JP4467345B2 - ウェハ支持部材 - Google Patents

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Description

本発明は、主にウェハを加熱する際に用いるウェハ支持部材に関するものであり、例えば半導体ウェハや液晶基板あるいは回路基板等のウェハ上に薄膜を形成したり、前記ウェハ上に塗布されたレジスト液を乾燥焼き付けたりしてレジスト膜を形成する際に好適なウェハ支持部材に関するものである。
ウェハ支持部材は、半導体ウェハや液晶装置あるいは回路基板等のウェハを加熱する装置で、ウハ上に半導体薄膜を形成し、又は、塗布されたレジスト液を乾燥焼き付けてレジスト膜を形成する等に使用されている。
従来の半導体製造装置は、複数のウェハを一括して加熱するバッチ式と、1枚ずつ加熱する枚葉式とがあり、枚葉式は、温度制御性に優れているので、半導体素子の配線の微細化とウェハ熱処理温度の精度向上が要求されるに伴い、広く使用されている。
近年生産効率の向上のために、ウェハサイズの大型化が進んでいるが、半導体素子自体も多様化し、必ずしも大型ウェハで製造することが生産効率の向上にはつながらず、寧ろ、単一の装置を使用して、多種多様サイズのウェハをそれぞれの熱処理条件に対応して加熱できることが望まれている。
特許文献1には、発熱体を下面に備えて上面でウハを加熱するホットプレートとこれを支持するケースからなるウェハ支持部材に関して、ウェハ面を支持してウェハの授受を行うウェハリフトピンを利用して、多種サイズのウェハに対応できる装置を開示している。
この従来装置は、図4に示すように、ケース69の上の開口部にセラミックのホットプレート54を固定し、ホットプレート54には、下面59に発熱体として抵抗パターン55を備え、上面を、加熱すべきウハWを載置する載置面53としている。ケース69の底部には、ピン挿通スリーブ62が立設されて、ホットプレート54の下面59と接触して、そのスリーブ62の挿通孔が、ホットプレート54に開設した貫通孔76と連通されている。リフトピンは、ピン挿通スリーブ62の挿通孔とホットプレート54の貫通孔76に挿通されて、リフトピンの上端でウを保持しながら降下して、ウハをホットプレート54上に載置し、加熱処理後には、ホットプレート54の上方に上昇させて、ウの脱着を容易にしている。
この装置は、また、ケース69内部に冷却用の空気を流通させるための流体供給用のポート67が、記のケース底部に設けられ、加熱処理した後のウを放冷する過程で、ポート67から空気をホットプレート54に吹き付けて、その降温の速度を高めて、ウの冷却時間を短縮することがなされている。
また、ウェハ支持部材として、例えば、特許文献2には、図5(a)に示すようなセラミック基板211の底面に抵抗発熱体212が形成され、さらに中底板が形成されたウェハ支持部材250を模式的に表す断面図であり、(b)は、このウェハ支持部材のケースを構成する底板を模式的に示す斜視図である。この図では、冷媒である空気は、底板260まで循環する構成となっている。
このウェハ支持部材250では、セラミック基板211の表面に絶縁性膜218が形成されており、絶縁性膜218を有するセラミック基板211の表面には、支持ピン259が設置され、シリコンウハ219をセラミック基板211の加熱面より一定距離離間して保持している。
また、セラミック基板211の絶縁性膜218の表面には、抵抗発熱体212が形成され、抵抗発熱体212の端部に給電端子213が接続されている。この給電端子213は、ソケット255および導電線262を介して電源(図示せず)と接続されており、導電線262等を介して電圧を印加することにより、抵抗発熱体212を発熱させ、セラミック基板211を加熱することができるようになっている。さらに、図示はしていないが、セラミック基板211には、温度制御のための熱電対(測温素子)が埋設されている。
また、絶縁性膜218が形成されたセラミック基板211は、ケース270上に設置された断熱補強部材252に嵌め込まれており、断熱補強部材252は、この断熱補強部材252を挿通するピン251により断熱補強部材252に固定され、一方、セラミック基板211は、ピン251および固定金具253により断熱補強部材252に固定されている。
このケース270には、ケース270に一体的に形成された底板260および空気排出に使用される開口260aが形成されるともに、冷媒供給管258が設けられている。また、シリコンウハを搬送機に移送させるためのリフターピンを保護するスリーブ257が、ケース270に設置されている。
さらに、ケース270の内部には、板バネ254により支持された中底板256が設けられており、中底板には開口256aが形成されている。また、図5(b)に示すように、底板260には、窪み260kが碁盤の目のように縦横に形成されている。このように多数の窪み260kが設けられているのは、これらの窪み260kにより、底板の歪みを補正するためである。
また、特許文献3には、図6に示すように、セラミック基板を支持するための中底板、底板を有するケースの構造において、板11に窪み20を形成し、平面度を0.2mm以下に抑えたウェハ支持部材が提案されている。
又、特許文献4には、図7に示すように、ケース10に設置されたセラミック基板21の冷却を迅速に行うため、ケース10の冷媒供給管14の周囲の板状体12に開口20を形成したウェハ保持部材が提案されている。
以上のウェハ支持部材の厚みは50mmとかった。また、ケース10は底面を成す円板の外周部の上面、或いは前記円板の外周面に側面を成す円筒を溶接して形成されていたことからケース10の角にRがなくエッジが形成されていた。
特開2001−52985号公報 特開2002−25758号公報 特開2002−141399号公報 特開2003−100818号公報
