本発明は、当該タイヤ空気圧制御装置の信頼性を向上させるべくなされたものであり、当該タイヤ空気圧制御装置が、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサと、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニットと、前記各車輪のタイヤ空気圧をそれぞれ検出する複数の圧力センサを備えるとともに、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記下限設定値から前記上限設定値に至るアップ時間(Tpu*)をそれぞれ演算する各アップ時間演算手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記上限設定値から前記下限設定値に至るダウン時間(Tpd*)をそれぞれ演算する各ダウン時間演算手段と、前記各アップ時間演算手段により演算されるアップ時間中の前記各車輪の平均回転速度(V*)を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各平均回転速度(V*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第1ポンプ供給流量(Qvw*)をそれぞれ演算する各第1ポンプ供給流量演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各ダウン時間(Tpd*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ演算する各第2ポンプ供給流量演算手段と、前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ比較判定する各判定手段を備えていることに特徴がある。この場合において、各判定手段による判定結果を報知手段にて運転者に報知することも可能である。なお、この明細書および特許請求の範囲において、「ポンプ供給流量」は、エアーポンプから車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気の量を意味している。
このタイヤ空気圧制御装置においては、各第1ポンプ供給流量演算手段が、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各アップ時間(Tpu*)と、各車輪速センサの検出値に基づいて演算される各平均回転速度(V*)に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第1ポンプ供給流量(Qvw*)をそれぞれ演算するとともに、各第2ポンプ供給流量演算手段が、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各アップ時間(Tpu*)と、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各ダウン時間(Tpd*)に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ演算する。
ところで、該当する車輪の車輪速センサ、空気圧生成ユニットおよび圧力センサが全て正常である場合には、該当する車輪の第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、該当する車輪の第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量(Qp*)は略同じ値となるはずである。
このため、各判定手段の判定結果に基づいて、例えば、第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量(Qp*)の差が、設定値より小さいときには、該当する車輪の車輪速センサ、空気圧生成ユニットおよび圧力センサが全て正常であると判定し、また、第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量(Qp*)の差が設定値より大きいときには、該当する車輪の車輪速センサまたは空気圧生成ユニットあるいは圧力センサが異常であると判定することが可能である。したがって、当該タイヤ空気圧制御装置の信頼性を向上させることが可能である。
また、本発明は、当該タイヤ空気圧制御装置が、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサと、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニットと、前記各車輪のタイヤ空気圧をそれぞれ検出する複数の圧力センサを備えるとともに、前記各車輪速センサの検出値に基づいて前記各車輪速センサの正常・異常をそれぞれ判定する各車輪速センサ判定手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記下限設定値から前記上限設定値に至るアップ時間(Tpu*)をそれぞれ演算する各アップ時間演算手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記上限設定値から前記下限設定値に至るダウン時間(Tpd*)をそれぞれ演算する各ダウン時間演算手段と、前記各アップ時間演算手段により演算されるアップ時間中の前記各車輪の平均回転速度(V*)を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各平均回転速度(V*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第1ポンプ供給流量(Qvw*)をそれぞれ演算する各第1ポンプ供給流量演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各ダウン時間(Tpd*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ演算する各第2ポンプ供給流量演算手段と、前記各車輪速センサ判定手段にて前記各車輪速センサの正常が判定されたときに前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第2ポンプ供給流量(Qp*)の差に基づいて前記各空気圧生成ユニットと前記各圧力センサの正常・異常をそれぞれ判定する各システム判定手段を備えていることに特徴がある。この場合において、各車輪速センサ判定手段による判定結果と各システム判定手段による判定結果を報知手段にて運転者に報知することも可能である。
このタイヤ空気圧制御装置においては、各第1ポンプ供給流量演算手段が、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各アップ時間(Tpu*)と、各車輪速センサの検出値に基づいて演算される各平均回転速度(V*)に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第1ポンプ供給流量(Qvw*)をそれぞれ演算するとともに、各第2ポンプ供給流量演算手段が、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各アップ時間(Tpu*)と、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各ダウン時間(Tpd*)に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ演算する。
また、各車輪速センサ判定手段が、各車輪速センサの検出値に基づいて、各車輪速センサの正常・異常をそれぞれ判定する。また、各システム判定手段が、前記各車輪速センサ判定手段にて前記各車輪速センサの正常が判定されたときに各第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、各第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量(Qp*)の差に基づいて、各空気圧生成ユニットと各圧力センサの正常・異常をそれぞれ判定する。
このため、各車輪速センサ判定手段の判定結果に基づいて、該当する車輪の車輪速センサの正常・異常を判定することが可能であるとともに、各システム判定手段の判定結果に基づいて、該当する車輪の空気圧生成ユニットと圧力センサの正常・異常を判定することが可能である。したがって、当該タイヤ空気圧制御装置の信頼性を向上させることが可能である。
上記した空気圧生成ユニットと圧力センサの正常・異常を判定するに際して、各システム判定手段は、例えば、第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量(Qp*)の差が、設定値より小さいとき、該当する車輪の空気圧生成ユニットおよび圧力センサが正常であると判定し、また、第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量(Qp*)の差が設定値より大きいとき、該当する車輪の空気圧生成ユニットあるいは圧力センサが異常であると判定する。
また、本発明は、当該タイヤ空気圧制御装置が、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサと、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニットと、前記各車輪のタイヤ空気圧をそれぞれ検出する複数の圧力センサと、前記各空気圧生成ユニットの生成状態と非生成状態をそれぞれ検出する複数のモードセンサを備えるとともに、前記各車輪速センサの検出値に基づいて前記各車輪速センサの正常・異常をそれぞれ判定する各車輪速センサ判定手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記下限設定値から前記上限設定値に至るアップ時間(Tpu*)をそれぞれ演算する各アップ時間演算手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記上限設定値から前記下限設定値に至るダウン時間(Tpd*)をそれぞれ演算する各ダウン時間演算手段と、前記各アップ時間演算手段により演算されるアップ時間中の前記各車輪の平均回転速度(V*)を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各平均回転速度(V*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第1ポンプ供給流量(Qvw*)をそれぞれ演算する各第1ポンプ供給流量演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各ダウン時間(Tpd*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ演算する各第2ポンプ供給流量演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが生成状態に維持されている生成維持時間(Tmu*)をそれぞれ演算する各生成維持時間演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが非生成状態に維持されている非生成維持時間(Tmd*)をそれぞれ演算する各非生成維持時間演算手段と、前記各生成維持時間(Tmu*)と前記各非生成維持時間(Tmd*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量(Qt*)をそれぞれ演算する各第3ポンプ供給流量演算手段と、前記各車輪速センサ判定手段にて前記各車輪速センサの正常が判定されたときに前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第2ポンプ供給流量(Qp*)の差に基づいて前記各エアーポンプと前記各圧力センサの正常・異常をそれぞれ判定する各システム判定手段と、この各システム判定手段にて前記各エアーポンプと前記各圧力センサの正常が判定されたときに前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第3ポンプ供給流量(Qt*)の差に基づいて前記各モードセンサの正常・異常をそれぞれ判定する各モード判定手段と、前記各システム判定手段にて前記各エアーポンプと前記各圧力センサの異常が判定されたときに前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第3ポンプ供給流量(Qt*)の差に基づいて前記各エアーポンプと前記各圧力センサの何れの異常かをそれぞれ判定する各エアーポンプ・圧力センサ判定手段を備えていることに特徴がある。この場合において、各車輪速センサ判定手段による判定結果と各モード判定手段による判定結果と各エアーポンプ・圧力センサ判定手段による判定結果を報知手段にて運転者に報知することも可能である。
