JP4474397B2 - 射出成形金型装置 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形金型装置に関し、より詳しくは、精密なプラスチック成形品の製造において、射出成形を連続して行う際に発生する成形領域における温度上昇を効果的に防止することができ、成形精度の良好な部品を安定して製造し続けることを可能とする射出成形金型装置に関するものである。
現在、合成樹脂(プラスチック)の成形品を製造するための装置としては、金型内部に形成される成形空間(キャビティ)に溶融状態のプラスチックを射出(加圧注入)し、これを金型内で冷却・固化させて、キャビティ形状の成形品を成形する装置、所謂、射出成形金型装置が一般的に利用されている。
このような射出成形金型装置において用いられる金型は、固定型と、この固定型と当接離反(型閉め・型開き)可能に配設された可動型とから構成されており、可動型が固定型に対して当接(型閉め)状態にある時、上記したキャビティが形成されるようになっている。
また、このような射出成形金型装置によって筒状の成形品を製造する際、上記した可動型には、筒状の成形品の内面部分の成形面となる雄型が設けられているのが一般的である。
ここで、射出成形金型装置には、通常、金型の側面に冷却用の流路が上記した可動型の駆動方向と直交する方向に複数貫通形成されており、この流路に水・油等の液体冷媒を連続供給することにより金型を冷却し、キャビティ内の溶融状態のプラスチック(溶融樹脂)を冷却・固化するように構成されている。
しかし、このような従来の冷却方式では、小型の成形品を製造する際にはキャビティ直近に冷却用の流路を設けることが難しく、冷却用の流路とキャビティとの間に一定の距離が必要となるため、成形品の冷却効率が悪いと言える。
特に、射出成形金型装置は、成形品の成形・製造を連続的に行うものであるため、製造の時間経過と共にキャビティ及びその近傍の温度が上昇し、筒状の成形品製造においては雄型に熱が籠ってしまうこととなり、上記した冷却効率の問題はより顕著なものとなる。
また、製造の間、冷媒が流路を流れ続けているため、コスト面においても不向きである。
従って、上記した従来の射出成形金型装置では、成形品を円滑に冷却することができず、結果、成形品にヒケが生じる等の成形不良が生じてしまうことが懸念される。また、近時においては、デジタルカメラのフォーカス用ズーム筒等の精度が要求される部品も上記方式にて製造されているため、このような問題は致命的なものとなる。
このような実情に対する方策として、例えば、下記特許文献1には、固定型と、固定型に対して型閉め・型開き可能な可動型と、可動型に設けられたエジェクタ機構とから構成された射出成形金型において、エジェクタ機構のない固定型に、型外とその成形面間を連通する空気導入路を形成し、可動型を設定間隔だけ型開きした状態で空気導入路に圧縮空気を供給することにより、可動型と固定型との間に形成された空間に圧縮空気を導いて成形品の表面を圧縮空気によって直接冷却する射出成形金型が提案されている。
しかしながら、このような技術では、成形品の表面を直接冷却するため従来のものに比して成形品の冷却効率は良くなるが、以下の問題を有している。
即ち、成形品に対して直接圧縮空気を吹き付けるため、成形品の表面のみが急激に冷却されてしまうこととなり、成形品の連続製造によって熱が籠る雄型との温度勾配が次第に大きくなり、連続製造を行うと成形品に歪みが生じる虞がある。
また、所定の間隙を設けて圧縮空気を供給するので、成形品がこの圧縮空気により金型内で振動し、表面が損傷する虞がある。
更に、この方式では、構成要素が多くなり、また、通常の金型の型開きの他に、冷却用の所定間隔の型開きも行わなければならないため制御が複雑なものとなってしまう。
特開2002−321263号公報
