JP4466322B2 - 金属材の圧延機および圧延方法 - Google Patents

金属材の圧延機および圧延方法 Download PDF

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Description

本発明は、鋼帯などの金属材を、蛇行を抑制しつつ連続圧延するための圧延機及びこの圧延機を用いた金属材の圧延方法に関する。
熱延鋼帯を製造するための熱間連続圧延では、圧延中に鋼帯に蛇行が生じる問題が未だ完全には解決されておらず、特に、薄物圧延(一般に熱間圧延による最終板厚が2.0mm未満であるような圧延)では、鋼帯の尾端部が仕上圧延の圧延スタンドから抜ける瞬間に大きく蛇行し、この結果、鋼帯がサイドガイドに衝突して尾端部が折れ込んで圧延されてしまう、いわゆる「絞り込み」が発生する。このような絞り込みが生じると、ワークロールに疵がつき、ワークロールの組み換えを余儀なくされるため、生産能率が著しく低下する。
このような熱間圧延における鋼帯蛇行のメカニズムは、まず、板幅方向での板厚偏差や鋼帯がワークロールに対して板幅方向でどちらかに偏って圧延されるオフセンターなどが直接的な原因となって初期の蛇行が生じ、これにより左右の圧下荷重に差が生じて蛇行した側のロール間ギャップが開くことになるため、鋼帯も蛇行した側へさらに蛇行するという発散現象となり、蛇行量が次第に大きくなる。
従来、このような鋼帯の蛇行対策として、幾つかの方法が検討されてきており、例えば、圧下装置やベンダーなどの制御による蛇行対策などが提案されている。具体的には、鋼帯の蛇行により圧延機の左右の圧下荷重に差が生じる現象を利用してその差荷重値から蛇行量を推定するか、若しくは直接蛇行量を計測し、蛇行を解消すべく、蛇行した側のレベリング操作によりワークロール間ギャップを小さくする蛇行制御技術(平行剛性制御)が提案され、実用化もされている。また、特許文献1や特許文献2などでは、蛇行した側のベンダー圧力を調整することで差荷重を解消するようにした蛇行防止策も提案されている。
これらの従来技術は、蛇行量を直接計測するか、或いは左右圧下荷重の差荷重計測値から蛇行量を推定し、適当な制御ゲインでレベリング若しくはベンダー圧力をフィードバック制御するものである。
特開昭56−11170号公報 特開平6−269825号公報
しかし、これらの方法を実現するためには、蛇行量を直接計測する装置が必要であったり、或いは熱間圧延のように高速の圧延を行う圧延装置においては、応答性の高い圧下装置が必要となる。
また、実際に圧延機で蛇行制御を行う場合、制御周期には限界があるとともに、蛇行制御などでは制御のオーバーシュートなどへの配慮から制御ゲインが上げられないのが一般的であり、鋼帯が蛇行し始めても完全に蛇行を止めることができない。このため、手介入と呼ばれる圧延機オペレータの職人的な技術に頼らざるを得ず、十分に蛇行制御機能を活用できていないのが現実である。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、簡易な装置構成のもとで、特別な制御システムや蛇行制御技術を用いることなく、熱延鋼帯などの金属材の蛇行を効果的に抑制することができる圧延機及びこの圧延機を用いた金属材の圧延方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下のとおりである。
[1] ワークロールとバックアップロールがロールチョックを介して両側のロール支持部に支持された金属材連続圧延用の圧延機において、
前記両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に、少なくとも両ロールチョックを離間させる方向に駆動力を及ぼし得るように液圧シリンダを設置するとともに、少なくとも一方のロールチョックと液圧シリンダとの間に、液圧シリンダの伸縮方向で拡幅可能な圧電アクチュエータを介在させたことを特徴とする金属材の圧延機。
[2] 上記[1]の圧延機において、圧電アクチュエータが受けた歪み量に比例した電圧を前記圧電アクチュエータに印加することで、圧電アクチュエータを拡幅させる電圧印加手段を有することを特徴とする金属材の圧延機。
[3] 上記[2]の圧延機において、電圧印加手段は、液圧シリンダの収縮量以上の拡幅量で圧電アクチュエータを拡幅させるものであることを特徴とする金属材の圧延機。
[4] 上記[2]又は[3]の圧延機において、電圧印加手段は、液圧シリンダの制御に合わせたタイミングで圧電アクチュエータに電圧を印加し、圧電アクチュエータを拡幅させるものであることを特徴とする金属材の圧延機。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの圧延機において、液圧シリンダは、シリンダ本体内に作動液体を封じ込めることで所定の伸長状態を維持するための封入機構を有することを特徴とする金属材の圧延機。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかの圧延機において、液圧シリンダの可動部を機械的にロックするためのロック機構を有することを特徴とする金属材の圧延機。
[7] 上記[1]の圧延機を用いた金属材の圧延方法であって、
両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダを、所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とし、該液圧シリンダによる突っ張り手段が形成されたと同時に圧電アクチュエータに電圧を印加し、圧電アクチュエータを拡幅させることを特徴とする金属材の圧延方法。
[8] 上記[2]の圧延機を用いた金属材の圧延方法であって、
両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダを、所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とし、該液圧シリンダによる突っ張り手段が形成されたと同時に、電圧印加手段が、圧電アクチュエータが受けた歪み量に比例した電圧を前記圧電アクチュエータに印加し、圧電アクチュエータを拡幅させることを特徴とする金属材の圧延方法。
[9] 上記[3]の圧延機を用いた金属材の圧延方法であって、
