JP4467982B2 - 画像化システムの収差を確定するための方法およびシステムと、この方法で使用するためのテストオブジェクトおよび検出器 - Google Patents

画像化システムの収差を確定するための方法およびシステムと、この方法で使用するためのテストオブジェクトおよび検出器 Download PDF

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Description

本発明は、光学画像化システムの収差を確定する方法であって、当該方法が、
− テストオブジェクトを前記画像化システムの物体面に配置するステップと、
− 多数のテストオブジェクト画像を前記画像化システムと画像化ビームとによって形成するステップであって、各テストオブジェクト画像が、前記画像化システムの異なる焦点状態で形成される、前記ステップと、
− 前記画像化システムの分解能よりも大きい分解能を有する検出デバイスによって、前記テストオブジェクト画像を検出するステップと、
− 前記検出デバイスの出力信号を分析して、前記収差の異なる収差項の値を確定するステップと、
を有する、方法に関する。
本発明は、前記方法を実行するためのシステムと、前記方法で使用するためのテストオブジェクトと、リソグラフィー投影装置と、デバイスを製造するための方法にも関する。
画像化システムの分解能は、線や点などのオブジェクトの形状を、画像において個別の実体として再現するシステムの能力を意味するものと理解される。システムの分解能が高いほど、オブジェクト特性間の分解可能な距離は、小さくなる。
光学画像化システムは、屈折素子または反射素子、または両方の組み合わせを有することができる。ウェハステッパまたはウェハステップアンドスキャナ(wafer step-and-scanner)として知られているフォトリソグラフィー投影装置には、多数のレンズまたはミラーを持つ、投影システムの形態での光学画像化システムが使用されている。このような装置は、特に、集積回路、すなわちICの製造に使用されている。フォトリソグラフィー投影装置においては、製造マスク内に存在する製造マスクパターンが、毎回、基板の上のレジスト層の異なる領域(IC領域、ショット領域、またはダイとも呼ばれる)上に、何度も画像化される。画像化は、投影システムと、紫外線範囲内の波長(例:365 nm)、または極紫外線範囲内の波長(例:248 nm、193 nm、または157 nm)を持つ投影ビームとによって実行される。
IC製造技術における目的は、IC内の数が増え続けている電子コンポーネントを集積化することである。これを達成するためには、ICの表面領域を増大させることと、コンポーネントの大きさを低減させることが望ましい。投影システムの場合には、このことは、ますます小さくなる微細形状、すなわち線幅を、ますます大きくなる画像フィールド(image field)に、明確に定義された方法で画像化することができるように、画像フィールドと分解能の両方を大きくする必要があることを意味する。この目的のため、投影システムは、非常に厳しい品質条件を満たすことが必要とされる。このような投影システムは、細心の注意を払って設計されかつ高い精度で製造されているにもかかわらず、依然として、球面収差、コマ収差、非点収差などの収差を示すことがある。これらの収差は予測される用途の場合には許容される。従って、実際には、リソグラフィー投影システムは理想的なシステムではなく、収差の影響を受ける。収差は、画像フィールド内の位置に依存し、画像フィールド全体にわたって起こる画像化された線幅の変動の重要な原因である。例えば、特許文献1に説明されているような位相シフトマスクの使用など、リソグラフィー投影装置の分解能を高めるための特定の技術が使用されているとき、あるいは、例えば、特許文献2に説明されているようなオフアクシス照射(off-axis illumination)が適用されているときには、画像化される線幅に対する収差の影響が増す。
さらに、最近のリソグラフィー投影システムにおいては、収差は一定ではない。これらのシステムは、歪曲、像面湾曲、非点収差、コマ収差、球面収差などの低次収差を最小にするため、1つまたは複数の制御可動式レンズコンポーネントまたはミラーコンポーネントを有する。同じ目的のため、投影ビームの波長、またはマスクテーブルの高さを調整可能としてもよい。これらの調整機能が使用されている場合、上記以外のこれより小さい高次収差が生じることがある。さらに、投影ビームの強度はできるだけ大きくなければならないため、リソグラフィー投影システムはエージングの影響を受け、収差の程度が時間と共に変化してしまう
上述した考察に基づき、収差を測定する信頼性の高い正確な方法の必要性が増している。製造現場で補正を行うことができる最近のリソグラフィー投影システムの場合には、このような測定の結果を使用して、そのような収差に対して投影レンズを補正することができる。
Franz Zachらによる論文「減衰型位相シフトマスク上の孤立したコンタクトホールの再構築された空中像を使用した収差の分析(Aberration Analysis using Reconstructed Aerial Images of Isolated Contacts on Attenuated Phase Shift Masks)」(Proceedings of Spie、Vol.4346、Optical microlithography XIV (2001)、p.1362〜1368)は、本文書の冒頭の段落に説明されている方法を開示している。この論文の方法によると、位相シフトマスク内の寸法の異なるそれぞれ孤立したコンタクトホールが、レジスト層に画像化される。二重露光技術を使用して、画像が再構築される。すなわち、均一な背景露光の上に、コンタクトホールの1回の露光が重ね合わされる。実験では、1回ごとに背景照射線量をその前の線量よりわずかに高くして(いわゆる、Dose to Clearまで)、20枚のレジスト画像が使用された。背景照射は、減衰型位相シフトマスクの透過特性の結果である。結果的に得られるレジストの画像は、デジタル画像取得/保存機能を持つ走査型電子顕微鏡(SEM)によって得られる。その後、後からこれらの画像が分析される。汎用のデータ分析ソフトウェアパッケージに組み込まれた適切なしきい値アルゴリズムが、保存された画像に適用されて、一連の画像の強度等深線が得られる。これらの値から、観察された画像の、従って投影システムの、収差項のタイプと大きさを表すゼルニケ項が導かれ
この公知の方法においては、測定は、コンタクトホールの画像の中心領域、特に、コンタクトホール画像の第一サイドローブに集中している。第一サイドローブの位置における輪の画像強度が画像から取り出されて、そのフーリエ成分について分析される。その結果のフーリエ多項式の絶対較正は、これらに対してレチクルの減衰部分の既知の透過率を参照することによって行われる。高次のゼルニケ項と低次のゼルニケ項とを「スルーフォーカス」測定によって分けることが提案されている。この「スルーフォーカス」測定では、同じオブジェクト(コンタクトホール)の多くの画像が異なる焦点条件において形成される。画像領域の中央部分のみが観察されるため、スルーフォーカスの範囲は小さく、中心から離れた距離に現れる強度に影響する収差観察することができない。さらに、この論文において明示的に述べられているように、この公知の方法は、球面収差のように回転対称の収差の測定には適していない。
本発明の目的は、公知の方法では測定出来ない収差も測定することができる、収差測定方法を提供することである。この方法は、
− 前記テストオブジェクトを配置する前記ステップが、前記画像化システムの前記分解能と比較して小さい大きさを有する少なくとも1つのテストオブジェクト特性を含めるステップを有することと、
− 前記テストオブジェクト画像を検出する前記ステップが、テストオブジェクト特性のすべての画像について、そのテストオブジェクト特性に関連付けられる画像平面領域全体にわたる強度プロファイルを検出するステップを有し、当該画像平面領域が、前記テストオブジェクト特性の前記画像のエアリー分布の第一輪よりも実質的に大きいことと、
− 分析する前記ステップが、前記異なる収差項の結果としての点広がり関数の動径部分を含んでいる少なくとも一組の等式を解いて、これらの収差項を取得するステップを有すること、
を特徴とする。
この新しい方法は、最も単純かつ基本的なテストパターン、例えば、暗視野バイナリマスク(dark field binary mask)における孤立した透明な穴を使用する。穴の直径が十分に小さい、すなわち画像化システムの分解能と比較して小さい場合、穴の画像は、画像化システムの点広がり関数に近似したものとなる。スルーフォーカスによってマスクを露光することは、点広がり関数の強度が3次元で測定されることを意味する。点広がり関数は、画像化システムの特性を十分に示し、かつ低次と高次の両方の収差に関する情報を含んでいる。
この方法は、新規の分析アルゴリズムを使用する。このアルゴリズムの重要な特徴は、収差項に関連付けられる点広がり関数の動径部分(radial parts)の集合を包含し、かつ、上述の一連の等式を提供する、新規の関数である。解く必要がある等式が一組であるか二組であるかは、収差の大きさと、テスト特性の大きさおよび画像化システムの開口数などの画像化条件とに依存する。収差が小さく、かつテスト特性の大きさが小さいときには、解くべき等式は一組のみである。テスト特性のサイズと開口数が大きいときには、二組の等式を解く必要がある。
テストオブジェクト特性は、デルタテスト特性とすることができる。このような形状は、電磁放射線のビーム(光ビーム)による照射時に、位置の関数としての電界ベクトルが鋭いピークを示す電磁界を形成する形状を意味するものと理解される。例えば、不透明な層における非常に小さな開口は、このようなオブジェクトを構成する。このような開口は無限に小さい開口であれば測定には理想的であるが、開口は、検出可能な画像を形成するのに十分な光を透過させる必要があるため、最小限の大きさを持つ必要がある。実際には、画像化システムの分解能に相当する大きさよりも実質的に小さい大きさの開口が使用される。この大きさ、すなわち丸い開口の直径は、例えば、λ/(2NA)より小さく、例えば、λ/(3NA)である。この式で、λは画像化ビームの波長であり、NAは画像化システムの開口数である。例えば、λ= 193 nm、NA = 0.6の場合、開口の直径は100 nmのオーダーである。
この新しい方法によると、スルーフォーカス測定の結果としてのデータ量全体、すなわち極座標rおよびθと焦点zの関数としての画像強度、すなわちI(r, θ, z)が取り込まれかつ分析され画像化装置の収差のゼルニケ項が導かれる。引用論文においては、そこに説明されている方法の欠点は、背景線量と焦点条件とが異なる多数のSEM画像に起因して、処理されるデータ量がかなり大きいことであることが、述べられている。本発明の方法においては、データ量が大きいことは問題ではない。なぜなら、測定された強度から収差を計算するための分析アルゴリズム、本発明によって開発された新しいアルゴリズムを使用することができるためである。
さらに、この新しい方法によると、各画像について、画像化される開口からの放射線が到着する画像領域全体にわたり、従って画像の中心から相対的に離れた距離においても、すなわち大きなr値に対しても、強度が測定される。このことにより、画像の中心から大きい距離に放射線(以下、高次の放射線と呼ぶ)を生成する、高次のゼルニケ項を測定することができる。高次の収差によって生成される望ましくない放射線は、迷放射線に類似する性質を持つので、迷放射線も、用語「高次の放射線」に含まれる。この新しい方法では、より大きな焦点範囲を走査することができる。例えば、焦点範囲を焦点の外側 -1 μm〜+1 μmまで広げることができ、これは、波長193 nmの投影ビームを使用するリソグラフィー投影装置にとってかなり大きい。
高次の放射線は、基板の高さにおいて最大100 μmの距離偏向することがある。高次の放射線は、例えば、レンズまたは鏡面コーティングの不完全さと、レンズ材料の不完全さと、レチクルまたはウェハ(基板)における望ましくない反射とに起因する。現在の装置においては、高次の放射線は数パーセントに達することがあるが、近い将来の装置においては、より小さい波長が使用されることに起因して、高次の放射線が相当増大することが予想される。特に、波長157 nmまたは極紫外線の投影放射線を使用する装置では、おそらく、高次の放射線の量が増大するであろう。残念なことに、高次の放射線は一定ではなく、同じ設計でも投影システムごとに異なり、投影システムの画像フィールドごとでも変わっていて、かつ照射条件に依存する。さらに、レンズおよび/またはミラーの汚れと劣化に起因して、高次の放射線は時間と共に変化する。従って、高次の放射線を測定してモデル化することは、投影装置のユーザにとって非常に望ましい。本発明は、小さなテスト特性、例えば、エアリー分布の中心の輪の直径のオーダーの直径を持つデルタテスト特性を照射することによって、従って画像化システムの点広がり関数を使用することによって、高次の放射線の微細な分布の正確なマッピングを可能にする。
