JP4463901B2 - 放電加工方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、加工間隙に加工液を供給し、電極で放電して被加工物を放電加工する放電加工方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電極と被加工物との加工間隙に加工液を供給すると共に電極で放電して被加工物を放電加工する放電加工方法が知られている。この放電加工方法では、例えば前加工した加工面に対し微少量の追い込み加工をして精度の高い寸法に仕上げる場合、放電させる電極と被加工物との位置関係を明確に把握し、追い込み加工量を正確に求める必要がある。これに関し従来、放電加工による加工量を決定するために、放電加工の前に被加工物の基準面に接触して感知させる手法、あるいは特許番号2559789号公報に示すように、放電ギャップが特定値になるまで数十秒間放電させて加工の原点位置出しを行い、電極を加工部に移動させて放電加工する手法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記接触して感知させる手法では、接触感知の誤差が発生し、上記放電ギャップが特定値になるまで放電させる手法では、放電ギャップの変動幅による誤差(測定誤差±2μと記載)が発生する。また、特許番号2559789号公報では、被加工部を放電加工した後に狙い値との誤差を検知するために上記と同様に放電ギャップが特定値になるまで被加工部を数十秒間放電させるため、2度の放電ギャップの変動幅による測定誤差が累積する。そのため、加工精度に悪影響を与える。
【0004】
また、加工に用いる放電条件で数十秒間放電させるとそれによる加工進行が無視できる量を超えることから、原点位置出しのために行う放電は加工進行が小さい弱い特別な条件で行う必要がある。そのため、放電ギャップが特定値に収束するまでに数十秒間(記載によれば20〜60秒)かかる。従って、速やかな原点位置出しができない。
【0005】
また、電極の形状が平坦面状以外のテーパ状や曲面状等の異形状であった場合は、被加工物の平坦面に電極のテーパ面等を直接接触させて測定するようなことはできない。
【0006】
図9は、従来の加工の原点位置出しの手法を説明するための図である。
【0007】
例えば同図に示すように電極100が先端部にテーパ部を有する形状をしている場合、同図(c)に示すように電極100の適所に平坦面100aを設け、この平坦面100aを仮の基準として被加工物101の基準面101aに対して数十秒間放電させることになる。
【0008】
そのため電極100の仮の基準面(平坦面100a)から先端部までのZ方向(加工方向)における距離を測定しこれを考慮して加工量を演算しなければならず、放電作業が複雑化し、且つ電極100の適所に平坦面100aを設ける必要から設計の手間もかかりコスト的にも不利となる等、問題があった。
【0009】
また、放電ギャップは加工面積や被加工面の形状によっても変動するものであり、これらが放電ギャップの測定誤差を生じさせる要因となっていた。
【0010】
例えば、同図(a)に示すように、被加工物101の基準面101aと電極100の先端部とで測定する手法では、被加工面は平坦で加工面積が小さい。一方、同図(b)に示すように、被加工物101の被加工部101bと電極100のテーパ面とで測定する場合は、被加工部101bは曲面状でありしかも加工面積が大きい。従って、同図(a)の場合と同図(b)の場合とでは放電ギャップが相違する。
【0011】
また、同図(c)に示すように、加工面積が同図(b)と等しくなるように設定した場合でも、被加工部の形状が異なることから放電ギャップの差異は生じる。
【0012】
図10は、加工面積と放電ギャップとの関係を示す図である。同図に示すように、加工面積の相違により放電ギャップが相違しているのがわかる。
【0013】
図11は、加工液に混入する粉末の濃度と放電ギャップとの関係を示す図である。同図に示すように、粉末混入濃度の相違によっても放電ギャップが相違する。
【0014】
このように、加工面積、被加工面の形状の相違、さらには粉末混入濃度の相違によって、放電ギャップに差異が生じる。従って、上記従来の放電ギャップが特定値になるまで放電させる手法では、特定値の放電ギャップを求めたとしても上記誤差の影響を回避できず、精度上問題があった。すなわち、予め測定した放電ギャップが実際に加工したときに再現されず、その差異が測定誤差として現れ、これを考慮しないと高い加工精度を得ることはできなかった。
【0015】
