JP4461693B2 - 照明器具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照明器具に関し、具体的には、防蛾灯や街路灯など主として屋外で使用するのに有用な照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、果樹園や農地において、防蛾灯による夜蛾の防除が実施されているものであった。夜蛾は、夜間に果樹園に飛来し、くちばしで果実を穿孔、吸汁するものである。そのため、果実はその箇所を中心に腐敗し、商品価値が低下する。また、農地では夜蛾の幼虫が野菜や花卉の花芽や葉を食い荒らすために、収穫量が減少する。一方、夜蛾は、夜行性のため、周囲が暗くなる夜間に活動するが、周囲が明るい昼間はほとんど活動しないものである。そこで、防蛾灯による夜蛾防除の原理は、夜間に果樹園や農地を防蛾灯で照明し、昼間と同じ状態にして、夜蛾の複眼を明適応化させることによって、吸汁や交尾、産卵などの活動を抑制することにある。
【0003】
防蛾灯の光源には、波長580nmに分光放射エネルギーのピークをもつ黄色蛍光ランプが使用されるものである。これは、野村らの研究(野村健一:電燈照明による吸蛾類の防除、日本応用動物昆虫学会誌別刷第9巻第3号、pp.179−186、1965)において、黄色蛍光ランプによる夜蛾の活動抑制効果が高かったことによる。図24は、その一例で、光源の波長と夜蛾の明適応化所要時間の関係を示したものであり、この図24に示すごとく、波長460nmにピークをもつ青色光と波長580nmにピークをもつ黄色光で所要時間が短くなっているものである。明適応化所要時間が短いということは、短時間で夜蛾の活動を抑制できることを意味するので、効果が高いといえるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、防蛾灯は夜蛾の防除に大きな効果を発揮する反面、光に敏感な植物に対しては、花芽形成に悪影響を与える場合がある。多くの植物は、日長(昼間の時間)の変化に反応して花芽を形成する光周性をもっているものである。一般に、日長が一定時間(限界日長)よりも短くなると、花芽を形成するものを短日植物、反対に長くなると花芽を形成するものを長日植物という。キクやイチゴなどの短日植物の場合、防蛾灯の終夜照明を施すことによって、花芽の形成が遅れたり、花芽が形成されなかったりして、収穫量が減少するものである。反対に、ホウレンソウなどの長日植物の場合は、花芽形成が促進され(抽苔)、菜食部である葉が堅くなって、商品価値が低下するものである。
【0005】
上記の問題は、防蛾灯のように直接植物を照明する場合に限らないものである。道路灯や街路灯など屋外照明施設から漏れる光が原因になる場合もある。
【0006】
本発明は、上述の事実に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、植物の花芽形成への影響を低減することができる照明器具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
農作物に対する夜間照明影響研究調査委員会報告書(照明学会、1985)によると、植物の光周性には、フィトクロムという色素が関係していることが知られている。フィトクロムには、Pr(赤色光吸収型)とPfr(遠赤色光吸収型)という二つの型があり、Prに赤色光を照射するとPfrに転換し、逆にPfrに遠赤色光を照射するとPrに転換する。また、光の照射を遮断すると徐々にPfrからPrへ転換する特性がある(暗転換)。日中、太陽光の照射がある時はPrと Pfrの吸収特性の差により、Pr から Pfrへの転換が行なわれるが、夜間、太陽光の照射がなくなると、暗転換によってPfrからPrへの転換が行なわれる。そして、全フィトクロム中のPfrの量が日長によって変化し、このPfrの量が植物の開花時期を制御するとしている。
【0008】
つまり、本来ならフィトクロムが暗転換されなければならない夜間に、照明光に含まれる赤色光がフィトクロムに作用し、フィトクロムが暗転換されないことが、植物の花芽形成に影響を及ぼす原因であると考えられる。
【0009】
図2は、Butlerら(Butler,W.L.:Photochem.Photobiol.3, pp.521-528, 1964)が明らかにしたフィトクロムの吸収スペクトルである。Prの吸収スペクトルは、660nm付近にピークを有し、ピークの1/10以上の範囲で考えると、黄色光から赤色光の波長域560〜700nmの吸収率が高い。つまり、この波長域の光が、植物の花芽形成に強く影響していると考えられる。
【0010】
