JP4467853B2 - 熱転写フィルムとそれを用いた画像形成方法及び画像形成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材上の一方の面にポリエステル樹脂を主成分とする熱転写層を、基材から最も遠い位置に形成した熱転写フィルムと、それを用いた画像形成方法及び画像形成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱転写方式は、可変情報を簡便に記録することができるため、各種の用途で広く利用されている。この方式は、基材上に色材層が設けられた熱転写フィルムと、必要に応じて受容層が設けられた被転写体とを、サーマルヘッド等の加熱デバイスとプラテンロールとの間に圧接し、画像情報に応じて加熱デバイスの発熱部分を選択的に発熱させ、熱転写フィルム上の色材層に含まれる色材を被転写体に移行させることにより画像を記録する方式である。この方法は、溶融熱転写方式と昇華熱転写方式に大別される。
【0003】
溶融熱転写方式は、溶融インキ層を担持した熱転写フィルムを、上述したような加熱手段によって加熱し、軟化した溶融インキ層成分を天然繊維紙またはプラスチックシート等の被転写体上に転写させて画像を形成する方法である。ここで用いる溶融インキ層は、顔料等の色材を熱溶融性のワックスまたは樹脂等のバインダーに分散させたものであり、プラスチックフィルム等の基材に担持させている。形成される画像は、高濃度で鮮鋭性に優れており、文字、線画等の2値画像の記録に適している。
【0004】
昇華転写方式は、昇華染料層を担持した熱転写フィルムを、上述のような加熱手段によって加熱し、染料層中に含まれる昇華染料を昇華させて被転写体上に設けられた受容層に移行させて画像を形成する方法である。ここで用いられる昇華染料は、色材として用いる昇華染料をバインダー樹脂に溶解または分散させたものであり、プラスチックフィルム等の基材フィルムに担持させている。この方式は、サーマルヘッド等の加熱デバイスに加えるエネルギー量によって、ドット単位で染料の移行量を制御できるため、濃度変調による階調再現が可能である。
【0005】
このように、溶融熱転写方式は、文字や数字等の画像を容易に且つくっきりと形成することができ、また、昇華転写方式は、階調表現に優れ顔写真等の画像を精密に美しく形成することができるといった、それぞれに特徴がある。
ところが、溶融熱転写方式による画像は、耐久性、特に耐摩耗性に劣るという欠点がある。また、昇華転写方式による画像は、通常の印刷インキによるものとは異なり、ビヒクルが無いために、耐光性、耐候性、耐摩耗性、耐薬品性等の耐久性に劣るという問題がある。
【0006】
そこで、上記の問題に対して、特開平9−11674号公報等で記載しているように、熱転写画像の情報の上に、保護層を転写して、耐久性をもたせることが行なわれている。
上記の保護層の転写は、転写される保護層を均一に、かつ指定した位置に指定した大きさで正確に、転写する必要がある。そのために、保護層転写の感度を向上させるために、保護層を構成する樹脂のガラス転移温度や熱軟化温度を低めにする結果、保護層転写シートの保存性が低下し、保護層転写シートの巻取り保管中にブロッキングが発生しやすい等の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、得られる画像形成物の耐摩耗性、耐光性等の耐久性に優れ、かつ転写感度が良好で、巻取り保管中のブロッキングを防止した熱転写フィルム及びそれを用いた画像形成方法及び画像形成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の熱転写フィルムは、基材上の一方の面に、数平均分子量の異なるポリエステル樹脂を2種含有する熱転写層を、基材から最も遠い位置に形成した構成で、かつポリエステル樹脂の1種が数平均分子量1000〜10000であり、もう1種のポリエステル樹脂が数平均分子量10000〜30000であるようにしたものである。
【0009】
前記のポリエステル樹脂のうち、少なくとも1種以上が、構成モノマーの酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、及びトリメリット酸を含有し、アルコール成分として、トリシクロデカングリコール、ネオペンチルグリコール、及びエチレングリコールから選ばれる少なくとも2種以上を含有することが好ましい。これにより、熱転写層の転写された画像形成物が耐摩耗性、耐光性等の耐久性に優れ、また転写性等が良好となる。
【0010】
前記の熱転写層に、0.5〜10重量%の滑剤を含有することが好ましく、熱転写層の転写された画像形成物の耐摩擦性、光沢等が向上し、転写時の膜切れ性が向上する。
また、前記の滑剤は融点70℃以上のワックスであることが望ましい。
前記の熱転写フィルムの基材と熱転写層との間に、基材から剥離しない離型層を形成することができ、熱転写層の転写性を向上させることができる。
前記の熱転写フィルムの基材と熱転写層の間に、基材から剥離可能な剥離層を形成することができ、熱転写層が剥離層とともに被転写体に転写しやすくなる。また、前記の熱転写フィルムの離型層と熱転写層との間に、離型層から剥離可能な剥離層を形成することができ、熱転写層が剥離層とともに被転写体に転写しやすくなる。