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであって、簡単な構成且つ制御が容易であり、成形品の連続製造において内面側(雄型)の冷却を効果的に行うことができ、また、成形品の損傷を引き起こすことのない射出成形金型装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、金型内部に形成される成形空間に溶融樹脂を射出することにより所定形状の成形品を製造する射出成形金型装置であって、前記金型が、固定型と、該固定型に対して当接離反可能に配されると共に当接状態において当該固定型との間に前記成形空間を形成する可動型とを具備してなり、前記可動型が、前記成形品の内面部分を成形する雄型を備え、該雄型の内部において当該雄型を冷却する冷却用気体が流れる流路が形成されてなり、前記冷却用気体が、前記固定型と前記可動型との開閉動作に連動して供給若しくは遮断され、前記流路は、前記可動型の一側面に配設される開閉バルブに接続されており、前記可動型の一側面にはレギュレータを介して冷却用気体供給手段が接続されており、前記レギュレータは供給ラインを介して前記開閉バルブへと接続されており、前記固定型には、スイッチング部材が前記開閉バルブのスイッチの直上に配設され、前記スイッチング部材は、金型の型閉め状態において、前記開閉バルブのスイッチを押している状態となるように構成され、型開き時には、型開きの動作に合わせてスイッチから離反するように構成されており、前記開閉バルブは、スイッチが押されている時はバルブを閉じて冷却用気体を遮断し、押されていない時にはバルブを開放して冷却用気体を前記流路に供給するように設定されていることを特徴とする射出成形金型装置に関する。
請求項2に係る発明は、前記雄型が、内周面が先細りのテーパ面に形成されている中空円筒形状体と、該中空円筒形状体のテーパ面と略同形状の外周面を有すると共に前記固定型と前記可動型との開閉方向に駆動可能、且つ前記固定型と前記可動型が当接している状態において前記テーパ面に当接可能に構成されるロッキングブロックとからなり、前記中空円筒形状体が、周方向に複数に分割され中心方向に摺動可能な雄型単体から構成されると共に前記ロッキングブロックが前記テーパ面に当接することにより前記成形品の成形状態を保持してなり、前記流路が、前記ロッキングブロック内部中央に形成されると共に前記ロッキングブロック外周面先端部に配された複数の噴射孔と連通されてなり、前記冷却用気体が、前記固定型と前記可動型との離反動作に応じて供給され、前記ロッキングブロックが中空円筒形状体内周面より離反すると共に前記噴射孔から前記中空円筒形状体内面に向けて噴出されることを特徴とする請求項1記載の射出成形金型装置に関する。
請求項3に係る発明は、前記固定型が、前記成形品の内面部分を成形する第二の雄型を更に備え、該第二の雄型の内部において当該第二の雄型を冷却する冷却用気体が流れる第二の流路が形成されてなり、前記固定型と前記可動型とが当接している状態において、前記流路と前記第二の流路が連通してなると共に冷却用気体が供給されることを特徴とする請求項1記載の射出成形金型装置に関する。
請求項1に係る発明によれば、金型が、固定型と、該固定型に対して当接離反可能に配されると共に当接状態において当該固定型との間に前記成形空間を形成する可動型とを具備してなり、前記可動型が、前記成形品の内面部分を成形する雄型を備え、該雄型の内部において当該雄型を冷却する冷却用気体が流れる流路が形成されてなり、前記冷却用気体が、前記固定型と前記可動型との開閉動作に連動して供給若しくは遮断され、前記流路は、前記可動型の一側面に配設される開閉バルブに接続されており、前記可動型の一側面にはレギュレータを介して冷却用気体供給手段が接続されており、前記レギュレータは供給ラインを介して前記開閉バルブへと接続されており、前記固定型には、スイッチング部材が前記開閉バルブのスイッチの直上に配設され、前記スイッチング部材は、金型の型閉め状態において、前記開閉バルブのスイッチを押している状態となるように構成され、型開き時には、型開きの動作に合わせてスイッチから離反するように構成されており、前記開閉バルブは、スイッチが押されている時はバルブを閉じて冷却用気体を遮断し、押されていない時にはバルブを開放して冷却用気体を前記流路に供給するように設定されていることにより、簡単な構成且つ通常の金型の開閉動作のみの制御で、内面側(雄型)の冷却を効果的に行うことができ、また、成形品の損傷を引き起こすことも防止することが可能となる。
