JP4473987B2 - 共焦点顕微鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料からの透過光又は反射光を用いて、試料の共焦点画像や高さ分布等の情報を得、画面上に表示する共焦点顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
共焦点顕微鏡では、光源からの光(例えばレーザ光)が試料に照射され、その透過光又は反射光が共焦点光学系を介して受光素子で受光され、その受光量に基づいて、試料の共焦点画像又は高さ分布が取得される。例えば、試料を載置したステージを光軸方向に移動させると、共焦点光学系を介して受光素子に入射する光の量、すなわち受光量が変化し、試料の表面にピントが合ったときに受光量が最大となる。
【0003】
したがって、最大受光量が得られるときのステージの位置情報から試料の表面の光軸方向での位置が算出され、試料の表面を光で走査することによって試料の表面の高さ分布が得られる。高さ分布は、三次元表示によって画面上に表示され、または、高さ情報を輝度情報に置き換えて二次元表示される。また、試料表面の各点(画素)の最大受光量を輝度情報として輝度信号を生成すれば、表面高さの異なる各点でピントの合った白黒画像、すなわち、焦点深度の深い共焦点画像が得られる。このような共焦点顕微鏡によって得られる試料の表面の高さ分布や共焦点画像を試料の面情報ということにする。
【0004】
試料の面情報の他の例として、任意の注目画素で最大受光量が得られるようにステージの光軸方向位置を固定したときに得られる焦点深度の極端に浅い共焦点画像がある。つまり、注目画素と同じ高さの部分のみが明るく、その周辺で急激に暗くなる画像である。また、通常の非共焦点光学系で得られる試料表面のカラー画像と上記の共焦点画像とを合成することにより、各画像でピントのあったカラー画像を得ることも可能である。
【0005】
なお、試料の光軸方向での相対位置を変化させる方法として、試料を載置したステージを光軸方向に移動させる代わりに、対物レンズの位置又は焦点を変化させてもよい。また、試料の光軸方向での相対位置の変化(Z方向走査)と、光による試料表面の走査(XY方向の走査)は互いに同期するように行われるが、その順番に関しては、いずれを主走査としてもよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような共焦点顕微鏡は、試料の光反射率が極端に高い場合、又は低い場合は試料の面情報を正確に得ることができないという弱点を有する。その理由を以下に述べる。
【0007】
試料の光反射率が適当である場合は、XY方向の走査範囲内の各点(画素)について、図1に示すようなZ方向位置に関する受光量の分布が得られる。この場合は、最大受光量とそのときのZ方向位置(高さ情報)をほぼ正確に求めることができる。例えば、図1において横軸のZ方向位置が左から右へ変化していくときに、縦軸の受光量のデータがZ方向位置のデータと共にピークホールドメモリに記憶される。最大受光量(ピーク値)を過ぎれば受光量のデータもZ方向位置のデータも更新されない。したがって、所定範囲の走査が完了したときに、ピークホールドメモリには各画素の最大受光量とそれに対応するZ方向位置のデータが記憶されていることになる。
【0008】
しかしながら、例えば鏡面のように光反射率が極端に高い箇所が試料表面の一部に存在する場合に、その部分での受光量が測定可能な最大受光量を超えてしまうことがある。この場合、その箇所の画素について得られるZ方向位置に関する受光量の分布は図2に示すようになる。つまり、Z方向位置がZ1からZ2までの範囲では受光量が測定可能最大レベルLmaxに飽和してしまう。したがって、最大受光量が得られるときのZ方向位置を特定することができない。上述のピークホールドメモリを用いる方法では、所定範囲の走査が完了したときに、最大受光量に対応するZ方向位置のデータとして、Z1に相当するデータがピークホールドメモリに記憶されていることになる。つまり、実際の高さ情報に対応するZ方向位置Ztから誤差ΔZだけずれた位置Z1を高さ情報に対応するZ方向位置と誤認してしまうことになる。