【0011】
前記の離型層の主成分がポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種以上の樹脂であることが好ましく、熱転写層の転写性をより向上させることができる。
また、前記の剥離層の主成分がメタクリレート系モノマーの単独重合体または共重合体であることが好ましく、熱転写層、剥離層の転写された画像形成物の耐摩耗性、耐光性等の耐久性がより向上する。
【0012】
本発明の画像形成方法は、前記の熱転写フィルムと、基材上の少なくとも一方に熱可塑性樹脂と着色剤とを含有する熱転写インク層を形成した熱転写記録媒体とを、熱転写フィルムの熱転写層と熱転写記録媒体の熱転写インク層が対向するように重ね合せ、像様に加熱することによって熱転写記録媒体の熱転写インク層または熱転写インク層に含有する着色剤を像様に熱転写フィルムの熱転写層に転写することで一旦熱転写フィルムに逆像を画像形成した後、画像形成された熱転写フィルムの熱転写層と被画像形成体の画像形成面とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルムの熱転写層とは反対側から加熱することによって、画像形成された熱転写層ごと被画像形成体に転写することによって、被画像形成体に画像形成するものである。
【0013】
また、本発明の画像形成方法は、溶融転写方式、昇華転写方式、電子写真方式、またはインクジェット方式によって被画像形成体に画像形成した後、被画像形成体の画像が形成された面と、前記の熱転写フィルムの熱転写層とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルムの熱転写層とは反対側から加熱することによって、熱転写層を被画像形成体に転写するものである。
本発明の画像形成物は、前記の画像形成方法によって画像形成されたものである。
【0014】
【作用】
本発明の熱転写フィルムは、基材上の一方の面に、数平均分子量の異なるポリエステル樹脂を2種含有する熱転写層を、基材から最も遠い位置に形成した構成で、かつポリエステル樹脂の1種が数平均分子量1000〜10000であり、もう1種のポリエステル樹脂が数平均分子量10000〜30000であるようにした。この熱転写フィルムと、基材上の少なくとも一方に熱可塑性樹脂と着色剤とを含有する熱転写インク層を形成した熱転写記録媒体とを、熱転写フィルムの熱転写層と熱転写記録媒体の熱転写インク層が対向するように重ね合せ、像様に加熱することによって熱転写記録媒体の熱転写インク層または熱転写インク層に含有する着色剤を像様に熱転写フィルムの熱転写層に転写することで一旦熱転写フィルムに逆像を画像形成した後、画像形成された熱転写フィルムの熱転写層と被画像形成体の画像形成面とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルムの熱転写層とは反対側から加熱することによって、画像形成された熱転写層ごと被画像形成体に転写することによって、被画像形成体に画像形成できる。これにより、得られる画像形成物は、熱転写画像が熱転写層で保護され、耐摩耗性、耐光性等の耐久性に優れ、かつ中間転写記録媒体として機能する熱転写フィルムを用いて、1回の転写で画像形成された熱転写層を被画像形成体に転写できるため、被画像形成体への転写によるダメージが少なく、画像形成物の品質劣化等を抑えることができる。
【0015】
また、溶融転写方式、昇華転写方式、電子写真方式、またはインクジェット方式によって被画像形成体に画像形成した後、被画像形成体の画像が形成された面と、上記の熱転写フィルムの熱転写層とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルムの熱転写層とは反対側から加熱することによって、熱転写層を被画像形成体に転写して、画像形成物が得られる。これにより、得られる画像形成物は、溶融転写方式、昇華転写方式、電子写真方式、またはインクジェット方式によって形成した画像が熱転写層で覆われ、保護されることで、耐摩耗性、耐光性等の耐久性に優れたものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
図1は、本発明の熱転写フィルム1である一つの実施形態を示す断面図であり、基材2上に熱転写層3が設けられ、その熱転写層3が基材2から最も遠い位置にある。この熱転写フィルム1は熱転写層3と接するように被転写体を対向させて、基材2の裏面側からサーマルヘッドやレーザー等による加熱により、被転写体に熱転写層3が転写される。
図2は本発明の熱転写フィルム1である他の実施形態を示す断面図であり、基材2上に離型層4、熱転写層3がこの順に積層し、熱転写層3が基材2から最も遠い位置にある。そして、基材2の他方の面に背面層6を設けたものである。図2の熱転写フィルムの場合、熱転写フィルム1の熱転写層3と接するように被転写体を対向させて、背面層6側からサーマルヘッドやレーザー等による加熱により、被転写体に熱転写層3が転写され、離型層4は基材2側に残存する。
【0017】
