JP4461323B2 - インクジェットヘッド及びそれを用いた液滴吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電素子の変位を利用して複数のノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェットヘッドに係り、具体的には、ノズルの高密度実装に適した構造のインクジェットヘッド及びそれを用いた液滴吐出装置に関するものである。
この種のインクジェットヘッドの構造は、例えば特開昭60−90770号公報に記載されている。即ち上記公報の第1図に示されているように、圧電材料と電極材料を交互に積層して形成されたバルク材の一端を基台に固着し、他端を自由端とすると共に、前記バルク材を櫛状に分割してなる複数の圧電素子を有する圧電素子群を、前記圧力室に対向するように配置し、軸方向に伸縮する圧電素子の変位を利用し、その変位方向に前記振動板を変位させて、前記圧力室内のインクを加圧し、前記圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出させるように構成されている。
図14は上述のインクジェットヘッド記録ヘッドの断面図を示すもので、11はノズルプレート、12はチャンバプレート、13はリストリクタプレート、14はダイアフラムプレート、16は高剛性部材、19は圧電素子である。2は加圧室を示し、各加圧室2に対応するように圧電素子19が振動板となるダイアフラムプレート14に固着されている。
ここで圧電素子19の幅をWp、加圧室2の幅をWcとすると、Wc>Wpとなるように構成されている。この理由は、圧電素子19の伸縮に伴って加圧室2の容積を容易に変化させるために、ダイアフラムプレート14にある程度の柔らかさを持たせる必要があるからである。従ってインクジェットヘッドのノズルを高密度実装するためには加圧室2の幅を狭くすると共に、圧電素子19の幅も狭くする必要がある。
圧電素子19としては、バルク状に形成した部材にダイヤモンドソー等を用いて多数の溝を形成し、櫛状に構成したものが用いられるが、上記のように幅Wpを小さくすると圧電素子19の剛性が弱くなるという問題がある。従って加圧室2の幅Wcに対し圧電素子19の幅Wpを極端に小さくすることはできない。
一方、ダイアフラムプレート14を適正な振動板とするためにはこのプレート14を非常に薄い板にして適正なコンプライアンスを得る必要があるが、薄板にする程微細なピンホールを発生し易くなり、インク漏れを引き起こす原因になる。また、薄板にすればするほど取り扱いも難しく、組立て作業に必要以上の時間を浪費してしまうという問題を生じる。
このような問題を解決するために、特許第3255178号公報には、ダイアフラムプレートとして圧力発生室を封止する弾性変形板と、圧電素子の列設方向の厚みよりも幅が小さく、また圧電素子の列設方向に直角な方向の幅よりも大きい島状部材との積層構造としたインクジェットヘッドが提案されている。このように構成すると、圧電素子を形成する際に、圧電素子間の溝間隔を加工上狭くすることが可能となり、圧電素子の幅を厚くすることができる。従って圧電素子の剛性を高めることができると共に、振動板として機能するダイアフラムプレートの領域を大きく取れるために、該プレートとして比較的厚手の板を使用することが可能となる。
しかしながらこの例では、島状部を形成するために、ニッケルの電鋳加工法で形成した5ミクロン以下の薄板に、感光性樹脂を被覆して積層した板をレーザ加工等により凸部を形成しているため、非常に高価な部品となってしまうという問題がある。
また、薄板ステンレス材とポリイミド材の薄板を積層圧着した板をウェットエッチすることにより、ステンレス部に同様の島状凸部を形成する方法もあるが、金属と樹脂のように線膨張係数が異なるものを使用する必要があり、またこれをヘッドとして組み立てる場合も他のプレート類の材質とは異なる材質のものを用いる必要を生じる。例えば、複数のノズル開口を有するオリフィスプレートはステンレス材、加圧室を構成するチャンバプレートはシリコンウェハーまたはステンレス材などが利用されているため、当然、線膨張係数も異なる。
ところでこれらの部材を組み立てる際には接着剤を用いることが多いが、接着剤の種類には、常温硬化性タイプや熱硬化性タイプのものがあり、上記の如く各部材の線膨張係数が異なる場合は、熱ひずみの影響を受けないようにするために、比較的低温で硬化するタイプ、例えば60℃程度で硬化する熱硬化性接着剤が使用される。このような接着剤は低分子構造を持つ材料が使われるため、インクジェット用に開発されたインクに対し耐接液性に劣るものが多い。また、耐インク性を高めるために、例えば150℃以上で硬化するような接着剤を使用する場合、それに耐え得るプレート類を使用しても各部材の線膨張係数が異なるため、部材の位置ずれや常温に戻した時のひずみが発生し、特性を損なうという問題を生じる。
