上下導通部は、コモン電極に接続された引き廻し配線を、下側基板上の駆動ICの端子に接続された引き廻し配線に接続する。こうして、上側基板のコモン電極および下側基板のセグメント電極は全て下側基板上の駆動用ICの端子に接続され、この駆動用ICから全てのセグメント電極及びコモン電極に対して画像信号及び操作信号が供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような液晶表示装置においては、上側基板のコモン電極の引き廻し配線および上下導通部をシール材の外側に配置する必要があるので、シール材の外側に引き廻し配線を配置するためのある程度の領域が必要となる。上述したように、近年の液晶表示装置においては表示容量がますます増加する傾向にあるが、表示容量(画素数)が増加するほど、この引き廻し配線の本数が増えて引き廻し配線の形成領域が広くなり、このことが、狭額縁化の障害となってしまう。
【0009】
また、表示容量を増やしても引き廻し配線の形成領域が広くならないようにするには、引き廻し配線のピッチを小さくすることが考えられる。しかし、その場合、引き廻し配線抵抗が増大してしまうので、表示品質に悪影響を与える恐れがある。例えば、100本の引き廻し配線を50μmピッチで形成する場合、5mm程度の引き廻し配線形成領域が必要になる。従来の配線材料においては、この場合の引き廻し抵抗は数kΩ〜MΩオーダーにまで達し、信号波形なまりなどの問題が生じる場合がある。
【0010】
さらに、下側基板のコモン電極用引き廻し配線がシール材の外側に配置されており、外気に触れることになるので、外気中の水分の影響などにより引き廻し配線の腐食が生じる恐れもあった。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、引き廻し配線間の短絡や信頼性の低下などの問題を生じることなく、狭額縁化により表示領域の拡大及び装置の小型化を実現することが可能な電気光学パネル及びその製造方法、電気光学装置並びにこれを用いた電子機器を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学パネルは、複数の第1電極を有する第1の基板と、複数の第2電極を有し、前記第1の基板と対向配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に挟持されて、電気光学物質を封入する空間を規定する環状のシール材と、を備え、前記シール材は、外側に位置する導通性シール部と、前記導通性シール部の内側に位置する非導通性シール部と、前記導通性シール部と前記非導通性シール部とが所定幅にわたって重なって構成されたオーバーラップ部と、を備え、前記第1の基板及び前記第2の基板は矩形形状を有し、前記第1の基板は前記矩形形状の一辺の方向において前記第2の基板よりも張り出した張出領域を有し、
前記第1基板上には、前記第1基板の張出領域を有する辺と交差する辺における前記導通性シール部において前記第2電極と接続された第2電極用配線を備え、前記張出領域を有する辺と交差する辺において、前記導通性シール部の内側を導通性シール部に沿って延びた前記複数の第2電極用配線の一部は、前記非導通性シール部に配置され、オーバーラップ部には配置されていない
【0013】
上記の電気光学パネルによれば、第1の基板と第2の基板が対向配置され、その間にシール材が挟持されている。2つの基板とシール材とにより形成される空間内には、電気光学物質が封入される。シール材は、その外側に位置する導通性シール部と、導電性シール部の内側に位置する非導通性シール部とを有する。また、導通性シール部と非導通性シール部とが所定幅にわたって重なることにより、両者の間にオーバーラップ部が形成されている。このように、オーバーラップ部を形成するように導通性シール部と非導通性シール部とを配置するので、その間に隙間ができることがなくなる。よって、隙間内に気泡が発生したり、隙間内に侵入した湿気や液体により腐食、電食などが生じることが防止でき、電気光学物質の封止の信頼性低下を防止することができる。
【0014】
上記の電気光学パネルの一態様では、前記導通性シール部は、前記第2電極と、前記第1の基板上に配置された第2電極用配線とを導通させる。
【0015】
この態様によれば、第2の基板上の第2電極と、第1の基板上に配置された第2電極用配線とを導通させる。よって、導通性シール部を含むシール材により電気光学物質の封止を行うとともに、導通性シール部により2つの基板間のいわゆる上下導通を得ることができる。また、本発明の電気光学パネルは、複数の第1電極を有する第1の基板と、複数の第2電極を有し、前記第1の基板と対向配置された第2の基板と、前記第1の基板上に配置され、前記第2電極の導通部に導通される第2電極用配線と、前記第1の基板と前記第2の基板の間に挟持されて、電気光学物質を封入する空間を規定する環状のシール材と、を備え、前記シール材は、外側に位置する導通性シール部と、前記導通性シール部の内側に位置する非導通性シール部と、前記導通性シール部と前記非導通性シール部とが所定幅にわたって重なって構成されたオーバーラップ部と、を有し、前記導通性シール部は、前記導通部と前記第2電極用配線とを導通させ、前記オーバーラップ部が前記導通部に重なるように、前記導通性シール部に重なる領域にまで前記非導通性シール部が延在していることを特徴とする。この態様により、導通シール材の領域を非導通シール材の領域内へ拡張してオーバーラップ部を形成する必要がないので、非導通シール材の領域内に導通可能な部分が拡大することもなく、引き廻し配線を短絡させることがない。換言すれば、非導通シール材の領域を導通シール材の領域へ拡大しても、導通シール材の領域はもともと導通するように構成されているので、引き廻し配線の短絡という問題が生じない。