請求項2に係る発明によれば、雄型が、内周面が先細りのテーパ面に形成されている中空円筒形状体と、該中空円筒形状体のテーパ面と略同形状の外周面を有すると共に前記固定型と前記可動型との開閉方向に駆動可能、且つ前記固定型と前記可動型が当接している状態において前記テーパ面に当接可能に構成されるロッキングブロックとからなり、前記中空円筒形状体が、周方向に複数に分割され中心方向に摺動可能な雄型単体から構成されると共に前記ロッキングブロックが前記テーパ面に当接することにより前記成形品の成形状態を保持してなり、前記流路が、前記ロッキングブロック内部中央に形成されると共に前記ロッキングブロック外周面先端部に配された複数の噴射孔と連通されてなり、前記冷却用気体が、前記固定型と前記可動型との離反動作に応じて供給され、前記ロッキングブロックが中空円筒形状体内周面より離反すると共に前記噴射孔から前記中空円筒形状体内面に向けて噴出されることにより、成形品を一つ製造する度に雄型を冷却することが可能となるので、連続製造に際して、雄型の熱籠りを防止することが可能となる。従って、成形品の冷却も効率良く行うことが可能となり、成形品の損傷も引き起こすことがない。
請求項3に係る発明によれば、固定型が、成形品の内面部分を成形する第二の雄型を更に備え、第二の雄型の内部において第二の雄型を冷却する冷却用気体が流れる第二の流路が形成されてなり、固定型と可動型とが当接している状態において、流路と第二の流路が連通してなると共に冷却用気体が供給されることにより、成形品の製造の間、即ち、キャビティ内に溶融樹脂を射出してから冷却・固化するまでの間、雄型に冷却用気体を供給し続けることが可能となるので、成形品を製造の過程において効率良く冷却することができ、成形品の損傷を引き起こすこともない。また、成形品の連続製造に際して、雄型の熱籠りを防止することが可能となる。
以下、本発明に係る射出成形金型装置の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
尚、本発明における「内面」とは、成形品において雄型(後述する)と当接する面のことを示しており、下記する実施形態においては、円筒状の成形品を例とするため、「内周面」と記載する場合もある。
図1は、本発明に係る射出成形金型装置の一例を示す図であり、(a)は部分断面正面図であり、(b)は一部省略左側面図である。
図2は、本発明に係る射出成形金型装置の一例に備えられる可動型を示す平面図である。
図3は、本発明に係る射出成形金型装置の一例において型開きの状態を示す図であり、(a)は部分断面右側面図であり、(b)は(a)の一部拡大図である。
図中、クロスハッチングが施されている部分は、後述する冷却用気体の流路を示している。
先ず、本発明に係る射出成形金型装置の一例の基本構成について説明する。
本発明に係る射出成形金型装置(S)は、金型内部に形成される成形空間(キャビティ)に溶融状態の樹脂(プラスチック)を射出した後、金型内で冷却・固化することにより所定形状の成形品(M)を製造するものであり、固定型(1)と、固定型(1)に対して当接離反可能に配されると共に当接状態において固定型(1)との間にキャビティを形成する可動型(2)とを備えている。
この固定型(1)と可動型(2)とは、図示される如く、固定型(1)の底面と可動型(2)の上面とが当接離反するように構成されており、固定型(1)が上部に、可動型(2)が下部に位置するようになっている。
また、固定型(1)の上部には、固定型(1)上面と当接離反可能に構成された上部基盤(3)が設けられており、可動型(2)の下部には、可動型(2)の底面と当接離反可能に構成された下部基盤(4)が設けられている。