図3は本発明の熱転写フィルム1である他の実施形態を示す断面図であり、基材2上に剥離層5、熱転写層3がこの順に積層し、熱転写層3が基材2から最も遠い位置にある。図3の熱転写フィルムの場合、熱転写フィルム1の熱転写層3と接するように被転写体を対向させて、基材2の裏面側からサーマルヘッドやレーザー等による加熱により、被転写体に剥離層5、熱転写層3が転写される。
また、図4は本発明の熱転写フィルム1である他の実施形態を示す断面図であり、基材2上に離型層4、剥離層5、熱転写層3がこの順に積層し、熱転写層3が基材2から最も遠い位置にある。図4の熱転写フィルムの場合、熱転写フィルム1の熱転写層3と接するように被転写体を対向させて、基材2の裏面側からサーマルヘッドやレーザー等による加熱により、被転写体に剥離層5、熱転写層3が転写され、離型層4は基材2側に残存する。
【0018】
以下に本発明の熱転写フィルムを構成する各層等について、詳細に説明する。
(基材)
本発明の熱転写フィルムに用いられる基材2としては、従来の熱転写フィルムに使用されているものと同じ基材を、そのまま用いることができると共に、基材の表面に易接着処理のしてあるものやその他のものも使用することができ、特に制限はされない。好ましい基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、および、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、セロファン等があり、また、これらの2種以上を積層した複合フィルムなども挙げられる。これらの基材2の厚さは、その強度および耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜変更しているが、通常は、2〜100μm程度が好ましい。
【0019】
(熱転写層)
本発明の熱転写フィルムにおける基材上に設ける熱転写層3は、基材から最も遠い位置に、設けられている。熱転写層に形成した熱転写画像を熱転写層毎、被転写体に転写して、熱転写層がその画像を保護し、または熱転写層が被転写体の画像(熱転写画像等)上に転写されて、その画像の保護層として機能し、その画像の耐摩耗性、耐光性等の耐久性に寄与する。
熱転写層は、転写された後の耐摩擦性、透明性、硬度等に優れ、また転写感度が良好で、熱転写フィルムの巻取り保管中のブロッキングを防止できるようにした。すなわち、基材上の一方の面に、基材から最も遠い位置に数平均分子量の異なるポリエステル樹脂を少なくとも2種以上含有する熱転写層を形成した。
そのポリエステル樹脂のうち、少なくとも1種以上が、数平均分子量1000〜10000であることが望ましい。
あるいは、そのポリエステル樹脂のうち少なくとも1種以上が、数平均分子量10000〜30000であることが望ましい。
また、熱転写層を構成するポリエステル樹脂として、数平均分子量1000〜10000のポリエステル樹脂と、数平均分子量10000〜30000のポリエステル樹脂とをそれぞれ1種以上ずつ含有することが好ましい。
【0020】
本発明で規定する数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定したものであるが、上記の数平均分子量の各範囲は、A〜Bで示した場合、A以上B未満を意味したものである。
熱転写層は、数平均分子量が1000以上10000未満である、比較的低分子量のポリエステル樹脂と、数平均分子量が10000以上30000未満である、比較的高分子量のポリエステル樹脂とを、それぞれ1種以上組み合わせて、用いることが望ましい。
【0021】
数平均分子量が1000以上10000未満であるような比較的低分子量のポリエステル樹脂を含有する熱転写層は、ガラス転移温度あるいは軟化点が比較的低く、熱転写時の転写感度が良好である。
また、数平均分子量が10000以上30000未満であるような比較的高分子量のポリエステル樹脂を含有する熱転写層は、ガラス転移温度あるいは軟化点が比較的高く、耐熱性等に優れ、巻取り保管中のブロッキングの防止に効果的に機能する。
よって、熱転写層に、比較的低分子量のポリエステル樹脂と、比較的高分子量のポリエステル樹脂とを、それぞれ1種以上組み合わせて、用いることで、低分子量と高分子量のポリエステル樹脂の上記に挙げたような両者の機能を発揮させることができる。
【0022】
上記のポリエステル樹脂は、その酸成分として、例えば、芳香族としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、脂肪族又は脂環族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、ヘキサハイドロイソフタル酸、ヘキサハイドロテレフタル酸等が挙げられる。又、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3官能以上のポリカルボン酸を使用することが出来る。
本発明の熱転写フィルムにおける熱転写層として、ポリエステル樹脂の中でも酸成分として、特にテレフタル酸、イソフタル酸、及びトリメリット酸を構成モノマーとして使用したものが、保護層となった時の耐摩耗性、耐光性等の耐久性に優れたものとなり、好ましい。