両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダを、所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とし、該液圧シリンダによる突っ張り手段が形成されたと同時に、電圧印加手段が、圧電アクチュエータが受けた歪み量に比例した電圧を前記圧電アクチュエータに印加し、圧電アクチュエータを液圧シリンダの収縮量以上の拡幅量で拡幅させることを特徴とする金属材の圧延方法。
[10] 上記[5]又は[6]の圧延機を用いた金属材の圧延方法であって、
両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダを、所定の略等しい伸長状態にしてこれを下記(a)または/および(b)の手段で維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とし、該液圧シリンダによる突っ張り手段が形成されたと同時に圧電アクチュエータに電圧を印加し、圧電アクチュエータを拡幅させることを特徴とする金属材の圧延方法。
(a) 封入機構によりシリンダ本体内に作動液体を封じ込める。
(b) ロック機構により液圧シリンダの可動部を機械的にロックする。
[11] 上記[7]〜[10]のいずれかの圧延方法において、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダの初期圧力を、液圧シリンダが、圧電アクチュエータを介して又は介することなく前記ワークロールチョック及びバックアップロールチョックと常に係合しつつ、ワークロールチョック−バックアップロールチョック間距離の変動に追随して伸縮するような圧力に設定しておき、その後、所定の又は任意のタイミングにて、前記両液圧シリンダを所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とすることを特徴とする金属材の圧延方法。
本発明において、「ワークロールチョック−バックアップロールチョック間に … 液圧シリンダを設置する」とは、少なくとも両ロールチョックを離間させる方向に駆動力を及ぼし得るように、液圧シリンダが機能的な意味合いで両ロールチョック間に介在することを意味し、したがって、必ずしも液圧シリンダの本体部そのものが物理的に両ロールチョックの間に配置される必要はない。したがって、例えば、液圧シリンダの本体部(シリンダ本体+駆動ロッド)を両ロールチョック間の外側に配置し、適当な固定手段を介してシリンダ本体を一方のロールチョックに、駆動ロッドを他方のロールチョックにそれぞれ固定又は係合するような構造としてもよく、このような形態も本発明に含まれる。
本発明の圧延機によれば、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に、少なくとも両ロールチョックを離間させる方向に駆動力を及ぼし得るように設置された液圧シリンダが、ワークロールチョック−バックアップロールチョック間の距離を保持するための突っ張り手段として機能するので、この突っ張り手段によって両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持することにより、圧延機の平行剛性を効果的に高めることができる。しかも、液圧シリンダとロールチョックとの間に介在する圧電アクチュエータを、突っ張り手段として機能する液圧シリンダの不可避的な収縮を補償するように、或いはロールチョック間の距離をさらに拡げるように拡幅させることができるので、液圧シリンダによるロールチョック間の突っ張りを実効あるものにすることができ、これらの結果、被圧延金属材の蛇行を適切に抑えることができる。
また、本発明の圧延機は、ワークロールチョック−バックアップロールチョック間に液圧シリンダと圧電アクチュエータを設置し、これを圧延機自体の上位の制御系から独立した簡易な制御系で制御するだけでよく、高度の制御系を使用する必要が全くない。特に圧電アクチュエータの制御については、圧電アクチュエータの歪み量に比例した電圧が自動的に圧電アクチュエータに印加されるような電圧印加手段を用いることにより、いわば受動系の自動制御を行うことができる。このため本発明の圧延機は、既存の圧延機にも簡単に適用することができ、特に、制御周期がかなり遅い制御システムや応答性が遅い圧下装置しか備えていない既存の圧延機であっても問題なく適用でき、金属材の蛇行を効果的に抑制することができる。一方、高応答な圧下装置を有し、制御周期が早い最新の制御システムを有する圧延機に適用した場合にも、蛇行抑制効果をより高度に実現することができる。
以下、熱延鋼帯を製造するための熱間圧延機を例に、本発明の詳細と好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明を熱間圧延設備の仕上圧延機に適用した場合の一実施形態を示す正面図である。
この圧延機(圧延スタンド)の基本構造は従来装置と同様であり、上下ワークロール1a,1bと、これらワークロールをそれぞれ上下で支持する上下バックアップロール2a,2bと、これら各ロールの両端部を支持するロール支持部6(ハウジング)を備えている。上下ワークロール1a,1b及び上下バックアップロール2a,2bは、各々の両ロール軸がロールチョック3,4(上ワークロールチョック3a,下ワークロールチョック3b,上バックアップロールチョック4a,下バックアップロールチョック4b)で支持され、これら各ロールのロールチョック3,4は、前記ロール支持部6内で上下方向スライド可能に保持されている。
各ロールは、装置下側から、下バックアップロール2b、下ワークロール1b、上ワークロール1a、上バックアップロール2aの順に積み重ねられた構造(なお、図は圧延中の状態を示しているため、上下ワークロール1a,1b間に被圧延材である鋼帯xが介在している)となっている。また、下バックアップロール2bのロールチョック4bは、ロール支持部6側の支持手段16で支持され、一方、上バックアップロール2aのロールチョック4aはロール支持部6側の圧下手段17(圧下シリンダ等)で上方から拘束・圧下されている。したがって、圧下手段17による圧下荷重は、上バックアップロールチョック4a→上バックアップロール2a→上ワークロール1a→(被圧延金属材)→下ワークロール1b→下バックアップロール2b→下バックアップロールチョック4bという経路で伝わり、支持手段16で受けられる。
