JP4454199B2 - 医療用画像を得るための頸椎圧迫装置 - Google Patents

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は医療画像を得るための頸椎圧迫装置に関し、特に、コンピュータ断層撮影法又は磁気共鳴断層撮影法を用いた補完的検査において診断目的に用いられる頸椎圧迫装置に関する。本発明の目的は、コンピュータ断層撮影法及び／又は磁気共鳴断層撮影法に関連し頸椎に負荷をかけて適切で再現可能な検査、特に、変性・炎症状態並びに頸部の変性性不安定の診断に役立つ装置を得ることである。
【０００２】
（発明の背景）
変性及び炎症状態並びに変性性不安定度に関する頸部の診断は、十分に規定された条件下で実施するのが難しく、この目的に使用する診断器具又は装置も未だ市場に供給されていない。ＥＰ９５９２０３５７．１は医療画像を得るための腰椎圧迫装置、特に、脊髄管及び神経組織（脊椎狭窄）の有無の診断用装置を開示している。
【０００３】
さらに、ＵＳ−Ａ−３，６２９，５８１に記載の上部脊柱を検査台に向かって下方に押圧して上方脊椎の良好なＸ線写真を撮影可能にするＸ線検査用の患者肩部の位置決め装置が公知である。この装置では、足台の回りに配列した、患者用ハンドル付きの２本のフレキシブルな紐を介して、横たわっている患者の脊柱に圧力を加える。
解決すべき課題は、従って、変性及び炎症状態並びに変性性不安定度に関し、十分に規定された条件下で頸部を診断するための機器又は装置を得ることである。
【０００４】
（本発明の説明）
上記の課題は、本発明による装置により解決することができる。この装置は、患者の上半身周囲に確実に接触させて装着するウェスト装置と、患者の頭部周囲に確実に接触させて装着するヘルメット装置とを有し、ウェスト装置とヘルメット装置を接続する複数の紐より構成され、各紐は互いに独立して引き締めることができ、各紐にはその張力を監視するための張力計が装備されていることを特徴としている。
【０００５】
本発明によれば、頸椎への制御された負荷は、ウェスト装置を患者の上半身周囲に装着し、ヘルメット装置を患者の頭部に装着し、紐をある特定の荷重まで引き締めることにより得られる。さらに、この負荷は、非対称的に掛けることができるので、頸堆を前方、後方又は横方向のような任意の方向に曲げた状態で検査し、診断することができる。
【０００６】
本発明の好適な実施例を示す添付の図面を参照して、本発明につき以下に詳述するが、本発明は、添付の図面に限定されるものではない。図１は、本発明による装置の１実施例を示す側面図である。
【０００７】
図１において、１は患者の上半身の胸部周りに装着されるウェスト装置であり、わきの下まで固定でき、バードックタイプのコードを用いて容易に締め付けることができる。このウェスト装置はしっかりと且つ快適に被着できるが、そのために身体上で滑動しない。ヘルメット２は、頭部にしっかりと滑動しないように被着させる手段を装備している。このヘルメット２は、通常、頭部の上面を通る複数のコード３と装着する頭部の直径に合わせて調節可能な頭部バンド４を有している。ヘルメット装置とウェスト装置間に少なくとも４本の引っ張りコード又は紐５を配列してあり、各紐は個別にヘルメット／ウェスト装置に分離／接続できる。各紐は、張力計６と引っ張り手段を有しており、各紐を個別に引っ張ることができ、各紐の張力を監視できる。引っ張り手段は、単純な実施例の場合、手動又はモータ駆動式の機械的なローラ装置であってよい。張力計６は、使用条件の決定に必要なデータを蒐集するコンピュータに接続できるよう、電子式であるのが好ましい。
【０００８】
本発明の装置を装着した患者を、コンピュータ断層撮影装置又は磁気共鳴断層撮影用装置に導入するのに適した患者用テーブルの静止表面に横たえる。コンピュータ断層撮影装置及び磁気共鳴断層撮影装置は公知のユニットであり、本発明の主題である。
【０００９】
少なくとも４本のコード又は紐５を持つことにより、種々の曲げ状態を実現できる。通常検査の間、コードの張力は約８〜１０ｋｐｍであり、特定の限界条件、例えば頸部に極めて大きい力及び負荷が加えられた“むちうち障害”の調査時の張力は、１５〜２０ｋｐｍ又はそれ以上である。さらに特殊な曲げ状態を実現するためにコードの本数を増加させることができる。その場合には、個別に張力計を装備した６本又は８本のコード又は紐を取付けることができる。
【００１０】
張力計６は、コード５を引っ張り駆動するモータに接続して、張力計６でモータを制御し所定の調整値を維持できるようにしてもよい。
【００１１】
検査時、患者は断層撮影装置の患者用テーブルの静止表面に背中をつけて横たわり、ウェスト装置を患者の胸郭周囲に装着し、ヘルメット装置を患者の頭部に装着し、その後、各々張力計を有するコード又は紐を上記２つの装置間に取り付ける。コード又は紐を所定値まで引き締め、患者を断層撮影装置中に移送し所望の映像を得る。磁気共鳴断層撮影法の使用条件を決定するために、特定の専用アクセサリーを用い患者と信号受信部品間の距離に応じた正しい信号を得る必要があるが、これは、かような断層撮影装置のオペレータには共通の知識であり、本発明の部分ではない。

Claims (4)

1. コンピュータ断層撮影法又は磁気共鳴断層撮影法を用いる補完検査時の診断目的用頸椎圧迫装置において、該装置が、
   患者の上半身周囲に確実に接触して装着するウェスト装置（１）と、
   患者の頭部周囲に確実に接触して装着するヘルメット装置（２）と、
   前記ウェスト装置と前記ヘルメット装置を接続する紐（５）より構成され、前記紐（５）は互いに独立して引き締めることができ、各紐は紐張力を監視するための張力計（６）を有していることを特徴とする頸椎圧迫装置。
2. 前記紐（５）の張力を手動で調整するように配列したことを特徴とする請求項１に記載の装置。
3. 前記紐（５）の張力をモータを用いて調整するように配列したことを特徴とする請求項１に記載の装置。
4. 前記紐（５）の張力を前記張力計（６）により制御されるモータを用いて調整するように配列したことを特徴とする請求項１に記載の装置。

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