JP4456941B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置とそこに設置される定着装置とに関し、特に、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置及び画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、装置の立ち上がり時間を低減して省エネルギー化することを目的とした、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1等において、電磁誘導加熱方式の定着装置は、主として、加熱ローラ(発熱ローラ)と定着補助ローラ(定着ローラ)とによって張架された定着ベルト、加熱ローラに定着ベルトを介して対向する誘導加熱部、定着補助ローラに定着ベルトを介して対向する加圧ローラ等で構成される。誘導加熱部は、幅方向(記録媒体の搬送方向に直交する方向である。)に延設されたコイル部や、コイル部に対向するコア等で構成される。
そして、定着ベルトは、誘導加熱部との対向位置で加熱される。加熱された定着ベルトは、定着補助ローラ及び加圧ローラの位置に搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して定着する。詳しくは、コイル部に高周波の交番電流を流すことで、コイル部の周囲に磁界が形成されて、加熱ローラ表面に渦電流が生じる。加熱ローラに渦電流が生じると、加熱ローラ自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、加熱ローラに巻装された定着ベルトが加熱される。
このような電磁誘導加熱方式を用いた定着装置は、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて、定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できることが知られている。
一方、特許文献2等には、電磁誘導加熱方式を用いた定着装置において、定着フィルム(電磁誘導発熱性回転体)の幅方向の温度分布を均一化することを目的として、定着フィルムの内周面にヒートパイプを接触させる技術が開示されている。
特開2002−82549号公報 特開2001−147606号公報
上述した従来の画像形成装置は、幅方向サイズの短い記録媒体を連続的に定着した場合に生じる、定着ベルトの幅方向両端部における温度上昇を効率的に抑止することが難しかった。
詳しくは、次の通りである。
一般的な画像形成装置は、幅方向のサイズが異なる数種類の記録媒体に対して、画像形成ができるように構成されている。ここで、幅方向サイズの異なる記録媒体とは、JIS寸法のA列やB列における種々の定形サイズの記録媒体の他に、不定形サイズの記録媒体も含まれる。また、同一サイズ(例えば、A4サイズである。)の記録媒体であっても、長手方向を搬送方向にした場合と、短手方向(長手方向に直交する方向である。)を搬送方向にした場合とでは、幅方向サイズの異なる記録媒体を扱っていることになる。
このような幅方向サイズの異なる記録媒体を定着装置で定着する場合には、記録媒体の幅方向サイズに応じて、定着ベルトの幅方向の熱分布が変動して、温度ムラが生じてしまう場合があった。例えば、幅方向サイズの小さな記録媒体を通紙して定着する場合には、その記録媒体の幅方向サイズに対応する定着ベルトの位置(通紙領域である。)では熱が多く奪われて、その他の位置(非通紙領域である。)に比べて定着温度が低くなる。このような現象は、幅方向サイズの小さな記録媒体を連続的に通紙するような場合に、特に顕著になる。
したがって、定着ベルトの幅方向中央部の定着温度を基準として定着ベルトの幅方向全域の定着温度を制御しようとすると、定着ベルトの幅方向中央部の定着温度は所望の温度に制御できるものの、幅方向両端部の定着温度が上昇してしまうことになる。このように、定着ベルトの幅方向両端部の定着温度が上昇した状態で、幅方向サイズの大きな記録媒体を定着すると、温度上昇位置に対応した記録媒体上にホットオフセットが発生してしまう。さらに、幅方向両端部の定着温度が定着ベルトの耐熱温度を超えた場合には、定着ベルトに熱的破損が生じて寿命が低下する場合も考えられる。