【0009】
また、逆に試料の材質や表面粗さ等の条件によっては、光反射率が極端に低い箇所が試料表面の一部に存在する場合がある。この場合、その箇所の画素について得られるZ方向位置に関する受光量の分布は例えば図3に示すようになる。このように、得られた受光量が非常に小さい場合は、ノイズレベルに埋もれてしまうので、やはり最大受光量が得られるときのZ方向位置を特定することが困難である。
【0010】
通常、共焦点顕微鏡は、受光量が適当な範囲内に入るように受光感度や光源の光量を調節する機能を有している。しかし、このような調節は、試料毎の光反射率の違いを吸収するためのものであり、上記のように試料の一部に極端に光反射率が高い箇所又は低い箇所が存在する場合には対応することができない。
【0011】
従来は、共焦点光学系によって測定され、画面上に表示された面情報に関して、上記のような理由により真の情報ではない箇所があっても、それを直接的かつ視覚的に知ることができなかった。
【0012】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、試料の一部に極端に光反射率が高い箇所又は低い箇所が存在する場合に、その箇所を直接的かつ視覚的に表示することができる共焦点顕微鏡を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光源からの光で試料を走査し、試料からの反射光又は透過光を受光素子で受光し、その受光量に基づいて試料の面情報を得、その面情報を画面上に表示する共焦点顕微鏡において、前記光源と前記受光素子と対物レンズを含む共焦点光学系と、前記共焦点光学系と共用の前記対物レンズを含みカラー画像を得るための非共焦点光学系と、前記対物レンズの焦点と試料との光軸方向での相対距離を変化させて、走査範囲内の各点で前記共焦点光学系の前記受光量が最大となるときの前記相対距離を高さとして求めて、該高さの分布を前記画面上に表示される前記面情報として得るとともに、前記各点における前記共焦点光学系の最大受光量を輝度データとして輝度信号を生成し、表面高さの異なる各点でピントの合った共焦点画像を前記画面上に表示される前記面情報として得る手段と、前記共焦点画像と前記非共焦点光学系により得られたカラー画像とを組み合わせてカラー共焦点画像を前記画面上に表示される前記面情報として生成する手段と、を備え、前記共焦点顕微鏡は、前記受光量が第1しきい値より高い箇所及び第2しきい値より低い箇所を示す表示を前記面情報の表示に重ねて特定の色で表示することを特徴とする。
【0014】
これにより、試料の一部に極端に光反射率が高い箇所又は低い箇所が存在することにより、画面上に表示された面情報の中に真の情報ではない箇所があり得る場合に、その箇所を直接的かつ視覚的に表示することができる。画面上に表示される面情報は、各画素でピントが合った白黒画像、カラー画像の他、高さ情報の分布を三次元表示したもの、高さ情報を輝度情報に置き換えて二次元表示したもの等、種々の面情報でよい。
【0015】
また、受光量が第1しきい値より高い箇所(画素)を赤色、第2しきい値より低い箇所を青色といった具合に、特定の色で表示することが好ましい。更に、第1しきい値及び第2しきい値のうちの少なくとも一方が変更可能であることが好ましい。特に、第2しきい値は、測定結果に影響を与えるノイズレベルに応じて可変であることが望ましい。
【0016】
具体的な実施形態として、試料の表面の各点に相当する各画素でピントが合った共焦点画像が画面上に表示されると共に、受光量に対応する画素数の度数分布がグラフ(例えばヒストグラム)で表示され、グラフ上で設定したしきい値に基づいて、受光量が第1しきい値より高い箇所又は第2しきい値より低い箇所を特定の色で共焦点画像に重ねて表示することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図4に、本発明に係る共焦点顕微鏡の概略構成を示す。本発明の共焦点顕微鏡は、共焦点光学系1と、非共焦点光学系2とを備えている。
【0019】
