JP4462828B2 - チタン含有酸化物超微粒子の製造方法、及びチタン含有酸化物微粒子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン含有酸化物超微粒子の製造方法、チタン含有酸化物超微粒子に関するものである。さらに詳しくは、例えば酸化チタン、チタン酸バリウム等のチタン含有酸化物微粒子であって、結晶性に優れ、簡便に製造できるチタン含有酸化物超微粒子の製造方法、及びチタン含有酸化物超微粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の小型化及び軽量化にともない、電子部品に用いられるセラミック原料粉末についても微粒子化が進められている。特に、電子セラミック原料粉末の中でもチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン等のチタン含有酸化物は、誘電体としての性質が優れていることから、セラミック電子部品の材料として汎用されている。中でも、チタン酸バリウム粉末は、強誘電体特性だけではなく、圧電性、及び半導体特性といった様々な特性を有するため、積層セラミックコンデンサ、PTCサーミスタ等、様々な電子部品において幅広く用いられている。
【0003】
このようなチタン含有酸化物超微粒子の製造方法としては、液相反応法、固相反応法が良く知られ、実用化されている。しかしながら、これらの製造方法では結晶性の優れたチタン酸バリウム超微粒子を得ることは困難であった。一方、特に高い結晶性を有するセラミック超微粒子の合成手法としては以下のようなプラズマ合成法が知られている。例えばチタン酸バリウム粉末の場合、特開平5−9025号公報において、1種類以上の金属元素を有するアルコキシドと、1種類以上の金属元素を有するアルコキシドを除く金属化合物と、の混合物及び/または反応物を、熱プラズマ中に投入することによって結晶性の優れたチタン酸バリウム粉末を作製している。ここでは、上記混合物及び/または反応物をスラリー状もしくはゲル状態にして、この状態を保持したまま熱プラズマ炎中に供給している。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−9025号公報(特許請求の範囲、段落番号[0027]〜[0033])
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5−9025号公報のように、スラリーのような液相状態、もしくはゲル状態にして熱プラズマに供給した場合、出発原料となる混合物及び/または反応物が構造変化するほど熱分解されないため、結晶性は向上するが、チタン酸バリウム粉末の前駆体以上に微粒子化することができないという問題が生じる。このため、この製造方法においては、例えば平均粒径D50が20nm程度の超微粒子は実現できていなかった。
【0006】
また、一般的に、チタン酸バリウム粉末などのように、チタン、バリウム、及び酸素の3元素以上を含むチタン含有酸化物は、結晶構造が複雑化するため、プラズマ合成法のような短時間プロセスにおいては、組成を制御したチタン酸バリウムを合成し、微粒子化することが困難であった。
【0007】
本発明の目的は、上述の問題点を解決するべくなされたもので、セラミック電子部品において幅広く用いられるチタン含有酸化物であって、平均粒径D50が20nm以下であり、結晶性の優れた超微粒子を簡便に作製する、チタン含有酸化物超微粒子の製造方法、及びチタン含有酸化物超微粒子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願第1のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法は、チタン含有酸化物超微粒子の製造方法であって、前記出発原料を、前記プラズマに投入する前までに気相状態とし、酸素を含むプラズマ中に、気相状態の出発原料として少なくともチタン原料を供給し、供給された出発原料を前記プラズマ炎中にて分解後、プラズマ中に存在する酸素と反応させることを特徴とする。チタン原料を含む出発原料を、プラズマ投入直前において気相状態で供給することによって、出発原料の構成元素同士の化学結合数が少なくなる。このため、固相状態もしくは液相状態の原料をプラズマに直接投入した時に比べて、原子もしくはイオンにまで分解する際に要するエネルギーが減少し、プラズマ中で各原料が容易に原子レベルにまで分解されやすい。その結果、より少ないエネルギーで、容易にチタン含有酸化物超微粒子を得ることが可能となる。また、各出発原料が原子もしくはイオンに分解されやすいため、非常に小さい粒径のチタン含有酸化物超微粒子が得られる。また、消費エネルギーの観点からも好ましい。
【0009】
