JP4459742B2 - 光学的立体造形装置 - Google Patents
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この光造形技術によって立体造形物を製造するに当たっては、造形精度(解像度)の点から、面状描画マスクから投影される光硬化性樹脂組成物表面での隣接する微小ドットエリア間の距離は0.1mm以下であることが必要であるとされており、そのため、画素数は、例えば、造形エリアサイズが250mm×250mmの小型のもので少なくとも2500×2500ドット程度必要であり、また造形エリアサイズが600mm×600mmの中型のものでは少なくとも6000×6000ドット程度必要である。しかしながら、現存する液晶マスク(液晶シャッター)や、デジタルマイクロミラーシャッターではこれを実現する解像度のものは存在しないか、または存在しても極めて高価である。
そのため、面状描画マスクを固定配置したこの光造形技術による場合は、精細度(造形精度)に優れる大型の立体造形物を製造することは困難であり、精細度(造形精度)の点から小型の立体造形物の製造にしか適用できないというのが現状である。
さらに、複数組の光学装置系のいずれかを休止させることなく全ての光学装置系を活用しながら造形しようとする場合は、造形時における各光学装置系の移動経路の設計および制御を極めて厳密に行う必要があることなどが判明した。
また、複数組の光学装置系の各々を個別に移動させながら光造形を行う場合は、各光学装置系を移動させるために複数の駆動装置がそれぞれ必要になり駆動系が複雑で高価になることが判明した。
(1) (I)載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するための手段;
(II)光発射手段および面状描画マスクを少なくとも備え、光発射手段から発射された光を、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に面状描画マスクのマスク画像に対応した所定の形状パターンで照射するための光学装置系の複数組;
(III)複数組の光学装置系における各面状描画マスクの全面透光時に各面状描画マスクを介して造形面に照射される各光形状パターン同士を各光形状パターンの端部または端部近傍で互いに密接させるかまたはオーバーラップさせて光硬化性樹脂組成物よりなる造形面において全体で1つの連続した光形状パターンを形成するための連続パターン化手段;および、
(IV)複数組の光学装置系の配置形態を、前記(III)の連続パターン化手段によって前記した全体で1つの連続した光形状パターンを造形面に形成させ得る配置形態に維持しながら、複数組の光学装置系を一緒に移動させるための手段;
を有することを特徴とする光学的立体造形装置である。
(2) 前記(III)の連続パターン化手段が、複数組の光学装置系のうちの少なくとも1つの光学装置系における面状描画マスクの下流に配置した偏角プリズムである前記(1)の光学的立体造形装置である。
(3) 複数組の光学装置系における各面状描画マスクが方形の面状描画マスクであり、複数組の光学装置系の配置形態が、各面状描画マスクの全面透光時に各面状描画マスクを介して造形面に照射される複数の方形の光形状パターンが、方形の光形状パターンの対角線上の端部で互いに対角配置状態で密接またはオーバーラップして全体で1つの連続した形状パターンを造形面に形成するか、或いは方形の光形状パターンの辺部で互いに直列配置状態で密接またはオーバーラップして全体で1つの連続した形状パターンを造形面に形成する配置形態であって、前記(III)の連続パターン化手段が複数組の光学装置系の前記配置形態下に全面透光時に各面状描画マスクを介して造形面に照射される複数の方形の光形状パターンを前記した対角配置状態または直列配置状態で密接またはオーバーラップして全体で1つの連続した形状パターンを造形面に形成する手段である前記した(1)または(2)の光学的立体造形装置である。
(4) 各光学装置系が面状描画マスクの下流に投影レンズを有し、面状描画マスクの下流に前記(III)の連続パターン化手段を有する光学装置系では面状描画マスクの下流で且つ前記(III)の連続パターン化手段の上流に投影レンズを有する前記(1)〜(3)のいずれかの光学的立体造形装置;
(5) 各光学装置系における面状描画マスクが、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状に配置した面状描画マスクである前記(1)〜(4)のいずれかの光学的立体造形装置;および、
(6) 各光学装置系における面状描画マスクが、液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである前記(1)〜(5)のいずれかの光学的立体造形装置;
である。