【0023】
さらに、ポリエステル樹脂の他の原料であるアルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、、1,4−シクロヘキサンジジメタノール及びトリシクロデカングリコール等が挙げられ、保護層となった時の耐摩耗性、耐光性等の耐久性や、転写性、定着性等から、特にトリシクロデカングリコール、ネオペンチルグリコール、及びエチレングリコールから選ばれる少なくとも2種以上を構成モノマーとして使用したものが、ガラス転移点を50〜100℃の範囲のポリエステル樹脂に調整しやすく、好ましい。
上記の比較的低分子量のポリエステル樹脂は、数平均分子量が1000未満であると、熱転写フィルムの巻取り状態で保管中、ブロッキングが生じやすくなり好ましくない。また、上記の比較的高分子量のポリエステル樹脂は、数平均分子量が30000を越えると、転写性が低下してくる。
【0024】
本発明の熱転写フィルムの熱転写層には、その熱転写層が被画像形成体に転写した後の画像形成物における耐摩擦性を向上させるために、滑剤を加えることができる。その滑剤としては、ワックス、界面活性剤等が挙げられる。ワックスを具体的に例示すると、蜜蝋、鯨蝋、木蝋、米ぬか蝋、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス等の天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックスが挙げられる。特に、融点70℃以上のワックスが好ましく、熱転写フィルムの巻取り状態での保管中、あるいは画像形成物の保管中、ブロッキングが生じにくい。
【0025】
また、上記滑剤として、界面活性剤としては、燐酸系やフッ素系のものが挙げられる。また滑剤として、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン等も挙げられる。
このような滑剤は、乾燥状態の熱転写層に対して、0.5〜10重量%の割合で含有することが好ましく、この範囲より少ないと、充分な耐摩擦性が付与できず、またこの範囲より多すぎる含有量になると、熱転写層の被画像形成体への接着性が低下してくる等、支障が出てくる。
【0026】
熱転写層は、上記の熱転写層用の樹脂に必要な添加剤を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり或いは有機溶剤や水に分散した分散体を、例えば、グラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の形成手段により、基材上に塗布及び乾燥することにより形成される。熱転写層は任意の厚みに形成することができるが、好ましくは、乾燥後の厚みで0.1〜50g/m2であり、更に好ましくは0.2〜10g/m2である。
【0027】
本発明における熱転写フィルムは、基材上に剥離可能に熱転写層を設けるが、基材上に離型層を介して、熱転写層を設けて、加熱により熱転写層を基材からより剥離し易くすることができる。この離型層は熱転写の際に、基材から剥離せずに、基材側に残存する。
(離型層)
熱転写フィルムにおいて、基材と熱転写性層の材質の組合せによっては熱転写の際の離型性が十分でない場合がある。このような場合、基材上に予め離型層4を設けることができる。離型層は、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂や、ワックス類、シリコーンワックス等から構成することができる。
熱転写層の転写性をより向上させるために、離型層の主成分をポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種以上の樹脂であることが好ましい。
【0028】
上記のような離型層を構成する成分の塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成でき、塗膜の厚さは0.01〜2g/m2程度で充分である。尚、離型層に使用する材料を選択する際に、注意しなければならない点としては、熱転写層と適切な離型性を有することは勿論のことであるが、更に、熱転写層との接着力よりも基材との接着力を高くすることが重要であり、もし基材との接着力が十分でない場合には、離型層ごと熱転写層が転写される等の異常転写の原因となる。また、転写後の印画物において艶消しの表面外観が望ましい場合には、離型層中に各種の粒子を包含させるか、或いは、離型層側表面をマット処理した基材を使用することにより、熱転写層を転写した印画物の表面をマット状にすることもできる。
【0029】
本発明における熱転写フィルムは、基材上に剥離可能に熱転写層を設けるが、基材上に剥離層を介して、熱転写層を設けて、加熱により熱転写層を基材からより剥離し易くすることができる。この剥離層は熱転写の際に、基材から剥離可能なものである。
(剥離層)
剥離層5は、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリオレフィン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、セルロース誘導体樹脂等、及びこれらの樹脂群の共重合体、ワックス類、シリコーンワックス等を含有することができる。