本発明の重要な観点によると、前記方法は、テストオブジェクト画像を形成する前記ステップが、前記テスト特性の前記大きさよりも実質的に大きい相互距離に配置されているテストオブジェクト特性の行列を画像化するステップを有することと、それに続くステップが、すべてのテスト特性について同時に実行されることとを特徴とする。
テストオブジェクト特性の行列を使用することは、本文書において後説明される追加の利点を提供する。テスト特性の大きさよりも実質的に大きい相互距離にテストオブジェクト特性を配置することによって、いくつかの画像間のクロストーク、すなわちいくつかの形状の画像の画像平面における重なり、が防止される。
この方法は、画像の形成と検出に関して、2つの主実施例に従って実行することができる。第一の主実施例は、テストオブジェクト画像を形成する前記ステップが、レジスト層にテストオブジェクト画像を形成するステップを有することと、この層が、現像されることと、前記現像された画像が、走査型検出デバイスによって検出されることとを特徴とする。
検出デバイスは、従来の走査型電子顕微鏡でよいが、原子間力顕微鏡や光学式プローブ顕微鏡などのいくつかの実施形態において利用可能な、走査プローブ顕微鏡などの新しいタイプの走査型検出デバイスも使用することができる。テストオブジェクト特性の行列が使用される場合、画像フィールド内の異なる位置における高次の放射線を一回の露光によって測定することができる。
この実施例は、前記レジスト層を現像する前に、前記レジスト層内の各テストオブジェクト特性のための基準特性画像化する、追加のステップ、をさらに特徴とすることが好ましい。
レジスト層の二重露光によって、すなわち、テストオブジェクト特性(例:デルタテスト特性)を介した一回と、基準特性を介したもう一回とによって、どの測定強度がどの(r,θ)位置に属すかが明確になるように、テストオブジェクト特性の画像それぞれに、強度分布の走査を行うときのための位置基準が形成される。
第一の主実施例の第一の副実施例は、前記追加のステップが、各テストオブジェクト特性の前記画像フィールドの中心に点形状の基準特性を形成するステップを有することを特徴とする。
テストオブジェクト特性の画像フィールド内の位置r = 0におけるこの基準特性は、円形の開口を介してレジスト層を露光することによって形成することができ、その位置は、画像化システムの軸線によって確定される。
第二の副実施例は、前記追加のステップが、各テストオブジェクト特性の前記画像フィールドの縁に円形の基準特性を形成するステップを有することを特徴とする。
第三の副実施例は、前記追加のステップが、各テストオブジェクト特性の前記画像フィールド内に、複数組の向かい合う線状の基準特性を形成するステップを有することを特徴とする。
本方法の第二の主実施例は、テストオブジェクト画像を形成する前記ステップが、放射線感応検出器上(radiation-sensitive detector)に空中像を形成するステップを有することを特徴とする。
この場合、高次の放射線は、中間媒体としてのレジストなしに直接的に測定され、従って、測定はレジスト層の性質によって影響されない。
本方法のこの主実施例は、テストオブジェクト特性の行列を使用して実行される場合、テストオブジェクト画像を形成する前記ステップが、各テストオブジェクト特性の空中像を個別の検出器領域上に同時に形成するステップを有することを、さらに特徴とすることができる。
この実施例では、検出器信号の信号対雑音比を高めることができ、または、走査なしに収差を確定することができ、または、検出器と画像化システムとを互いに相対的に動かさずにスルーフォーカス測定を行うことができる。
この方法は、特に、製造マスク内に存在しているマスクパターンをレジスト層が設けられている製造基板上に投影するのに適しているリソグラフィー投影装置において、投影システムの収差を検出するために使用することができる。この用途のための実施例は、少なくとも1つのテストオブジェクト特性を有するマスクが、前記投影装置内の前記製造マスクの位置に配置されていることと、レジスト層または放射線感応検出デバイスのいずれかが、前記製造基板の位置に配置されていることとを特徴とする。
製造基板は、集積回路などのデバイスが内部および上部に形成される基板を意味するものと理解される。このような基板は、ウェハとも称されている。製造マスクは、製造基板に転写されるデバイス形状のパターン(例:ICパターン)が形成されているマスクを意味するものと理解される。
この実施例は、テストマスクの一部を形成しているテストオブジェクトが使用されることを、さらに特徴とすることができる。
専用テストマスクは、製造基板に転写される製造パターン形状(例:ICパターン)を有さず、テストオブジェクトのみと、場合によっては、測定を実行するのに役立つ形状とを有する。
これに代えて、この実施例は、製造マスクの一部を形成しているテストオブジェクトが使用されることを、さらに特徴とすることができる。
本発明によるテストオブジェクトは、製造マスク内に、デバイス形状のパターンの領域の外に配置することができる。このような製造マスクは、投影装置のスループット、すなわち単位時間あたりに処理することのできる基板の数を高めることを可能にし、なぜなら、テストマスクの装填と取り外しが必要ないためである。
本発明は、本文書において上述した方法を実行するためのシステムに関する。このシステムは、
− 前記画像化システムが一部を形成している装置と、
− 少なくとも1つのテストオブジェクト特性を有するテストオブジェクトと、
− 当該少なくとも1つのテストオブジェクト特性の前記画像フィールド内の前記強度分布を検出するための検出手段と、
− 当該強度分布を分析するための、前記検出手段に結合されている画像プロセッサと、
の組み合わせによって構成されている。このシステムは、前記画像プロセッサが、前記画像化システムが示すことのある異なるタイプの収差を確定するための、前記画像化システムの前記点広がり関数によって確定される当該分布に関する情報を処理するための分析手段、を有することを特徴とする。
このシステムは、前記検出手段が、前記少なくとも1つのテストオブジェクト特性の画像を受けるためのレジスト層と、前記レジスト層に形成されかつ現像され前記テストオブジェクト特性の画像を走査するための走査型検出デバイスとを有することを、さらに特徴とすることができる。
このシステムは、これに代えて、前記検出手段が、前記少なくとも1つのテストオブジェクト特性の空中像を受信するための放射線感応検出器を有することを特徴とすることができる。
前記空中像検出器は、走査動作の間、常に、テスト特性の画像領域の小さな部分のみを観察する点走査型検出器とすることができる
好ましくは、前記テストオブジェクトは、多数のテストオブジェクト特性を有し、かつ、前記空中検出器は、放射線感応部材と、前記テストオブジェクト内の前記テスト特性の数に対応する数の透明な点状領域とを有する走査型複合検出器(scanning composed detector)である。このような検出器を使用すると、すべてのテストオブジェクト特性の画像フィールドが同時に走査される。
前記放射線感応部材が、すべての透明領域をカバーする1つの要素である場合には、信号の信号対雑音比は、実質的に高まる。なぜなら、すべての透明領域からの放射線がまとめられるためである。
前記放射線感応部材は、前記透明領域の数に対応する数の副部材から構成することもできる。
前記対応する副部材の中心に対する透明領域の位置が、前記透明領域と副部材の複数の対ごとに異なるならば、テスト特性の画像フィールド全体を、フィールド全体にわたり検出器を走査することなく測定することができる。
前記複数の透明領域が、前記画像化システムから異なる距離に配置されているならば、画像化システムの光軸沿いに検出器と画像化システムとを互いに相対的に動かさずに、スルーフォーカス走査を達成することができる。
本発明は、マスク内に存在する製造マスクパターンを基板上に画像化するためのリソグラフィー投影装置であって、当該装置が、投影ビームを供給するための照射ユニットと、マスクを収納するためのマスクホルダと、前記基板を収納するための基板ホルダとを有し、当該装置が、本文書において上述した前記方法を実行するのに適している、リソグラフィー投影装置にも関する。この装置は、前記画像化システムが、前記マスクホルダと前記基板ホルダの間に配置されている投影システムによって構成されていることと、前記方法を実行している間、前記投影ビームが画像化ビームとして使用されることと、前記照射ユニットが、前記方法を実行している間、前記投影ビームの横断面の直径を、前記製造マスクパターンの投影時における前記投影ビームの横断面の直径よりも小さい値に縮小するための手段を有することとを、特徴とする。
この縮小するための手段は、信号対雑音比の向上した信号が得られるように、画像化ビームの横断面をテストオブジェクト特性の大きさに適合させることを可能にする。
本発明の方法のさらなる適合化は、当該リソグラフィー投影装置が、前記方法を実行するための前記システム用として本文書において前述されている、空中像を検出する放射線感応検出器を有することを特徴とするリソグラフィー投影装置において達成される。
このような検出器は、装置の基板ステージ上に配置することができる。
これに代えて、本文書において上述した方法は、リソグラフィー投影装置に容易に装填および取り外すことのできる専用の測定デバイスを使用して実行することできる。この測定デバイスは、当該デバイスが、製造基板の形状と寸法を有し、かつ、電子信号処理手段と、電源手段と、インタフェース手段と、テストオブジェクト特性の画像内の強度プロファイルを検出するための少なくとも1つの検出器とを有することを特徴とする。
この測定デバイスの検出器は、本文書に上述したように構築することができる。
さらに、本発明は、本文書に上述した方法において使用するためのテストオブジェクトに関する。このテストオブジェクトは、本方法の上述されている実施例の、テストオブジェクトに関連する特徴的な形状を1つ以上持つ。
このテストオブジェクトが、テストマスクとして実施されており、かつ、前記マスクの表面の一部を形成している外側領域が各テストオブジェクト特性を囲んでいるならば、当該テストオブジェクトは、各外側領域に認識マークが形成されていることをさらに特徴とすることができる。これにより、走査デバイスは、テストオブジェクト特性の画像を容易に見つけることができる。
テストオブジェクトは、各テストオブジェクト特性に対して、視野移動(navigation)マークが、前記テストオブジェクト特性と前記外側領域の間の中間領域に配置されていることをさらに特徴とすることができる。
さらに、前記テストオブジェクトは、各テストオブジェクト特性に対して、前記テストオブジェクト特性、および/または、前記マスク表面上のその位置、に関する情報を有するさらなるマークが、前記テストオブジェクト特性の前記外側領域に配置されていることを特徴とすることができる。
テストオブジェクトは、その光学特性に関する異なる実施例をとることができる。
第一実施例は、前記テストオブジェクトが、振幅構造(amplitude structure)を有することを特徴とする。
第二実施例は、前記テストオブジェクトが、位相構造(phase structure)を有することを特徴とする。
どちらの実施例も、透過性テストオブジェクトまたは反射性テストオブジェクトとして実現することができる。
本発明の重要な観点は、光学画像化システムによって形成されるテストオブジェクトの画像における強度分布を表すデータストリームから、前記画像化システムの前記収差の異なる収差項を取得するための取得方法に関する。この方法は、
− 直交座標において測定された前記観察された強度分布を、極座標と焦点条件の関数としての強度分布I(r, φ, f)に変換するステップと、
− 前記観察された画像強度のフーリエ展開Ψ(r, f)を確定するステップと、
− (r, f)空間内で、前記フーリエ展開Ψ(r, f)と前記収差の位相Φの内積を確定するステップと、
前述した前記ステップの結果であり、かつ前記異なる収差項からの結果となる点広がり関数の動径部分を含む、少なくとも一組の一次方程式を解いて、これらの収差項を取得するステップと
有することを特徴とする。
本発明は、この取得方法を実行するためのソフトウェアを有するコンピュータプログラムにおいても実施される。
最後に、本発明は、デバイス基板の少なくとも1つの基板層にデバイス形状を有するデバイスを製造するプロセスであって、当該プロセスが、以下の連続するステップ、すなわち、
− 当該層に形成されるデバイス形状に対応する形状を有する製造マスクパターンを形成するステップと、
− 制御されている投影システムによって、前記基板上にコーティングされたレジスト層に前記製造マスクパターンを画像化し、かつ、この層を現像することによって、前記製造マスクパターンに対応するパターン化されたコーティングを形成するステップと、
− 前記パターン化されたコーティングの前記パターンによって描かれる前記基板層の領域から材料を除去する、または前記基板層の領域に材料を追加するステップ、