このような基本構造において本発明の圧延機では、両ロール支持部6のワークロールチョック3(3a,3b)とバックアップロールチョック4(4a,4b)間に、少なくとも両ロールチョックを離間させる方向に駆動力を及ぼし得るように液圧シリンダ5を設置し、この液圧シリンダ5を、前記ワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の距離を保持するための突っ張り手段として機能させるものである。このように両ロール支持部6のロールチョック3,4間に突っ張り手段を形成することにより、圧延機の平行剛性が高められ、ロール変形による被圧延金属材の蛇行を抑制できる。本実施形態では、両ロール支持部6において、ワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の空間部に液圧シリンダ5が配置されている。
さらに、本発明の圧延機では、ロールチョックのうちの少なくとも一方のロールチョックと液圧シリンダ5との間に、液圧シリンダの伸縮方向で拡幅(変位)可能な圧電アクチュエータ7を介在させ、この圧電アクチュエータ7に所定のタイミングで電圧を印加して拡幅(変位)させることにより、突っ張り手段として機能する液圧シリンダ5に不可避的に生じる歪み収縮分を補償し、或いはその補償分に加えてロールチョック3,4間の距離をさらに拡げるようにするものである。本実施形態では、液圧シリンダ5とバックアップロールチョック4間に圧電アクチュエータ7が設けられている。
突っ張り手段として機能する液圧シリンダ5に不可避的に生じる歪み収縮量は通常20〜40μm程度であり、したがって、これを解消(補償)するには20〜40μm程度の拡幅量があればよい。また、このような歪み収縮量の補償分に加えて、ロールチョック3,4間の距離をさらに拡げる場合でも、せいぜい上記の2倍程度の拡幅量があればよいと考えられる。一方、一般の圧電アクチュエータ(積層型圧電アクチュエータなど)の最大変位量も数十μm程度であり、しかも圧電アクチュエータは液圧シリンダなどのような他のアクチュエータに較べて、数十μm範囲内での変位量を高精度に制御できることから、上記のような拡幅量を得るのに最適な手段であると言える。また、圧電アクチュエータは高い応答性と強い駆動力を有しているので、液圧シリンダ5が突っ張り手段として機能を開始した瞬間に、その収縮を補償する(或いはさらに拡幅する)ような変位が迅速且つ確実になされ、高精度の蛇行抑制を行うことを可能とする。
圧電アクチュエータ7に電圧を印加する手段に特別な制限はなく、例えば、外的な制御系で制御される電圧印加手段を用いてもよいが、特に、圧電アクチュエータ7がロールチョック3,4側から受けた歪み量に比例した電圧をその圧電アクチュエータ7に印加することで、圧電アクチュエータ7を拡幅させる電圧印加手段、さらに好ましくは、圧電アクチュエータ7を液圧シリンダの収縮量以上の拡幅量で拡幅させる電圧印加手段が好ましい。このような電圧印加手段を用いることにより、圧電アクチュエータ7を受動系で自動制御することができ、しかも液圧シリンダ5の収縮量、或いはロールチョック間の距離の所望の拡張量に対応した高精度の制御を行うことができる。
また、電圧印加手段は、液圧シリンダの制御に合わせたタイミングで圧電アクチュエータ7に電圧を印加し、圧電アクチュエータ7を拡幅させるものであることが好ましい。具体的には、液圧シリンダ5により突っ張り手段が形成された(すなわち、液圧シリンダ5が突っ張り手段としての機能を開始した)と同時に、圧電アクチュエータ7に電圧を印加し、圧電アクチュエータ7を拡幅させるものであることが好ましい。
前記液圧シリンダ5は、シリンダ本体50とこのシリンダ本体50に対して進退移動する駆動ロッド51(この駆動ロッド51はシリンダ本体50内のピストンに連結されている)を有し、この駆動ロッド51の進退移動により伸縮する。この液圧シリンダ5は、所定の伸長状態に保持されることでワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の距離を保持するための突っ張り手段として機能することができる。
本実施形態のように液圧シリンダ5をワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の空間部に配置する場合、液圧シリンダ5は、ワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間にフリーの状態(すなわち、ロールチョック3,4のいずれにも固定されない状態)で配置してもよいが、通常は、少なくともシリンダ本体50または駆動ロッド51のいずれか一方をロールチョック3,4のいずれか一方に固定することにより、配置される。本実施形態の液圧シリンダ5は、シリンダ本体50がワークロールチョック3に固定され、一方、駆動ロッド51はバックアップロールチョック4に固定されることなく、単に同ロールチョックに当接するだけの構成となっている。
なお、他の実施形態として、シリンダ本体50と駆動ロッド51を、それぞれロールチョック3,4に固定するようにしてもよい。
液圧シリンダ5を所定の伸長状態に保持して突っ張り手段として機能させるための手段には特別な制限はなく、任意の手段を用いることができるが、本実施形態のように液圧シリンダ5内に作動液体を封じ込める方式が、最も簡便で且つ応答性や精度などの面からも好ましい。また、この方式に加えて、液圧シリンダ5の可動部を機械的にロックするロック機構による保持を併用すれば、液圧シリンダ5の保持をより確実なものとすることができる。これらの方式の具体的な構成については、後に詳しく説明する。
また、場合によっては、上記機械的なロック機構だけで、液圧シリンダ5を所定の伸長状態に保持するようにしてもよい。さらに、液圧シリンダ5内に作動流体を封じ込めるのではなく、液圧シリンダ5の液圧を所定の圧力に設定し、圧力制御弁などを用いた圧力制御により、所定の保持力を得るようにしてもよい。
ここで、本発明の圧延機において、上述したようなロールチョック3,4間の突っ張り手段として、特に液圧シリンダを用いるのは、以下のような理由による。
(a) 液圧シリンダにより、両ロール支持部6のロールチョック3,4間の突っ張り手段として強力な駆動力(保持力)が得られ、圧延機の高い平行剛性が確保できる。また、他の流体圧シリンダに較べて応答性に優れているため、ロールチョック3,4間の突っ張りを迅速且つ高精度に行い、蛇行を的確に抑制することができる。