このタイヤ空気圧制御装置においては、各第1ポンプ供給流量演算手段が、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各アップ時間(Tpu*)と、各車輪速センサの検出値に基づいて演算される各平均回転速度(V*)に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第1ポンプ供給流量(Qvw*)をそれぞれ演算するとともに、各第2ポンプ供給流量演算手段が、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各アップ時間(Tpu*)と、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各ダウン時間(Tpd*)に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ演算する。また、各第3ポンプ供給流量演算手段が、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各生成維持時間(Tmu*)と、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各非生成維持時間(Tmd*)に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量(Qt*)をそれぞれ演算する。
また、各車輪速センサ判定手段が、各車輪速センサの検出値に基づいて、各車輪速センサの正常・異常をそれぞれ判定する。また、各システム判定手段が、各車輪速センサ判定手段にて各車輪速センサの正常が判定されたときに各第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、各第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量(Qp*)の差に基づいて、各エアーポンプと各圧力センサの正常・異常をそれぞれ判定する。
また、各モード判定手段が、各システム判定手段にて各エアーポンプと各圧力センサの正常が判定されたときに各第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、各第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量(Qt*)の差に基づいて、各モードセンサの正常・異常をそれぞれ判定する。また、各エアーポンプ・圧力センサ判定手段が、各システム判定手段にて各エアーポンプと各圧力センサの異常が判定されたときに各第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、各第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量(Qt*)の差に基づいて、各エアーポンプと各圧力センサの何れの異常かをそれぞれ判定する。
このため、各車輪速センサ判定手段の判定結果に基づいて、該当する車輪の車輪速センサの正常・異常を判定することが可能であるとともに、各システム判定手段の判定結果に基づいて、該当する車輪のエアーポンプと圧力センサの正常・異常を判定することが可能である。また、各モード判定手段の判定結果に基づいて、該当する車輪のモードセンサの正常・異常を判定することが可能であるとともに、各エアーポンプ・圧力センサ判定手段の判定結果に基づいて、該当する車輪のエアーポンプと圧力センサの何れの異常かを判定することが可能である。したがって、当該タイヤ空気圧制御装置の信頼性を向上させることが可能である。
上記したエアーポンプと圧力センサの正常・異常を判定するに際して、各システム判定手段は、例えば、第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量(Qp*)の差が、設定値より小さいとき、該当する車輪のエアーポンプおよび圧力センサが正常であると判定し、また、第1ポンプ供給流量演算手段にて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)と、第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量(Qp*)の差が設定値より大きいとき、該当する車輪のエアーポンプあるいは圧力センサが異常であると判定する。
また、本発明は、当該タイヤ空気圧制御装置が、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサと、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニットと、前記各空気圧生成ユニットの生成状態と非生成状態をそれぞれ検出する複数のモードセンサを備えるとともに、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが生成状態に維持されている生成維持時間をそれぞれ演算する各生成維持時間演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが非生成状態に維持されている非生成維持時間をそれぞれ演算する各非生成維持時間演算手段と、前記各生成維持時間演算手段により演算される生成維持時間中の前記各車輪の平均回転速度を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各生成維持時間と前記各平均回転速度に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第4ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第4ポンプ供給流量演算手段と、前記各生成維持時間と前記各非生成維持時間に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第3ポンプ供給流量演算手段と、前記各第4ポンプ供給流量と前記各第3ポンプ供給流量をそれぞれ比較判定する各判定手段を備えていることに特徴がある。この場合において、各判定手段による判定結果を報知手段にて運転者に報知することも可能である。
このタイヤ空気圧制御装置においては、各第4ポンプ供給流量演算手段が、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各生成維持時間と、各車輪速センサの検出値に基づいて演算される各平均回転速度に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第4ポンプ供給流量をそれぞれ演算するとともに、各第3ポンプ供給流量演算手段が、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各生成維持時間と、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各非生成維持時間に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量をそれぞれ演算する。
ところで、該当する車輪の車輪速センサ、空気圧生成ユニットおよびモードセンサが全て正常である場合には、該当する車輪の第4ポンプ供給流量演算手段にて演算される第4ポンプ供給流量と、該当する車輪の第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量は略同じ値となるはずである。
このため、各判定手段の判定結果に基づいて、例えば、第4ポンプ供給流量演算手段にて演算される第4ポンプ供給流量と、第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量の差が、設定値より小さいときには、該当する車輪の車輪速センサ、空気圧生成ユニットおよびモードセンサが全て正常であると判定し、また、第4ポンプ供給流量演算手段にて演算される第4ポンプ供給流量と、第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量の差が設定値より大きいときには、該当する車輪の車輪速センサまたは空気圧生成ユニットあるいはモードセンサが異常であると判定することが可能である。したがって、当該タイヤ空気圧制御装置の信頼性を向上させることが可能である。
また、本発明は、当該タイヤ空気圧制御装置が、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサと、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニットと、前記各空気圧生成ユニットの生成状態と非生成状態をそれぞれ検出する複数のモードセンサを備えるとともに、前記各車輪速センサの検出値に基づいて前記各車輪速センサの正常・異常をそれぞれ判定する各車輪速センサ判定手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが生成状態に維持されている生成維持時間をそれぞれ演算する各生成維持時間演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが非生成状態に維持されている非生成維持時間をそれぞれ演算する各非生成維持時間演算手段と、前記各生成維持時間演算手段により演算される生成維持時間中の前記各車輪の平均回転速度を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各生成維持時間と前記各平均回転速度に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第4ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第4ポンプ供給流量演算手段と、前記各生成維持時間と前記各非生成維持時間に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第3ポンプ供給流量演算手段と、前記各車輪速センサ判定手段にて前記各車輪速センサの正常が判定されたときに前記各第4ポンプ供給流量と前記各第3ポンプ供給流量の差に基づいて前記各空気圧生成ユニットと前記各モードセンサの正常・異常をそれぞれ判定する各システム判定手段を備えていることに特徴がある。この場合において、各車輪速センサ判定手段による判定結果と各システム判定手段による判定結果を報知手段にて運転者に報知することも可能である。
このタイヤ空気圧制御装置においては、各第4ポンプ供給流量演算手段が、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各生成維持時間と、各車輪速センサの検出値に基づいて演算される各平均回転速度に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第4ポンプ供給流量をそれぞれ演算するとともに、各第3ポンプ供給流量演算手段が、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各生成維持時間と、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各非生成維持時間に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量をそれぞれ演算する。
また、各車輪速センサ判定手段が、各車輪速センサの検出値に基づいて、各車輪速センサの正常・異常をそれぞれ判定する。また、各システム判定手段が、前記各車輪速センサ判定手段にて前記各車輪速センサの正常が判定されたときに各第4ポンプ供給流量演算手段にて演算される第4ポンプ供給流量と、各第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量の差に基づいて、各空気圧生成ユニットと各モードセンサの正常・異常をそれぞれ判定する。
このため、各車輪速センサ判定手段の判定結果に基づいて、該当する車輪の車輪速センサの正常・異常を判定することが可能であるとともに、各システム判定手段の判定結果に基づいて、該当する車輪の空気圧生成ユニットとモードセンサの正常・異常を判定することが可能である。したがって、当該タイヤ空気圧制御装置の信頼性を向上させることが可能である。