【0016】
上記の電気光学パネルの他の一態様では、前記第2電極用配線の一部は、前記非導通性シール部の下に延在する。
【0017】
この態様によれば、第2電極用配線の一部を非導通性シール材の下に配置するので、その分額縁を狭くして表示領域を広くすることができる。非導通性シール材は導電性を有しないので、第2電極用配線が短絡する恐れはない。
【0018】
上記の電気光学パネルのさらに他の一態様では、前記第2電極用配線は前記非導通性シール部の下を通過して前記張出領域上の駆動用半導体素子配置位置まで延在している。
【0019】
この態様によれば、第1の基板及び第2の基板はともに矩形形状であり、その一辺においては第1の基板の方が広い張出領域を有する。張出領域は、電気光学パネルを駆動するための回路や駆動用半導体素子を配置するための領域である。第2電極用配線は非導通性シール部の下側を通って駆動用半導体素子配置位置まで延びているので、第2電極用配線を使用して駆動用半導体素子から第2基板へ駆動信号が供給される。
【0020】
上記の電気光学パネルのさらに他の一態様では、前記第1の基板は、前記複数の第1電極と、前記駆動用半導体素子配置位置とを電気的に接続する第1電極用配線とを有する。
【0021】
この態様によれば、第1電極用配線により駆動用半導体素子と第1電極とが電気的に接続されるので、駆動用半導体素子から第1電極へ駆動信号が供給される。
【0022】
上記の電気光学パネルのさらに他の一態様では、前記環状のシール材は矩形形状を有し、前記矩形形状の対向する2組の辺のうち1組の辺は前記非導通シール部、前記導通性シール部及び前記オーバーラップ部を有し、前記四角形の対向する2組の辺のうち他の1組の辺は非導通性シール部のみを有する。
【0023】
この態様によれば、環状のシール材は矩形形状を有し、電気光学物質を封入する空間を四方から規定する。シール材の対向する2組の辺のうち1組は非導通性シール部、導通性シール部及びオーバーラップ部を有するので、電気光学物質の封止に加えて2つの基板の上下導通の役割も果たす。また、シール材の対向する2組の辺のうちの他の1組は非導通シール部のみを有するので、電気光学物質の封止の役割を有する。これにより、四方から電気光学物質を封止するとともに、必要な上下導通も実現することができる。
【0024】
上記の電気光学パネルのさらに他の一態様では、前記導通性シール部は導電性材料を含む樹脂により構成され、前記非導通性シール部は非導電性材料を含む樹脂により構成されている。
【0025】
この態様によれば、樹脂に導電性材料又は非導電性材料を混入することにより、導通性シール部と非導通性シール部とを作ることができる。
【0026】
上記の電気光学パネルのさらに他の一態様では、前記オーバーラップ部は前記導電性材料を含む樹脂及び前記非導電性材料の両方を含む樹脂が混合されている。
【0027】
この態様によれば、オーバーラップ部では、導電性材料と非導電性材料が混ざり合った状態となっている。
【0028】
上記の電気光学パネルのさらに他の一態様では、前記第2の基板は、少なくとも前記第2電極用配線が前記非導電性シール部の下側に延在する領域を覆う遮光層を有する。
【0029】
この態様によれば、シール材の内側に配置された第2電極用配線の部分は遮光層により覆われるので、第2電極用配線が表示領域内に表示される画像に影響を与えることが防止される。
【0030】
上記の電気光学パネルのさらに他の一態様では、前記オーバーラップ部は、0.05mmから0.2mmの範囲内の幅を有する。
【0031】
この態様によれば、シール材全体のシール機能と、導通性シール部の上下導通機能とを適切に維持しつつ、シール材中に隙間が生じることを防止することができる。
【0032】
上記の電気光学パネルのさらに他の一態様では、前記配線は、銀合金膜上に透明導電膜を積層した構造を有する。
【0033】
この態様によれば、電極として銀・パラジウム・銅合金(Ag−Pd−Cu、以下「APC」という。)などの銀合金により配線を形成する。APCなどの銀合金は、ITO(Indium Tin Oxide)などの導電性材料と比較して比抵抗が低いので、同じ抵抗値を得るためにAPC配線はITO配線の1/50程度の配線幅で済み、配線を狭ピッチ化して、額縁領域を小さくすることができる。
【0034】
上記の電気光学パネルと、前記駆動用半導体配置位置に配置された駆動用半導体とにより、電気光学装置を構成することができる。
【0035】
また、上記の電気光学パネルを利用して、各種の電子機器を構成することができる。そのような電子機器では、電気光学パネル全体の大きさに比べて表示領域を広くとることができる。
【0036】
本発明による電気光学パネルの製造方法は、複数の第1電極を有する第1の基板に非導通性シール材を配置し、複数の第2電極を有する第2の基板に導通性シール材を配置する第1工程と、前記非導通性シール材と前記導通性シール材とが所定幅にわたって重なり合うように前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせる第2工程と、を有する。
【0037】