(b) ワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の距離を保持する手段(突っ張り手段)は、ロールチョック3,4間の距離を保持する必要がないときには、その距離の変動を妨げないものであることが好ましい。例えば、熱間圧延機のワークロールベンダーが作動すると、ワークロールチョック3はベンダーにより押し上げられ、ワークロールチョック3とバックアップロールチョック4間の距離は狭まるが、ロールチョック3,4間の距離を保持する手段は、このような要因によるロールチョック3,4間の距離の変動を妨げず、ベンダーへの影響を与えないように動作するものであることが好ましい。また、圧延が開始されると、後述するように圧延機各部での変形量が変わり、ロールチョック3,4間の距離も変化するが、この場合も、ロールチョック3,4間の距離を保持する必要が生じるまで、ロールチョック3,4間の距離の変動を妨げない方がよい場合もある。この点、液圧シリンダは、ロールチョック3,4間の距離を保持する以外のときには、ロールチョック3,4間の距離の変動に追従して伸縮するなどして、ロールチョック3,4間の距離の変動を妨げない動作を容易に行わせることができる。
(c) ワークロールやバックアップロールは、ロール表面を常に正常な状態に保つために、表面研磨されたロールや新品のロールと頻繁に交換されるが、その都度ロール径は変化し、これに伴いワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の距離も変化する。このようなロールチョック3,4間の初期間隔の変化に対しても、液圧シリンダであれば問題なく対応することができる。
液圧シリンダ5には、油、水、水グリコールなど適宜な液体を作動液体として用いることができるが、熱間圧延機に適用する場合には水グリコールなどを用いることが安全上好ましい。
図2及び図3は、本発明の圧延機の一実施形態の構造をより詳細に示したもので、図2は上側のワークロール1a及びバックアップロール2aとそれらの支持構造を示す斜視図、図3は上側のワークロール1a及びバックアップロール2aの各一端部側のロール支持部を、液圧シリンダ5を縦断面した状態で示す正面図である。なお、下側のワークロール1b及びバックアップロール2bとそれらの支持構造も、図2及び図3の構造と同様である。
本発明の圧延機に用いる液圧シリンダ5は、単動式(シリンダ本体のヘッド側、ボトム側のいずれか一方にのみ作動液体を圧入する圧力室を有するタイプ)、複動式(シリンダ本体のヘッド側、ボトム側の両方に作動液体を圧入する圧力室を有するタイプ)のいずれでもよいが、本実施形態では複動式シリンダにより構成されている。すなわち、シリンダ本体50は、ヘッド側とボトム側にそれぞれ作動液体を供給する圧力室52A,52Bを有するとともに、これらの圧力室52A,52B内外への作動液体の注入・排出を行うための出入口53A,53Bが設けられている。液圧ポンプ10からの液体流路54は、方向切換弁18を経由して、液体流路54A,54Bとして前記出入口53A,53Bに接続されている。シリンダ本体50の圧力室52A,52Bには、方向切換弁18によって液体流路54A,54Bを切り替えることにより、選択的に作動液体が供給される。なお、55は作動液体をタンクに戻すための戻し流路である。
本実施形態のように、ロールチョック3,4間の空間部に液圧シリンダ5を配置し、且つこの液圧シリンダ5をロールチョック3,4のうちの一方のロールチョックにのみ固定し、他方のロールチョックには固定しない構造とした場合は、液圧シリンダ5の駆動ロッド51を伸長させる方向に比較的小さい液圧をかけておくことにより、液圧シリンダ5はロールチョック3,4間の距離が拡がれば液圧で伸長し、距離が狭まれば両ロールチョック3,4に押されて縮小するので、煩雑な圧力制御を行わなくてもロールチョック3,4間の距離の変動に追随して常に両ロールチョック3,4に係合(接触)した状態が維持される。
液圧シリンダ5は、シリンダ本体50内に作動液体を封じ込めるための封入機構を有し、この作動液体の封じ込めにより、液圧シリンダ5が所定の伸長状態に保持される(少なくとも、その伸長状態から縮まないように保持される)ようにしている。本実施形態の封入機構は、前記液体流路54A,54Bに各々設けられた電磁仕切り弁9A,9Bにより構成されている。図4は、電気信号により制御される電磁仕切り弁9A,9Bが流体流路54A,54Bを遮断し、シリンダ本体50(圧力室52A,52B)内に作動液体が封じ込められて液圧シリンダ5が所定の伸長状態に保持された状態を示している。
なお、他の実施形態としては、上記電磁仕切り弁9を液体流路54Aだけに設けることもでき、この場合には、シリンダ本体50の圧力室52A内に作動液体が封じ込められ、液圧シリンダ5が所定の伸長状態から縮まないように保持される。
圧電アクチュエータ7は駆動ロッド51の先端に固定され、駆動ロッド51がバックアップロールチョック4に係合(当接)した状態で、駆動ロッド51(液圧シリンダ)とバックアップロールチョック4との間に介在する。
圧電アクチュエータ7は一般に積層型のものが用いられ、電圧を印加することで電圧に比例して液圧シリンダ伸縮方向で拡幅(変位)する。一般に、圧電アクチュエータの拡幅量は、最大で圧電アクチュエータ幅(厚さ)の1/100程度である。
なお、圧電アクチュエータ7はワークロールチョック3とシリンダ本体50との間に設けてよい。また、圧電アクチュエータ7を液圧シリンダ5とワークロールチョック3及びバックアップロールチョック4の各間に設けること、すなわち図3に言えば、駆動ロッド51−バックアップロールチョック4間と、シリンダ本体50−ワークロールチョック3間に、それぞれ圧電アクチュエータ7を設けることも可能である。
圧電アクチュエータ7を拡幅させるために電圧を印加する電圧印加手段8は、圧電アクチュエータ7がロールチョック3,4側から受けた歪み量に比例した電圧を圧電アクチュエータ7に印加し、圧電アクチュエータ7を前記歪み量に対応した液圧シリンダ収縮量以上の拡幅量で拡幅させる手段(電圧印加回路)で構成されている。液圧シリンダ5の収縮量と圧電アクチュエータ7の歪み量とは完全な対応関係にあるので、圧電アクチュエータ7の歪み量(電位)に比例した所定電圧を圧電アクチュエータ7に印加すれば、上記のような拡幅量を得ることができる。
また、この電圧印加手段8は、液圧シリンダ5の制御に合わせたタイミングで圧電アクチュエータ7に電圧を印加するものであり、具体的には、液圧シリンダ5が、先に述べたような突っ張り手段としての機能を開始すると同時に圧電アクチュエータ7に電圧を印加し、圧電アクチュエータ7を上記のように拡幅させるように構成されている。
その他図面において、11は液体流路54の途中に設けられる圧力制御弁である。
図5は、電圧印加手段8(電圧印加回路)の一実施形態を示すもので、20は電位計、21はスイッチ、22は可変電源、23は比例器である。この電圧印加回路8は次のように機能する。