本願第2のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法は、出発原料として少なくともチタン原料を用意する工程と、酸素を含むプラズマ中に、前記出発原料を供給する工程と、供給された出発原料を前記プラズマにおいて熱分解し、プラズマ中に存在する酸素と反応させて核生成物を得る工程と、前記核生成物を凝縮し、冷却する工程と、を備えることを特徴とすることが好ましい。
【0010】
また、本願第3の発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法は、出発原料として少なくともチタン原料を用意する工程と、酸素を含むプラズマ中に、前記出発原料を供給する工程と、供給された出発原料を前記プラズマにおいて、前記出発原料の少なくとも一部を原子またはイオンに熱分解し、プラズマ中に存在する酸素と反応させて核生成物を得る工程と、前記核生成物を凝縮し、冷却する工程と、を備えることを特徴とすることが好ましい。
【0011】
このような製造方法を用いることによって、結晶性の優れた平均粒径D50が20nm以下のチタン含有酸化物超微粒子が容易に得られる。すなわち、チタン原料を含む出発原料をプラズマ内に供給し、高温のプラズマで熱分解することによって、チタン原料を含む出発原料は原子、もしくはイオンにまで分解される。このように原子もしくはイオンにまで分解された状態から、プラズマ内に存在する酸素と反応し、核生成される。そしてこのようにして得られた核生成物を凝縮、冷却されるため、非常に微粒なチタン含有酸化物超微粒子が得られることになる。本発明において出発原料が原子及びイオンに分解されている状態とは、プラズマの熱による投入原料の分解により、分解物の少なくとも一部が原子、イオンの状態になることを示す。
【0013】
また、本願発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法は、出発原料として、揮発性原料を用いることが好ましい。このように、出発原料として、揮発性を有する原料を用いることによって、より簡便に気相状態の出発原料を得られる。その結果、より簡便にチタン含有酸化物超微粒子を得ることが可能となる。
【0014】
また、本願発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法は、出発原料として少なくともチタン原料及びバリウム原料を用意する工程と、酸素を含むプラズマ中に、前記出発原料を供給する工程と、供給された出発原料を前記プラズマにおいて、前記出発原料を熱分解し、プラズマ中に存在する酸素と反応させて核生成物を得る工程と、前記核生成物を凝縮し、冷却する工程と、を備えることが好ましい。
【0015】
また、本願発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法は、出発原料として少なくともチタン原料及びバリウム原料を用意する工程と、前記出発原料を気相状態にする工程と、酸素を含むプラズマ中に、前記気相状態の出発原料を供給する工程と、供給された出発原料を前記プラズマにおいて、前記出発原料の少なくとも一部を原子またはイオンに熱分解し、プラズマ中に存在する酸素と反応させて核生成物を得る工程と、前記核生成物を凝縮し、冷却する工程と、を備えることが好ましい。
【0016】
例えば、チタン酸バリウム等のチタン含有酸化物超微粒子のように3元素以上を含む場合であっても、本願発明の製造方法を用いることによって、組成の制御が容易にでき、簡便に超微粒子を得ることができる。特に、チタン含有複合酸化超微粒子の中でも、チタン酸バリウム超微粒子の場合、本願発明の製造方法を用いることによって、ペロブスカイト構造の単相が得られるため、好ましい。
【0017】
また、本願発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法は、前記プラズマが高周波誘導結合型プラズマであることが好ましい。このようなプラズマを用いた場合、無電極放電であるため、電極からの不純物の混入を防ぐことができる。また、様々な種類の原料を同時に供給することができるため、チタン含有酸化物の中でも多成分系であるチタン酸バリウム超微粒子の作製に向いている。なお、その他にもアーク放電及びプラズマジェット等のプラズマを用いても合成可能である。
【0018】
また、本願発明のチタン含有酸化物超微粒子は、本願発明の製造方法によって作製されることを特徴とする。さらに、本願発明のチタン含有酸化物超微粒子は、平均粒径D50が20nm以下のチタン含有酸化物超微粒子であることが好ましい。
【0019】
このようにチタン含有酸化物超微粒子、より好ましくは平均粒径D50が20nm以下のチタン含有酸化物超微粒子において、本願発明の製造方法が好適に用いられる。また、このようなチタン含有酸化物超微粒子を用いることによって、電子部品の小型化及び軽量化を可能にする。