本発明に係る射出成形金型装置(S)は、上記した固定型(1)、可動型(2)、上部基盤(3)及び下部基盤(4)が互いに当接している状態、即ち、型閉め状態において成形品(M)の製造を行うものであり、製造後、成形品を取り出す際には、固定型(1)、可動型(2)、上部基盤(3)及び下部基盤(4)が互いに離反(型開き)するように構成されている(以下、固定型(1)、可動型(2)、上部基盤(3)及び下部基盤(4)を金型と総称する場合もある)。
尚、固定型(1)、可動型(2)、上部基盤(3)及び下部基盤(4)は、夫々、棒状の支持部材(5)により支持されており、上下方向以外の方向において互いに位置ずれしないように構成されている。(図3参照)
また、上記した金型(固定型を除く)の当接離反の駆動手段は、特に限定されないが、例えば、油圧モータと油圧シリンダによる駆動手段等を挙げることができる。
また、射出成形金型装置(S)に具備される金型において、型閉め・型開きの方向(上下方向)に直交する方向には、冷却液孔(6)が複数(図1(a)においては左右六個ずつの計十二個(左部は省略)、図2(b)においては左右二個ずつ(左部省略)、中央四個の計八個)貫通形成されている。
射出成形金型装置(S)は、この冷却液孔(6)の内部に油・水等の冷却液を通過(若しくは循環)させることによって、金型を冷却するように構成されており、これによりキャビティ内に射出された溶融樹脂を間接的に冷却する。
可動型(2)は、成形品(M)の内周面部分にあたる成形面を有する雄型(7)と、雄型(7)の周囲に且つ雄型(7)と所定の間隙を有して複数(図2においては四つ)配設されると共に成形品(M)の外周面部分にあたる成形面を有する雌型(8)とを具備している。
雄型(7)は、可動型(2)の略中央から上方に向けて突設状態にて形成されており、内周面が先細り(上細り)のテーパ面に形成されている中空円筒形状体(71)と、中空円筒形状体(71)の内部に上下方向駆動可能に配され、中空円筒形状体(71)のテーパ面と略同形状の外周面を有する先細り棒状のロッキングブロック(72)とから構成されている。
中空円筒形状体(71)は、周方向において複数(図2においては六つ)に分割されると共に中心方向に向けて所定量、摺動可能な雄型単体(711)から構成されている。
この雄型単体(711)は、上下方向に延びる円筒成形部(711a)と、円筒成形部(711a)下部より円筒成形部(711a)と直交する方向へと延びる基部(711b)とから構成された側面視略L字形状にて形成されている。
この雄型単体(711)が、図2に示される如く、基部(711b)を夫々外方に向けて周方向に整列することにより、平面視円形状の中空円筒形状体(71)が構成される。
ロッキングブロック(72)は、下部基盤(4)の略中央より上方に向けて立設されており、金型の型閉め・型開きの動作に合わせて上下方向に駆動するように構成されている。
このロッキングブロック(72)は、型閉め状態において中空円筒形状体(71)のテーパ面に当接するように構成されており、この状態において、中空円筒形状体(71)の外周面(より詳しくは、雄型単体(711)の円筒成形部(711a)において基部(711b)が延びる側の面)が、成形品(M)の内周面部分の成形面となる。
尚、金型の型開きに合わせてロッキングブロック(72)が下降する際、雄型単体(711)は、雄型(7)の中心方向に向けて所定量摺動するように構成されている。
以上により、雄型(7)が構成される。
雌型(8)は、上記した如く、雄型(7)の周囲を取り囲むように、且つ雄型と所定の間隙を設けて可動型(2)に突設形成されており、その内面が成形品(M)の外周面部分の成形面を構成している。
この雌型(8)は、雄型(7)の中心部(可動型(2)の中央部)に向けて所定量、摺動可能に構成されており、雌型(8)が上記中心方向に向けて最大量摺動した時、雌型(8)内面と雄型(7)外面との間隙は、成形品(M)の側面部分の肉厚を形成する、即ち、キャビティの一部分を形成するように構成されている。
また、雌型(8)は、スプリング等の弾性部材(9)により、常時、外方(雄型(7)の中心へ向う方向と逆の方向)に向けて付勢されている。