圧電アクチュエータ7は電圧印加される前は、ロールチョック3,4側から受ける歪みに対して電位を発生させるセンサーとして機能し、電圧印加手段8側では、圧電アクチュエータ7が受ける歪み量に相当する電位が電位計20により測定されている。液圧シリンダ5が突っ張り手段としての機能を開始すると同時にスイッチ21が入れられ(図3の場合には、例えば、電磁仕切り弁9の閉作動と連動してスイッチ21が入るようにする)、その時点で圧電アクチュエータ7が受けている歪み量(電位)に比例した電圧が、比例器23の出力に従い可変電源22から圧電アクチュエータ7に印加され、この電圧印加により圧電アクチュエータ7が拡幅する。
圧電アクチュエータ7の歪み量(電位)に比例して印加される電圧値は、必要とされる圧電アクチュエータの拡幅量に応じて適宜選択される。すなわち、先に述べたように圧電アクチュエータ7が受ける歪み量と液圧シリンダ5の収縮量は対応関係にあるので、圧電アクチュエータ7の歪み量に相当する電圧を印加すれば、液圧シリンダ5の収縮量を打ち消すような拡幅量が得られ、一方、予め設定された比例常数に従い比例器23を通じて任意の印加電圧を可変電源22から圧電アクチュエータ7に印加すれば、液圧シリンダ5の収縮量を超えるような拡幅量が得られ、ロール偏平の改善効果をより向上させることができる。
本発明者らが実験等に基づいて確認したところによれば、液圧シリンダ5により突っ張り手段を形成した際、液圧シリンダ5の収縮分を元に戻す程度の拡幅量とするよりも、収縮量の補償を超えてロールチョック3,4間をさらに拡げるような拡幅量とする方が、圧延機の平行剛性を高め、蛇行を抑制する上で有利であることが判った。しかし、ロールチョック3,4間を過剰に拡げることは圧下量や圧延プロフィルの制御に悪影響を与えるおそれがあり、収縮量の補償を超える拡幅分は数十μm程度が上限となると考えられる。この点、圧電アクチュエータは、拡幅量の実質的な上限が数十μmであることからロールチョック3,4間を過剰に拡幅するおそれがほとんどなく、また、電圧印加に応じて拡幅の精度も極めて高い。したがって、本発明で必要とされる微小な拡幅制御のための手段として最適なものであると言える。
なお、図2は、上側のワークロール1a及びバックアップロール2aの両端部を支持する両ロール支持部6のうち、一方のロール支持部のみを示しているが、他方のロール支持部においても、ロールチョック3a,4a間に同様の液圧シリンダ5が設けられ、この液圧シリンダ5に図2と同様の液圧系から作動液体が供給されるようになっている。
また、液圧シリンダ5は、本実施形態(図1)のように上下の各ワークロールチョック3a,3bとバックアップロールチョック4a,4b間に設けることが最も好ましいが、上ワークロールチョック3a−上バックアップロールチョック4a間、或いは下ワークロールチョック3b−下バックアップロールチョック4b間のいずれか一方に設けても、それぞれにおいて本発明の効果が得られる。
先に述べたように液圧シリンダ5は単動式、複動式のいずれでもよいが、複動式は特に、圧力制御で液圧シリンダを制御する場合にも好適である。
また、液圧シリンダ5は、1箇所のロールチョック3,4間に複数基(例えばロール軸位置を挟んだ両側に2基)設置してもよい。
図6は、本発明の圧延機の他の実施形態を示すもので、上側のワークロール1a及びバックアップロール1bの各一端部側のロール支持部を、液圧シリンダ5を縦断面した状態で示す正面図である。
この実施形態は、液圧シリンダ5の可動部を機械的にロックするロック機構を設けたもので、本実施形態では、液圧シリンダ5の駆動ロッド51を任意の伸長状態又は所定の伸長状態でロック(拘束)することができる機械式のロック手段12を設けたものである。このようなロック手段12を設けるのは、シリンダ本体50内での作動液体の封じ込めだけでは、液圧シリンダ5を所定の伸長状態に維持する際の保持力(突っ張り力)が弱い場合があり、このような機械的なロック手段12を併用することにより、突っ張り手段としての確固たる保持力(剛性)を得ることができる。
ロック手段12の構成に特別な制限はないが、例えば、駆動ロッド51に設けられた被係合部(例えば、凹部、孔、ラック部など)と、これに機械的に噛み合うことで駆動ロッド51を拘束する係合手段などからなるロック手段を用いることができる。この場合、係合手段の駆動にはバネやアクチュエータなどを利用することができる。
その他の構成は、図3〜図5に示す実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
なお、本実施形態は、機械的なロック機構(ロック手段12)を液圧シリンダ5を所定の伸長状態に保持するための補助手段として設けているが、場合によっては、先に述べたように上記機械的なロック機構だけで、液圧シリンダ5を所定の伸長状態に保持するようにしてもよい。
図1〜図6の実施形態は、ワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の空間部に液圧シリンダ5を配置したものであるが、すでに述べたように本発明の圧延機では、液圧シリンダ5の本体部そのものが物理的に両ロールチョック3,4間に位置している必要はなく、液圧シリンダ5(シリンダ本体+駆動ロッド)を両ロールチョック3,4間の外側に配置するとともに、適当な固定手段を介してシリンダ本体50と駆動ロッド51をそれぞれロールチョック3,4に固定又は係合(適宜、圧電アクチュエータ7を介在させて固定又は係合)するような構造をとしてもよい。大型の液圧シリンダ5を用いる際に、両ロールチョック3,4間の空間に液圧シリンダ5を配置できない場合があり、特に、このような場合に上記構造を採用することにより、本発明の構造を実現できる。
図7は、そのような本発明の圧延機の一実施形態を示すもので、上側のワークロール1a及びバックアップロール1bの各一端部側のロール支持部を示す正面図である。
本実施形態の液圧シリンダ5は、ワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の空間部に配置されるのではなく、両ロールチョック3,4の側部に配置されている。すなわち、液圧シリンダ5のシリンダ本体50は、固定手段13などを介してワークロールチョック3の側部に固定され、一方、圧電アクチュエータ7が固定された駆動ロッド51の先端は、バックアップロールチョック4の側部に固定手段15を介して固定された受け部材14に当接し又は接続されている。このような構造により、液圧シリンダ5を、ロールチョック3,4間の空間部に配置したと同様に、両ロールチョック3,4間の距離を保持するための突っ張り手段として用いることができる。
その他の構成は、図3〜図5に示す実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