剥離層は、その主成分がメタクリレート系モノマーの単独重合体または共重合体であることが好ましく、熱転写層、剥離層の転写された画像形成物の耐摩耗性等の耐久性がより向上する。
【0030】
上記のメタクリレート系モノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクレリレート、sec−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
上記のような剥離層を構成する成分を含有する塗工液を、従来公知のグラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して、形成することができる。
剥離層の厚みは、乾燥状態で0.01〜5g/m2程度である。
【0031】
また、熱転写フィルムには、基材上に設けた熱転写層の上に接着層を設けて、熱転写の際に被転写体との定着性を向上させることも可能である。この接着層は、加熱により接着性を発現する材料を選択することが好ましく、例えば、熱可塑性の合成樹脂、天然樹脂、ゴム、ワックス等を用いて、上記の剥離層と同様の形成手段により、形成することができる。接着層の厚みは、0.01〜5g/m2程度である。
【0032】
(背面層)
また、熱転写フィルムの基材に対し、その基材の熱転写層の設けてある面と反対側の面に、サーマルヘッド等との粘着を防止し、且つ、滑り性を良くするために、背面層6を設けることが可能である。
この背面層に用いる樹脂としては、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリルースチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、クマロンインデン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物が用いられる。背面層の耐熱性をより高めるために上記の樹脂のうち、水酸基系の反応性基を有している樹脂を使用し、架橋剤としてポリイソシアネート等を併用して、架橋樹脂層とすることが好ましい。
【0033】
さらに、サーマルヘッドとの摺動性を付与するために、背面層に固形あるいは液状の離型剤又は滑剤を加えて耐熱滑性をもたせてもよい。離型剤又は滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を用いることができる。背面層に含有される滑剤の量は5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%程度である。
背面層を形成する手段は、上記のごとき、樹脂に必要に応じて離型剤や滑剤等を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、塗工液を調製し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものである。その背面層の塗工量は、乾燥状態で0.1〜10g/m2程度である。
【0034】
(画像形成方法)
図5には、本発明の画像形成方法の一例を説明する概略図を示し、基材21上の一方に熱転写層3を設けた、すなわち基材21上の一方の面に熱転写層3を、基材21から最も遠い位置に形成した熱転写フィルム1と、基材22上の少なくとも一方に熱可塑性樹脂と着色剤とを含有する熱転写インク層8を形成した熱転写記録媒体7とを、熱転写フィルム1の熱転写層3と熱転写記録媒体7の熱転写インク層8が対向するように重ね合せ、像様に加熱する。その加熱条件は、サーマルヘッド11による加熱で、熱転写フィルム1と熱転写記録媒体7を、サーマルヘッド11とプラテンロール12との間に挟み込み、この場合は熱転写記録媒体7の熱転写インク層8の設けてある面と反対側からサーマルヘッド11で像様に加熱する。(図5(1)参照)
【0035】
上記の加熱後に、熱転写フィルム1と熱転写記録媒体7とを重ね合せた状態から、両者を離して、熱転写記録媒体7の熱転写インク層8または熱転写インク層8に含有する着色剤が像9として熱転写フィルム1の熱転写層3に転写する。但し、この像9はAに示す向きで見た場合、逆像(鏡像)として形成し、Bの方向からこの像9を観察すれば正像となる。(図5(2)参照)
次に上記の画像9を形成した熱転写フィルム1の熱転写層3と被画像形成体10の画像形成面とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルム1の熱転写層3とは反対側から、ヒートロール13の熱源により加熱する。尚、ヒートロール13による加熱において、熱転写フィルム1と被画像形成体10は、ヒートロール13とプラテンロール12との間に挟まれて、加熱及び加圧される。(図5(3)参照)
そして、その加熱後に、熱転写フィルム1と被画像形成体10とを重ね合せた状態から、両者を離して、熱転写フィルム1の像9、熱転写層3が、ヒートロール13で加熱された部分で、被画像形成体10上に転写される。(図5(4)参照)
【0036】
