JP2004233479A - 光造形方法及び光造形装置 - Google Patents

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Toshihiro Kanematsu
俊宏 金松
Hidenobu Kishi
秀信 岸
Daisei Minegishi
大生 峯岸
Shinya Senoo
晋哉 妹尾
Shinji Tezuka
伸治 手塚
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Abstract

【課題】ディスプレイの大型化が可能な拡大導光路部品の製造方法について、一層の薄型形状(導光部は曲線)で生産性(短時間加工)が高く、短時間で加工できる光造形方法を活用して、連続的に硬化形成させることで光学表面が表面粗さ0.04μm以下になる加工方法を工夫すること。
【解決手段】光硬化性樹脂に光を照射して光硬化させ、この光照射位置を順次移動させて、立体物を形成する光造形方法について、目的の立体物形成に必要な形状のマスター型を用い、当該マスター型の任意の横断面から所定の波長の光すなわち光硬化性樹脂の硬化波長の光を順次出射させ、この横断面の出射光を結像素子で光硬化性樹脂液の液中で結像させて光硬化性樹脂を硬化させ、上記出射光の上記マスター型からの出射位置を連続的に移動させることによって、目的とする立体物を上記光硬化性樹脂液中に形成すること。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、一般的な光学分野(微小光学分野、光通信分野、光情報分野等)におけるプラスチック光導波路、その他の光学素子の製造方法及び製造装置に関するものであり、光伝送用の光導波路アレイ、液晶表示パネル、リアプロジェクタ用の拡大光学系、その他高い成形精度を必要とする複雑な形状の製品の成形加工に利用することができるものである。
【0002】
【従来の技術】
フラットパネルディスプレイには、液晶、有機EL、プレズマディスプレイ等があるが、大画面化(例えば100インチ)することは現在の技術レベルでは困難であり、また、不可能ではないとしても非常に高価なものとなる。現在の技術でこの問題を解決する方法としては、特開昭60−169833号公報のものがあり、このもののように、小画面サイズのディスプレイを若干隙間を設けてタイル状に敷き並べ(タイリング)、かつ、各ディスプレイから光ファイバーをテーパに広げ表示上に導いて大画面を形成するもの(拡大導光路アレイ)がある。
【0003】
また、現在の技術では、光ファイバーを1本1本並べる方法が採用されているが、その数は、例えば、解像度SXGAで画素数は1280×1024(約百万本)である。これだけの光ファイバーを繋ぐとすれば、光ファイバー1本を1秒で繋ぐとしても11日間を要するなど、その製作に非常に多くの労力を要し、したがって、製作コストが高くなる。
最近では、金型で直接ファイバーシートを形成する方法(特開平10−50968号公報)やフィルム状のプラスチックシートにエンボス法にてファイバーシートを形成する方法(特開平10−54918号公報)がある。また、テーパ状に加工する方法として、クラッド材のブロックにレーザーにてテーパ状の穴を穿ち、その部分にコア材を充填し製造する方法(特開平8−179131号公報)や、束ねたファイバーを加熱振動することでテーパ状に加工する方法(特開昭64−11922号公報)がある。しかし、それらを上記の拡大導光路の製造に応用した場合、その精度や加工速度に問題がある。すなわち、例えば、ファイバーシートを短時間に精度よく積層(約千層)できるかという問題であり、また、レーザー等の加工粗さでは光がリークする可能性があるという問題、さらに、レーザー光では直線加工しかできないという問題、さらに、束ねたファイバーを加熱振動させるものでは、束ねたファイバーが加熱振動で変形してと整列度が保てない可能性があるという問題等である。
【0004】
さらに、加工速度を考慮した製造方法として、光造形方法を活用することが考えられ、特開2000−347043号公報のもののようにして直線的な光ファイバーを形成することができる。また、これは、ファイバーシートの製造方法と違って、光軸方向への加工ができるので、短時間で加工ができるという利点がある。