(7) 複数組の光学装置系における各面状描画マスクがマスク画像を連続的に変化させ得る面状描画マスクであり、複数組の光学装置系を一緒にして移動させる前記(IV)の手段が複数組の光学装置系を一緒にして連続移動させ得る手段であり、各面状描画マスクのマスク画像を複数組の光学装置系の連続移動に対応させて連続的に変化させる手段を有する前記(1)〜(6)のいずれかの光学的立体造形装置である。
そして、本発明は、
(8) 前記(1)〜(7)のいずれかの光学的立体造形装置を用いて光造形を行う方法である。
本発明の光学的立体造形装置を用いて光造形を行うことにより、エネルギー強度にムラや分布のない均一な光を連続した大きな光形状パターンで光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に照射することができるので、硬化ムラや強度ムラのない均一で高品質の光学的立体造形を製造することができる。
本発明の光学的立体造形装置では、造形面上に複数組の光学装置系を配置してあっても、光学装置系を移動させながら造形する際に、光学装置間の衝突や経路妨害などの装置間の干渉が生じないために、複数組の光学装置系を同時に活用しながら複数組の光学装置系における各面状描画マスクを介して造形面に所定の光形状パターンを同時に照射できるので、効率よく光造形を行うことができ、造形速度が一層向上する。
また、本発明の光学的立体造形装置では、光源として高価な紫外線レーザー装置を用いずに通常の紫外線ランプのような安価な光源を使用することができ、その場合にも前記した高品質の立体造形物を、速い造形速度で円滑に製造することができる。
本発明の光学的立体造形装置は、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に、複数組の光学装置系の各面状描画マスクを介して制御下に所定の形状パターンの光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を形成した後、該光硬化した樹脂層の上に1層分の光硬化性樹脂組成物を施して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を形成し、その造形面に前記複数の面状描画マスクを介して制御下に所定の形状パターンの光を照射して所定の断面形状パターンを有する光硬化した樹脂層を更に形成する光造形工程を所定の立体造形物が形成されるまで順次繰り返して立体造形物を製造するための装置である。
本発明の光学的立体造形装置を構成する複数組の光学装置系の各光学装置系としては、光源などの光発射手段と面状描画マスクを少なくとも備えていて、光発射手段から発射された光を面状描画マスクを介して面状描画マスクのマスク画像に対応した形状パターンで光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に良好に照射できる光学装置系であればいずれでもよい。
本発明の光学的立体造形装置では、造形精度の向上、造形速度の向上、装置の軽量化、保守性の向上、装置コストのダウンなどの目的で、面状描画マスクの上流(背部側)に配置する光源などの光発射手段の種類、形状、数、面状描画マスクの形状やサイズなどに応じて、各光学装置系に、光発射手段からの光を面状描画マスクに良好に導くための手段(例えばロッドレンズ、結像レンズ、反射鏡、集光レンズやフレネルレンズなど)、また面状描画マスクによって形成されたマスク画像(面状描画マスクを通った光画像)を光硬化性樹脂組成物の表面の所定位置に高造形精度で照射させるための手段(例えば投影レンズ、プロジェクタレンズなど)などの光学部材を配置することが好ましい。各光学装置系では、光造形時に、面状描画マスクの移動と同期させて前記した各光学部材を一体に移動するようにしておく。
複数組の光学装置系における各面状描画マスクに対して、同じ種類の光発射手段を用いてもよいし、場合によっては種類の異なる光発射手段を用いてもよい。
また、光源などの光発射手段は、面状描画マスクの上流(背部側)に面状描画マスクと共に移動可能に設けてもよいし、または造形精度の向上、造形速度の向上、装置の軽量化、保守性の向上などの目的で、光源を固定位置に動かないように設けると共に光源からの光を光ファイバー、ライトガイドやその他の光伝達手段を通して面状描画マスクの背部に導き、光ファイバーやライトガイドやその他の光伝達手段を面状描画マスクと共に移動可能に設けてもよい。
また、造形速度の向上のために複数の光源を用いて集光し光エネルギーを高くさせる方式を採ってもよい。特に光ファイバーやライトガイドなどを使用する場合は複数光源を集光させ易いというメリットがある。
また、デジタルマイクロミラーシャッターとしては、例えば、テキサスインスツルメンツ社製の「DLPテクノロジー」(登録商標)のDMD(登録商標)デバイスなどを使用することができる。