本発明の画像形成方法で使用する熱転写記録媒体7は、基材22上に熱溶融性インク層または昇華性染料インク層の熱転写インク層8を形成したものであり、いずれのインク層でも選択することができる。基材上に熱溶融性インク層を設けた熱転写記録媒体の場合、印字の際に、その熱溶融性インク層が被転写体に転写される。
また、基材上に昇華性染料インク層を設けた熱転写記録媒体の場合は、印字の際に、昇華性染料インク層に含有する着色剤である昇華性染料が被転写体に転写される。
上記の熱転写記録媒体は、熱転写インク層が熱溶融性インク層または昇華性染料インク層でも、従来から使用されているものが用いることができ、限定して用いるものではない。
【0037】
また、図6は本発明の画像形成方法の他例を説明する概略図を示し、被画像形成体10上に、溶融転写方式、昇華転写方式、電子写真方式、またはインクジェット方式によって、画像9を形成しておき、被画像形成体10の画像9が形成された面と、基材2上の一方に熱転写層3を設けた、すなわち基材2上の一方の面に熱転写層3を、基材2から最も遠い位置に形成した熱転写フィルム1の熱転写層3とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルム1の熱転写層3とは反対側から、ヒートロール13により加熱する。尚、ヒートロール13による加熱において、熱転写フィルム1と被画像形成体10は、ヒートロール13とプラテンロール12との間に挟まれて、加熱及び加圧される。(図6(1)参照)
そして、その加熱後に、熱転写フィルム1と被画像形成体10とを重ね合せた状態から、両者を離して、熱転写フィルム1の熱転写層3が、ヒートロール13で加熱された部分で、画像9を有する被画像形成体10上に転写される。(図6(2)参照)
【0038】
上記の被画像形成体に画像形成する方式として、前記に説明したような基材上に、熱溶融性インク層または昇華性染料インク層の熱転写インク層を設けた熱転写記録媒体を使用して、サーマルヘッド等の熱源を用いて、像様に加熱し、熱転写画像を形成する溶融転写方式、昇華転写方式を用いることができる。また、被画像形成体に画像形成する方式として、電子写真方式を用いて、感光体上に静電潜像を露光により形成し、その潜像をトナーにより現像後、トナー画像を被画像形成体上に転写して形成したり、インクジェットインキを用いて、そのインキをノズルから部分的に吐出させるインクジェット記録方式で被画像形成体に画像形成を行なうことができる。
【0039】
本発明の画像形成方法において、熱転写フィルムの熱転写層に、熱転写記録媒体の熱転写インク層を熱転写して画像形成する際の、像様に加熱する手段は、サーマルヘッド加熱やレーザー光照射等の従来公知の熱転写を行う際の熱エネルギーの付与手段が使用できる。
また、上記の熱転写インク層により画像形成された熱転写層を被画像形成体に転写する手段は、転写画像を形成する際のサーマルヘッドやラインヒーター、ヒートロールあるいはホットスタンプ等の方法が挙げられる。
尚、本発明で最終的に得られる被画像形成体上の画像が正しい向きになるように、熱転写フィルム上の熱転写層の上に画像形成する場合、その最終的に得られる被画像形成体での画像とは鏡像の画像を形成する必要がある。
【0040】
上記のような画像形成方法により、被画像形成体に画像が形成されたものが、画像形成物となる。この被画像形成体としては、特に限定されず、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、各種プラスチック等、いずれのシートや立体成型物でもよく、また形状的にはカード、葉書、パスポート、便箋、レポート用紙、ノート、カタログ、コップ、ケース、建材、パネル、電話、ラジオ、テレビ等の電子部品や二次電池等いずれのものでもよい。
但し、被画像形成体に直接、溶融転写方式、昇華転写方式、電子写真方式、またはインクジェット方式により、画像形成した後に、本発明の熱転写フィルムを用いて、その画像上に熱転写層を転写する場合、被画像形成体に上記記録方式に応じて、記録材料を受容、定着しやすいように、受容層を設けることも可能である。
【0041】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明する。尚、文中部または%とあるのは重量基準である。
(熱転写フィルム1〜熱転写フィルム12の作製)
表5に示す各層の条件により、熱転写フィルム1〜熱転写フィルム12を作製する。すなわち、表5に示す基材上に、表4に示す組成で背面層を固形分0.2g/m2になるように塗布し、その基材の他方の面に、表5に示す条件で、離型層、剥離層、熱転写層を順次形成する。尚、離型層の組成は表5の通りであり、使用する樹脂の詳細は表2に示した。
また剥離層の組成は表5の通りであり、使用する樹脂の詳細を表3に示した。
熱転写層の組成は表5の通りであり、使用する樹脂の詳細は表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
(熱転写インクシート1の作製)
着色画像形成用として熱転写インクシート1を、表6に示す各層の条件で、作製した。
【表6】
【0048】
(被転写体)
熱転写フィルムの評価を行なう際に、使用する被転写体として、厚さ200μmの黒色ポリカーボネートシートを用いた。