しかし、上記大画面用導光路形状を想定すると、表示部の開口形状を同形状にするには光ファイバーの径を1本1本変える必要があるという問題があり、また、拡大率を大きくしたり、導光路長を短くする場合(導光路の薄型化:材料コスト減、重量減)は導光路が直線形状でなく、図7に示すような曲線形状であることが求められる。
【0005】
他方、ガルバノミラー等を用いた市販の光造形装置では自由曲面の形成が可能であるが、しかし、その成形精度は0.1mm程度しかなく、そのため、光ファイバーからの光の漏れや散乱が生じ、光ファイバーとしては機能しない。光ファイバーからの光の漏れや散乱を防ぐためには、少なくとも可視光の波長(0.39〜0.77μm)の10分の1の精度(ここでは表面粗さ)0.04μmが必要である。特開2001−158050号公報の2光子吸収を用いた光造形方法(現在最も高精度)の場合でも、その粗さは0.2〜0.5μmである。
これらは、目的とする造形物のスライス断面形状を1層毎に断続的に硬化させていくため、高精度化することは困難である。
【0006】
【特許文献1】特開昭60−169833号公報
【特許文献2】特開平10−50968号公報
【特許文献3】特開平10−54918号公報
【特許文献4】特開平8−179131号公報
【特許文献4】特開昭64−11922号公報
【特許文献4】特開2000−347043号公報
【特許文献4】特開2001−158050号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の課題は、ディスプレイの大型化が可能な拡大導光路部品の製造方法について、一層の薄型形状(導光部は曲線)で生産性(短時間加工)が高く、短時間で加工できる光造形方法を活用して、連続的に硬化形成させることで光学表面が表面粗さ0.04μm以下になる加工方法を工夫することである。
【0008】
【課題解決のために講じた手段】
【解決手段1】(請求項1に対応)
上記課題を解決するために講じた、製造方法に関する手段(解決手段1)は、光硬化性樹脂に光を照射して光硬化させ、この光照射位置を順次移動させて、立体物を形成する光造形方法について、
目的の立体物形成に必要な形状のマスター型を用い、当該マスター型の任意の横断面から所定の波長の光すなわち光硬化性樹脂の硬化波長の光を順次出射させ、この横断面の出射光を結像素子で光硬化性樹脂液の液中で結像させて光硬化性樹脂を硬化させ、上記出射光の上記マスター型からの出射位置を連続的に移動させることによって、目的とする立体物を上記光硬化性樹脂液中に形成することである。
【0009】
【作用】
上記マスター型は連続した物体であり、当該マスター型の一横断面形状の光を一度に出射し、上記横断面を除々に移動させることで各断面光が連続的に出射されるので、マスター型と同じ横断面形状の連続した断面光をアナログ的に出射させることができる。
マスター型からの出射光が、上記結像素子を経て光硬化性樹脂液の液中に結像するので、マスター型の横断面と相似形状の像光が光硬化性樹脂液の液中に形成される。
そして上記像光によってその部分の光硬化性樹脂液が硬化する。そして上記像光の位置が光硬化性樹脂液中で除々に移動するにつれて光硬化性樹脂液の硬化位置が除々に移動するので、上記像光によってマスター型と相似形状の中実な3次元造形物が光硬化性樹脂液中に形成される。そして、その成形精度は高い。
したがって、平滑な光学表面を有し、マスター型と相似形状で同等の表面粗さの3次元造形物が形成される。
【0010】
【実施態様1】(請求項2に対応)
実施態様1は、上記解決手段1の光造形方法について、上記マスター型の任意の横断面から光を出射させる手段が、そのマスター型を光透過材料で構成し、該マスター型をこれと同等の屈折率の液体すなわちマッチング液に所定の位置まで浸し、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面から照射光を入射させるものであることである。