上述の特許文献2等に開示されたヒートパイプを定着ベルトの内周面に当接させる場合には、定着ベルトの幅方向両端部における温度上昇を充分に抑止することができない可能性があった。これは、所定方向に走行する定着ベルトと、ヒートパイプと、の当接面積を充分に確保できないことによる。すなわち、ヒートパイプは円筒形状であるために、定着ベルトとヒートパイプとの接触は線接触に近い状態になってしまう。そのために、定着ベルトからヒートパイプへの熱の受け渡しが不充分になる。
このような問題を解決するために、円筒形状のヒートパイプに対して定着ベルトを所定角度で巻き付ける方策が考えられる。しかし、このような場合でも、定着ベルトとヒートパイプとの当接面になるのは、巻き付け角度に対応する円弧分のみであって、定着ベルトからヒートパイプへの充分な熱の受け渡しはできない可能性が高い。さらに、このような場合には、ヒートパイプに対して定着ベルトを巻き付けるスペースを確保する必要があるために、定着装置が大型化することになる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、定着ベルトの幅方向両端部における温度上昇を比較的簡易な構成で確実に抑止することができる、定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
この発明の請求項1記載の発明にかかる定着装置は、加熱ローラと、定着ローラと、前記加熱ローラと定着ローラとに掛け回された定着ベルトと、該定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接する加圧ローラとを備え、前記加圧ローラが圧接する定着ニップ部にてトナー像を加熱してトナー像を記録媒体に定着する定着装置において、前記定着ベルトの走行方向における前記定着ニップ部の下流側であって、加熱ローラの上流側において、前記定着ベルトの内周面に平坦な面をもって当接するプレート・ヒートパイプを備え、前記プレート・ヒートパイプは、記録媒体の搬送方向と直交する前記定着ベルトの幅方向両端部において、所定のサイズの記録媒体の領域外であって該所定のサイズよりも大きいサイズの記録媒体の通紙領域に対応する位置にそれぞれ設置され、且つ、これらのプレート・ヒートパイプは前記定着ベルトに対して接離自在に設けられ、前記大きいサイズの記録媒体を通紙するとき前記プレート・ヒートパイプは前記定着ベルトから退避させられることを特徴とする
また、請求項2記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1に記載の定着装置において、前記プレート・ヒートパイプは、放熱部材を介して前記定着ベルトに当接することを特徴とする
また、請求項3記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項2に記載の定着装置において、前記放熱部材は、放熱グリースであることを特徴とする
また、請求項4記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置において、前記プレート・ヒートパイプは、前記定着ベルトとの当接面に面取り部を備えたことを特徴とする
また、請求項5記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1〜4のいずれか1つに記載の定着装置において、前記プレート・ヒートパイプに対して前記定着ベルトを外周面側から押圧する押圧部材を備えたことを特徴とする
また、請求項6記載の発明にかかる定着装置は、上記請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着装置において、前記加熱ローラは、電磁誘導によって加熱されることを特徴とする
また、請求項7記載の発明にかかる画像形成装置は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする
なお、本願において、「幅方向」とは、記録媒体における搬送方向に直交する方向と定義する。
また、本願において、「定着ベルト」とは、トナー像の定着に寄与するとともに複数のローラ部材に張架・支持されるフレキシブルな定着部材と定義する。したがって、定着ベルトには、フィルム状の定着フィルムも含まれるものとする。
本発明は、定着ベルトにプレート・ヒートパイプを当接させているために、定着ベルトとプレート・ヒートパイプとの当接面積が充分に確保される。これによって、定着ベルトの幅方向両端部における温度上昇が比較的簡易な構成で確実に抑止される、定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。また、実施の形態1、実施の形態2は参考例として説明する。
実施の形態1.