上記した空気圧生成ユニットとモードセンサの正常・異常を判定するに際して、各システム判定手段は、例えば、第4ポンプ供給流量演算手段にて演算される第4ポンプ供給流量と、第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量の差が、設定値より小さいとき、該当する車輪の空気圧生成ユニットおよびモードセンサが正常であると判定し、また、第4ポンプ供給流量演算手段にて演算される第4ポンプ供給流量と、第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量の差が設定値より大きいとき、該当する車輪の空気圧生成ユニットあるいはモードセンサが異常であると判定する。
また、本発明は、当該タイヤ空気圧制御装置が、車両における複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニットと、前記各車輪のタイヤ空気圧をそれぞれ検出する複数の圧力センサと、前記各空気圧生成ユニットの生成状態と非生成状態をそれぞれ検出する複数のモードセンサを備えるとともに、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記下限設定値から前記上限設定値に至るアップ時間をそれぞれ演算する各アップ時間演算手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記上限設定値から前記下限設定値に至るダウン時間をそれぞれ演算する各ダウン時間演算手段と、前記各アップ時間と前記各ダウン時間に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第2ポンプ供給流量演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが生成状態に維持されている生成維持時間をそれぞれ演算する各生成維持時間演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが非生成状態に維持されている非生成維持時間をそれぞれ演算する各非生成維持時間演算手段と、前記各生成維持時間と前記各非生成維持時間に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第3ポンプ供給流量演算手段と、前記各第2ポンプ供給流量と前記各第3ポンプ供給流量をそれぞれ比較判定する各判定手段を備えていることに特徴がある。この場合において、各判定手段による判定結果を報知手段にて運転者に報知することも可能である。
このタイヤ空気圧制御装置においては、各第2ポンプ供給流量演算手段が、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各アップ時間と、各圧力センサの検出値に基づいて演算される各ダウン時間に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量をそれぞれ演算するとともに、各第3ポンプ供給流量演算手段が、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各生成維持時間と、各モードセンサの検出値に基づいて演算される各非生成維持時間に基づいて、各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量をそれぞれ演算する。
ところで、該当する車輪の空気圧生成ユニット、圧力センサおよびモードセンサが全て正常である場合には、該当する車輪の第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量と、該当する車輪の第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量は略同じ値となるはずである。
このため、各判定手段の判定結果に基づいて、例えば、第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量と、第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量の差が、設定値より小さいときには、該当する車輪の空気圧生成ユニット、圧力センサおよびモードセンサが全て正常であると判定し、また、第2ポンプ供給流量演算手段にて演算される第2ポンプ供給流量と、第3ポンプ供給流量演算手段にて演算される第3ポンプ供給流量の差が設定値より大きいときには、該当する車輪の空気圧生成ユニットまたは圧力センサあるいはモードセンサが異常であると判定することが可能である。したがって、当該タイヤ空気圧制御装置の信頼性を向上させることが可能である。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明によるタイヤ空気圧制御装置を備えた4輪自動車を概略的に示している。本発明によるタイヤ空気圧制御装置は、左右前車輪FL,FRに対応してそれぞれ設けられた左右一対の空気圧生成ユニットFLA,FRAを備えるとともに、左右後車輪RL,RRに対応してそれぞれ設けられた左右一対の空気圧生成ユニットRLA,RRAを備えている。
また、本発明によるタイヤ空気圧制御装置は、各車輪FL,FR,RL,RRの回転速度Vfl,Vfr,Vrl,Vrrをそれぞれ検出する各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrと、各車輪FL,FR,RL,RRのタイヤ空気圧Pfl,Pfr,Prl,Prrをそれぞれ検出する各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrと、各空気圧生成ユニットFLA,FRA,RLA,RRAの加圧空気の生成状態と非生成状態をそれぞれ検出する各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrを備えている。各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrは電気制御装置ECUに有線で電気的に接続されている。各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrと各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrは、電気制御装置ECUに無線で電気的に接続されている。
各空気圧生成ユニットFLA,FRA,RLA,RRAは、その一つ(右前輪FRに装着されている空気圧生成ユニットFRA)を例として図2および図3に示したように、各車輪FL,FR,RL,RRの回転によって駆動可能で各車輪FL,FR,RL,RRのタイヤ空気室Rbに供給される加圧空気をそれぞれ生成可能なエアーポンプAPと、タイヤ空気室RbとエアーポンプAPを接続する空気圧回路に介装されてタイヤ空気室RbとエアーポンプAPと大気間のそれぞれの連通を制御する制御弁装置VAを備えていて、各車輪FL,FR,RL,RRのタイヤ空気圧Pfl,Pfr,Prl,Prrを下限設定値P1から上限設定値P2(P1<P2)間に維持可能である。
各車輪FL,FR,RL,RRのタイヤ空気室Rbは、図2に車輪FRを例として示したように、ホイールB1とタイヤB2によって形成されていて、内部にはタイヤ空気圧Pfrを検出する圧力センサSpfrが設けられている。車輪FRに設けた圧力センサSpfrと他の各車輪(FL,RL,RR)に設けた各圧力センサSpfl,Sprl,Sprrから出力される信号(各車輪FL,FR,RL,RRにおける各タイヤ空気圧Pfl,Pfr,Prl,Prrに相当するもの)は、図1に示した電気制御装置ECUにそれぞれ無線で入力されるように構成されている。
エアーポンプAPと制御弁装置VAは、図2および図3にて例示したように、車輪FRとともに回転する車軸ハブ11に組付けられていて、車軸ハブ11の車両内側端には駆動車軸12がスプライン嵌合されていてトルク伝達可能に連結されている。なお、車軸ハブ11と駆動車軸12の連結は、ロックナット13によって固定されている。
エアーポンプAP(エアーコンプレッサと謂われることもある)は、大気を断熱圧縮して加圧空気を生成するものであり、車輪FRの回転に伴って駆動され車輪FRの回転停止に伴って駆動を停止されるように構成されていて、車輪FRの回転に基づいて圧力制御バルブ30を通して車輪FRのタイヤ空気室Rbに加圧空気を供給可能であり、回転不能な円筒部材21と、車軸ハブ11の軸部11aに形成した回転可能なシリンダ22と、往復動体としてのピストン23を備えるとともに、カム部材24と一対のカムフォロア25を備えている。
円筒部材21は、支持部材(図示省略)に回転不能に支持されるものであり、その内部にシリンダ22が一対の軸受Br1とBr2と一対の環状シール部材26,27を介して車輪FRの回転中心回りに回転可能かつ液密的に支持されている。一対の軸受Br1とBr2は、軸方向に所定量離れて配置されていて、カム部材24を軸方向にて挟むようにして円筒部材21とシリンダ22間に介装されており、シリンダ22を円筒部材21に対して回転可能としている。一対の環状シール部材26,27は、軸方向に所定量離れて配置されていて、カム部材24と両軸受Br1とBr2を軸方向にて挟むようにして円筒部材21とシリンダ22間に介装されており、円筒部材21とシリンダ22間を液密的にシールしている。
シリンダ22は、シリンダ本体22Aと、このシリンダ本体22Aの車両外側端部に気密的かつ脱着可能に螺着されたシリンダヘッド22Bによって構成されている。シリンダ本体22Aは、車軸ハブ11の軸部11aに一体的に形成されていて、一対の軸方向長孔22aと、シリンダ軸方向に延びるシリンダ内孔22bを有している。シリンダヘッド22Bは、車軸ハブ11に気密的かつ脱着可能に組付けた有底筒状の栓部材であり、吸入兼吐出通路22cと吐出通路22dを有するとともに、導圧通路22eと吸入通路22fを有している。
一対の軸方向長孔22aは、ピストン23と各カムフォロア25をシリンダ22と一体回転可能かつピストン軸方向に往復動可能にガイドするガイド手段であり、シリンダ22の周方向にて180度の間隔で形成されている。シリンダ内孔22bは、ピストン23を収容していて、シリンダヘッド22Bによって車両外側端部を閉塞されており、シリンダヘッド22Bとピストン23とによりポンプ室Roを形成している。
吸入兼吐出通路22cは、圧力制御バルブ30の弁体31に設けた連通路31aに常時連通していて、シリンダヘッド22Bに組付けた吸入チェック弁Vi(断面がV字状の環状シール部材で構成されている)を通してポンプ室Roに空気を導入可能であるとともに、圧力制御バルブ30の弁体31に組付けた吐出チェック弁Vo(断面がV字状の環状シール部材で構成されている)を通してポンプ室Roから空気を導出可能である。
吐出通路22dは、吐出チェック弁Voを通して空気室Ra1に吐出された加圧空気を車軸ハブ11に設けた吐出通路11bに導く通路であり、シリンダヘッド22Bに設けた径方向の連通孔22d1と、シリンダヘッド22Bの外周に設けた連通溝22d2によって構成されている。なお、車軸ハブ11に設けた吐出通路11bは、図2に示したように、車輪FRに設けた連通路Baを通してタイヤ空気室Rbに連通している。
導圧通路22eは、シリンダヘッド22Bに設けたシリンダ径方向の連通孔であり、圧力制御バルブ30の弁体31とストッパ32間に形成されている空気室Ra2に吐出通路22d内の加圧空気の圧力を導入可能である。吸入通路22fは圧力制御バルブ30の弁体31に設けた大気連通路31bに常時連通していて、圧力制御バルブ30の弁体31に設けた連通路31aに対しては連通・遮断可能である。なお、弁体31に設けた大気連通路31bは、調整装置40の調整ネジ42に形成した大気連通路42bを通して常時大気に連通している。
ピストン23は、シリンダ22のシリンダ内孔22bに一対の環状シール部材28,29を介して挿入されていて、シリンダ22に対して一体回転可能かつピストン軸方向に往復動可能に組付けられている。また、ピストン23には、環状溝23aとピストン径方向に延びる貫通孔23bが形成されている。一対の環状シール部材28,29は、軸方向に所定量離れて配置されていて、ピストン23の軸方向端部にてピストン23とシリンダ22間に介装されており、ピストン23とシリンダ22間を気密的かつ液密的にシールしている。
環状溝23aは、一対の環状シール部材28,29間にてピストン23の外周に形成されていて、シリンダ22間に環状空間R1を形成している。この環状空間R1は、シリンダ22の各軸方向長孔22aを通して、一対の環状シール部材26,27間に形成された環状空間R2に連通している。各環状空間R1,R2は、ピストン23がピストン軸方向に往復動しても容積が変化しないものであり、4個のシール部材26,27,28,29によって密封されている。また、環状空間R1,R2等は、所要量の潤滑油を収容するオイル室であって、このオイル室には、軸受Br1,Br2、カム部材24、カムフォロア25および圧縮コイルスプリングSp等が収容されている。