【作用】マッチング液に浸されていないところではマスター型に入射した光が内部反射して外に放射されることはないが、マッチング液内では当該マッチング液の屈折率が同等であるので内部反射しないで、マスター型の外に光りが放射される。したがって、マッチング液表面の位置の横断面においてマスター型から外部に放射され、光学的な断面像(断面光)が外気とマッチング液面との境界(すなわちマッチング液表面)に写し出される。
【0011】
【実施態様2】(請求項3に対応)
実施態様2は、上記解決手段1の光造形方法について、上記マスター型の任意の横断面から光を出射させる手段が、そのマスター型を光透過材料で構成し、該マスター型をこれと同等の屈折率の液体すなわちマッチング液に所定の位置まで浸し、さらに当該マッチング液表層に遮光機能を有する遮光物を配置した状態で、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面から照射光を入射させるものであることである。
【作用】
マッチング液表面が大気に接していると、当該マッチング液表面がマスター型との接触部において表面張力のために歪み、このために上記断面光が乱れ、その結果、上記結像素子による結像精度が低下するが、マッチング液表層に遮光機能を有する遮光物を配置したことによって、当該マッチング液表面が表面張力で歪むことはなく、当該歪みによって断面光の均一性が損なわれることはない。
【0012】
【実施態様3】(請求項4について)
実施態様3は、上記解決手段1の光造形方法について、上記マスター型の任意の断面から光を出射させる手段が、そのマスター型を光透過材料で構成し、該マスター型をこれと同等の屈折率の液体すなわちマッチング液に所定の位置まで浸し、該マッチング液表層に遮光機能を有する遮光物を配置し、さらに、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面以外からの照射光の入射を遮断した状態で、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面から照射光を入射させるものであることである。
【作用】
マッチング液に浸されていない側のマスター型端面の外から照射光が入射すると、これがノイズとなって、上記結像素子による結像が乱れるが、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面の外から照射光(迷光)が入射することを遮断したことで、上記迷光が予め排除され、上記結像が乱されることが回避される。
【0013】
【実施態様4】(請求項5に対応)
実施態様4は、上記解決手段1の光造形方法について、上記マスター型の上記任意の横断面の位置を連続して移動させて出射断面を順次移動させながらマスター型から光を出射させる手段が、そのマスター型を所定速度で昇降させることによって上記マッチング液面に対して相対的に移動させるものであることである。
【0014】
【実施態様5】(請求項6に対応)
実施態様5は、上記実施態様4の光造形方法について、上記マスター型を固定し、マッチング液面の高さを所定速度で連続して変化させることである。
【0015】
【実施態様6】(請求項7に対応)
実施態様6は、上記解決手段1の光造形方法について、上記結像素子が等倍結像素子であることである。
【作用】
上記結像素子が当倍倍率の結像素子であるから、マスター型からの断面光が、造形装置の光硬化性樹脂液中にマスター型の横断面形状と等倍で結像する。したがって、マスター型と等倍の物体が光硬化性樹脂液中に造形される。
【0016】
【実施態様7】(請求項8に対応)
実施態様7は、上記解決手段1の光造形方法について、上記結像素子が縮小結像素子であることである。
【作用】
上記結像素子が縮小結像素子であるから、マスター型からの断面光が、造形装置の光硬化性樹脂液中にマスター型の横断面形状と相似で縮小されて結像する。したがって、マスター型と相似形で縮小された物体が光硬化性樹脂液中に造形される。
【0017】
【実施態様8】(請求項9に対応)
実施態様8は、上記解決手段1の光造形方法について、上記光硬化性樹脂液と遮光機能を有する高粘度液体を容器に満たし、上記高粘度液体と光硬化性樹脂液との境界(光硬化性樹脂液表面部)が常に結像光の直ぐ下に位置していることである。
【作用】
光硬化性樹脂液中で硬化した部分が、その直ぐ下の上記高粘度液体に埋没して当該高粘度液体で保持されるので、硬化された造形物体の保形性が高い。
