JP4460142B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装体に関し、特に、生鮮食品、惣菜等の包装において軽量トレーに食品を入れ、エッジ(フランジ)部分をラップフィルムでシールして蓋部分を形成した食品用として最適な包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、生鮮食品や惣菜等のプリパッケージ包装としては、軽量ポリスチレンペーパー(PSP)トレーに入れた食品をストレッチフィルムでオーバーラップ包装した包装形態(ストレッチ包装)が最も普及している。しかしながら、汁や油分等の液体を含む食品の場合には、液体がトレーのエッジ部から底部分に回り込んだりして見栄えを損なったり、シール部分の剥がれを生じたりすることがある。
【0003】
また、積み重ねやハンドリングによる形状の崩れ、ラップしたフィルムの剥がれ防止等、ディスプレー効果や商品の保護を重視する惣菜類においては、透明の蓋付容器が使用される場合も増えている。しかしながら、蓋付容器の場合は、包装材料としてのコストが高く付くことと、蓋と底材との嵌合部分から液漏れが生じるなどの問題については、ストレッチ包装と同様に解決できていない。さらに、容器の廃棄処理の際には、ストレッチフィルムより嵩張り,また重量も増すという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、PSPトレーの上にフィルムをかぶせてフランジ部分をヒートシールするトップシール方式の包装形態もごく一部で採用されている。しかしながら、この包装形態は、包装機の機構上、トレーの形状が限られること、また、フィルムのシール側の層は、トレーと同一のスチレン系材料の層であることを必要とし、これに伴ってフィルムに接着樹脂層が必要となる場合がある。その結果、フィルムのコストが高くなることや、ストレッチフィルムとしての十分な伸び特性を有していないため、包装後にしわが残るなどの問題があり、さほど普及していない。
【0005】
また、ポリスチレン系の材料からなるトレーの代わりに、ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂からなるトレーを用いることが考えられる。しかしながら、市販のポリオレフィン系ストレッチフィルムをそのまま転用してトレーのフランジ部をシールした場合、しわなく包装はできるものの、十分なシール強度が得られないという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、フィルムの使用面積が少なく、包装コストが安く、かつ、液漏れがほぼ完全に防止でき、十分なシール強度が得られる包装体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の包装体は、ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂からなるトレー若しくはこれらの樹脂を表面にラミネートしたトレーを用い、トレー上面のエッジ(フランジ)部分にラップフィルムをヒートシールしてなる包装体であって、該ラップフィルムが2層以上の構造で、トレーとヒートシールされる層がメタロセン系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)からなり、示差走査熱量計で走査速度10℃/分で昇温させて測定した結晶融解ピーク温度が前記樹脂(A)より10〜70℃高い樹脂(B)からなる層が該樹脂(A)層に積層され、該樹脂(A)の密度が0.86〜0.93g/cm の範囲で、樹脂(A)層の厚みが0.5μm以上であり、かつ、該ラップフィルムのなかで該樹脂(A)層が占める総厚みが10μm未満であることを特徴としている。
【0008】
また、この直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)に積層される樹脂(B)がポリプロピレンを30重量%以上含んでいること、さらに、前記トレーとラップフィルムとのヒートシール面の剥離強度が、300g/15mm巾以上であることを特徴としている。
【0009】
本発明の包装体は、以上のようなトレーとラップフィルムとを用い、トレー上部のみにラップフィルムをヒートシールすることにより、蓋付容器や従来のオーバーラップするストレッチ包装に比べて液漏れ防止効果が格段に高い上、包装コスト的にも優れた包装形態を提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の包装体は、ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂からなるトレー若しくはこれらの樹脂を表面にラミネートしたトレーの上面のエッジ(フランジ)部分にラップフィルムをヒートシールした包装体であって、前記ラップフィルムの構造を特定の樹脂からなる二層以上の構造とすることにより、包装時のフィルムの溶断性と包装後の高いヒートシール強度とを両立させたものであり、包装適性と液漏れ防止性とに優れた画期的な包装形態である。