上記の電気光学パネルの製造方法によれば、第1の基板に配置された非導通性シール材と、第2の基板に配置された導通性シール材が、所定幅にわたって重なり合うように第1の基板と第2の基板とを貼り合わせる。よって、シール材中に隙間が生じて電気光学物質の封入の信頼性が低下することを防止できる。
【0038】
上記の電気光学パネルの製造方法の一態様では、前記第1工程は、前記導通性シール材と前記所定幅にわたって重なる位置において、前記非導通シール材を前記第1の基板に印刷する工程と、外側部分が前記非導通シール材の内側部分と前記所定幅にわたって重なる位置において、前記導通性シール材を第2の基板上に印刷する工程と、を有する。
【0039】
この態様によれば、予め所定幅のオーバーラップ部を考慮して、第1及び第2の基板にシール材が印刷されるので、両基板を位置合わせして貼り合わせるのみで、信頼性の高い電気光学パネルを得ることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0041】
[液晶表示装置]
図1は、本発明の電気光学装置の一実施形態である液晶表示装置を示す平面図、図2は上側基板の平面図、図3は液晶表示装置の表示領域の拡大図、図4は図3のA−A’線に沿った断面図、図5は上下導通部(図1における符号Dの円内)の拡大図、図6は図5のC−C’線に沿った断面図である。本実施形態は、パッシブマトリクス方式の半透過型カラー液晶表示装置の例である。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0042】
本実施形態の液晶表示装置1は、図1に示すように、平面視長方形状の下側基板2(一方の基板)と、上側基板3(他方の基板)とがシール材4を介して対向配置されている。シール材4の一部は各基板2、3の一辺(図1における上辺)側で開口して液晶注入口5となっており、双方の基板2、3とシール材4により囲まれた空間内に液晶が封入され、液晶注入口5が封止材6によって封止されている。
【0043】
矩形環状のシール材4のうち、各基板2、3の上辺及び下辺(長方形状の対向する2つの短辺)は、非導通のシール材4cにより構成されている。一方、各基板2、3の右辺、左辺(長方形状の対向する2つの長辺)に沿う部分は、異方性導電粒子などの上下導通材が混入され、液晶封止の他に上下導通部としても機能する導通シール材4aと、上下導通材が混入されておらず、シール材のみとして機能する非導通シール材4bとにより構成されている。なお、この部分は本発明の特徴部分であるので後に詳しく説明する。
【0044】
本実施形態では、上側基板3よりも下側基板2の外形寸法の方が大きく、上側基板3と下側基板2の3辺(図1における上辺、右辺、左辺)ではほぼ縁(両基板の端面)が揃っているが、上側基板3の残りの1辺(図1における下辺/長方形状の対向する2つの短辺のうちの一方の辺)からは下側基板2の周縁部が張り出すように配置され、張出領域9が形成されている。また、下側基板2の下辺側の端部において上側基板3、下側基板2の双方の電極を駆動するための駆動用半導体素子7(電子部品)が張出領域9に実装されている。
【0045】
本実施形態の場合、図1及び図3に示すように、下側基板2上に、図中縦方向に延在する複数のセグメント電極10(第一の電極)がストライプ状に形成されている。一方、上側基板3上には、図2に示すように、セグメント電極10と直交するように、図中横方向に延在する複数のコモン電極11(第二の電極)がストライプ状に形成されている。カラーフィルター13のR、G、Bの各色素層13r、13g、13bは各セグメント電極10の方向に対応して配置(縦ストライプ/R、G、Bのそれぞれがストライプ状に縦に同色で形成配置)されており、図3に示す横方向に並んだR、G、Bの3個の画素で画面上の1個のドットが構成されている。
【0046】
ここで、図1の符号8aで示す破線は、セグメント電極10とコモン電極11との交差によって構成される表示画素群(画像表示に寄与する有効表示領域)を取り囲んだ縁であり、有効表示領域の周囲を遮光するための周辺遮光層8(周辺見切り)の内側の縁である。図2に示すように、上側基板の内面側8には8aで示す線より外側の領域全体に周辺遮光層8が形成されている。この周辺遮光層8は、下側基板上の後述する引き廻し配線14の形成領域を覆うものである。
【0047】
断面構造の詳細については後述するが、セグメント電極10はW2の幅で形成されたAPC膜(銀、パラジウム、銅を所定の割合で含有した合金からなる膜)とこれを覆うW1の幅で形成された透明導電膜(ITO膜)の積層構造を有しており、APC膜が半透過反射膜として機能するように、本実施形態ではAPCパターンが各画素毎に2個ずつの光透過用の窓部12(光透過領域)を有している。窓部12は、カラーフィルター13の各色素層13r、13g、13bを複数の画素にわたって縦方向に見たときに千鳥状に配置されている。なお、ここで言う「画素」とは、図3に示すように、セグメント電極10とコモン電極11とが平面的に見て重なり合った各領域のことである。本発明による液晶表示装置は、半透過反射型の表示装置であり、透過表示を行う際は下側基板(一方の基板)の背面側(液晶とは反対側)に光源としてバックライト装置(図示省略)が配置され、バックライト装置からの光をAPC膜の窓部12を通して液晶のオンオフにより表示を行うものであり、反射表示を行う際は外光を上側基板(他方の基板)側から採り入れて下側基板(一方の基板)上の液晶側にパターン形成されたAPC膜での光の反射と液晶のオンオフによって表示を行うものである。