図1〜図4にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのレーザープリンタの装置本体、3は画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム18上に照射する露光部、4は装置本体1に着脱自在に設置される作像部としてのプロセスカートリッジ、7は感光体ドラム18上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10は出力画像が載置される排紙トレイ、11、12は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、13は記録媒体Pを転写部7に搬送するレジストローラ、15は主として給紙部11、12の記録媒体Pとは異なるサイズの記録媒体Pを搬送する際に用いる手差し給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置を示す。
図1を参照して、画像形成装置における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、露光部3から、画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、プロセスカートリッジ4の感光体ドラム18上に向けて発せられる。感光体ドラム18は図中の反時計方向に回転しており、所定の電子写真プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム18上に画像情報に対応したトナー像が形成される。
その後、感光体ドラム18上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラ13により搬送された記録媒体P上に転写される。
一方、転写部7に搬送される記録媒体Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部11、12、15のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部11が選択されたものとする。)。なお、複数の給紙部11、12には、それぞれ、異なるサイズの記録媒体Pや、搬送方向の異なる同一サイズの記録媒体Pが、収納されている。
そして、給紙部11に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラ13の位置に達する。そして、レジストローラ13の位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム18上に形成されたトナー像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7に向けて搬送される。
そして、転写工程後の記録媒体Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した記録媒体Pは、定着ベルトと加圧ローラとの間に送入されて、定着ベルトから受ける熱と加圧ローラから受ける圧力とによってトナー像が定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、定着ベルトと加圧ローラとの間から送出された後に、出力画像として画像形成装置本体1から排出されて、排紙トレイ10上に載置される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、主として、定着補助ローラ21、定着ベルト22、加熱ローラ23、誘導加熱部24、加圧ローラ30、プレート・ヒートパイプ40、サーモスタット37、オイル塗布ローラ34、ガイド板35、分離板36等で構成される。
ここで、定着補助ローラ21は、その表面にシリコーンゴム等の弾性層が形成されていて、不図示の駆動部によって図2の反時計方向に回転駆動される。
加熱ローラ23は、主として、ステンレス鋼等からなる円筒部、円筒部の両端にそれぞれ圧入されたフランジ、等で構成される。加熱ローラ23は、図2の反時計方向に回転する。加熱ローラ23の内部には、フェライト等の強磁性体からなる内部コア28が設置されている。内部コア28は、定着ベルト22を介してコイル部25に対向している。
定着ベルト22は、加熱ローラ23と定着補助ローラ21とに張架・支持されている。定着ベルト22は、ポリイミド樹脂等からなるベース層、銀やニッケルや鉄等からなる発熱層、フッ素化合物等からなる離型層(表面層)等からなる多層構造のエンドレスベルトである。定着ベルト22の離型層によって、トナーTに対する離型性が担保されている。
誘導加熱部24は、コイル部25、コア26、コイルガイド27等で構成される。
ここで、コイル部25は、加熱ローラ23に巻装された定着ベルト22の外周部を覆うように、細線を束ねたリッツ線を巻回して幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイド27は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25を保持する。コア26は、フェライト等の強磁性体からなり、センターコア26aやサイドコア26bが設けられている。コア26は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置されている。
また、加圧ローラ30は、芯金上にフッ素ゴムやシリコーンゴム等の弾性層が形成されたものであり、定着ベルト22を介して定着補助ローラ21に圧接している。そして、定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部(定着ニップ部である。)に、記録媒体Pが搬送される。
定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部の入口側には、記録媒体Pの搬送を案内するガイド板35が配設されている。
定着ベルト22と加圧ローラ30との当接部の出口側には、記録媒体Pの搬送を案内するとともに記録媒体Pが定着ベルト22から分離するのを促進する分離板36が配設されている。
定着ベルト22の内周面には、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)のほぼ全域にわたって、プレート・ヒートパイプ40が当接している。プレート・ヒートパイプ40は、後述する定着位置の下流側であって、加熱位置の上流側に、設置されている。プレート・ヒートパイプ40は、定着位置通過後の定着ベルト22における幅方向の温度分布を均一化する。なお、プレート・ヒートパイプ40については、後で詳しく説明する。