カム部材24は、ピストン軸方向にて連接した一対のカムスリーブ24A,24Bによって構成されていて、円筒部材21に一体的に(軸方向に移動不能かつ回転不能に)設けられており、シリンダ22に対して同軸的に配置されている。また、カム部材24は、環状で軸方向に変動のあるカム部24aを有していて、同カム部24aはカム溝であり、各カムフォロア25のボール25cが係合している。カム部24aは、各カムフォロア25のボール25cからピストン軸方向の荷重(図示左右方向の荷重)とピストン径方向の荷重(図示上下方向の荷重)を受けるカム面を有していて、このカム面は断面形状がV字形状であり、シリンダ22の周方向にて偶数周期(例えば、2周期)で形成されている。
各カムフォロア25は、ピストン23内にて二分割されたシャフト25aと、これら各シャフト25aに組付けられたローラー25bおよびボール25cによって構成されていて、シャフト25aにてピストン23の貫通孔23bにピストン23の径方向へ移動可能に設けられている。また、各カムフォロア25は、ピストン径方向に延出する端部、すなわち、ボール25cにてカム部材24のカム部(カム溝)24aに係合していて、カム部材24に対して相対回転することによりピストン軸方向に移動する。
各シャフト25aは、ピストン23の貫通孔23bにピストン23の径方向(貫通孔23bの軸方向)にて移動可能に組付けられた荷重伝達子であり、その内部に介装した圧縮コイルスプリングSpによってピストン23の径外方に付勢されている。また、各シャフト25aは、ローラー25bを回転可能に支持する支持体であって、ピストン23の貫通孔23bから突出する小径端部にてローラー25bを回転可能に支持している。
各ローラー25bは、シャフト25aの小径端部に回転可能に嵌合された状態にてシリンダ22の軸方向長孔22aに転動可能に嵌合されていて、カムフォロア25のシリンダ軸方向移動に伴ってシリンダ22の軸方向長孔22aに沿って転がることが可能である。また、各ローラー25bは、外端に半球凹状の受承部を有していて、この受承部にてボール25cを転動可能に支持している。
各ボール25cは、ローラー25bに転動可能に支持されてカム部材24のカム部(カム溝)24aに対して転動可能に係合するカムフォロア25の凸部であり、シャフト25aとローラー25bを介して圧縮コイルスプリングSpの弾撥力を受けてカム部材24のカム部(カム溝)24aに隙間なく弾撥的に係合している。
圧縮コイルスプリングSpは、各カムフォロア25のボール25cをカム部材24のカム部(カム溝)24aに向けてピストン23の径方向に押圧する押圧手段であって、各カムフォロア25のシャフト25aに設けた有底の取付孔に所定の予備荷重を付与した状態で組付けられている。
このエアーポンプAPにおいては、圧力制御バルブ30の弁体31が図2および図3の図示位置に保持されている状態(加圧空気の生成状態)でシリンダ22(車軸ハブ11)が回転すると、ピストン23とカムフォロア25がシリンダ22と一体的に回転してカム部材24に対して相対回転し軸方向に移動する。このため、シリンダ22の回転運動をピストン23の往復動に変換可能であり、ピストン23の往復動によりポンプ室Roの容積を増大・減少させることができて、常時大気に連通している大気連通路31bと吸入通路22fと吸入チェック弁Viと連通路31aと吸入兼吐出通路22cを通して空気をポンプ室Roに吸入し、ポンプ室Roから吸入兼吐出通路22cと連通路31aと吐出チェック弁Voを通して空気を吐出すること(タイヤ空気室Rbに供給される加圧空気を生成すること)が可能である。
制御弁装置VAは、タイヤ空気室Rb内のタイヤ空気圧Pfrに応じて作動する機械式の制御弁装置であり、圧力制御バルブ30および調整装置40を備えるとともに、圧力制御バルブ30の内部に同軸的に配置したリリーフバルブ50を備えていて、エアーポンプAPとともに車軸ハブ11の軸部(回転軸)11aに同軸的に配置されている。
圧力制御バルブ30は、シリンダヘッド22B内に組付けられていて、弁体31とストッパ32を備えるとともに、スプリングリテーナ33を介して弁体31に係合していて弁体31の移動タイミングと移動位置を制御可能で弁体31への付勢力(ばね力)を調整装置40によって調整可能な圧縮コイルスプリング34を備えている。この圧力制御バルブ30は、タイヤ空気圧Pfrが下限設定値P1に低下したときに作動状態(弁体31が圧縮コイルスプリング34,52の付勢力に抗して図示位置から所定量移動した状態)から図示状態に切り換ってポンプ室Roからタイヤ空気室Rbに加圧空気を供給可能であり、ポンプ室Roからタイヤ空気室Rbに供給される加圧空気の圧力(タイヤ空気圧Pfrと実質的に同じ圧力)が上限設定値P2に上昇したときに図示状態から作動状態に切り換ってポンプ室Roからタイヤ空気室Rbへの加圧空気の供給を制限(停止)可能である。
弁体31は、外周に組付けた吐出チェック弁Voと環状のシール部材35を介して、シリンダヘッド22B内に気密的かつシリンダ軸方向に移動可能に組付けられていて、シリンダヘッド22Bとの間に吐出通路22dに連通する空気室Ra1を形成するとともに、ストッパ32との間に吐出通路22dに導圧通路22eを通して連通する空気室Ra2を形成している。ストッパ32は、内周に環状のシール部材36を組付けられるとともに、外周に環状のシール部材37を組付けられていて、シリンダヘッド22Bと弁体31間に気密的に介装されており、外周の車両外側端部にてシリンダヘッド22Bに一体的に螺着されている。
空気室Ra1は、吐出通路22dと吐出通路11bと連通路Baを通してタイヤ空気室Rbに常時連通している。空気室Ra2は、導圧通路22eと吐出通路22dと吐出通路11bと連通路Baを通してタイヤ空気室Rbに常時連通している。空気室Ra1に露呈する弁体31の受圧面積は、空気室Ra2に露呈する弁体31の受圧面積より所定量大きく設定されている。
この圧力制御バルブ30においては、タイヤ空気圧Pfrが下限設定値P1に低下してから上限設定値P2に上昇するまでのときに、弁体31が図示位置に保持されていて、連通路31aと吸入通路22fの連通が吸入チェック弁Viによって遮断されている。このため、吸入チェック弁Viが大気からポンプ室Roへの空気流れを許容し、かつ吐出チェック弁Voがポンプ室Roからタイヤ空気室Rbへの空気流れを許容した状態(図示状態)で、吸入チェック弁Viが連通路31aと吸入通路22f間の連通を遮断してポンプ室Roから大気への空気流れを規制し、かつ吐出チェック弁Voがタイヤ空気室Rbからポンプ室Roへの空気流れを規制する。
したがって、この状態(圧力制御バルブ30がエアーポンプAPからタイヤ空気室Rbへの加圧空気の供給を許容する許容状態)では、車輪FRの回転に伴うピストン23の往復動により、大気がポンプ室Roに吸入されるとともに、加圧空気がポンプ室Roからタイヤ空気室Rbに向けて吐出される。この状態は、エアーポンプAPが加圧空気を生成する状態(加圧空気の生成状態)であり、エアーポンプAPを駆動することにより生じる負荷(車輪FRに作用する回転抵抗)は大である。
また、この圧力制御バルブ30においては、タイヤ空気圧Pfrが上限設定値P2に上昇してから下限設定値P1に低下するまでのときに、弁体31が圧縮コイルスプリング34,52の付勢力に抗して図示位置から所定量軸方向に移動していて、連通路31aが吸入チェック弁Viに拘わらず吸入通路22fに連通している。このため、吸入チェック弁Viがその機能(逆流阻止機能)を消失しており、連通路31aが吸入通路22fに連通してポンプ室Roと大気間での空気流れを許容し、かつ吐出チェック弁Voが吐出通路22dと連通路31a間、すなわち、ポンプ室Roとタイヤ空気室Rb間での空気流れを規制する。なお、弁体31が圧縮コイルスプリング34,52の付勢力に抗して図示位置から所定量移動した状態(作動状態)では、弁体31の段部がストッパ32の内周に組付けた環状のシール部材36に当接している。
したがって、この状態(圧力制御バルブ30がエアーポンプAPからタイヤ空気室Rbへの加圧空気の供給を禁止する禁止状態)では、車輪FRの回転に伴ってピストン23が往復動しても、ポンプ室Roに吸入された空気が大気に向けて押し戻されて、ポンプ室Roからタイヤ空気室Rbに向けて吐出されることはない。この状態は、エアーポンプAPが加圧空気を生成しない状態(加圧空気の非生成状態)であり、エアーポンプAPを駆動することにより生じる負荷(車輪FRに作用する回転抵抗)は小である。
調整装置40は、圧力制御バルブ30における圧縮コイルスプリング34の他端部(弁体31の移動時に移動しない固定側端部)を支持するスプリングサポート41と、このスプリングサポート41の位置を調整可能な調整ネジ42を備えている。スプリングサポート41は、調整ネジ42の移動に伴って移動可能であり、半球状の凸部41aにて調整ネジ42に回転可能に係合している。
調整ネジ42は、スプリングサポート41とは別体で構成されていて、雄ネジ部42aと大気連通路42bを有しており、雄ネジ部42aにてシリンダヘッド22Bの雌ネジ部22gに進退可能に螺着されている。また、調整ネジ42は、キャップを兼ねていて、車両外方から回転操作可能であり、外側端部には手動で操作可能な調整工具(図示省略)を脱着可能に取付けるための六角ヘッド部42cが形成されている。なお、大気連通路42bには、フィルタ43が装着されている。
リリーフバルブ50は、ポンプ室Roからタイヤ空気室Rbに供給される加圧空気の圧力すなわち空気室Ra1内の空気圧が上限設定値P2より高いリリーフ設定値P3以上のときに、加圧空気を大気に逃がすためのものであり、弁体31に設けたリリーフ通路31cを開放・遮断可能な弁体51と、この弁体51に一端部(可動側端部)にて係合していて同弁体51の移動タイミング(リリーフ通路31cの開放タイミング)を規定する圧縮コイルスプリング52を備えている。
弁体51は、圧力制御バルブ30の弁体31内にてシリンダ軸方向に移動可能に組付けられていて、モードセンサSmfrのロッド部44(スプリングサポート41が調整ネジ42によって位置を調整される時に殆ど抵抗なくシリンダ軸方向に相対移動可能なロッド部)と当接している。圧縮コイルスプリング52は、他端部(固定側端部)にて上述したスプリングサポート41に係合していて、弁体51に作用する付勢力を調整装置40によって調整可能である。この調整装置40による調整時には、圧力制御バルブ30の弁体31に作用する圧縮コイルスプリング34の付勢力も同時に調整され、上記した上限設定値P2とリリーフ設定値P3が同時に調整可能である。
このリリーフバルブ50においては、圧力制御バルブ30の弁体31に設けたリリーフ通路31cが弁体31に組付けた環状のシール部材38によって空気室Ra1に対して連通・遮断可能である。このため、圧力制御バルブ30の弁体31が圧縮コイルスプリング34,52の付勢力に抗してシリンダ軸方向に移動して、空気室Ra1とリリーフ通路31cがシール部材38を通して連通するようになった状態でのみ、リリーフ通路31cに空気室Ra1内の圧力が付与されて、リリーフバルブ50が作動可能となるように設定されている。
モードセンサSmfrは、圧力制御バルブ30が許容状態(図示状態)にあるか禁止状態(作動状態)にあるかを検出してエアーポンプAPが加圧空気を生成する状態(生成状態)にあるかエアーポンプAPが加圧空気を生成しない状態(非生成状態)にあるかを検出するユニット状態検出センサであり、圧力制御バルブ30における弁体31の動きをリリーフバルブ50における弁体51を介して検出するロッド部44と、スプリングサポート41内に組付けられてロッド部44によってON・OFFされる内蔵スイッチ(図示省略)を備えている。
このモードセンサSmfrにおいては、圧力制御バルブ30が許容状態にあるとき(エアーポンプAPが加圧空気を生成する状態にあるとき)内蔵スイッチはOFF状態に維持されてLow信号が出力されるとともに、圧力制御バルブ30が禁止状態にあるとき(エアーポンプAPが加圧空気を生成しない状態にあるとき)内蔵スイッチはON状態に維持されてHigh信号が出力される。なお、モードセンサSmfrから出力される信号は、図1に示した電気制御装置ECUに無線で入力されるように構成されている。
電気制御装置ECUは、図1に示したように、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrと各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrと各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrにそれぞれ電気的に接続されるとともに、操舵角を検出する舵角センサSSと、ブレーキペダルBPの踏み込みに応答して作動するペダルスイッチBPSにも電気的に接続されている。