ところで、近年注目されている枚葉式のウェハ支持部材に使用されるウェハ支持部材は、ウェハWに対する処理のタイムタクトを短縮するために、板状セラミック体2の板厚みを1〜7mmと薄くし、加熱および冷却のサイクルタイムが短くなるように調整されている。しかしながら、板状セラミック体2の板厚みを1〜7mmとくしたものでは、ウェハWの表面全体を±0.5℃というレベルの温度バラツキとなるように均一に加熱することはできなかった。
すなわち、板状セラミック体2の板厚みを1〜7mmとくすると、板状セラミック体2が反ったりして、ウェハWとの距離が変化することから、ウェハWの表面温度にバラツキが発生していた。
また、近年更なる細密化が進み、レジスト膜の光源に対する感度が敏感になってきたため、従来のウェハ支持部材は、セラミック基板が薄いために、セラミック基板の平面度が大きくなり、セラミックス基板の平面度がウェハに転写され均一に焼き付けることができないとの課題があった。
また、近年の細密化に伴い、レジスト膜の光源に対する感度が敏感になってきたため、従来のホットプレートでは、温度変更直後のウェハ載置温度の均熱性や、温度が一定に保たれずに、均一な製品を維持できないことから歩留りが著しく低下するという問題が生じた。
また、温度変更によるセラミック基板とケースの温度上昇カーブが異なることから温度が安定するまでの時間が異なり、ウェハの処理を繰り返すうちに、徐々にケースの温度が上がったり下がったりしてレジスト膜の焼き付けにばらつきが生じるという課題があった。
本発明のウェハ支持部材は、板状セラミック体の一方の主面或いは内部に複数の抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたウェハ支持部材であって、前記抵抗発熱体の各々に独立して電力を供給する給電部と、該給電部を囲むケースとを有し、前記板状セラミック体を冷却するためのガス噴射口を備え、前記ケースの底面にその面積の10〜70%の開口部を形成し、前記ウェハ支持部材の厚みが10〜40mmで、その厚みのバラツキが0〜1mmであり、前記底面の周辺の円環状領域の平面度が0〜100μmであり、前記開口部は円からなる開口部および円弧と直線とからなる開口部からなり、前記円弧と直線とからなる開口部の面積と前記円からなる開口部の面積との比率が30〜70%であることを特徴とする。
また、前記底面と前記ケースの側面との間が面取り形状或いはR形状であることを特徴とする。
また、記面取りの大きさが0.1〜2mm、或いは前記R形状のRの大きさが0.2〜50mmであることを特徴とする。
また、前記底面を成すケースの厚みが2〜7mmであり、前記ケースの底面にその面積の20〜60%の開口部を備えたことを特徴とする。
また、前記円弧と直線からなる開口部を前記底面の中心部に設けたことを特徴とする。
また、前記ケースの底面の中心部の開口率が外周部の開口率より大きいことを特徴とする。
ウェハ支持部材の載置面に載せたウェハの昇降温の時間が短くなり、かつ、ウェハ支持部材が安定するまでの時間が短くなり、温度変更直後から、繰り返し精度良くウェハの熱処理ができるウェハ支持部材を提供できる。
以下本発明を実施するための実施の形態について説明する。
まず、図1は本発明の一例であるウェハ保持部材1の一例を示す断面図であり図2は本発明のウェハ保持部材1をウェハ熱処理用のチャンバー31、32、33に取り付けた断面図である。チャンバー上部33とチャンバー下部32および補強部材31からなる主な部品からチャンバーは構成されている。
また、近年、スループットの短縮に伴い、チャンバー上部33にも、ヒータ(不図示)を組み込んだ装置が採用されるようになってきた。チャンバー上部33にヒータの組み込まれた方式では、チャンバー33と板状セラミック体2との距離がウェハWの面内温度差を小さくする上で重要であることから、図2にチャンバー33を記載している。
本発明のウハ支持部材1は、図1に示すように、ホットプレート4が、上部主面をウェハの戴置面3とする板状セラミック体2と、板状セラミック体2の内部もしくは下部主面に配置した抵抗発熱体5とから構成され、ウェハ支持部材1には、ホットプレート4を貫通した貫通孔26を挿通してウハWを昇降させるリフトピン25と、これらウェハリフトピン25を挿通して案内するガイド部材12を設けている。そして、ウェハ支持部材1は、このホットプレート4の周縁部を支持する円筒状のケース19を備えて、ケース19の内部空所には、ホットプレート下部にリフトピン25とそのガイド部材12とを備えている。
板状セラミック体2は、セラミック焼結体からなり、酸化物、炭化物、窒化物の焼結体からなることが好ましい。そして、通常は、円板状を成している。板状セラミック体2の一方の主面がウハWの載置に利用され、他方の主面ないし内部に発熱抵抗体5が配置され、リフトピン25を挿通するための貫通孔26を備えている。また、板状セラミック体2の周縁部が、記筒状のケース19の上部開口部の周縁部に固定されている。
そして、リフトピン25を上方持ち上げた状態でウェハWを支え、リフトピン25を降下させて、載置面3にウェハWを載せて、抵抗発熱体5に外部から電流を供給して発熱させ、ウェハWを一定温度で加熱することができる。
板状セラミック体2の厚みが2〜7mmであると、ホットプレート4の強度を確保して、ホットプレート4の熱容量を小さくすることができる。更に、加熱および冷却時の温度が定常化するまでの時間を短くすることができる。また、板状セラミック体2は、好ましくは、ヤング率200GPa以上の材料が用いられ、熱応力に対して変形量が小さく板厚を小さくできる。
また、板状セラミック体2は、好ましくは、60W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料から形成され、薄い板厚でも抵抗発熱体5の発熱を伝導し、ウェハ載置面3の温度ばらつきを小さくすることができる。これらの点から、炭化珪素質または窒化アルミニウム質の焼結体が好ましい。