定着ベルト22の外周面には、オイル塗布ローラ34が当接している。オイル塗布ローラ34は、定着ベルト22上にシリコーンオイル等のオイルを供給する。これにより、定着ベルト22上におけるトナー離型性がさらに担保される。なお、オイル塗布ローラ34には、オイルの塗布量を均一化するとともに、その表面上の汚れを除去するクリーニングローラ33が当接されている。
加熱ローラ23の外周面には、サーモスタット37が当接されている。そして、加熱ローラ23上の表面温度が所定の温度を超えた場合には、サーモスタット37によって誘導加熱部24への通電が切断される。これにより、誘導加熱部24による加熱ローラ23の過熱が制限される。
なお、図示は省略するが、定着ベルト22の外周面にはサーミスタが当接されている。そして、サーミスタによって、定着ベルト22上の表面温度(定着温度)が検知されて、誘導加熱部24による加熱量が調整される。
このように構成された定着装置20は、次のように動作する。
定着補助ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、加熱ローラ23も反時計方向に回転して、加圧ローラ30も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、誘導加熱部24との対向位置(加熱位置である。)で加熱される。
詳しくは、コイル部25に高周波の交番電流を流すことで、コア26と内部コア28との間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。これによって、加熱ローラ23表面に渦電流が生じて、加熱ローラ23自身の電気抵抗によってジュール熱が発生して、加熱ローラ23が加熱される。
さらに、電磁誘導により加熱された加熱ローラ23によって、加熱ローラ23に巻装された定着ベルト22が加熱される。
その後、誘導加熱部24によって発熱した定着ベルト22表面は、加圧ローラ30との当接部(定着位置である。)に達する。そして、搬送される記録媒体P上のトナー像Tを加熱して溶融する。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Yの搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ30との間から送出される。
定着位置を通過した定着ベルト22表面は、その後にオイル塗布ローラ34の位置を通過して、プレート・ヒートパイプ40との当接位置に達する。プレート・ヒートパイプ40によって表面温度が均一化された定着ベルト22表面は、その後に再び誘導加熱部24との対向位置に達する。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
図3にて、本実施の形態1において特徴的な、プレート・ヒートパイプ40の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
図3は、定着ベルト22の内周面22aに当接するプレート・ヒートパイプ40(平面型ヒートパイプ)の近傍を示す部分拡大図である。図3を参照して、プレート・ヒートパイプ40は、略角柱形状のヒートパイプである。本実施の形態1では、プレート・ヒートパイプ40として、幅方向の長さが定着ベルト22の幅方向長とほぼ等しく、走行方向の長さhが9mm、厚さが1mmのものを用いている。
プレート・ヒートパイプ40は、平板と作動液の流路が設けられたアルミ板とを貼り合わせて、内部に毛細管構造を形成したものである。このような構造により、定着ベルト22に当接するプレート・ヒートパイプ40の当接面において、高温部で蒸発した作動液の蒸気が低温部に移動して、低温部で凝縮した作動液が毛細管現象で高温部に移動する。このような一連の相変化が連続的に生じて、定着ベルト22の幅方向の温度分布が素早く均一化される。なお、プレート・ヒートパイプ40は定着ベルト22の内周面22aに当接しているために、外周面に当接する場合に比べて、定着ベルト22の外周面上でおこなわれる定着工程への副作用が生じない。
図4は、本実施の形態1における、定着ベルト22上の幅方向の温度分布を示すグラフである。
図4において、横軸は定着ベルト22における幅方向の位置を示し、縦軸は定着ベルト22表面の温度(定着温度)を示す。ここで、横軸の幅方向位置の「0」は、定着ベルト22の幅方向中央位置を示す。実線R1はプレート・ヒートパイプ40を設置したとき(本実施の形態1の定着装置20の構成である。)の温度分布を示し、破線R2はプレート・ヒートパイプ40を設置しないとき(従来の定着装置20の構成である。)の温度分布を示す。
なお、図4の温度測定は、幅方向サイズがL2となる小サイズの記録媒体Pを連続通紙した後におこなった。また、その後に、幅方向サイズがL1となる大サイズの記録媒体Pを通紙して、その出力画像におけるホットオフセットの有無を評価した。
図4から、プレート・ヒートパイプ40を設置することで、小サイズの記録媒体Pを連続的に通紙した後であっても、定着ベルト22上の幅方向の定着温度分布が均一化されることが確認できる。すなわち、プレート・ヒートパイプ40によって高温部(非通紙領域)と低温部(通紙領域)との熱循環がおこなわれて、定着温度の均一化が達成される。また、プレート・ヒートパイプ40を設置することで、幅方向両端部におけるホットオフセットや、定着ベルト22の熱的破損が抑止されることも確認された。
ここで、図3を参照して、本実施の形態1におけるプレート・ヒートパイプ40には、その当接面に面取り部40aが形成されている。これにより、矢印方向に走行する定着ベルト22の内周面が、プレート・ヒートパイプ40のエッジによって削られる不具合が抑止される。
なお、プレート・ヒートパイプ40と定着ベルト22との当接面における摩擦を低減する場合には、放熱部材としての放熱グリースを当接面に塗布することもできる。これにより、定着ベルト22における幅方向両端部の温度上昇を抑止しつつ、定着ベルト22及びプレート・ヒートパイプ40の磨耗が低減される。
以上説明したように、本実施の形態1の構成によれば、定着ベルト22とプレート・ヒートパイプ40とが面接触するために、当接面積が充分に確保されて、定着ベルト22の高温部からプレート・ヒートパイプ40への充分な熱の受け渡しがおこなわれる。これによって、定着ベルト22の幅方向両端部における温度上昇が確実に抑止され、幅方向の温度ムラも軽減される。
実施の形態2.