【0048】
図1に示すように、ストライプ状の各コモン電極11はその両端が導通シール材4aの形成部と重なる領域まで延在して形成され、さらに導通シール材4aの形成部の外側にまで貫通して延在している。複数のコモン電極11(図1では10本のみ図示する)のうち、図1の上側半分(図1では5本)のコモン電極11については、コモン電極11の右端(対向した2つの長辺の一方側)が、導通シール材4aに混入させた異方性導電粒子などの上下導通材(基板間導通部)を介して下側基板2上のコモン電極用引き廻し配線14(以下、単に「引き廻し配線14」と呼ぶ。)に電気的に接続されている。そして、下側基板2上の引き廻し配線14が導通シール材4aから基板中央部(シール材4で囲まれた領域内)に向けて延びた後、屈曲して下側基板2の右辺(対向した2つの長辺の一方の辺)に沿って縦方向に延びる。ここで、縦方向に延びた引き廻し配線14の一部は、非導通シール材4bの下側を縦方向に延在する。そして、引き廻し配線14は、非導通シール材4cを横切って下方へ延びた後、基板中央方向へ向かって屈曲し、張出領域9に実装された駆動用半導体素子7の出力端子(図示省略)に接続されている。
【0049】
同様に、図1の下側半分(図1では5本)のコモン電極11については、コモン電極11の左端(対向した2つの長辺の他方側)が、導通シール材4a中に混入させた異方性導電粒子などの上下導通材(基板間導通部)を介して下側基板2上の引き廻し配線14に電気的に接続されている。そして、下側基板2上の引き廻し配線14が導通シール材4aから基板中央部(シール材4で囲まれた領域内)に向けて延びた後、下側基板2の左辺に沿って縦方向に延びる。ここで、縦方向に延びた引き廻し配線の一部は、非導通シール材4bの下側に縦方向に延在する。そして、引き廻し配線14は、非導通シール材4cを横切った後、基板中央方向へ屈曲し、部分を横断して張出領域9に実装された駆動用半導体素子7の出力端子に接続されている。
【0050】
以上により、全ての引き廻し配線14が導通シール材4aより内側の領域でかつ遮光層8の形成幅の内縁よりも外側の範囲内に配置されている。つまり、引き廻し配線14は、形成された導通シール材4aと遮光層8との間の領域(形成幅を含む)を延在して形成され、短辺側に配置された非導通シール材4cを貫通して張出領域9に取り出され、張出領域9に実装された駆動用半導体素子7の出力端子に接続されている。上下導通部の詳細については後述する。
【0051】
一方、セグメント電極10については、セグメント電極用引き廻し配線15(以下、単に「引き廻し配線15」と呼ぶ。)がセグメント電極10の下端から非導通シール材4cに向けて引き出され、そのまま駆動用半導体素子7の出力端子に接続されている。多数の引き廻し配線14、15が各基板2、3の下辺側の非導通シール材4cを横断するが、非導通シール材4cは導電性を持たないため、狭ピッチで配置された引き廻し配線14、15が非導通シール材4cを横断しても短絡の恐れはない。本実施形態の場合、これら引き廻し配線14、15もセグメント電極10と同様、APC膜とITO膜との積層膜で構成されている。また、駆動用半導体素子7に各種信号を供給するための入力用配線(外部入力端子)16が下側基板2の下辺から駆動用半導体素子7の入力端子(図示省略)に向けて設けられている。
【0052】
画素部分の断面構造を見ると、図4に示すように、ガラス、プラスチックなどの透明基板からなる下側基板2上に、APC膜18上にITO膜19が積層された2層構造のセグメント電極10が紙面を貫通する方向にストライプ状に形成されており、その上には例えば表面にラビング処理が施されたポリイミドなどからなる配向膜20が形成されている。本実施形態の場合、セグメント電極10の構成はAPC膜18の上面のみにITO膜19が積層されただけではなく、ITO膜19がAPC膜の側面も覆うようにAPCパターンの幅(W2)よりもITOパターンの幅(W1)の方が大きく設定されている。
【0053】
一方、ガラス、プラスチックなどの透明基板からなる上側基板3上に、R、G、Bの各色素層13r、13g、13bからなるカラーフィルター13が形成され、カラーフィルター13上には各色素層間の段差を平坦化すると同時に各色素層の表面を保護するためのオーバーコート膜21が形成されている。このオーバーコート膜21はアクリル、ポリイミドなどの樹脂膜でも良いし、シリコン酸化膜などの無機膜でも良い。さらに、オーバーコート膜21上にITOの単層膜からなるコモン電極11が紙面に平行な方向にストライプ状に形成されており、その上に例えば表面にラビング処理が施されたポリイミドなどからなる配向膜22が形成されている。上側基板3と下側基板2との間にはSTN(Super Twisted Nematic)液晶などからなる液晶23が挟持されている。また、バックライト(図示省略)が下側基板2の下面側に配置されている。
【0054】
そして、ブラックストライプ25(遮光部)が上側基板3上に形成されている。ブラックストライプ25は例えば樹脂ブラックや比較的反射率の低いクロムなどの金属などからなり、R、G、Bの各色素層13r、13g、13bの間(境界)を区画するように設けられている。本実施形態の場合、ブラックストライプ25の幅Wが隣接する画素のITOパターン19の間隔P1(セグメント電極間の間隔)より大きく、APCパターン18の間隔P2に一致している。これを図3で見ると、セグメント電極10の輪郭を示す外側の線がITOパターン19の縁、その内側の線がAPCパターン18の縁を示しているが、ブラックストライプ25の輪郭を示す線はAPCパターン18の縁を示す線に重なっている。つまり、半透過反射型カラー液晶表示装置の構成として、色素層の境界に設けられたブラックストライプ25の幅Wが、セグメント電極10のITOパターン19の間隔P1より広く、APCパターン18の間隔P2とほぼ同じになるように形成されて配置されている。