【0020】
【実施の形態】
以下に、本願発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法、及びこれによって得られるチタン含有酸化物超微粒子について、具体的に説明する。ここにおいて、本願発明でいうチタン含有酸化物超微粒子とは、チタン元素を含む酸化物を示し、酸化チタンおよびチタン含有複合酸化物を意味する。ここで、チタン含有複合酸化物とは、チタン元素とアルカリ土類金属等との化合物であり、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等が含まれる。また、本発明における超微粒子とは粒径がD50で10〜20nm程度の粒子を示している。
【0021】
まず、本願発明において好ましい出発原料の種類、及び様態等について説明する。本願発明の出発原料には少なくともチタン原料が含まれる。すなわち、出発原料として少なくともチタン元素を含んでいればよい。
【0022】
ここにおいて、チタン原料とは、チタン単体もしくはチタン元素を含むチタン化合物であればよく、例えば、チタンテトライソプロポキシド等をはじめとするチタンアルコキシド、チタンジイソプロポキシジピバロイルメタネート、三塩化チタン、四塩化チタン等の液相原料や、酸化チタンのような固相原料を用いることができる。
【0023】
例えばチタン含有酸化物超微粒子のように、チタン以外の元素を含む場合、すなわち3元素以上の元素から構成されるチタン含有酸化物超微粒子は、チタン以外にチタン含有酸化物を構成する元素を含む原料を別に用意する必要がある。例えば、チタン酸バリウム超微粒子を得る場合は、バリウム原料とチタン原料とを用意する必要がある。また、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛等のチタン含有酸化物超微粒子を得る場合には、バリウム原料に代えて、ストロンチウム原料、鉛原料等を用意すればよい。また、チタン酸ストロンチウムバリウムのような4元素から構成されるチタン含有酸化物超微粒子を合成する場合、チタン原料のほかに、ストロンチウム原料、バリウム原料が同時に必要になる。
【0024】
ここで、3元素以上で構成されるチタン含有酸化物超微粒子を合成する場合、チタン元素及び酸素元素以外の元素を構成する原料は、上述のチタン原料とは分離した形で用意してもよいし、チタン原料と混合した形で用意してもよい。例えば、チタン酸バリウム超微粒子の場合において固相原料を用いるならば、チタン原料として酸化チタンを用い、バリウム原料として固相原料の炭酸バリウムを用いることができる。あるいは、チタン酸バリウム粉末を原料としても良い。また、チタン原料として液相原料であるチタンイソプロポキシドや四塩化チタンを用いた場合、バリウム原料として、バリウムジピバロイルメタネートやビスヘキサフルオロアセチルアセトンバリウム錯体等の揮発性固相原料を別に用意し、各々を加熱蒸発させて用いても良い。あるいは、アセチルアセトンチタン錯体とアセチルアセトンバリウム錯体とを混合溶液の形態とし、この混合溶液を供給しても良い。
【0025】
なお、チタン酸バリウム超微粒子を生成する際に用いられるバリウム原料として、揮発性バリウム原料を用いることが好ましい。また、揮発性バリウム原料としては、βジケトン基を含まれているものが好ましい。例えばバリウムジピバロイルメタネートやビスヘキサフルオロアセチルアセトンバリウム錯体、フェナントロリン修飾バリウムジピバロイルメタネート等が挙げられるがこの限りではない。βジケトン基を有する方が、高い蒸気圧が得られやすく、粉末の生成速度が増加するという利点がある。
【0026】
以上のように、本発明を実施するにあたり、出発原料としては、様々な様態の原料が活用できることが分かるが、本発明で合成される平均粒径D50が10〜20nmレベルの超微粒子を得るためには、出発原料がプラズマに入る前までに気相状態となっていることが好ましい。出発原料がプラズマの前までに気相状態になっていることにより、プラズマ中の出発原料は、化学結合が容易に分断され、原子及びイオンの状態にまで容易に熱分解されやすい。
【0027】
出発原料をプラズマに入る前までに気相状態にする手段としては、例えば、揮発性を有する出発原料を用いることが最も好ましい。具体的に説明すると、例えば、チタン酸バリウム超微粒子を得る場合、揮発性バリウム原料、及び揮発性チタン原料を用いることが好ましい。これらの揮発性原料を、各々加熱蒸発させれば、プラズマに入る前までに容易に気相状態にすることができる。また、別の方法としては、例えば、揮発性バリウム原料及び揮発性チタン原料を酢酸ブチル及びテトラヒドロフラン等の有機溶剤に溶かして溶液とし、この溶液を超音波噴霧のような方法で液滴として気化室に搬送し、有機溶剤を蒸発させることによって、気相状態の原料を得ることもできる(リキッドデリバリー法)。さらに別の方法として、バリウム元素及びチタン元素を含む溶液、もしくはチタン酸バリウム固体に、レーザーを照射することによって気化する方法も用いることができる。