また、電気制御装置ECUは、車両に装備されている既存の油圧ブレーキ装置における各ホイールブレーキWfl,Wfr,Wrl,Wrrの作動を制御する周知のブレーキアクチュエータBAに電気的に接続されるとともに、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrと各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrと各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrの「正常」と「異常」をそれぞれ表示可能なインパネ表示部IDにも電気的に接続されている。
また、電気制御装置ECUは、車両の走行状態に応じてブレーキアクチュエータBAの作動を制御して、各ホイールブレーキWfl,Wfr,Wrl,Wrrに付与される制動油圧を制御する周知のプログラム(図示省略)を所定の演算周期(例えば、5msec)毎に繰り返し実行するとともに、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrと各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrと各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrと舵角センサSSの出力に基づいて図4〜図8のフローチャートに対応したプログラムを所定の演算周期(例えば、5msec)毎に繰り返し実行するマイクロコンピュータを備えていて、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrと各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrと各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrの「正常」または「異常」をインパネ表示部IDに表示して運転者に報知可能である。
上記のように構成したこの実施形態においては、当該車両のイグニッションスイッチ等のメインスイッチ(図示省略)がON状態とされているとき、上記した各センサ等からの信号に基づいて、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータが、制動油圧を制御するための周知のプログラム(図示省略)と、各車輪速センサ、各圧力センサ、各モードセンサ等の正常・異常を判定するための図4〜図8のフローチャートに対応したプログラムをそれぞれ所定の演算周期(例えば、5msec)毎に繰り返し実行する。このため、車両の走行状態に応じてブレーキアクチュエータBAの作動が制御されて、周知の作動(例えば、ABS作動、ブレーキアシスト作動、TRC作動等)が得られる。なお、周知の作動(例えば、ABS作動、ブレーキアシスト作動、TRC作動等)の説明は省略する。
また、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrと各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrと各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrと舵角センサSSの出力に応じて、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrと各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrと各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrの「正常」または「異常」が判定されて、その判定結果がインパネ表示部IDに表示される。
ところで、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは図4のフローチャートに対応したプログラム(メインルーチン)を実行するとき、図4のステップ101にて処理を開始し、ステップ200にて各種データの演算・更新処理を実行し、ステップ300にて各車輪速センサの判定処理を実行し、ステップ400にて各システムの判定処理を実行し、ステップ500にて各空気圧系機器の判定処理を実行し、ステップ102にて処理を一旦終了する。
電気制御装置ECUのマイクロコンピュータが、図4のステップ200にて各種データの演算・更新処理を実行するときには、図5に示したサブルーチンを実行する。図5のサブルーチンでは、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータがステップ201にて処理を開始し、ステップ202にて各車輪(FL,FR,RL,RR)のアップ時間Tpu*を演算・更新し、ステップ203にて各車輪(FL,FR,RL,RR)のダウン時間Tpd*を演算・更新し、ステップ204にて各車輪(FL,FR,RL,RR)の平均回転速度V*を演算・更新し、ステップ205にて各車輪(FL,FR,RL,RR)の生成維持時間Tmu*を演算・更新し、ステップ206にて各車輪(FL,FR,RL,RR)の非生成維持時間Tmd*を演算・更新し、ステップ207にて図4のメインルーチンに戻る。
図5のステップ202では、各車輪のアップ時間Tpu*、すなわち、左前輪FLのタイヤ空気圧Pflが下限設定値P1から上限設定値P2に上昇する間の左前輪アップ時間Tpuflと、右前輪FRのタイヤ空気圧Pfrが下限設定値P1から上限設定値P2に上昇する間の右前輪アップ時間Tpufrと、左後輪RLのタイヤ空気圧Prlが下限設定値P1から上限設定値P2に上昇する間の左後輪アップ時間Tpurlと、右後輪RRのタイヤ空気圧Prrが下限設定値P1から上限設定値P2に上昇する間の右後輪アップ時間Tpurrがそれぞれ演算・更新される。
上記した各車輪のアップ時間Tpu*(Tpufl,Tpufr,Tpurl,Tpurr)は、各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrからの出力に応じて、各車輪のタイヤ空気圧P*(Pfl,Pfr,Prl,Prr)が下限設定値P1に低下したときにカウンタがカウントを開始し上限設定値P2に上昇したときにカウンタがカウントを終了することにより、それぞれ演算(計時)され(図9の(a)参照)、この演算後直ちに(同時に)更新される。このため、各車輪のアップ時間Tpu*は、各車輪のタイヤ空気圧P*が上限設定値P2に上昇するまでは前回値が維持され、各車輪のタイヤ空気圧P*が上限設定値P2に上昇したとき今回値に更新される。
また、図5のステップ203では、各車輪のダウン時間Tpd*、すなわち、左前輪FLのタイヤ空気圧Pflが上限設定値P2から下限設定値P1に低下する間の左前輪ダウン時間Tpdflと、右前輪FRのタイヤ空気圧Pfrが上限設定値P2から下限設定値P1に低下する間の右前輪ダウン時間Tpdfrと、左後輪RLのタイヤ空気圧Prlが上限設定値P2から下限設定値P1に低下する間の左後輪ダウン時間Tpdrlと、右後輪RRのタイヤ空気圧Prrが上限設定値P2から下限設定値P1に低下する間の右後輪ダウン時間Tpdrrがそれぞれ演算・更新される。
上記した各車輪のダウン時間Tpd*(Tpdfl,Tpdfr,Tpdrl,Tpdrr)は、各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrからの出力に応じて、各車輪のタイヤ空気圧P*(Pfl,Pfr,Prl,Prr)が上限設定値P2に上昇したときにカウンタがカウントを開始し下限設定値P1に低下したときにカウンタがカウントを終了することにより、それぞれ演算(計時)され(図9の(a)参照)、この演算後直ちに(同時に)更新される。このため、各車輪のダウン時間Tpd*は、各車輪のタイヤ空気圧P*が下限設定値P1に低下するまでは前回値が維持され、各車輪のタイヤ空気圧P*が下限設定値P1に低下したとき今回値に更新される。
また、図5のステップ204では、各車輪の平均回転速度V*、すなわち、左前輪FLのタイヤ空気圧Pflが下限設定値P1から上限設定値P2に上昇する間の左前輪の平均回転速度Vflと、右前輪FRのタイヤ空気圧Pfrが下限設定値P1から上限設定値P2に上昇する間の右前輪の平均回転速度Vfrと、左後輪RLのタイヤ空気圧Prlが下限設定値P1から上限設定値P2に上昇する間の左後輪の平均回転速度Vrlと、右後輪RRのタイヤ空気圧Prrが下限設定値P1から上限設定値P2に上昇する間の右後輪の平均回転速度Vrrがそれぞれ演算・更新される。
上記した各車輪の平均回転速度V*(Vfl,Vfr,Vrl,Vrr)は、各圧力センサSpfl,Spfr,Sprl,Sprrからの出力に応じて、各車輪のタイヤ空気圧P*(Pfl,Pfr,Prl,Prr)が下限設定値P1に低下したときから上限設定値P2に上昇するまでの間に、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrからの出力値(各車輪の回転速度に相当する値)がそれぞれ演算(累計)され、この演算後直ちに(同時に)各アップ時間Tpu*で割ることにより算出されて更新される。このため、各車輪の平均回転速度V*は、各車輪のタイヤ空気圧P*が上限設定値P2に上昇するまでは前回値が維持され、各車輪のタイヤ空気圧P*が上限設定値P2に上昇したとき今回値に更新される。
また、図5のステップ205では、各車輪の生成維持時間Tmu*、すなわち、左前輪FLの空気圧生成ユニットFLAが加圧空気の生成を開始してから加圧空気の生成を終了する間の左前輪生成維持時間Tmuflと、右前輪FRの空気圧生成ユニットFRAが加圧空気の生成を開始してから加圧空気の生成を終了する間の右前輪生成維持時間Tmufrと、左後輪RLの空気圧生成ユニットRLAが加圧空気の生成を開始してから加圧空気の生成を終了する間の左後輪生成維持時間Tmurlと、右後輪RRの空気圧生成ユニットRRAが加圧空気の生成を開始してから加圧空気の生成を終了する間の右後輪生成維持時間Tmurrがそれぞれ演算・更新される。
上記した各車輪の生成維持時間Tmu*(Tmufl,Tmufr,Tmurl,Tmurr)は、各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrからの出力に応じて、各空気圧生成ユニット(FLA,FRA,RLA,RRA)が加圧空気の生成を開始したとき(モードセンサがONからOFFに切り換わったとき)にカウンタがカウントを開始し加圧空気の生成を終了したとき(モードセンサがOFFからONに切り換わったとき)にカウンタがカウントを終了することにより、それぞれ演算(計時)され(図9の(b)参照)、この演算後直ちに(同時に)更新される。このため、各生成維持時間Tmu*は、各モードセンサがOFFからONに切り換わるまでは前回値が維持され、各モードセンサがOFFからONに切り換わったとき今回値に更新される。
また、図5のステップ206では、各車輪の非生成維持時間Tmd*、すなわち、左前輪FLの空気圧生成ユニットFLAが加圧空気の生成を終了してから加圧空気の生成を開始する間の左前輪非生成維持時間Tmdflと、右前輪FRの空気圧生成ユニットFRAが加圧空気の生成を終了してから加圧空気の生成を開始する間の右前輪非生成維持時間Tmdfrと、左後輪RLの空気圧生成ユニットRLAが加圧空気の生成を終了してから加圧空気の生成を開始する間の左後輪非生成維持時間Tmdrlと、右後輪RRの空気圧生成ユニットRRAが加圧空気の生成を終了してから加圧空気の生成を開始する間の右後輪非生成維持時間Tmdrrがそれぞれ演算・更新される。
上記した各車輪の非生成維持時間Tmd*(Tmdfl,Tmdfr,Tmdrl,Tmdrr)は、各モードセンサSmfl,Smfr,Smrl,Smrrからの出力に応じて、各空気圧生成ユニット(FLA,FRA,RLA,RRA)が加圧空気の生成を終了したとき(モードセンサがOFFからONに切り換わったとき)にカウンタがカウントを開始し加圧空気の生成を開始したとき(モードセンサがONからOFFに切り換わったとき)にカウンタがカウントを終了することにより、それぞれ演算(計時)され(図9の(b)参照)、この演算後直ちに(同時に)更新される。このため、各非生成維持時間Tmd*は、各モードセンサがONからOFFに切り換わるまでは前回値が維持され、各モードセンサがONからOFFに切り換わったとき今回値に更新される。