香川農業試験場が実施した電照ギクの実験(照明学会:光バイオインダストリー、p.284、1992)によると、白熱電球(主波長660nm)や昼光色蛍光ランプ(同480〜650nm)に比べ、青色蛍光ランプ(同450nm)、緑色蛍光ランプ(同540nm)では、ほとんど花芽抑制効果は認められなかったとの報告がある。
【0011】
図3は、黄色蛍光ランプの分光放射特性であるが、上記の波長域を多く含んでおり、このことが花芽形成に影響していると考えられる。
【0012】
一方、図24に示した光源の波長と夜蛾の明適応化所要時間の関係を見ると、波長580nmにピークをもつ黄色光と波長460nmにピークをもつ青色光で所要時間が短く、それより長波長側でも短波長側でも所要時間が長くなる傾向がある。つまり、高い夜蛾の活動抑制効果を得るには、460〜580nmの波長域に分光放射エネルギーのピークをもつ光源を使用することが望ましいものである。
【0013】
次に、防蛾効果を得るにはどの程度の光量が必要か、また、植物の花芽形成への影響を低減するにはどの程度の光量に抑えなければならないかについて記述する。石倉(石倉聡:秋ギク栽培における防ガ用黄色蛍光灯の使用技術、農耕と園芸、pp.186-190、2002)は、防蛾効果を発揮させつつ、秋ギクの開花にできるだけ影響を与えない畝面照度を1〜3lxと想定している。つまり、黄色蛍光ランプを使用する場合、防蛾効果を発揮させるには1lx以上の照度を確保する必要があり、秋ギクの開花にできるだけ影響を与えないようにするには3lx以下に抑える必要がある。
【0014】
ところで、照度の単位lxは、1m2 あたりに入射する光束(lm)のことである。lmは、光の量を表す単位であり、人の眼の視感度が考慮されている。従って、図4に示すごとく、lmを防蛾効果に適用するのは適切ではなく、純粋な放射エネルギーの量である放射束(W)で表す方が良いものである。
【0015】
前述の通り、460〜580nmの波長域において防蛾効果が高い。従って、この波長域に含まれる放射束(図5参照、以降防蛾有効放射束と記す)が、防蛾効果と最も相関が高いといえるものである。黄色蛍光ランプの光束1lmあたりの防蛾有効放射束は、884μWとなる。つまり、防蛾効果を発揮させるには、1m2 あたりに884μW以上の防蛾有効放射束を与える必要がある。
【0016】
次に、秋ギクの開花に与える影響を考える。前述の通り、植物の花芽形成には、フィトクロムの光吸収量が関係しているものである。フィトクロムの光吸収量の相対値は、光源の分光放射エネルギーΦe(λ)とフィトクロムの分光吸収度Pr(λ)の積を560〜700nmの区間で積分した値(図6参照、以降相対フィトクロム光吸収量と記す)で表すことができるものである。黄色蛍光ランプの光束1lmあたりの相対フィトクロム光吸収量は、分光放射エネルギーの単位をμWとした場合、669となる。秋ギクの開花にできるだけ影響を与えないようにするには、1m2 あたり3lm以下にする必要があるので、相対フィトクロム光吸収量を1m2 あたり669×3=2007以下に抑える必要がある。
【0017】
ここで、光源の良否を評価するため、相対フィトクロム光吸収量と防蛾有効放射束の比を考える。それぞれ前述の限界値を当てはめると、2007/884=2.27となる。つまり、相対フィトクロム光吸収量と防蛾有効放射束の比が2.27以下になる光源を使用すれば、防蛾効果を発揮させつつ秋ギクの開花への影響を低減することができるものである。ただし、これには畝面全体を防蛾有効放射束884μW/m2 で完全に均一になるように照明することが必要条件になる。しかし、実際の照明条件下では、畝面の最大光量は最小光量の約30倍にもなる。さらに、光量は時間ととも減少するために、その減少分を見込んで設計すると、初期は寿命末期の約1.5倍の光量になる。両方とも考慮すると約45倍の開きが発生するが、この条件下でも防蛾効果を発揮させつつ、秋ギクの開花への影響を低減するには、相対フィトクロム光吸収量と防蛾有効放射束の比が2.27/45=0.05以下になる光源を使用する必要がある。
【0018】
なお、前述の計算根拠に秋ギクを事例に挙げたが、秋ギクは短日性植物の中でも最も光に敏感な植物の一つであり、他の多くの植物に同じ考え方を適用することができるものである。
【0019】
そこで、本発明の請求項1に係る照明器具は、植物の花芽形成への影響が強い波長域560〜700nmの下限560nmと、防蛾効果が高い波長域460〜580nmの下限460nmとの間に分光放射エネルギーのピークを有するとともに、分光放射エネルギーΦe(λ)とフィトクロムの分光吸収度Pr(λ)の積を560〜700nmの区間で積分した相対フィトクロム光吸収量の、分光放射エネルギーΦe(λ)を460〜580nmの区間で積分した防蛾有効放射束に対する比が0.05以下となるとともに分光放射エネルギーΦe(λ)を475〜575nmの区間で積分した放射束が,全区間で積分した全放射束の60%以上である光源を備えていることを特徴とするものである。