本発明のウェハ支持部材1は、板状セラミック体2の一方の主面或いは内部に複数の抵抗発熱体5を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面3を備えたウェハ支持部材1であって、抵抗発熱体5の各々に独立して電力を供給する給電部6と、給電部を囲むケース19とが設けられており、また板状セラミック体2を冷却するための開口23が設けられている。
また、開口23は、ケース19の底板21にあり、底板21の面積の10〜70%の開口部を形成することにより、板状セラミック体2の下面が適度に冷却されウェハ面内の温度ばらつきが小さくなるので好ましい。底板21面積に対する開口部の比率を開口率として、この開口率を10%以上にすることにより底板19の熱容量が小さくなるので温度変更後のウェハの温度のオーバーシュートが小さくなり好ましい。また、開口率を70%以下にすることにより、底板21の剛性が保たれるので、板状セラミック体2の平面形状の変形がなく、板状セラミック体2とウェハとの距離が均一に保たれるのでウェハWの面内温度のばらつきを抑えることができるので好ましい。
尚、開口率は底板21の開口部の総面積を底板21の面積除した値を100倍した値である。
また、ウェハ支持部材1の厚みLが40mm以下であることにより、装置が小型化され、また、冷却媒体の循環の効率が良くなるので好ましい。40mm以下ではウェハ支持部材1が小型化されるので、装置の熱容量が小さくなり、温度変更後の底板21等の各部材が安定するまでの時間が短くなり好ましい。
また、ウェハ支持部材1の厚みLのばらつきを0〜1mmとすることにより、ウェハWの面内の温度ばらつきが小さくなるので好ましい。
記により、ウェハ支持部材の昇降温の時間が短くなり、かつ、ヒータが安定するまでの時間が短くなり、温度変更直後から、繰り返し精度良くウェハの処理ができるウェハ支持部材を提供できる。
以下に詳細を説明する。ホットプレート4を120℃から150℃に加熱した際、ホットプレート4の温度上昇により、板状セラミック板2の直下に抵抗発熱体5が形成されている板状セラミック体2と、ホットプレート4からの熱伝達による熱電対27や空気からの直接接触して温度上昇するケース19の底板21の昇温カーブは異なり、各々が安定するまでの時間に差が生じてしまう。そのためウェハ支持部材1は、昇温直後には、熱電対27、ケース19の底板21、および空気からの熱引きが大きいため、設定温度を維持するために、ウェハ支持部材1は温度が低いと感知するため、通常P.I.D制御により、余分な電力を供給してしまい、オーバーシュートをしてしまう。オーバーシュートを小さくして、ウェハ温度を小さくするため、板状セラミック体2、筐体、チャンバーとの熱容量のバランス取りにより、ウェハ温度のばらつきを小さくできる。また、熱電対27は、セラミック支持部材1の正確な温度を検知するため、板状セラミック体2の凹溝部10に形成れなければならない。本件では、ケース19の底板21の開口率、形状および平面度について着目して、ウェハ表面温度が均一になる方法を検討した。
まず、ケース19の底板21の開口率が10%以下の場合、板状セラミック体2は設定温度に到達しても、底板21の金属部分の熱容量が大きいため、ウェハWの温度変更が遅くなってしまう。つまり、昇温直後にウェハWを載置した際、底板21の熱容量が大きいので底板21の温度の上昇が緩やかになるため、セラミックス体2の熱電対27での温度検知が低くなってしまい、出力を上げるように制御してしまう。よって、ウェハの温度が徐々に上がってしまう。
逆に、開口率が0%より大きいと、底板21の開口部分が大きいので、底板21の熱容量が小さくなり、底板21の温度の上昇が早くなるため、熱電対27で温度が高いと検知してしまい、出力を下げるように制御してしまう。よって、ウェハWの温度が徐々に下がってしまう傾向があるからである。また、開口率が70%を超えると、底板21の剛性がなくなり、外周の平面度が所定の値に入れることができず、ウェハWの温度精度が0.5℃以上になってしまうからである。
また、ウェハ支持部材1の厚みLとは、板状セラミック体2と冷却媒体(冷媒)が循環する空間の厚さとケース19からなる、ウェハ載置面3からケース19の底板21の底部までの距離である。ウェハ支持部材1の厚みLは、40mm以下であることが好ましい。ケース19内の容積が小さく、軽量化することができるからである。また、40mmより大きいと、ケース19内の大きさが大きくなり、熱容量が大きくなり、また、空間が大きくなると、空気により断熱され、板状セラミック体2からケース19への熱伝導が妨げられるので、ケース19の昇温カーブが緩やかになり、安定するまでの時間が大きくなり過ぎるからである。
また、ウェハ支持部材の厚みLが10mmよりいと、ホットプレート4と底板21との距離が近すぎるため、底板19の開口部23の輻射の影響により、ウェハ表面の温度ばらつきが大きくななり、ウェハWの面内温度差が0.5℃以上になってしまう虞がある。
ウェハ支持部材1の厚みLを10〜40mmにすると、昇降温特性に優れ、また、小型化、軽量化が可能になる。また、その厚みLのバラツキが0〜1mmであることが好ましい。厚みLのばらつきを小さくすることで、チャンバー上部33とウェハWとの距離が均一に保たれるので、チャンバー上部33からのウェハWへの熱輻射の影響を抑えることができるからである。近年、スループットを改善する目的で、チャンバー上部33にヒータを組み込んだ方式もとられている。すなわち、チャンバー上部33にヒータの温度分布がウェハWの温度に影響を与える虞があるからである。