具体的には、前記で例示した液晶シャッターを用いて、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面での1画素ピッチ(隣り合う画素間の距離)が0.1mm(光造形に必要とされる造形精度)になるようにして、液晶シャッターを停止させた状態で光照射を行う従来技術による場合には、その露光面サイズはQVGAで32mm×24mm、VGAで64mm×48mm、SVGAで80mm×60mm、UXGAで102.4mm×76.8mm、QSXGAで256mm×264.8mmであり、露光面(断面形状パターン)の一辺のサイズが300mmを超えるような大型の立体造形物の製造は困難であった。それに対して本発明の光学的立体造形装置を用いる場合は、複数組の光学装置系の各光学装置系ごとに前記した従来市販の液晶シャッターなどを面状描画マスクとして配置し、各面状描画マスクの全面透光時に各面状描画マスクを介して造形面に形成される各光形状パターン(全体では複数の光形状パターン)が互いに連接して全体で1つの連続した大きな光形状パターンとなる配置形態を維持しながら光学装置系を移動させて光造形を行うので、一辺のサイズが300mmを超えるような大型の立体造形物をも、高い造形精度で、しかも速い造形速度で、簡単に、生産性良く製造することができる。
ここで、本明細書における「面状描画マスクの全面透光時」とは、面状描画マスクが全面で開いていて光の遮断部分がない状態を意味し、例えば面状描画マスクが方形である場合は面状描画マスクのマスク画像は面状描画マスクと同じ方形をなす。
本発明の光学的立体造形装置では、複数組の光学装置系に設ける面状描画マスクは、互いに種類、サイズ、ドット数などが同じあってもよいし又は互いに異なっていてもよい。
また、光学装置系における面状描画マスクとしてDMD式面状描画マスクを用いた場合は、形成しようとする所定の断面形状とDMD式面状描画マスクの連続移動に対応させてコンピューターなどに予め記憶させた情報に応じて、面状に配置された複数の微小なミラーシャッターのうち特定のミラーシャッターは光が投影レンズおよび透光面の方向に反射される(導かれる)方向に向き、一方光を遮蔽させるべき箇所に位置するミラーシャッターは光が投影レンズおよび造形面の方向に反射されない(導かれない)方向に向き、そのような操作を、所定の断面形状を有する光硬化した樹脂層が形成されるまで連続的(動画的)に繰り返すように設計することができる。
図1において、1は光源、2はロッドレンズ、3は凸レンズ、4は反射鏡、5は集光レンズまたはフレネルレンズ、6は面状描画マスク、7は投影レンズ、8は光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を示す。
光源1から発射された光は、ロッドレンズ2、凸レンズ5および反射鏡4を経た後に、集光レンズまたはフレネルレンズ5を用いて面状描画マスク6にその全面をカバーするようにして照射される。
なお、図1では、光源1から発射された光をロッドレンズ2および凸レンズ3を経て反射鏡4に導くようにしているが、場合によってはロッドレンズ2、凸レンズ3、反射鏡4などを設けずに、光源1を集光レンズまたはフレネルレンズ5の背面側に直接配置して光源1からの光を集光レンズまたはフレネルレンズ5に直接導くようにしてもよい。また、光源1を集光レンズまたはフレネルレンズ5とは離れた場所に配置しておいて光源1からの光を光ファイバーやライトガイドなどの光伝達手段を介して集光レンズまたはフレネルレンズ5に直接導くようにしてもよい。
・該複数組の光学装置系における各面状描画マスクの全面透光時に各面状描画マスクを介して造形面に照射される各光形状パターン同士を各光形状パターンの端部または端部近傍で互いに密接させるかまたはオーバーラップさせて光硬化性樹脂組成物よりなる造形面において全体で1つの連続した光形状パターンを形成するための連続パターン化手段;および、
・複数組の光学装置系の配置形態を、前記した連続パターン化手段によって前記した全体で1つの連続した光形状パターンを造形面に形成させ得る配置形態に維持しながら、複数組の光学装置系を一緒に移動させるための手段[以下これを単に「移動手段」ということがある];
を有する。
また、図2〜図4には、3組の光学装置系がそれぞれ同じ寸法の長方形の面状描画マスクを各1個ずつ備えている場合に各面状描画マスクの全面透光時に各面状描画マスクを介して光を照射して造形面に同じ寸法を有する3つの長方形の光形状パターンが形成される場合について記載したが、図2〜図4に限定されるものではない。
本発明の光学的立体造形装置では、複数組の光学装置系における各面状描画マスクの形状および寸法がすべて同じであってもよいし、または互いに異なっていてもよい。例えば、複数組の光学装置系のうち、1つが長方形の面状描画マスクを備え、他の光学装置系は正方形の面状描画マスクを備えていてもよいし、また1つの光学装置系が長方形の面状描画マスクを備え、他の光学装置系がそれとは縦横寸法の異なる長方形の面状描画マスクを備えていてもよく、いずれの場合も複数組の光学装置系における各面状描画マスクの全面透光時に各面状描画マスクを介して造形面に照射される光形状パターン同士が端部で互いに密接またはオーバーラップして全体で1つの連続した光形状パターンを造形面に形成するように設計することが必要である。