【0018】
【解決手段2】(請求項10に対応)
上記課題解決のために講じた手段(解決手段2)は、上記解決手段1の光造形方法を実施するための光造形装置であり、光硬化性樹脂に光を照射して光硬化させ、この光照射位置を順次移動させて、立体物を形成する光造形装置について、次の(イ)乃至(ハ)によって構成されるものである。
(イ)照射用の光源、光透過材料によるマスター型、当該マスター型の構成材と同等の屈折率の液体すなわちマッチング液とを入れるマスター用容器、及びマッチング液を供給する供給装置から構成される断面データ供給装置と、
(ロ)該断面発光部からの出射光を結像させる結像装置と、
(ハ)光硬化性樹脂液を入れる造形用容器から構成される造形装置とからなること。
【0019】
【作用】
上記断面データ供給装置はマスター型の一断面形状の光を一度に出射し、また、断面光を出射する断面の位置を連続的に移動させる機能を有するので、マスター型と同形状の連続した断面光をアナログ的に出射することができる。
また、上記結像装置は、上記断面光を光硬化性樹脂液の液中に結像させる機能を有するので、マスター型と相似形状の像光を光硬化性樹脂液中に形成させることができる。
さらに、上記造形装置は光硬化性樹脂液を収容していて、上記像光でマスター型と相似形状の中実な3次元造形物が上記光硬化性樹脂液中に形成される。
したがって、アナログ的に滑らかな光学表面を有し、マスター型と相似形状で同等の表面粗さの3次元造形物を形成することができる。
【0020】
【実施態様1】(請求項11に対応)
実施態様1は、上記解決手段2の光造形装置について、そのマスター容器が、上記マッチング液とともにその上面に重ねて遮光液を入れる容器であることである。
【作用】
遮光液は迷光を遮断する機能を有するので、迷光が含まれない断面光がマスター型の横断面から出射される。
【0021】
【実施の形態】
次いで、図面を参照して実施例を説明する。
図1に示す実施例は、プラスチック光導波路の製造装置であり、大きく分けて3つの装置、すなわち断面データ供給装置1、結像装置2、及び造形装置3から構成されている光造形装置である。そして、上記の断面データ供給装置1は、照射用の紫外線ランプ11と、成形目的物、すなわち造形物とほぼ同じ形状で光透過性材料で作られたマスター型12と、マスター型12と同屈折率のマッチング液13とこれらを収納したマスター用容器14とマッチング液を供給する供給装置15とから構成されている。上記のマスター型12は、図7に示す拡大導光路アレイであり、多数の導光路12aを有しており、多数の導光路12aの上端の隙間は遮光板12bで塞がれている。なお、このマスター型12の立体形状については、所定の立体物形状が形成されるように、誤差分を見込んで予め若干補正された形状である。
また、上記の結像装置2は結像レンズ21で構成され、造形装置3は造形用容器31に液状光硬化性樹脂液32を入れたものである。
【0022】
上記装置の動作は次のとおりである。
マスター用容器14にマスター型12を配置し、供給装置15からマッチング液12をマスター用容器14に除々に供給する。このとき、紫外線ランプ11からの紫外線がマスター型12の導光路12aの上端面に入射し、入射した光は、内部反射しながら導光路12aの内部を経て、マッチング液表面13の高さ位置まで導かれ、マスター型12の構成材とマッチング液13は屈折率が同等であるので、マッチング液13の液面13aと触れたところで導光路12aの外に放射される。したがって、マッチング液13の液面13aの高さ位置におけるマスター型12の横断面からその断面形状の断面光が出射される。そして、マッチング液を除々に連続して供給することで、マッチング液13の液面13aのマスター型12に対する高さ位置が除々に上方に移動するから、これにつれて上記断面光の出射位置が除々に上方に移動する。したがって、マスター型12の任意の位置の横断面形状とその横断面の高さ位置が連続発光(無限の断面データ)として得られる。
【0023】