の少なくとも1セットを有する、プロセスであって、
前記投影システムの制御が、前記投影システムの収差を検出するステップと、前記検出の結果に従って当該システムの要素を再設定するステップとを有する、プロセスに関する。このプロセスは、前記検出が、本文書において上述した前記方法によって実行されることを特徴とする。
本発明の上記およびその他の観点は、本発明を制限することのない例を通じて、以下に説明されている実施例を参照しながら明確に解明されるであろう。
図1は、基板上にマスクパターンを繰り返して画像化するためのリソグラフィー装置の実施例の、最も重要な光学要素のみを線図的に示す。この装置は、投影レンズシステムPLを収納する投影支柱を有する。このレンズシステムの上には、マスクパターン、例えば、画像化されるICパターン、が形成されているマスクMAを収納するためのマスクホルダMHが配置されている。マスクホルダは、マスクテーブルMT内に存在する。基板テーブルWTは、投影支柱内の投影レンズシステムPLの下に配置されている。この基板テーブルは、基板W、例えば、半導体基板(ウェハとも呼ばれる)、を収納するための基板ホルダWHを支持している。この基板には、放射線感応層、すなわちレジスト層PRが設けられており、このレジスト層には、毎回異なるIC領域Wdにマスクパターンを何度も画像化する必要がある。マスクパターンを1つのIC領域上に画像化した後、マスクパターンの下に次のIC領域を位置させることができるように、基板テーブルは、図示されているようにXおよびY方向に移動可能である。
この装置は、照射システムをさらに有し、この照射システムには、放射線源LA(例:フッ化クリプトンエキシマレーザーまたは水銀ランプ)と、レンズシステムLSと、反射器REと、集光レンズCOとが設けられている。照射システムによって供給される投影ビームPBは、マスクパターンCを照射する。このパターンは、投影レンズシステムPLによって基板WのIC領域上に画像化される。照射システムは、欧州公開公報番号第 0 658 810号に説明されているように実施することができる。投影システムは、例えば、倍率M = 1/4、開口数NA = 0.6、回折によって制限される画像フィールドの直径 = 22 mmである。
この装置には、複数の測定システムがさらに設けられている。これらのシステムの1つは、XY平面におけるマスクMAと基板Wの互いに対する位置合わせを測定するための位置合わせ検出システムである。もう1つの測定システムは、基板ホルダ、従って基板のXおよびY位置と向きとを確定するための干渉計システムである。また、焦点誤差検出システムも存在する。このシステムは、投影レンズシステムPLの焦点面または画像平面とレジスト層PRの表面との間の偏差を確定する。これらの測定システムは、サーボシステムの一部を形成し、このサーボシステムは、電子信号処理および制御回路と、ドライバまたはアクチュエータとを有する。これらの回路とドライバとによって、基板の位置および向きと焦点合わせとを、測定システムによって供給される信号に基づいて補正することができる。
位置合わせシステムは、図1の右上部分に示されている、マスクMA内の2つの位置合わせマークM1, M2を使用する。これらのマークは、回折格子から成ることが望ましい。これに代えて、これらのマークは、周囲と光学的に異なる四角形または帯形状など他のマークによって構成してもよい。位置合わせマークは、二次元である、すなわち2つの相互に垂直な方向、図1においてはXおよびY方向、に延在していることが好ましい。基板Wは、少なくとも2つの位置合わせマークを有し、好ましくはこれらも二次元の回折格子であり、図1にはそのうちの2つ、P1, P2が示されている。このマークP1, P2は、パターンCの画像が形成される必要のある基板Wの領域の外側に位置している。格子マークP1, P2は、位相格子として実施することが好ましく、格子マークM1, M2は、振幅格子として実施することが好ましい。位置合わせシステムは、2本の位置合わせビームb, b'が使用され、基板位置合わせマークP2とマスク位置合わせマークM2、または基板位置合わせマークP1とマスク位置合わせマークM1が互いに重なるように画像化される、二重位置合わせシステムとすることができる。位置合わせビームは、位置合わせシステムを通過した後、対称的に配置されている放射線感応検出器13, 13'に入射する。図1には、検出器13'のみが示されている。これらの検出器は、関連するビームを電気信号に変換し、この信号は、基板マークがマスクマークに対して位置合わせされている程度、従って基板がマスクに対して位置合わせされている程度を示す。二重位置合わせシステムは、特許文献3に説明されており、この文書はこのシステムのさらなる詳細説明のために参照されている。
基板のX, Y位置を正確に確定するため、リソグラフィー装置には、複数軸干渉計システムが設けられており、このシステムは図1にはブロックIFによって線図的に示されている。二軸干渉計システムは、特許文献4に説明されており、三軸システムは、特許文献6に説明されている。五軸干渉計システムは、欧州公開公報番号第 0 498 499号に説明されており、このシステムでは、X, Y軸沿いの基板の変位と、Z軸の周りの回転と、X, Y軸の周りの傾きとを、非常に正確に測定することができる。
ステップアンドスキャン型(step-and-scan)のリソグラフィー装置は、基板干渉計システムのみならず、マスク干渉計システムも有する。
図1に線図的に示されているように、基板干渉計システムの出力信号Siと、位置合わせシステムの検出器13, 13'の信号S13, S'13とが、信号処理ユニットSPU、例えばマイクロコンピュータに供給される。このユニットは、これらの信号を処理して、アクチュエータACが基板ホルダを基板テーブルWTを介してXY平面内で動かすための制御信号SACを生成する。
投影装置は、焦点面と投影レンズシステムPLとレジスト層PRの面の間の偏差を検出するための焦点誤差検出デバイス(図1には示されていない)を、さらに有する。このような偏差は、例えば、レンズシステムと基板とをZ方向に互いに相対的に動かすことによって、または、投影レンズシステムの1つ以上のレンズ素子をZ軸に動かすことによって、補正することができる。例えば投影レンズシステムに取り付けることができるこのような検出デバイスは、特許文献8に説明されている。焦点誤差と基板の局所的な傾斜の両方を検出することのできる検出デバイスは、特許文献9に説明されている。
投影レンズシステムには、非常に厳しい要件が課せられる。例えば、0.35 μm以下の線幅を持つ微細形状も、レンズシステムによってはっきりと画像化する必要があり、従ってレンズシステムは、相対的に大きなNA、例えば、0.6以上を持つ必要がある。さらに、このレンズシステムは、相対的に大きな、例えば、直径23 mmの、良好に補正された画像フィールドを持つ必要がある。これらの厳しい要件に従うことができるように、投影レンズシステムは、多数の、例えば、数十のレンズ素子を有する。これらのレンズ素子のそれぞれは、非常に正確に製作されている必要があり、かつ、レンズシステム非常に正確に組み立てられている必要がある。投影システムが投影装置に組み込むのに適するため、かつ装置の寿命の間、収差を検出することを可能にするため、投影システムの収差が十分小さいか否か決定するための良好な方法が、不可欠である。投影システムの収差は、様々な原因によって起こる。収差とその大きさが既知であれば、例えば、レンズ素子の位置または投影システムのコンパートメント内の圧力を適合させることによって、収差を補正するための対策を取ることができる。
一例として、図2は、高次収差を示す画像化システムによって点源が画像化される場合について計算された、画像の空間強度分布IPを示す。製造誤差が原因となりうるこれらの収差は、画像化システムから励起される波面における高次のゼルニケ係数を生成する。計算されたパターンのうち、中心ローブの外側の低強度部分には、一定の強度の領域を定義する多数の輪郭が存在する。この輪郭のパターンは、スペックルパターンに似ている。このことは、高次のゼルニケ係数の非相関性によって説明することができる。輪郭に付されている数値は、中心のローブにおける最大強度に対する割合としての相対的な強度を表す。パターンの中心部分に生じる輪郭が多すぎてこの部分が黒く見えることを防ぐため、中心の最大値は、真の最大値の例えば3 %に制限、または切り捨てられている。回折された強度は、画像平面の強度関数に存在する最高次のベッセル関数の程度である、v = n+3によって与えられる円CI内に集まっている。文字vは、無次元の動径座標を表し、nは予測される最大ゼルニケ係数である。
本発明によると、投影システムの収差を確定するために、光学インパルス応答、すなわち点広がり関数が使用される。さらに、観察された画像を分析するために、高次の収差については新しい独自の分析式も使用される。本方法の重要な特徴によると、画像化システムの分解能の大きさより小さい、小さなテストオブジェクト特性が照射される。このテスト特性は、デルタ特性とすることができるこのデルタ特性は、その大きさ(例:直径)が、テストオブジェクトからの放射線をレジスト層または空中放射線検出器に集める光学システムの分解能よりも実質的に小さいオブジェクト特性である。このようなデルタテスト特性の一例は、ピンホールである。強度分布の高次収差を含む微細構造は、小さなテスト特性が使用される場合にのみ観察可能となる。
リソグラフィー投影装置の投影システムの画像平面において、図2に示されているような強度分布を測定するため、この投影装置を測定システムの一部として使用することができる。少なくとも1つのテストオブジェクト特性(例:ピンホール形態デルタテスト特性)を持つテストマスクが、マスクホルダ内に配置される。このピンホールは、製造工程時に製造マスクパターンレジスト層に画像化するのと同じ方法でレジスト層に画像化する。その後、基板が装置から取り外され、現像およびエッチングされて、ピンホールの画像がレリーフ画像パターンに転写された基板が得られる。その後、このレリーフ画像が、走査型検出デバイス、例えば、走査型電子顕微鏡によって走査される。電子顕微鏡は、観察された画像を画像データに変換し、この画像データは、これを図またはグラフとして視覚化できるように、画像処理デバイス内で専用の分析画像処理アルゴリズムを使用して処理される。これに代えて、電子顕微鏡によって観察された構造の視覚的な画像を、例えば、モニタに表示することも可能である。
図3は、レジスト層にデルタ特性の画像を生成してその画像の強度分布を確定するための方法のブロック図を示す。この図においては、画像化の品質が測定される投影装置は、ブロックPAによって表されている。現像およびエッチング装置は、ブロックDEによって表されている。ブロックSEMは、走査型電子顕微鏡、または一般的には走査型検出デバイスを有する。ブロックSEM内のブロックIPは、画像処理デバイスを表し、ブロックMOは、モニタを表す。
縦断面図である図4に示されているように、テストオブジェクトのデルタテスト特性は、透明な基板14の上の不透明な板または層12における微細な透明開口10またはピンホールによって構成することができる。基板は、ガラスまたは石英とすることができ、不透明層は、クロム層とすることができる。本方法を実行するため、電磁放射線のビームである投影ビームPBによって、開口が照射される。開口10を通過した後、電磁界は電界ベクトルEを有する。このベクトルの大きさは、グラフ16によって表されているように位置pの関数として変化する。図4では1枚のレンズによって線図的に表されている投影レンズシステムPLを通過した後、電磁界は、エアリー分布と呼ばれる強度分布18を有する。この強度は、振幅の二乗、すなわち投影レンズシステムの画像側における電界ベクトルE'の大きさの二乗である。グラフ16の垂直の傾きは、斜めの傾きに変換され、グラフ16の針状の電界が、中心ローブ20とその両側の多数のサイドローブとに変換された。図4は、両側における2つのサイドローブ22, 24のみを示している。強度分布18は、投影レンズシステムが、たとえ収差がないときにも理想的なシステムではなく、点広がり関数を持つという事実に起因する。このことは、点が、図4における破線のグラフ26によって表されているように点として画像化されず、点の放射線が多かれ少なかれエアリーパターン全体にわたり広がることを意味する。中心ローブ20の幅wiと、従って半値幅wi(1/2)は、投影レンズの点広がり関数によって確定される。半値幅は、強度が最大強度の半分である位置におけるローブの幅を意味するものと理解される。
エアリー強度分布18は、理想的なレンズシステム、すなわち収差のないレンズシステムの場合にのみ当てはまる理論的な状況を表す。レンズの収差に起因して、放射線エネルギはエアリーパターンの中心ローブからその周囲の輪の方に移動する。収差の次数が大きいほど、すなわちゼルニケ項の数が大きいほど、その収差次数に起因する強度の中心からの距離が大きくなる。エアリー中心ローブの半値幅より小さい大きさ、例えば、半値幅の1/3に対応する大きさを持つデルタテスト特性を使用することにより、相対的に大きな画像フィールドの中で、非常に高い次数、すなわちゼルニケ項の非常に大きい数(例:169)まで、収差に起因する微細な強度分布を測定することができる。この場合、1/3の対応関係は、レンズシステムの倍率を考慮する必要があることを示すために使用されている。