また、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータが、図4のステップ300にて各車輪速センサの判定処理を実行するときには、図6に示したサブルーチンを実行する。図6のサブルーチンでは、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータがステップ301にて処理を開始し、ステップ302にて車両が直進走行状態にあるか否かが判定され、ステップ303にてブレーキアクチュエータBAが非制御状態(例えば、ABS作動、ブレーキアシスト作動、TRC作動等が全て非作動である状態)にあるか否かが判定され、ステップ304にて各車輪の回転速度(Vwfl,Vwfr,Vwrl,Vwrr)が読取・記憶される。
また、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータが、ステップ305〜308にて各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrの正常・異常を判定し、ステップ309にて車輪速センサ正常を表示指示し、ステップ310にて車速フラグを“1”に設定し、ステップ311にて車輪速センサ異常を表示指示し、ステップ312にて車速フラグを“0”に設定し、ステップ313にて図4のメインルーチンに戻る。
このため、車両が直進走行状態にあり、ブレーキアクチュエータBAが非制御状態にあると、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ302にて舵角センサSSの出力に基づいて「Yes」と判定し、ステップ303にて制動制御フラグ(図示省略)の設定値に基づいて「Yes」と判定し、ステップ304〜313を適宜実行する。なお、車両が直進走行状態にない場合には、ステップ302にて「No」と判定し、ステップ313を実行する。また、ブレーキアクチュエータBAが制御状態にある場合(例えば、ABS作動、ブレーキアシスト作動、TRC作動等の何れかが制御状態である場合)には、ステップ303にて「No」と判定し、ステップ313を実行する。
ところで、図6のステップ305では、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrにて検出される各車輪の回転速度の平均値(Vwfl+Vwfr+Vwrl+Vwrr)/4と車輪速センサSwflにて検出される車輪の回転速度Vwflの差が設定値α1より小さいか否かが判定され、「Yes」と判定されることのより車輪速センサSwflの正常が判定されてステップ306が実行され、「No」と判定されることのより車輪速センサSwflの異常が判定されてステップ311が実行される。
また、図6のステップ306では、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrにて検出される各車輪の回転速度の平均値(Vwfl+Vwfr+Vwrl+Vwrr)/4と車輪速センサSwfrにて検出される車輪の回転速度Vwfrの差が設定値α1より小さいか否かが判定され、「Yes」と判定されることのより車輪速センサSwfrの正常が判定されてステップ307が実行され、「No」と判定されることのより車輪速センサSwfrの異常が判定されてステップ311が実行される。
また、図6のステップ307では、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrにて検出される各車輪の回転速度の平均値(Vwfl+Vwfr+Vwrl+Vwrr)/4と車輪速センサSwrlにて検出される車輪の回転速度Vwrlの差が設定値α1より小さいか否かが判定され、「Yes」と判定されることのより車輪速センサSwrlの正常が判定されてステップ308が実行され、「No」と判定されることのより車輪速センサSwrlの異常が判定されてステップ311が実行される。
また、図6のステップ308では、各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrにて検出される各車輪の回転速度の平均値(Vwfl+Vwfr+Vwrl+Vwrr)/4と車輪速センサSwrrにて検出される車輪の回転速度Vwrrの差が設定値α1より小さいか否かが判定され、「Yes」と判定されることのより車輪速センサSwrrの正常が判定されてステップ309が実行され、「No」と判定されることのより車輪速センサSwrrの異常が判定されてステップ311が実行される。
また、図6のステップ309では、「車輪速センサ正常」の表示が指示されて、インパネ表示部IDに「車輪速センサ正常」が表示される。また、ステップ311では、「車輪速センサ異常」の表示が指示されて、インパネ表示部IDに「車輪速センサ異常」が表示される。これによって、運転者は、インパネ表示部IDの「車輪速センサ正常」または「車輪速センサ異常」により各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrが全て正常であるか各車輪速センサSwfl,Swfr,Swrl,Swrrの少なくとも一つが異常であることを知ることができる。
また、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータが、図4のステップ400にて各システムの判定処理を実行するときには、図7に示したサブルーチンを実行する。図7のサブルーチンでは、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータがステップ401にて処理を開始し、ステップ402にて車速フラグが“1”に設定されているか否かを判定し、ステップ403にて各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*を演算・記憶し、ステップ404にて各車輪の第2ポンプ供給流量Qp*を演算・記憶する。
また、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータが、ステップ405にて各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*と各車輪の第2ポンプ供給流量Qp*の差が設定値α2より小さいか否かを判定し、ステップ406にてシステム正常を表示指示し、ステップ407にてシステムフラグを“1”に設定し、ステップ408にてシステム異常を表示指示し、ステップ409にてシステムフラグを“0”に設定し、ステップ410にて図4のメインルーチンに戻る。
上記した図7のサブルーチンにおいては、ステップ403〜409が各車輪(FL,FR,RL,RR)に対応してそれぞれ繰り返し実行される。したがって、車輪FLに対応してステップ403〜409が実行された後に、車輪FRに対応してステップ403〜409が実行され、その後に、車輪RLに対応してステップ403〜409が実行され、最後に、車輪RRに対応してステップ403〜409が実行される。
このため、ステップ402の実行時に車速フラグが“1”に設定されていると、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ402にて「Yes」と判定し、ステップ403〜409を各車輪(FL,FR,RL,RR)に対応して順次実行する。一方、ステップ402の実行時に車速フラグが“0”に設定されていると、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ402にて「No」と判定し、ステップ410を実行する。
また、ステップ405の実行時に各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*と各車輪の第2ポンプ供給流量Qp*の差が設定値α2より小さいと、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ405にて「Yes」と判定し、ステップ406,407を順次実行する。一方、ステップ405の実行時に各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*と各車輪の第2ポンプ供給流量Qp*の差が設定値α2より大きいと、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ405にて「No」と判定し、ステップ408,409を順次実行する。
ところで、図7のステップ403では、各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*、すなわち、左前輪FLに設けた空気圧生成ユニットFLA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第1ポンプ供給流量Qvwflと、右前輪FRに設けた空気圧生成ユニットFRA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第1ポンプ供給流量Qvwfrと、左後輪RLに設けた空気圧生成ユニットRLA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第1ポンプ供給流量Qvwrlと、右後輪RRに設けた空気圧生成ユニットRRA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第1ポンプ供給流量Qvwrrがそれぞれ演算・記憶される。
上記した各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*(Qvwfl,Qvwfr,Qvwrl,Qvwrr)は、上述したステップ202にて演算・更新された各車輪のアップ時間Tpu*(Tpufl,Tpufr,Tpurl,Tpurr)と、上述したステップ204にて演算・更新された各車輪の平均回転速度V*(Vfl,Vfr,Vrl,Vrr)に基づいて、それぞれ演算される。なお、各車輪のアップ時間Tpu*は、各車輪の車軸ハブ11により回転駆動されるエアーポンプAPの駆動時間に相当するものであり、また、各車輪の平均回転速度V*は、エアーポンプAPの単位時間当たりの回転数に相当するものであるため、各アップ時間Tpu*と各平均回転速度V*の積にポンプ効率に相当する係数を乗算することにより、各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*はそれぞれ演算される。
また、図7のステップ404では、各車輪の第2ポンプ供給流量Qp*、すなわち、左前輪FLに設けた空気圧生成ユニットFLA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第2ポンプ供給流量Qpflと、右前輪FRに設けた空気圧生成ユニットFRA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第2ポンプ供給流量Qpfrと、左後輪RLに設けた空気圧生成ユニットRLA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第2ポンプ供給流量Qprlと、右後輪RRに設けた空気圧生成ユニットRRA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第2ポンプ供給流量Qprrがそれぞれ演算・記憶される。
上記した各車輪の第2ポンプ供給流量Qp*(Qpfl,Qpfr,Qprl,Qprr)は、上述したステップ202にて演算・更新された各車輪のアップ時間Tpu*(Tpufl,Tpufr,Tpurl,Tpurr)と、上述したステップ203にて演算・更新された各車輪のダウン時間Tpd*(Tpdfl,Tpdfr,Tpdrl,Tpdrr)に基づいて、それぞれ演算される。
各車輪のアップ時間Tpu*は、各車輪の車軸ハブ11によりエアーポンプAPが回転駆動されて各車輪のタイヤ空気圧P*が下限設定値P1から上限設定値P2にまで上昇する時間であり、また、各車輪のダウン時間Tpd*は、エアーポンプAPが駆動されていない状態にて各車輪のタイヤ空気圧P*が上限設定値P2から下限設定値P1にまで低下する時間である。
このため、各車輪のタイヤ空気室Rbを含む空気圧系での気体の状態方程式(P・Vm=M・R・T)から概略的に求められる各車輪のダウン時間Tpd*中での総空気漏れ量Q1(各車輪のタイヤ空気圧P*が上限設定値P2から下限設定値P1にまで低下する間に漏れる空気量)から単位時間当たりの空気漏れ量(Q1/Tpd*)を算出し、この単位時間当たりの空気漏れ量(Q1/Tpd*)とアップ時間Tpu*の積(アップ時間Tpu*中の空気漏れ量)に総空気漏れ量Q1を加算することにより、各車輪の第2ポンプ供給流量Qp*はそれぞれ演算される。