【0011】
前記トレーは、ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂からなるもの若しくはこれらの樹脂を表面にラミネートしたものである。表面にポリプロピレン又はポリエチレンの層が形成されることにより、例えば、少量の油分を含む食品を包装した場合で、電子レンジで加熱した際にも、トレーが変形や溶融することがなく、形状を保持できる実用的な耐熱性を付与できるとともに、後述するラップフィルムとのヒートシールにおいて十分なシール強度が得られる。
【0012】
トレー表面を形成する樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂であれば特に限定されるものではないが、ポリプロピレン系樹脂の場合、ラップフィルムのヒートシール側樹脂の融点と近い融点を有していることが好ましいため、比較的融点の低いプロピレンとエチレンとのランダムコポリマーがより好ましい。
【0013】
一方、トレー上面にシールされるラップフィルムの材質及び構造は、2層以上の積層構造の表裏層の内、少なくともトレーとヒートシールされる面が、メタロセン触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)層となっている。このヒートシール面側の樹脂(A)は、密度が0.86〜0.93g/cmの範囲で、層厚みが0.5μm以上であり、かつ、該ラップフィルムのなかで該樹脂(A)層が占める総厚みが10μm未満とすることが好ましい。また、この直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)層は、該樹脂(A)より融点が10〜70℃高い樹脂、具体的には、示差走査熱量計で走査速度10℃/分で昇温させて測定した結晶融解ピーク温度が該樹脂(A)より10〜70℃高い樹脂(B)からなる層と積層されている。
【0014】
本発明の目的を達成するため、ヒートシール面側の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)は、メタロセン系触媒によって製造されたものでなければならない。メタロセン系触媒による直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、従来のチーグラー、ナッタ触媒により製造されたポリエチレン樹脂に比べ、分子量分布や分岐状態がより均一であり、より高いヒートシール強度が得られる。本包装体では、ヒートシール面がトレーのフランジ部に限られるため、その部分で完全なシールが要求されるが、後述の実施例で示すように、ヒーターローラーを4本用いたシール機構により、シール条件が何等かの要因で少々変動しても、メタロセン系の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂であれば、極めて安定したシール状態が得られるという特筆すべき効果が得られる。
【0015】
本発明で用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)の密度は、0.86〜0.93g/cmの範囲が好ましい。密度が0.86g/cm未満では、フィルムの結晶性及び融点が低すぎてフィルムがブロッキングし易く、フィルム巻出し時の剥離抵抗が大きくなりすぎたり、トレーとのヒートシールの際にシール層が完全に溶融して十分なシール強度が得られなくなることがある。また、密度が0.93g/cmを超えると、結晶性が高すぎてシール温度範囲が狭くなり、やはり十分なシール強度が得られなくなる。また、後述するインフレーション法による製膜方法においては、十分な透明性が得難いという問題がある。
【0016】
さらに、ヒートシール面側の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)層の厚みは、0.5μm以上が好適であり、更に好ましくは1μm以上である。0.5μm未満では、トレーとヒートシールした場合に十分なヒートシール強度が得られない。しかしながら、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)は、熱によって溶断した場合、カット面がきれいでなく、糸を引くように切れるため、ヒートシール巾が不安定になったり、溶融樹脂がフランジ部分やヒーター部分に付着するなどの不具合を生ずることがあるので、このヒートシール面側の層を含めて、ラップフィルム全体における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)層の総厚みを10μm以下としておくことが好ましい。
【0017】
また、ラップフィルムの溶断時のカット性(溶断性)を向上させるためには、溶断性が良好な樹脂と積層することが好ましい。具体的には、高圧法で製造された長鎖分岐型低密度ポリエチレン、ポリブテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン系重合体のアイオノマー、プロピレン系重合体等を例示することができる。