また、本発明では、ケース19の底板21の外周部の平面度を0〜100μmとすることにより、ウェハWの温度が良くなるので好ましい。外周部とは底板21の直径の70〜99%の範囲を示す。前記平面度とは同一円の円上を8箇所測定し、その最大値から最小値を引いた値を示す。底板21の平面度を0〜100μmにすることにより、精度良く加工されたチャンバー下部32の補強部材31とボルト16で固定される際、補強部材31の端面に沿って変形する量が小さくなり好ましい。更に好ましくは底板21の外周部の平面度が0〜50μmである。
尚、チャンバー下部32の補強部材31はケース19を固定する基準の面となるため、平面度は0〜50μmであり、更に小さなものは、0〜20μmである。
また、ケース19の角部(側板22と底板21の接続部の外側)は面取り形状或いはR形状が形成されていることが好ましい。例えば、角部のバリが除去できていないと、板状セラミック体2の平面度が大きくなりウェハWの面内温度差が大きくなる虞がある。また、底板21とチャンバー下部31との接触面積が小さくなるため、底板21が断熱されるので温度が下がりにくい傾向があり、温度変更後のウェハWの温度が安定しないからである。側板22と底板21との接続部のバリを除去し、補強部材31への取り付けに隙間が生じないようにするためである。
取りの大きさは0.1〜2mmが好ましい。面取りの大きさが0.1mmを下回ると角部のバリを十分除去できない可能性がある。また、面取りの大きさが2mmを超えるとケース19の板厚との兼ね合いからケース19の強度が低下する虞があった。そして、これらのケース19は底面を成す底板21の外周部の上面、或いは底板21の外周面に側板22を成す円筒を溶接して形成した有底ケースの角部を研削等の機械加工して面取り形状を得ることができる。
また、ケース19の角部(側板22と底板21の接続部)はR形状であると好ましい。R形状の大きさは0.2〜50mmであることが好ましい。R形状の大きさが0.2mmを下回るとR形状を形成することが困難で前記の面取り形状で代用できるからであり、R形状が50mmを超えると、ウェハ支持部材1の厚みとの兼ね合いから円筒部が少なくなりケース19の剛性が低下する虞があるからである。より望ましくは、ケース19の剛性を高める上で、R形状の大きさ3以上が望ましい。更に好ましくは5〜10Rである。尚、Rは直径で表示している。
また、記の形状を形成するには、ケース19の側板22と底板21は一体ものであることが好ましい。一体もののケース19は円板から絞り加工により側板22を形成し作製することができる。そして、記絞り加工によりケースを作製したものは板厚が比較的いにも関わらず剛性が大きくウェハ保持部材1を装置に取り付けたり、昇温降温を繰り返したりしても変形が少なく温度精度の極めて高いウェハ保持部材1を提供できる。
また、一体ものの場合、接続部が簡素化されることから熱容量を小さく、且つ剛性を大きくできる。
また、温度変更直後からの温度安定性の繰り返し精度については、以下に示す昇温温度変更後のウェハ平均温度変化量と、降温温度変更後のウェハ平均温度変化量により表す事ができる。
ホットプレート4の温度(板状セラミック体2に組み込まれた熱電対27が示す温度)を120℃で1時間安定させた状態から、設定温度を150℃へ加熱し、最も昇温が遅い板状セラミック体2に組み込まれた熱電対27の温度を150℃に到達させる。記温度変更開始から150秒後に、室温に冷却された測温素子付きのシリコンウェハを載置面に載置させてウェハの温度の平均温度を測定し、これを初期のウェハ温度T1とした。また、1時間後の17ポイントのウェハの温度の平均値T2を測定した。そして、T1からT2を引いた差を昇温温度変更後のウェハ平均温度変化量とした。
また、ホットプレート4の温度(板状セラミック体2に組み込まれた熱電対27が示す温度)を180℃で1時間安定させた状態から、設定温度を150℃へ降温し、また、同時に、冷却ノズル24からエアーを抵抗発熱体5へ吹きつけて、降温が最も遅い板状セラミック体2に組み込まれた熱電対27の温度150℃到達させる。記温度変更開始から150秒後に、室温に冷却された17ポイントの測温素子付きのシリコンウェハを載置面に載せてウェハの平均温度T3定し、初期のウェハ温度とした。そして、1時間後の17ポイントのウェハ温度の平均値T4を測定した。そして、T4からT3を引いた差を降温温度変更後のウェハ平均温度変化量とした。そして、昇温温度変更後のウェハ平均温度変化量と降温温度変更後のウェハ平均温度変化量は、より小さいことが好ましく、小さいと温度再現性も優れ好ましい。
一方、底板21の厚みが2〜7mmであることが好ましい。底板21の厚みが2mmよりい底板21剛性が弱くなり、変形量が大きくなるので板状セラミック体2の平面度が悪化してしまう。また、底板21の厚みが7mmより厚いと、底板21の剛性は高くなるが、底板21の熱容量が大きくなるので、底板21の温度上昇が遅れてしまい応答性が悪くなるので、セラミック支持部材1を昇温させた際に、板状セラミック体2と底板21との温度差が生じてしまう。そのためウェハ支持部材1は、昇温直後には、熱電対27、ケース19の底板21、および空気からの熱引きが大きいため、設定温度を維持するために、ウェハ支持部材1はPID制御により、熱引きのため低いと検知した分余分な電力を供給するようになり、オーバーシュートしてしまい、昇温温度変更後のウェハ平均温度変化量0.05℃を満足できない。
また、記に加えて、底板21の開口率は20〜0%であることが好ましい。底板21の開口率が20%より小さく、かつ、底板21の厚みが7mmをえて底板21の熱容量が大きいの場合、セラミック支持部材1の昇温の温度変化に対して、底板21の温度が上昇して安定するまでの時間がかかるため、セラミック板状体2との熱容量の差が大きくなり、底板21が熱を引いてしまい、セラミックスヒータ1が加熱の制御をしてしまう。そのため、板状セラミック体2に載置されたウェハWの表面温度は上がってしまう虞があるからでる。