まず、共焦点光学系1について説明する。共焦点光学系1は、試料wに単色光(例えばレーザ光)を照射するための光源10、第1コリメートレンズ11、偏光ビームスプリッタ12、1/4波長板13、水平偏向装置14a、垂直偏向装置14b、第1リレーレンズ15、第2リレーレンズ16、対物レンズ17、結像レンズ18、ピンホール板PH、第1受光素子19等を含んでいる。
【0020】
光源10には、例えば赤色レーザ光を発する半導体レーザが用いられる。レーザ駆動回路44によって駆動される光源10から出たレーザ光は、第1コリメートレンズ11を通り、偏光ビームスプリッタ12で光路を曲げられ、1/4波長板13を通過する。この後、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって水平(横)方向及び垂直(縦)方向に偏向された後、第1リレーレンズ15及び第2リレーレンズ16を通過し、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wの表面に集光される。
【0021】
水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bは、それぞれガルバノミラーで構成され、レーザ光を水平及び垂直方向に偏向させることにより、試料wの表面をレーザ光で走査する。説明の便宜上、水平方向をX方向、垂直方向をY方向ということにする。試料ステージ30は、ステージ制御回路40によりZ方向(光軸方向)に駆動される。これにより、対物レンズ17の焦点と試料wとの光軸方向での相対位置を変化させることができる。
【0022】
ただし、対物レンズ17の焦点と試料wとの光軸方向での相対位置は、他の方法で変化させることもできる。例えば、試料ステージ30の位置は固定とし、対物レンズ17をZ軸方向に駆動することにより、その焦点を変化させてもよい。あるいは、対物レンズ17と試料wとの間に屈折率が変化するレンズを挿入することにより、対物レンズ17の焦点を変化させる構成も可能である。なお、試料ステージ30は、大まかな位置合わせのために、手動操作によってX方向及びY方向に変位可能である。
【0023】
試料wで反射されたレーザ光は、上記の光路を逆に辿る。すなわち、対物レンズ17、第2リレーレンズ16及び第1リレーレンズ15を通り、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bを介して1/4波長板13を再び通る。この結果、レーザ光は偏光ビームスプリッタ12を透過し、結像レンズ18によって集光される。集光されたレーザ光は、結像レンズ18の焦点位置に配置されたピンホール板PHのピンホールを通過して第1受光素子19に入射する。第1受光素子19は、例えばフォトマルチプライヤ又はフォトダイオードで構成され、受光量を電気信号に変換する。受光量に相当する電気信号は、出力アンプ及びゲイン制御回路(図示せず)を介して第1A/Dコンバータ41に与えられ、ディジタル値に変換される。
【0024】
上記のような構成の共焦点光学系1により、試料wの高さ(深さ)情報を得ることができる。以下に、その原理を簡単に説明する。
【0025】
上述のように、試料ステージ30がステージ制御回路40によってZ方向(光軸方向)に駆動されると、対物レンズ17の焦点と試料wとの光軸方向での相対距離が変化する。そして、対物レンズ17の焦点が試料wの表面(被測定面)に結ばれたときに、試料wの表面で反射されたレーザ光は上記の光路を経て結像レンズ18で集光され、ほとんどすべてのレーザ光がピンホール板PHのピンホールを通過する。したがって、このときに、第1受光素子19の受光量が最大になる。逆に、対物レンズ17の焦点が試料wの表面(被測定面)からずれている状態では、結像レンズ18によって集光されたレーザ光はピンホール板PHからずれた位置に焦点を結ぶので、一部のレーザ光しかピンホールを通過することができない。その結果、第1受光素子19の受光量は著しく低下する。
【0026】