一方、特開2000−94676号公報には圧力発生室の配列ピッチに一致し、且つ圧力発生室の長手方向の両端部で弾性変形可能に薄肉部により厚肉部と連続し、更に断面形状が鋲型をなすアイランド部を電鋳により形成して、弾性変形可能な高分子膜に接着剤層を介して固定した構造のインクジェット記録ヘッドが開示されている。
この場合、電鋳層で形成された連続したアイランド部を、弾性変形可能な高分子膜に固定すると、異種材料で構成されているため、それらを接着剤で固着する場合、樹脂と金属では線膨張係数が異なるため、固着後の収縮応力により歪が発生する。更に、線膨張係数が異なるため、高温環境下、例えば高粘度のインクを吐出するためインクを加温して低粘度で使用できるようにするような用途には使用することができない。
特開昭60−90770号公報
特許第3255178号公報 特開2000−94676号公報
本発明の課題は、上述のような問題点を解決したインクジェットヘッドを提供することにある。具体的には、本発明は、ノズルを高密度実装する場合に、隣接する圧力室の間隔が狭くなり、それに対応した圧電素子の幅も狭くなることに伴い、個々の圧電素子の剛性が弱くなるという問題を解決したインクジェットヘッド及び液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、インク滴を吐出する複数のノズル開口を有するノズルプレートと、前記ノズル開口に対応した圧力室を複数個配列した流路基板と、前記圧力室を封止するように形成した振動板を有するダイアフラムプレートと、前記圧力室に対向する位置に振動板を挟むように配置された圧電素子群とを有するインクジェットヘッドにおいて、前記圧電素子群と前記ダイアフラムプレートとの間に押圧プレートを備え、該押圧プレートには細長い梁部が梯子状に形成され、押圧プレートの一方の面の各梁部に前記圧電素子群の各圧電素子が固着されてなり、前記押圧プレートの梁部の両端は、前記振動板に接触しないように圧電素子側に曲げられていることに一つの特徴を有する。
本発明の他の特徴は、梯子状に形成された押圧プレートの梁部を、前記圧電素子の幅よりも狭く、該圧電素子の長手方向の長さよりも長く形成したことにある。
本発明の他の特徴は、前記押圧プレートの梁部を、前記圧電素子が固着される中央部の梁部の幅よりも、その端部の幅を細く形成したことにある。
本発明の他の特徴は、前記複数個の圧力室のうちの端部に位置する圧力室に対応する押圧プレートの梁部を、端部以外の場所に位置する圧力室に対応する梁部よりも細く形成したことにある。
本発明の他の特徴は、前記押圧プレートの梁部の間隔を、前記圧力室のピッチ間隔のほぼ1/2にしたことにある。
本発明の他の特徴は、前記押圧プレートの梁部をバルク状の圧電体に固着した後に、前記振動板に当接固着される以外の部分を削除し、櫛歯状に複数の圧電素子に分割した後に前記振動板に固着したことにある。
本発明の他の特徴は、前記流路基板を構成する部材と、前記押圧プレートとを同じ材料により形成したことにある。
本発明の他の特徴は、前記流路基板を構成する部材と、それを固定する部材と、前記押圧プレートを、線膨張係数がほぼ同一の材料より構成したことにある。
本発明の他の特徴は、前記押圧プレートの梁部を、複数の圧力室が列状に配列された列方向と直角方向に延在する第1の梁部材と、上記列方向に延在する第2の梁部材とから形成したことにあり、更には、第1の梁部材の幅を、第2の梁部材の幅より大きくしたことにある。
本発明の他の特徴は以下の説明により、一層明確に理解される。
本発明によれば、ノズル実装密度の高密度化を図るにあたり、圧力室の上部を封止するダイアフラムプレートと圧電素子との間に押圧プレートを挟み、該押圧プレートを介して圧電素子の変位をダイアフラムプレートに伝達するようにしたので、圧電素子を直接ダイアフラムプレートに固着する時に比べ圧電素子の剛性を高めることができる。また、加工及び組立て時の信頼性を高めることができる。
更に、押圧プレートの梁部がほぼ圧力室の中心線の位置にあるので、前記圧電素子群が押圧プレートの各梁部に当接する際、多少の位置ズレがあっても、常に加圧室を封止している振動板のほぼ中心線上を変位させることができる。従って、ヘッドの各ノズルの液滴吐出特性を均一化することができる。
以下本発明の実施例について説明する。図1は、本発明に係るインクジェット式記録ヘッドの一実施例を示す組立て斜視図、図2は、図1の部分断面図を示す。
同図においてインク流路基板10は、複数のノズル開口1を有するノズルプレート11と、ノズル開口1に連通する加圧室2を有するチャンバープレート12と、共通のインク溜まり8から個々の加圧室2に連通する細長い流路であるリストリクタ3を有するリストリクタプレート13と、前記共通のインク溜まり8の直下に位置するフィルター4を有し、振動板となるダイアフラムプレート14とによって構成される。そして、前記インク流路基板10と高剛性部材16との間には、押圧プレート15が配置され、該押圧プレート15に圧電素子群18の一端が当接される。