【0018】
一方、本包装体のシール機構上、溶断性のみではなく、ヒートシールに耐え得るフィルムの耐熱性も両立させることが必要であり、このためには、前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)より融点が10〜70℃高い樹脂(B)層を少なくとも1層有する2層以上の積層構成とすることが必要である。具体的には、樹脂(B)層としてプロピレン系重合体を30重量%以上含有した樹脂層を配することが好適である。プロピレン系樹脂は、一般にポリエチレン系樹脂より20℃〜60℃高い融点を有しており、ラップフィルムにヒートシールのための熱が加わった場合に、フィルムの溶融による穴明きを防止でき、フィルム全体としての耐熱性向上の面で好適である。この点から、プロピレン系樹脂の含有量が30重量%以上が好ましく、30重量%未満では、混合樹脂層の実質的な耐熱性が十分でなく、包装時のヒートシールでフィルムの溶融による穴明きが発生することがある。
【0019】
但し、ラップフィルムとしての柔軟性や伸びの均一性を付与するため、必要に応じてプロピレンとエチレン又はエチレン−プロピレンラバー等とを共重合した比較的軟質なポリマーや立体規則性を制御した低結晶性のプロピレン系重合体、ビニル芳香族と共役ジエンとの共重合体又はその水素添加誘導体等をブレンドして柔軟性を付与することが好ましい。このとき、メルトフローレシオ(MFR)は、0.2〜10g/minのものが成形性の面から好適である。
【0020】
さらに、本発明においては、ヒートシール層以外に、溶断性の良好なその他の樹脂(C)を積層することもできる。特に空冷インフレーション法による成形においては、透明性の向上や成形時のバブルの安定性を改善するため、新たな樹脂層を設けることも可能である。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体を好適に用いることができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体は、溶断性が比較的良好であり、かつ、透明性、バブルの安定性を向上させることができ、さらに、後述する添加剤との相溶性にも優れており、ヒートシール層以外の層として好適である。
【0021】
積層構成としては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層をA層,プロピレン系樹脂からなる層をB層、それ以外の溶断性の良好な樹脂層をC層としたとき、
A層/B層
A層/B層/A層
A層/B層/C層
A層/B層/C層/A層
A層/B層/C層/B層/A層
A層/C層/B層/C層/A層
などのように組み合わせることができる。この際、いずれかの層に再生原料を混合したり、これら積層フィルムからの再生原料の層を付加したりして原料の有効利用を図ることもできる。
【0022】
ラップフィルムの総厚みは5〜30μmが好ましく、更に好ましくは8〜20μmである。フィルムの総厚みが5μm以下では、商品の積み重ね等によってたるみや破れが生じる心配があり、また、30μmを超えると、フィルムのコスト面で不利になるばかりでなく、包装時に若干ストレッチされる場合は、フィルムの収縮応力が高くなりすぎ、トレーが変形したり、しわが残ったりすることがある。
【0023】
前記ラップフィルムは、押出機から材料を溶融押出しし、インフレーション成形又はTダイ成形法により、フィルム状に成形することによって得ることができる。積層フィルムとする場合には、多層ダイにより共押出しするのが有利である。
【0024】
実用的には、ストレッチ時のMD、TD両方向の伸び特性バランスの点から、材料樹脂を溶融押出ししてインフレーション成形するのが好ましく、その際、ブローアップ比(バブル径/ダイ径)は4以上、特に5〜7の範囲が好適である。
【0025】
また、ラップフィルムには、防曇性、帯電防止性、滑り性等の性能を付与するため、各種添加剤を添加することができる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加物等の界面活性剤を適宜添加することができる。
【0026】
以上のような構成のラップフィルムが、前記のトレー(食品等の被包装物が載せられている)に被せられ、トレーのフランジ部でヒートシールされて蓋を形成するとともに、フランジ部からはみ出したフィルム部分が溶断されて本発明の包装体(第8図参照)が形成される。なお、トレーにフィルムを被せてフランジ部でヒートシールを行う際には、後述の実施例で示すような包装機を用いることが好ましい。
【0027】
本発明において、ラップフィルムをトレーのフランジ部でヒートシールするには、ヒーターがラップフィルムの上からトレーのフランジ部を押さえることにより行われる。ヒートシール条件としては、ヒーターの自重でラップフィルムを押さえながら、通常180℃から200℃の範囲の温度で、ヒーターローラがフィルム上を移動するシールスピードを100msec/cm〜200msec/cmとして行うことができる。