したがって、試料wの表面の任意の点について、試料ステージ30をZ方向(光軸方向)に駆動しながら第1受光素子19の受光量を検出すれば、その受光量が最大になるときの試料ステージ30のZ方向位置(対物レンズ17の焦点と試料wとの光軸方向での相対位置)を高さ情報として一義的に求めることができる。
【0027】
実際には、試料ステージ30を1ステップ移動するたびに水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって試料wの表面を走査して第1受光素子19の受光量を得る。試料ステージ30を測定範囲の下端から上端までZ方向に移動させたとき、走査範囲内の複数の点(画素)について、図1に示したようにZ方向位置に応じて変化する受光量データが得られる。この受光量データに基づいて、最大受光量とそのときのZ方向位置が各点(画素)ごとに得られる。したがって、試料wの表面高さのXY平面での分布が得られる。この処理は、マイクロコンピュータを用いた処理装置46によって実行される。
【0028】
得られた表面高さの分布は、いくつかの方法で表示装置47のモニタ画面に表示することができる。例えば3次元表示によって試料の高さ分布(表面形状)を立体的に表示することができる。あるいは、高さデータを輝度データに変換することにより、明るさの二次元分布として表示できる。高さデータを色差データに変換することにより、高さの分布を色の分布として表示してもよい。
【0029】
また、XY走査範囲内の各点(画素)について得られた受光量を輝度データとする輝度信号から、試料wの表面画像(白黒画像)が得られる。各画素における最大受光量を輝度データとして輝度信号を生成すれば、表面高さの異なる各点でピントの合った被写界深度の非常に深い共焦点画像が得られる。また、任意の注目画素で最大受光量が得られた高さ(Z方向位置)に固定した場合は、注目画素の部分と高低差が大きい部分の画素の受光量は著しく小さくなるので、注目画素と同じ高さの部分のみが明るい画像が得られる。
【0030】
つぎに、非共焦点光学系2について説明する。非共焦点光学系2は、試料wに白色光(カラー画像撮影用の照明光)を照射するための白色光源20、第2コリメートレンズ21、第1ハーフミラー22、第2ハーフミラー23、第2受光素子としてのカラーCCD24等を含んでいる。また、非共焦点光学系2は共焦点光学系1の対物レンズ17を共用し、両光学系1,2の光軸は一致している。
【0031】
白色光源20には例えば白色ランプが用いられるが、特に専用の光源を設けず、自然光又は室内光を利用してもよい。白色光源20から出た白色光は、第2コリメートレンズ21を通り、第1ハーフミラー22で光路を曲げられ、対物レンズ17によって試料ステージ30上に置かれた試料wの表面に集光される。
【0032】
試料wで反射された白色光は、対物レンズ17、第1ハーフミラー22、第2リレーレンズ16を通過し、第2ハーフミラー23で反射されてカラーCCD24に入射して結像する。カラーCCD24は、共焦点光学系1のピンホール板PHのピンホールと共役又は共役に近い位置に設けられている。カラーCCD24で撮像されたカラー画像は、CCD駆動回路43によって読み出され、そのアナログ出力信号は第2A/Dコンバータ42に与えられ、ディジタル値に変換される。このようにして得られたカラー画像は、試料wの観察用の拡大カラー画像として表示装置47のモニタ画面に表示される。
【0033】
また、共焦点光学系1で得られた被写界深度の深い共焦点画像と非共焦点光学系2で得られた通常のカラー画像とを組み合わせて、すべての画素でピントの合った被写界深度の深いカラー共焦点画像を生成し、表示することもできる。例えば、非共焦点光学系2で得られたカラー画像を構成する輝度信号を共焦点光学系1で得られた共焦点画像の輝度信号で置き換えることにより、簡易的にカラー共焦点画像を生成することができる。
【0034】
本実施形態の共焦点顕微鏡は、上記のようにして得られた共焦点画像や高さ分布のような試料の面情報を表示装置47に表示する際に、受光量がしきい値より低い箇所がある場合、又は受光量がしきい値より高い箇所がある場合に、その箇所を面情報の表示に重ねて表示する機能を有する。この機能によれば、最大受光量が測定可能最大レベルに飽和している箇所(画素)、又は逆に最大受光量がノイズレベルに埋もれてしまっている箇所(画素)を画面上に表示された面情報で直接的に知ることができる。このような箇所の面情報は大きい誤差を含んでおり、真の情報ではない可能性が高い。