上記結像装置3は、断面データ供給装置1からの出射光を結像レンズ21で造形装置で結像させる作用を奏する。結像装置として焦点距離固定の集光レンズを使用することによって、断面データ供給装置1における上記横断面の高さ位置の移動に連れて、造形装置での結像高さが自然に変化する。なお、結像レンズ21は用途によって、等倍,拡大,縮小系を適宜使い分けてもよく、また、エネルギー密度を高くして硬化領域を狭くするには、開口数(NA)が大きな光学素子を用いることが望ましい(詳細は特開平11−170377号公報を参照されたい)。
そして、造形用容器31に光硬化性樹脂液32を十分満たし、結像装置2によって最初から最後まで出射光を光硬化性樹脂液中で結像させることによって、図1(b)に示すように、所定の立体物Aが光硬化性樹脂液中に形成される。
【0024】
図2にマッチング液13の上に遮光液16を配置した実施例を示している。
遮光効果がある遮光液16は、染料や顔料を含有し、マスター型の構成材とは屈折率が異なり、マッチング液より比重が小さい液体である。図1の実施例のようにマッチング液のみによる場合は、図2(b)のように、マッチング液13がその表面張力でマスター型の導光部12aに沿って盛り上がって上記の断面光が乱れ、このために液状光硬化性樹脂内での結像面が乱れる。しかし、遮光液でマッチング液の表面が覆われるので、マッチング液の上記盛り上がりが低減され(図2(c))、結像精度が向上する。
【0025】
図3は結像素子を等倍結合素子にした例である。この例では等倍結像するので、マスター型と同寸法の立体物が成形される。また実施例の等倍結像レンズ22は、テレセントリック(正立像の結像)系で、多数のマイクロレンズによる複合レンズである。この光学系によって断面光が均等な照度で結像されるので、液状光硬化性樹脂液の硬化速度が場所の如何に関わらず均一であり、したがって、立体物が高精度で作成される。
【0026】
図4は結像素子を縮小結像素子にした例である。この例では縮小結像レンズ23によって縮小倍で結像されるので、マスター型を縮小した立体物を作ることができる。このように、縮小結像レンズ23を用いてマスター型の10分の1に縮小された造形物を成形することができ、この程度に縮小すると、マスター型の精度よりも造形物の寸法精度及び表面粗さ精度は10倍に向上する。
【0027】
図5、図6に示す実施例は、液状光硬化樹脂液の下方に遮光支持液を介在させたものである。立体造形物の下方部分を造形した後に、光硬化性樹脂液の下方に、遮光支持液体33として遮光機能を有する高粘度液体、例えばパラフィン材料を注入し、この遮光支持液体33の光硬化性樹脂液32との境界(光硬化性樹脂液の下面)が常に結像素子による結像光の直ぐ下に位置するように、その高さ位置を制御している。遮光支持液体33は遮光機能を有する高粘度液体であるので、造形された部分にさらに光が照射されることはなく、さらに造形途中の立体物の下方部分が高粘度液体で支持されるので、これの変形によって位置が変動することは防止される。
なお、上記の遮光支持液体33としての遮光性の高粘度液体としては、流動性があればよいので、例えば、造形工程の途中で冷却されるなどして固化またはゲル化するものであっても問題はなく、この場合は、あらためて高粘度液体を造形容器に注入する必要はない。
【0028】
ところで、図5の例では、供給装置34で、立体物の形成進行に追従して遮光支持液の上面(光硬化性樹脂液との境界面)が上昇するように遮光支持液を供給し、最終的には遮光支持液の上面が、最終成形品の上端に達するまで供給する(図5(b))。この場合、遮光支持液体として、例えばパラフィン材料を用い、供
給装置34からは高温(低粘度)のものを供給し、造形用容器31の下方部分で冷却されて高粘度になるようにすれば、供給装置34からの供給抵抗を低減することができ、また、造形用容器への遮光支持液体の流入による造形中のものへの影響が小さい。そして粘度が低下した遮光支持液体で立体物がその位置でしっかりと支持される。
【0029】
また、図6に示す例は、造形物固定台35に造形中の立体物を支持させ、立体物の形成の進行に追従するように造形用容器31の高さを昇降ステージ36で上昇させるようにしたものであり、この実施例では、ステージ上昇過程における遮光支持液体の動きは小さいので、遮光支持液体の流入等による遮光支持液体の動きの影響を回避することができる。また、この例でも、図5の例と同様に遮光支持液体の上方部分を高温(低粘度)にし、下方部分を低温(高粘度)にすることで、さらにその効果は顕著になる。