従来は、以上のような問題があるため、例えば前加工で仕上がった面から数μm〜数十μm程度の微少量の追い込み修正加工をして所望の寸法を得るような加工が困難とされていた。このような微少量の加工が必要となる場合としては、例えば一度制作された金型を試し打ちした場合に、樹脂の変形、変位により所望の寸法、形状の成形品ができない場合や、製品上寸法を変更した場合に修正加工の必要が生じる等、仕上がった金型部品に対して数μm〜数十μm程度だけ修正加工したいような場合である。
【0016】
従来は、このような加工をする場合、熟練工が少し加工してはダイヤルゲージや顕微鏡等で寸法を測定し、不足分を慎重に再度加工するという作業を繰り返すようにしている。しかし、取りすぎ等の失敗が生じるだけでなく、測定、加工の繰り返しによる煩雑な作業が必要であり、自動化が困難で、効率が著しく悪かった。
【0017】
このように、従来の放電加工方法では、放電ギャップの変動幅による誤差に起因して高精度な加工が困難で、高精度の加工には熟練を要することから失敗のない加工が容易でなく、測定や加工等のための煩雑で非効率的な作業が必要とされるという問題があった。
【0018】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、熟練や煩わしい作業を要することなく微少量の追い込み加工を効率的に精度よく行うことができる放電加工方法及び装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の放電加工方法は、電極と被加工物との加工間隙に加工液を供給すると共に前記電極で放電して前記被加工物を放電加工する放電加工方法において、前記被加工物の被加工面に対して与えるべき加工追い込み量を実測する実測工程と、前記電極を前記被加工物の被加工面に向かって加工方向に近づけていき、前記電極が放電し始めてから3秒以上20秒以下経過したときにおける前記電極の位置を現在位置として取得する取得工程と、前記取得工程により取得された前記電極の現在位置に前記実測工程により実測された加工追い込み量を加算した値を、前記電極が到達すべき最終位置として設定し、該設定した最終位置まで放電加工を行う加工工程とを有し、前記取得工程と前記加工工程とでは、同じ電気的条件で且つ同じ電極で放電を行なうことを特徴とする。
【0030】
同じ目的を達成するために本発明の請求項の放電加工装置は、電極と被加工物との加工間隙に加工液を供給すると共に前記電極で放電して前記被加工物を放電加工する放電加工装置において、前記被加工物の被加工面に対して与えるべき加工追い込み量を実測する実測手段と、記電極を前記被加工物の被加工面に向かって加工方向に近づけていき、前記電極が放電し始めてから3秒以上20秒以下経過したときにおける前記電極の位置を現在位置として取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記電極の現在位置に前記実測手段により実測された加工追い込み量を加算した値を、前記電極が到達すべき最終位置として設定し、該設定した最終位置まで放電加工を行う加工手段とを有し、前記取得手段と前記加工手段とは、同じ電気的条件で且つ同じ電極で放電を行なうことを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0035】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る放電加工装置の構成を示すブロック図である。
【0036】
本装置は自動制御装置11(加工制御手段)を備え、自動制御装置11は、コンピュータ数値制御装置(以下、「NC装置12」と称する)(現在位置記憶部(手段)、間隙値記憶部(手段)、追い込み量記憶手段、現在位置記憶手段)、電源制御装置13、放電回路14、放電検知手段15及びコントローラ装置16(追い込み量取得手段)から構成される。
【0037】
加工テーブル4上には被加工物3が固定されている。X軸方向駆動装置5、Y軸方向駆動装置7は、NC装置12の指示に基づき、水平面上で互いに直交するX/Y方向に加工テーブル4を移動させる。X軸方向位置検出装置6、Y軸方向位置検出装置8は、加工テーブル4の動作位置を検出してNC装置12にその信号を送出する。
【0038】
加工ヘッド1は下端部に放電加工用電極2が着脱自在に構成されている。本装置は、図示しないが、電極2をオートハンドで他の電極と自動で交換可能に構成されている。
【0039】