【0035】
図5は、表示装置47に表示される面情報等の一例を簡略化したものを示している。画面50の下部には、測定の結果得られた面情報であるカラー共焦点画像51、白黒共焦点画像52、及び高さ分布画像(高さデータを輝度データに置き換えた画像)53が縮小表示(サムネイル表示)で表示されている。これら3つの画像のうちの選択された1つがメイン表示部54に拡大表示される。図5の例では、カラー共焦点画像51が選択され、メイン表示部54として表示されている。なお、この表示例は半導体チップ(マイクロプロセッサ)を試料として測定した画像を想定している。
【0036】
画面50の右側部には、受光量に対応する画素数の度数分布の表示(以下、ヒストグラム表示という)55を含むしきい値設定用ウィンドウ56が表示されている。ヒストグラム表示55は、縦軸に8ビットの受光量レベル(0〜255)をとり、横軸に画素数をとって、各受光量に対応する画素数の度数分布を表示したものである。つまり、0〜255の受光量レベルを例えば1レベル毎のクラスに分け、各クラスに属する画素数を表示したヒストグラムに相当する。
【0037】
上記のヒストグラム表示55から、オペレータは、測定中の試料の各画素の受光量の分布(ばらつき)を視覚的に把握することができる。そして、オペレータは、ヒストグラム表示55を参考にして、第1しきい値BCL及び第2しきい値DCLを設定する。例えば、図4の操作パネル48を用いて、それぞれの設定ボックス57及び58内に0〜255の数値を設定することにより、第1しきい値BCL及び第2しきい値DCLを設定する。設定された第1しきい値BCL及び第2しきい値DCLは、ヒストグラム表示55に横線59,60として表示される。
【0038】
第1しきい値BCLは、通常は測定可能最大レベル(例えば8ビットの場合の255)より1だけ小さい値(例えば254)に設定される。また、第2しきい値DCLは、測定結果に影響するノイズレベルを考慮して、通常のノイズレベルより大きい値、例えば10に設定される。
【0039】
第1しきい値BCL及び第2しきい値DCLの設定ボックス57及び58の下には、色設定ボックス61,62がそれぞれ設けられている。例えば第1しきい値BCLの色設定ボックス61に赤色が設定されていると、メイン表示部54に表示された画像のうち、設定ボックス57に設定された第1しきい値BCL(例えば254)より高い受光量レベル(例えば255)の画素が赤色に着色される。同様に、第2しきい値DCLの色設定ボックス62に青色が設定されていると、メイン表示部54に表示された画像のうち、設定ボックス58に設定された第2しきい値DCL(例えば10)より低い受光量レベルの画素が青色に着色される。
【0040】
図5で着色された画素を示すことは困難であるが、例えば、パターン63のほとんどの部分が青色に着色される。通常は、第1しきい値BCLより高い受光量レベルの画素及び第2しきい値DCLより低い受光量レベルの画素が点状に着色(例えば赤色及び青色)されてメイン表示部54の画像に重畳表示されることになる。
【0041】
図6は、共焦点光学系による面情報の取得から、上記の着色表示に至る処理装置46を中心とした処理の流れを示すフローチャートである。まず、ステップ#101において、測定領域の指定を行う。つまり、図4の操作パネル48を用いて、光軸方向に試料ステージ30を移動させる範囲(Z方向走査範囲)と試料wの表面をレーザ光で走査する範囲(XY走査範囲)を指定する。
【0042】
測定領域が指定され、試料ステージ30の位置が上端に初期化された後、水平偏向装置14a及び垂直偏向装置14bによって、試料wの表面の指定されたXY走査範囲を走査するように、レーザ光がXY方向に偏向される(ステップ#102)。
【0043】