上記した気体の状態方程式(P・Vm=M・R・T)において、Pは「上記した空気圧系での絶対圧力」であり、Vmは「上記した空気圧系の容積」であり、Mは「上記した空気圧系の残留空気重量」であり、Rは「空気の気体定数」であり、Tは「上記した空気圧系での絶対温度」であって、PとM以外はそれぞれ予め概略的に求められていて変化しないもの(一定値)としてある。このため、上記した総空気漏れ量Q1は、タイヤ空気圧P*が上限設定値P2であるときの上記した空気圧系の残留空気重量M2からタイヤ空気圧P*が下限設定値P1であるときの上記した空気圧系の残留空気重量M1を引いた空気重量(M2−M1)を容積に換算することにより概略的に求められている。
また、図7のステップ406では、「システム正常」の表示が指示されて、インパネ表示部IDに「システム正常」が表示される。また、ステップ408では、「システム異常」の表示が指示されて、インパネ表示部IDに「システム異常」が表示される。これによって、運転者は、インパネ表示部IDの「システム正常」または「システム異常」により各車輪の空気圧生成ユニットに設けたエアーポンプおよび圧力センサが全て正常であるかその少なくとも一つが異常であることを知ることができる。
また、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータが、図4のステップ500にて各空気圧系機器の判定処理を実行するときには、図8に示したサブルーチンを実行する。図8のサブルーチンでは、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータがステップ501にて処理を開始し、ステップ502にて各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*を演算・記憶し、ステップ503にてシステムフラグが“1”に設定されているか否かを判定する。
また、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータが、ステップ504にて各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*と各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*の差が設定値α3より小さいか否かを判定し、ステップ505にてモードセンサ・圧力センサ・エアーポンプ正常を表示指示し、ステップ506にてモードセンサ異常を表示指示し、ステップ510にて図4のメインルーチンに戻る。また、ステップ507にて各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*と各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*の差が設定値α3より小さいか否かを判定し、ステップ508にて圧力センサ異常を表示指示し、ステップ509にてエアーポンプ異常を表示指示する。
上記した図8のサブルーチンにおいては、ステップ502〜509が各車輪(FL,FR,RL,RR)に対応してそれぞれ繰り返し実行される。したがって、車輪FLに対応してステップ502〜509が実行された後に、車輪FRに対応してステップ502〜509が実行され、その後に、車輪RLに対応してステップ502〜509が実行され、最後に、車輪RRに対応してステップ502〜509が実行される。
このため、ステップ503の実行時にシステムフラグが“1”に設定されていると、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ503にて「Yes」と判定し、ステップ504を実行する。一方、ステップ503の実行時にシステムフラグが“0”に設定されていると、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ503にて「No」と判定し、ステップ507を実行する。
また、ステップ504の実行時に各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*と各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*の差が設定値α3より小さいと、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ504にて「Yes」と判定し、ステップ505を実行する。一方、ステップ504の実行時に各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*と各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*の差が設定値α3より大きいと、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ504にて「No」と判定し、ステップ506を実行する。
また、ステップ507の実行時に各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*と各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*の差が設定値α3より小さいと、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ507にて「Yes」と判定し、ステップ508を実行する。一方、ステップ507の実行時に各車輪の第1ポンプ供給流量Qvw*と各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*の差が設定値α3より大きいと、電気制御装置ECUのマイクロコンピュータは、ステップ507にて「No」と判定し、ステップ509を実行する。
ところで、図8のステップ502では、各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*、すなわち、左前輪FLに設けた空気圧生成ユニットFLA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第3ポンプ供給流量Qtflと、右前輪FRに設けた空気圧生成ユニットFRA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第3ポンプ供給流量Qtfrと、左後輪RLに設けた空気圧生成ユニットRLA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第3ポンプ供給流量Qtrlと、右後輪RRに設けた空気圧生成ユニットRRA(エアーポンプAP)が生成・非生成一サイクル中にタイヤ空気室Rbに向けて供給する第3ポンプ供給流量Qtrrがそれぞれ演算・記憶される。
上記した各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*(Qtfl,Qtfr,Qtrl,Qtrr)は、上述したステップ205にて演算・更新された各車輪の生成維持時間Tmu*(Tmufl,Tmufr,Tmurl,Tmurr)と、上述したステップ206にて演算・更新された各車輪の非生成維持時間Tmd*(Tmdfl,Tmdfr,Tmdrl,Tmdrr)に基づいて、それぞれ演算される。
各車輪の生成維持時間Tmu*は、各車輪のタイヤ空気圧P*が下限設定値P1となって各モードセンサがONからOFFに切り換ったときから各車輪のタイヤ空気圧P*が上限設定値P2となって各モードセンサがOFFからONに切り換るまでの時間であり、また、各車輪の非生成維持時間Tmd*は、各車輪のタイヤ空気圧P*が上限設定値P2となって各モードセンサがOFFからONに切り換ったときから各車輪のタイヤ空気圧P*が下限設定値P1となって各モードセンサがONからOFFに切り換るまでの時間である。
このため、各車輪のタイヤ空気室Rbを含む空気圧系での気体の状態方程式(P・Vm=M・R・T)から概略的に求められる各車輪の非生成維持時間Tmd*中での総空気漏れ量Q1(これも、各車輪のタイヤ空気圧P*が上限設定値P2から下限設定値P1にまで低下する間に漏れる空気量であり、上述した各車輪のダウン時間Tpd*中での総空気漏れ量Q1と同じである)から単位時間当たりの空気漏れ量(Q1/Tmd*)を算出し、この単位時間当たりの空気漏れ量(Q1/Tmd*)と生成維持時間Tmu*の積(生成維持時間Tmu*中の空気漏れ量)に総空気漏れ量Q1を加算することにより、各車輪の第3ポンプ供給流量Qt*はそれぞれ演算される。
また、図8のステップ505では、「モードセンサ・圧力センサ・エアーポンプ正常」の表示が指示されて、インパネ表示部IDに「モードセンサ・圧力センサ・エアーポンプ正常」が表示される。また、ステップ506では、「モードセンサ異常」の表示が指示されて、インパネ表示部IDに「モードセンサ異常」が表示される。また、ステップ508では、「圧力センサ異常」の表示が指示されて、インパネ表示部IDに「圧力センサ異常」が表示される。また、ステップ509では、「エアーポンプ異常」の表示が指示されて、インパネ表示部IDに「エアーポンプ異常」が表示される。これによって、運転者は、インパネ表示部IDに表示される各種の表示内容により各車輪の空気圧系機器(モードセンサ、圧力センサ、エアーポンプ)の正常・異常を知ることができる。
上記実施形態においては、各空気圧系機器(モードセンサ・圧力センサ・エアーポンプ)の正常・異常を判定するためのステップ500を設けて実施したが、このステップ500をなくして実施することも可能である。この場合には、図5のステップ205と206が不要となる。また、上記実施形態においては、各車輪速センサの正常・異常を判定するためのステップ300を設けて実施したが、このステップ300をなくして実施することも可能である。
また、上記実施形態においては、上述したようにして各車輪の車輪速センサと各車輪の空気圧系機器(モードセンサ、圧力センサ、エアーポンプ)の正常・異常を特定するようにしたが、上記三つのセンサ(車輪速センサ、圧力センサ、モードセンサ)の検出値に基づいて演算される第1ポンプ供給流量(Qvw*)、第2ポンプ供給流量(Qp*)、第3ポンプ供給流量(Qt*)を比較し、一つのポンプ供給流量(例えば、Qvw*)が他の二つのポンプ供給流量(例えば、Qp*とQt*)と異なる値を示した場合には、多数決により、他の二つのポンプ供給流量(例えば、Qp*とQt*)が正規のポンプ供給流量と推定し、異なる値を示したポンプ供給流量(例えば、Qvw*)の演算基礎となるセンサ(例えば、車輪速センサ)が異常であると特定することも可能である。
また、上記実施形態においては、当該タイヤ空気圧制御装置が、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサ(Swfl,Swfr,Swrl,Swrr)と、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニット(FLA,FRA,RLA,RRA)と、前記各車輪のタイヤ空気圧をそれぞれ検出する複数の圧力センサ(Spfl,Spfr,Sprl,Sprr)と、前記各空気圧生成ユニットの生成状態と非生成状態をそれぞれ検出する複数のモードセンサ(Smfl,Smfr,Smrl,Smrr)を備えるとともに、前記各車輪速センサの検出値に基づいて前記各車輪速センサの正常・異常をそれぞれ判定する各車輪速センサ判定手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記下限設定値から前記上限設定値に至るアップ時間(Tpu*)をそれぞれ演算する各アップ時間演算手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記上限設定値から前記下限設定値に至るダウン時間(Tpd*)をそれぞれ演算する各ダウン時間演算手段と、前記各アップ時間演算手段により演算されるアップ時間中の前記各車輪の平均回転速度(V*)を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各平均回転速度(V*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第1ポンプ供給流量(Qvw*)をそれぞれ演算する各第1ポンプ供給流量演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各ダウン時間(Tpd*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ演算する各第2ポンプ供給流量演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが生成状態に維持されている生成維持時間(Tmu*)をそれぞれ演算する各生成維持時間演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが非生成状態に維持されている非生成維持時間(Tmd*)をそれぞれ演算する各非生成維持時間演算手段と、前記各生成維持時間(Tmu*)と前記各非生成維持時間(Tmd*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量(Qt*)をそれぞれ演算する各第3ポンプ供給流量演算手段と、前記各車輪速センサ判定手段にて前記各車輪速センサの正常が判定されたときに前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第2ポンプ供給流量(Qp*)の差に基づいて前記各エアーポンプと前記各圧力センサの正常・異常をそれぞれ判定する各システム判定手段と、この各システム判定手段にて前記各エアーポンプと前記各圧力センサの正常が判定されたときに前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第3ポンプ供給流量(Qt*)の差に基づいて前記各モードセンサの正常・異常をそれぞれ判定する各モード判定手段と、前記各システム判定手段にて前記各エアーポンプと前記各圧力センサの異常が判定されたときに前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第3ポンプ供給流量(Qt*)の差に基づいて前記各エアーポンプと前記各圧力センサの何れの異常かをそれぞれ判定する各エアーポンプ・圧力センサ判定手段を備える構成として実施したが、当該タイヤ空気圧制御装置を下記の第1変形実施形態〜第5変形実施形態のように構成して実施することも可能である。