不透明な領域内の透明な開口を照射することは、光学においては暗視野照明として知られている。本発明の測定は、明視野照明によって実行することもできる。その場合、デルタテスト特性は、図5に示されているように、透明層30における、または透明板14(例:ガラスまたは石英)の上の、微細な不透明領域28、例えば、クロムのドットである。
図4と5の透明/不透明構造、すなわち振幅構造の代わりに、位相構造もテストオブジェクトとして使用することができる。このような位相構造を持つデルタ特性は、図6に示されている。この形状は、透明板14における深さdを持つ微細領域くぼみ32から成る。くぼみの代わりに、領域の大きさと、周囲の板に対する高さの差とがくぼみと同じである微細領域突起部分も使用することができる。板(例:テストマスク)は、テスト特性画像化するのに用いる投影ビームにとって十分に透明であるため、この形状はこのビームに対する位相構造を形成する。すなわち、板を通過した後、投影ビームPBのうち領域32に入射した一部は、残りのビームと異なる位相となる。ビーム部分の間の位相差φ(単位ラジアン)は、
Figure 0004467982
によって定義される。この式において、n2は板材料の屈折率であり、n1は周囲の媒体の屈折率であり(一般的には空気であってn = 1)、λは投影ビームPBの波長である。
画像平面における良好なコントラストを得るためには、領域32を通過したビーム部分と残りのビームの間の位相差がφ=πラジアンである必要がある。このことは、マスク材料の屈折率が1.5であり、かつ周囲の媒体が屈折率1を持つ空気である場合、くぼみの最適な深さdが、ビームPBの波長に等しいことを意味する。ただし、最適な深さと異なる深さにおいても、有用な結果を得ることができる。
テストオブジェクトは、図4, 5に示されている透過性のオブジェクトの代わりに、反射性のオブジェクトでもよい。反射性のテストオブジェクトは、画像化ビーム、すなわち投影ビームの波長が低いために、その波長の放射線に対して十分に透明である材料が利用できない測定装置に有用となる。その場合、画像化システムは、ミラーによって構築する必要があり、テストオブジェクトも反射性オブジェクトである必要がある。反射性のテストオブジェクトは、一例として、例えば、13 nmの波長を持つ極紫外線(EUV)の放射線が投影ビーム放射線として使用されるリソグラフィー投影装置を測定するために使用される。
図7は、非反射性層42内、あるいは非反射性の板またはマスク基板44の上の微細な反射性領域40から成る、反射性デルタテスト特性の第一実施例を示す。これは、図4の暗視野透過性形状の反射性の変型である。
図8は、反射性層50内の微細な非反射性領域48から成る、反射性デルタテスト特性の第二実施例を示す。これは、図5の明視野透過性形状の反射性の変型である。
図9は、反射性層54内の微細領域くぼみ52から成る、反射性デルタテスト特性の第三実施例を示す。これは、図6の透過性位相形状の反射性の変型である。くぼみ52は、突起層部分に置き換えてもよい。
反射性デルタテスト特性の場合、最適な深さまたは高さは、投影ビームPBの波長の1/4である。
図4〜9の各デルタテスト特性を照射すると、このような形状から出てレンズまたはミラー、あるいは組み合わせ型の投影システムを通過する放射線が、レジスト層に強度分布を形成する。理想的な場合、すなわち、収差のない投影システムにおいては、この分布は、図4における分布18のようなエアリー分布である。実際には、投影システムの様々な種類の収差に起因して、この分布は、より長く延び、かつ不規則である。
一例として、図10aは、石英の基板上のクロム層35における開口34から成るデルタテスト特性のSEM写真を示す。開口の直径は、ウェハスケールで約0.1 μm、従って画像化システムの倍率が1/4である場合にはマスクスケールで0.4 μmとなるように選択されている。図10bは、レジスト層におけるこのテスト特性のSEM画像を示す。この画像は、開口数0.60を有し、かつ波長193 nmの放射線を使用する画像化システムによって取得された。画像内の中央領域64は、中心から相対的に大きな距離における強度が0でない不連続な環状領域65〜70によって囲まれており、このことは、使用された画像化システムが高次の収差を持つことを意味する。
一般的に、コマ収差、非点収差、三点収差(three-points aberration)、球面収差などの収差は、低次と高次のゼルニケ係数から成る。低次と高次の係数に起因して、それぞれ、エアリー分布の中心ローブに近くと、中心ローブから遠くに強度が現れる。ある収差のゼルニケ係数によって、別の収差の別のゼルニケ係数と同じ位置に強度が生じることがある。特定の位置における強度がどの収差に起因しているかを確定するため、スルーフォーカス走査が使用される。この場合、スルーフォーカス走査を行うとき、すなわち、テスト特性の画像をレジスト層に対して投影レンズシステムの光学軸に沿って+Z方向と-Z方向に動かすとき、異なる収差は変化の様子が異なるという事実が利用される。この動きは、投影システムの焦点を変化させることによって、または投影システムとレジスト層とを互いに相対的にZ方向に動かすことによって達成することができる。実際には、スルーフォーカス走査を行うためにはレジスト層動か。なぜなら、光学リソグラフィーにおいて使用される基板ステージには、基板をZ方向に非常に正確に動かすための手段が設けられているためである。本測定方法の性質によって、リソグラフィー装置において通常に利用されているZ範囲よりも実質的に大きいZ範囲(例: -1 μm〜+1 μmの間)の走査が可能となる。波長193 nmまたは157 nmの投影放射線が使用されるリソグラフィー投影装置において使用される焦点範囲は、-0.1 μm〜+0.1 μmの間のオーダーである。
各焦点条件に対して、個別の強度分布が必要である。照射線量の影響を確定するため、各焦点条件に対して、毎回、少量から多量までの異なる所定の照射線量を使用して、テスト特性を何度も画像化する必要がある。従って、各焦点条件に対して、レジスト層に多数の強度分布が生成される。レジスト層にこのような焦点露光行列(FEM:focus exposure matrix)を生成することにより、現像されたレジスト画像においては見ることのできない強度レベルを再構築することができる。これは図11に示されており、この図は、ウェハ(示されていない)の上のレジスト層71における露光領域の配列72〜80の平面図を、一例として示す。これらの連続的な領域は、デルタテスト特性を介して照射されたものであり、各領域ごとに異なる焦点設定が選択されている。中心領域80は、最適な焦点条件で照射されたものである。境界部の領域72は、例えば、+ 1 μmの焦点ずれの状態で照射され、領域73〜75は、連続的に小さくなる+焦点ずれの状態で照射されたものである。境界部の領域79は、例えば- 1 μmの焦点ずれの状態で照射され、領域78〜76は、連続的に小さくなる-焦点ずれによって照射されたものである。配列内の領域の数は、図11に示されている数個の領域よりもずっと多くてもよい。各焦点条件で使用される異なる線量は、領域80の画像化時の焦点条件の場合について、一連の領域82〜89によって表されている。領域82は、小さい線量で照射されたものであり、領域89は高い線量で照射されたものである。領域72〜79のそれぞれに対して、一連の領域82〜89と同様の一連の領域がレジスト層に生成される。図11におけるすべての露光領域に対して、領域72に対して示されている強度分布90が生成され、異なる領域の分布はそれぞれ異なる。
一連の領域72〜80および82〜89に加えて、異なる焦点設定および/または線量を使用して多数の領域を露光することができる。これにより、測定の精度と信頼性を高めることができる。
強度分布は、この分布がプロファイル構造に変換されるようにレジスト層を現像およびエッチングし、その構造を走査することによって、観察することができる。走査は、投影システムの分解能よりも高い分解能(これはシステムのλ/NAに比例する)を持つ走査型顕微鏡によって実行される。この目的には、特に、多数の画像を測定する必要がある場合、100,000倍のオーダーの倍率を出すことができ、かつ3.5 nmのオーダーの微細形状を観察することのできる走査型電子顕微鏡が極めて適合する。これに代えて、例えば、光学式プローブ顕微鏡などのプローブ顕微鏡、またはAFM(原子間力顕微鏡)の形態、またはこれらの混合形態における別の走査型顕微鏡を使用することも可能である。
レジスト層における露光された領域のそれぞれについて、極座標ρ(半径)およびθ(方位角)とf(焦点状態)の関数としての強度I、すなわちI(ρ,θ,f)が確定され、異なる領域についてのデータが同時に処理される。
異なる露光領域内の強度分布を比較するために、各領域内に位置基準が必要である。このような位置基準は、レジスト層を担持しているウェハにエッチングされたパターンによって構成することができる。また、二重露光手順によってレジスト層に基準マークを形成することも可能である。この手順によると、後にデルタテスト特性画像化されるレジスト層領域に最初に基準マークが画像化され、次いで、この領域にデルタテスト形状自体が画像化される。
位置基準マークは、図12aに示されているように、デルタテスト特性の画像領域(例:領域80)の中心の小さなスポット100によって構成することができる。このスポットは、測定され画像化システムの分解能より大きな直径を持つ(マスク)開口を介して領域80を露光することによって得られる。
図12bは、位置基準マークの第二実施例を示す。このマークは、例えば、テスト特性の強度分布の画像領域80内の向かい合う境界位置における4つのスポット102〜105で構成されている。
図12cは、位置基準マークの第三実施例を示す。このマークは、強度輪郭が現れることが予測される画像領域80の領域109の周囲の円107で構成されている。
画像化システムによってデルタテスト特性から生成される強度分布は、放射線感応検出器によって直接観察することもできる。この場合、測定に対するレジストの特性の影響が除外される。空中像(aerial image)を観察する検出器は、空中検出器(aerial detector)と呼ぶことができる。図13は、このような空中検出器を使用する測定システムを線図的に示す。この図において、参照数字10,12,14は、図4のテストオブジェクトを表す。デルタテスト特性10は、例えば、100 nmのオーダーの直径を持つ。この形状、すなわち開口は、エアリー分布18によって示されている点広がり関数として、投影システムPLによって画像化される。空中検出器110は、投影システムの画像平面の近くに配置されている。この検出器は、リード線114を有しかつカバー層118に小さな開口116を有する従来の放射線感応検出器112で構成することができる。開口116は、例えば、100 nmのオーダーの直径を持つ。テスト特性の画像領域(例:300x300 μm2)内の強度分布を測定するため、矢印120によって示されているように空中検出器は、画像領域全体にわたり走査される。
この空中検出器、検出器信号の信号対雑音比測定時間に関して、測定システムを相当に向上させることができる。
測定される強度を大きくするため、空中検出器に開口の行列、例えば、x方向沿いに30個の開口、y方向沿いに30個の開口、合計900個の開口、を設けることができる。図14は、このような検出器130の、25個の開口116を有する部分と、このような検出器と組み合わせて使用されるテストオブジェクトとを示す。この図は、見やすくするために強度分布と投影システムが省かれていることを除いて、図13に似ている。図14における開口のそれぞれは、図13における開口と同じであり、100 nmのオーダーの直径を持つことができる。開口は、例えば、2 μmの間隔で互いに隔てられている。すべての開口を通過する放射線は、共通の放射線検出器112によって取り込まれる。このような検出器を使用することにより、すべてが図13におけるテスト特性10と同じであるデルタテスト特性10を対応する数だけ持つテストオブジェクトによって生成される強度分布を、同時に走査することができる。これによって、各開口は、テストオブジェクト内の対応するデルタテスト特性10に属す個別の画像フィールドを走査する。これらの結像フィールドは、参照数字132によって表されており、それぞれx方向とy方向における破線134, 136によって描かれている。検出器112は、すべての開口からの放射線を同時に受け取り、このことは、各瞬間において、すべての画像フィールド132における同じ位置の強度がまとめられることを意味する。このように、n個のデルタテスト特性を持つテストオブジェクトと、n個の開口を持つ空中検出器とを有する実施例によって、1つのテスト特性と、1つの開口を持つ検出器とによって得られる信号振幅のn倍の振幅を持つ画像信号が得られる。画像信号は、ある瞬間に走査される画像フィールド132内の位置における強度を表す信号を意味するものと解される。