以上により、雌型(8)が構成される。
固定型(1)は、金型の型閉め時において雄型(7)及び雌型(8)の上部に載置される蓋盤(10)と、雌型(8)を雄型(7)の中心に向かう方向へとガイドするガイドピン(11)とを具備している。
ガイドピン(11)は、固定型(1)より下方且つ外方に向けて傾斜して延設されており(図3参照)、型閉め状態において雌型(8)のガイド孔(81)に挿通されている。
このガイドピン(11)が、型閉め動作に合わせて上記したガイド孔(81)に挿通されていくことにより、雌型(8)は、雄型(7)の中心へ向う方向へとガイドされ、型閉め完了時には、上記した最大量分、摺動し、キャビティの一部分を形成するように構成されている。
蓋盤(10)は、上記した如く、型閉め時において雄型(7)及び雌型(8)の上部に載置されるものであり、固定型(1)の略中央部において貫通配設されている。
この蓋盤(10)は、型閉め状態において、雄型(7)、雌型(8)と共にキャビティを形成するように構成されている。
また、この蓋盤(10)には、上面から底面にかけて樹脂注入路(101)が貫通形成されており、金型の型閉め時、この樹脂注入路(101)に対して、上部基盤(3)に設けられた樹脂注入部(31)が挿通し、キャビティ内に溶融樹脂を射出するように構成されている。
以上により、射出成形金型装置(S)の基本形態が構成される。
ここで、上記「背景技術」の項でも述べたとおり、従来の射出成形における成形品の冷却方法では、成形品の連続製造において雄型に熱が籠ってしまい、冷却効率が悪くなってしまう。
以下、雄型の冷却構成について説明する。
本発明に係る射出成形金型装置(S)に具備されるロッキングブロック(72)の内部中央には、下端から上端近傍にかけて流路(12)が設けられている。
この流路(12)は、ロッキングブロック(72)の外周面先端部に配された複数(図示においては、正面視六つ)の噴射孔と連通されており、この流路(12)内に、空気やガス等の冷却用気体が供給されると共に噴射孔から中空円筒形状体(71)の内周面に向けて噴出されるように構成されている。
ここで、上記した冷却用気体は、金型が型閉め状態にある時は流路(12)に供給されないように構成されており、金型が型開きの動作を行うのに対応して供給を開始するように構成されている。
具体的に説明すると、上記した流路(12)は、下部基盤(4)を介して金型外部の一側面に通じており、可動型(2)の一側面(図1参照)に配設される開閉バルブ(13)に接続されている。
また、可動型(2)の一側面には、レギュレータ(14)が配設されており、これにコンプレッサ等の冷却用気体供給手段(図示せず)が接続されている。また、このレギュレータ(14)は、供給ライン(15)を介して開閉バルブ(13)へと接続されている。
即ち、冷却用気体は、前記冷却用気体供給手段よりレギュレータ(14)に導入されて所定圧に制御された後、供給ライン(15)を介して開閉バルブ(13)へと送出され、開閉バルブ(13)を開放することにより、流路(12)へと供給されるように構成されている。
ここで、金型の開閉動作に合わせた冷却用気体の供給・遮断を行うための構成として、開閉バルブ(13)の開閉をスイッチ式にすると共に固定型(1)の一側面且つ開閉バルブ(13)のスイッチの直上にスイッチング部材(16)を配設する。
スイッチング部材(16)は、金型の型閉め状態において、開閉バルブ(13)のスイッチを押している状態となるように構成し、型開き時には、型開きの動作に合わせてスイッチから離反するように構成する。
また、開閉バルブ(13)としては、スイッチが押されている時はバルブを閉じる、即ち、冷却用気体を遮断し、そうでない時には、バルブを開放し、冷却用気体を流路(12)に供給するように設定する。
以上により、型開きの動作に合わせて、冷却用気体が流路(12)に供給されるので、型閉め時、中空円筒形状体(71)の内周面に当接状態にあるロッキングブロック(72)が離反する動作に合わせて、冷却用気体が前記噴射孔より噴出されることとなる。