(第1変形実施形態)
当該タイヤ空気圧制御装置は、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサ(Swfl,Swfr,Swrl,Swrr)と、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニット(FLA,FRA,RLA,RRA)と、前記各車輪のタイヤ空気圧をそれぞれ検出する複数の圧力センサ(Spfl,Spfr,Sprl,Sprr)を備えるとともに、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記下限設定値から前記上限設定値に至るアップ時間(Tpu*)をそれぞれ演算する各アップ時間演算手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記上限設定値から前記下限設定値に至るダウン時間(Tpd*)をそれぞれ演算する各ダウン時間演算手段と、前記各アップ時間演算手段により演算されるアップ時間中の前記各車輪の平均回転速度(V*)を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各平均回転速度(V*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第1ポンプ供給流量(Qvw*)をそれぞれ演算する各第1ポンプ供給流量演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各ダウン時間(Tpd*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ演算する各第2ポンプ供給流量演算手段と、前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ比較判定する各判定手段を備えている。
(第2変形実施形態)
当該タイヤ空気圧制御装置は、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサ(Swfl,Swfr,Swrl,Swrr)と、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニット(FLA,FRA,RLA,RRA)と、前記各車輪のタイヤ空気圧をそれぞれ検出する複数の圧力センサ(Spfl,Spfr,Sprl,Sprr)を備えるとともに、前記各車輪速センサの検出値に基づいて前記各車輪速センサの正常・異常をそれぞれ判定する各車輪速センサ判定手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記下限設定値から前記上限設定値に至るアップ時間(Tpu*)をそれぞれ演算する各アップ時間演算手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記上限設定値から前記下限設定値に至るダウン時間(Tpd*)をそれぞれ演算する各ダウン時間演算手段と、前記各アップ時間演算手段により演算されるアップ時間中の前記各車輪の平均回転速度(V*)を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各平均回転速度(V*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第1ポンプ供給流量(Qvw*)をそれぞれ演算する各第1ポンプ供給流量演算手段と、前記各アップ時間(Tpu*)と前記各ダウン時間(Tpd*)に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量(Qp*)をそれぞれ演算する各第2ポンプ供給流量演算手段と、前記各車輪速センサ判定手段にて前記各車輪速センサの正常が判定されたときに前記各第1ポンプ供給流量(Qvw*)と前記各第2ポンプ供給流量(Qp*)の差に基づいて前記各空気圧生成ユニットと前記各圧力センサの正常・異常をそれぞれ判定する各システム判定手段を備えている。
(第3変形実施形態)
当該タイヤ空気圧制御装置は、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサ(Swfl,Swfr,Swrl,Swrr)と、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニット(FLA,FRA,RLA,RRA)と、前記各空気圧生成ユニットの生成状態と非生成状態をそれぞれ検出する複数のモードセンサ(Smfl,Smfr,Smrl,Smrr)を備えるとともに、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが生成状態に維持されている生成維持時間をそれぞれ演算する各生成維持時間演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが非生成状態に維持されている非生成維持時間をそれぞれ演算する各非生成維持時間演算手段と、前記各生成維持時間演算手段により演算される生成維持時間中の前記各車輪の平均回転速度を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各生成維持時間と前記各平均回転速度に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第4ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第4ポンプ供給流量演算手段と、前記各生成維持時間と前記各非生成維持時間に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第3ポンプ供給流量演算手段と、前記各第4ポンプ供給流量と前記各第3ポンプ供給流量をそれぞれ比較判定する各判定手段を備えている。
(第4変形実施形態)
当該タイヤ空気圧制御装置が、車両における複数の車輪の回転速度をそれぞれ検出する複数の車輪速センサ(Swfl,Swfr,Swrl,Swrr)と、前記複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニット(FLA,FRA,RLA,RRA)と、前記各空気圧生成ユニットの生成状態と非生成状態をそれぞれ検出する複数のモードセンサ(Smfl,Smfr,Smrl,Smrr)を備えるとともに、前記各車輪速センサの検出値に基づいて前記各車輪速センサの正常・異常をそれぞれ判定する各車輪速センサ判定手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが生成状態に維持されている生成維持時間をそれぞれ演算する各生成維持時間演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが非生成状態に維持されている非生成維持時間をそれぞれ演算する各非生成維持時間演算手段と、前記各生成維持時間演算手段により演算される生成維持時間中の前記各車輪の平均回転速度を前記各車輪速センサの検出値に基づいてそれぞれ演算する各平均回転速度演算手段と、前記各生成維持時間と前記各平均回転速度に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第4ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第4ポンプ供給流量演算手段と、前記各生成維持時間と前記各非生成維持時間に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第3ポンプ供給流量演算手段と、前記各車輪速センサ判定手段にて前記各車輪速センサの正常が判定されたときに前記各第4ポンプ供給流量と前記各第3ポンプ供給流量の差に基づいて前記各空気圧生成ユニットと前記各モードセンサの正常・異常をそれぞれ判定する各システム判定手段を備えている。
(第5変形実施形態)
当該タイヤ空気圧制御装置は、車両における複数の車輪にそれぞれ設けられて各車輪の回転によって駆動可能で各車輪のタイヤ空気室に供給される加圧空気を生成可能なエアーポンプを含み各車輪のタイヤ空気圧を下限設定値から上限設定値間に維持可能な複数の空気圧生成ユニット(FLA,FRA,RLA,RRA)と、前記各車輪のタイヤ空気圧をそれぞれ検出する複数の圧力センサ(Spfl,Spfr,Sprl,Sprr)と、前記各空気圧生成ユニットの生成状態と非生成状態をそれぞれ検出する複数のモードセンサ(Smfl,Smfr,Smrl,Smrr)を備えるとともに、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記下限設定値から前記上限設定値に至るアップ時間をそれぞれ演算する各アップ時間演算手段と、前記各圧力センサの検出値に基づいて前記各車輪のタイヤ空気圧が前記上限設定値から前記下限設定値に至るダウン時間をそれぞれ演算する各ダウン時間演算手段と、前記各アップ時間と前記各ダウン時間に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第2ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第2ポンプ供給流量演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが生成状態に維持されている生成維持時間をそれぞれ演算する各生成維持時間演算手段と、前記各モードセンサの検出値に基づいて前記各空気圧生成ユニットが非生成状態に維持されている非生成維持時間をそれぞれ演算する各非生成維持時間演算手段と、前記各生成維持時間と前記各非生成維持時間に基づいて前記各空気圧生成ユニットの生成・非生成一サイクル中の第3ポンプ供給流量をそれぞれ演算する各第3ポンプ供給流量演算手段と、前記各第2ポンプ供給流量と前記各第3ポンプ供給流量をそれぞれ比較判定する各判定手段を備えている。
また、上記実施形態においては、各車輪速センサの正常・異常と各空気圧系機器(モードセンサ・圧力センサ・エアーポンプ)の正常・異常をインパネ表示部IDに表示することにより運転者に知らせるように構成して実施したが、上記した各機器の正常・異常(判定結果)をスピーカにて報知音で運転者に知らせるように構成して実施することも可能である。
FL…左前輪、FR…右前輪、RL…左後輪、RR…右後輪、B1…ホイール、B2…タイヤ、Rb…タイヤ空気室、FLA,FRA,RLA,RRA…空気圧生成ユニット、AP…エアーポンプ、VA…制御弁装置、Swfl,Swfr,Swrl,Swrr…車輪速センサ、Spfl,Spfr,Sprl,Sprr…圧力センサ、Smfl,Smfr,Smrl,Smrr…モードセンサ、BA…ブレーキアクチュエータ、Wfl,Wfr,Wrl,Wrr…ホイールブレーキ、ECU…電気制御装置、ID…インパネ表示部