【0020】
これによって、防蛾効果を発揮させながら、植物の花芽形成への影響を低減することができるものである。また,いままでの防蛾灯に比較して、設置する照明器具の灯数、消費電力などのコストを低減させながら、従来と同等以上の夜蛾防除効果を得ることができるものである。
【0021】
ところで、農作物の被害は夜蛾に限らないものである。照明の光に昆虫類が集まり、農作物に被害を与える場合がある。図7は、Bickford(Bickford,E.D.:Average insect vision function, National Technical Conference, IES of North America, No.2, 1964)が、一部の昆虫について分光視感効率を調べた例である。365nmに最大ピークを有し、ピークの1/10以上の範囲で考えると、280〜520nmの波長域で分光視感効率が高い。正の走行性を示す昆虫は、この波長域の光に対して集まりやすいので、理想的にはこの波長域の放射エネルギーを小さくすることが望ましいが、このうち夜蛾の活動抑制効果が高い460nm以上の光は極力維持することが望ましいものである。
【0022】
本発明の請求項2に係る照明器具は、460nm以下における放射エネルギーがピークの放射エネルギーの10%以下である光源を備えていることを特徴とするものである。これによって、高い夜蛾の活動抑制効果を維持しながら、なおかつ昆虫類を集めにくくすることができるものである。
【0023】
本発明の請求項3に係る照明器具は、520nm以下における放射エネルギーがピークの放射エネルギーの10%以下である光源を備えていることを特徴とするものである。これによって、より昆虫類を集めにくくすることができるものである。
【0024】
上述した請求項1ないし請求項3の条件を満足する代表的な光は緑色光である。防蛾灯のように果樹園や農地で使用する場合は、植物の葉を鮮やかな緑に見せる効果があり、美観上特に問題にはならないが、道路灯や街路灯など一般の屋外照明空間で使用する場合は、空間の印象が派手に感じられ、あまり好ましくないものである。
【0027】
本発明では、従来の技術にある防蛾灯のところで示した、野村らの研究(野村健一:電燈照明による吸蛾類の防除、日本応用動物昆虫学会誌別刷第9巻第3号、pp.179−186、1964)をもとにして、主波長が580nm付近に存在する黄色蛍光ランプが用いられているものである。この野村らの研究では、300nm、460nm、580nm、680nmにピークを持つカラードランプと、600nmにピークを持つ白色蛍光ランプを用いて夜蛾の明適応所要時間を調べた結果、ピーク波長が580nmのカラードランプで最も所要時間が短くなったものである。ただし、ピーク波長460nmのランプもそれに近い時間で明適応しており、両者間の波長でも十分な効果が予測されるものである。
【0028】
ところで、オオタバコガ、ハスモンヨトウといった夜蛾の、複眼網膜における分光感度は、図23のようになっており、540nmの近辺で最も高く、従来の防蛾灯の主波長580nm付近と比較して、約1.6倍の感度を持つものである。そして、網膜感度が従来の主波長580nmより高い波長域は、475nm〜575nmにわたっているものである。よって、従来の防蛾灯より効率良く夜蛾複眼を明適応して、より一層高い防除効果を得るためには、この波長域の光の割合を増した防蛾灯を用いれば良いものである。
【0029】
従来の防蛾灯が発する光の分光分布において、上記波長域の放射エネルギーが全放射エネルギーに占める割合は、下記の表1に示すように最大でも53%程度である。よって、従来の防蛾灯より防除効率を確実に高めるには、上記波長域の放射エネルギーの占める割合が、60%を上回れば良いものである。
【0030】
【表1】
Figure 0004461693
【0032】
本発明の請求項に係る照明器具は、請求項1ないし請求項記載の波長域を限定した光源と、これとは波長域が異なる光源とを備え、これらの光源を時期によって切り替えて点灯するようになしたことを特徴とするものである。
【0033】
植物の花芽形成への影響が問題になる時期、例えば、イネの場合6〜8月に緑色光源を点灯し、それ以外の時期は白色光源を点灯するものである。これによって、花芽形成への影響が問題になる時期は、歩行に必要な明るさを確保しながら、花芽形成への影響を低減することができるものである。それ以外の時期は、一般の屋外照明空間で使用しても、美観上支障のない白色光を提供することができるものである。
【0034】