【0028】
トレーのフランジ部からはみ出したラップフィルムの溶断は、ヒートシールと同時又はその直後に行われるが、ラップフィルムが加熱状態にあることから、後述の実施例で示されているように、ラップフィルムには適度の張力がかかっているため、トレーからはみ出したラップフィルムは、引っ張られながら溶断されることになる。なお、このとき、カッターを補助的に用いてもよい。
【0029】
このようにして本包装体を得るには、ラップフィルムには適度なストレッチ性に加え、良好なヒートシール性と、フランジ端部での溶断性とが要求され、溶断性が良くなければ、外観の良い包装体が得られない。本発明では、上記構成のラップフィルムを用いることにより、初めて実用的な包装体を得ることに成功したものである。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により、本発明の効果を明らかにする。なお、フィルムの特性・性能及び包装サンプルの特性については、次の方法により測定、評価した。
【0031】
1)材料樹脂の結晶融解ピーク温度
パーキンエルマー社製DSC−7を用いて下記条件で材料を昇温したときの結晶融解ピーク温度を測定した。
温度条件:−50℃(1分間保持)→250℃(1分間保持)
走査速度:10℃/分
【0032】
2)フィルムのヘーズ値
日本電色工業株式会社製NDH2000を使用して得られたラップフィルム一枚のヘーズ値を測定した。
【0033】
3)包装時の溶断性
トップシール包装機(株式会社イシダ製(特願2000−104433号記載)の包装機)を用いて所定のトレーをラップフィルムで包装し、溶断シールしたときのラップフィルム端面のカット状態を評価した。
【0034】
4)シール強度
包装サンプルのヒートシールされたフランジ部分から、フランジに対して直角方向に15mm巾の短冊状試験片を12個切り出し、ラップフィルム側を伸び防止のためテープを貼って裏打ちした後、島津製作所製の引っ張り試験機AGS−H,500Nを使用し、温度20℃、チャック間50mmでラップフィルムとトレーとをそれぞれチャックして引っ張り試験を行い、最大剥離荷重をヒートシール強度とし、12個のデータを平均して求めた。
【0035】
5)液漏れ振動試験
▲1▼包装サンプルの作成
前述のトップシール包装機を用いてトレー(トレーのフランジ部の巾5mm、フランジを含むトレーの寸法は、長さ100mm、巾80mm、高さ30mm)に50gの水を入れて包装サンプルを作成する。
【0036】
▲2▼加振条件
加振時間:24時間
振動周波数:5Hz〜50Hz(往復で12分)
掃引方式:対数掃引
加振加速度:1G
【0037】
▲3▼評価方法
加振試験後にトレーを傾け、フィルムに押し圧をかけた状態でピンホールや水漏れのチェックを行い、その状態を観察した。
【0038】
6)製膜の安定性
インフレーション製膜設備によりフィルムを成形する際のバブル安定性を評価した。評価は以下の通りとした。
◎ 極めて安定している
○ 安定している
△ やや不安定である
× 製膜不可
【0039】
実施例1
(1)ラップフィルム
《中間層樹脂構成》・・・(B)
▲1▼プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン2mol%,230℃におけるMFR=2.3g/10分,結晶融解ピーク温度150℃)
(以下PPと略す) :50重量%
▲2▼プロピレン−エチレンプロピレンラバー共重合体(エチレン23mol%,230℃におけるMFR=1.5g/10分、結晶融解ピーク温度152℃)
(以下PERと略す) :20重量%
▲3▼スチレン20重量%、ポリイソプレン80重量%からなるスチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加誘導体
(以下HSISと略す) :30重量%
以上の▲1▼、▲2▼、▲3▼の3成分からなる混合樹脂組成物を中間層とした。この混合樹脂組成物の結晶融解ピーク温度は151℃であった。
【0040】
《表裏層樹脂構成》・・・(A)
メタロセン系触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(エチレン−ヘキセン−1共重合体、密度0.905g/cm,190℃におけるMFR=3.5g/10分、結晶融解ピーク温度97℃、以下MLLと略す)98重量%に、防曇剤としてジグリセリンモノオレート2重量%を溶融混合した組成物を表裏層とした。
【0041】
上記中間層及び表裏層を形成する樹脂組成物から共押出しインフレーション法により、総厚み15μm(厚み比3μm/9μm/3μm)のフィルムを得た。
【0042】
(2)トレー
トレーは、発泡ポリスチレンの表面にポリプロピレンフィルム(厚さ30μm)をラミネートしたもの(トレーのフランジ部の巾5mm、フランジを含むトレーの寸法は、長さ100mm、巾80mm、高さ30mm)を準備し、トレーの中に水50gを入れた。
【0043】
(3)包装体の形成