多数のデルタテスト特性を持つテストオブジェクトは、個別の小さな検出器要素を持つ多開口空中検出器と一緒に使用することもできる。図15は、このような複合検出器140のうち、16個の検出器要素141〜156を有する部分の平面図を示す。検出器要素のそれぞれの開口116は、図13または14における開口116と同じでよい。すべての検出器要素で、検出器要素の中心に対する開口の位置が異なる。図15に示されているように、すべての行においては、連続する要素(最初の行においては141〜144、最後の行においては153〜156)の開口が左から右に移動しているのに対し、すべての列においては(最初の列においては141, 145, 149, 153、最後の列においては144, 148, 152, 156)、開口が上から下に移動している。図15の空中検出器は、例えば、30の行および列、従って900個の検出器要素を有すことができ、開口の移動が図15に示されているものより相当に小さくてもよい。複合検出器の各検出器要素は、同じ強度分布の異なる点を観察する。このことによって、デルタテスト特性の強度分布全体を一回の測定ステップにおいて観察することができる。複合検出器が使用される本方法の実施例においては、開口116を通過する放射線は、図14の実施例の場合のようにはまとめられず、従って、複合検出器140は、図14の検出器130よりも少ない放射線を受け取る。このことは、時間の経過による集積が得られるように、測定時間を延長することによって補正することができる。測定動作の間、検出器はxおよびy方向において静止している。
複合空中検出器の別の実施例では、投影システムと検出器とを互いに相対的に動かさずに、スルーフォーカス測定を行うことができる。図16は、このような検出器160の一部の透視図を示す。図を見やすくするため、検出器要素の最上行と左列のみが示されている。行と列は、例えば、30個の検出器要素を有することができ、それぞれ、そのうちの4つのみ、すなわち161〜164と、161, 165〜167が示されている。検出器要素の開口116は、すべて同じ位置、例えば、要素の中心に配置されている。検出器要素は、高さが異なり、最初の行においては、左から右に高さが減少し、左の列においては、上から下に高さが減少している。従って、検出器要素のそれぞれは、投影システムから異なる距離に配置されている。検出器要素の数に対応する数のデルタテスト特性を有するテストオブジェクトが複合検出器160上に画像化されるとき、すべてのテスト特性の焦点条件が異なる。このことは、開口116に面している強度分布の点について、時間的なスルーフォーカス走査ではなく、空間的なスルーフォーカス走査が、検出器と投影システムを互いに相対的に動かすことなく実行される。デルタテスト特性によって生成される強度分布全体を測定するためには、矢印120, 121によって示されているようにxおよびy方向に複合検出器160を走査する必要がある。
段差形の検出器160は、図16のうちの1行について図17に示されているように、例えば、シリコンの基板を異なる高さにエッチングし、高さの異なる基板領域170〜174のそれぞれの上に半導体放射線センサ175を構築することによって製造することができる。
リソグラフィー投影装置における収差を検出するために、本方法を実行するための特定の光学測定デバイスを使用することができる。図18は、このようなデバイス180の実施例を示す。このデバイスは、投影システムの収差を測定する必要のある装置使用される製造ウェハの形状と寸法を持つ基板182を有する。少なくとも1つのセンサを有し、かつ光学測定ウェハまたはウェハセンサと呼ぶことができるこのデバイスは、製造ウェハのように容易に装置に装填しかつ取り外すことができるという利点を提供する。さらに、装置に装填されると、この光学測定ウェハは、自動的に正しい位置に配置される。図18の実施例は、5つのセンサ184〜188を有する。このセンサのうちの少なくとも1つは、図13と図15〜17にそれぞれ示されているような単一検出器または複合検出器である。センサーは、ウェハ表面全体に分散させることができ、かつ、異なる高さに配置することができる。センサーには、同様にウェハ上に配置されているマイクロプロセッサに供給される前にセンサー信号を増幅するための、増幅器を設けることができる。マイクロプロセッサの機能は、センサー信号をa/o処理(a/o processing)することと、センサーを制御することである。測定ウェハは、a/o信号データを一時的に格納するためのメモリ192も有することができる。ブロック194は、マイクロプロセッサに接続されている入力/出力インタフェースであり、周囲環境との有線または無線接点を提供する。無線接点は、例えば、光学手段を使用して、またはFM伝送によって設けることができる。このインタフェースは、出力データを周囲環境に供給するため、および/または、測定プログラムをマイクロプロセッサにロードするために使用される。測定ウェハには、この電源は、バッテリ、または周囲環境から電力を無線受信するための誘導デバイスとすることが出来る、電源196によって給電される。測定ウェハは、測定を開始する前にリソグラフィー投影装置内のウェハを位置合わせするための2つ以上の位置合わせマークも有する。
投影システム、または一般的に画像化システムの収差を導くためには、強度分布を走査することによって得られた画像データを処理する必要がある。このデータ処理は、多数のステップを有し、これらは2つのグループに分けることができる。ステップの第一グループは、
− 入力画像データから雑音を取り除くステップと、
− 例えば、微分によって、または、観察された各ピクセルの強度が所定のしきい値よりどれだけ低いかを確定することによって、画像の輪郭を確定するステップと、
− 観察された画像の強度分布の重心を確定するステップと、
を有する。
処理ステップの第二グループは、新しい分析方法に関連する。この方法は、Journal of the Optical Society of AmericaのMay 2002 Volumeに開示される、J. Braatらによる論説「光学点広がり関数の計算のための拡張ネイブーア・ゼルニケ手法の評価(Assessment of an extended Nijboer-Zernike approach for the computation of optical point spread functions)」に開示されている、様々な照射条件下での点状のオブジェクトと幅のあるオブジェクトの両方の光学点広がり関数の計算に関する理論を使用する。この論説においては、様々なタイプの収差を持つ画像化システムのスルーフォーカス走査時の点広がり関数を計算するために、拡張ネイブーア・ゼルニケ手法(extended Nijboer-Zernike approach)が使用されている。この新しい分析方法においては、スルーフォーカス走査時のシステムの位相不良、すなわち収差を強度から取得するために、拡張ネイブーア・ゼルニケ手法が使用される。ネイブーア・ゼルニケ理論は、実際の値を厳しく制限するいくつかの想定に基づいているため、特に大きな収差に対しては事実上無視されてきた。さらに、この理論では、焦点ずれ項を導入することができない。拡張ネイブーア・ゼルニケ手法を使用する新しい分析方法は、従来のネイブーア・ゼルニケ理論に固有なこの問題を解決し、小さな収差と大きな収差の両方と、高次の収差項とを計算することができる。新しい理論の名前における「拡張」という語は、焦点ずれ項を導入することができる事実を意味している。焦点ずれの効果は、独立パラメータとして導入され、この効果、すなわちスルーフォーカス走査が、様々なタイプの収差を計算するために効果的に使用されている。
この新しい分析方法の計算方式は、拡張ネイブーア・ゼルニケアルゴリズムと呼ぶことができ、この方式の中心的な部分は、点広がり関数の式における新しい関数である。この新しい関数は、半径座標と焦点ずれパラメータとに依存し、特定の収差に対して固有のベッセル級数を有する。拡張ネイブーア・ゼルニケアルゴリズムを使用すると、実際に関与するすべての場合をカバーすることができる。強引な積分方法に基づく従来使用されている数値パッケージとは異なり、このアルゴリズムにおいては、使用されている式の分析上の性質から、精度を制限する打ち切り処理は存在しない。
本発明によると、前記収差は、以下のステップ、すなわち、
− 直交座標において測定された前記観察された強度を、極座標の関数としての強度、すなわちI(r, φ, f)に変換するステップと、
− 前記観察された画像強度のフーリエ展開Ψ(r, f)を確定するステップと、
− (r, f)空間内で、前記フーリエ展開Ψ(r, f)と前記収差の位相Φの内積を確定するステップと、
前述した前記ステップの結果であり、かつ前記異なる収差項からの結果となる点広がり関数の動径部分を含む、少なくとも一組の一次方程式を解いて、これらの収差項を取得するステップによって確定される。
この計算は、表題「点広がり関数の電界の計算のための基本式(Basic formula's for the computation of electrical field of the point spread function)」の付録(以下、付録A)と、表題「収差の確定(Determination of aberrations)」の付録(以下、付録B)とに説明されている。付録Aは、上述されている論説から、この計算に関連する基本式を要約している。付録Bは、測定された強度から収差を計算する新しい方法について説明している。
上述した新しい関数は、付録Bにおける式10と式11の間の行の点広がり関数の式に現れているVnm(r, f)(以下、第二Vnm)である。このVnm(r, f)は、付録Aの式3に現れている関数Vnm(r, f)(以下、第一Vnm)の特殊な場合である。なぜなら、第二Vnm(r, f)は、画像化システムの収差が相対的に小さく、かつ、このシステムの開口数が大きくなく、かつ、テスト特性、すなわちピンホールの直径が画像化システムの分解能よりも実質的に小さいという条件下で成り立つためである。これらの条件の場合、この「基本」Vnmに属すゼルニケ係数αnmは、小さい実数の係数であるのに対して、式3における対応する係数βnmは、一般的には複素数係数である。本文書において後から実証されるように、基本Vnm関数の修正であるVnm関数は、上述されている条件が満たされていない場合にも、依然として使用することができる。
一般的には、射出瞳からの波面における単一収差Rmn(ρ, θ).cos(m, θ)は、点広がり関数Vnm(r, f).cos(m, φ)と言う結果になるであろう。波面がそれ以上の収差を示す場合には、対応する数の点広がりが起こるであろう。点広がり関数の複雑さは、測定され画像化システムの仕様とその測定に使用されるテスト特性とに依存する。画像化システムのすべての収差は、Vnm関数によって表すことができる。これらのVnm関数は多少複雑であるが、相対的に容易に計算することができる。必要な精度を得るためには、20個のオーダーの項を無限ベッセル級数に含めれば十分である。強度分布の分析において重要な役割を果たすVnm関数は、焦点ずれfにおける(n, m)番目の基本点広がり関数の動径部分として定義することができる。
付録Bの式10は、画像化システムの位相誤差、すなわち収差位相Φに関する。このΦは、システムの収差が小さい場合(補正済みのシステム)には本方法に従って得ることができる。スルーフォーカスの点広がり関数は、基本関数の組み合わせとして表される。これらの基本関数の係数は、ゼルニケ係数と同じであり、焦点ずれパラメータのいくつかの値における理論上の強度パターンと測定された強度パターンとの間の一致を最適化することによって推測される。しかしながら、新しい方法は、位相誤差を得ることに限定されず、より一般的な収差を得る目的に拡張することができる。付録Aから理解できるように、完全な収差関数A.exp(iΦ)は、A(ρ, θ)exp[iφ(ρ, θ)]=Σnmβnmm n(ρ)cos(mθ)と書くことができ、この式において、A(ρ, θ)は瞳の振幅または透過率であり、φ(ρ, θ)は画像化システムの位相誤差である。従って、拡張ネイブーア・ゼルニケアルゴリズムを使用する本方法は、画像化システムの位相誤差のみならず、透過性誤差、または振幅誤差も得ることができ、これは本方法の独特の能力である。
小さいとは限らない振幅および位相の収差の両方を確定するためには、付録Aにおける式3を利用することができる。この式は、このような一般的な収差を有する波面の電界U(x, y)を、新しい関数Vnm(r, f)を用いて級数展開として表している。係数βnmは、この場合には、一組ではなく以下の二組の基本関数を定義することによって得ることができる。
Ψm n=4Re{im+1V* 00Vnm
Xm n=4RE{imV00 *Vnm
これらの式において、*は複素共役化(complex conjugation)を示す。この場合にも、理論上の強度パターンと観察された強度パターンとの間の一致が最適化される。これらの二組の一次方程式を解くことによって、βnm係数の虚数部分と実数部分とを取得することができる。