【0055】
本実施形態の場合、前述の周辺遮光層8もブラックストライプ25と同様、樹脂ブラックや比較的反射率の低いクロムなどの金属などからなるものであり、周辺遮光層8とブラックストライプ25が同層(同じ階層)で一体に形成されている。
【0056】
図1に符号Dで示した円内を拡大視したものが図5であり、図5のC−C’線に沿う断面図が図6である。図5及び図6に示すように、基板2、3の左辺及び右辺に沿う部分は導通シール材4aと非導通シール材4bからなる2重構造となっている。
【0057】
すなわち、シール材4は、幅方向に隣接配置された2重のシール材からなる。異方性導電粒子30などの導電材が内部に混入され、液晶封止とともに上下導通部として機能する導通シール材4aが基板周縁部側に設けられる。導通シール材4aの中には例えば直径が10μm程度の導電粒子30が混入されており、これら導電粒子30が基板間で接触することにより上側基板3のコモン電極11と下側基板2の引き廻し配線14とが電気的に接続される。
【0058】
また、導電材が混入されておらず、セルギャップを確保するためのギャップ材32が混入されて、液晶封止の機能を担う非導通シール材4bが基板中央側(液晶側)に設けられている。そして、非導通シール材4bの形成領域内に引き廻し配線14が配置されている。但し、引き廻し配線14は、導通シール材4aの形成領域内には配置されないこととして、電気的な短絡を防止している。
【0059】
本実施の形態の場合、引き廻し配線14もセグメント電極10と同様、APC膜18上にITO膜19が積層された2層構造となっており、APC膜18の側面もITO膜19で覆われている。引き廻し配線14と基板2、3の左側で接続されたコモン電極11(図7の下側2本のコモン電極11)に対しては、コモン電極11の右側の導通シール材4aの形成領域内にダミーパターン31が形成されている。ダミーパターン31も引き廻し配線14と同様、APC膜18上にITO膜19が積層された2層構造となっている。同様に、図示は省略するが、引き廻し配線14と基板2、3の右端で接続されたコモン電極(図7の上側3本のコモン電極11)に対しても、コモン電極11の左側の導通シール材4aの形成領域内にダミーパターン31が形成されている。なお、図5及び7において、実際には引き廻し配線14およびダミーパターン31を構成するAPCパターンの周囲にはITOパターンの輪郭が見えるはずであるが、ここでは図面を見やすくするため、図示を省略した。
【0060】
本実施形態の液晶表示装置においては、コモン電極11と引き廻し配線14とを電気的に接続する上下導通部として機能する導通シール材4aが基板周縁部に設けられ、その内側に非導通シール材4bが設けられており、下側基板2上の多数の引き廻し配線14が導通シール材4aよりも基板中央よりを経由するように引き廻されているので、引き廻し配線がシール材の外側に配置されていた従来の液晶装置に比べて額縁領域を狭めることができる。すなわち、シール材4の外側の基板の縁の部分はシール材4a及び4bの印刷時のマージン(例えば0.3μm程度)を残すだけでよく、ほとんどスペースがいらなくなる。また、引き廻し配線14の材料に比抵抗が小さいAPCを用いたため、引き廻し配線14の狭ピッチ化が図れ、額縁領域をより小さくすることができる。
【0061】
さらに、本実施形態では、導通シール材4aを用いてセグメント電極10の駆動とコモン電極11の駆動を下側基板2上の1個の駆動用半導体素子7で担うようにしたので、額縁領域を全体として狭くでき、これによっても狭額縁化が図れるので、小型の携帯用電子機器などに好適な液晶表示装置を提供することができる。
【0062】
また、図1に示すように、駆動用半導体素子7を1個にして下側基板2の下端側に配置したことに加えて、多数の引き廻し配線14を半分ずつ左右に振り分けて配置したので、図1に示すように額縁領域の形状が左右対称となり、この液晶表示パネルを電子機器に組み込んだ際に液晶表示部が機器の中央に配置できる、電子機器の筐体としての額縁を小型化できるなどの利点が得られる。
【0063】
また、図5、図6に示すように、引き廻し配線14をシール材4の内側(正確には導通シール材4aの内側)に配置しているため、引き廻し配線が外気にふれることがなく、引き廻し配線14の腐食を防止して配線の信頼性を向上させることができる。さらに、APC膜自体、使用時にエレクトロマイグレーションが起こりやすいという性質を持っているが、本実施形態では、セグメント電極10や引き廻し配線14、15を構成するITOパターン19がAPCパターン18の側面(断面)も覆っているため、製造工程中の水分の付着による腐食の問題や膜表面の汚染に起因するエレクトロマイクレーションの問題を回避することができる。
【0064】
液晶の封止に必要なシール材の幅はある程度決まっており、これを例えば0.5mmとする。本実施形態では、導通シール材4aと非導通シール材4bはともに液晶封止のために機能するので、液晶の封止に必要なシール材幅の0.5mmをこれら2種類のシール材で分け合うこととした。上下導通の信頼性も確保した上で、図5に示すように、例えば導通シール材4aの幅S1を0.2mm、非導通シール材4bの幅S2を0.3mmとする。この場合でも、シール材4全体の幅Sはあくまでも0.5mmであるから、液晶を確実に封止することができる。
