JP4456678B2 - 搬送装置に容器支持体を固定する装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は，搬送装置に容器支持体を固定する装置であって，容器支持体に配置されていて搬送装置に形成されている位置決め孔と協働する位置決め部材と，容器支持体を搬送装置に摩擦力結合及び又は形状結合で固定する少なくとも１つの結合部材とを有している形式のものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
このような形式の従来の搬送装置においては，容器支持体を搬送装置に固定する場合に，位置決めピンが容器支持体を搬送装置内で水平方向に位置決めし，次いで付加的なねじによって容器支持体が搬送装置と結合され，これによって容器支持体は軸方向でも搬送装置に固定される。しかし，例えば容積の異なる容器を搬送装置によって処理装置に搬送するために，搬送装置の規格寸法の切り替えを行う場合，多数の容器支持体を交換しなければならないが，付加的なねじを使用しているため，交換作業に高価な作業経費がかかる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は，工具を使用しないで，容器支持体を手作業で迅速かつ簡単に交換し得るようにし，同時に容器支持体を正確に位置決めして，搬送装置に確実に固定し得るようにすることである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために，本発明の構成では請求項１に記載したように，最初に述べた形式の固定装置において，位置決め部材が保持区分を有しており，結合部材が位置決め部材の押し込み方向に対して横方向に動き得るスライダとして構成されており，このスライダは位置決め部材と協働する形状の開口を有しており，スライダが非係止位置にあるときには，位置決め部材をスライダの開口内に軸方向に突入させることができ，スライダが係止位置にあるときには，スライダの開口が位置決め部材の保持区分に係合して，容器支持体を軸方向で搬送装置に固定するようにした。
【０００５】
【発明の実施の形態】
本発明の有利な実施の形態は従属請求項に記載したとおりである。
【０００６】
【実施例】
以下においては図面に示した実施例に基づいて，本発明の構成を具体的に説明する。
【０００７】
図１に示した搬送往復台１０は，注射器２のような薬品容器を処理ステーションに供給する搬送装置１の構成部分である。このような搬送装置は例えばドイツ連邦共和国特許出願公開第４３２０４７４号明細書に記載されており，したがって以下においては，搬送装置の基本的な構造及び機能について詳細に言及することはしない。搬送装置１を注射器２の種々の規格寸法に適合させるために，各搬送往復台１０に対して種々の規格寸法の注射器２の群のための容器支持体１１が準備されていて，その都度所定の容器支持体１１が搬送往復台１０に交換可能に固定されている。
【０００８】
容器支持体１１は互いに平行に間隔をおいた２つの保持板１２，１３を有している。これらの保持板は注射器２を受容するために，注射器の形状に適合した大きさの切り欠き１４を有している。両方の保持板１２，１３は共通の基台１５を有しており，この基台の，切り欠き１４の方の側には，保持板１２，１３の間に注射器２のための弾性的な保持ピン１７が配置されている。基台１５の平らな下面１８から２つの位置決めピン１９が突出しており，これらの位置決めピンはそれぞれ互いに逆の側に配置されている方形の２つの溝２１を有している。
【０００９】
容器支持体１１を搬送往復台１０に固定するために，搬送往復台１０はそれから水平に突出しているブラケット２２を有しており，このブラケットには，位置決めピン１９と重なり合う位置に位置決め孔２３が形成されている。ブラケット２２の下面２４には２つの終端位置の間で水平に動き得るスライダ２５が配置されている。スライダ２５を取り付け，案内しかつそのしゅう動距離を制限するために，ブラケット２２の下面２４に２つの案内ピン２７がねじ込まれており，各案内ピンはそれぞれスライダ２５に形成されている長孔２８を貫通しており，案内ピン２７のつば２９は長孔２８から側方に突出していて，スライダ２５を鉛直方向で保持する。
【００１０】
位置決めピン１９と重なり合う位置で，スライダ２５に貫通開口３１が形成されており，各貫通開口３１は，位置決めピン１９の直径に相応する直径を有する円形の導入区分３２と，この導入区分３２に接続しているほぼ方形の保持区分３３とを有している。この場合保持区分３３の幅Ｂは位置決めピン１９の両方の溝２２の間に残されているウェブ３４の幅に相応している。ブラケット２２の下面とは逆の側において，保持区分３３は拡大されていて，斜面３５を有しており，この斜面２５のブラケットの下面２４に対する間隔Ｈは導入区分３２の方の側から連続的に増大している。
【００１１】
スライダ２５の厚さＤ及び位置決めピン１９のウェブ３４若しくは溝２１の配置は次のように定められている。すなわち，容器支持体１１がブラケット２２と結合されている場合に，ウェブ３４がスライダ２５の貫通開口３１の保持区分３３のところに位置せしめられるようになっている。
【００１２】
スライダ２５を動かす（しゅう動させる）ために，スライダ２５の長さの半分のところで，スライダの，ブラケット２２とは逆の側に突起３６が設けられている。この突起３６のところで，ブラケット２２とスライダ２５との間に中空スペース３７が，ブラケット及びスライダの切り欠きによって，形成されている。この中空スペース３７内には引きばね３８が配置されていて，ピン３９と４０とによってブラケット２２及びスライダ２５に端部を固定されており，保持区分３３を位置決めピン１９と重ならせるような方向でスライダ２５に作用している。
【００１３】
容器支持体１１を搬送往復台１０に固定する場合，スライダ２５の突起３６を引きばね３８のばね力に抗して，長孔２８の長さに等しい最大のしゅう動距離だけ引く。スライダ２５のこの第１の終端位置においては，貫通開口３１の導入区分３２が位置決め孔２３と重なる。したがって容器支持体１１をブラケット２２に固定するために，容器支持体１１の位置決めピン１９を位置決め孔２３内に差し込むことができる。位置決めピン１９の差し込みは，基台１５の下面１８がブラケット２２上に接触するまで，行われる。この場合，位置決めピン１９の溝２２はスライダ２５のところに達している。
【００１４】
次いで，スライダ２５の突起３６を放すと，引きばね３８のばね力でスライダ２５が逆方向にしゅう動せしめられ，貫通開口３１の保持区分３３が位置決めピン１９のところに達する。
【００１５】
保持区分３３は位置決めピン１９の直径よりもわずかな幅Ｂを有しているので，保持区分３３がウェブ３４のところに達すると直ちに，容器支持体１１がブラケット２２上で軸方向に固定される。突起３６を放す際に，容器支持体１１がまだブラケット２２に接触していなくても，斜面３５の作用で容器支持体１１は自動的にブラケット２２に向かって引き付けられる。
【００１６】
搬送往復台１０からの容器支持体１１の取り外しは，スライダ２５の突起３６を引きばね３８のばね力に抗して引いて，スライダ２５をしゅう動させ，導入区分３２を位置決め孔２３と重ならせることによって，行われる。この状態で容器支持体１１はブラケット２２から引き出すことができる。
【００１７】
【発明の効果】
以上のような構成によって，本発明によれば，工具を使用しないで，容器支持体を手作業で迅速かつ簡単に交換することができ，同時に容器支持体を正確に位置決めして，搬送装置に確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】搬送装置の容器支持体を取り外した状態を示した斜視図である。
【図２】搬送装置の容器支持体を取り付けた状態を示した斜視図である。
【図３】取り付けられた容器支持体の平面図である。
【図４】取り付けられた容器支持体の縦断面図である。
【図５】図４のＶ−Ｖ線に沿った断面図である。
【符号の説明】
１ 搬送装置， ２ 注射器， １０ 搬送往復台， １１ 容器支持体， １２及び１３ 保持板， １４ 切り欠き， １５ 基台， １７ 保持ピン，１８ 下面， １９ 位置決めピン， ２１ 溝， ２２ ブラケット， ２３ 位置決め孔， ２４ 下面， ２５ スライダ， ２７ 案内ピン， ２８長孔， ２９ つば， ３１ 貫通開口， ３２ 導入区分， ３３ 保持区分， ３４ ウェブ， ３５ 斜面， ３６ 突起， ３７ 中空スペース， ３８ 引きばね， ３９及び４０ ピン， ｂ ウェブ３４の幅， Ｂ 保持区分３３の幅， Ｄ スライダの厚さ， Ｈ 斜面３５と下面２４との間隔