【0030】
図7に光伝送部品としての拡大光導波路アレイを示している。この拡大光導波路アレイでは、画像を入力できる画像入力部とその画像情報光を導く導光路とそれら画像情報を出力する画像表示部から構成され、入力画像を約3倍に拡大する機能を有している。尚、画像入力部は導光路と連結されており、連結部分は透明、その他は遮光機能を有し、また、導光路の位置を維持する機能を有している。導光路はコアとクラッドから構成されており、外に漏らすことなしに光を伝送するものである。画像表示部は画像入力部と同じ構成および作用を有する。
【0031】
本発明の図1の実施例1による造形物を用いて光伝送部品を製造する方法を図8に示している。この製造方法では、(a),(b),(c),(d)の順序でその工程が進行する。
まず、図8(a)のコア部81は、図1の実施例によって形成した造形物であり、図8(b)の工程で上記コア部81にクラッド部82を塗布し、乾燥させて線径0.05〜0.1mmの導光部を形成する。次いで、画像表示部に当たる遮光部83を形成し、最後にその下の部分を削除する。なお、上面、底面が板状の遮光部84,83になっているのは、コア部を形成して後にその形状が崩れないように支持する支持板の役目を果たすためである。
【0032】
参考までに図9に拡大導光路アレイをタイリングした画像表示装置を示している。このものは、画像光源と図7の光学素子とフレーム(図示略)から構成される。画像光源と光学素子の画像入力部とを連結させ、それぞれの光学素子間に隙間がないように配置してフレームに固定している。これによって、大画面で奥行き寸法が小さく、かつ、光学素子間の繋ぎ部の画像位置ズレのない、鮮明な画像表示装置が構成される。
【0033】
次いで、図10を参照して、レンズアレイの製造装置の実施例を説明する。
このものは、断面発光装置50、縮小結像素子(レンズ)61、造形装置70を備えており、上記の断面発光装置50は、マスター用容器51、光源52、マスター型昇降ステージ53、遮光板54、マスターレンズ55、遮光液56、マッチング液57を備えており、他方、造形装置70は、造形用容器71、液状光硬化性樹脂液72、遮光支持液73、立体物降下ステージ74を備えている。
上記断面発光装置50(断面データ供給装置)では単レンズ状のマスターレンズ55をマスター型昇降ステージ53で繰り返し昇降させるとともに、マスターレンズ55の一回の上昇及び下降の度に、これに同期させて造形装置70の立体物下降ステージ74を所定ストロークだけ間欠的に下降させる。これにより、同一形状のレンズを連続して成形してレンズアレイBを成形することができる。また、1個のマスターレンズ55を用いて多数のレンズが連続して形成されるから、マスター型が単純であり、それだけ製作コストは低い。
【0034】
【発明の効果】
この発明の効果を主な請求項毎に整理すれば次のとおりである。
1.請求項1の発明
請求項1のものは、目的とする形状の立体物と同等の形状のマスター型を用い、該マスター型の任意の横断面から所定の波長の光、すなわち、光硬化性樹脂の硬化波長の光を順次出射し、その断面光を結像素子によって液状の光硬化性樹脂液中に結像させて光硬化性樹脂液を照射し、当該結像光の照射によって上記光硬化性樹脂を硬化させる方法であるので、目的とする形状の立体物を高精度で形成することができ、また、通常のレーザー光とガルバノミラーを用いて順次積層する方法に比して、マスター型を用いるので、高価なレーザー光とガルバノミラー等の装置が不要であり、製作装置のコストが低い。
【0035】
2.請求項2の発明
請求項2のものは、上記マスター型の任意の横断面から光を出射させる手段が、そのマスター型を光透過材料で構成し、そのマスター型をこれと同等の屈折率の液体すなわちマッチング液に所定の位置まで浸し、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面からその照射光を入射させ、入射した光は、マッチング液に浸されていないところではマスター型内で内部反射して外へは漏れず、マッチング液に浸されているところで当該マッチング液の屈折率がマスター型と同等であるのでその内部反射が無くなってマスター型外に出射される。そして、上記のマスター型外への出射光によって、光学的な断面像(断面光)が外気とマッチング液面との境界に写し出される。したがって、任意の断面データの光が得られる。