次に、本発明の圧延機を用いた圧延方法を、上述した実施形態の圧延機(熱間圧延機)を例に説明する。
一般的に圧延時の圧延機の変形は、図8に示すように、(1)ハウジングの変形、(2)ロールの曲がり(軸心変位と同じ)、(3)ロールの偏平変形(圧延荷重による圧縮を受けたロールの弾性変形)、(4)圧下ねじの縮み(圧延荷重による圧縮を受けた圧下ねじの弾性変形)、(5)軸受部の変形、油膜厚さの変化、(6)ロッカープレートその他の部材の変形、(7)圧下シリンダの変形及び油柱厚さの変形、からなっている。
実測及び計算によると、ロール間ギャップの変化量のなかで各部の占める割合は、ロール部の偏平等のロール変形が40〜70%、ハウジングの変形が10〜16%、圧下ねじの変形が4〜20%であり、ロール変形の占める割合が圧倒的に大きいことが知られている。圧延時においては、圧延荷重に応じた変形が各所で発生し、実際に圧延後の熱延鋼帯の板厚を決定するロールギャップ部においては、上記変形量の総和分だけロールギャップが開いていることを意味する。
圧延機内で何らかの原因により鋼帯の蛇行が発生すると、左右の圧延荷重に差が生じて上記に示す各部位での圧延機の幅方向での変形量が変化し、圧延機の左右の変形量に偏差が生じる。図9(B)に示すように、鋼帯が蛇行すると蛇行した側の変形量が多くなり、バックアップロール1とワークロール2は傾き、蛇行した側のロール間ギャップが開く。このとき、圧延機の各部位の変形のうち、バックアップロール1とワークロール2の接触部のロールの偏平による変形量が多いことから、左右のロール偏平差分だけ、ワークロール1はバックアップロール2に対してさらに傾動し、蛇行した側のロール間ギャップが開くとともに、バックアップロールチョック3−ワークロールチョック4間の距離も左右で差が生じ、蛇行した側のワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の距離はロールの偏平差に相当する量とネック部での軸変形分小さくなる。
一度、圧延機内で鋼帯の蛇行が始まると、鋼帯が蛇行した側の変形量が大きくなりロール間ギャップが大きくなるので、鋼帯は蛇行した側にさらに蛇行する。この現象は蛇行が蛇行をさらに大きくしていく発散現象であるので、結果的に、ワークロールとバックアップロール間の距離も鋼帯の蛇行の悪化とともに小さくなっていく。例えば、1000tonの圧下荷重の圧延機で、蛇行量30mmのとき、ロール左右の偏平差は24μm、バックアップロールとワークロールの距離は鋼帯の蛇行前に対して約20μm狭まっており、鋼帯の蛇行が悪化するに従って狭まる量は大きくなっていく。
図9(A)は鋼帯が蛇行していない状態を示し、図9(B)は鋼帯が蛇行したときの状態を示す。
本発明の圧延機を用いた圧延方法では、上記のような鋼帯の蛇行に対して、両ロール支持部6のワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間に設置された液圧シリンダ5を所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持する(少なくとも所定の伸長状態から縮まないように保持する)ことにより、液圧シリンダ5を、両ロール支持部6のワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間を略等しい距離に保持する突っ張り手段として機能させるものである。
ここで、液圧シリンダ5によりロールチョック3,4間の距離を保持(突っ張る)するタイミングについては後述するが、液圧シリンダ5でロールチョック3,4間の距離を保持するには、例えば、両ロール支持部6に配置された液圧シリンダ5を、必要とされるロールチョック3,4間の距離に応じた所定の略等しい伸長状態とした上で、図4に示すように電磁仕切り弁9A,9B(又は電磁仕切り弁9A)を閉じて液体流路54A,54B(又は液体流路54A)を遮断し、液圧シリンダ5の圧力室52A,52B(又は圧力室52A)内に作動液体を封じ込める。これにより、液圧シリンダ5はその伸長状態に保持され、作動液体の体積弾性係数に応じた剛性を発揮する。この剛性により、両液圧シリンダ5は、両ロール支持部6のワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間を略等しい距離に保持する突っ張り手段として機能する。
液圧シリンダ5内に作動液体を封じ込めた際の剛性は、シリンダ径とシリンダ内に封じ込められた液量と液体の体積弾性係数により決まる。図10は作動液体として水グリコールを用いた液圧シリンダの剛性(バネ定数)を示したもので、直径300mm、ストローク30mm程度であれば、600tonf/mm以上の剛性が得られる。
鋼帯が圧延機内で蛇行して、圧延機に差荷重が発生すると、蛇行した側のロールチョック3,4間の距離も縮まろうとするが、図11に示すように本発明の圧延方法では、両ロール支持部6において液圧シリンダ5が突っ張り手段となってロールチョック3,4間を保持することで、ロールの弾性変形で偏平する変形量を抑えることが可能となり、この結果、蛇行を抑制することができる。
以上のように本発明の圧延方法では、両ロール支持部6のワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間において略等しく伸長した液圧シリンダ5が突っ張り手段になることにより、鋼帯の蛇行が抑制される。
しかし、液圧シリンダ5が突っ張り手段となる際にロールチョック3,4間に作用する力は20ton近くになると推定される。このような荷重が液圧シリンダ5にかかった場合、600tonf/mmの剛性があったとしても30μm程度の歪み収縮が発生する。ここで、ロールチョック部の変形量Aとロール偏平量Bは、剛性の違いから変形量比がA:B=3:1程度であり、したがって、ロールチョック部で液圧シリンダ5が30μm収縮するとロール偏平の改善効果は10μm程度悪化する。このような問題に対して、先に図2〜図5に関する説明で述べたように、液圧シリンダ5が突っ張り手段としての機能を開始したと同時に(液圧シリンダ5の液圧が電磁仕切り弁9で封じ込められたと同時に)、圧電アクチュエータ7に電圧を印加し、拡幅させる。好ましくは、電圧印加手段により、圧電アクチュエータ7の歪み量に比例した電圧を圧電アクチュエータ7に印加し、圧電アクチュエータ7を拡幅させる。さらに好ましくは、圧電アクチュエータ7の歪み量に対応した液圧シリンダ収縮量以上の拡幅量で拡幅させ、液圧シリンダ5の歪み収縮を解消し、或いはロールチョック3,4間の距離をさらに拡幅させる。