前記インク流路基板10は、押圧プレート15を介して、圧電素子群18を包み込むように開口部6が設けられた高剛性部材16に固着されている。ここで、上記各プレート11〜14及び高剛性部材16は同一種の材料で構成されており、本実施例では圧電素子19及びそれに接続されているケーブル25、例えばFPCケーブルを除いては、ステンレス材で構成されている。
本発明においては前記押圧プレート15に、細長い梁部5が梯子状に形成されている。そして複数に分割された圧電素子19の各自由端面が上記梁部5に当接するように、圧電素子19と梁部5が一対一に対応するように配置されている。
上述のような形状の押圧プレート15は、インク流路基板10を構成する各プレート11〜14と同様にエッチング法やプレスによって製作することができ、材料も同じものを使用することができる。
次に図3を用いて本発明に係るインクジェットヘッドの動作について説明する。なお、動作原理の説明のため押圧プレート15の図示を省いたが、実際には図2と同様に圧電素子19とダイアフラムプレート14との間に押圧プレート15を備えている。
まずインクジェットヘッドへのインクの供給は次のようにして行われる。インクタンク(図示せず)から高剛性部材16に配設されたインク導入用の供給路7を介して共通のインク溜まり8にインクが供給される。このインクはリストリクタ3を介してこれに連通する各圧力室2に供給される。図3−1は圧力室2にインク50が充填された状態を示している。実際に充填する方法としては、インクタンクから圧力を加える加圧充填方法や、インクジェットヘッドのノズル開口1からインクを吸引する負圧吸引法が知られている。
図4はノズル開口1より液滴を吐出するために圧電素子19に印加する駆動パルスの一例を示す。図のV1に示す電圧が圧電素子19に印加されると、圧電素子19は収縮する。従って図3−2に示すように加圧室2の容積が膨張するため、リストリクタ3を介して共通のインク溜まり8より加圧室2にインクが矢印Aの方向に流れ込む。同時にノズル開口部1に位置する空気とインクの界面であるメニスカスも矢印Bの方向に加圧室2に引き込まれる。
次に圧電素子19に図4のV0に示すような電圧が印加されると、メニスカスの引き込みが終了し、該メニスカスが再度ノズル開口部1側に戻ろうとする。この時点で今度は図4のV2に示すようにV1よりも短時間で変化する電圧を圧電素子19に印加する。
この電圧V2が印加されると圧電素子19は膨張するため、圧電素子19の周辺のダイアフラムプレート14は図3−3に示すように一部が膨れるような形状となる。そして時間の経過と共に、図3−4に示すような状態へと変化する。このダイアフラムプレート14の変位によって加圧室2のインクに圧力が加えられ、ノズル開口1よりインク滴51が吐出される。
上記ダイアフラムプレート14の変形はそのばね性と変形体積から決定されるダイアフラムプレート14のコンプライアンスによって左右される。つまり、コンプライアンスが変化するということは液滴の吐出特性が変化することになるので、常に安定した吐出特性を得るためにはコンプライアンスのバラツキを抑える必要がある。
然るに、従来はダイアフラムプレート14に圧電素子19を直接、固着していたために、圧電素子19の固着位置が前後左右にずれ易くなり、この結果、ダイアフラムプレート14のコンプライアンスも左右又は前後のバランスが崩れ易くなるという問題があったが、本発明はこのような問題を解決することができる。
次に本発明に係るインクジェットヘッドの組立て方法について説明する。まず図1に示すオリフィスプレート11とチャンバープレート12を各プレート11及び12の両端に位置する位置決め穴30a、30bを基準にして接着を行う。また、ダイアフラムプレート14と押圧プレート15を同様に両端の位置決め穴30d、30eを基準にして接着を行う。次に前記接着されたプレート類と高剛性部材16とをやはり両端の位置決め穴30fを基準にして接着を行う。最後に櫛状に分割された圧電素子群18の一端を前記高剛性部材16に設けられた開口穴6より挿入し、前記押圧プレート15の梁部5に当接固着する。
押圧プレート15は前述のようにインク流路基板10を構成する各プレート11〜14と同じ材料のものを使用することができるから、インク流路基板10の組立てと同様に、位置決め穴30eを基準にして、押圧プレート15をダイアフラムプレート14に接着することは極めて容易である。
以上説明した本発明に係るインクジェットヘッドによれば、押圧プレート15の梁部5を加圧室2のほぼ中心線上の位置に配設することができる。そして圧電素子群18の各圧電素子19が押圧プレート15の梁部に当接することにより、その当接位置に多少のずれがあっても、加圧室2を封止しているダイアフラムプレート14のほぼ中心線上を変位させることが可能となる。
前述のようにダイアフラムプレート14のコンプライアンスは、インク滴51の吐出特性の性能を左右する重要な役割をする。図5は加圧室2に内圧を加えたときのダイアフラムプレート14の変形の様子を剛性解析により示したものである。