【0028】
以下、本発明におけるチタン含有酸化物超微粒子の製造方法の一実施形態について、本発明のチタン含有酸化物超微粒子製造装置1を用いてより具体的に説明する。図1は本願発明のチタン含有酸化物超微粒子製造装置1の一実施形態の模式図である。
【0029】
まず、本発明に好適に用いられるチタン含有酸化物超微粒子の製造装置1は、大きく分けて原料供給部と超微粒子合成部とからなる。1つ目の構成部である原料供給部は、第1の出発原料容器2a、第2の出発原料容器2b、及び各出発原料を供給する原料供給路4とを備える。この第1及び第2の出発原料容器2a及び2bには、出発原料が液相あるいは固相の状態で収容されている。ここでは、2種類の出発原料を用いる場合を想定して出発原料容器を2種類用意しているが、目標とするチタン含有酸化物超微粒子の構成元素数によっては出発原料容器を1種類、もしくは3種類以上設けてもよい。
【0030】
前記原料供給部には気化装置を設けることが好ましい。プラズマに出発原料を投入する前に、出発原料が気相状態になっているように気化装置を設ければよく、例えば出発原料容器及び原料供給路を加熱してもよい。また、原料供給路中に気化室を設け、出発原料容器から超音波噴霧された原料を気化室に搬送した後、気化室で蒸発気化してもよいが、これらに限られるものではない。ここでは、第1の出発原料容器2a、第2の出発原料容器2b、及び原料供給路4のそれぞれの外壁に沿って加熱用ヒーター5が設けられている。この加熱用ヒーター5にて加熱温度を調節することによって、出発原料を原料供給路4中で析出させることなく、安定して気化することが可能となる。
【0031】
また、出発原料の供給方向に対して、第1の出発原料容器2a及び第2の出発原料容器2bの上流側にマスフローコントローラー6を設けてもよい。このマスフローコントローラー6は、キャリアガスとして供給されるアルゴンガスの流量を調節するために用いられる。これにより、出発原料の供給量を調整することができる。
【0032】
また、出発原料の供給方向に対して、第1の出発原料容器2a、及び第2の出発原料容器2bの上流側にブルドン管式圧力計3が設けられており、下流側にニードルバルブ7が設けてもよい。このニードルバルブ7及びブルドン管式圧力計3を用いて、出発原料の蒸発量を制御することができる。
【0033】
2つ目の構成部である超微粒子合成部は、プラズマ発生用石英管8と粉末回収用ステンレスチャンバー9とにより構成される。このプラズマ発生用石英管8の上端部には原料供給口が設けられており、これが原料供給路4と接続されている。また、プラズマ発生用石英管8にはワークガスライン10及びシースガスライン11が接続されており、アルゴンガス、もしくは酸素ガスを供給している。
【0034】
ここではプラズマ中に酸素を含む手段として、ワークガスライン10を用いて酸素を酸素ガスの状態でアルゴンガスと共に供給している。プラズマ中に酸素を含む手段として酸素ガスを供給する場合、プラズマ中の酸素分圧を任意に変化させることができるため、形成されるチタン含有酸化物超微粒子中の酸素濃度、あるいは酸素欠陥といった因子を自由に制御できるため、好ましい。これ以外には、例えば出発原料に酸化物を用いることによって、プラズマ中に酸素を供給することも可能である。
【0035】
また、プラズマ発生用石英管8の外周に水冷銅コイル19が配置されており、この部分がプラズマ発生部12となる。この水冷銅コイル19は高周波発振機18に連結されており、高周波電流を印加することで高周波プラズマの発生が可能である。ここでは高周波プラズマを用いているが、その他にもアーク放電やプラズマジェットのような別の種類の熱プラズマを用いてもよい。熱プラズマを用いた場合、プラズマ温度は約1万℃であり、投入された原料は高温熱履歴を経るため、非常に結晶性の良い超微粒子を得ることができる。そして、高周波プラズマの場合、無電極放電であるため、アーク放電やプラズマジェットの場合に見られるような電極成分の混入がなく、極めて高純度な超微粒子が得られるため、好ましい。
【0036】
一方、粉末回収用ステンレスチャンバー9内には、粉末回収部13と排気ライン14とが設けられている。粉末回収部13は温度制御されることが好ましい。このようにすることで、反応後のチタン含有酸化物超微粒子の運動エネルギーを制御させることができ、超微粒子の粉末の回収効率が上昇する。また、排気ライン14は粉末回収用ステンレスチャンバー9内の圧力を調整するための、自動圧力調整バルブ15、粗引きバルブ16、及びロータリーポンプ17が設けられている。これは、粉末回収用ステンレスチャンバー9内の圧力が調整できれば、どのようなシステムを用いてもよい。