【0065】
また、非導通シール材4bは導電性を持たないため、導通シール材4aの形成領域を避ければ、非導通シール材4bの形成領域内には引き廻し配線14を配置することができる。具体的には、基板の縁から導通シール材4aまでの寸法Eを0.3mmとすると、基板の縁から寸法Eと導通シール材4aの幅S1の合計である0.5mmの範囲には引き廻し配線14を配置できないが、それよりも基板中央よりには引き廻し配線14を配置できることになる。即ち、その分、狭額縁化を図ることができる。
【0066】
導通シール材4aと非導通シール材4bの幅は、シール材4全体としてのシール機能と導通シール材4aによる上下導通機能を確保した上で、できる限り額縁領域を狭くするように決定される。前述のように、シール材4全体としてのシール機能を満足するには、最低限必要なシール材の幅がある。シール材4の幅を大きくすると、それだけ表示領域が小さくなるので、シール材4の幅はシール機能の信頼性を確保できる範囲でなるべく小さく決定される。
【0067】
シール材4の幅が決定されると、自動的に導通シール材4aと非導通シール材4bの合計が決まったことになる。ここで、導通シール材4aの幅S1を小さくすれば引き廻し配線14を配置できる領域が広がるのであるが、信頼できる上下導通を確保するためには導通シール材4aもある程度の幅を必要とする。よって、シール材4全体によるシール機能と、導通シール材4aによる上下導通機能とを両立させるようにシール材4全体の幅及び導通シール材4aの幅が決定され、それにより自動的に非導通シール材4bの幅が決まることになる。
【0068】
2重構造のシール材4を形成する場合、導通シール材4aと非導通シール材4bとの間に隙間が形成され、気泡や湿気などが入ると、液晶封止の信頼性が低下する。導通シール材4aと非導通シール材4bとの間にできた気泡は、液晶表示装置の製造工程中に基板に加わる熱によって熱膨張して、大きな通路や穴となることがある。これにより、基板間の接着強度が低下してしまう。また、そのようにしてできた通路に、水分や洗浄工程で使用される洗浄液やその他の液体が浸入すると、腐食、電食などが生じる恐れもある。
【0069】
従って、本発明では、このような隙間が生じないようにするため、図7及び8に示すように、導通シール材4aと非導通シール材4bとを部分的にオーバーラップさせる。図7及び8の例では、オーバーラップ幅S3は約0.1mm程度である。但し、オーバーラップ幅S3はこれに限定されず、例えば0.05mm程度から0.2mm程度の範囲内で任意に決定することができる。導通シール材4a及び非導通シール材4bは、それぞれ導電粒子30及びギャップ材32が混入した樹脂材料を上側基板3及び下側基板2上にそれぞれスクリーン印刷などで印刷し、両基板を貼り合わせることにより形成される。よって、オーバーラップ幅S3は、各樹脂材料を印刷する印刷機の精度にある程度依存して決まることになる。
【0070】
また、オーバーラップ部は、図7及び8に示すように、導通シール材4aの領域側に形成されることが望ましい。オーバーラップ部内では、導通シール材4aに含まれる導電粒子30と非導通シール材4bに含まれるギャップ材32とが混在することになる。よって、導通シール材4aの領域を非導通シール材4bの領域内へ拡張してオーバーラップ部を形成すると、非導通シール材4bの領域内に導通可能な部分が拡大することとなり、引き廻し配線14を短絡させるおそれが生じる。一方、非導通シール材4bの領域を導通シール材4aの領域へ拡大しても、非導通シール材4b内にはギャップ材32しか含まれておらず、また、導通シール材4aの領域はもともと導通するように構成されているので、問題は生じない。よって、導通シール材4aの領域内へ非導通シール材4bの領域を拡大するようにしてオーバーラップ部分を形成することが望ましい。
【0071】
なお、これまでの説明では導通シール材4a内部には導電粒子30のみが含まれていることとしているが、導通シール材4a内部に、導電粒子30のみならずギャップ材32を含ませることもできる。
【0072】
図9(a)、9(b)、10(a)及び10(b)はオーバーラップ部分の拡大図を示す。なお、これらの図は、いずれも図1におけるFの部分を拡大したものである。
【0073】
図9(a)はオーバーラップ部が正しく形成された例を示している。導通シール材4a内部には多数の導電粒子30が含まれ、非導通シール材4b内部には多数のギャップ材32が含まれている。なお、本例では、導通シール材4a内部にもギャップ材32が混入されているため、導通シール材4a内部の粒子の数が多くなっている。この図の例では、適正な幅のオーバーラップ部を形成しているので、気泡などの侵入は見られない。
【0074】
図9(b)はオーバーラップ部を形成しない場合で、導通シール材4aと非導通シール材4bとの間に隙間Gが生じている例を示している。
【0075】
図10(a)は導通シール材4aと非導通シール材4bとの境界において、部分的にオーバーラップが不十分となり、隙間Gが生じた例を示している。隙間Gの部分には気泡が発生し、液晶表示装置の製造工程中に加えられる熱により気泡が熱膨張して広がりつつある。
【0076】