図1乃至図3に、トップシール包装機1の構造及び動作の概要を示す。このトップシール包装機1において、被包装物(本実施例では水)が載せられたトレー12(被包装物は図示せず)が保持部材2上に載ると、フィルム供給機構5のフィルムロールセット部51からラップフィルム10が繰り出される(図1)。搬送ローラ52a,52bに掛け渡されている2本のベルト54a及び押えローラ52c,52dに掛け渡されている2本のベルト54b(これらのベルトは、フィルムの幅方向の端部を押さえるように取り付けられている)を搬送方向に対して直交する方向に移動させ、ラップフィルムを幅方向に引き伸ばす。これによりラップフィルム10には幅方向に張力がかかった状態となる。次に、リフト機構6の移動部63が上昇し、トレー12がラップフィルム10を突き上げて停止する(図2)。
【0044】
トレー12の突き上げにより、ラップフィルム10にはさらに搬送方向に沿った張力がかかる。ラップフィルム10は、図6に示すように、トレー12のフランジ部に密着した状態となる。次に、押え板73に対するレバー機構74の下方への付勢を排除させ、リンク機構72を開放することにより、ヒートローラ3が自重によりトレーに接触するまで移動する(図3)。図4に示すように、ヒートローラ3は、4個備えられているが、それぞれ独立しているため、同じ圧力でトレー10に接触する。
【0045】
次に、モータ82によって、回転軸81を所定角度だけ回転させることにより、図5に示すようにヒートローラ3が回転する。このとき、ヒートローラ3は、トレー10のフランジ部をなぞるように移動する。本実施例では、ヒートローラ3の表面温度は190℃に設定されており、これにより、トレー12のフランジ部にフィルム10がヒートシールされ、それからはみ出している部分は溶断される(図7)。なお、本実施例では、ヒートローラ3のシールスピードは、100msec/cmである。
【0046】
トレー12のフランジ部へのラップフィルム10のシールを終えると、ヒートロール3は引き上げられ、リフト機構6によってトレー12は下降し、包装が完了してトレー12が保持部材2から取り出される。上記の包装作業により、フィルムの中央部が抜かれたフィルム10は、巻き取りローラ53により巻き取られる。これにより、図8に示す状態の包装体が得られる。なお、本実施例では、トレー12の中に水を入れてシールを行ったが、食品等の被包装体をトレーに載せてシールを行っても同様の手順でシールすることができ、被包装体の高さがトレーの深さよりも大きい場合は、ラップフィルムが被包装体に沿って盛上がった状態になる。
【0047】
実施例2
エチレン−酢酸ビニル共重合体(va=15重量%,190℃におけるMFR=2.3g/10分、結晶融解ピーク温度91℃:以下EVAと略す)98重量%に防曇剤としてジグリセリンモノオレート2重量%を溶融混合した組成物を、新たに2、4層として実施例1と同様の中間層、表裏層の樹脂組成物の間に設けて5層構成とし、共押出しインフレーション法により、総厚み15μm(厚み比2μm/2μm/7μm/2μm/2μm)のフィルムを得た。このフィルムを使用し、実施例1と同様のトレーに同様の手順で包装した。
【0048】
実施例3
実施例2と同様の材料構成のフィルムで厚み比のみを変更した総厚み15μm(厚み比11μm/2μm/9μm/2μm/1μm)のフィルムを作成し、このフィルムを使用して実施例1と同様のトレーに同様の手順で包装した。
【0049】
実施例4
実施例3と同様のフィルムを用い、トレーは発泡ポリスチレンの表面にポリエチレンフィルム(厚さ30μm)をラミネートしたもの(長さ100mm、巾80mm、高さ30mm)に代えて包装した。
【0050】
比較例1
実施例2の表裏層の材料のみをチーグラー、ナッタ触媒により重合された直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン−オクテン−1共重合体、密度0.917g/cm,190℃におけるMFR=2.1g/10分、結晶融解ピーク温度114℃:以下LLと略す)98重量%に防曇剤としてジグリセリンモノオレート2重量%を溶融混合した組成物に変更した以外は、実施例2と同様にして総厚み15μm(厚み比2μm/2μm/7μm/2μm/2μm)のフィルムを得た。このフィルムを使用して実施例1と同様のトレーに同様の手順で包装した。
【0051】
比較例2
実施例1の表裏層を実施例2で2、4層に使用したエチレン−酢酸ビニル共重合体(va=15%,190℃におけるMFR=2.3g/10分)98重量%に防曇剤としてジグリセリンモノオレート2重量%を溶融混合した組成物に代えた以外は実施例1と同様にして総厚み15μm(厚み比3μm/9μm/3μm)のフィルムを得た。このフィルムを使用して実施例1と同様のトレーに同様の手順で包装した。
【0052】
比較例3
実施例1と同様の材料構成で厚み比のみを変更し、総厚み15μm(厚み比6μm/3μm/6μm)のフィルムを得た。このフィルムを使用して実施例1と同様のトレーに同様の手順で包装した。
【0053】