【0037】
以下に、上記の構成を有するチタン含有酸化物超微粒子製造装置1を用いて、チタン酸バリウム超微粒子を得る製造方法について説明する。
1.出発原料を用意する工程
まず、出発原料として、揮発性バリウム原料、及び揮発性チタン原料を用意する。その一例として、揮発性バリウム原料としてバリウムジピバロイルメタネート、揮発性チタン原料としてチタンテトライソプロポキシドを用いる場合を述べる。第1の出発原料容器2aにバリウムジピバロイルメタネートを収容し、第2の出発原料容器2bにチタンテトライソプロポキシドを収容する。
【0038】
2.プラズマに出発原料を供給する工程
次に、加熱ヒータ5で、第1及び第2の出発原料容器2、及び原料供給路4を加熱する。また、加熱する際に、ニードルバルブ7及びブルドン管式圧力計3によって、バリウム原料及びチタン原料の蒸発量の変動を調整する。その後、加熱して気相状態となったバリウム原料及びチタン原料をそれぞれの原料供給路4に送りだし、プラズマ発生部12に供給する。
【0039】
3.出発原料をプラズマで分解し、プラズマ中に存在する酸素と反応させる工程
次に、粉末回収用ステンレスチャンバー9内の圧力を、ロータリーポンプ17を駆動して、自動圧力調整バルブ15及び粗引きバルブ16を用いて調整しておく。そして、アルゴンガス及び酸素ガスをワークガスライン10及びシースガスライン11を通してプラズマ発生部12に供給する。これは、マスフローコントローラー6を用いてプラズマ発生部12に供給されるアルゴンガス及び酸素ガスの濃度を調整しながら行う。そして、プラズマ発生部12において濃度調整したアルゴンガス及び酸素ガスを供給した状態で、高周波発振機18に高周波電流を印加する。これにより、四巻水冷銅コイル19を介して磁界が生じ、プラズマ発生部12に誘導電磁場が発生し、アルゴンガス及び酸素ガスがイオン化され、アルゴン酸素混合ガス高周波プラズマが発生することになる。
【0040】
ここにおける高周波発振機18の出力は、プラズマ発生部12の形状及び体積によって異なるが、4kW以上が好ましい。4kWよりも小さい場合、出力が低すぎるため、バリウム原料およびチタン原料をプラズマ発生部12に供給した際に、プラズマが消滅するため好ましくない。
【0041】
上記のようにして発生したアルゴン酸素混合ガス高周波プラズマ中に、バリウム原料及びチタン原料の混合蒸気を噴出する。これにより、バリウム原料及びチタン原料がプラズマ内において、バリウム原子及びチタン原子にまで分解される。そして、粉末回収用ステンレスチャンバー9内に供給されている酸素ガスと反応し核生成物が得られる。
【0042】
この時のバリウム原料及びチタン原料の供給量は、原料加熱温度及びキャリアガスの流量によって制御されるが、特に原料加熱温度は原料の飽和蒸気圧を制御できるため、モル比を制御し得る最適な因子である。したがって、飽和蒸気圧を用いて、チタン酸バリウムが得られる条件について述べる。
【0043】
バリウム原料としてバリウムジピバロイルメタネート、チタン原料としてチタンテトライソプロポキシドを用いた場合、絶対温度(K)と、バリウム原料の飽和蒸気圧P(Ba)と、チタン原料の飽和蒸気圧P(Ti)との関係式は以下のようになる。
【0044】
【式1】
【0045】
【式2】
【0046】
上記の計算式を用いることによって、各出発原料の飽和蒸気圧が得られる。この飽和蒸気圧を用いて、本発明が目的とするチタン酸バリウム超微粒子が得られる条件を測定したところ、飽和蒸気圧比(=P(Ba)/P(Ti))が0.79以上1.14以下となるように、各々の原料加熱温度を調整することが好ましいことがわかった。このような蒸気圧比となるように各出発原料を添加することによって、確実にペロブスカイト構造単相のチタン酸バリウム超微粒子が得られる。また、P(Ba)/P(Ti)が0.52以下の場合、アモルファス相が生じるため好ましくない。また、P(Ba)/P(Ti)が1.71以上の場合、チタン酸バリウム超微粒子ではなく、炭酸バリウム超微粒子が得られることになり好ましくない。
【0047】
4.得られた原料ガスを凝縮及び冷却する工程
最後に、得られた核生成物は、凝縮及び冷却され、粉末回収部13に付着させる。ここで、プラズマ発生部12の高周波プラズマの温度は約1万℃であり、粉末回収部13の温度が室温〜200℃程度であるため、粉末回収用ステンレスチャンバー9内には自然に温度勾配が生じている。この温度勾配を利用して、核生成したチタン酸バリウムを凝縮および冷却することができる。ここでは粉末回収用ステンレスチャンバー9内に生じる自然な温度勾配を元に凝縮及び冷却工程を経ているが、冷却速度を制御するガス等を用いてもよい。このような装置を付随した場合、粉末回収用ステンレスチャンバー9自体をより小型化することができる。