従って、型開きの動作に合わせて、中空円筒形状体(71)の内周面に向けて冷却用気体が噴出されるので、成形品(M)を一つ製造する度に雄型を冷却することが可能となる。
これにより、連続製造に際して、雄型の熱籠りを防止することが可能となり、成形品(M)の冷却も効率良く行うことが可能となる。
また、ロッキングブロック(72)が中空円筒形状体(71)の内周面より離反すると共に噴射孔より冷却用気体が噴出されるため、中空円筒形状体(71)を構成する雄型単体(711)を外方に向けて規制することが可能となる。
これにより、成形品(M)を成形位置で保持することができるので、成形品の損傷も引き起こすことがない。
尚、噴射孔の配置は、図示においては、正面視左右方向に三つずつ形成されているが、より具体的には、ロッキングブロック(72)の外周面に亘って放射状に形成されている。
但し、この噴射孔の配置は、特に限定されるものではなく、雄型単体(711)の形状等に合わせて種々選定可能である。
次に、本発明に係る射出成形金型装置の他の例について説明を行う。
図4は、本発明に係る射出成形金型装置の他の例を示す図であり、(a)は部分断面正面図であり、(b)は左側面図である。
また、図5は、本発明に係る射出成形金型装置の他の例を示す図であり、(a)は可動型の平面図であり、(b)は固定型の底面図である。
尚、図5中、矢印は、固定型と可動型との境界面を示すためのものであり、上矢印側が固定型を示しており、下矢印側が可動型を示している。
また、図示において、上述した一例と同一構成を有する部位については、同一の符号を付し、説明は省略する。
本発明に係る射出成形金型装置の他の例(以下、射出成形金型装置(S1)と称する)は、成形品(M1)を一度の型閉めで複数(図示においては四つ)製造するものであり、上記一例と同様、固定型(1)と、固定型(1)に対して当接離反可能に配されると共に当接状態において固定型(1)との間にキャビティを形成する可動型(2)とを具備している。
可動型(2)には、成形品(M1)の内周面下部分にあたる第一成形面を有する雄型(17)が上方に向けて配設されている。
この雄型(17)は、可動型(2)と一体配設されて先端部分にあたる第一円柱形状部が可動型(2)の上面より突設する状態となっており、この第一円柱形状部の外周面が上記した第一成形面となる。
固定型(1)は、型閉め時において、上記した雄型(17)の上に載置されて、成形品(M1)の内周面上部分にあたる第二成形面を有する第二の雄型(18)と、雄型(17)及び第二の雄型(18)の外周面より所定量の間隙を設けて、雄型(17)及び第二の雄型(18)を内包する雌型(19)とを具備している。
第二の雄型(18)は、固定型(1)と一体配設されており、先端部分の第二円柱形状部が固定型(1)の底面より下方に向けて突設している。この第二円柱形状部の外周面が、第二成形面となる。
雌型(19)は、固定型と一体配設されており、その内周面が、成形品(M1)の外周面部分となる。
従って、金型の型閉め時において、雄型(17)、第二の雄型(18)及び雌型(19)により、成形品(M1)の成形空間、即ち、キャビティが形成される。
次に、射出成形金型装置(S1)に備えられる雄型(雄型(17)及び第二の雄型(18))の冷却構成について説明する。
雄型(17)には、その平面視略中央に、且つ上下方向に沿って流路(20)が貫通形成されている。
この流路(20)は、雄型(17)の底部より可動型(2)を介して金型外部一側面に通じており、上記一例と同様、可動型(2)正面に配設される開閉バルブ(13)に接続されている。この開閉バルブ(13)は、上記一例と同様に、供給ライン(15)を介してレギュレータ(14)に接続されており、このレギュレータ(14)に図示しない冷却用気体供給手段が接続されている。
尚、固定型(1)には、スイッチング部材(16)が、開閉バルブ(13)の直上に位置するように配設されており、上記一例と同様、金型の型閉め状態においては、開閉バルブ(13)のスイッチを押している状態となるように構成され、型開き時には、型開きの動作に合わせてスイッチから離反するように構成されている。