図においてX1は圧電素子19の長手方向であってノズル開口1の側の位置を示し、X2はリストリクタ3の側の位置を示す。またY1,Y2はそれぞれ加圧室2が並んでいる方向のダイアフラムの位置を示す。
図からも分かるように、圧電素子19がダイアフラムプレート14に固着されている部分以外における該プレート14の変形、つまりコンプライアンスは、圧電素子19の長手方向の面において、ノズル開口1側X1と、リストリクタ3側X2の面が最も大きく、従って体積変化量も大きい。
一方、圧電素子19の左右方向、つまり加圧室2が並んでいる方向におけるダイアフラムプレート14の変形は小さく、どちらかと言えばダイアフラムプレート14のばね定数としての影響度が大きいと考えて良い。従って、圧電素子19の前後方向に位置する振動板部に固着される押圧プレート15の梁部5の剛性が高いと適正なコンプライアンスを得ることが出来ない。また、多少の寸法のバラツキによりコンプライアンスの変化感度が大きくなってしまう。
そこで図15に示すように押圧プレート15の梁部5の両端部5A及び5B、つまり圧電素子19が固着される領域5C以外の梁部5の幅を、圧電素子19が固着される領域の梁部5Cの幅よりも細くすることによりダイアフラムプレート14にのみ固着された押圧プレート15の梁部5のコンプライアンスを大きくすることでその感度を鈍くすることができ、多少の寸法変化に対しても大きな性能変化を来たすことがない。
また、逆に梁部を形成した場合、ダイアフラムプレート14の厚みを変えずに押圧プレート15の梁形状を工夫することで容易にコンプライアンスの管理が可能となる。従って、最終的な完成品のヘッドに対して、押圧プレート15のみの変更で微調が可能となる効果がある。
図6及び図7は本発明の第2の実施例を示すもので、図6は押圧プレートの形状を示す平面図、図7はそれを用いたインクジェットヘッドの断面図である。
本実施例においては、押圧プレート15の梁部5のピッチP1が、加圧室2のピッチP0の1/2に構成されている。このように構成すると、インク流路基板10に押圧プレート15を接着する際に、インク流路基板10との接触面積を多くすることができ、従って押圧プレート15を強固に接着することが可能になる。
また、隣接する加圧室2の隔壁2aの厚みを増すことが可能となるためにその剛性が高くすることができ、隔壁2aの変形に伴う液滴の吐出特性への影響を低減させることができる。
更に、図8に示すように押圧プレート15の梁部5と略直交する方向に梁部5bを設けてもよい。このような構造にすると、押圧プレート15に形成される貫通穴のアスペクト比がより1に近くなるために加工し易いという利点がある。
この場合、長手方向の梁部5の幅5Wと、それと直交する方向の梁部5bの幅5bWとの関係を5W>5bWとすれば、圧電素子の列方向のダイアフラム部のばね定数を小さく、且つコンプライアンスを大きくすることができ分割したことによる弊害を可能な限り小さくできる効果がある。
次に本発明に第3の実施例を図9−1〜図9−3及び図10を参照して説明する。
図9−1において2Bは端部に位置する加圧室を示し、2Aは端部に挟まれた中央部に位置する加圧室を示す。一般に複数のノズル開口1に対応して配列された加圧室のうちで、中央部に位置する加圧室2Aの左右の隔壁は、同じ幅を有するためその剛性は略等しい。これに対し両端部に位置する加圧室2Bの場合は、図9−1からも分かるように一方の隔壁と他方の壁部の厚みが異なるからその剛性も異なる。従って中央部の加圧室2Aは、圧電素子19の収縮により体積が小さくなる方向に変形すると、その隔壁は図9−2の2Aに示すような形状に変形するが、両端部に位置する加圧室2Bは、図9−3の2Bに示すような形状に変形する。つまり加圧室2Aと2Bとでは体積変化の割合が異なるために中央部と端部のノズル1の液滴吐出特性が異なるという問題がある。
このような問題を解決するために本実施例は図10に示す如く、梁部5の幅を場所により変えたものである。即ち、押圧プレート15に形成される梁部5の配列の中で、その両端に位置する梁部を5f、それ以外の梁部を5eとしたときに、梁部5fの幅5fWと、梁部5eの幅5eWとの関係を5eW>5fWとしたものである。
このように構成すると両端に位置する梁部5fにおける振動板のコンプライアンスを大きくすることができ、従って図9−3の端部に位置する加圧室2Bの体積変化図9−2の中央部に位置する加圧室2Aの体積変化と略一定にすることができる。従って場所によって液滴吐出特性が異ならない均一の特性を有するインクジェットヘッドを実現することができる。
図11は本発明の第4の実施例を示すインクジェットヘッドの一部断面図である。
本実施例においては押圧プレート15Aがコ字型に曲げられている。そして圧電素子19に前記コ字型押圧プレート15Aを固着した後に、ダイアフラムプレート14に固着される。