Z軸方向駆動装置9は、NC装置12の指示に基づき、垂直方向、すなわちZ方向(同図上下方向)に加工ヘッド1を移動させる。Z軸方向位置検出装置10(現在位置取得手段)は、加工ヘッド1の動作位置を検出してNC装置12にその信号を送出する。
【0040】
被加工物3は加工槽18内に配置される。放電加工時には、加工槽18内に放電加工用の粉末を混入した加工液17を蓄えた状態にされる。粉末としては、例えばクロム、アルミニウム、半導体等の鉄系・非鉄系の金属粉末が好ましい。
【0041】
NC装置12は、上記のようにX軸方向駆動装置5、Y軸方向駆動装置7、Z軸方向駆動装置9に駆動信号を送信すると共に、X軸方向位置検出装置6、Y軸方向位置検出装置8、Z軸方向位置検出装置10からの各検出信号を受信して得た加工ヘッド1及び加工テーブル4の各位置情報をメモリ部Mに書き込む。メモリ部MはM1、M2、M3から成る。
【0042】
NC装置12は、コントローラ装置16で予め入力設定された情報(例えば微少加工追い込み量、電気的条件、加工順序等)であってメモリ部Mに格納したものと、制御プログラム(加工動作、送り量、加工方向、電気的条件等の設定)とに従って、X軸、Y軸、Z軸方向駆動装置5、7、9に駆動信号を与え、また、電源制御装置13から放電回路14を介して電極2へ所用の放電電圧を印加するように、電源制御装置13及び放電回路14に対して電圧出力信号を与える。微少加工追い込み量としては、実測等により事前に把握したものが入力される。放電検知手段15は電極2の放電を検知してその検知信号をNC装置12に送出する。
【0043】
図2は、本実施の形態における微少量放電加工の手順のフローチャートを示す図である。図3は、図2に対応して加工状況を示す模式図である。以下、図2及び図3を参照して説明する。
【0044】
この加工は、いわゆる形彫り放電加工であり、被加工物3の被加工面3Aは、図3(a)に示すように前加工による既加工部となっている。装置の始動前に、NC装置12において、被加工物3について決められた原点(X0,Y0,Z0)から被加工面3Aの狙い深さまでの距離を示す第1の位置情報(X1,Y1,Z1)をメモリ領域M1に記憶する。加工開始始点は、この第1の位置情報(X1,Y1,Z1)より1mm程度上方の位置に設定すると効率がよい。
【0045】
次に加工槽18内に放電加工用の粉末を混入した加工液17を充満させ、動作を開始させる。まず、この加工で使用する電極2に交換(ATC交換)し(図2のステップS201)、電極2を加工位置、すなわち被加工面3Aの上方に移動させる(ステップS202)。
【0046】
次いで、電源制御装置13から放電回路14を介して電極2へ粉末最終仕上げ段階の条件(所定条件)による放電電圧を印加し、その状態でZ軸方向駆動装置9を駆動して電極2を被加工面3Aの上方から降下させていく。これが放電測定である(ステップS203)。そして、所定時間(例えば3秒間)放電したら加工ヘッド1を止め、そのときの加工ヘッド1の位置情報(X2,Y2,Z2)を第2の位置情報(電極2の加工点)としてメモリ領域M2に記憶する(ステップS204)。このとき、電極2と被加工面3Aとには放電ギャップA(間隙値)が生じている(図3(b))。この第2の位置情報が加工ヘッド1乃至電極2のZ方向における現在位置を示すものである。
【0047】
次に、コントローラ装置16に予め入力設定された微少加工追い込み量(メモリ部Mに記憶したもの)を上記メモリ領域M2に記憶された第2の位置情報加算して、新たな加工の狙い深さ位置として第3の位置情報(X3,Y3,Z3)(狙い深さ加工点)をメモリ領域M3に記憶する(ステップS205)(図3(c))。加算演算はコントローラ装置16によりなされる。
【0048】
次いで、メモリ領域M3に記憶された第3の位置情報(X3,Y3,Z3)に基づき、前記ステップS203の放電測定で使用したのと全く同一の条件で最後まで放電加工していく(ステップS206)(図3(d))。すなわち、上記粉末最終仕上げ段階の放電電圧により、同一の電極2にて同一加工面積、同一条件(電気条件)、同一の加工液状態の下で最終加工が行われる。また、微少量加工のため消耗や熱変位を生じにくい。これにより、図3(b)の場合の放電ギャップAと略同一の放電ギャップA’が再現され、誤差の要因が排除される。
【0049】
加工終了後(ステップS207)は、コントローラ装置16により指示を出し、次の加工部へ移動して同様の加工をするか、あるいは他の電極2に交換して異なる加工部に移行する。
【0050】
図4は、粉末放電加工による放電ギャップの再現性のテスト結果を示す図である。同図は、同一電極で同一加工箇所に3秒間の放電を繰り返し行った場合における加工箇所の放電ギャップを示したものである。