また、第二の雄型(18)には、その平面視略中央に、且つ上下方向に沿って第二の流路(21)が貫通形成されている。
この第二の流路(21)は、第二の雄型(18)上部より、固定型(1)を介して金型の外部一側面に配される気体排出部(22)と連通している。
ここで、金型の型閉め状態において、流路(18)と第二の流路(21)とは、互いに連通するように構成されており、この状態において、冷却用気体は、両流路(18,21)内に供給されるように構成されている。
即ち、開閉バルブ(13)のスイッチ構成が、上記一例とは逆に構成されており、スイッチが押されている時は、バルブを開放して両流路(18,21)に冷却用気体を供給し、スイッチが離反した時には、バルブを閉じて冷却用気体の供給を遮断するように設定されている。
以上により、金型の型閉め状態においてのみ、冷却用気体は、両流路(18,21)内に供給され、気体排出部(22)より順次排出される。
従って、成形品(M1)の製造の間、即ち、キャビティ内に溶融樹脂を射出してから冷却・固化するまでの間、雄型に冷却用気体を供給し続けることが可能となるので、成形品(M1)の損傷を引き起こすことなく、成形品(M1)を製造の過程において効率良く冷却することができる。
また、成形品(M1)の連続製造に際して、雄型の熱籠りを防止することも可能となる。
以下、実施例を挙げて、本発明に係る射出成形金型装置について説明する。
本実施例においては、上記説明した射出成形金型装置のうち、一例を用いて成形品の連続製造を行うと共にこの際の雄型の温度測定を行い、雄型冷却の有無による温度の比較を行った。
尚、本実施例においては、雄型の冷却用気体として空気(エア)を用いた。
図6は、雄型冷却の有無による温度測定の結果を示す図であり、横軸は時間を示し、縦軸は温度を示している。
図6より、雄型の冷却を行っている場合は、行っていない場合に比して、製造の間、約10℃近く温度が低下している。
また、冷却を行っている場合は、温度の脈動が大きいが、これは、冷却用気体を型開き・型閉めの動作に合わせて供給・遮断を行っているためである。しかも、この方式においては、製造の間、雄型の温度を平均95℃に維持することができているため、経済的であると言える。
以上により、効果的且つ効率良い冷却が為されていると言える。
以上により、本発明に係る射出成形金型装置は、金型が、固定型と、該固定型に対して当接離反可能に配されると共に当接状態において当該固定型との間に前記成形空間を形成する可動型とを具備してなり、前記可動型が、前記成形品の内面部分を成形する雄型を備え、該雄型の内部において当該雄型を冷却する冷却用気体が流れる流路が形成されてなり、前記冷却用気体が、前記固定型と前記可動型との開閉動作に連動して供給若しくは遮断され、前記流路は、前記可動型の一側面に配設される開閉バルブに接続されており、前記可動型の一側面にはレギュレータを介して冷却用気体供給手段が接続されており、前記レギュレータは供給ラインを介して前記開閉バルブへと接続されており、前記固定型には、スイッチング部材が前記開閉バルブのスイッチの直上に配設され、前記スイッチング部材は、金型の型閉め状態において、前記開閉バルブのスイッチを押している状態となるように構成され、型開き時には、型開きの動作に合わせてスイッチから離反するように構成されており、前記開閉バルブは、スイッチが押されている時はバルブを閉じて冷却用気体を遮断し、押されていない時にはバルブを開放して冷却用気体を前記流路に供給するように設定されていることにより、以下の効果を奏する。
即ち、本発明に係る射出成形金型装置は、簡単な構成且つ通常の金型の開閉動作のみの制御で、内面側(雄型)の冷却を効果的に行うことができ、また、成形品の損傷を引き起こすことを防止することも可能となる。
尚、上記においては、円筒状の成形品を例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記構成にて製造可能な形状、例えば、プレート形状の成形品を製造することも当然可能である。