逆に、底板21の開口率が0%を超えて、かつ、板厚2mmを下回り熱容量が小さい場合では、オーバーシュートはないが、底板21の剛性がなくなり、初期のウェハWの表面温度差が0.5℃を超える虞があるからである。
また、開口部23の形状としては、特に限定されず、例えば、円弧と直線からなる形状、台形状、長方形状等が挙げられる。なお、複数の開口の形状は、同一の形状よりも異なった形状を組み合わせることが好ましい。また、開口部21の形状が円弧と直線と円とからなり混在する事が好ましい。
また、中心(直径の50%の領域)の開口部の面積比率が外周部(直径の50〜99%)の開口部の面積比率より大きい方が好ましい。何故なら、板状セラミック体2の中心部は熱が集まり易く、冷えにくい傾向があるので、中心部に円弧と直線からなる開口部を設けることにより、冷却効率が良くなるからである。また、底板21の外周部の開口の形は、円の形状の方が好ましい。底板の外周部の平面度を極力抑える効果があるからである。逆に、円弧と直線では、底板の剛性が弱くなり平面度やそりが発生しやすい傾向があるからである。
また、図3に示すように、開口部23の形状が円弧と直線からなる開口部101の面積と、円からなる開口部102の面積の比率が30〜0%であることが好ましい。開口部の面積比率を円弧と直線からなる開口部の面積と円からなる開口部の面積比率を30%〜0%とすることにより、冷却効率もよく、底板21の剛性も保たれるからである。また、円弧と直線からなる開口部101を底板21の中心部に設けることが好ましい。円弧と直線からなる開口部101を中心に設けることにより、中心部への冷媒の循環が良くなるからである。また、外周部には、円の開口部102を設けることにより、底板21のそりを小さくできるからである。
さらに、中央部の開口率が外周部の開口率より大きい場合、開口部の総面積が20〜60%とすることにより更に改善できるからである。
また、底板21の材料のヤング率が150GPa以上であることが好ましい。底板21は剛性を高めて底板21の厚みを薄くできるからである。底板21の材料のヤング率が150GPaを下回ると、底板21の剛性が小さので、基板もたわんでしまう虞がある。
また、底板21の材質はSUS板が好ましい。さらに、底板21は熱処理により均一な組織になったものが最適である。また、底板21の材質はセラミックスでも構わない。
次にその他の構成について説明する。
ホットプレート4に設ける抵抗発熱体5は、抵抗材料のストリップからパターン形成されて、図示しないが、板状セラミック体2の内部に埋設されるか、図1に示すように、下部主面に取着されている。抵抗体ストリップは、同心円状、又は渦巻き状のパターンで配置して構成することができ、板状セラミック体2の面域でいくつかに分割した抵抗発熱体5にし、各抵抗発熱体5は、連続したストリップで形成される抵抗回路にし、各抵抗発熱体5を電力制御して、板状セラミック体2全体で温度が均一化するように発熱量の分布を与えることができる。
ホットプレート4はケース19上に固定されるが、ケース19は、有底筒状を成して、底部にはウェハリフトピン25を挿通する底部貫通孔26を有してガイド部材12の下端側を定置し、上部の開口部が、ホットプレート4の周縁部を固定している。
リフトピン25は、ケース19下部に配置した駆動装置により、上下動可能に立設され、好ましくは、3本以上のウェハリフトピン25が利用される。リフトピン25は、ケース19の貫通孔26を貫通して、リフトピン保持部材のガイド孔を挿通して、板状セラミック体2の貫通孔を挿通して、基板上面から先端が突出するように配設される。リフトピン25は、外部から運搬してきたウェハWをウェハリフトピン25の上端で受け取り、ウェハリフトピン25を下降させてホットプレート4のウェハ戴置面3に戴置することができ、加熱処理後には、ウェハリフトピン25を同時に上昇させて熱処理を終えたウェハを戴置面から離脱するのである。
リフトピン25は、金属の細い線条で形成され、好ましくは、2〜6mmの直径を有している。リフトピン25が、この直径2mmより細いと、十分な剛性を確保できず、ウェハの荷重で、曲がりやすくなり、ウェハの載置離脱の安定性に欠けるので好ましくない。直径6mmより太いと、板状セラミック体2の貫通孔26の直径が大きくなり、この上のウェハWにクールスポットを発生させるので好ましくない。
板状セラミック体2の貫通孔26は、リフトピン25を挿通するが、貫通孔26の内径が2〜8mmであると、貫通孔周辺部の温度ばらつきを抑制でき、ウェハを短時間で均一に加熱することができるので好ましい。貫通孔26の内径が8mmをえると、ホットプレート4の非加熱領域である貫通孔26が広くなり過ぎて、周囲の抵抗発熱体5の熱密度を調整しても、均熱性を確保できないので好ましくない。
ガイド部材12は、底部21に固定され、ホットプレート4の下部主面側に配置されて、内部に形成されたガイド孔を有する筒体であり、ガイド孔でリフトピン25をその先端が板状セラミック体2の貫通孔26に挿入できるように方向付ける機能を有している。
このようなガイド部材12は、一般に、金属、セラミック、耐熱性ポリマから選ばれる。ガイド部材12は、共通して、横断面が矩形または円形、その他の変形を含む柱状ないし筒状である。ガイド部材12のガイド孔は、リフトピン26を挿通することのできる直径を有し、リフトピン25の直径に対応して、ガイド孔の内径は、2〜8mmであるのが好ましい。