また、電照栽培は、夜間照明を施すことによって、短日植物に対して花芽形成の抑制を、長日植物に対して花芽形成の促進を図ることで知られているものである。この場合の光源には、フィトクロムの光吸収度が高い赤色光が適しているものである。従って、緑色光源と赤色光源とを備え、時期によって切り替えて点灯すれば、1台の照明器具で防蛾灯と電照器具を兼用することができるものである。
【0035】
波長域を切り替えて点灯するものとしては、特開平6−276858号公報に開示されているものがあるが、これは閉鎖空間において一日の昼夜の変化を作り出すものである。
請求項の発明としては、一日単位ではなく、季節単位で切り替えるという点で異なるものである。
【0036】
なお、本発明の特徴として光の波長域を限定しているが、光源から出る光が要件を満足していなくても、照明器具に取り付けたフィルターなどを透過して最終的に出る光が要件を満足すれば良いものである。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各々の実施の形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
【0038】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1に示す。この照明器具は、夜蛾の防除のために使用する防蛾灯であり、主として、光源(1)、安定器(2)、ランプ保護および防湿性確保のためのシリンダー(3)、器具を吊り下げるためのフック(4)からなるものである。
【0039】
本発明による特徴として、光源(1)に緑色蛍光ランプを使用する。図8に緑色蛍光ランプの分光放射特性の一例を示す。波長525nmに分光放射エネルギーのピークを有し、相対フィトクロム光吸収量と防蛾有効放射束の比が0.02で、請求項1の要件を満足するので、防蛾効果を発揮させながら植物の花芽形成への影響を低減することができるものである。
【0040】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図9に示す。この照明器具は、夜蛾の防除のために使用する安定器(2)を内蔵した電球形蛍光ランプであり、施設に配線された防水ソケットに口金(5)をねじ込んで点灯させるものである。直管蛍光ランプを用いる防蛾灯よりも小形で軽量なので、器具の着脱が容易である。
【0041】
本発明の実施形態2による特徴として、光源(1)に緑色蛍光ランプを用いる所およびその効果は、実施形態1と同じである。
【0042】
(実施形態3)
本発明の実施形態3を図10に示す。この照明器具は、夜蛾の防除のために使用する電球形LED照明器具であり、実施形態2と同様に、防水ソケットにねじ込んで点灯させるものである。
【0043】
本発明の実施形態3による特徴として、光源(1)に緑色LED(6)を使用しているものである。
この実施形態3の電球形LED照明器具も施設に配線された防水ソケットに口金(5)をねじ込んで点灯させるものであるが、例えば、口金(5)の上部にAC−DCコンバータ(17)が設けられているものである。
図11に緑色LEDの分光放射特性の一例を示す。
波長530nmの単色光であるために、560〜700nmにおける放射エネルギーが0である。
したがって、請求項1の要件を満足するので、植物の花芽形成への影響をより低減しながら、高い夜蛾の活動抑制効果を得ることができるものである。
また、請求項3の要件も満足するので、より昆虫を集めにくくすることができるものである。
さらに、いままでの防蛾灯に比較して、設置する照明器具の灯数、消費電力などのコストを確実に低減させながら、従来と同等以上の夜蛾防除効果をより一層確実に得ることができるものである。
【0044】
(実施形態4)
本発明の実施形態4を図12に示す。この照明器具は、夜蛾の防除のために使用する電線−LED一体形照明器具で、電線(7)にLED(6)が一定間隔で組み込まれた構造になっていて、端部には電気が供給することができるように連結プラグ(16)が設けられているので、電線(7)を施設の支持物に沿って這わせるだけでこの照明器具は設置することができて、光源(1)の着脱としても不要なものである。
【0045】
本発明による特徴として、光源(1)に緑色LED(6)を使用する所およびその効果としては、実施形態3と同じである。
【0046】
(実施形態5)
本発明の実施形態5を図13および図14に示す。この照明器具は、夜蛾の防除のために使用する投光器と反射形HIDランプである。農地の周縁部に設置したポールの上に取り付け、広い範囲を照明するのに適しているものである。
【0047】
本発明による特徴として、光源(1)に緑色HIDランプ(8)を使用しているものである。この緑色HIDランプ(8)の周囲には、カバー(9)が取り付けられており、カバー(9)には反射鏡(10)が形成されていて、この反射鏡(10)にて緑色HIDランプ(8)から発せられる光が照射されやすいようになっているものである。図15に緑色HIDランプの分光放射特性の一例を示す。波長540nmに分光放射エネルギーのピークを有し、相対フィトクロム光吸収量と防蛾有効放射束の比が0.01である。従って、請求項1の要件を満足するので、防蛾効果を発揮させながら植物の花芽形成への影響を低減することができるものである。