次に本実施例に示されたヘッドの製作方法について図12を参照して説明する。
押圧プレート15Aは、まずエッチング等により梯子状に形成された後、圧電素子の先端平坦部が当接される領域以外の両端部を、プレス曲げ加工方法によりコ字状に曲げられる。そして、一方が固定基板21に固着されたバルク状圧電体20の自由端面に、前記コ字状に曲げられた押圧プレート15Aを接着する。コ字形に曲げられた部分の穴部の長さEは、圧電素子19の伸縮方向の長さFよりも長くしておく。バルク状の圧電体20の側面から見るとちょうど窓の様に圧電体20を見ることができ、その隙間にダイシング砥石を入れることで容易に分割可能となる。
上記梁部5の間にダイシングソウやワイヤーソーを挿入してバルク状圧電体2を切断して櫛歯状の圧電素子19を有する圧電素子群18を形成する。分割された圧電振動子19の自由端面のほぼ中央位置には梁部5が接着された状態で残り、これをオリフィスプレート11、チャンバープレート12、リストリクタプレート13、及びダイアフラムプレート14からなるインク流路基板10のダイアフラムプレート14に接着する。このようにすることでノズル1の実装密度が大きくなってもそれに比例して圧電素子の厚み薄くする必要はなく、圧電素子19の剛性を確保しつつ第1の実施例とほぼ同等な効果を得ることが可能となる。
ここで、前記押圧プレート15Aのコ字曲げ部の長さは、圧電素子の伸縮方向の自由長よりも十分に大きいことが望ましい。押圧プレート15Aの梁部5は両端で連結されているが、十分な長さを取ることで梁部5の自由となる長さが長くなりダイアフラムプレート14に接着されていない梁部5の剛性が小さくなる。これにより圧電子素子19が伸縮する際に、前記接着されていない梁部が振動等を吸収し、連結部を介して隣接圧電素子19への影響を防止することができる。
次に本発明の第5の実施例を図13を参照して説明する。
本実施例においては、梯子状に形成されコ字状に曲げられた押圧プレート15Aに、実施例4と同様にバルク状圧電体20を先に接着する。その後、梯子状の折り曲げ部40を切断する。これにより、圧電体20の自由端の先端面には前記梁部5のみが固着された状態で残る。その後、前記梁部5がほぼ中央に位置するように、その隙間にダイシング砥石を入れ、等間隔で櫛歯状に分割していく。これをダイアフラムプレート14に当接固着することで、実施例3と同等の性能を得ることが可能となる。ここで、前記押圧プレート15Aの折り曲げ部40を切断し易くするために、切断部を細く縊れた状態にしておくことでも良い。
このような構成にすると、押圧プレート15Aの曲げ部が削除されたことにより、圧電素子群18が挿入されるときの作業性の向上が図れる。また、高剛性部材に前記押圧プレートの曲げ部の接触の恐れを防止し、信頼性の高いインクジェットヘッドを提供することが可能となる。更に、梁部5同士を接続する部分が切断されるので、隣接圧電素子への影響は全くなくなる。
以上の第1から第5の実施例の説明において、圧電素子のタイプは、d33タイプとしたが、d31タイプの圧電素子を利用しても同様な効果を有することができることは説明するまでもない。
本発明により、信頼性の向上及び液滴吐出特性の安定化が図れるので、高精細な印刷品質が要求される印刷分野や液滴の吐出量の精度が要求される分野のインクジェットヘッド及び液滴吐出装置に利用できる。
本発明にかかるインクジェットヘッドの一実施例の構成を示す斜視図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの一実施例の構成を示す断面図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの動作を説明するための説明図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの動作を説明するための説明図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの動作を説明するための説明図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの動作を説明するための説明図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの圧電素子に印加される駆動パルスの波形図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドのダイアフラムプレートの変形を示す解析図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの他の実施例に用いられる押圧プレートの平面図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの他の実施例の構成を示す断面図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの他の実施例に用いられる押圧プレートの平面図である。 