また、図6に示すように液圧シリンダ5の可動部を機械的にロックするロック機構を有する圧延機の場合には、上述した作動液体の液圧シリンダ5内への封じ込めによる剛性に加えて、このロック機構によりワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の距離を保持する力がさらに大きくなるので、鋼帯の蛇行抑制効果をより確実に得ることができる。このようなロック機構の併用は、ロールチョック3,4間に大きな荷重が作用して液圧シリンダ5の液圧だけではロールチョック3,4間を十分に保持(突っ張り)し切れず、ロールチョック3,4間が縮んでしまう恐れがあるような場合に、特に有効である。
また、液圧シリンダ5を所定の伸長状態に保持する(少なくとも所定の伸長状態から縮まないように保持する)手段としては、液圧シリンダ5内への液圧の封じ込めではなく、液圧シリンダ5の液圧を所定の圧力に設定し、圧力制御弁11などを用いた圧力制御だけで行うこともでき、また、液圧シリンダ5の可動部をロックする機械的なロック機構だけで行うこともできる。
液圧シリンダ5によりロールチョック3,4間の距離を保持する(突っ張る)タイミングについては、例えば、次のような実施形態を採ることができる。
第一の実施形態では、最初の段階から、両ロール支持部6のワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間に設置された液圧シリンダ5を所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、両ロール支持部6のロールチョック3,4間を略等しい距離に保持する突っ張り手段を形成する。
この方法は、最初の段階から液圧シリンダ5による突っ張り手段を形成するものであるため、先に述べたような理由からしてワークロールベンダーなどの機能に影響を与えるものであるが、圧延中に液圧シリンダ5を制御する必要ないという利点がある。
また、第二の実施形態では、最初の段階では液圧シリンダ5を初期圧力に設定し、その後、適宜なタイミングでワークロールチョック3−バックアップロールチョック4間の突っ張り手段となるようにする。この実施形態は、液圧シリンダ5によりロールチョック3,4間の距離を保持する(突っ張る)必要がない圧延期間中は、液圧シリンダ5がロールチョック3,4間の距離の変動を妨げないようにするものである。
この実施形態では、まず、鋼帯が自圧延機(本発明に係る当該圧延機)に噛み込む前の段階から、両ロール支持部6のロールチョック3,4に設置された液圧シリンダ5の初期圧力を、液圧シリンダがロールチョック3,4間の距離の変動に追随して伸縮し、常に両ロールチョック3,4に係合した状態が維持されるような圧力に設定する。このような設定圧力に基づく液圧シリンダ5の圧力制御は、圧力制御弁などにより自動的になされる。
このような初期圧力の設定下では、例えば、圧延機のワークロールベンダーが作動すると、ワークロールチョック3はベンダーにより押し上げられ、ワークロールチョック3とバックアップロールチョック4間の距離は狭まるが、液圧シリンダ5はベンダーへの影響を与えないように伸縮し、ロールチョック3,4の間の距離の変動に追従する。また、自圧延機に鋼帯が噛み込み圧延が開始されると、上述のように圧延機各部で変形量が変り、ロールチョック3,4間の距離も変化するが、これに対しても液圧シリンダ5は伸縮してロールチョック3,4間の距離の変動に追従する。
その後、所定の又は任意のタイミングで、両ロール支持部6のロールチョック3,4間に設置した液圧シリンダ5を所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、ロールチョック3,4間を略等しい距離に保持する突っ張り手段を形成する。このようにロールチョック3,4間で液圧シリンダ5による突っ張り手段を形成するタイミングとしては、例えば、以下のようなものがあり得る。これらのうち、(3)の場合に蛇行が最も発生しやすいことが知られている。
(1)鋼帯の蛇行が検知されたとき
(2)自圧延機に鋼帯が噛みこみ、自圧延機の圧下荷重が制御開始されたとき
(3)自圧延機の前段の圧延機から鋼帯の尾端が抜けたとき
(4)その他のタイミング
上記(1)〜(3)のうち(1)の鋼帯の蛇行は、例えば幅計によるエッジ位置の検出又は差荷重の検出に基づき検知することができ、また、上記(3)は、例えば前段の圧延機のロードオフを検出することで検知することができ、これらの検出信号に基づいて液圧シリンダ5の液圧が高められ、ロールチョック3,4間に突っ張り手段が形成される。
以上のように、両ロール支持部6において液圧シリンダ5によるロールチョック3,4間での突っ張り手段が形成され、かつそのタイミングで圧電アクチュエータ7が拡幅することにより、先に述べたように圧延機の平行剛性が向上し、蛇行が効果的に抑制される。
なお、液圧シリンダ5が、ロールチョック3,4のうちの一方のロールチョックにのみ固定され、他方のロールチョックに固定されない構造とした場合には、液圧シリンダ5の使用形態としては、他方のロールチョックに固定されていない液圧シリンダ5の部分は、液圧シリンダ5がロールチョック3,4間の突っ張り手段となる以外は、同他方のロールチョックと係合させなくてもよい。
金属材の蛇行の問題は、特に熱延鋼帯を製造するための熱間仕上圧延において大きな問題となっており、したがって、本発明の圧延機(及び圧延方法)は、熱延鋼帯を製造するための熱間仕上圧延機に適用した場合に特に大きな効果を発揮するが、これに限定されるものではなく、例えば、冷延鋼板を製造するための冷間圧延機、厚鋼板を得るための厚板圧延機、さらには鋼板以外の金属材の圧延機など、各種の圧延機に適用することができる。
また、本発明を熱延鋼帯製造用の熱間仕上圧延機に適用する場合には、仕上圧延機群のなかで特に蛇行が生じやすいのは、圧延機群後段の圧延機であることから、少なくとも全圧延機数/2の数の圧延機群後段の圧延機(例えば、圧延スタンド数が7スタンドの場合には、No.4〜7スタンド)に本発明を適用することが好ましい。もちろん、全部の圧延機に本発明を適用してもよい。