本発明は、精度の要求される成形品を連続製造する射出成形金型装置として好適に利用可能である。
本発明に係る射出成形金型装置の一例を示す図であり、(a)は部分断面正面図であり、(b)は一部省略左側面図である。 本発明に係る射出成形金型装置の一例に備えられる可動型を示す平面図である。 本発明に係る射出成形金型装置の一例において型開きの状態を示す図であり、(a)は部分断面右側面図であり、(b)は(a)の一部拡大図である。 本発明に係る射出成形金型装置の他の例を示す図であり、(a)は部分断面正面図であり、(b)は左側面図である。 本発明に係る射出成形金型装置の他の例を示す図であり、(a)は可動型の平面図であり、(b)は固定型の底面図である。 雄型冷却の有無による温度測定の結果を示す図である。
符号の説明
S,S1 射出成形金型装置
M,M1 成形品
1 固定型
2 可動型
7,17 雄型
71 中空円筒形状体
711 雄型単体
72 ロッキングブロック
12,20 流路
18 第二の雄型
21 第二の流路

Claims (3)

  1. 金型内部に形成される成形空間に溶融樹脂を射出することにより所定形状の成形品を製造する射出成形金型装置であって、
    前記金型が、固定型と、該固定型に対して当接離反可能に配されると共に当接状態において当該固定型との間に前記成形空間を形成する可動型とを具備してなり、
    前記可動型が、前記成形品の内面部分を成形する雄型を備え、
    該雄型の内部において当該雄型を冷却する冷却用気体が流れる流路が形成されてなり、
    前記冷却用気体が、前記固定型と前記可動型との開閉動作に連動して供給若しくは遮断され、
    前記流路は、前記可動型の一側面に配設される開閉バルブに接続されており、前記可動型の一側面にはレギュレータを介して冷却用気体供給手段が接続されており、前記レギュレータは供給ラインを介して前記開閉バルブへと接続されており、
    前記固定型には、スイッチング部材が前記開閉バルブのスイッチの直上に配設され、
    前記スイッチング部材は、金型の型閉め状態において、前記開閉バルブのスイッチを押している状態となるように構成され、型開き時には、型開きの動作に合わせてスイッチから離反するように構成されており、
    前記開閉バルブは、スイッチが押されている時はバルブを閉じて冷却用気体を遮断し、押されていない時にはバルブを開放して冷却用気体を前記流路に供給するように設定されている
    ことを特徴とする射出成形金型装置。
  2. 前記雄型が、内周面が先細りのテーパ面に形成されている中空円筒形状体と、該中空円筒形状体のテーパ面と略同形状の外周面を有すると共に前記固定型と前記可動型との開閉方向に駆動可能、且つ前記固定型と前記可動型が当接している状態において前記テーパ面に当接可能に構成されるロッキングブロックとからなり、
    前記中空円筒形状体が、周方向に複数に分割され中心方向に摺動可能な雄型単体から構成されると共に前記ロッキングブロックが前記テーパ面に当接することにより前記成形品の成形状態を保持してなり、
    前記流路が、前記ロッキングブロック内部中央に形成されると共に前記ロッキングブロック外周面先端部に配された複数の噴射孔と連通されてなり、
    前記冷却用気体が、前記固定型と前記可動型との離反動作に応じて供給され、前記ロッキングブロックが中空円筒形状体内周面より離反すると共に前記噴射孔から前記中空円筒形状体内面に向けて噴出されることを特徴とする請求項1記載の射出成形金型装置。
  3. 前記固定型が、前記成形品の内面部分を成形する第二の雄型を更に備え、
    該第二の雄型の内部において当該第二の雄型を冷却する冷却用気体が流れる第二の流路が形成されてなり、
    前記固定型と前記可動型とが当接している状態において、前記流路と前記第二の流路が連通してなると共に冷却用気体が供給されることを特徴とする請求項1記載の射出成形金型装置。
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