【0048】
(実施形態6)
本発明の実施形態6を図16ないし図18に示す。図16は、防犯灯の概略図であり、図17は、街路灯の概略図であり、図18は、道路灯の概略図である。すなわち、これらは、道路や街路など一般の屋外照明空間に使用する照明器具である。
【0049】
本発明による特徴として、光源(1)の周囲は、カバー(9)が取り付けられており、同光源(1)として緑色蛍光ランプと白色蛍光ランプ、および切替スイッチ(図示せず)を備えているものである。図19は、概略回路ブロック図の例である。花芽形成への影響が問題になる時期は、緑色蛍光ランプ(12)を点灯し、それ以外の時期は白色蛍光ランプ(11)を点灯するものである。花芽形成への影響が問題になる時期は、植物の種類や地域によって異なるので、それに合わせて切り替える時期を設定するものである。切替スイッチ(13)には、手動のものと、タイマー(14)やリモコンからの信号によって動作するものがある。これによって、植物の花芽形成への影響を低減しながら、花芽形成に関係のない時期は、一般の屋外照明空間で使用しても美観上支障のない光色を提供することができるものである。
【0050】
また、HIDランプを使用する場合は、一つのランプの中に、二種類の発光管を備えたものを使用するものである。一つは緑色光を発する発光管、もう一つは従来の水銀ランプやメタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプに使用している発光管である。切り替え方法としては、蛍光ランプの場合と同様でかまわないものである。
【0051】
(実施形態7)
本発明の実施形態7を図20に示す。これは、防蛾灯と電照用器具を兼用させた照明器具である。
【0052】
本発明の実施形態7による特徴は、光源(1)として緑色蛍光ランプ(12)と赤色蛍光ランプ(15)が採用され、これらの光源(1)を切り替える切替スイッチ(13)を備えているものである。また、安定器(2)、ランプ保護および防湿性確保のためのシリンダー(3)、器具を吊り下げるためのフック(4)を有していることは、実施形態1と同様である。花芽形成への影響が問題になる時期は緑色蛍光ランプ(12)を点灯し、電照を施す時期は赤色蛍光ランプ(15)を点灯するものである。また、点灯するランプは、器具を回転させて下側に持ってくるものである。これによって、簡単な作業で防蛾灯と電照用器具の切り替えができるので、照明器具を付け替えたり、ランプを付け替えたりする手間を省くことができるものである。
【0053】
なお、本発明の実施形態1ないし実施形態7では、照明器具のカバーに無色透明のガラスやアクリル、ポリカーボネートなどを使用しているが、短波長側の光を小さくするため、カバーに着色フィルムを貼ったり、着色材料を合成したカバーを使用したりすることもある。一例として、図21に着色材料を合成したシリンダーの分光透過率を、図22にそれを透過する前後の緑色蛍光ランプの分光放射特性を示すものである。これによって、請求項2の要件を満足するので、昆虫類を集めにくくすることができるものである。
【0054】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る照明器具によると、植物の花芽形成への影響が強い波長域560〜700nmの下限560nmと、防蛾効果が高い波長域460〜580nmの下限460nmとの間に分光放射エネルギーのピークを有するとともに、分光放射エネルギーΦe(λ)とフィトクロムの分光吸収度Pr(λ)の積を560〜700nmの区間で積分した相対フィトクロム光吸収量の、分光放射エネルギーΦe(λ)を460〜580nmの区間で積分した防蛾有効放射束に対する比が0.05以下となるとともに分光放射エネルギーΦe(λ)を475〜575nmの区間で積分した放射束が,全区間で積分した全放射束の60%以上である光源を備えた照明器具を使用することによって、防蛾効果を発揮させながら、植物の花芽形成への影響を低減することができるものである。また,いままでの防蛾灯に比較して、設置する照明器具の灯数、消費電力などのコストを低減させながら、従来と同等以上の夜蛾防除効果を得ることができるものである。
【0055】
本発明の請求項2に係る照明器具によると、請求項1記載の場合に加えて、460nm以下における放射エネルギーがピークの放射エネルギーの10%以下である光源を備えた照明器具を使用することによって、高い夜蛾の活動抑制効果を維持しながら、なおかつ昆虫類を集めにくくすることができるものである。