【0048】
上記チタン含有酸化物超微粒子製造装置1では、出発原料を気相状態である場合について説明したが、原料供給部を変更することによって、プラズマに投入される直前において固相状態、もしくは液相状態の出発原料を用いることも可能である。この場合、少なくとも出発原料がプラズマ中において原子、もしくはイオン状態にまで分解しなければならないため、より高出力のプラズマを発生させる必要がある。
【0049】
(実施例1)
以下に、チタン含有酸化物超微粒子、その中でもチタン酸バリウム超微粒子の製造方法についてより具体的な実施例を示す。
まず、出発原料のうち、バリウム原料としてバリウムβジケトン化合物の一種であるバリウムジピバロイルメタネートと、チタン原料としてチタンテトライソプロポキシドとを用意した。そして、バリウム原料を第1の原料容器2aに収容し、チタン原料を第2の原料容器2bに収容した。次に、第1の原料容器2aを250℃で加熱し、第2の原料容器2bを40℃で加熱して、それぞれの出発原料を気化した。第1の原料容器に接続されている出発原料供給路4を250℃に加熱して、原料の析出を防いだ。そして、バリウム原料を供給するアルゴンキャリアガスを1000SCCM、チタン原料を供給するアルゴンキャリアガスを100SCCM供給し、各々の出発原料をプラズマ発生用石英管8へ供給した。
【0050】
次に、ワークガスライン10によりアルゴンガス200SCCM、及び酸素ガス1000SCCM供給し、シースガスライン11によりアルゴンガス6000SCCM供給した。そして、高周波発振機18を用いて6kWの高周波電流を印加し、プラズマ発生用石英管8内においてアルゴン酸素混合ガス高周波プラズマを発生させた。このようなアルゴン酸素混合ガス高周波プラズマ内に、飽和蒸気圧比が1.14となるように、気相状態のバリウム原料及びチタン原料を投入し、アルゴン酸素混合ガス高周波プラズマによって熱分解した。そして、粉末回収部13に付着して得られた超微粒子粉末を回収した。このようにして得られた超微粒子を実施例1とした。
【0051】
このようにして得られた超微粒子の相同定を行うために、X線回折測定を行った。これを図2に示す。この図2から分かるように、ペロブスカイト型チタン酸バリウムのピークが存在していることがわかり、得られたチタン酸バリウム超微粒子が単相ペロブスカイト構造であることが確認された。
【0052】
また、組成観察、粒径測定、及び2次粒子レベルでの相同定を行うために、透過型電子顕微鏡による観察、及び制限視野電子回析測定を行った。この結果を図3、及び図4に示した。図3により、得られた超微粒子内に構造欠陥がなく、結晶性の高いチタン酸バリウム超微粒子が得られていることがわかった。また、図3に示すようなTEM写真により、微粒子100個について粒径測定を行ったところ、平均粒径D50が15nm以下であることがわかった。また、図4では、ペロブスカイト型チタン酸バリウムのリングが存在していることから、2次粒子レベルにおいても、ペロブスカイト型の単相チタン酸バリウムであることが確認された。得られた微粒子中に含まれるバリウム元素とチタン元素との存在比を測定するために、透過型電子顕微鏡の付属するエネルギー分散型X線分光装置を用いて元素分析を行ったところ、バリウム元素とチタン元素との存在比(=Ba/Ti)が0.94であり、ほぼ化学量論組成に近いチタン酸バリウム超微粒子が得られていることがわかった。
【0053】
(実施例2)
また、出発原料のうち、チタン原料が収容されている第2の原料容器2bおよび第2の原料容器に接続されている出発原料供給路4を45℃で加熱し、気相状態のバリウム原料及びチタン原料について飽和蒸気圧比が0.76となるようにして、アルゴン酸素混合ガス高周波プラズマに投入した以外は、実施例1と同様の製造方法を用いて得られた超微粒子を実施例2とした。
【0054】
このようにして得られた超微粒子について、実施例1と同様に、X線回折測定を行った結果、得られた超微粒子はペロブスカイト型チタン酸バリウムであることがわかった。また、得られた超微粒子について、制限視野電子回析パターン及びエネルギー分散型X線分光にて観察した結果、得られた超微粒子はペロブスカイト型チタン酸バリウムのリングが存在しており、チタン酸バリウム超微粒子であることがわかった。また、エネルギー分散型X線分光においても、超微粒子中のバリウム元素とチタン元素との存在比(Ba/Ti)が0.94であり、ほぼ化学両論組成に近いチタン酸バリウム超微粒子が得られていることがわかった。さらに、得られた超微粒子について、透過型電子顕微鏡を用いて目視観察したところ、平均粒径D50が15nm以下であり、結晶性の高いチタン酸バリウム超微粒子が得られていることがわかった。