【0051】
同図によれば、7回の繰り返しによっても放電ギャップの誤差が1μ程度に収まることがわかる。なお、同図には示していないが、8回目からは同一箇所を繰り返し加工したことによる加工進行がみられてきた。この事実から、加工精度維持のためには、放電測定は3秒×7回に相当する時間より十分に短い3秒間程度は適当といえるが、これより長くても20秒以下であれば支障はないと考えられる。なお、3秒間より短くてもよく、例えば放電の有無の誤検知の問題が生じない限りなるべく短く設定すれば効率はよいし、加工進行もさらに小さく抑えられる。
【0052】
また、粉末は混入しないよりも混入した方が放電ギャップの再現性が優れている。これは、粉末混入加工液の場合の方が放電ギャップが2倍ほど大きく、加工屑のはけがよいため放電ギャップが安定するからと考えられる。
【0053】
本実施の形態によれば、粉末最終仕上げ段階の条件による放電測定で電極2の現在位置を把握し、これに予め把握してある微少加工追い込み量を加算して最終加工の狙い深さ位置を設定し、粉末最終仕上げ段階の条件で最終まで加工するようにしたので、電極2の現在位置の把握時の放電ギャップAと最終仕上げ完了時の放電ギャップA’とを極めて小さい誤差の範囲で一致させることができる。従って、放電ギャップ自体の値が不明であっても、放電測定時の電極2の現在位置をよりどころとして相対的な位置関係から最終加工位置が判明するので、再度の測定確認の必要がなく、各種要因から生じる誤差を排除して精度の高い微少量放電加工が可能になる。また、人による間違いの発生も少なく、異形状の被加工面にも容易に対応可能である。よって、熟練や煩わしい作業を要することなく微少量の追い込み加工を効率的に精度よく行うことができる。
【0054】
また、メモリ部Mやコントローラ装置16を設け、放電測定による電極2の現在位置や最終加工の狙い深さ等の各種データを記憶、演算するようにしたので、微少量の追い込み加工を自動で精度よく行うことができる。
【0055】
なお、粉末最終仕上げ段階の条件(所定条件)及び1回当たりの放電測定の時間は、放電ギャップAのばらつきが被加工面の目標仕上げ精度に対して十分に小さい値となるような条件及び時間に設定すればよい。
【0056】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、微少加工追い込み量を事前に把握しておき、放電測定時の電極2の現在位置を手がかりとして最終加工位置を設定したが、本第2の実施の形態では、粉末最終仕上げ段階の条件での放電ギャップAを事前に把握しておき、これと放電測定時の電極2の現在位置とから、微少加工追い込み量を算出するようにした。従って、本実施の形態の構成は第1の実施の形態(図1)と同様であるが、粉末最終仕上げ段階の条件と同一の条件で放電した場合における放電ギャップAを事前に測定してメモリ部Mに記憶しておく点、放電測定後に微少加工追い込み量を算出する点が第1の実施の形態と異なる。
【0057】
図5は、本実施の形態における微少量放電加工の手順のフローチャートを示す図である。図6は、図5に対応して加工状況を示す模式図である。以下、図5及び図6を参照して説明する。
【0058】
本実施の形態では、図6(a)に示すように被加工物3に既加工面がない状態から加工する。加工液の条件は第1の実施の形態と同様である。
【0059】
まず、電極2を加工位置、すなわち被加工面3Aの上方に移動させる(図5のステップS501)。そして、加工狙い深さを仕上げ寸法より浅め(数μ〜10μ程度)に設定して、粗加工のときの条件、すなわち高出力の電流で加工する(ステップS502)(図6(b))。
【0060】
次いで、図2のステップS203と全く同様に、粉末最終仕上げ段階の放電電圧にて放電測定を行う(ステップS503)。そして、電極2の現在位置を検出し、検出した電極2の現在位置と予め把握して記憶している放電ギャップAとに基づいて、狙い値までの不足分、すなわち必要な微少加工追い込み量を算出する(ステップS504)(図6(c))。
【0061】
次いで、算出した微少加工追い込み量が所定量(例えば3μ)以上であるか否かを判別し(ステップS505)、その判別の結果、算出した微少加工追い込み量が所定量以内であればその時点で加工を終了する。一方、算出した微少加工追い込み量が所定量以上であれば、取り足らないので、算出した微少加工追い込み量、すなわち加工誤差分を電極2の現在位置に加算して新たな加工位置を算出する(ステップS506)(図6(d))。
【0062】