マイクロコンピュータで構成された処理装置46は、XY走査範囲内の各画素の受光量及びZ方向位置(高さ)をメモリに記憶する(ステップ#103)。各画素の受光量は、前述のように、第1受光素子19からの信号を第1A/Dコンバータ41でディジタル値に変換したデータである。
【0044】
つぎに、試料ステージ30を1ピッチ(1ステップ)下降させ(ステップ#104)、再び試料wのXY走査範囲をレーザ光で走査する(ステップ#105)。処理装置46は、このときに得られる各画素の新たな受光量データを、メモリに記憶されている各画素の光量データと比較する(ステップ#106)。新たな受光量が記憶されている光量より大きければ、受光量及びZ方向位置の記憶データを更新する(ステップ#107)。新たな受光量が記憶光量より小さい場合は何もせずにステップ#108に進む。
【0045】
ステップ#108において、処理装置46は、試料ステージ30のZ方向位置を測定範囲の下端位置と比較する。下端位置より低ければステップ#104に戻る。こうして、試料ステージ30のZ方向位置がステップ#101で設定したZ方向走査範囲の下端位置に達するまで、ステップ#104〜#108の処理を繰り返す。
【0046】
試料ステージ30のZ方向位置がZ方向走査範囲の下端位置に達した時点で、メモリには、XY走査範囲内の各画素について、最大受光量とそのときのZ方向位置のデータが記憶されている。前述のように、各画素の最大受光量を各画素の輝度データとして輝度信号を生成すれば、各画素でピントの合った白黒共焦点画像が得られる。また、非共焦点光学系2から得られたカラー画像信号と白黒共焦点画像とを合成することにより、被写界深度の深いカラー共焦点画像が得られる。あるいは、高さデータ(最大受光量に対応するのZ方向位置)を輝度データに置き換えれば、高さデータのXY分布を明るさのXY分布に置き換えた画像が得られる。
【0047】
このようにして得られた共焦点画像や高さ分布等の面情報は、ステップ#109において、図5に示したように、表示装置47のモニタ画面に表示される。この後、第1しきい値BCLを設定する(ステップ#110)と、図5のメイン表示部54において、第1しきい値BCLより高い受光量レベルの画素が赤色に着色される(ステップ#111)。更に、第2しきい値DCLを設定する(ステップ#112)と、第2しきい値DCLより低い受光量レベルの画素が青色に着色される(ステップ#113)。
【0048】
なお、上記実施形態において、第1しきい値BCLより高い受光量レベルの画素、及び第2しきい値DCLより低い受光量レベルの画素の着色表示は、メイン表示部54に白黒共焦点画像52又は高さ分布画像53を表示している場合も行うことができる。また、上記実施形態の図5には含まれていないが、高さ分布を三次元表示によって立体的な表面形状として表示する場合にも、上記の着色表示を行うことができる。3次元表示の場合は、試料の表面部分に相当する各画素が試料のXY走査範囲内の各画素と対応付けられているので、上記の着色表示を試料の表面部分に相当する各画素に施すことが可能である。その他、カラースライス画像、白黒スライス画像、カラーピーク画像等、種々の画像表示において本発明を適用し、しきい値より高い受光量レベル又は低い受光量レベルの箇所を着色表示することが可能である。
【0049】
また、第1しきい値BCLより高い受光量レベルの箇所、及び第2しきい値DCLより低い受光量レベルの箇所を区別可能なように面情報に重ねて表示する方法は、上記のような画素単位での着色に限らない。例えば、カラー共焦点画像に重ねる場合は、無彩色による区別が可能である。また、丸印のようなマークを用いて表示することも可能である。
【0050】
その他、本発明は、種々の変形例又は形態による実施が可能である。例えば、光による試料の走査は、水平偏向及び垂直偏向による二次元走査に限らず、種々の走査方法が提案されている。例えば、シリンドリカルレンズを用いてX方向に細長い光(スリット光)を生成し、これをY方向に偏向すれば、二次元走査が可能である。
【0051】