付録Bにおいては、テスト特性が数学的なデルタ関数を近似するように、テスト特性、すなわちピンホールの直径が画像化システムの分解能よりも実質的に小さいことと、システムのNAが小さいこととが想定されているが、新規の方法は、これらの条件に限定されない。幸いなことに、焦点パラメータfを、
Figure 0004467982
に単に修正することによって、有限のピンホール直径を分析において考慮できることが判明した。この式において、d=2πNA/λ*Dは、基準化された(scaled)、すなわち正規化された穴直径Dである。この等式は、テスト特性の半径が、画像化ビームの半径、従って画像化システムの瞳のうちこのビームによって照射される部分の半径と比較して小さい場合に成り立つ。リソグラフィー投影装置においては、この半径は容易に設定することができ、従ってこの条件は容易に満たすことができる。
テスト特性の半径がより大きい場合には、焦点パラメータfは、
Figure 0004467982
または、より良好な、
Figure 0004467982
に修正することができる。
この場合、動径関数Vnm(r, f)が、
Figure 0004467982
に修正されるが、位相の取得手順は、本文書において上述されているものと同じである。新しい関数Vnmは、複素数の焦点ずれ値の処理を可能にする。従って、相対的に大きな直径のテスト特性を使用することができる。このことは、十分な信号対雑音比を得るために必要な露光線量を小さいままにしておくことができ、従って、実際にこの測定方法を容易に実行できることを意味する。
さらに一般的には、焦点パラメータfは、(大きな)テスト特性サイズと、画像化システムの高い開口数(例:0.7以上)の両方に対するさらなる補正に対応するように修正することができる。一般的に、焦点パラメータfは、
Figure 0004467982
に修正することができる。この式において、関数b(z)は、波長λと、開口数NAと、テスト特性の大きさDとに依存する複素関数であり、テスト特性の大きさDについては明示的な分析手順が存在する。特に、λ、NA、およびDは、物理的な焦点ずれ値zに線形的に依存する。
大きな開口数(例:0.8以上)を持つ画像化システムの場合には、入射ビーム部分は、システム表面に対して相対的に大きな角度をなす。このような大きな角度の場合、システムの構成要素の挙動が、画像化ビームの偏光の状態に依存するようになる。このような構成要素は、特に短い波長の装置の場合、例えば、レンズまたはミラーのコーティングとレンズ材料である。157 nmの波長の放射線で使用されるフッ化カルシウムレンズは、複屈折であり、従ってその光学的挙動はそこに入射する放射線ビームの偏光の状態に依存する。大きな開口数を持つ画像化システムの収差を測定するためには、新しい方法は、相互に垂直な偏光状態を持つ2つのビームを用いて実行する必要がある。大きなNAの画像化システムを測定する場合、使用される偏光の状態が既知であるならば、収差の測定は、その偏光状態を持つ画像化ビームを用いて実行することができる。
投影レンズシステムの主要な収差は、コマ収差、非点収差、三点(三葉)収差、球面収差である。これらの収差のそれぞれは、通常、ゼルニケ係数、すなわち、「周辺部のゼルニケ記号(fringe Zernike code)」からの特定のゼルニケ多項式の大きさによって表される。表1には、37個のゼルニケ項Zと、それぞれの多項式のリストが示されている。この表は、Sigma C社が所有権を持つ光学リソグラフィーシミュレーションプログラム「Solid C」のマニュアルから公知である。このような表は、周知のハンドブック「光学の原理(Principles of Optics)」(Born & Wolf著)から導くこともできる。表1からわかるように、球面収差の場合、低次のゼルニケ係数はZ9であり、高次の係数はZ16、Z25、Z36、およびZ37である。Xコマ収差の場合には、低次のゼルニケ係数はZ7であり、高次の係数はZ14、Z23、およびZ34であり、これに対してYコマ収差の場合には、低次と高次の係数は、それぞれ、Z8と、Z15、Z24、およびZ35である。非点収差、すなわちH/V(水平/垂直)非点収差の場合には、低次の係数はZ5であり、高次の係数はZ12、Z21、およびZ32であり、これに対して45度における非点収差の場合には、低次と高次の係数は、それぞれ、Z6と、Z13、Z22、およびZ33である。X方向における三点収差の場合には、低次の係数はZ10であり、高次の係数はZ19およびZ30であり、これに対してy方向における三点収差の場合には、これらの係数は、それぞれ、Z11と、Z20およびZ31である。
一例として、図19は、デルタテスト特性の画像フィールド全体にわたる、実験的に得られた非点収差のゼルニケ係数Z5の変動を表す三次元面を、二次元で表現したものである。この図において、Δfは焦軸を表し、Δ3は動径軸を表す。図19は、焦点(FA)を通過するときに、収差、すなわち非点収差、の符号が変わることを示している。
ここまでの説明は、1つのテストオブジェクトに基づいている。しかしながら、テストマスクは、多数のテストオブジェクトパターン(例:x方向に3個、y方向に15個)を有してもよい。テストオブジェクトは、例えば、ステップアンドスキャン装置の(一般的にはx方向に8 mm、y方向に26 mmである)画像フィールド全体をカバーするように配置することができる。これにより、走査される画像フィールド全体における収差を確定することができる。テストオブジェクトの数は、これより多くても少なくてもよい。収差の検出が空中検出器技術によって実行される場合には、テストオブジェクトのそれぞれに対して個別の空中検出器を設ける必要がある。テストオブジェクトが多数(例:100x100)のデルタテスト特性を有する場合には、(複合)空中検出器のそれぞれが、対応する数の開口を有する必要がある。収差の検出が、レジスト層における画像化によって実行される場合には、テストオブジェクトのそれぞれが1つのデルタテスト特性を有する。
テストパターンは非常に小さいため、製造マスク、すなわちICパターンを有するマスクの中に、ICパターンの微細形状に影響を与えずに形成することもできる。この場合、個別のテストマスクを製造する必要がなく、かつ、収差を測定するためにマスクを交換する必要がない。
リソグラフィー投影装置によって本検出方法を実行するためには、投影放射線の最大品質がテストオブジェクトに集中して明瞭な画像が得られるように、投影ビームは、マスクの位置において小さなビーム横断面を持つことが好ましい。新しい世代のリソグラフィー投影装置は、特に、ビームの総放射エネルギを維持しながら投影ビームの横断面を適合化する機能を提供する専用の照射システムを持つ。このような照射システムは、例えば、論説「可変NA型ウェハステッパにおける空中照射を用いたフォトリソグラフィー(Photolithography using the AERIAL illuminator in a variable NA wafer stepper)」(SPIE Vol. 2726、Optical Microlithography IX, 13-15、1996年3月、p.54〜70)に説明されている。投影ビームの横断面と瞳の横断面の間の比は、σ、すなわちコヒーレンス係数によって表される。マスクパターンの投影の場合、現在、1〜0.3の間のσ値が使用されている。本発明によると、このようなリソグラフィー装置は、ビームの横断面を制限するための手段が、σ値を0.2以下のオーダーに設定することができるように実施されているならば、収差を測定する新規の本方法を実行するための極めて適した装置にすることができる。この手段は、投影ビームの横断面を、基板上にマスクパターンを投影するために使用されるビーム横断面よりも相当に小さくすることができるように、リソグラフィー装置内にすでに存在するビーム制限手段を適合化することによって得ることができる。この場合、ビーム横断面のこのさらなる縮小は、ビームの総エネルギを維持しながら達成することができる。収差の測定の場合、これに代えて、1と例えば0.1の間のσを調整できるように開口を調整することのできる追加のダイアフラムを、放射線源とマスクホルダの間の放射線経路内に配置することが可能である。
ステップアンドスキャン型リソグラフィー投影装置の両方において使用することができる。ステッピング型装置においては、マスクパターン全体が
本発明は、ステッピング型(stepping)リソグラフィー投影装置と照射されて、第一IC領域に画像化される。その後、次のIC領域がマスクパターンと投影システムの下に位置するまで、マスクパターンと基板が互いに相対的に動かされ、これによって1ステップが完了する。次いで、このIC領域がマスクパターンを介して照射されて、これによって次のステップが完了し、基板のすべてのIC領域にマスクパターンが画像化されるまで、同じステップが繰り返される。投影レンズシステムに課せられる、大きな開口数と大きな画像フィールドという要件を軽減するため、および/または、装置の分解能と画像フィールドとを増大させるためには、ステップアンドスキャン型装置が使用されることが好ましい。この装置においては、マスクパターンは1ステップでは全体が画像化されない。マスクパターンは、細長い長方形、または環状断片形状のビーム横断面を持つビームによって照射される。マスクパターンのすべての副領域が基板の対応する副領域に連続的に画像化されるように、投影システムの倍率を考慮しながら、マスクパターンと基板がシステムに対して同期的に動かされる。このような装置においては、一方向(例:X方向)における投影ビームの横断面はすでに小さいため、新規の方法のための最適な照射を得るためには、他方の方向(例:Y方向)におけるビーム横断面のみを低減すればよい。
テストオブジェクトは、マスク表面領域の非常に小さな部分しか占めない。全体が透明なテストマスクが使用される場合、このマスクのうちテストオブジェクトの領域の外側を通過する放射線が、干渉放射線の効果を持つことがあり、位相構造の画像の品質を低下させることがある。これを防ぐため、テストオブジェクト特性のみが透明であって、マスクのそれ以外の部分(以下、外側領域と呼ぶ)が、例えばクロムによるコーティングによって不透明にされているテストマスクが使用されることが好ましい。図20は、不透明領域12の中の透明な開口の形態における1つのテストオブジェクト特性10を有するテストオブジェクトが形成されている、テストマスク200の一部を示す。不透明領域と外側領域202は、クロム層でコーティングすることができる。
走査型電子顕微鏡、または別の走査型検出デバイスが小さなテストオブジェクトを容易に見つけることができることを達成するために、図20に示されているように、テストマスク内の各テストオブジェクトの外側領域に、認識マーク203が形成されている。このマークは、図に示されている例においては、クロム層内のF形状の開口によって形成されているが、x方向とy方向の両方に延びている微細形状を持つならば、任意のマークでよい。図20に示されているように、認識マークのx方向に延びている長方形とy方向に延びている長方形は、デルタテスト特性10よりも相当に大きい。従って、このマークは、容易に観察可能であり、検出デバイスの視野移動用として適している。このマークが観察されたら、検出デバイスを、テストマスクの外側領域202に対応する基板上の領域にすぐに導くことができる。次いで、検出デバイスは、テスト特性10の画像の探索を開始し、その強度分布を走査する。領域12内での検出デバイスの視野移動を単純にするため、領域12の中には、x方向における透明な長方形204とy方向における透明な長方形206を存在させることができる。
テストオブジェクトの外側領域202の中の参照数字208によって示されているように、さらなる情報を提供することができる。この情報は、テストオブジェクトのパラメータに関連するものとすることができ、または、位置情報とすることができ、テストマスク上の関連するテストオブジェクトのxおよびy座標を示す。本方法を実行するために有用となりうるさらなる情報は、認識マーク203に提供することもできる。
マーク203, 208は、その微細形状が相対的に大きいため、画像化環境が理想的でない場合、例えば、使用される照射の品質が最適でない場合にさえも、これらの微細形状は必ず走査型検出デバイスが十分に認識できるように画像化される。例えば、使用される照射量が少なすぎる場合には、テスト特性10の画像の品質は、本方法を満足に使用することのできない程度まで低下する。マーク203および/または208を観察することによって画質の低さの原因を突き止めることができ、これによって、そのような条件でも位相パターンの有効な画像が得られ、かつ依然として本方法を使用できるように、環境を適合化することができる。