次いで、算出した新たな加工位置まで、前記ステップS503の放電測定で使用したのと全く同一の粉末最終仕上げ段階の条件で放電加工していき(ステップS507)(図6(e))、加工終了する(ステップS508)。
【0063】
本実施の形態によれば、所定条件での放電ギャップが判明していれば、これと放電測定時の電極2の現在位置とから、微少加工追い込み量を算出して微少量加工するので、電極2の消耗量による誤差をキャンセルすることができ、また多数回の放電測定による累積誤差という弊害もない。よって、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0064】
また、被加工物3が未加工であっても最終仕上げまでの加工位置を正確に求めて加工できるので、円滑な自動加工を可能にすることができる。
【0065】
また、放電測定の前加工は効率の高い条件で加工が可能であるので、加工代が多くても前加工での加工効率を悪化させることがない。
【0066】
なお、本実施の形態は、被加工物3の熱的変位が小さい場合に特に有用であり、加工時間が短いものに適している。
【0067】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、既加工面に対して微少量加工する場合の微少加工追い込み量を事前に把握しておき、放電測定時の電極2の現在位置を手がかりとして最終加工位置を設定したが、本第3の実施の形態では、未加工面に対して粗加工を経て微少量加工する場合に、被加工物の加工熱による変形や変位が消失してから微少加工追い込み量を実測し、これと放電測定時の電極2の現在位置とを手がかりとして最終加工位置を設定する。従って、構成としては第1の実施の形態(図1)と同様である。
【0068】
図7は、本実施の形態における微少量放電加工の手順のフローチャートを示す図である。図8は、図7に対応して加工状況を示す模式図である。以下、図7及び図8を参照して説明する。
【0069】
本実施の形態では、図8(a)に示すように被加工物3に既加工面がない状態から加工する。加工液の条件は第1の実施の形態と同様である。
【0070】
まず、電極2を加工位置、すなわち被加工面3Aの上方に移動させる(図7のステップS701)。そして、加工狙い深さを仕上げ寸法より浅め(数μ〜10μ程度)に設定して、粗加工のときの条件、すなわち高出力の電流で加工する(ステップS702)(図8(b))。
【0071】
次いで、被加工物3の熱変形、熱変位が消失するに十分な時間が経過した後(例えば翌日)に、オペレータが微少加工追い込み量を実測する(ステップS703)。その後、加工を再開する(ステップS704)。
【0072】
続くステップS705〜S709では、図2のステップS203〜S207と同様の手順で加工していく。すなわち、放電測定により粉末最終仕上げ段階の条件で電極2の現在位置を把握し、これに上記実測した微少加工追い込み量を加算して最終加工の狙い深さ位置を設定し、粉末最終仕上げ段階の条件で最終まで加工する(図8(c)、(d)、(e))。
【0073】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、被加工物3の熱変形等を排除して微少加工追い込み量を求めるようにしたので、より高精度な微少量の追い込み加工を行うことができる。
【0074】
本実施の形態は、放電ギャップが不明であってもよく、熱変形が大きい被加工物や加工時間が長い場合に特に有用である。
【0075】
なお、上記各実施の形態では、形彫り放電加工での実施を例示したが、これに限るものでなく、例えばワイヤーカット放電加工で既加工面から微少量の追い込み加工をする場合にも適用可能である。この場合は、既加工面をワイヤ線で最終段階の条件で放電し、その位置から追い込み加工量分を加えて加工するようにすればよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1、4によれば、熟練や煩わしい作業を要することなく微少量の追い込み加工を効率的に精度よく行うことができる。
【0077】
本発明の請求項2、5によれば、微少量の追い込み加工を自動で精度よく行うことができる。
【0078】
本発明の請求項3によれば、熱変形の影響を排除して微少量の追い込み加工をより高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る放電加工装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同形態における微少量放電加工の手順のフローチャートを示す図である。
【図3】図2に対応して加工状況を示す模式図である。