【0036】
3.請求項5の発明
請求項5のものは、上記マスター型の任意の横断面から順次に光を出射する手段において、該マスター型を所定速度で昇降させることによってマッチング液面に対して相対的に移動させるだけで、光学的な断面像(断面光)を外気とマッチング液面との境界に写し出すことができるので、任意の断面データの光が簡単に得られる。
【0037】
3.請求項6の発明
請求項6のものは、上記マスター型をマスター固定台に固定し、マッチング液面の高さを順次所定速度で変化させる方法であるから、任意の断面データの光が簡単に得られる。
【0038】
4.請求項7の発明
請求項7のものは、結像素子は等倍結像素子であるので、マスター型と同等の大きさの立体物を得ることができる。
【0039】
5.請求項8の発明
請求項8のものは、結像素子が縮小結像素子であるので、マスター型より小さい立体物を得ることができる。また、相対的に表面粗さが小さくなるので、導光路からの光の漏れ等の光学特性が向上する。また、目的とする造形立体物より大きなマスター型でよいので製作が簡単になる。
【0040】
6.請求項10、請求項11の発明
請求項10、請求項11のものは、照射用の光源、光透過材料からなるマスター型、当該マスター型と同屈折率のマッチング液と遮光液とを入れるマスター用容器、及び上記マッチング液を供給する供給装置とから構成される断面データ供給装置と、断面データ供給装置からの断面データを結像させる結像装置と、液状光硬化性樹脂液を入れる造形用容器とから構成される造形装置からなるものであるから、請求項1の光造形方法によって目的とする形状の立体物を高精度で形成することができる。
【0041】
7.請求項12の発明
請求項12のものは、請求項1乃至請求項9の光造形方法、又は、請求項10、請求項11の光造形装置で造形された立体物をコア部とし、その周りを屈折率の高い材料で被覆してクラッド部とするものであるから、照射光の漏れが少なく、したがって、短い加工時間で高品質の光伝送部品を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、マスター型として拡大導光路アレイを用いて実施例の光造形装置を模式的に示す全体構成図であり、(a)は、この光造形装置による光造形工程の初期段階を示し、(b)は最終段階を示す図である。
【図2】(a)は、遮光液を用いた断面データ供給装置の例の模式的な構成図,(b)は図1の例におけるマッチング液面の拡大図、(c)は図2(a)の例におけるマッチング液面の拡大図である。
【図3】は、結像レンズにテレセントリック系等倍結像素子を用いた例の全体構成図である。
【図4】は、結像素子に縮小結像素子を用いた例の全体構成図である。
【図5】(a)は、造形用容器に遮光支持液を収容した造形装置の例の造形初期段階の造形装置全体構成図、(b)は造形最終段階の造形装置全体構成図である。
【図6】(a)は、造形用容器に遮光支持液を収容した造形装置の他の例の造形初期段階の造形装置全体構成図、(b)は造形最終段階の造形装置全体構成図である。
【図7】は、図1の実施例においてマスター型として用いた拡大導光路アレイのの斜視図である。
【図8】は、拡大導光路アレイ光の製作工程を示す模式図である。
【図9】は、図7の拡大導光路アレイによる画像表示装置の斜視図である。
【図10】は、マスター型として一つのレンズを用いてレンズアレイを成形する他の実施例の全体構成図である。
【符号の説明】
1:断面データ供給装置
2:結像装置
3:造型装置
11:照射用の光源(紫外線ランプ)
12:マスター型
12a:導光部
12b:遮光板
13,32,57:マッチング液
14:マスター容器
15:マッチング液供給装置
16:遮光液
21:結像レンズ
22:等倍結像レンズ
23:縮小結像素子(レンズ)
31:造形用容器
32:液状硬化性樹脂液
33:遮光支持液
34:遮光支持液供給装置
35:固形物固定台
36:昇降ステージ
54:遮光板