ガイド部材12の上端面は、細くされて、肉厚0.1〜3.0mmの環状の形状とし、基板から上端面への熱伝達量を低減することができる。上端面の肉厚は、端面の外周とガイド孔内周との間の厚みないし幅を言う。ガイド部材12の上端面の肉厚が、3.0mmをえると、板状セラミック体2−ガイド部材12間の熱伝達の量が大きくなり、板状セラミック体2の厚みが小さいと、ウハW上で、基板の貫通孔26に対応する部位の温度が他の部位よりも低くなる虞がある。肉厚を0.1mmよりくすると、ガイド部材12の上端面が加熱処理時に熱変形する虞があり、十分な強度を得ることができない。
ガイド部材12上端面の環状の肉厚は、0.1〜0.5mmであるのがいっそう好ましい。このような肉厚のガイド部材12は、ホットプレートのガイド部材12の直上部位からガイド部材12に移動する熱量が軽減され、これにより、ホットプレートの接触面周辺部温度の低下が抑制され、ウェハ表面のクールスポットの発生を防止することができる。
ケース19は、金属製(例えば、ステンレス鋼SUS304)で、底部21と円筒側面22とからなり、円筒容器状にされている。ケース19は、底部21の上面から板状セラミック体2の下部主面7までの距離を10〜40mmとし、ケース19内部に空所を形成している。この距離は、ホットプレート4とケース19内面との相互の輻射熱によりウェハ載置面の均熱化を容易にし、外部との断熱効果があるので、載置面3が均熱されるまでの時間が短くなるので好ましい。
ケース19の底部21には、リフトピン用の貫通孔10を設けて、ガイド部材12の下面がネジ止め固定されて、ガイド孔14がこの貫通孔10に連通している。ケース19は、また、この例では、底部21には、ガス噴射口24とガス排出口23とを配設して、内部空所に冷却ガス(通常は、空気)を供給して、熱処理後に板状セラミック体2を強制冷却することができるようにされている。底部21には、さらに、導通端子11と熱電対27と電気絶縁的に貫通するようにされている。
ホットプレートは、このケース19の開口部に、上側からボルト16を貫通させ、断熱部17を介在させ、ナット20を螺着して弾性的に固定されている。
ケース19は、円筒側面22の内側底部には、底板21が一体的に設けられ、略有底円筒形状となっている。なお、円筒側面22と底板21とが一体的に設けられておらず、底板21が円筒側面22にボルト、溶接等に連結固定されていてもよい。また、底板21には、複数の開口23が設けられている。
熱伝導率が80W/(m・K)の炭化珪素質焼結体に研削加工を施し、板厚3mm、外径330mmの円板状をしたホットプレートを複数作製し、各ホットプレートの一方の主面に絶縁層を被着するため、ガラス粉末に対してバインダーとしてのエチルセルロースと有機溶剤としてのテルピネオールを混練して作製したガラスペーストをスクリーン印刷法にて敷設し、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させた後、550℃で30分間脱脂処理を施し、さらに700〜900℃の温度で焼付けを行うことにより、ガラスからなる厚み200μmの絶縁層を形成した。
次いで絶縁層上に抵抗発熱体を被着させるため、導電材として20重量%のAu粉末と10重量%のPt粉末と70重量%のガラスを混合したペーストを所定量のパターン形状に印刷した後、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さらに450℃で30分間脱脂処理を施した後、500〜700℃の温度で焼付けを行うことにより、厚みが50μmの抵抗発熱体を形成した。抵抗発熱体は、中心部と外周部を周方向に4分割した5パターン構成とした。そして、ホットプレートをケースに取り付け、測温素子や給電端子等を取り付け各種のウェハ支持部材を作製した。
ケースの底板の開口は、レーザーにて開口率を5〜80%のものを作製した。また、ウェハ支材部材のケースの側板の厚みは、底板の上下面を研削加工して、2〜8mmのものを作製した。また、支持部材の厚みLは、ケースの側面の高さを変えて、8〜50mmのものを作製した。また、ウェハ支持部材の厚みLのばらつきは、約2mm、1mm0.5mmと0.2mm作製した。2mm品は、底板をレーザーで穴あけしたままのもの、1mm品は金属板で上下面を挟んでプレス加工し、平面度を良くした。また、0.2、0.5mm品は、底板を研削加工して平面度をさらに良くした。種の底板を用いて、ケースを作製した。
以下に、評価方法を示す。
・ 昇温時間
昇温時間は、ホットプレートの温度(板状セラミック体に組み込まれた熱電対が示す温度)を120℃で1時間安定させた状態から、設定温度を150℃へ加熱し、最も昇温が遅い板状セラミック体に組み込まれた熱電対の温度が150℃に到達する時間を昇温時間とした。
・ 降温時間
降温時間は、ホットプレートの温度(板状セラミック体に組み込まれた熱電対が示す温度)を180℃で1時間安定させた状態から、設定温度を150℃へ降温すると同時に、冷却ノズルからエアーを抵抗発熱体へ吹きつけて、降温が最も遅い板状セラミック体に組み込まれた熱電対の温度が150℃に達するまでの時間を降温時間とした。
・ 初期のウェハ温度レンジ
測温素子付きのシリコンウェハを載置面に載せてホットプレートを加熱し、1時間安定させた後、ウェハ全体の温度の平均が150℃になるように分割された抵抗発熱体の温度を調整する。測温素子付きのシリコンウェハを用いてウェハ表面の温度を測定し、その最大値から最小値を引いた差を初期のウェハ温度レンジとした。
・ 昇温温度変更後のウェハ平均温度変化量
ホットプレートの温度(板状セラミック体に組み込まれた熱電対が示す温度)を120℃で1時間安定させた状態から、設定温度を150℃へ加熱し、最も昇温が遅い板状セラミック体に組み込まれた熱電対の温度を150℃に到達させる。温度変更開始から150秒後に、室温に冷却された測温素子付きのシリコンウェハを載置面に載置させてウェハの温度の平均温度を測定し、これを初期のウェハ温度T1とした。また、1時間後の17ポイントのウェハの温度の平均値T2を測定した。そして、T1からT2を引いた差を昇温温度変更後のウェハ平均温度変化量とした。