【0049】
(実施例1、3、5、7、9、11,13、15、17、19、21)、(比較例1)
(着色画像の直接転写)
表7に示すような組み合わせで、被転写体と熱転写インクシートとを被転写体の一方の面と熱転写インクシートの着色層とが対向するように重ね合わせ、熱転写インクシートの背面側からサーマルヘッドで像様に加熱し、着色剤のみ、または着色剤とバインダーとを被転写体に像様に転写することで被転写体に着色画像を直接形成する。その後、着色画像が形成された被転写体の画像形成面と、表7で示す条件の、熱転写層を設けた熱転写フィルムの熱転写層とが対向するように重ね合わせ、熱転写フィルムの背面側から180℃に加熱されたゴムで被覆されたヒートロールで全面加熱し、熱転写フィルムの熱転写層を被転写体に全面転写形成する。
尚、着色画像の印画条件は、サーマルヘッド加熱の評価用プリンタを用い、ライン速度2.8msec/line、パルスデューティ80%、またサーマルヘッドの解像度は300DPI、サーマルヘッド抵抗値は1600Ω、印加電圧17.5Vである。また印画パターンは、7ポイントのサイズで「ABC」という文字とした。
【0050】
【表7】
【0051】
(実施例2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22)、(比較例2)
(着色画像の再転写)
前述の方法と表7に示す組み合わせで作成した熱転写層を設けた熱転写フィルムと熱転写インクシートとを熱転写フィルムの熱転写層と熱転写インクシートの着色層とが対向するように重ね合わせ、熱転写インクシートの背面側からサーマルヘッドで像様に加熱し、着色剤のみ、または着色剤とバインダーとを熱転写フィルムの熱転写層上に像様に転写することで熱転写フィルムの熱転写層上に着色画像を形成する。その後、被転写体と、着色画像が熱転写層上に形成された熱転写フィルムの熱転写層とが対向するように重ね合わせ、熱転写フィルムの背面側から180℃に加熱されたゴムで被覆されたヒートロールで全面加熱し、熱転写フィルムの熱転写層を全面転写することで被転写体に熱転写層で保護された着色画像を形成する。
尚、着色画像の印画条件は前記の被転写体への直接、画像形成した印画条件と同様である。
【0052】
実施例1〜実施例22及び比較例1〜比較例2として、各例で用意した熱転写層を設けた熱転写フィルム、着色画像形成用の熱転写インクシート、被転写体を表7に示す条件で組み合わせて使用し、また表7に示す方法で、着色画像と熱転写層を被転写体に転写形成した。
上記の得られた被転写体及び熱転写フィルムを用いて、以下に示す評価を行なった。
【0053】
(転写性)
前述の方法で得られた被転写体において、
・転写不良(熱転写フィルムの熱転写層が転写していない部分がある)
・尾引き(被転写体に転写した熱転写層が被転写体の端面からはみ出している)の有無を目視にて観察し、転写性の評価をした。
【0054】
(耐摩耗性)
着色画像と熱転写層が転写形成された被転写体に対して、TABER試験機で、摩耗輪CS−10Fを使用し、荷重500gfにて、200回転の耐摩耗性試験を行ない、着色画像の欠損の有無を評価した。
(耐熱性)
熱転写フィルムの熱転写層と熱転写フィルムの背面層とを重ね合わせ、50℃で2日間保存試験を行ない、ブロッキングの有無を評価した。
【0055】
各実施例及び比較例の評価結果は表7に示した。
【0056】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の熱転写フィルムは、基材上の一方の面に、数平均分子量の異なるポリエステル樹脂を2種含有する熱転写層を、基材から最も遠い位置に形成した構成で、かつポリエステル樹脂の1種が数平均分子量1000〜10000であり、もう1種のポリエステル樹脂が数平均分子量10000〜30000であるようにした。この熱転写フィルムと、基材上の少なくとも一方に熱可塑性樹脂と着色剤とを含有する熱転写インク層を形成した熱転写記録媒体とを、熱転写フィルムの熱転写層と熱転写記録媒体の熱転写インク層が対向するように重ね合せ、像様に加熱することによって熱転写記録媒体の熱転写インク層または熱転写インク層に含有する着色剤を像様に熱転写フィルムの熱転写層に転写することで一旦熱転写フィルムに逆像を画像形成した後、画像形成された熱転写フィルムの熱転写層と被画像形成体の画像形成面とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルムの熱転写層とは反対側から加熱することによって、画像形成された熱転写層ごと被画像形成体に転写することによって、被画像形成体に画像形成できる。これにより、得られる画像形成物は、熱転写画像が熱転写層で保護され、耐摩耗性、耐光性等の耐久性に優れ、かつ中間転写記録媒体として機能する熱転写フィルムを用いて、1回の転写で画像形成された熱転写層を被画像形成体に転写できるため、被画像形成体への転写によるダメージが少なく、画像形成物の品質劣化等を抑えることができる。
【0057】