図5にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図5は、実施の形態2の定着装置20におけるプレート・ヒートパイプ40近傍を示す部分拡大図であって、前記実施の形態1における図3に相当する図である。本実施の形態2の定着装置20は、プレート・ヒートパイプ40近傍に押圧部材43及び付勢部材44を設けている点が、前記実施の形態1のものとは相違する。
図5に示すように、定着ベルト22の内周面22aには、前記実施の形態1と同様に、プレート・ヒートパイプ40が当接されている。また、定着ベルト22の外周面には、2対の押圧部材43が当接されている。2対の押圧部材43は、最大通紙領域(記録媒体Pの幅方向サイズが最大となる領域である。)を超えた領域にて、定着ベルト22の外周面に当接する。これにより、定着ベルト22の外周面上でおこなわれる定着工程への副作用(例えば、定着面の損傷等である。)が生じない。
また、2対の押圧部材43のうち、1対の押圧部材43はプレート・ヒートパイプ40の上流側に設置され、もう1対の押圧部材43はプレート・ヒートパイプ40の下流側に設置されている。2対の押圧部材43には、それぞれ、付勢部材44が設置されていて、定着ベルト22を加圧する方向の付勢力が与えられている。
このような構成によって、プレート・ヒートパイプ40に対する定着ベルト22の密着性が向上する。したがって、定着ベルト22が矢印方向に走行しても、プレート・ヒートパイプ40との間に隙間が生じることがなく、双方の部材の面接触が良好に維持される。
以上説明したように、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、定着ベルト22とプレート・ヒートパイプ40とが確実に面接触するために、当接面積が充分に確保されて、定着ベルト22の高温部からプレート・ヒートパイプ40への充分な熱の受け渡しがおこなわれる。これによって、定着ベルト22の幅方向両端部における温度上昇が確実に抑止され、幅方向の温度ムラも軽減される。
実施の形態3.
図6及び図7にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図6は、実施の形態3の定着装置20におけるプレート・ヒートパイプ近傍を示す部分拡大図であって、前記実施の形態1における図3に相当する図である。図7は、図6のプレート・ヒートパイプを内周面22a側からみた図である。
本実施の形態3の定着装置20は、2つのプレート・ヒートパイプ40A、40Bを幅方向両端部に設けている点と、プレート・ヒートパイプ40A、40Bを定着ベルト22に対して接離自在に構成している点とが、前記実施の形態1のものとは相違する。
図6に示すように、定着ベルト22の内周面22aには、前記実施の形態1と同様に、プレート・ヒートパイプ40A、40Bが当接される。本実施の形態3においては、図7に示すように、2つのプレート・ヒートパイプ40A、40Bが、それぞれ、内周面22aの幅方向両端部に設置されている。
詳しくは、図7に示すように、2つのプレート・ヒートパイプ40A、40Bは、幅方向サイズがL2となる小サイズの記録媒体Pと、幅方向サイズがL1となる大サイズの記録媒体Pと、に対応するように配設されている。すなわち、2つのプレート・ヒートパイプ40A、40Bは、定着ベルと22における小サイズの領域外に当接するように構成されている。
ここで、2つのプレート・ヒートパイプ40A、40Bは、不図示の接離機構によって、定着ベルト22に対して所定のタイミングで接離される(図6中の実線部と破線部との間の両矢印方向の移動である。)。具体的には、小サイズの記録媒体Pを連続通紙する場合には、2つのプレート・ヒートパイプ40A、40Bは定着ベルト22に当接される(実線部の位置である。)。これに対して、大サイズの記録媒体Pを通紙する場合には、2つのプレート・ヒートパイプ40A、40Bは定着ベルト22から退避される(破線部の位置である。)。
このような構成及び制御により、小サイズの記録媒体Pが連続通紙される場合に、2つのプレート・ヒートパイプ40A、40Bによって、高温となった当接面の熱が反対の面側に移動する。これにより、定着ベルト22の幅方向両端部における温度上昇が抑止される。これに対して、大サイズの記録媒体Pが通紙される場合には、両端部の温度上昇が生じないために、プレート・ヒートパイプ40A、40Bを退避させてその機能を制限する。