図10(d)は、図9(b)又は図10(a)のような隙間Gが熱膨張した後、例えば洗浄液などの液体が浸入して電食が生じた例を示している。
【0077】
このように、適切な幅のオーバーラップ部を形成することにより、隙間Gの形成を防止することができる。
【0078】
なお、本実施形態においては、シール材4cを非導通シール材としているが、シール材4cを導通シール材としても構わない。
【0079】
また、本実施形態では、張出領域9に駆動用半導体素子7を搭載した構成を示したが、駆動用半導体素子7が搭載されずに液晶表示装置1の外部に存在し、外部入力端子7から直接引き廻し配線14及び引き廻し配線15に接続されて信号を供給する構成であっても構わない。
【0080】
また、本実施形態では、引き廻し配線をAPC上にITOを積層することにより構成しているが、これに限らずクロムなどを用いることも可能である。
【0081】
さらに、本実施形態では、パッシブマトリクス方式の半透過反射型カラー液層表示装置の例を示したが、TFDあるいはTFTといったスイッチング素子を有するアクティブマトリクス方式の半透過反射型カラー液晶装置であっても構わない。
【0082】
[液晶表示装置の製造方法]
次に、上記構成からなる液晶表示装置1を製造する方法について、図11に示す工程図を参照して説明する。
【0083】
まず、図1の下側基板2の複数個分の大きさを有する大判の基板素材をガラス、プラスチックなどによって形成し、工程A1において、APC膜18及びITO膜19により、大判基板素材に所定パターンのセグメント電極10、引き廻し配線14、15及び外部接続端子16を形成する。次に、例えばポリイミド系樹脂を材料としてオフセット印刷によって、表面にラビング処理が施された配向膜20を形成する(工程A2)。
【0084】
さらにその上に、例えば例えばスクリーン印刷によって、ギャップ材32を含む樹脂材料により非導通シール材4bを形成する(工程A3)。この際、図7及び8を参照して説明したように、非導通シール材4bは、導通シール材4aと所定幅でオーバーラップするように形成される。これにより、図1に示す下側基板2を複数含む大判の下側基板が製作される。
【0085】
他方、図2の上側基板3の複数個分の大きさを有する大判の基板素材をガラス、プラスチックなどによって形成し、工程B1において、その大判基板素材に対して、APC膜18及びITO膜19によりコモン電極10を形成する(工程B1)。次に、例えばポリイミド系樹脂を材料としてオフセット印刷によって、表面にラビング処理が施された配向膜22を形成する(工程B2)。
【0086】
さらにその上に、例えば例えばスクリーン印刷によって、導電粒子30を含む(ギャップ材32を含んでもよい)樹脂材料により導通シール材4aを形成する(工程B3)。これにより、図1に示す上側基板3を複数含む大判の下側基板が形成される。
【0087】
以上により、上側基板3と下側基板2の大判基板がそれぞれ製作された後、工程C1において、それらの大判基板を、図8に示すように所定幅S3のオーバーラップ部が生じるように互いに重ね合わせ、さらに圧着すること、すなわち加熱下で加圧することにより、両基板を互いに貼り合わせる。この貼り合わせにより、図1の液晶表示装置1の主たる部分である液晶パネル構造を複数個含む大きさの大判パネル構造(即ち、母基板)が形成される。
【0088】
以上のようにして、母基板が製作された後、第1ブレイク工程を実施する(工程C2)。これにより、液晶注入口5が外部へ露出した状態の液晶パネル部分が複数個含まれる中判のパネル構造、いわゆる短冊状の中判パネル構造が複数個切り出される。そしてその後、各液晶注入口5を通して各液晶パネル部分の内部に液晶23を注入し、注入完了後にその液晶注入口5を封止材6によって封止する(工程C3)。
【0089】
その後、工程C4において中判パネル構造に対して第2ブレイク工程を実施する。これにより図1に示す液晶表示装置1であって駆動用半導体素子7が付設されていないものが1つずつ分断される。
【0090】
その後、ACFなどを用いて張出領域9に駆動用半導体素子7を実装する(工程C5)。こうして、図1に示す液晶表示装置が製作される。
【0091】
[電子機器]
次に、上記実施携帯の液晶表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
【0092】
図12は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図12において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0093】
図13は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図13において、符号1100は腕時計本体を示し、符号1101は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0094】
図14は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図14において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の液晶表示装置を用いた液晶表示部を示している。
【0095】
図12〜14に示す電子機器は、上記実施形態の液晶表示装置を用いた液晶表示部を備えているので、狭額縁化による小型の液晶表示装置を備えたことによって、装置全体が小型である割に表示領域が広く、携帯性に優れた電子機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかる液晶表示装置の全体構成を示す図である。