55:マスターレンズ
56:遮光液

Claims (13)

  1. 目的とする立体物形成に必要な形状のマスター型を用いて、該マスター型の任意の横断面から所定の波長の光すなわち光硬化性樹脂の硬化波長の光を順次出射させ、その横断面光を結像素子で光硬化性樹脂液の液中に結像させて光硬化性樹脂を硬化させ、上記マスター型からの横断面光の出射位置を連続的に移動させることによって、目的とする立体物を上記光硬化性樹脂液中に形成することを特徴とする光造形方法。
  2. 上記マスター型の任意の横断面から光を出射させる手段が、そのマスター型を光透過材料で構成し、当該マスター型をこれと同等の屈折率の液体すなわちマッチング液に所定の位置まで浸し、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面から照射光を入射させるものであることを特徴とする請求項1の光造形方法。
  3. 上記マスター型の任意の横断面から光を出射させる手段が、そのマスター型を光透過材料で構成し、当該マスター型をこれと同等の屈折率の液体すなわちマッチング液に所定の位置まで浸し、次いで、上記マッチング液表層に遮光機能を有する遮光物を配置した状態で、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面から光を入射させるものであることを特徴とする請求項1の光造形方法。
  4. 上記マスター型の任意の横断面から光を出射させる手段が、そのマスター型を光透過材料で構成し、当該マスター型をこれと同等の屈折率の液体すなわちマッチング液に所定の位置まで浸し、上記マッチング液表層に遮光機能を有する遮光物を配置し、さらに、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面以外からの入射を遮断した状態で、マッチング液に浸されていない側のマスター型端面から照射光を入射させるものであることを特徴とする請求項1の光造形方法。
  5. 上記マスター型の上記任意の横断面の位置を連続して移動させて上記光の出射断面を順次移動させながらマスター型から光を出射させる手段が、そのマスター型を所定速度で昇降させることによって上記マッチング液面に対して相対的に移動させるものであることを特徴とする請求項1の光造形方法。
  6. 上記マスター型を固定し、上記マッチング液面の高さを順次所定速度で変化させることによって、上記マスター型と上記マッチング液面の位置を相対的に移動させることを特徴とする請求項5の光造形方法。
  7. 上記結像素子が等倍結像素子であることを特徴とする請求項1の光造形方法。
  8. 上記結像素子が縮小結像素子であることを特徴とする請求項1の光造形方法。
  9. 上記光硬化性樹脂液と遮光機能を有する高粘度液体を容器に満たし、当該高粘度液体と光硬化性樹脂液との境界が常に結像光の直ぐ下に位置していることを特徴とする請求項1の光造形方法。
  10. (イ)光照射用の光源、光透過材料によるマスター型、当該マスター型の構成材と同等の屈折率の液体すなわちマッチング液とを入れるマスター用容器、及び上記マッチング液を供給する供給装置から構成される断面データ供給装置と、
    (ロ)上記断面発光部からの出射光を結像させる結像装置と、
    (ハ)光硬化性樹脂液を入れる造形用容器を備えた造形装置とからなることを特徴とする光造形装置。
  11. 上記マスター用容器が、上記マッチング液の上面に重ねて遮光液を入れる容器である請求項10の光造形装置。
  12. 請求項1乃至請求項9の光造形方法で造形された立体物をコア部とし、その周りを屈折率が低い材料で被覆してクラッド部とした光学素子。
  13. 請求項12の光学素子を用いた画像表示装置。
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JP2014109752A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Nikon Corp 光学素子、撮像光学素子、撮像装置、及び光学素子の製造方法

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