なお、本実施の形態1では、理解を容易にするために、記録媒体Pのサイズが2つ(L1、L2である。)である場合について説明した。これに対して、記録媒体Pのサイズが3つ以上ある場合には、そのサイズ数に応じた数のプレート・ヒートパイプ対を設置することになる。そして、複数対のプレート・ヒートパイプを、それぞれ、記録媒体Pの幅方向サイズに応じて接離制御することになる。
以上説明したように、本実施の形態3においても、定着ベルト22とプレート・ヒートパイプ40A、40Bとが確実に面接触するために、当接面積が充分に確保されて、定着ベルト22の高温部からプレート・ヒートパイプ40への充分な熱の受け渡しがおこなわれる。これによって、定着ベルト22の幅方向両端部における温度上昇が確実に抑止され、幅方向の温度ムラも軽減される。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施の形態の中で示唆した以外にも、上記各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置される定着装置を示す断面図である。 図2の定着装置に設置されるプレート・ヒートパイプの近傍を示す部分拡大図である。 図2の定着装置における、定着ベルト上の幅方向の温度分布を示すグラフである。 この発明の実施の形態2におけるプレート・ヒートパイプの近傍を示す部分拡大図である。 この発明の実施の形態3におけるプレート・ヒートパイプの近傍を示す部分拡大図である。 図6のプレート・ヒートパイプを定着ベルトの内周面側からみた図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、 3 露光部、 4 作像部、
7 転写部、 10 排紙トレイ、 11、12 給紙部、
20 定着装置、 21 定着補助ローラ、 22 定着ベルト、
22a 内周面、 23 加熱ローラ、 24 誘導加熱部、 25 コイル部、
26 コア、 26a センターコア、 26b サイドコア、
28 内部コア、 30 加圧ローラ、 33 クリーニングローラ、
34 オイル塗布ローラ、 35 ガイド板、
36 分離板、 37 サーモスタット、
40、40A、40B プレート・ヒートパイプ、 40a 面取り部、
43 押圧部材、 44 付勢部材。

Claims (7)

  1. 加熱ローラと、定着ローラと、前記加熱ローラと定着ローラとに掛け回された定着ベルトと、該定着ベルトを介して前記定着ローラに圧接する加圧ローラとを備え、前記加圧ローラが圧接する定着ニップ部にてトナー像を加熱してトナー像を記録媒体に定着する定着装置において
    前記定着ベルトの走行方向における前記定着ニップ部の下流側であって、加熱ローラの上流側において、前記定着ベルトの内周面に平坦な面をもって当接するプレート・ヒートパイプを備え
    前記プレート・ヒートパイプは、記録媒体の搬送方向と直交する前記定着ベルトの幅方向両端部において、所定のサイズの記録媒体の領域外であって該所定のサイズよりも大きいサイズの記録媒体の通紙領域に対応する位置にそれぞれ設置され、且つ、これらのプレート・ヒートパイプは前記定着ベルトに対して接離自在に設けられ、前記大きいサイズの記録媒体を通紙するとき前記プレート・ヒートパイプは前記定着ベルトから退避させられることを特徴とする定着装置。
  2. 前記プレート・ヒートパイプは、放熱部材を介して前記定着ベルトに当接することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記放熱部材は、放熱グリースであることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記プレート・ヒートパイプは、前記定着ベルトとの当接面に面取り部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置。
  5. 前記プレート・ヒートパイプに対して前記定着ベルトを外周面側から押圧する押圧部材を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の定着装置。
  6. 前記加熱ローラは、電磁誘導によって加熱されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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