【図2】 図1に示す液晶表示装置を構成する上側基板の平面図である。
【図3】 図1に示す液晶表示装置の表示領域の拡大平面図である。
【図4】 図3のA−A’線に沿った断面図である。
【図5】 図1に示す液晶表示装置の上下導通部の拡大図である。
【図6】 図1に示す液晶表示装置の上下導通部の断面図である。
【図7】 図5に示す上下導通部のオーバーラップを示す平面図である。
【図8】 図5に示す上下導通部のオーバーラップを示す断面図である。
【図9】 上下導通部における導通シール材と非導通シール材の位置関係を示す拡大図である。
【図10】 上下導通部における導通シール材と非導通シール材の位置関係を示す拡大図である。
【図11】 本発明の液晶表示装置の製造方法の工程図である。
【図12】 本発明の液晶表示装置(電気光学装置)を使用する電子機器の一例を示す斜視図である。
【図13】 本発明の液晶表示装置(電気光学装置)を使用する電子機器の他の例を示す斜視図である。
【図14】 本発明の液晶表示装置(電気光学装置)を使用する電子機器のさらに他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置
2 下側基板
3 上側基板
4 シール材
4a 導通シール材
4b、4c 非導通シール材
10 セグメント電極
11 コモン電極
13 カラーフィルター
14、15 引き廻し配線
18 APC膜(APCパターン、銀合金膜)
19 ITO膜(ITOパターン、透明導電膜)
23 液晶
30 導電粒子
32 ギャップ材

Claims (11)

  1. 複数の第1電極を有する第1の基板と、
    複数の第2電極を有し、前記第1の基板と対向配置された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板の間に挟持されて、電気光学物質を封入する空間を規定する環状のシール材と、を備え、
    前記シール材は、外側に位置する導通性シール部と、前記導通性シール部の内側に位置する非導通性シール部と、前記導通性シール部と前記非導通性シール部とが所定幅にわたって重なって構成されたオーバーラップ部と、を備え、
    前記第1の基板及び前記第2の基板は矩形形状を有し、前記第1の基板は前記矩形形状の一辺の方向において前記第2の基板よりも張り出した張出領域を有し、
    前記第1基板上には、前記第1基板の張出領域を有する辺と交差する辺における前記導通性シール部において前記第2電極と接続された第2電極用配線を備え、
    前記張出領域を有する辺と交差する辺において、前記導通性シール部の内側を導通性シール部に沿って延びた前記複数の第2電極用配線の一部は、前記非導通性シール部に配置され、オーバーラップ部には配置されていないことを特徴とする電気光学パネル。
  2. 記第2電極用配線は前記非導通性シール部の下を通過して前記張出領域上の駆動用半導体素子配置位置まで延在していることを特徴とする請求項1に記載の電気光学パネル。
  3. 前記第1の基板は、前記複数の第1電極と、前記駆動用半導体素子とを電気的に接続する第1電極用配線を有することを特徴とする請求項2に記載の電気光学パネル。
  4. 前記環状のシール材は矩形形状を有し、前記矩形形状の対向する2組の辺のうち1組の辺は前記非導通シール部、前記導通性シール部及び前記オーバーラップ部を有し、前記矩形の対向する2組の辺のうち他の1組の辺は非導通性シール部のみを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学パネル。
  5. 前記導通性シール部は導電性材料を含む樹脂により構成され、前記非導通性シール部は非導電性材料を含む樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学パネル。
  6. 前記オーバーラップ部は前記導電性材料を含む樹脂及び前記非導電性材料の両方を含む樹脂が混合されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学パネル。
  7. 前記第2の基板は、少なくとも前記第2電極用配線が前記非導電性シール部の下側に延在する領域を覆う遮光層を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電気光学パネル。
  8. 前記オーバーラップ部は、0.05mmから0.2mmの範囲内の幅を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学パネル。
  9. 前記配線は、銀合金膜上に透明導電膜を積層した構造を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の電気光学パネル。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電気光学パネルと、 駆動用半導体素子と、を備えることを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項1乃至9の電気光学パネルを備えたことを特徴とする電子機器。
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