さらに、複数組の光学装置系における各面状描画マスクを介して各面状描画マスクの全面透光時に造形面に形成される光形状パターンの配置形態は、図2に示すような直角状を保った対角配置、図3および図4に示すような直列配置であることが装置の設計の容易性、造形領域を広くできる点、画面制御の容易性などの点から好ましい。しかしながら、それに限定されるものではなく、複数組の光学装置系における各面状描画マスクを介して各面状描画マスクの全面透光時に造形面に照射される複数の光形状パターンが全体で連続した1つの光形状パターンとなるような配置形態になっている限りは、図2〜図4以外の配置形態(例えば方形の光形状パターンA、光形状パターンBおよび光形状パターンCが曲がった状態で対角線上の端部で接している場合など)になるようにして光学装置系同士の配置形態や、連続パターン化手段の種類、形状、構造などを選択することができる。
いずれの移動装置を採用する場合であっても、本発明の光学的立体造形装置では、複数組の光学装置系をそれぞれ個別に移動させるのではなく、一緒(一体)にして移動させるので、光学装置系の移動手段数を低減でき、移動手段を簡略化することができる。
使用し得る光硬化性樹脂組成物としては、例えば、光造形において従来から用いられている、ウレタンアクリレートオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、エステルアクリレートオリゴマー、多官能エポキシ樹脂などの各種オリゴマー;イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルメタクリレート、ジシクロペタニルアクリレート、ジシクロペタニルメタクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、モルホリンアクリルアミド、モルホリンメタクリルアミド、アクリルアミドなどのアクリル系化合物やN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、酢酸ビニル、スチレンなどの各種の単官能性ビニル化合物;トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなど多官能性ビニル化合物;水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートなどの各種エポキシ系化合物などを挙げることができ、これらの1種または2種以上と光重合開始剤および必要に応じて増感剤などを含有する光硬化性樹脂組成物を用いることができる。
さらに、光硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、固体微粒子やウィスカーなどの充填材を含有していてもよい。充填材を含有する光硬化性樹脂組成物を用いると、硬化時の体積収縮の低減による寸法精度の向上、機械的物性や耐熱性の向上などを図ることができる。
《実施例1》
(1) 図1に示す同じ光学装置系の3組(A1,B1,C1)を準備し、3組の光学装置系(A1,B1,C1)を図6および図7に示すように配置して、互いに位置ずれを生ずることなく一緒(一体)に連続移動するようにした。その際に、光源として三菱電気オスラム株式会社製の超高圧水銀ランプ「HXPR120W」(出力120W)、ロッドレンズ2として有限会社ワイエルティー製のロッドレンズ(Φ50)」、反射鏡4として光伸光学工業株式会社製「コールドミラー」、フレネルレンズ5(5a,5b,5c)として日本特殊光学樹脂株式会社製のフレネルレンズを、面状描画マスク(液晶描画マスク)6(6a,6b,6c)としてカシオ計算機株式会社製のVGA液晶(640×480画素)、投影レンズ7(7a,7b,7c)として株式会社ニコン製「EL−Nikkor」を使用した。また、光学装置系A1およびC1における投影レンズ7aおよび7cの直下に、偏角プリズム9a,9cとして守田光学工業社製の偏角プリズム「45゜」(偏角プリズムにおけるαの角度=45゜、βの角度=22.5゜)を、図6および図7に示すようにして取り付けた。
(3) この実施例1で要した全造形時間は6.2時間であり、1枚の面状描画マスクを使用して同じ立体造形物を製造した場合の約1/3の造形時間であった。また、光ビーム(光ビームのエネルギー強度=120mW、移動速度=5m/sec)により点描方式で造形を行って同じ立体造形物を製造した場合の造形時間(約74.5時間)に比べて、極めて高速で短時間で光造形を行うことができた。得られた立体造形物は、外観、強度に優れるものであった。
そして、本発明の光学的立体造形装置は、小型から大型に至る各種の立体造形物の製造に有効に使用することができる。
本発明の光学的立体造形装置による場合は、精密部品、電気・電子部品、家具、建築構造物、自動車用部品、各種容器類、鋳物、金型、母型などのためのモデルや加工用モデル、複雑な熱媒回路の設計用の部品、複雑な構造の熱媒挙動の解析企画用の部品、その他の複雑な形状や構造を有する各種の立体造形物を、高い造形速度および寸法精度で円滑に製造することができる。