・ 降温温度変更後のウェハ平均温度変化量(℃)
ホットプレートの温度(板状セラミック体に組み込まれた熱電対が示す温度)を180℃で1時間安定させた状態から、設定温度を150℃へ降温し、また、同時に、冷却ノズルからエアーを抵抗発熱体へ吹きつけて、降温が最も遅い板状セラミック体に組み込まれた熱電対の温度が150℃到達させる。温度変更開始から150秒後に、室温に冷却された17ポイントの測温素子付きのシリコンウェハを載置面に載せてウェハの平均温度T3の測定をし、初期のウェハ温度とした。そして、1時間後の17ポイントのウェハ温度の平均値T4を測定した。そして、T4からT3を引いた差を降温温度変更後のウェハ平均温度変化量とした。
それぞれの結果は表1に示すとおりである。
Figure 0004467345
表1に示した結果から明らかなように、底板の開口率が10%より小さい試料No.1は、開口率が小さく、熱容量が大きくなるので、降温時間が140秒と大きく遅い結果が得られた。また、開口率が80%の試料No.4は降温時間が115秒で良好な結果が得られたが、底板の剛性が小さくなり、板状セラミック体の平面度が悪くなったので、初期ウェハ温度レンジが0.6℃と悪い結果となった。
また、ウェハ支持部材の厚みが10mmよりい試料No.5では、厚みが8mmと小さく、ホットプレートと底板との距離がくなりすぎるので、底板に組み込まれた部材の輻射熱の影響により、板状セラミック体の均熱が悪くなり、ウェハ表面の温度の初期ウェハ温度レンジが0.7℃と大きくなった。
また、ウェハ支持部材の厚みが40mmより大きい試料No.8では、降温時間が130秒と大きく悪い結果が得られた。
また、ウェハ支持部材の厚みばらつきが1mmより大きい試料No.11は、昇温温度変更後のウェハ平均温度差が0.11℃と大きく悪い結果が得られた。ウェハ支持部材の厚みばらつきが2mmと大きいので、載置面に載置されたウェハWとチャンバー上部との距離が一定でなく近接したので、チャンバー上部に(図示していない)組み込まれたヒータの温度むらの影響により、温度ばらつきが大きくなったものと思われる。
一方、開口率が10〜70%、ウェハ支持部材の厚みが10〜40mm、ウェハ支持部材厚みLばらつきが0〜1mである試料No.2、3、6、7、9、10では降温時間が113秒、111秒、113秒、114秒、110秒、109秒とく、昇温温度変更後のウェハ平均温度変化量は0.050℃以下と小さく良好な結果が得られた。
さらに、ウェハ支持部材の厚みのばらつきが0〜0.5mmである試料No.9、10は、昇温/降温温度変更後のウェハ平均温度変化量が、0.04℃以下と小さく、さらに好ましい結果が得られた。
ケースの板の外周部の平面度を変えて評価を行った。所定の平面度は、下記方法で作製した。底板の開口部をレーザーにて加工して、外周の平坦度が200μmのものを作製した。また、底板を上下2枚の金属板ではさんで100μmのものを作製した。また、更に、底板の上下面を研削して50μmの底板を作製した。記3枚の底板を用いて、実施例1と同様の方法でウェハ支持部材を作製した。尚、底板の平面度の影響を確認するため、板状セラミック体は3種とも同一のものを使用した。
尚、外周部の平面度の測定方法は板状セラミック体の直径の80%の同心円上を8箇所同間隔に測定し、最大値−最小値との差を平面度として測定した。評価は実施例1と同様に行った。
その結果を表2に示す。
Figure 0004467345
表2に示すように、ケースの底板の外周部の平面度が100μmより大きい試料No.18は、初期ウェハ温度レンジ、および、昇降温温度変更後のウェハ平均温度変化量は0.050℃であった。しかしながら、外周部の平面度が0〜100μmである試料No.16、17は、昇温温度変更後のウェハ平均温度変化量と降温温度変更後のウェハ平均温度変化量はともに0.045℃以下となり良好な結果が得られた。
ケースの底板の角部のR形状について、種々検討を行った。ケースの板は、外周角部を面取り形状およびR形状の品と面取り無し品を作製した。また、外周部の面取りの大きさは0.5mm、1mmで行った。また、ケースを深絞り加工して作製したケースの角部のRの大きさは約2mmとした。実施例1と同仕様にて組立、同じ方法で評価した。
その結果を表3に示す。
Figure 0004467345
表3に示すように、面取りが施されていない試料No.21は、初期のウェハ温度レンジが0.2℃で、昇温温度変更後のウェハ温度変化量が0.05℃であった。
しかしながら、ケースの板の角部に0.5mmの面取りやR形状が施されている試料No.22、23は、初期のウェハ温度レンジが0.15℃で、昇温温度変更後のウェハ温度変化量が0.04℃と小さく改善されていた。
また、試料No.24は、R形状の大きさが20mmと大きく、底板との接触が安定したので、さらに昇温温度変更後のウェハ平均温度変化量が0.035℃とさらに小さく好ましかった。
実施例1と同様の方法で、SUS製からなるケースの底板の厚みを1mm〜8mm、開口率を10%〜70%に変えた底板を用いてウェハ支持部材を作製した。
また、ケースの底板の外周部の平面度は0〜100μm、底板全体の平面度0〜300μmのものを使用した。評価は実施例1と同様に行なった。
その結果を表4に示す。
Figure 0004467345
表4に示すように、ケースの底板の厚みが1mm、開口率が60%である試料No.31は、初期ウェハ温度レンジが0.2℃、昇降温温度変更後のウェハ平均温度変化量は0.040℃であった。
また、底板の厚みが2mm、開口率が10%、70%である試料No.32、35は、昇降温温度変更後のウェハ平均温度変化量は0.040℃であった。
また、底板の厚み8mm、開口率60%の試料No.40では、昇降温温度変更後のウェハ平均温度変化量は0.040℃であった。