ここまでは、テストオブジェクトのテスト特性が不透明領域内の透明な開口であることを想定してきた。しかしながら、テスト特性は、大きな透明領域内の微細な不透明領域で構成することもできる。また、テスト特性が、周囲領域の高さと異なる高さにおける微細な領域から成る位相構造であることも可能である。リソグラフィー装置において反射性の製造マスクが使用される場合には、本検出方法は反射性のテストマスクを使用して実行される。透過性のテストオブジェクトについて上述されている3つの可能性は、反射性のテストオブジェクトについても使用することができる。このようなオブジェクトの場合、透過性のテストオブジェクトについて使用されている用語「透明な」と「不透明な」は、それぞれ、用語「反射性の」と「非反射性の」に置き換える必要がある。
本文書におけるここまでの説明は、リソグラフィー装置の投影レンズシステムの測定を説明しているのみである。しかしながら、このような装置の投影システムは、ミラー投影システムでもよい。投影放射線としてEUV放射線が使用される場合には、このような投影システムを使用する必要がある。EUV(すなわち極紫外線)の放射線は、数nmから数十nmの範囲内の波長における放射線を意味するものと理解される。この放射線は、軟X放射線とも呼ばれる。EUV放射線を使用することは、0.1 μm以下のオーダーの極めて小さい微細形状を満足に画像化することができるという利点を提供する。言い換えれば、EUV放射線が使用されている画像化システムは、システムの焦点深度が十分に大きな値を持つようにシステムのNAを極めて大きくする必要なく、非常に高い分解能を持つ。EUV放射線の場合、レンズを作製するための十分に透明かつ適合する材料がないため、基板上にマスクパターンを画像化するのに、従来の投影レンズシステムの代わりにミラー投影システムを使用する必要がある。このようなミラー投影システムの様々な実施例が公知であり、これらは3〜6枚のミラーを有することができる。ミラーの数が多いほど、画質は高まるが、反射損失のため、基板上の放射線の品質はそれだけ下がる。6枚のミラーを持つミラー投影システムは、例えば、欧州公開公報番号第 0 779 528号に説明されている。
図21は、ステップアンドスキャン型リソグラフィー投影装置用の別のタイプの実施例として、6枚のミラーを持つミラー投影システムを示す。この装置は、0.20のオーダーの開口数(画像側)と、0.25の倍率Mと、相対的に大きな作動距離fwdを持つ幅1.5 mmの環状断片形状の画像フィールドとを持つことができる。この装置は、線図的に示されている照射ユニット210を有し、このユニットは、EUV放射線源と、横断面が環状断片形状である投影ビームPBを形成するための光学システムとを収容している。この図に示されているように、照射ユニットは、基板テーブルWTと、投影システムの画像化セクション219, 220の近くに配置することができ、従って、投影ビームPBはこれらの要素の近くに沿って投影カラムに入ることができる。画像化されるマスクMA'は、この例においては反射性のマスクであり、マスクホルダMH内に配置されている。このホルダは、マスクテーブルMTの一部を形成しており、このマスクテーブルMTは、マスクパターンのすべての領域を投影ビームPBによって形成される照射スポットの下に配置することができるように、走査方向212と、場合によっては走査方向に垂直な方向とに、マスクを動かすことができる。マスクホルダとマスクテーブルは線図的に示されているに過ぎず、様々な方法において実施することができる。基板Wは、基板テーブルWTによって支持されている基板ホルダWH上に配置されている。基板テーブルは、走査方向、すなわちX方向のみならず、走査方向に垂直なY方向にも、基板を動かすことができる。この実施例においては、走査の間、マスクと基板は同じ方向に動く。ブロック214は、基板テーブルを支持している。
投影ビームは、反射性のマスクMAによって、第一の凹形ミラー215に反射される。このミラーは、このビームを収束性のビームとして、わずかに凹形の第二ミラー216に反射する。ミラー216は、このビームをより強い収束性のビームとして第三ミラー217に反射する。ミラー217は、凸形であり、このビームをわずかに発散性のビームとして第四ミラー218に反射する。このミラー218は、凹形であり、このビームを収束性のビームとして第五ミラー219に反射し、第五ミラー219は、凸形であり、このビームを発散性のビームとして第六ミラー220に反射する。このミラー220は、凹形であり、このビームを、基板W上にコーティングされているレジスト層PR上に焦点を合わせる。ミラー215, 216, 217, 218は、協力してマスクの中間画像を形成する。ミラー219, 220、この中間画像の、望ましいテレセントリックの画像をレジスト層PR上に生成する。
上述されているミラー投影システムと、その他の投影システムも、前述の収差、すなわち球面収差、コマ収差、非点収差、三点収差と、生じうるさらなる収差を持つことがあり、これらの収差も、新規の本方法によって正確かつ高い信頼性で測定することができる。
本発明は、リソグラフィー投影装置の投影レンズシステムまたはミラー投影システムの測定を参照しながら説明されているが、このことは、本発明の用途がこれに限定されることを意味しない。本発明は、画像化システムの収差をそれぞれ独立して高い精度と信頼性で測定する必要のある場合に使用することができる。このような画像化システムの一例は、宇宙望遠鏡である。しかしながら、リソグラフィー投影装置において新規の本方法を使用する場合が最適な用途であり、なぜなら、すでにこの装置自体が基板上にパターンを画像化することを目的としており、かつ、この装置の画像化およびサーボシステムも新規の本方法を実行するために使用することができるためである。さらに、前出の追加のダイアフラムなど、本方法を実行するのに望ましい使用可能な手段を、装置内に容易に配置することができる。
付録A
点広がり関数の電界を計算するための基本式
点広がり関数の電界は、U(x, y)である。規格化された座標(x, y)に焦点をずらす媒介変数fを足したもの、及び側面及び軸方向における実空間画像の座標(x, y, z)の関係は、次の通りである。
Figure 0004467982
対称性の仮定は、一般性を失うことなく行うことができる。全収差関数Aexp(iΦ)は、ゼルニケ多項式により、次のように表すことができる。
Figure 0004467982
一般に、係数βnm (n≧m≧0、n-m偶数)は複素数である。点広がり関数Uの電界は、
Figure 0004467982
によって与えられ、ここで、
整数nはm≧0かつn-m≧0であり、偶数に対し、
Figure 0004467982
である。Vnmをベッセル級数で表記すると
Figure 0004467982
となり、ここで、vij
Figure 0004467982
で与えられ、かつl=1,2,…,j=0,…,pである。式(5)において
Figure 0004467982
とした。lについての無限級数に含まれる項の数Lには、次の規則が用いられる。
すなわち、Lが焦点をずらす媒介変数の三倍である時、絶対数の切り捨て誤差は10-6のオーダであると言う規則である。
付録B
収差の決定
観測された数値は、画像の明暗度I(x, y, z)=|U(x, y, z)|2である。通常、画像の明暗度は、長方形の座標に対して定義される。収差の検索には、以下の手順が実行される。
1.観測された画像の明暗度は、極座標I(r, φ, f)に変換される。
2.観測された画像の明暗度を用いてフーリエ展開が行われる。すなわち、
Figure 0004467982
となる。
3.(r, f)空間において、内積、すなわち、
Figure 0004467982
が定義される。
良好に補正されたレンズでは、式(2)におけるAは、1に等しく、かつ収差位相Φは、十分に小さくなるので、一次近似では、
Figure 0004467982
となり、ここで、αnmは、Φにおける単一収差Rm n(ρ)=cosmφの係数であり、かつ、Iから推定されるべきである。これにより、
Figure 0004467982
となるが、ここで、n=m+2l及びl=0,1,…である。
これは、
Figure 0004467982
となる。
上述したように、Ψm m+2kを用いて式(13)の内積を取ることにより、数量αm、つまりゼルニケ係数を、方程式の線形系を解くことにより見出すことが出来る。式(13)の左辺の総和をLに限定すると、線形系(L+1)x(L+1)を解くことにより得られるΨm m+2lの線形結合は、Ψm m+2l ,l=0,…,Lの線形結合として、Ψmの最小二乗近似、すなわちLを与える。この解は、式(13)におけるL+1項を用いて、実験により得られた明暗度分析結果から得ることが出来る、最上の線形結合である。
Figure 0004467982
本方法を実行することのできるフォトリソグラフィー投影装置の実施例を線図的に示す。 画像化システムによって生成される強度分布を示す。 本方法を実行するためのシステムのブロック図を示す。 デルタテスト特性の第一実施例と、完全な画像化システムによって生成されるその強度とを示す。 デルタテスト特性の第二実施例を示す。 デルタテスト特性の第三実施例を示す。 デルタテスト特性の第四実施例を示す。 デルタテスト特性の第五実施例を示す。 デルタテスト特性の第六実施例を示す。 デルタテスト特性のSEM写真を示す。 デルタテスト特性によって生成される強度分布を示す。 表面全体に多数のデルタテスト特性の画像が分散されているウェハレジスト層を示す。 各デルタテスト特性に使用する基準マークの実施例を示す。 各デルタテスト特性に使用する基準マークの別の実施例を示す。 各デルタテスト特性に使用する基準マークのさらに別の実施例を示す。 1つのデルタテスト特性を持つテストオブジェクトと、この形状によって生成される強度分布を走査するための空中検出器とを示す。 多数のデルタテスト特性を持つテストオブジェクトと、このテストオブジェクトで使用するための複合空中検出器の第一実施例とを示す。 複合空中検出器の第二実施例を示す。 複合空中検出器の第三実施例の透視図を示す。 この検出器の1行の検出器素子の横断面を示す。 光学測定ウェハの実施例を示す。 動径方向の位置と焦点ずれの関数としての非点収差の変動を示す。 デルタテスト特性と基準マークとが形成されているテストマスクの小部分を示す。 ミラー投影システムを持つリソグラフィー投影装置の実施例を示す。
符号の説明
PL 投影レンズシステム
MA マスク
MH マスクホルダ
MT マスクテーブル
W 基板
WH 基板ホルダ
WT 基板テーブル
LA 放射線源
LS レンズシステム
RE 反射器
CO 集光レンズ
PB 投影ビーム
MA マスク
PR レジスト層
C マスクパターン
Wd IC領域
M1, M2, P1, P2 位置合わせマーク
Si, S13, S'13, SAC 信号
SPU 信号処理ユニット
AC アクチュエータ
IP 空間強度分布
CI 円
PA 投影装置
DE 現像/エッチング装置
SEM 走査型電子顕微鏡
IP 画像処理デバイス
MO モニタ
10 開口
12 不透明な板または層
13, 13' 放射線感応検出器
14 基板
16, 26 グラフ
18 エアリー強度分布
20 中心ローブ
22, 24 サイドローブ
E' 電界ベクトル
wi 中心ローブ幅
28 不透明領域
30 透明層
32, 52 微細領域くぼみ
34 開口
35 クロム層
40 反射性領域
42 非反射性層
44 板またはマスク基板
48 非反射性領域
50, 54 反射性層
65〜70 環状領域
71 レジスト層
72〜80, 82〜89 露光領域
90 強度分布
100, 102〜105 スポット
107 円
109 領域
112 放射線感応検出器
114 リード線
116 開口
118 カバー層
120, 121 矢印
130 検出器
132 画像フィールド
134, 136 破線
140 複合検出器
141〜156, 161〜167 検出器要素
160 複合検出器
170〜174 基板領域
175 半導体放射線センサ
180 光学測定デバイス
182 基板
184〜188 センサ
192 メモリ
194 入力/出力インタフェース
196 電源
200 テストマスク
202 外側領域
203 認識マーク
204, 206 長方形
208 さらなる情報
210 照射ユニット
212 走査方向
214 支持部
216, 217, 218, 219, 220 ミラー

Claims (41)

  1. 光学画像化システムの収差を確定する方法であって、当該方法が、
    − テストオブジェクトを前記画像化システムの物体面に配置するステップと、
    − 多数のテストオブジェクト画像を前記画像化システムと画像化ビームとによって形成するステップであって、各テストオブジェクト画像が、前記画像化システムの異なる焦点状態で形成される、前記ステップと、
    − 前記画像化システムの分解能よりも大きい分解能を有する検出デバイスによって、前記テストオブジェクト画像を検出するステップと、
    − 前記検出デバイスの出力信号を分析して、前記収差の異なる収差項の値を確定するステップと、
    を有する、方法において、
    − 前記テストオブジェクトを配置する前記ステップが、前記画像化システムの前記分解能と比較して小さい大きさを有する少なくとも1つのテストオブジェクト特性を含めるステップを有することと、