本発明の圧延機の一実施形態を示す正面図 本発明の圧延機の一実施形態において、上側のワークロール及びバックアップロールとそれらの支持構造を示す斜視図 本発明の圧延機の一実施形態において、上側のワークロール及びバックアップロールの各一端部側のロール支持部を、液圧シリンダを縦断面した状態で示す正面図 本発明の圧延機の一実施形態において、図3の状態から液圧シリンダをロールチョック間の突っ張り手段として作動させた状態を示す正面図 本発明の圧延機における圧電アクチュエータの電圧印加手段の一実施形態を示す図面 本発明の圧延機の他の実施形態において、上側のワークロール及びバックアップロールの各一端部側のロール支持部を、液圧シリンダを縦断面した状態で示す正面図 本発明の圧延機の他の実施形態において、上側のワークロール及びバックアップロールの各一端部側のロール支持部を示す正面図 圧延により生じる圧延機各部の変形量に関する説明図 鋼帯が蛇行した際のロール傾動とロール偏平差を示す説明図 液圧シリンダのシリンダ径とバネ定数との関係の一例を示すグラフ 本発明によるロール偏平差緩和作用の原理を示す説明図
符号の説明
1a,1b ワークロール
2a,2b バックアップロール
3a,3b ワークロールチョック
4a,4b バックアップロールチョック
5 液圧シリンダ
6 ロール支持部
7 圧電アクチュエータ
8 電圧印加回路
9A,9B 電磁仕切り弁
10 液圧ポンプ
11 圧力制御弁
12 ロック機構
13 固定手段
14 受け部材
15 固定手段
16 支持手段
17 圧下手段
18 方向切換弁
20 電位計
21 スイッチ
22 可変電源
23 比例器
50 シリンダ本体
51 駆動ロッド
52A,52B 圧力室
53A,53B 出入口
54,54A,54B 流体流路
55 戻し流路

Claims (11)

  1. ワークロールとバックアップロールがロールチョックを介して両側のロール支持部に支持された金属材連続圧延用の圧延機において、
    前記両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に、少なくとも両ロールチョックを離間させる方向に駆動力を及ぼし得るように液圧シリンダを設置するとともに、少なくとも一方のロールチョックと液圧シリンダとの間に、液圧シリンダの伸縮方向で拡幅可能な圧電アクチュエータを介在させたことを特徴とする金属材の圧延機。
  2. 圧電アクチュエータが受けた歪み量に比例した電圧を前記圧電アクチュエータに印加することで、圧電アクチュエータを拡幅させる電圧印加手段を有することを特徴とする請求項1に記載の金属材の圧延機。
  3. 電圧印加手段は、液圧シリンダの収縮量以上の拡幅量で圧電アクチュエータを拡幅させるものであることを特徴とする請求項2に記載の金属材の圧延機。
  4. 電圧印加手段は、液圧シリンダの制御に合わせたタイミングで圧電アクチュエータに電圧を印加し、圧電アクチュエータを拡幅させるものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の金属材の圧延機。
  5. 液圧シリンダは、シリンダ本体内に作動液体を封じ込めることで所定の伸長状態を維持するための封入機構を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属材の圧延機。
  6. 液圧シリンダの可動部を機械的にロックするためのロック機構を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属材の圧延機。
  7. 請求項1の圧延機を用いた金属材の圧延方法であって、
    両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダを、所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とし、該液圧シリンダによる突っ張り手段が形成されたと同時に圧電アクチュエータに電圧を印加し、圧電アクチュエータを拡幅させることを特徴とする金属材の圧延方法。
  8. 請求項2の圧延機を用いた金属材の圧延方法であって、
    両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダを、所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とし、該液圧シリンダによる突っ張り手段が形成されたと同時に、電圧印加手段が、圧電アクチュエータが受けた歪み量に比例した電圧を前記圧電アクチュエータに印加し、圧電アクチュエータを拡幅させることを特徴とする金属材の圧延方法。
  9. 請求項3の圧延機を用いた金属材の圧延方法であって、
    両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダを、所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とし、該液圧シリンダによる突っ張り手段が形成されたと同時に、電圧印加手段が、圧電アクチュエータが受けた歪み量に比例した電圧を前記圧電アクチュエータに印加し、圧電アクチュエータを液圧シリンダの収縮量以上の拡幅量で拡幅させることを特徴とする金属材の圧延方法。
  10. 請求項5又は6の圧延機を用いた金属材の圧延方法であって、
    両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダを、所定の略等しい伸長状態にしてこれを下記(a)または/および(b)の手段で維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とし、該液圧シリンダによる突っ張り手段が形成されたと同時に圧電アクチュエータに電圧を印加し、圧電アクチュエータを拡幅させることを特徴とする金属材の圧延方法。
    (a) 封入機構によりシリンダ本体内に作動液体を封じ込める。
    (b) ロック機構により液圧シリンダの可動部を機械的にロックする。
  11. 両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間に設置された液圧シリンダの初期圧力を、液圧シリンダが、圧電アクチュエータを介して又は介することなく前記ワークロールチョック及びバックアップロールチョックと常に係合しつつ、ワークロールチョック−バックアップロールチョック間距離の変動に追随して伸縮するような圧力に設定しておき、その後、所定の又は任意のタイミングにて、前記両液圧シリンダを所定の略等しい伸長状態にしてこれを維持することにより、両ロール支持部のワークロールチョック−バックアップロールチョック間を略等しい距離に保持する突っ張り手段とすることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の金属材の圧延方法。
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