一方、ケースの底板の厚みが2〜7mmで、ケースの底板の開口率が20〜60%である試料No.33、34、37、38では、昇温時間は50秒、降温時間は100秒、昇降温温度変更後のウェハ平均温度変化量は、0.030℃と小さく良好な結果が得られた。
実施例1と同様の方法で、円弧と直線からなる開口部と円からなる開口部のケースの底板をレーザー加工にて穴開けしたケースを作製した。円からなる開口は外周部に多くし、ケースの底板の強度の低下を抑えた。また、開口部の形状の比率を変えて試験を行った。円弧と直線からなる開口部S1と円からなる開口部S2の比率(S1/S2×10020%、30%、70%、80%の4種類のケースの底板を作製した。また、底板全体の開口率は40%に固定した。評価方法は実施例1と同一とした。
その結果を表5に示す。
Figure 0004467345
表5で示すように、円弧と直線からなる開口部と円からなる開口部の比率が30%より小さい試料No.41では、昇降温温度変更後のウェハ温度変化量は0.030℃であった。
また、比率が80%である試料No.44も、昇降温温度変更後のウェハ温度変化量は0.030℃と大きかった。
しかしながら、円弧と直線からなる開口部と円からなる開口部の比率が30〜70%である試料No.42、43では、昇降温温度変更後のウェハ温度変化量は昇温、降温ともに0.020℃と良好であった。
板の中心から底板の直径の50%までの領域である中心部とその外側の外周部で開口率の比率を変えてウェハ支持部材を作製し実施例4と同様に評価した。
尚、中心部(径方向0〜50%)の開口率は、中心部の開口面積/(π×(底板の半径/2)×100%、外周部(径方向50%〜100%)の開口率は、外周部の開口面積/(π×(底板の半径)−π×(底板の半径/2)}×100%で算出した。
その結果を表6に示す。
Figure 0004467345
表6で示すように、外周部に比べ中央部の開口率が大きい試料No.51は、中央部の開口率が小さい試料No.52に比べ昇降温温度変更後のウェハ平均温度変化量が、さらに小さくなり、0.015℃と良好な結果が得られた。中央部は熱が集まり易い傾向があるので、開口率が大きい方が良い傾向が得られたと考えられる。
実施例1と同様の方法で、開口率10%、20%、60%、70%の4種類のケースの底板を試料No.51のように、外周部に比べ中心部の開口率が大きな試料を作製した。評価は実施例1と同様に行った。
その結果を表7に示す。
Figure 0004467345
表7で示すように、底板の開口率が20%より小さい、または、60%より大きい試料No.61、64は、昇降温温度変更後のウェハ平均温度変化量が0.015℃であった。
しかしながら、開口率が20〜60%である試料No.62、63では、昇降温温度変更後のウェハ温度の変化量は0.010℃と小さく良好であった。
本発明の一例を示すウェハ支持部材の断面図である。 本発明の一例を示すウェハ支持部材を装置に取り付けた状態を示す断面図である。 本発明の一例を示すウェハ支持部材におけるケースの底板を示す図である。 従来のウェハ支持部材の断面図である。 従来のウェハ支持部材の断面図とケースの底板を示す図である。 従来のウェハ支持部材におけるケースの底板を示す図である。 従来のウェハ支持部材の断面図とケースの底板を示す図である。
W:半導体ウェハ
L:ウェハ支持部材の厚み
:ウェハ支持部材
2:板状セラミック体
3:ウェハ載置面
4:ホットプレート
5:抵抗発熱体
6:給電部
8:支持ピン
10:測温素子、熱電対
11給電端子
16:ボルト
18:弾性体
19:ケース
20:ナット
23:開口
25:ウェハリフトピン
26:貫通孔
31:補強部材
32:チャンバー下部
33:チャンバー上部
100:ホットプレート
101:円弧と直線からなる開口部
102:円からなる開口部

Claims (6)

  1. 板状セラミック体の一方の主面或いは内部に複数の抵抗発熱体を備え、他方の主面にウェハを載せる載置面を備えたウェハ支持部材であって、前記抵抗発熱体の各々に独立して電力を供給する給電部と、該給電部を囲むケースとを有し、前記板状セラミック体を冷却するためのガス噴射口を備え、前記ケースの底面にその面積の10〜70%の開口部を形成し、前記ウェハ支持部材の厚みが10〜40mm、その厚みのバラツキが0〜1mmであり、前記底面の周辺の円環状領域の平面度が0〜100μmであり、前記開口部は円からなる開口部および円弧と直線とからなる開口部からなり、前記円弧と直線とからなる開口部の面積と前記円からなる開口部の面積との比率が30〜70%であることを特徴とするウェハ支持部材。
  2. 前記底面と前記ケースの側面との間が面取り形状或いはR形状であることを特徴とする請求項1に記載のウェハ支持部材。
  3. 前記底面と前記ケースの側面との間が大きさ0.1〜2mmの面取り形状であるか、あるいは大きさが0.2〜50mmのR形状であることを特徴とする請求項2に記載のウェハ支持部材。
  4. 前記底面を成すケースの厚みが2〜7mmであり、前記ケースの底面にその面積の20〜60%の開口部を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のウェハ支持部材。
  5. 前記円弧と直線とからなる開口部を前記底面の中心部に設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のウェハ支持部材。
  6. 前記ケースの底面の中心部の開口率が外周部の開口率より大きいことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のウェハ支持部材。
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