また、溶融転写方式、昇華転写方式、電子写真方式、またはインクジェット方式によって被画像形成体に画像形成した後、被画像形成体の画像が形成された面と、上記の熱転写フィルムの熱転写層とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルムの熱転写層とは反対側から加熱することによって、熱転写層を被画像形成体に転写して、画像形成物が得られる。これにより、得られる画像形成物は、溶融転写方式、昇華転写方式、電子写真方式、またはインクジェット方式によって形成した画像が熱転写層で覆われ、保護されることで、耐摩耗性、耐光性等の耐久性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写フィルムである一つの実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の熱転写フィルムである他の実施形態を示す断面図である。
【図3】本発明の熱転写フィルムである他の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の熱転写フィルムである他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明の画像形成方法の一例を説明する概略図である。
【図6】本発明の画像形成方法の他例を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 熱転写フィルム
2、21,22 基材
3 熱転写層
4 離型層
5 剥離層
6 背面層
7 熱転写記録媒体
8 熱転写インク層
9 像
10 被画像形成体
11 サーマルヘッド
12 プラテンロール
13 ヒートロール
Claims (13)
- 基材上の一方の面に、数平均分子量の異なるポリエステル樹脂を2種含有する熱転写層を、基材から最も遠い位置に形成した構成で、かつポリエステル樹脂の1種が数平均分子量1000〜10000であり、もう1種のポリエステル樹脂が数平均分子量10000〜30000であることを特徴とする熱転写フィルム。
- 請求項1に記載のポリエステル樹脂のうち、少なくとも1種以上が、構成モノマーの酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、及びトリメリット酸を含有し、アルコール成分として、トリシクロデカングリコール、ネオペンチルグリコール、及びエチレングリコールから選ばれる少なくとも2種以上を含有することを特徴とする熱転写フィルム。
- 請求項1又は2に記載の熱転写層に、0.5〜10重量%の滑剤を含有することを特徴とする熱転写フィルム。
- 請求項3に記載の滑剤が融点70℃以上のワックスであることを特徴とする熱転写フィルム。
- 請求項1〜4に記載の熱転写フィルムの基材と熱転写層との間に、基材から剥離しない離型層を形成したことを特徴とする熱転写フィルム。
- 請求項1〜4に記載の熱転写フィルムの基材と熱転写層との間に、基材から剥離可能な剥離層を形成したことを特徴とする熱転写フィルム。
- 請求項5に記載の熱転写フィルムの離型層と熱転写層の間に、離型層から剥離可能な剥離層を形成したことを特徴とする熱転写フィルム。
- 請求項5、7に記載の離型層の主成分がポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種以上の樹脂であることを特徴とする熱転写フィルム。
- 請求項6、7に記載の剥離層の主成分が、メタクリレート系モノマーの単独重合体または共重合体であることを特徴とする熱転写フィルム。
- 請求項1〜9に記載の熱転写フィルムと、基材上の少なくとも一方に熱可塑性樹脂と着色剤とを含有する熱転写インク層を形成した熱転写記録媒体とを、熱転写フィルムの熱転写層と熱転写記録媒体の熱転写インク層が対向するように重ね合せ、像様に加熱することによって熱転写記録媒体の熱転写インク層または熱転写インク層に含有する着色剤を像様に熱転写フィルムの熱転写層に転写することで一旦熱転写フィルムに逆像を画像形成した後、画像形成された熱転写フィルムの熱転写層と被画像形成体の画像形成面とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルムの熱転写層とは反対側から加熱することによって、画像形成された熱転写層ごと被画像形成体に転写することによって、被画像形成体に画像形成することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項10に記載の画像形成方法によって画像形成されたことを特徴とする画像形成物。
- 溶融転写方式、昇華転写方式、電子写真方式、またはインクジェット方式によって被画像形成体に画像形成した後、被画像形成体の画像が形成された面と、請求項1〜9に記載の熱転写フィルムの熱転写層とを対向するように重ね合せ、熱転写フィルムの熱転写層とは反対側から加熱することによって、熱転写層を被画像形成体に転写することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項12に記載の画像形成方法によって画像形成されたことを特徴とする画像形成物。
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