B 1個の面状描画マスクの全面透光時に造形面に形成される光形状パターン
C 1個の面状描画マスクの全面透光時に造形面に形成される光形状パターン
A1 光学装置系
B1 光学装置系
C1 光学装置系
1 光源
2 ロッドレンズ
3 凸レンズ
4 反射鏡
5 集光レンズまたはフレネルレンズ
5a フレネルレンズ
5b フレネルレンズ
5c フレネルレンズ
6 面状描画マスク
6a 面状描画マスク
6b 面状描画マスク
6c 面状描画マスク
7 投影レンズ
7a 投影レンズ
7b 投影レンズ
7c 投影レンズ
8 光硬化性樹脂組成物よりなる造形面
9 偏角プリズム
9a 偏角プリズム
9c 偏角プリズム
Claims (8)
- (I)載置台上または光硬化した樹脂層上に、1層分の光硬化性樹脂組成物を順次供給して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面を順次形成するための手段;
(II)光発射手段および面状描画マスクを少なくとも備え、光発射手段から発射された光を、面状描画マスクを介して光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に面状描画マスクのマスク画像に対応した所定の形状パターンで照射するための光学装置系の複数組;
(III)複数組の光学装置系における各面状描画マスクの全面透光時に各面状描画マスクを介して造形面に照射される各光形状パターン同士を各光形状パターンの端部または端部近傍で互いに密接させるかまたはオーバーラップさせて光硬化性樹脂組成物よりなる造形面において全体で1つの連続した光形状パターンを形成するための連続パターン化手段;および、
(IV)複数組の光学装置系の配置形態を、前記(III)の連続パターン化手段によって前記した全体で1つの連続した光形状パターンを造形面に形成させ得る配置形態に維持しながら、複数組の光学装置系を一緒に移動させるための手段;
を有することを特徴とする光学的立体造形装置。 - 前記(III)の連続パターン化手段が、複数組の光学装置系のうちの少なくとも1つの光学装置系における面状描画マスクの下流に配置した偏角プリズムである請求項1に記載の光学的立体造形装置。
- 複数組の光学装置系における各面状描画マスクが方形の面状描画マスクであり、複数組の光学装置系の配置形態が、各面状描画マスクの全面透光時に各面状描画マスクを介して造形面に照射される複数の方形の光形状パターンが、方形の光形状パターンの対角線上の端部で互いに対角配置状態で密接またはオーバーラップして全体で1つの連続した形状パターンを造形面に形成するか、或いは方形の光形状パターンの辺部で互いに直列配置状態で密接またはオーバーラップして全体で1つの連続した形状パターンを造形面に形成する配置形態であって、前記(III)の連続パターン化手段が複数組の光学装置系の前記配置形態下に全面透光時に各面状描画マスクを介して造形面に照射される複数の方形の光形状パターンを前記した対角配置状態または直列配置状態で密接またはオーバーラップして全体で1つの連続した形状パターンを造形面に形成する手段である請求項1または2に記載の光学的立体造形装置。
- 各光学装置系が面状描画マスクの下流に投影レンズを有し、面状描画マスクの下流に前記(III)の連続パターン化手段を有する光学装置系では面状描画マスクの下流で且つ前記(III)の連続パターン化手段の上流に投影レンズを有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 各光学装置系における面状描画マスクが、微小ドットエリアでの遮光および透光が可能な複数の微小光シャッターを面状に配置した面状描画マスクである請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 各光学装置系における面状描画マスクが、液晶シャッターまたはデジタルマイクロミラーシャッターを面状に配置した面状描画マスクである請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 複数組の光学装置系における各面状描画マスクがマスク画像を連続的に変化させ得る面状描画マスクであり、複数組の光学装置系を一緒にして移動させる前記(IV)の手段が複数組の光学装置系を一緒にして連続移動させ得る手段であり、各面状描画マスクのマスク画像を複数組の光学装置系の連続移動に対応させて連続的に変化させる手段を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学的立体造形装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項の光学的立体造形装置を用いて光造形を行う方法。
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