【0055】
(実施例3)
また、プラズマ発生用石英管8内のアルゴン酸素混合ガス高周波プラズマの出力を4kWとした以外は、実施例1と同様の製造方法を用いて得られた超微粒子を実施例3とした。
【0056】
このようにして得られた超微粒子について、実施例1と同様に、X線回折測定を行った結果、得られた超微粒子はペロブスカイト型チタン酸バリウムであることがわかった。制限視野電子回析パターン及びエネルギー分散型X線分光にて観察した結果、得られた超微粒子はペロブスカイト型チタン酸バリウムのリングが存在しており、チタン酸バリウム超微粒子であることがわかった。また、エネルギー分散型X線分光においても、超微粒子中のバリウム元素とチタン元素との存在比(Ba/Ti)が0.94であり、ほぼ化学両論組成に近いチタン酸バリウム超微粒子が得られていることがわかった。さらに、得られた超微粒子について、透過型電子顕微鏡を用いて目視観察したところ、平均粒径D50が15nm以下であり、結晶性の高いチタン酸バリウム超微粒子が得られていることがわかった。
【0057】
(比較例1)
また、出発原料のうち、チタン原料が収容されている第2の原料容器4bおよび第2の原料容器4bに接続されている出発原料供給路を35℃で加熱し、気相状態のバリウム原料及びチタン原料について飽和蒸気圧比が1.71となるようにして、アルゴン酸素混合ガス高周波プラズマに投入した以外は、実施例1と同様の製造方法を用いて得られた超微粒子を比較例1とした。このようにして得られた超微粒子について、X線回折測定を行ったところ、チタン酸バリウム超微粒子だけではなく、炭酸バリウムの超微粒子が得られていることがわかった。
【0058】
(比較例2)
また、出発原料のうち、チタン原料が収容されている第2の原料容器4bおよび第2の原料容器4bに接続されている出発原料供給路4を50℃で加熱し、気相状態のバリウム原料及びチタン原料について飽和蒸気圧比が0.52となるようにして、アルゴン酸素混合ガス高周波プラズマに投入した以外は、実施例1と同様の製造方法を用いて得られた超微粒子を比較例2とした。このようにして得られた超微粒子について、X線回折測定を行ったところ、アモルファス相の超微粒子が得られていることがわかった。
【0059】
(実施例4)
以下に、チタン含有酸化物超微粒子、その中でも酸化チタン超微粒子の製造方法についてより具体的な実施例を示す。
まず、出発原料のうち、チタン原料としてチタンテトライソプロポキシドとを用意し、チタン原料を第1の原料容器2aに収容した。次に、第1の原料容器2aを35℃で加熱し、チタン原料を気化した。そして、チタン原料を供給するアルゴンキャリアガスを100SCCM供給し、チタン原料をプラズマ発生用石英管8へ供給した。次に、ワークガスライン10によりアルゴンガス200SCCM、及び酸素ガス1000SCCM供給し、シースガスライン11によりアルゴンガス6000SCCM供給した。そして、高周波発振機18を用いて6kWの高周波電流を印加し、プラズマ発生用石英管8内においてアルゴン酸素混合ガス高周波プラズマを発生させた。
【0060】
このようにして得られた超微粒子の同定を行うために、X線回折測定を行った。このの結果は図5に示す。図5からわかるように、ルチル型、及びアナターゼ型の酸化チタン相が存在していることがわかり、得られた超微粒子が酸化チタンであることが確認された。また、組成観察、粒径測定を行うために、透過型電子顕微鏡による観察を行った。その結果を図6に示す。図6により、得られた超微粒子内に構造欠陥がなく、結晶性の高い酸化チタン超微粒子が得られていることがわかった。また、図6に示すようなTEM写真により、超微粒子100個について粒径測定を行ったところ、平均粒径D50が15nm以下であることがわかった。
【0061】
【発明の効果】
以上の述べたように、本願第1〜第3の発明のようなチタン含有酸化物超微粒子の製造方法を用いることによって、出発原料を原子もしくはイオンにまで容易に分解できるために、結晶性の優れた平均粒径D50が20nm以下のチタン含有酸化物超超微粒子が容易に得られる。
【0062】
また、本願第4の発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法を用いることによって、出発原料の構成元素の原子同士の化学結合数が少なくなるため、より少ないエネルギーで、より小さい粒径のチタン含有酸化物超微粒子を得ることが可能となる。また、本願第5の発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法のように、予め出発原料として揮発性を有する原料を用いることによって、より簡便に気相状態の出発原料を得られる。その結果、容易にチタン含有酸化物超微粒子を得ることが可能となる。