インクジェットヘッドにおける加圧室の体積変化の状態を説明するための説明図である。 インクジェットヘッドにおける加圧室の体積変化の状態を説明するための説明図である。 インクジェットヘッドにおける加圧室の体積変化の状態を説明するための説明図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの他の実施例に用いられる押圧プレートの平面図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの他の実施例の構成を示す断面図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの他の実施例に用いられる押圧プレートの斜視図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの他の実施例に用いられる押圧プレートの斜視図である。 従来のインクジェットヘッドの断面図である。 本発明にかかるインクジェットヘッドの一実施例に用いられる押圧プレートの平面図である。
符号の説明
1:ノズル開口
2:加圧室
2A:加圧室
2B:加圧室
3:リストリクタ
4:フィルター
5:押圧プレート梁部
5b:梁部
6:開口部
7:インク供給略
8:共通のインク溜り
10:インク流路基板
11:ノズルプレート
12:チャンバープレート
13:リストリクタプレート
14:ダイアフラムプレート
15:押圧プレート
15A:押圧プレート
16:高剛性部材
18:圧電素子群
19:圧電素子
20:バルク状圧電体
50:インク
51:インク滴

Claims (11)

  1. インク滴を吐出する複数のノズル開口を有するノズルプレートと、前記ノズル開口に対応した圧力室を複数個配列した流路基板と、前記圧力室を封止するように形成した振動板を有するダイアフラムプレートと、前記圧力室に対向する位置に振動板を挟むように配置された圧電素子群とを有するインクジェットヘッドにおいて、
    前記圧電素子群と前記ダイアフラムプレートとの間に押圧プレートを備え、該押圧プレートには細長い梁部が梯子状に形成され、押圧プレートの一方の面の各梁部に前記圧電素子群の各圧電素子が固着されてなり、
    前記押圧プレートの梁部の両端は、前記振動板に接触しないように圧電素子側に曲げられていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 梯子状に形成された前記押圧プレートの梁部は、前記圧電素子の幅よりも狭く、該圧電素子の長手方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記押圧プレートの梁部は、前記圧電素子が固着される中央部の梁部の幅よりも、その端部の幅が細くなっていることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記複数個の圧力室のうちの端部に位置する圧力室に対応する押圧プレートの梁部は、端部以外の場所に位置する圧力室に対応する梁部よりも細いことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記押圧プレートの梁部の間隔は、前記圧力室のピッチ間隔の1/2であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記押圧プレートの梁部をバルク状の圧電体に固着した後に、前記振動板に当接固着される以外の部分を削除し、櫛歯状に複数の圧電素子に分割した後に前記振動板に固着することを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記流路基板を構成する部材と、前記押圧プレートとは同じ材料からなることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記流路基板を構成する部材と、それを固定する部材と、前記押圧プレートとは、線膨張係数がほぼ同一の材料より構成されることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記押圧プレートの梁部は、複数の圧力室が列状に配列された列方向と直角方向に延在する第1の梁部材と、上記列方向に延在する第2の梁部材とから形成されることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  10. 請求項9において、第1の梁部材の幅は、第2の梁部材の幅より大きいことを特徴とするインクジェットヘッド。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項記載のインクジェットヘッドを備えた液滴吐出装置。
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