【図4】粉末放電加工による放電ギャップの再現性のテスト結果を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における微少量放電加工の手順のフローチャートを示す図である。
【図6】図5に対応して加工状況を示す模式図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における微少量放電加工の手順のフローチャートを示す図である。
【図8】図7に対応して加工状況を示す模式図である。
【図9】従来の加工の原点位置出しの手法を説明するための図である。
【図10】加工面積と放電ギャップとの関係を示す図である。
【図11】加工液に混入する粉末の濃度と放電ギャップとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 加工ヘッド
2 放電加工用電極
3 被加工物
3A 被加工面
4 加工テーブル
10 Z軸方向位置検出装置(現在位置取得手段)
11 自動制御装置(加工制御手段)
12 コンピュータ数値制御装置(NC装置)(現在位置記憶部(手段)、間隙値記憶部(手段)、追い込み量記憶手段、現在位置記憶手段)
13 電源制御装置
14 放電回路
16 コントローラ装置(追い込み量取得手段)

Claims (5)

  1. 電極と被加工物との加工間隙に加工液を供給すると共に前記電極で放電して前記被加工物を放電加工する放電加工方法において、
    前記被加工物の被加工面に対して与えるべき加工追い込み量を実測する実測工程と、
    記電極を前記被加工物の被加工面に向かって加工方向に近づけていき、前記電極が放電し始めてから3秒以上20秒以下経過したときにおける前記電極の位置を現在位置として取得する取得工程と、
    前記取得工程により取得された前記電極の現在位置に前記実測工程により実測された加工追い込み量を加算した値を、前記電極が到達すべき最終位置として設定し、該設定した最終位置まで放電加工を行う加工工程とを有し、
    前記取得工程と前記加工工程とでは、同じ電気的条件で且つ同じ電極で放電を行なうことを特徴とする被加工物の放電加工方法。
  2. 前記実測工程により実測された加工追い込み量を追い込み量記憶部に記憶しておく第1記憶工程と、前記取得工程により取得された前記電極の現在位置を現在位置記憶部により記憶しておく第2記憶工程とをさらに有し、前記加工工程は、前記第2記憶工程において記憶された前記電極の現在位置前記第1記憶工程において記憶された加工追い込み量を加算した値を前記電極が到達すべき最終位置として設定し、該設定された最終位置まで放電加工することにより、自動で放電加工を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載の放電加工方法。
  3. 前記実測工程は、前記加工追い込み量、事前に行った前加工後であって前記被加工物の熱変形の影響が消失するに十分な時間が経過した後実測ることを特徴とする請求項1記載の放電加工方法。
  4. 電極と被加工物との加工間隙に加工液を供給すると共に前記電極で放電して前記被加工物を放電加工する放電加工装置において、
    前記被加工物の被加工面に対して与えるべき加工追い込み量を実測する実測手段と、
    記電極を前記被加工物の被加工面に向かって加工方向に近づけていき、前記電極が放電し始めてから3秒以上20秒以下経過したときにおける前記電極の位置を現在位置として取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記電極の現在位置に前記実測手段により実測された加工追い込み量を加算した値を、前記電極が到達すべき最終位置として設定し、該設定した最終位置まで放電加工を行う加工手段とを有し、
    前記取得手段と前記加工手段とは、同じ電気的条件で且つ同じ電極で放電を行なうことを特徴とする放電加工装置。
  5. 前記実測手段により実測された加工追い込み量を記憶する第1記憶手段と、前記取得手段により取得された前記電極の現在位置を記憶する第2記憶手段とをさらに備え、前記加工手段は、前記第2記憶手段により記憶された前記電極の現在位置前記第1記憶手段により記憶された加工追い込み量を加算した値を前記電極が到達すべき最終位置として設定し、該設定された最終位置まで放電加工することにより、自動で放電加工を行うようにしたことを特徴とする請求項記載の放電加工装置。
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