【0063】
また、本願第6及び第7の発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法を用いることによって、チタン元素とバリウム元素とを含む3元素以上の構成元素からなるチタン含有酸化物超微粒子であっても容易に生成することができる。特にチタン酸バリウム超微粒子であれば、ペロブスカイト構造単相のチタン酸バリウム超微粒子が得られる。
【0064】
また、本願第8の発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法を用いることによって、無電極放電であるため、電極からの不純物の混入を防ぐことができる。また、様々な種類の原料を同時に供給することができるため、チタン含有酸化物の中でも多成分系であるチタン酸バリウム超微粒子の作製に向いている。
また、本願第9及び第10の発明のチタン含有酸化物超微粒子は、本願第1〜第8の発明のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法によって、容易に得られる。また、このようなチタン含有酸化物超微粒子を用いることによって、よりチップ型電子部品の小型化及び軽量化を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のチタン含有酸化物超微粒子製造装置1の一実施の形態の模式図である。
【図2】 本発明の一実施形態であるチタン酸バリウム超微粒子のX線回折回析パターンである。
【図3】 本発明の一実施形態であるチタン酸バリウム超微粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
【図4】 本発明の一実施形態であるチタン酸バリウム超微粒子の制限視野電子回析パターンである。
【図5】 本発明の一実施形態である酸化チタン超微粒子のX線回折パターンである。
【図6】 本発明の一実施形態である酸化チタン超微粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 チタン含有酸化物超微粒子製造装置
2a 第1の出発原料容器
2b 第2の出発原料容器
4 原料供給路
5 加熱ヒーター
8 プラズマ発生用石英管
9 粉末回収用ステンレスチャンバー
10 ワークガスライン
11 シースガスライン
12 プラズマ発生部
13 粉末回収部
14 排気ライン
18 高周波発振機
19 水冷銅コイル
Claims (8)
- チタン含有酸化物超微粒子の製造方法であって、前記出発原料を、前記プラズマに投入する前までに気相状態とし、酸素を含むプラズマ中に、気相状態の出発原料として少なくともチタン原料を供給し、供給された出発原料を前記プラズマ炎中にて分解後、プラズマ中に存在する酸素と反応させることを特徴とするチタン含有酸化物超微粒子の製造方法。
- 供給された出発原料を前記プラズマにおいて熱分解し、プラズマ中に存在する酸素と反応させて核生成物を得、
前記核生成物を凝縮し、冷却する工程をさらに備える請求項1に記載のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法。 - 供給された出発原料を前記プラズマにおいて、前記出発原料の少なくとも一部を原子またはイオンに熱分解し、プラズマ中に存在する酸素と反応させて核生成物を得、
前記核生成物を凝縮し、冷却する工程をさらに備える請求項1または請求項2のいずれかに記載のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法。 - 前記出発原料を得るためのチタン原料として、揮発性チタン原料を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法。
- 気相状態の前記出発原料として少なくともチタン原料及びバリウム原料を用意する請求項1〜4のいずれかに記載のチタン含有酸化物の製造方法。
- 前記プラズマが高周波誘導結合型プラズマであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のチタン含有酸化物超微粒子の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかの製造方法によって作製されることを特徴とするチタン含有酸化物超微粒子。
- 前記チタン含有酸化物超微粒子の平均粒径D50が20nm以下であることを特徴とする請求項7に記載のチタン含有酸化物超微粒子。
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