比較例4
実施例2と同様の材料構成で厚み比のみを変更し、総厚み15μm(厚み比0.3μm/3.7μm/7μm/3.7μm/0.3μm)のフィルムを得た。このフィルムを使用して実施例1と同様のトレーに同様の手順で包装した。
【0054】
比較例5
表裏層は実施例1と同様のMLL系樹脂組成物を用い、また中間層は実施例2の2、4層で用いたものと同様のEVA系樹脂組成物を用い、実施例1と同様に総厚み15μm(厚み比3μm/9μm/3μm)のフィルムを得た。このフィルムを使用して実施例1と同様のトレーに同様の手順で包装した。
【0055】
比較例6
表裏層は実施例1と同様のMLL系樹脂組成物を用い、また中間層はポリアミド樹脂(結晶融解ピーク温度220℃)を用い、実施例1と同様に総厚み15μm(厚み比3μm/9μm/3μm)のフィルムを得た。このフィルムを使用して実施例1と同様のトレーに同様の手順で包装した。
【0056】
比較例7
実施例2と同様のフィルムを用いてトレーのみを発泡ポリスチレンの表面ラミネートなし(長さ100mm、巾80mm、高さ30mm)に変更して包装した。このフィルムを使用して実施例1と同様のトレーに同様の手順で包装した。
【0057】
比較例8
実施例1で用いたトレーと、市販のポリオレフィン系ストレッチフィルムを用いて中に50gの水を入れ、突き上げ包装機((株)イシダ製WminiZERO1)でオーバーラップ包装した。
【0058】
比較例9
通常の嵌合蓋付容器を用い、中に50gの水を入れ蓋をした。
【0059】
各実施例及び各比較例におけるフィルム特性を表1に、各包装サンプルの特性評価を表2に、総合評価基準を表3にそれぞれ示す。
【0060】
【表1】
Figure 0004460142
【0061】
【表2】
Figure 0004460142
【0062】
【表3】
Figure 0004460142
【0063】
これらの結果から、各実施例のフィルムは、いずれも本包装形態における重要な特性、品質を全て満足しており、優れた包装体を形成できることが分かる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の包装体は、従来のストレッチ包装に比べてフィルムの使用面積が少なく、また、蓋付き容器に比べても包装コストが安く、かつ、いずれの包装形態に比較しても液漏れを略完全に防止できる従来にない画期的な包装体であり、特に食品用包装体として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の包装体を製造するために用いられる包装機の概略図である。
【図2】 包装動作の説明図である。
【図3】 包装動作の説明図である。
【図4】 トレー及びヒートローラの配置を示す平面図である。
【図5】 ヒートローラの動作を示す平面図である。
【図6】 フィルムがトレーのフランジに密着した状態を示す図である。
【図7】 フィルムがトレーのフランジ部にヒートシールされ、フィルムが溶断される状態を示す図である。
【図8】 被計量物が載せられた本発明の包装体の概要断面図である。
【符号の説明】
1…包装装置、2…トレーの保持部材、3…ヒートローラ、5…フィルム供給機構、6…リフト機構、10…ラップフィルム、11…被包装物、12…トレー、51…フィルム供給ローラ、52a,52b…搬送ローラ、52c,52d…押えローラ、53…フィルム巻き取りローラ、54…ベルト、63…移動部、72…リンク機構、73…押え板、74…レバー機構、81…回転軸、82…モータ

Claims (3)

  1. ポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂からなるトレー若しくはこれらの樹脂を表面にラミネートしたトレーを用い、トレー上面のエッジ部分にラップフィルムをヒートシールしてなる包装体であって、該ラップフィルムが2層以上の構造で、トレーとヒートシールされる層がメタロセン系触媒により製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)からなり、示差走査熱量計で走査速度10℃/分で昇温させて測定した結晶融解ピーク温度が前記樹脂(A)より10〜70℃高い樹脂(B)からなる層が該樹脂(A)層に積層され、該樹脂(A)の密度が0.86〜0.93g/cm の範囲で、樹脂(A)層の厚みが0.5μm以上であり、かつ、該ラップフィルムのなかで該樹脂(A)層が占める総厚みが10μm未満であることを特徴とする包装体。
  2. 前記ラップフィルムにおける前記直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(A)に積層される樹脂(B)がポリプロピレンを30重量%以上含んでいることを特徴とする請求項記載の包装体。
  3. 前記トレーとラップフィルムとのヒートシール面の剥離強度が、300g/15mm巾以上であることを特徴とする請求項記載の包装体。
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