    − 前記テストオブジェクト画像を検出する前記ステップが、テストオブジェクト特性のすべての画像について、そのテストオブジェクト特性に関連付けられる画像平面領域全体にわたる強度プロファイルを検出するステップを有し、当該画像平面領域が、前記テストオブジェクト特性の前記画像のエアリー分布の第一輪よりも実質的に大きいことと、
    − 前述した前記確定するステップの結果であり、かつ前記異なる収差項からの結果となる点広がり関数の動径部分を含む、少なくとも一組の一次方程式を解いて、これらの収差項を取得するステップを有することと、
    を特徴とする、方法。
  2. テストオブジェクト画像を形成する前記ステップが、前記テストオブジェクト特性の前記大きさよりも実質的に大きい相互距離に配置されているテストオブジェクト特性の行列を画像化するステップを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. テストオブジェクト画像を形成する前記ステップが、レジスト層にテストオブジェクト画像を形成するステップを有することと、この層が、現像されることと、前記現像された画像が、走査型検出デバイスによって検出されることとを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記レジスト層を現像する前に、各テストオブジェクト特性のための基準特性を前記レジスト層に画像化する、追加のステップ、を特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記追加のステップが、各テストオブジェクト特性の前記画像フィールドの中心に点形状の基準特性を形成するステップを有することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記追加のステップが、各テストオブジェクト特性の前記画像フィールドの縁に円形の基準特性を形成するステップを有することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記追加のステップが、各テストオブジェクト特性の前記画像フィールド内に、複数組の向かい合う線状の基準特性を形成するステップを有することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  8. テストオブジェクト画像を形成する前記ステップが、放射線感応検出器上に空中像を形成するステップを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  9. テストオブジェクト画像を形成する前記ステップが、各テストオブジェクト特性の空中像を個別の検出器領域上に同時に形成するステップを有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 製造マスク内に存在しているマスクパターンをレジスト層が設けられている製造基板上に投影するのに適しているリソグラフィー投影装置における収差を検出するための、請求項1〜9のいずれかに記載の方法において、少なくとも1つのテストオブジェクト特性を有するマスクが、前記投影装置内の前記製造マスクの位置に配置されていることと、レジスト層または放射線感応検出デバイスのいずれかが、前記製造基板の位置に配置されていることとを特徴とする、方法。
  11. テストマスクの一部を形成しているテストオブジェクトが使用されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 製造マスクの一部を形成しているテストオブジェクトが使用されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法を実行するためのシステムであって、当該システムが、
    − 前記画像化システムが一部を形成している装置と、
    − 少なくとも1つのテストオブジェクト特性を有するテストオブジェクトと、
    − 当該少なくとも1つのテストオブジェクト特性の前記画像内の前記強度分布を検出するための検出手段と、
    − 当該強度分布を分析するための、前記検出手段に結合されている画像プロセッサと、
    の組み合わせによって構成されているシステムにおいて、
    前記画像プロセッサが、前記画像化システムが示すことができる異なるタイプの収差を確定するための、前記画像化システムの前記点広がり関数によって確定される当該分布に関する情報を処理するための分析手段、を有することを特徴とする、システム。
  14. 前記検出手段が、前記少なくとも1つのテストオブジェクト特性の画像を受けるためのレジスト層と、前記レジスト層に形成されかつ現像されている前記テストオブジェクト特性の画像を走査するための走査型検出デバイスとを有することを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記検出手段が、前記少なくとも1つのテストオブジェクト特性の空中像を受信するための放射線感応検出器を有することを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
  16. 前記検出器が、点走査型検出器であることを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記テストオブジェクトが、多数のテストオブジェクト特性を有することと、前記検出器が、放射線感応部材と、前記テストオブジェクト内のテスト特性の数に対応する数の透明な点状領域とを有する走査型複合検出器であることとを特徴とする、請求項15に記載のシステム。
  18. 前記放射線感応部材が、すべての透明領域をカバーする1つの要素であることを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記放射線感応部材が、前記透明領域の数に対応する数の副部材から成ることを特徴とする、請求項17に記載のシステム。
  20. 前記対応する副部材の中心に対しての透明領域の位置が、前記透明領域と副部材の複数の対ごとに異なることを特徴とする、請求項19に記載のシステム。
  21. 前記複数の透明領域が、前記画像化システムから異なる距離に配置されていることを特徴とする、請求項19に記載のシステム。
  22. マスク内に存在する製造マスクパターンを基板上に画像化するためのリソグラフィー投影装置であって、当該装置が、投影ビームを供給するための照射ユニットと、マスクを収納するためのマスクホルダと、前記基板を収納するための基板ホルダとを有し、当該装置が、請求項1〜12のいずれかに記載の方法を実行するように適合化されている、リソグラフィー投影装置において、前記画像化システムが、前記マスクホルダと前記基板ホルダの間に配置されている投影システムによって構成されていることと、前記方法を実行している間、前記投影ビームが画像化ビームとして使用されることと、前記照射ユニットが、前記方法を実行している間、前記投影ビームの横断面の直径を、前記製造マスクパターンの投影時における前記投影ビームの横断面の直径よりも小さい値に縮小するための手段を有することとを特徴とする、リソグラフィー投影装置。
  23. マスク内に存在する製造マスクパターンを基板上に画像化するためのリソグラフィー投影装置であって、当該装置が、投影ビームを供給するための照射ユニットと、マスクを収納するためのマスクホルダと、前記基板を収納するための基板ホルダと、前記マスクホルダと前記基板ホルダの間に配置されている投影システムとを有し、当該装置が、請求項1〜12のいずれかに記載の方法を実行するように適合化されている、リソグラフィー投影装置において、当該リソグラフィー投影装置が、請求項15〜21のいずれかに記載の、空中像を検出する放射線感応検出器を有することを特徴とする、リソグラフィー投影装置。
  24. 請求項1〜12のいずれかに記載の方法で使用するための測定デバイスにおいて、当該測定デバイスが、製造基板の形状と寸法を有し、かつ、電子信号処理手段と、電源手段と、インタフェース手段と、デルタテスト特性の画像内の強度プロファイルを検出するための少なくとも1つの検出器とを有することを特徴とする、測定デバイス。
  25. 前記検出器が、点走査型検出器であることを特徴とする、請求項24に記載の測定デバイス。
  26. 前記検出器が、放射線感応部材と、多数の透明な点状領域とを有する複合検出器であることとを特徴とする、請求項24に記載の測定デバイス。
  27. 前記放射線感応部材が、すべての透明領域をカバーする1つの要素であることを特徴とする、請求項26に記載の測定デバイス。
  28. 前記放射線感応部材が、前記透明領域の数に対応する数の副部材から成ることを特徴とする、請求項26に記載の測定デバイス。
  29. 前記対応する副部材の中心に対しての透明領域の位置が、前記透明領域と副部材の複数の対ごとに異なることを特徴とする、請求項26に記載の測定デバイス。
  30. 前記複数の透明領域が、異なる高さに配置されていることを特徴とする、請求項26に記載の測定デバイス。
  31. 請求項1〜12のいずれかに記載の、テストオブジェクトに関する特徴的な形状のうちの1つ以上を有する、テストオブジェクト。
  32. テストマスクとして実施されており、かつ、前記マスクの表面の一部を形成している外側領域が、各テストオブジェクト特性を囲んでいる、請求項31に記載のテストオブジェクトにおいて、各外側領域に認識マークが形成されていることを特徴とする、テストオブジェクト。
  33. 請求項31または32に記載のテストオブジェクトにおいて、各テストオブジェクト特性に対して、視野移動マークが、前記テストオブジェクト特性と前記外側領域の間の中間領域に配置されていることを特徴とする、テストオブジェクト。
  34. 請求項31、32、または33に記載のテストオブジェクトにおいて、各テストオブジェクト特性に対して、前記テストオブジェクト特性、および/または、前記マスク表面上のその位置、に関する情報を有するさらなるマークが、前記テストオブジェクト特性の前記外側領域に配置されていることを特徴とする、テストオブジェクト。
  35. 請求項31〜34のいずれかに記載のテストオブジェクトにおいて、当該テストオブジェクトが、振幅構造を有することを特徴とする、テストオブジェクト。
  36. 請求項31〜34のいずれかに記載のテストオブジェクトにおいて、当該テストオブジェクトが、位相構造を有することを特徴とする、テストオブジェクト。
  37. 請求項35または36に記載のテストオブジェクトにおいて、当該テストオブジェクトが、透過性オブジェクトであることを特徴とする、テストオブジェクト。
  38. 請求項35または36に記載のテストオブジェクトにおいて、当該テストオブジェクトが、反射性オブジェクトであることを特徴とする、テストオブジェクト。
  39. 画像化システムによって形成されるテストオブジェクトの画像における強度分布を表すデータストリームから、前記画像化システムの収差の異なる収差項を取得するための取得方法であって、当該方法が、
    − 直交座標において測定された前記観察された強度分布を、極座標と焦点条件の関数としての強度I(r,φ,f)に変換するステップと、
    − 前記観察された画像強度のフーリエ展開Ψ(r,f)を確定するステップと、
    − (r,f)空間内で、前記フーリエ展開Ψ(r,f)と前記収差の位相(Φ)の内積を確定するステップと、
    − 前述した前記内積を確定するステップの結果であり、かつ前記異なる収差項からの結果となる点広がり関数の動径部分を含む、少なくとも一組の一次方程式を解いて、これらの収差項を取得するステップ、
    を有することを特徴とする、取得方法。
  40. 請求項39の取得方法を実行するためのソフトウェアを有するコンピュータプログラム。
  41. デバイス基板の少なくとも1つの基板層にデバイス形状を有するデバイスを製造するプロセスであって、当該プロセスが、以下の連続するステップ、すなわち、
    − 当該層に形成されるデバイス形状に対応する形状を有する製造マスクパターンを形成するステップと、
    − 制御されている投影システムによって、前記基板上にコーティングされたレジスト層に前記製造マスクパターンを画像化し、かつ、この層を現像することによって、前記製造マスクパターンに対応するパターン化されたコーティングを形成するステップと、
    − 前記パターン化されたコーティングの前記パターンによって描かれる前記基板層の領域から材料を除去する、または前記基板層の領域に材料を追加するステップ、
    の少なくとも1セットを有する、プロセスであって、
    前記投影システムの制御が、前記投影システムの収差を検出するステップと、前記検出の結果に従って当該システムの要素を再設定するステップとを有する、プロセスにおいて、
    前記検出が、請求項1〜12のいずれかに記載の方法によって実行されることを特徴とする、プロセス。
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