Claims (4)

1. 搬送装置（１）に容器支持体（１１）を固定する装置であって，容器支持体（１１）に配置されていて搬送装置（１）に形成されている位置決め孔（２３）と協働する位置決め部材（１９）と，容器支持体（１１）を搬送装置（１）に摩擦力結合及び又は形状結合で固定する少なくとも１つの結合部材とを有している形式のものにおいて，位置決め部材（１９）が保持区分（３４）を有しており，結合部材が位置決め部材（１９）の押し込み方向に対して横方向に動き得るスライダ（２５）として構成されており，このスライダ（２５）が位置決め部材（１９）と協働する形状の開口（３１）として位置決め孔（２３）を有しており，スライダ（２５）が非係止位置にあるときには，位置決め部材（１９）をスライダ（２５）の前記開口（３１）内に軸方向に突入させることができ，スライダ（２５）が係止位置にあるときには，スライダ（２５）の前記開口（３１）が位置決め部材（１９）の保持区分（３４）に係合して，容器支持体（１１）を軸方向で搬送装置（１）に固定し、位置決め孔（２３）としての前記開口（３１）からスライダ（２５）の運動方向に間隔をおいてスライダ（２５）の運動方向に延びる少なくとも１つの長孔（２８）がスライダ（２５）に形成されており，この長孔（２８）の長さが，スライダ（２５）の両方の終端位置の間のスライダ（２５）のしゅう動距離に等しく，長孔（２８）内には，スライダ（２５）のストッパ及び保持部材として役立つピン（２７）が係合していることを特徴とする，搬送装置に容器支持体を固定する装置。
2. スライダ（２５）をその係止位置に保持する弾性的な手段（３８）が設けられていることを特徴とする，請求項１記載の搬送装置に容器支持体を固定する装置。
3. 位置決め孔（２３）が搬送装置（１）の搬送往復台（１０）から水平に突出しているブラケット（２２）に形成されており，スライダ（２５）がこのブラケット（２２）の，容器支持体（１１）とは逆の側に配置されていることを特徴とする，請求項２記載の搬送装置に容器支持体を固定する装置。
4. 弾性的な手段（３８）が，ブラケット（２２）とスライダ（２５）との間で，閉じられている中空スペース（３７）内に配置されていることを特徴とする，請求項３記載の搬送装置に容器支持体を固定する装置。

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