【0056】
本発明の請求項3に係る照明器具は、請求項1記載の場合に加えて、520nm以下における放射エネルギーがピークの放射エネルギーの10%以下である光源を備えた照明器具を使用することによって、より昆虫類を集めにくくすることができるものである。
【0059】
本発明の請求項に係る照明器具によると、請求項1ないし請求項いずれか記載の場合に加えて、同請求項1ないし請求項に記載の波長域を限定した光源と、これとは波長域が異なる光源とを備え、時期によって切り替えて点灯することができる照明器具を使用することによって、植物の花芽形成への影響を低減する街路照明や、防蛾灯と電照器具の兼用が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の照明器具に係る実施形態1の防蛾灯の概略図である。
【図2】本発明の照明器具に係るフィトクロムの吸収スペクトル(Pr:赤色光吸収型、Pfr:遠赤色光吸収型)を示したグラフである。
【図3】本発明の照明器具に係る黄色蛍光ランプの分光放射特性を示したグラフである。
【図4】本発明の照明器具に係る放射束と光束との関係を示したグラフである。
【図5】本発明の照明器具に係る防蛾有効放射束を示したグラフである。
【図6】本発明の照明器具に係る相対フィトクロム光吸収量を示したグラフである。
【図7】本発明の照明器具に係る昆虫の分光視感効率を示したグラフである。
【図8】本発明の照明器具に係る緑色蛍光ランプの分光放射特性の一例を示したグラフである。
【図9】本発明の照明器具に係る実施形態2の電球形蛍光ランプの概略図である。
【図10】本発明の照明器具に係る実施形態3の電球形LED照明器具の概略図である。
【図11】本発明の照明器具に係る緑色LEDの分光放射特性の一例を示したグラフである。
【図12】本発明の照明器具に係る実施形態4の電線−LED一体形照明器具の概略図である。
【図13】本発明の照明器具に係る実施形態5の投光器の概略図である。
【図14】本発明の照明器具に係る実施形態5の反射形HIDランプの概略図である。
【図15】本発明の照明器具に係る緑色HIDランプの分光放射特性の一例を示したグラフである。
【図16】本発明の照明器具に係る実施形態6の防犯灯の概略図である。
【図17】本発明の照明器具に係る実施形態6の街路灯の概略図である。
【図18】本発明の照明器具に係る実施形態6の道路灯の概略図である。
【図19】本発明の照明器具に係る光源切り替え式照明器具の概略を示した回路ブロック図である。
【図20】本発明の照明器具に係る実施形態7の防蛾−電照兼用照明器具の概略図である。
【図21】本発明の照明器具に係る着色材料を合成したシリンダーの分光透過率のグラフである。
【図22】本発明の照明器具に係るシリンダーを透過する前後の緑色蛍光ランプの分光放射特性のグラフである。
【図23】ハスモンヨトウやオオタバコガといった夜蛾などの波長域と分光感度の関係を示したグラフである。
【図24】一従来例に係る照明器具において、光源の波長と夜蛾の明適応化所要時間との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 光源

Claims (4)

  1. 植物の花芽形成への影響が強い波長域560〜700nmの下限560nmと、防蛾効果が高い波長域460〜580nmの下限460nmとの間に分光放射エネルギーのピークを有するとともに、分光放射エネルギーΦe(λ)とフィトクロムの分光吸収度Pr(λ)の積を560〜700nmの区間で積分した相対フィトクロム光吸収量の、分光放射エネルギーΦe(λ)を460〜580nmの区間で積分した防蛾有効放射束に対する比が0.05以下となるとともに分光放射エネルギーΦe(λ)を475〜575nmの区間で積分した放射束が,全区間で積分した全放射束の60%以上である光源を備えていることを特徴とする照明器具。
  2. 460nm以下における放射エネルギーがピークの放射エネルギーの10%以下である光源を備えたことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
  3. 520nm以下における放射エネルギーがピークの放射エネルギーの10%以下である光源を備えたことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
  4. 上記波長域を限定した光源と、これとは波長域が異なる光源とを備え、これらの光源を時期によって切り替えて点灯するようになしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載の照明器具。
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