また、上記の実施形態の共焦点顕微鏡は反射型の顕微鏡であるが、透過型の共焦点顕微鏡にも本発明を適用することができる。透過型の顕微鏡の場合は、試料の裏面から共焦点光学系のレーザ光及び非共焦点光学系の白色光が照射される。共焦点光学系の光源はレーザ光源を含む単色光源はもちろんのこと、複数波長を含むものであってもよい。非共焦点光学系の光源は自然光又は室内光で代用することもできる。
【0052】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の共焦点顕微鏡によれば、試料の一部に極端に光反射率が高い箇所又は低い箇所が存在する場合に、その箇所を直接的かつ視覚的に表示することができる。したがって、オペレータは、共焦点顕微鏡で得られた共焦点画像や高さ分布等の面情報の信頼性を的確に把握することができると共に、信頼性の低い部分を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の共焦点顕微鏡におけるZ方向(光軸方向)位置に関する受光量の分布を示すグラフである。
【図2】光反射率が極端に高い箇所が試料表面の一部に存在する場合に、その部分におけるZ方向位置に関する受光量の分布を示すグラフである。
【図3】光反射率が極端に低い箇所が試料表面の一部に存在する場合に、その部分におけるZ方向位置に関する受光量の分布を示すグラフである。
【図4】本発明に係る共焦点顕微鏡の概略構成を示すブロック図である。
【図5】共焦点顕微鏡の表示装置に表示される面情報等の一例を簡略化して示す図である。
【図6】共焦点光学系による面情報の取得から所定画素の着色表示に至る処理装置を中心とした処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 光源
19 受光素子
47 表示装置
46 処理装置
50 画面
54 面情報の表示
55 受光量に対応する画素数の度数分布を示すグラフ表示
57 第1しきい値
58 第2しきい値
61,62 色設定ボックス
w 試料
Claims (5)
- 光源からの光で試料を走査し、前記試料からの反射光又は透過光を受光素子で受光し、その受光量に基づいて前記試料の面情報を得、前記面情報を画面上に表示する共焦点顕微鏡であって、
前記光源と前記受光素子と対物レンズを含む共焦点光学系と、
前記共焦点光学系と共用の前記対物レンズを含みカラー画像を得るための非共焦点光学系と、
前記対物レンズの焦点と試料との光軸方向での相対距離を変化させて、走査範囲内の各点で前記共焦点光学系の前記受光量が最大となるときの前記相対距離を高さとして求めて、該高さの分布を前記画面上に表示される前記面情報として得るとともに、前記各点における前記共焦点光学系の最大受光量を輝度データとして輝度信号を生成し、表面高さの異なる各点でピントの合った共焦点画像を前記画面上に表示される前記面情報として得る手段と、
前記共焦点画像と前記非共焦点光学系により得られたカラー画像とを組み合わせてカラー共焦点画像を前記画面上に表示される前記面情報として生成する手段と、を備え、
前記共焦点顕微鏡は、前記受光量が第1しきい値より高い箇所及び第2しきい値より低い箇所を示す表示を前記面情報の表示に重ねて特定の色で表示することを特徴とする共焦点顕微鏡。 - 前記共焦点顕微鏡は、前記第1しきい値及び第2しきい値のうちの少なくとも一方が変更可能である請求項1記載の共焦点顕微鏡。
- 前記共焦点顕微鏡は、前記受光量に対応する画素数の度数分布がグラフで表示され、前記グラフ上で設定した前記第1しきい値及び第2しきい値に基づいて、前記受光量が第1しきい値より高い箇所及び第2しきい値より低い箇所を特定の色で前記面情報の表示に重ねて表示する請求項1記載の共焦点顕微鏡。
- 前記共焦点顕微鏡は、前記高さ分布、前記共焦点画像及び前記カラー共焦点画像の中から選択された画像に前記受光量が第1しきい値より高い箇所及び第2しきい値より低い箇所を示す表示を特定の色で重畳表示する請求項1記載の共焦点顕微鏡。
- 前記共焦点顕微鏡は、前記選択された画像とは別に、前記高さ分布、前記共焦点画像及び前記カラー共焦点画像をサムネイル表示で並べて表示する請求項4記載の共焦点顕微鏡。
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